JP3566663B2 - 情報処理装置、クロック制御方法 - Google Patents

情報処理装置、クロック制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信機能を有する情報処理装置、この情報処理装置で用いられるクロック制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パーソナルコンピュータや携帯情報機器(PDA(personal digital assistant)等)に無線通信機能を搭載する場合、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)に準拠したICカードやコンパクトフラッシュなどにより実現された無線モジュールを搭載した無線通信カードを使用したり、携帯電話やPHS(personal handyphone system)などとのインタフェースカードを使用している。
【0003】
ところで、無線通信では、通信器もしくはその接続機器の無線部以外の回路で使用する動作クロックと干渉する特定の周波数でノイズが増加して無線通信しにくくなるため、無線部以外のクロックを無線通信周波数と干渉しないように予め設計する必要がある。しかし、複数の無線モジュールや携帯電話などに対応して複数の無線帯域を使用するような機器では全無線帯域に対して無線部以外のクロックが干渉しないように設計することが難しかった。
【0004】
また、機器動作中にクロックを変更したとしてもクロックを単に定数倍、定分周する変更では、無線通信で問題となる無線部以外のクロックの無線周波数への干渉によるノイズには効果がない。機器動作中にクロックを変更する技術としては、例えば特願平11−38885号公報に開示されている。特願平11−38885号公報に開示された技術は、電磁妨害(electro magnetic interference:EMI)を低減するためにCPUクロックを制御するもので、割り込み要求数に応じて段階的(定数倍、定分周)にクロックを下げるCPUクロックの制御方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来では、通信器もしくはその接続機器の無線部以外の回路で使用する動作クロックと無線通信周波数とが干渉しないようにするために、回路で使用するクロックが干渉しないように設計することは困難であり、また機器動作中にクロックを変更するとしても、例えば特願平11−38885号公報に開示された技術を使用した場合、定数倍、定分周による変更では、無線通信で問題となる無線部以外のクロックの無線周波数への干渉によるノイズには効果がなかった。
【0006】
本発明は前記のような事情を考慮してなされたもので、無線通信に使用する無線モジュールの無線通信周波数帯と干渉しないように機器側の動作周波数を変更して、無線通信でのノイズを低減させることが可能な情報処理装置、クロック制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、無線モジュールを装着して無線通信を行う情報処理装置において、複数の無線モジュールのそれぞれが使用する無線周波数帯を示す通信周波数情報が登録されている情報格納手段と、所定のクロックにより動作する複数のユニットのそれぞれに対応して、装置の動作周波数のもとになる互いに定数倍ではない複数の周波数を発振する周波数回路と、装着された無線モジュールが無線通信に使用する無線周波数帯を示す通信周波数情報を前記情報格納手段から取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記通信周波数情報が示す無線周波数帯と干渉しない周波数を、前記複数のユニットのそれぞれに対応する前記周波数回路により発振される複数の周波数から個別に選択する選択手段と、装着された無線モジュールが無線通信で使用する無線周波数を前記無線モジュールから取得する周波数取得手段と、前記選択手段が前記所得手段によって取得された前記通信周波数情報が示す無線周波数帯と干渉しない周波数を選択できない場合に、前記周波数取得手段によって取得された無線周波数と干渉しない周波数を、前記周波数回路により発振される複数の周波数から選択する周波数選択手段とを具備し、前記選択手段または前記周波数選択手段によって選択された周波数をもとに装置を動作させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は第1実施形態に係わる情報処理装置の本発明に関係する主要な構成を示すブロック図である。情報処理装置は、例えばCD−ROM、DVD、磁気ディスク等の記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって実現される。
【0009】
図1に示すように、第1実施形態における情報処理装置は、CPU10、メモリ12、周波数回路14、周辺回路16を有している。
【0010】
CPU10は、メモリ12に格納されたプログラムを実行することにより装置全体の制御を司る。CPU10は、メモリ12に格納されたクロック制御プログラム12aを実行することにより、無線通信をするために装着された無線モジュールの無線周波数と装置の動作クロック周波数とが干渉しないようにするクロック制御を実現する。クロック制御では、無線通信をするために装着された通信モジュールが無線通信に使用する周波数帯を判別し、この判別された周波数帯と干渉しない周波数を周波数回路14により発振される複数の周波数から選択する機能を実現する。
【0011】
メモリ12には、各種プログラムやデータが格納されるもので、クロック制御に関してはクロック制御プログラム12a、通信周波数情報データベース12bなどが格納される。
【0012】
周波数回路14は、装置の動作周波数のもとになる互いに定数倍ではない複数の周波数を発振するもので、第1実施形態では周波数f1で発振するクロック発振器A1と、周波数f2で発振するクロック発振器A2の2つの発振器と、CPU10からの制御のもとでクロック発振器A1とクロック発振器A2の何れかを選択するクロック選択回路14aを含んでいる。周波数f1と周波数f2とは、互いに定数倍ではないことから、一方のクロック発振器が発振する周波数の定数倍は、他方が発振する周波数(及びその定数倍、定分周の周波数)とは一致しないように設計されている。
【0013】
周辺回路16は、無線通信をするための無線モジュールが装着されるユニットを含む、情報処理装置を構成する各種ユニットを表している。周辺回路16は、無線モジュールとCPU10との間を仲介する。
【0014】
第1実施形態では、使用無線周波数帯が異なる無線モジュールB1,B2が使用されるものとする。無線モジュールB1,B2としては、具体的にはPHS内蔵PCカード、携帯電話インタフェースカードと携帯電話、PHSインタフェースカードとPHS端末など各種形態の無線モジュールを含んでいるものとする。これらを無線モジュールと総称して説明する。
【0015】
無線モジュールによる無線通信で使用する無線周波数帯としては、具体的には、携帯電話(PDC(Personal Digital Cellular))では800MHz(基地局送信周波数810〜826MHz)または1.5GHz(基地局送信周波数1477〜1501MHz)、PHSでは1.9GHz(屋外公衆用1893.5〜1919.6MHz)、Bluetoothでは2.4GHz(日本では2400〜2483.5MHz)である。
【0016】
図2には、クロック制御プログラム12aとともに複数の無線モジュールを対象としてクロック制御を行うために参照される通信周波数情報データベース12bのデータ構成例を示している。図2に示すように、通信周波数情報データベース12bとしては、無線モジュールを識別するための無線モジュールIDと、無線モジュールIDが示す無線モジュールが使用する無線周波数帯を示す通信周波数情報とが対応づけて登録されている。無線モジュールIDは、周辺回路16に装着されることにより認識できるカードIDなどである。
【0017】
図3には、無線モジュールB1,B2の無線周波数とクロック発振器A1,A2が発振する周波数との干渉の関係について示している。無線モジュールB1,B2がそれぞれ使用する無線周波数帯が図中の矩形枠で示す範囲である場合、クロック発振器A1の周波数f1は、無線モジュールB1で使用する周波数には干渉しないが、無線モジュールB2で使用する無線周波数帯には何次目かの高調波が干渉し(無線モジュールB2の周波数帯に含まれる○で示す周波数)、クロック発振器A2の周波数f2は、無線モジュールB2で使用する周波数帯には干渉しないが、無線モジュールB1で使用する無線周波数帯には何次目かの高調波が干渉することを表している(無線モジュールB2の周波数帯に含まれる
□で示す周波数)。
【0018】
ここで、2つのクロック発振器A1,A2を用いた干渉回避の具体例を説明する。
例えば、1.5GHz帯(基地局送信周波数1477〜1501MHz)を使用する無線モジュールが装着された場合に、CPU10が22MHzを基本周波数として動作する場合を想定する。この場合、22MHzの68次の高調波が1496MHzとなるため、無線モジュールが無線通信でこの周波数を使用する場合に干渉を起こし通信性能を劣化させる。従って、CPU10の動作クロックの基本周波数として22MHzの他に21MHzを用意しておけば、無線通信で1496MHzを使用するときに、CPU10の基本周波数を21MHzと変更することで干渉を回避することができる。
【0019】
図4には、無線モジュールB1の無線周波数帯が図3に示すよりも広い場合のクロック発振器A1,A2が発振する周波数との干渉の関係について示している。図4に示すように、無線モジュールB1の無線周波数帯が広い場合には、図3に示す無線モジュールB1の無線周波数帯を避けうるクロック発振器A1であっても干渉を避けられなくなってしまう。この場合、無線モジュールB1の全無線周波数帯を通して、クロック発振器A1,A2の何れかは干渉しない周波数f1,f2となるように、クロック発振器A1,A2を設計しておく。すなわち、無線モジュールB1の無線周波数帯において実際に無線通信に使用される無線周波数が何れであったとしても、クロック発振器A1,A2の少なくとも一方が干渉しない周波数f1,f2を発振するように、クロック発振器A1,A2を設定しておく。
【0020】
次に、第1実施形態における情報処理装置のクロック制御の動作について説明する。
CPU10は、目的に合った動作ができるように、クロック選択回路14aを制御して、クロック発振器A1とクロック発振器A2の何れかを選択し、クロック発振器A1からの周波数f1あるいはクロック発振器A2からの周波数f2の何れかをCPUクロックとして入力する。この際、クロック選択回路14aは、選択しなかった方のクロック発振器の動作を停止させる。基本的には、高速動作ができるようにCPUクロックを選択するが、消費電力を低下させるために低速で動作させる場合など、目的に合わせたCPUクロックとなるように周波数回路14に対する制御を実行する。
【0021】
また、CPU10は、装着された無線モジュールが使用する無線周波数と機器側で使用する(CPUクロックの)周波数が干渉する場合、無線通信時に通常時の動作周波数から干渉しない動作周波数に変更し、無線通信の終了後にもとの動作周波数に変更する。
【0022】
まず、図5に示すフローチャートを参照しながら、図3に示すような無線周波数帯を使用する2つの無線モジュールB1,B2を使用する場合を想定した場合の動作について説明する。CPU10は、メモリ12に格納されたクロック制御プログラム12aを実行することで、図5のフローチャートに示すクロック制御を実現する。
【0023】
ここでは、CPU10の動作周波数がクロック発振器A1の周波数f1で動作中に、無線モジュールが使用する無線周波数帯への干渉を判別する例を示している。
【0024】
CPU10は、周辺回路16に対して無線モジュールが装着されたことを検出すると(ステップA1)、装着された無線モジュールの種類を示す無線モジュールIDを認識する(ステップA2)。
【0025】
CPU10は、クロック制御プログラム12aと共にメモリ12に格納された通信周波数情報データベース12bを参照し、無線モジュールIDに対応する通信周波数情報、すなわち装着された無線モジュールが無線通信を実行する際に使用する無線周波数帯を示す情報を取得する(ステップA3)。
【0026】
以下、CPU10は、通常動作を開始する(ステップA4)。
CPU10は、通常動作中に無線通信開始命令を実行する場合、あるいは無線通信の要求を無線モジュール、周辺回路16を通じて受信した場合(着呼確認)、すなわち無線モジュールを用いた無線通信を開始する場合には、現在動作中のクロック発振器A1の周波数f1が、装着された無線モジュールが使用する無線周波数帯と干渉するかを判別する(ステップA6)。無線周波数に対して周波数f1が干渉するかどうかは、無線モジュールの無線周波数帯に、周波数f1の定数倍となる周波数があるか否かによって判別する。
【0027】
ここで、周波数f1と通信モジュールの無線周波数帯とが干渉しないと判別できた場合、CPU10は、クロック選択回路14aに対してクロック発振器を変更する指示をしないで無線通信を開始し(ステップA7)、無線通信を終了するまでの間、動作クロックを変更しない(ステップA8)。
【0028】
例えば、図3に示す無線周波数帯を使用する無線モジュールB1が装着された場合には、クロック発振器A1による周波数f1と無線モジュールB1の無線周波数帯とが干渉しないので、そのまま目的に合わせたクロック発振器A1による周波数f1をCPUクロックとして動作する。
【0029】
一方、周波数f1と通信モジュールの無線周波数帯とが干渉すると判別できた場合(ステップA6)、CPU10は、通信動作開始直前に、クロック選択回路14aに対してクロック発振器の変更を命令し、クロック選択回路14aによってクロック発振器A2を選択させる(ステップA9)。CPU10からの命令を受けたクロック選択回路14aは、まず停止中のクロック発振器A2の動作を開始させ、CPU10へ出力するクロックの周波数をクロック発振器A1の周波数f1からクロック発振器A2の周波数f2へ変更した後、クロック発振器A1の動作を停止させる。
【0030】
CPU10は、クロック選択回路14aにより動作クロックの周波数を変更した後、無線通信を開始し(ステップA10)、無線通信を終了するまでの間、動作クロックをクロック発振器A2からの周波数f2とする(ステップA11)。
【0031】
例えば、図3に示す無線周波数帯を使用する無線モジュールB2が装着された場合には、クロック発振器A1による周波数f1と無線モジュールB2の無線周波数帯とが干渉することが判別されるので、クロック発振器A2による周波数f2の動作クロックに変更される。図3に示すように、クロック発振器A2による周波数f2は、無線モジュールB2が使用する無線周波数帯と干渉しないので、無線通信実行中に通信品質を劣化させるノイズの発生を回避できる。
【0032】
CPU10は、無線通信動作を終了させた後、通信開始時と同様の手順により、動作クロックの周波数を変更する。すなわち、クロック選択回路14aに対してクロック発振器の変更を命令し、クロック選択回路14aによってクロック発振器A1を選択させる(ステップA12)。CPU10からの命令を受けたクロック選択回路14aは、まず停止中のクロック発振器A1の動作を開始させ、CPU10へ出力するクロックの周波数をクロック発振器A2の周波数f2からクロック発振器A1の周波数f1へ変更した後、クロック発振器A2の動作を停止させる。
【0033】
こうして通信動作中において(ステップA13)、無線通信を実行する場合には、装着された無線モジュールB2が使用する無線周波数帯と干渉しない周波数を発生するクロック発振器A2を選択して、CPU10の動作クロックの周波数を変更して動作させる。
【0034】
なお、前述した説明では、CPU10は、基本的にクロック発振器A1の周波数f1による動作クロックで動作するものとして説明しているが、通常動作中に例えば省電力動作モードにするといったある目的のためにクロック発振器A2の周波数f2の動作クロックに切り替えられる場合がある。前述した説明では、無線モジュールB2が装着された場合には無線通信を開始する前にクロック発振器を切り替えているが、通常動作中にクロック発振器A2の周波数f2の動作クロックで動作する動作モードに切り替えられた場合には、無線モジュールB2がそのまま使用する場合であってもクロック発振器の切り替えが不要となる。
【0035】
また、前述した説明では、CPU10の動作クロックについて周波数回路14により動作クロックを変更するものとしているが、CPU10以外の他の情報処理装置を構成するユニット(周辺回路16)の動作クロックについても変更するものとする。
【0036】
このようにして、無線通信を実行する場合には、無線モジュールが使用する無線通信帯に対して干渉しない周波数を周波数回路14において選択し、この選択した周波数による動作クロックで情報処理装置(無線部以外)を動作させることで、無線通信の際に発生するノイズを低減して無線通信品質の向上を図ることができる。また、無線通信を行わない場合には、CPU10を高速動作させるなど、所定の目的に適した周波数による動作クロックで情報処理装置を動作させることができる。
【0037】
次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、図4に示すような無線周波数帯を使用する2つの無線モジュールB1,B2を使用する場合を想定した場合の動作について説明する。無線モジュールB1が使用する無線周波数帯は、図3に示す無線モジュールB1よりも広いためにクロック発振器A1の周波数f1と干渉する。なお、周波数回路14のクロック発振器A1,A2は、無線モジュールB1の全無線周波数帯を通して、クロック発振器A1,A2の何れかであれば干渉しない周波数f1,f2を発振するように、クロック発振器A1,A2が設計されている。すなわち、クロック発振器A1,A2により発振される周波数f1,f2の定数倍の周波数が、装着される無線モジュールの無線周波数帯において一致することがないように設計されている。
【0038】
なお、図6のフローチャートに示すクロック制御は、基本的に図5のフローチャートに示すクロック制御と同様にして行われる。すなわち、ステップA1〜A5に対してステップB1〜B5、ステップA6〜A13に対してステップB7〜B14の各ステップが対応しており、同様の処理を実行するものとして詳細な説明を省略する。
【0039】
情報処理装置に装着された無線モジュールは、CPU10からの無線通信開始命令に応じて、通信相手となる機器(無線モジュールなど)との間で無線通信回線を確立する際に、無線通信に使用する無線周波数を決定する。
【0040】
図6のフローチャートに示すクロック制御ではステップB6において、CPU10は、無線通信開始時に、装着された無線モジュールが使用する無線通信周波数を無線モジュールから取得し、この無線通信周波数に対してクロック発振器A1の周波数f1が干渉するかを判別する(ステップB7)。ここで、無線周波数に対してクロック発振器A1の周波数f1が干渉する場合には、クロック発振器A2を選択して周波数f2を使用するよう、クロック選択回路14aによって動的に変更させる。
【0041】
このようにして、図4に示すように、無線モジュールB1の使用する無線周波数帯が広いために、この周波数帯に対してクロック発振器A1,A2による周波数では干渉が避けられない場合であっても、無線モジュールが無線通信に使用する無線周波数を判別し、この無線周波数と干渉しない周波数を発振するクロック発振器A1またはクロック発振器A2を選択して、情報処理装置(無線部を除く)の動作クロックの周波数とすることができるので、無線通信の際に発生するノイズを低減して無線通信品質の向上を図ることができる。
【0042】
次に、第2実施形態について説明する。
図7には第2実施形態に係わる情報処理装置の本発明に関係する主要な構成を示すブロック図である。図7に示すように、第2実施形態における情報処理装置は、CPU10、メモリ12、周辺回路16、可変周波数回路20を有している。
【0043】
第2実施形態の情報処理装置は、第1実施形態の情報処理装置のようにクロック発振器A1,A2の2つを持った周波数回路14を設けるのではなく、PLL(Phase Locked Loop)等を用いた可変周波数回路20を設けて周波数の変更を行う。可変周波数回路20により変更できる周波数は、変更前の周波数の定数倍、定分周とならない、互いに定数倍ではない複数の周波数を発振することができる。
【0044】
なお、第2実施形態の情報処理装置(クロック制御プログラム12a)の動作は、第1実施形態と同様にして実行されるものとして詳細な説明を省略する。すなわち、情報処理装置に装着された無線モジュールB3において無線通信に使用する周波数と干渉しない周波数をCPU10の動作クロックに設定する。
【0045】
このようにして、発振する周波数を限られた数とするのではなく可変とした可変周波数回路20を設けることにより、装置の動作周波数を柔軟に変更することができる。従って、無線通信品質の変化、あるいは無線通信ユニット18(無線通信に使用する無線周波数)の違いに柔軟に対応して装置の動作周波数を変更し、無線通信の品質を向上させることができる。
【0046】
次に、第3実施形態について説明する。
図8には第3実施形態に係わる情報処理装置の本発明に関係する主要な構成を示すブロック図である。図8に示すように、第3実施形態における情報処理装置は、CPU10、メモリ12、周辺回路16の他、ゲートアレイ22、LCD24などのチップやモジュールと、CPU10と各チップやモジュール(ゲートアレイ22、LCD24)など所定のクロックにより動作する複数のユニットのそれぞれに対応するクロック制御用の可変周波数回路26,28,30が設けられている。可変周波数回路26,28,30は、それぞれCPUクロック、ゲートアレイ用クロック、LCD用クロックを生成するための回路であり、クロック制御プログラム12aによるCPU10の制御のもとで制御され、互いに定数倍ではない複数の周波数を発振することができる。
【0047】
なお、第3実施形態の情報処理装置(クロック制御プログラム12a)の動作は、第1実施形態と同様にして実行されるものとして詳細な説明を省略する。すなわち、情報処理装置に装着された無線モジュールB4において無線通信に使用する周波数と干渉しない周波数を、CPU10の動作クロックについては可変周波数回路26、ゲートアレイ22の動作クロックについては可変周波数回路28、LCD24の動作クロックについては可変周波数回路30によって個別に設定する。
【0048】
このようにして、装置を構成する各ユニットに応じて個別に動作周波数を変更することができるので、無線周波数に悪影響を及ぼさないようにして、各ユニットを最適な動作周波数で動作させることができる。
【0049】
なお、上述した実施形態において記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるクロック制御プログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたクロック制御プログラムを読み込み、または通信媒体を介してクロック制御プログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0050】
また、本願発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、装着された無線モジュールが使用する無線周波数帯(さらには無線通信に使用する無線周波数)を判別し、無線通信に干渉しないように情報処理装置(機器側)の動作周波数を変更することにより、無線通信でのノイズを低減させ、通信品質の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係わる情報処理装置の本発明に関係する主要な構成を示すブロック図。
【図2】通信周波数情報データベース12bのデータ構成例を示す図。
【図3】無線モジュールB1,B2の無線周波数とクロック発振器A1,A2が発振する周波数との干渉の関係を示す図。
【図4】無線モジュールB1の無線周波数帯が広い場合のクロック発振器A1,A2が発振する周波数との干渉の関係について示す図。
【図5】通信モジュールの使用する無線周波数帯を判別して動作周波数を変更するクロック制御を説明するためのフローチャート。
【図6】通信モジュールの使用する無線周波数帯が広い場合に無線周波数を判別して動作周波数を変更するクロック制御を説明するためのフローチャート。
【図7】第2実施形態に係わる情報処理装置の本発明に関係する主要な構成を示すブロック図。
【図8】第3実施形態に係わる情報処理装置の本発明に関係する主要な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
10…CPU
12…メモリ
12a…クロック制御プログラム
12b…通信周波数情報データベース
14…周波数回路
14a…クロック選択回路
A1,A2…クロック発振器
16…周辺回路
B1,B2,B3,B4…無線モジュール
20…可変周波数回路
22…ゲートアレイ
24…LCD
26,28,30…可変周波数回路

Claims (3)

  1. 無線モジュールを装着して無線通信を行う情報処理装置において、
    複数の無線モジュールのそれぞれが使用する無線周波数帯を示す通信周波数情報が登録されている情報格納手段と、
    所定のクロックにより動作する複数のユニットのそれぞれに対応して、装置の動作周波数のもとになる互いに定数倍ではない複数の周波数を発振する周波数回路と、
    装着された無線モジュールが無線通信に使用する無線周波数帯を示す通信周波数情報を前記情報格納手段から取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記通信周波数情報が示す無線周波数帯と干渉しない周波数を、前記複数のユニットのそれぞれに対応する前記周波数回路により発振される複数の周波数から個別に選択する選択手段と
    装着された無線モジュールが無線通信で使用する無線周波数を前記無線モジュールから取得する周波数取得手段と、
    前記選択手段が前記所得手段によって取得された前記通信周波数情報が示す無線周波数帯と干渉しない周波数を選択できない場合に、前記周波数取得手段によって取得された無線周波数と干渉しない周波数を、前記周波数回路により発振される複数の周波数から選択する周波数選択手段とを具備し、
    前記選択手段または前記周波数選択手段によって選択された周波数をもとに装置を動作させることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記周波数回路は、装着される無線モジュールが無線通信に使用する周波数帯において、複数の周波数のそれぞれの定数倍が一致しない周波数を発振することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
  3. 無線モジュールを装着して無線通信を行う情報処理装置のクロック制御方法において、
    装着された無線モジュールが無線通信に使用する無線周波数帯を示す通信周波数情報を、複数の無線モジュールのそれぞれが使用する無線周波数帯を示す通信周波数情報が登録されている情報格納手段から取得する取得ステップと、
    前記取得ステップによって取得された前記通信周波数情報が示す無線周波数帯と干渉しない周波数を、所定のクロックにより動作する複数のユニットのそれぞれに対応する、装置の動作周波数のもとになる互いに定数倍ではない複数の周波数を発振する周波数回路から個別に選択する選択ステップと
    装着された無線モジュールが無線通信で使用する無線周波数を前記無線モジュールから取得する周波数取得ステップと、
    前記選択ステップにおいて前記無線周波数帯と干渉しない周波数を選択できない場合に、前記周波数取得ステップによって取得された無線周波数と干渉しない周波数を、前記周波数回路により発振される複数の周波数から選択する周波数選択ステップとを有し、
    前記選択ステップまたは前記周波数選択ステップによって選択された周波数をもとに装置を動作させることを特徴とするクロック制御方法。
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