JP3698539B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信装置に関し、特に2つの周波数帯域で使用できるダブルスーパーヘテロダイン方式の無線通信装置に関するものであって、さらに詳しくは前記方式の通信装置の無線部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
送受信の周波数が異なる無線通信に関して、2つの周波数帯域で使用でき、送受信の周波数間隔が使用帯域により異なる無線通信の例として、近年、先進国を中心に急速に拡大している携帯電話がある。携帯電話は、従来アナログ方式でサービスが開始され、これまで広く利用されてきたが、急増する需要を賄いきれない状況になり、新たな帯域を使用したディジタル方式のサービスが開始された。
ディジタル方式は、加入者容量、通信コスト、秘話性、通信の多様性に優れており、今後、アナログ方式の帯域もディジタル方式に取り込まれることが決定されており、その場合においても、2つの帯域が存在することになるため、送受信での周波数が異なり、かつ2つの周波数帯域で使用できる無線携帯電話機が注目されている。
【0003】
通常上記のような2帯域で使用可能な端末を実現するために、例えば、国内800MHz帯ディジタル方式携帯電話(以後、PDCと呼ぶ)の場合には、図25のような3シンセサイザを用いた方式が採用されている。
図25は、ディジタル帯域及びアナログ帯域の2つの周波数帯域で使用できる無線携帯電話機の無線部の回路ブロック図である。
【0004】
図示するように無線部の回路ブロックは、ディジタル帯域及びアナログ帯域共用のアンテナ1、送受切替回路2、受信RF信号を第1IF信号にダウンコンバートする為の受信用RFミキサ3、第1IF信号用バンドパスフィルタ4、第1IF信号を第2IF信号にダウンコンバートする為の受信用IFミキサ5、受信用第2局発IF帯シンセサイザ26、受信用第1局発周波数帯で発振するRF帯シンセサイザ23、VCXO(水晶発振器)11、RF帯シンセサイザ信号を送信信号にアップコンバートする為の送信シフト用ミキサ25、送信IFシンセサイザ24から構成される。
【0005】
まず、送信時について説明する。上記構成の無線携帯電話機において、RF帯シンセサイザ23から、ディジタル帯域使用時は680〜688MHz、アナログ帯域使用時は740〜755MHzの信号を発振、出力し、送信IFシンセサイザ24から、ディジタル帯域使用時は260MHz、アナログ帯域使用時は185MHzの信号を発振、出力することにより、送信シフト用ミキサ25では該RF帯シンセサイザ23から発振、出力された信号が該送信IFシンセサイザ24から発振、出力された信号によりアップコンバートされ、ディジタル帯域使用時は940〜948MHz、アナログ帯域使用時は925〜940MHzの送信搬送波が発生する.発生した送信搬送波は送信系回路13へ入力され、直接直交変調された後、送受切替回路2を介し、アンテナ1から送信される。
【0006】
次に、受信時について説明する。アンテナで受信した受信RF信号は、ディジタル帯域とアナログ帯域を使用する場合は810〜818MHzもしくは870〜885MHzである。この時、RF帯シンセサイザ23から、ディジタル帯域使用時は680〜688MHz、アナログ帯域使用時は740〜755MHzの信号を発振、出力することにより、受信用RFミキサ3では該RF帯シンセサイザから発振、出力された信号により受信RF信号が2つの周波数帯域共に130MHzの第1IF信号にダウンコンバートされる。その後、第1IF信号はバンドパスフィルタ4を介した後、受信用IFミキサ5に入力される。ここで、受信用IFミキサ5では、受信用第2局発IF帯シンセサイザから発振、出力された129.55MHzの信号により第1IF信号が450kHzの第2IF信号にダウンコンバートされ、復調器に入力後、復調される。
このようにして、ディジタル帯域とアナログ帯域の2つの周波数帯域において使用できる無線携帯電話機の無線部を構成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の構成においては、IF帯シンセサイザ、RF帯シンセサイザ、送受切替用シンセサイザの3個のシンセサイザが必要とされ、回路構成が複雑になるだけでなく、小型化及び低消費電力化に適さないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は小型、軽量化され、さらに携帯に便利な無線通信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域の2つの周波数帯域で使用できるダブルスーパーヘテロダイン方式であって、RF帯シンセサイザ及びIF帯シンセサイザと、該RF帯シンセサイザ及び該IF帯シンセサイザの出力を周波数混合する為のミキサを備える無線通信装置において、送信時には前記ミキサから出力される信号を送信搬送波として使用し、受信時には前記RFシンセサイザの出力を受信用第1局発信号、装置内の任意の基準信号源のN/M倍波(N、Mは1以上の整数でN=M=1以外)を受信用第2局発信号として使用し、かつ前記RF帯シンセサイザ及び前記IF帯シンセサイザ両方もしくはどちらか片方の発振周波数を、各々の使用帯域の送受信において切り換え、前記RF帯シンセサイザ出力と前記IF帯シンセサイザ出力とを周波数混合するミキサを、受信時に非動作状態とし、受信時に前記IF帯シンセサイザを非動作状態とし、送信時には前記IF帯シンセサイザを動作状態とし、同時に前記基準信号源を除く前記N/M倍波を生成する機能を停止させることを特徴とする。
【0010】
このように構成することにより、IF帯シンセサイザ及びRF帯シンセサイザの両方もしくはどちらか片方の発振周波数を各々の使用帯域の送受信で切り替え、かつ送信時のみ両シンセサイザの出力を混合するため、シンセサイザを2個使用するだけの簡単な構成で、2つの周波数帯域で使用でき、受信待ち受け時間の改善も可能となる。
【0012】
また、このように構成することにより、装置内の基準信号源と該IF帯シンセサイザの周波数関係がM/N倍である場合、受信時に該基準信号のN/M倍波を受信第2局発信号として用い、該IF帯シンセサイザを受信時に非動作状態とすることで、受信時消費電流をより小さくすることができる。
【0019】
本発明のうち請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の無線通信装置の装置内にある任意の基準信号源の発振周波数frefが129.6MHzのM/N倍(N、Mは1以上の整数でN=M=1以外)であって、第1の帯域及び第2の帯域の受信時に前記基準信号源のN/M倍波を受信用第2局発信号として使用することを特徴とする。
【0020】
本発明のうち請求項3記載の発明は、前記請求項1記載の無線通信装置の装置内にある任意の基準信号源の発振周波数frefが89.6MHzのM/N倍(N、Mは1以上の整数でN=M=1以外)であって、第1の帯域及び第2の帯域の受信時に前記基準信号源のN/M倍波を受信用第2局発信号として使用することを特徴とする。
【0021】
本発明のうち請求項4記載の発明は、上記すべての請求項に係る無線通信装置での2帯域の送信それぞれの場合に選択されるIF帯シンセサイザの周波数fi_ TX1 、 fi_ TX2 のうち1つの周波数が、他の周波数もしくはその近傍の周波数のK/L倍(K、Lは1以上の整数でK=L=1以外)の関係に選ばれ、かつ前記K/L倍に選択された周波数を使用する場合は、前記IF帯シンセサイザを関係のある他の周波数に設定し、前記IF帯シンセサイザ出力周波数のL/K倍波を用いることを特徴とする。上述のように、IF帯シンセサイザの周波数をK/L倍の関係に選択し、IF帯シンセサイザ出力のL/K倍波を用いることにより、該シンセサイザ内のVCOの構成を簡易化できる。
【0022】
本発明のうち請求項5記載の発明は、前記L/K倍波を使用しない場合に、前記L/K倍波を生成する機能を停止させることを特徴とする。
【0024】
本発明のうち請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の無線通信装置において、前記K、LをK>Lの関係に選択することを特徴とする。
【0026】
本発明のうち請求項7記載の発明は、請求項4乃至請求項6に記載の無線通信装置において、前記L/K倍回路が分周回路を含む場合、該分周回路をPLL・ICに内蔵したことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
<実施形態1>図1は本発明の一つの実施形態を示したものである。以下、図面の説明の中で、従来例と同じ動作のものは同じ番号とする。
【0028】
本実施形態では、受信時においてRFシンセサイザ12の出力がそのまま受信第1局発信号になるので、両帯域の受信周波数(RX1、RX2)と第1IF周波数(IF1)が決まると両帯域の受信時のRFシンセサイザ12の周波数(fr_RX1、fr_RX2)は、以下のように、UpperローカルとLowerローカルの2通りになる。
fr_RX1=RX1+IF1(Upper) or RX1-IF1(Lower)
fr_RX2=RX2+IF1(Upper) or RX1-IF1(Lower)・・・・・・・・・(1)
また、受信時IFシンセサイザ8の周波数(fi_rx)は第IF周波数(IF1)と第2IF周波数(IF2)が決まれば、(1)式と同様に以下の2通りになる。
fi_RX=IF1+IF2(Upper) or IF1-IF2(Lower)・・・・・・・・・・(2)
通常、同一システムであればバンドパスフィルタ4の関係から、IF1、IF2は受信周波数に関係なく一定に選ばれるので帯域1、帯域2に関係なくIFシンセサイザ8の受信時周波数は一定(fi_RX)になる。
【0029】
従って、帯域によって両シンセサイザ8、12の発振周波数を(1)、(2)式に応じた周波数に設定し、RFシンセサイザ12の出力を受信第1ローカル、IFシンセサイザ8の出力を受信第2ローカル信号として用いることで、両帯域での受信が可能になる。
【0030】
次に、送信時について考えると、両帯域の送信周波数(TX1、TX2)が決まると、RFシンセサイザ12の送信時発振周波数(fr_TX1、fr_TX2)とIFシンセサイザ8の発振周波数(fi_TX1、fi_TX2)の関係は、以下の式で決定される。
fi_TX1=TX1-fr_TX1 or fr_TX1-TX1、fi_TX2=TX2-fr_TX2 or fr_TX2-TX2・(3)
ここで、RFシンセサイザ12を送受信で切換えないとするとIFシンセサイザ8の送信時発振周波数は以下になる。
fi_TX1=TX1-fr_RX1 or fr_RX1-TX1、fi_TX2=TX2-fr_RX2 or fr_RX2-TX2・(4)
従って、送信時には帯域によって(3)、(4)式に応じた発振周波数に両シンセサイザ8、12を設定し、その出力をfシフトミキサ10で周波数混合して送信搬送波とを生成し、送信系へと入力する。
【0031】
以上の様に、両帯域の送受信で両シンセサイザ8、12の発振周波数を、(1)式から(4)式に従って切換えることで、シンセサイザ2個のみで、2帯域での送受信が可能となる。
【0032】
さらに、受信時にはfシフトミキサは動作上関係なくなるので、送受切換え制御信号9によって、該ミキサを非動作状態にし、ミキサの電流を低減もしくは零とすることで、受信時の消費電流を削減することが可能になり、端末の待ち受け時間をより長くすることが可能となる。
【0033】
次に、上記実施形態のシステムにおける、送受信周波数の具体的設定例を図2、図3を用いて、以下に説明する。図2および図3共に、IF1、IF2として、PDC(Personal Digital Cellular)システムで最もポピュラーな130MHz(IF1)、455kHz(IF2)を用いており、図2はLowerローカル、図3はUpperローカルの場合である。この例ではRFシンセサイザの発振周波数を送受信で同一とし、IFシンセサイザ8のみを、送受信での周波数切換えを行っている。
【0034】
本発明によれば、第1IF周波数(IF1)によりRFシンセサイザ12の受信時発振周波数が決定され、同様に第2IF周波数(IF2)によりIFシンセサイザ8の受信時発振周波数が決定されるため、設計時には、両シンセサイザ8、12の送信時の周波数を選択することになる。すなわち、上記具体例は送信時と受信時でRFシンセサイザ12の発振周波数を切換えていないが、RFシンセサイザを送受信で切換えて使用すれば、図2および図3に限らず、より多くの送信時の周波数の組み合わせが考えられ、本発明は上記実施形態に限らないことは言うまでもない。
【0035】
<実施形態2>
一般にPDCシステムのような、送受信を時分割で行う半2重通信システムにおいては、送受信の切換え時間に制限を受けるため、図1に示すような構成を半2重通信システムに用いる場合には、シンセサイザが送受信で高速周波数切換え可能なものでなければならない。これは、送受信で切換え時間に制限を受ける通信システム全てにあてはまることである。
【0036】
図4は通常のPLL(phase locked−loop)シンセサイザの構成図を示したもので、動作原理を以下に説明する。基準信号源11の出力をリファレンスカウンタ14でR分周した信号(周波数fref/R)の位相と、VCO(Voltage Controled Oscillator)の出力をプログラマブルカウンタ18でN分周した信号(周波数fr or fi/N)の位相を位相比較器15で比較し、その出力である位相誤差電圧(又は電流)をループフィルタ16を介して、再びVCOにフィードバックすることで、VCOの位相を基準信号源の位相に収束(従って周波数も収束)させ、周波数の確度を基準信号源と同等にするこにより、安定な発信源を実現している。
【0037】
ここで、周波数の設定はプログラマブルカウンタ18の分周比Nとリファレンスカウンタ14の分周比Rを設定することで行われ、シンセサイザの発振周波数(すなわちVCOの周波数)fr又はfiは、以下の式で与えられる。
fr =fcomp*Nr=fref*Nr/Rr fi=fcomp*Ni=fref*Ni/Ri ・・・・・・・(5)
式(5)で、fcompは位相比較周波数(=fref/R)で、Nr、RrはRFシンセサイザ12の任意の周波数でのプログラマブルカウンタ、リファレンスカウンタの値で、Ni、Riは、IFシンセサイザ8のプログラマブルカウンタ、リファレンスカウンタの値である。
【0038】
また、通常バンドパスフィルタ4を固定周波数で使用するため、第1中間周波数(IF1)は固定されるので、IFシンセサイザ8の受信時設定周波数は固定となり、受信信号チャンネルの選択は、RFシンセサイザ12の周波数を選択することにより行われ、送信時の送信チャンネル選択もRFシンセサイザ12でおこなれることが多い。
【0039】
上記に示すような構成のシンセサイザにおいて、送受信間の周波数切換えのスピードを向上させるには、位相比較周波数fcompを高くして、単位時間内の位相誤差フィードバック量を大きくするか、または周波数切換え幅を小さくして、収束させなければならない周波数差(位相差)を小さくするかの2通りの方法がある。特に、位相比較周波数fcompは、図4より明らかなように、設定しなければならない全ての周波数の整数分の1(1/N)であり、かつ基準信号源周波数fref整数分の1(1/R)でもあるので、シンセサイザの全ての設定周波数と基準信号源周波数の公約数になる。従って、シンセサイザの周波数切換え時間短縮のためには、位相比較周波数を上記周波数の最大公約数に選ぶこととなる。
【0040】
また、携帯電話システムのようにユーザ数が極めて多い大容量システムでは、周波数資源を有効活用するために、チャンネル間隔が非常に狭く選ばれており、例えばPDCシステムでは25kHz間隔になっている。そのため、(5)式より明らかな様に、送受信チャンネルを選定するRFシンセサイザ12の位相比較周波数fcompの最大値は、25kHzということになり、シンセサイザの高速化には限界がある。
【0041】
図5はPDCシステムに通常用いられる、RFシンセサイザ12の切換え時間の一例を示したもので、上記の理由により、位相比較周波数fcompは25kHzに選ばれている。図5(a)は切換え周波数幅が150kHzの場合で切換え時間は約430μsec、図5(b)は50kHzの場合で切換え時間は約280μsecである。PDCシステムでの送受切換え時間の要求仕様は、後述のように500μsec以下であり、このRFシンセサイザによって構成される無線通信装置をPDCシステムに用いる場合、送受信での周波数切換え幅は、150kHz以下の極めて小さな値しか許されず、RFシンセサイザ12を送受信で切換えるのは得策ではない。
【0042】
図6はIFシンセサイザ8の切換え時間の一例を示したもので、切換え周波数幅は75MHzと大きくとってある。図6(a)は位相比較周波数fcompが50kHzの場合で切換え時間が約1.2msec、図6(b)は200kHzの場合で切換え時間が約200μsec、図6(c)は1.6MHzの場合で切換え時間が約60μsecである。以上より、このIFシンセサイザ8によって構成される無線通信装置をPDCシステムに用いる場合、送受信での周波数切換え幅が75MHz程度であれば、IFシンセサイザ8の位相比較周波数を200kHz程度以上にしなければならない。
【0043】
又、図7はIFシンセサイザ8の通常の周波数設定フロー例を示したものである。一般に周波数設定データの設定処理を簡略化するために、リファレンスカウンタ14の値Riは設定周波数に関係なく共通に選ばれ、電源投入時にRiが1度だけ設定される。従って、IFシンセサイザ8の位相比較周波数fcompは、各帯域の送信時発振周波数と受信時周波数の公約数に選ばれ、切換え時間を最短にするためには最大公約数がfcompに選ばれる。
【0044】
次に、上述のような仕様を満足するシステムにおける無線通信装置の具体的な周波数設定について、図2により以下に説明する。送受信でIFシンセサイザ8のみが切換えられており、IFシンセサイザ8は受信時129.55MHz、ディジタル帯域送信時260MHz及びアナログ帯域送信時185MHzである。従って、IFシンセサイザ8は送受信で最大130.45MHzの周波数幅で切換える必要がある。また、これらの周波数の最大公約数は50kHzであり、位相比較周波数fcompは50kHz以上には設定できない。従って、切換え周波数幅が最大130.45MHzであることと、図6より判断して、送受信間の切換え時間は1.2msec以上かかると予想され、このままではPDCシステムに使用することができない。同様な理由で、図3のUpperローカルの場合もPDCシステムに用いることはできない。以上の様に、本発明による無線通信装置を、PDCシステムの様な、送受信の切換え時間に制限があるシステムに用いる場合は、RFシンセサイザ12、IFシンセサイザ8の周波数切換え時間によって制限を受けるという問題がある。
【0045】
そこで、送受信の切換え時間に制限があるシステムにおいて、システムの通信シーケンスに着目し、システムの個性に合わせてシンセサイザの切換えスピードを送信から受信と、受信から送信で異なる設定とすることにより、前記問題を解決できる。
ここで、図8に示すPDCシステムの通信シーケンスを例に詳細に説明する。PDC移動機の通信シーケンスは、1サブフレームが送信スロット(TXスロットと呼ぶ)、ダイバシティ・アンテナレベル測定スロット(Aスロットと呼ぶ)、受信スロット(RXスロットと呼ぶ)及びインターバル・スロット(Iスロットと呼ぶ)の順になっており、これを1サブフレーム周期として通信が終了するまで繰り返す。
【0046】
TXスロットは約6.6msec、Aスロットは1msec、RXスロットは6.6msec及びIスロットは約5.6msecで、1サブフレーム20msecである。Iスロット(約5.6msec)ではローミングのため他の基地局のレベルを測定する。Aスロット(1msec)ではダイバシティ効果を得るため、受信に先立って2つのアンテナのレベル測定を行い、レベルの高い方のアンテナを選択する。
【0047】
PDCの移動機におけるシーケンスでは、受信から送信への切換えは、受信スロット終了後、約5.6msecのIスロットがあり、他基地局受信レベルを測定後、送信に移る。従って、受信から送信への切換えには、一旦、他の基地局のチャンネルに周波数を切換えてから、再度通信チャンネルに戻ってくるためのIスロット(約5.6msec)を経てから、送信スロットに切り替わる。つまり、例えば、他基地局に切換えるのに3.1msec、レベル測定に0.5msec必要と推定すると、受信から送信への切換え時間は約2msec内に完了すれば良いことになり、受信から送信の切換えに関しては比較的長い切換え時間が許容される。
【0048】
これに対し、送信から受信に関しては、送信スロット終了後、1msecのAスロットが有り、この1msecのAスロットの時間内に送信から受信への切換えと2個のアンテナのレベル測定を完了しなければならない。従って、他基地局のレベル測定と同様にアンテナのレベル測定に0.5msec必要と考えると、送信から受信への切換え時間はわずか0.5msecしかなく、これが送受切換え時間の要求仕様となっている。
【0049】
以上より、PDCシステムの移動機では、シンセサイザに高速切換えが要求されるのは、送信から受信への切換え時であって、受信から送信への切換え時には、切換え時間に2msec程度費やしても許されることとなる。図8の▲1▼〜▲4▼はこの様子を示したもので、RFシンセサイザを送受信で切換えない場合の両シンセサイザの状態、及びレベル測定のための、アンテナ切換えのタイミングを表している。
一般に、シンセサイザの送受信間での切換え周波数幅は、受信から送信と、送信から受信とは同一であり、シンササイザの周波数切換え時間は、位相比較周波数fcompに大きく依存する。
【0050】
そこで、本発明の実施形態2では、受信時のみシンセサイザを高速切換えできるように位相比較周波数を高く設定(これはリファレンスカウンタの値Rを送信時に比べ小さくしてやること)することにより、要求仕様を満足できるようにした例を示す。
【0051】
例えば、RFシンセサイザを送受信切換えないことにした場合、図6のIFシンセサイザであれば、受信時に位相比較周波数fcompを200kHz以上に設定し、これに対し送信時にはfcompを50kHz程度まで低くしても問題はない。図9は本実施形態に用いるIFシンセサイザ8の構成例を示したもので、図4との差異は、送受信切換え制御信号によってリファレンスカウンタ14の値Rも切換えているところにある。つまり、送信時には送信時位相比較周波数fcompTXで、受信時には受信時位相比較周波数fcompRXで、位相比較が行われる。
【0052】
図10は、本シンセサイザの周波数設定フローを示したもので、図7との差異は電源投入時にリファレンスカウンタ14を設定するのではなく、各帯域の送受信切換え時にプログラマブルカウンタ18、リファレンスカウンタ両方14を設定しているところである。この様に、送受信切換え時に両カウンタ14、18を設定すると、かえって設定する時間がかかるように思えるが、通常のPLL・ICであればRカウンタの設定ビット数は20〜30ビット程度で、読み込みのクロック周期も0.2usec程度なので全体で最大約6usec程の時間があれば設定可能である。従って、周波数切換え時間に与える影響は殆どない。
【0053】
次に、上記実施形態2のシステムにおける、送受信周波数の具体的設定例を図11(a)および図11(b)に示す。ここでの具体例は、PDCシステムにおいて、受信第2IF周波数が450kHzと100kHzの場合について示してある。
図2、3では第1IF周波数が130MHzであったため、受信時のIFシンセサイザ8発振周波数は129.55MHzになる。シンセサイザの位相比較周波数は準信号源周波数と設定周波数の公約数になり、高速化のためには最大公約数となる周波数を選ばなければならない。ここで、RFシンセサイザ12の位相比較周波数は前述の様に25kHzになるので、基準信号源周波数frefは25kHzの整数倍に限定される。通常、RFシンセサイザとIFシンセサイザ8は共通の基準信号源を用い、12.8MHzもしくは14.4MHzに選ばれる。
【0054】
図2、図3の場合のIFシンセサイザ8の位相比較周波数は、基準信号周波数を12.8MHzとすると、129.55MHzとの最大公約数となり、その値は50kHzになる。この状態では、受信時の周波数切換え時間は、例えば図6のシンセサイザでは1.2msecかかってしまう。
【0055】
そこで、実施形態2では、図11(a)に示すように第1IF周波数を50kHzだけずらせて、130.05MHzに選択する。従って、受信時のIFシンセサイザ8発振周波数は129.6MHzになり、位相比較周波数を12.8MHzとの最大公約数で1.6MHzまで高めることができる。これにより、図6より受信時の周波数切換え時間を約60usecまで、約1/20に短縮可能である。また、基準信号源周波数を14.4MHzに選ぶと、位相比較周波数は基準信号源周波数である14.4MHzに高めることも可能である。ただし、上記の周波数関係では、第1IFを50kHzずらせたために、送信時のIFシンセサイザ発振周波数が、図11に示すようにディジタル帯域で260.05MHz、アナログ帯域で185.05MHzになり、結局通常のシンセサイザ構成では、これらの周波数と基準信号源周波数との最大公約数になるので、IFシンセサイザ8の位相比較周波数を50kHzに選ばなければならなくなる。
【0056】
しかし、実施形態2では、図9の構成のIFシンセサイザ8を用い、周波数設定シーケンスを図10のフローに従って設定することにより、送信時と受信時の位相比較周波数を独立に選ぶことができる。従って、受信時には位相比較周波数fcompRXを1.6MHz選ぶことにより、送信から受信への周波数切換え時間を60usec程度まで高速化できる。これに対し、送信時の位相比較周波数fcompTXは50kHzまで低くなってしまうが、PDCシステムの場合、図8で説明したように、受信から送信への周波数切換え時間は2msec程度まで許容されるので、図6のIFシンセサイザ8の切換え時間が1.2msecであることから、まったく問題はない。
【0057】
同様に、図11(b)は、第1のIF周波数を128.9MHz、第2のIF周波数を100KHzに選択した場合である。動作原理は上記の場合と同じであるが、受信時のIFシンセサイザの位相比較周波数が800KHzと上記の場合の半分になっているため、送信から受信への切換え時間は若干遅くなるが位相比較周波数が200KHzの場合で200μsecの切換え時間(図6)から考えて、全く問題がないと推定される。
【0058】
そこで、上記構成を用いることで、従来シンセサイザの切換え時間の制限によって応用が困難であった、PDCシステムの様な送受信切換え時間が規定されるシステムにおいて、シンセサイザ2個のみを用いる簡易な構成の無線通信装置を実現することができる。
【0059】
<実施形態3>
しかしながら、上記実施形態2では、送信時に両帯域において、RFシンセサイザ12の出力とIFシンセサイザ8の出力が、fシフトミキサ10で周波数混合され送信搬送波を生成する。このため、両シンセサイザの基本波及び高調波がfシフトミキサ他の装置内の単一もしくは複数の非線型素子で周波数混合されるために生じるスプリアス(不要輻射:Sp_1、Sp_2)が、送信系13及び送受切換えスイッチ2を介して、アンテナ1より外部に放射され、他の端末に干渉を与える場合がある。
【0060】
このような事態を避けるために、例えばPDCシステムでは送信スプリアスのレベルを、電波法で規定しており(無線設備規則第7条)、全ての周波数において基本周波数の平均電力より60dB低い値か又は−26dBm以下であることと規定している。通常、送信系13は適当なバンドパスフィルタを含んでおり、所望送信帯域以外では十分な減衰量を持たせる構成となっている。従って、上記のスプリアスが問題となるのは、両帯域の送信時のスプリアスSp_1、Sp_2が所望の送信帯域に規定値以上で落ち込んできた場合である。
【0061】
ここで、送信時のスプリアスSp_1、Sp_2の周波数fsp_kは以下で与えられる。
fsp_k=|m・fr_TXk+n・fi_TXk|
(m、nは正及び負の整数でm=n=1以外、k=1、2)・・(6)
表1は図11(a)の上記実施形態2における、スプリアス周波数の一例を示したものである。通信チャンネルは、PDCシステムのアナログ帯域第9番目のチャンネルの送信スプリアスを示している。
【0062】
【表1】
【0063】
ここで、上記送信スプリアスが、所望送信帯域内に落ち込んでくるメカニズムについて、図12および表1を参照に検討する。所望の送信帯域に落ち込んだスプリアス信号(表1▲1▼〜▲4▼のスプリアス)が直接送信系に漏洩し、増幅されてアンテナから放射される場合と、ベースバンド領域に落ち込んだスプリアス信号(表1▲5▼及び▲6▼のスプリアス)によって、シンセサイザ等装置内の発信源に変調がかかり、送信の変調スプリアスとしてアンテナから放射される場合との2通りが想定され得る。
【0064】
前者の場合については、主にfシフトミキサ10で周波数混合されて発生するスプリアスが原因となるので、各シンセサイザの出力にバンドパスフィルタを設け、fシフトミキサに入力される両シンセサイザの高調波を抑圧し、更にfシフトミキサの特性を改善することで回避できる。しかしながら、後者については、主に高レベルの送信波(式(6)でm=n=1の場合)と装置内の発信源の基本波又は高調波が、単一もしくは複数の非線型素子によって混合され、数100kHz以下のベースバンド干渉波が発生するものと考えられ、このベースバンド干渉波に起因する干渉電圧が、シンセサイザ内のVCOの電源ラインや制御端子等に直接誘起して変調がかかり、送信波の変調スプリアスとなる。
【0065】
例えば、図11に示す周波数関係における送信スプリアスについて、表1に具体的数値を挙げて考えてみる。例えば、IFシンセサイザ8が185.05MHzで、その5倍波が925.25MHzであることから、RFシンセサイザ12をアナログ帯域で使用した場合に、ベースバンド帯域にスプリアスが発生する可能性がある。表1は、RFシンセサイザ12がアナログ第9CHの場合(fr_tx2=740.175MHz)で、表1▲5▼、▲6▼のスプリアスがベースバンドに落ち込んだスプリアスである。
【0066】
実際に、このベースバンドスプリアスが生成されるメカニズムとして、送信波が大電力であることを考えると、送信波とIFシンセサイザの高調波との間で合成されて生じると推定される。従って、送信波は両シンセサイザの基本波の合成により生成されるので、問題となるベースバンドスプリアスは、表1▲6▼の場合には、送信波とIFシンセサイザの5倍波との間で生成されるものと考えられる。よって、式(6)より、前記ベースバンドスプリアスの周波数fsp_2(MHz)は、
fsp_2=TX2−185.05*5=TX2−925.25(MHz)・(7)
TX2はアナログ帯域送信周波数
で与えられ、送信周波数からfsp_2だけ離調した周波数に変調スプリアスが発生する。
【0067】
図13は、図11(a)に示す周波数関係におけるPDC小型携帯端末での送信スプリアスレベルの測定例を示したものである。図中の横軸はスプリアスと送信周波数との離調周波数で、fsp_2に相当する。縦軸は、送信出力に対する対数比を示しており、単位はdBcである。又、この変調スプリアスの特性はシンセサイザ内のVCOの感度によって決定され、周波数関係が異なっても、同等のVCOを用いる限り、離調周波数と変調スプリアスレベルの関係は同等であると想定される。図13の場合、VCOの変調感度は20MHz/Vで、これより逆算して、制御端子に50Ω換算で16.7μV(電力で−88.5dBm)の電圧が誘起していると考えられる。測定に用いたのは、簡易シールドを施した小型携帯機で送信出力は約800mW(+29dBm)である。
【0068】
ここで、PDCの送信スプリアスの規格は、前述のように送信出力レベルより60dBc以下か、又は−26dBm以下のどちらか片方を満たせばいいので、上記の様に、送信出力が+29dBmの場合は−26dBm以下になればよく、従って送信出力から55dBc以下になればよい。
【0069】
そこで、図13の場合について考えると、スプリアスレベルが−55dBc以下になる離調周波数は、図中破線で示したように約94kHz以上になる。つまり、図13の例では、fsp_2もしくは離調周波数が94kHz以下の場合に規格を満足することができず、TX2が925.344MHz以下の送信周波数ではPDC規格を満足できない。逆に、規格を満足させるためには、ベースバンド領域に落ち込む、全てのスプリアスの周波数が、RFシンセサイザ12の全ての設定周波数に対して、94kHz以上になるように、シンセサイザ等装置内の発信源の周波数を選択してやらなければならない。この様なベースバンド干渉波による変調に係わる送信スプリアスは、発振回路に直接誘起するために、バンドパスフィルタ等で除去することが極めて困難である。
【0070】
すなわち、この送信スプリアスを抑圧するには、シールドを強固にするか、全てのスプリアスの周波数を、上記で述べたような、システムの規格及びVCO感度などの使用している回路の特性から決定されるベースバンド周波数以上になるように、シンセサイザ等の装置内の発信源の周波数関係に選定する以外方法はない。従って、図11(a)の周波数関係で図13の特性を有するシンセサイザを用いた端末の場合、PDCシステムに関しては、表1の▲5▼、▲6▼のスプリアスによって規格に適合しない。この上記端末でPDC規格を満足させるには、より強固なシールドが必要で、端末も大きくなり、組み立ての工程及びシールド形状も複雑になるためコストも高くなるという問題が生じる。
【0071】
以上の条件は、図13の特性での場合であり、上記の条件はシステムの規格及び使用する回路の内容、シールド特性等によって、決定される。
【0072】
そこで、上記スプリアスの問題を解決するために、本発明の実施形態3では、例えば、PDCシステムで図14に示すように、アナログ送信時のIFシンセサイザ8の発振周波数fi TX2を184.9MHzに選択して、スプリアスの最低周波数を500kHzにして、上記のベースバンドスプリアスの変調による送信スプリアスを抑圧する方法を用いる。
【0073】
しかし、本実施形態3ではアナログ帯域使用時のRFシンセサイザの送受切換え周波数幅が150kHzになり、実施形態2の説明で述べたように、RFシンセサイザの送受切換えに500μsec程度の時間が必要な場合、PDCシステムで用いる場合、殆どマージンがなくなる。
【0074】
そこで、さらに、他の実施形態では、図15、図16の様な周波数関係を選択し、第1IF周波数を90.05MHzに選び、RFシンセサイザは送受で切換えないこととする。図15に示すように、基準信号源周波数frefを12.8MHzに選ぶと、受信時のIFシンセサイザ8の位相比較周波数を12.8MHzに選ぶことが可能となり、受信時(送信から受信)の切換え時間を飛躍的に短縮することが可能となる。しかし、送信時のIFシンセサイザ8の比較周波数は12.8MHz、220.05MHz、145.05MHzの最大公約数の50kHzになり若干送信時(受信から送信)の切換え時間が遅くなる。
【0075】
もし、IFシンセサイザ8の送信時(受信から送信)の切換え時間が問題となるなら、図16に示すように、frefを14.4MHzに選ぶことで、位相比較周波数を14.4MHz、220.05MHz、145.05MHzの最大公約数である150kHzに選ぶことができ、送信時(受信から送信)の切換え時間の改善が可能となる。ただし、この場合、受信時(送信から受信)の位相比較周波数は1.6MHzになり、受信時の周波数切換え特性は若干犠牲になるが、図6の特性から全く問題はない。
上記のごとく、実施形態3によれば、基準信号源周波数は、IFシンセサイザ8の周波数切換え特性によって、最適な値を選択することが可能となる。さらに、送受信切換えに関してPDCシステムの要求仕様を十分に満足しており、又スプリアスの最低周波数も1MHz以上になり、送信スプリアスの点でも問題が無く、シールドも強固なものは必要なくなり、簡易で低コストな小型PDC端末を実現できる。
【0076】
<実施形態4>
つぎに、本発明に係る実施形態4では、装置内の任意の基準信号発信源の発振周波数が、受信時のIFシンセサイザ8の発振周波数fi_rxのM/N倍の場合に、受信時のみ該IFシンセサイザ8の代わりに、該基準信号発信源出力をN/M倍した信号を、第2の受信ローカル信号として用いることを特徴とする。
【0077】
図17(a)はその構成を示したもので、IFシンセサイザ8に代わりに基準信号源出力をN/M倍するN/M倍回路20を用いる。N/M倍回路の構成としては、例えば図17(b)に示すように、プログラマブルカウンタ等で構成したM分周器と、ダイオードやインバータで構成されるN逓倍器の従属接続したものを用いることができる。
更に、上記の構成をとることにより、IFシンセサイザ8は送信時のみ必要となるので、fシフトミキサと同様、受信時に送受切換え信号9により、全く電源を切断するかもしくは最低限必要な回路のみ動作させておく、非動作状態とすることができる。
【0078】
一般に、図17(b)に示すようなN/M倍回路は、IFシンセサイザ8の数分の1の消費電流で動作するので、受信時のより一層の省電力化が可能となり、受信待ち受け時間の改善が可能となる。又、逆に送信時にN/M倍回路を送受切換え信号9によって、送信時非動作状態とすることで、N/M倍回路を追加したことによる、送信時の余分な電流増加を回避し、通話時間の劣化を防ぐことができる。
【0079】
上記実施形態のシステムにおける、N/M倍回路を用いた送受信周波数の具体的設定例を図18および図19に示す。図18、図19は本発明による請求項1および請求項2に係る実施形態を示したものでもある。図18は第1IF周波数が130.05MHzの場合である。基準信号源周波数frefは受信時第2ローカル周波数の9分の1である14.4MHzに選び、基準信号源11の出力を9逓倍器21で9逓倍し、受信時の第2ローカル信号として用いている。図19は第1IF周波数が90.05MHzの場合である。基準信号源周波数frefは受信時第2ローカル周波数の7分の1である12.8MHzに選び、基準信号源11の出力を7逓倍器22で7倍し、受信第2ローカルとして用いている。
【0080】
図18、図19に示す両方の場合において、IFシンセサイザ8は送信時のみ必要となるので、受信時には送受切換え信号9によって非動作状態としている。また、逆に送信時にN/M倍回路を送受切換え信号9によって、送信時非動作状態とすることで、N/M倍回路を追加したことによる、送信時の余分な電流増加を回避し、通話時間の劣化を防いでいる。
【0081】
<実施形態5>
さらに、本発明のIFシンセサイザ内のVCOについて考える。上述のように、本発明ではIFシンセサイザが4つもしくは3つの周波数に設定される。例えば、3つの周波数切り換では、図20(a)に示すように、送受切換信号9と帯域切換信号31に従ってfL、fM、fHが設定される。ここでfLは設定周波数のうちで最も低い周波数、fHは最も高い周波数、fMは上記2周波の中間の周波数である。
【0082】
図20(b)は通常のVCOの構成を示したものである。一般に発振回路を構成するには、インダクタ、キャパシタ等で構成される共振回路36と正帰還をかけた能動素子等によって構成される負性抵抗素子37を並列に接続し、共振回路36の共振周波数において、負性抵抗素子37が負性抵抗特性を有する場合、共振回路36の共振周波数で発振可能となる。ここで、発振周波数が可変であるVCOの場合、共振回路36に並列に可変容量ダイオード等の可変リアクタンス素子35を接続することにより、負性抵抗素子から見た共振系の共振周波数を変化させ、発振周波数を変化させる。ここで、fLとfH、fLとfM、fMとfH、もしくは3つの周波数の間隔が、VCOの可変幅以上にわたる場合に、単一の共振回路では実現が不可能となる。そこで図20(c)にあるように共振回路を切換型共振回路38とし、複数の周波数帯域で発振可能なVCOを構成する。
【0083】
例えば、図11(b)の場合について考えると、IFシンセサイザは送受切換信号9並びに帯域切換信号31に応じて128.8MHz(fL)、183.9MHz(fM)および258.9MHz(fH)の3周波に設定される。ここで通常のIF帯VCOの可変周波数帯域はせいぜい数十MHzなので、上記の例ではVCOの共振回路を3帯域に切換える必要があり、回路が複雑になり、小型化に対しても不利になる。
【0084】
そこで、本発明に係る実施形態5では、図21に示すように、fL、fM、fHのうち少なくとも1つの周波数(ここでこの周波数を選択された周波数と呼ぶ)を、他の周波数もしくは該他の周波数からVCOを切換えることなく設定可能な近傍の周波数(ここでこの周波数を原発振周波数と呼ぶ)のK/L倍に選び、該選択された周波数の信号を使用するときは、IFシンセサイザを該原発振周波数に設定し、IFシンセサイザ出力をL/K倍回路によって該選択された周波数に変換して使用する。
【0085】
更に、実施形態5の更なる発明では、上記選択された周波数を用いない場合に、IFシンセサイザの出力を送受切換信号・帯域切換信号に応じて、L/K倍する機能を停止させる。
例えば、上記の図11(b)に示すような場合のfL(128.8MHz:両帯域受信時)とfH(258.9MHz:ディジタル帯域送信時)に着目すると、fH(258.9MHz)の2分の1の周波数が129.45MHzになり、fL(受信時)との周波数差は0.65MHzであるので、この2分の1の周波数を用いれば、VCOの共振回路の設定はfL(128.8MHz:受信時)の場合と同一でよい。
従って、IFシンセサイザに用いるVCOとしては2周波帯域で切換えるだけでよく、回路の簡易化が図れる。
【0086】
図22は、実施形態5のシステムにおける、送受信周波数の具体例設定例で、IFシンセサイザの設定周波数及び第1のIF周波数、第2のIF周波数を図中に示すような周波数関係に選び、ディジタル送信時のみ2逓倍回路33を動作させ、IFシンセサイザの出力を2逓倍することで、ディジタル帯域送信時のIF搬送波を生成する。更に、受信時とアナログ帯域送信時には2逓倍回路33の逓倍機能を停止させる。ここでVCOから発生している2逓倍波がfシフトミキサ10の動作上、問題ないレベルであれば、2逓倍回路33は省略してもよい。
【0087】
以上の構成により、通常VCOを3周波数帯域で発振可能となる様に設計しなければならないところを、2周波数帯域で発振可能となるように設計するだけでよく、設計の自由度も向上し、シンプルな構成で小型のIF帯VCOを実現できる。
【0088】
<実施形態6>
次に、IFシンセサイザのスペクトルに着目する。理想的にはシンセサイザ出力のスペクトルは線スペクトルでなければならないが、実際にはある幅をもってすそ野が広がったようなスペクトルになる。これは、VCOもしくは基準信号源が熱雑音などの雑音によって、出力に位相変動(いわゆる位相変調がかかった状態)が生じてしまうためで位相雑音と呼ばれる。
【0089】
図21の回路において、L/K倍回路を用いているが、周波数をL/K倍するということは、位相変動をL/K倍することを意味しており、L>Kの場合は位相の変動が元の変動幅以上になる。従って、IFシンセサイザの位相雑音もL/K倍前に比べ劣化することになり、これは受信時の感度劣化もしくは送信時の隣接チャンネル漏洩特性の劣化を引き起こす。逆に、L≦Kの場合は、位相変動がL/K倍前に比べ小さくなるので、IFシンセサイザの位相雑音特性は改善されることになる。
【0090】
そこで、本発明にかかる実施形態6では、図21のL/K倍回路において、L、KをL≦Kであるように選び、IFシンセサイザの位相雑音劣化を防ぎ、良好な受信感度及び隣接チャンネル漏洩特性を有する無線通信装置を実現する。
【0091】
例えば、上記の図11(b)に示すような場合のfL(128.8MHz:両帯域受信時)とfH(258.9MHz:ディジタル帯域送信時)に着目すると、fL(128.8MHz)の2倍の周波数が257.6MHzになり、fL(受信時)との周波数差は1.3MHzであるので、この2倍の周波数を用いれば、VCOの共振回路の設定はfH(258.9MHz:ディジタル帯域送信時)の場合と同一でよく、かつ2分周波を受信第2局発信号として使用するので、受信時の感度は改善されることになる。
【0092】
図23は、実施形態6のシステムにおけるL=1,K=2の場合で、送受信周波数の具体例設定例で、IFシンセサイザの設定周波数及び第1のIF周波数、第2のIF周波数を図中に示すような周波数関係に選び、両帯域受信時のみ2分周回路34を動作させ、IFシンセサイザの出力を2分周することにより、受信時の第2局発信号を生成する。更に、ディジタル帯域送信時とアナログ帯域送信時には2分周回路34の分周機能を停止させる。ここでVCOから原発振の2分周波が受信第2ミキサの動作上、問題ないレベルであれば、2分周回路34は省略してもよい。
【0093】
以上の構成により、通常VCOを3周波数帯域で発振可能となるように設計しなければならない所を、2周波数帯域で発振可能となるように設計すれば良いので、設計の自由度も向上し、シンプルな構成で小型のIF帯VCOを実現できるだけでなく、受信時の第2局発信号の位相雑音が2分周することにより改善され、受信感度の向上も図ることができる。すなわち、本発明によればIFシンセサイザのより一層の小型化および受信感度の改善も可能である。
【0094】
<実施形態7>
図24(a)はシンセサイザの構成を示したものである。通常、携帯電話等に用いられるシンセサイザではVCO、ループフィルタ及び基準信号源以外(図中、太線枠内)はPLL・IC40としてIC化されており、装置の小型化、簡略化が図られている。ここで、図23に示す分周器について考えると、図24(b)にあるようなフリップフロップ回路を用いることで実現できる。フリップフロップ回路は、同図の入出力タイミングからも明らかなように、出力が入力の立ち上がりを検出して反転するため、入力周波数の1/2の周波数信号が出力される。
【0095】
一般に、PLL・ICにおいてVCOの出力を任意の分周比で分周するプログラマブルカウンタ18は上記フリップフロップを複雑に組み合わせて実現される。しかし、周波数が高くなると、該プログラマブルカウンタ18は回路遅延などの原因により動作不安定になるため、高周波帯域でシンセサイザを構成する場合は、図24(c)に示すように、高周波で動作する2分周器(フリップフロップ)41乃至43を用いて、プログラマブルカウンタが動作可能な周波数領域まで周波数を落として動作させる。したがって、PLL・IC内部に分周器が既に存在していることになる。
【0096】
そこで、本発明に係る実施形態7では、L/K倍回路に分周回路を含む場合、該分周器をPLL・ICに内蔵させる。例えば、図23に示すL=1、K=2の場合、上記にあるようにPLL・IC内部で、VCOの出力を2分周器(フリップフロップ)によって分周しているので、図23に用いた2分周回路34に代わり、PLL・ICの1段目の2分周器41を代用することができる。また、プログラマブルカウンタ18の構成が図24(c)と異なる場合でも、IC内にフリップフロップを追加することは極めて容易であり、2分周器をPLL・ICに内蔵することは容易に実現できる。この場合でも、入力部のバッファアンプ等の周辺回路を兼用することができるので、回路電流の節減が可能となる。
【0097】
上記構成により、図23にある2分周器34をPLL・ICに内蔵することにより、回路面積を削減することが可能であり、2分周器の周辺回路を兼用することにより、回路電流の低減も可能となる。
上記実施形態では、2分周回路の場合について述べたが、本実施形態ではL/K倍回路に分周回路を含むような場合においても、PLL・ICに該分周回路を内蔵させることができるのは、言うまでもなく明らかである。
【0098】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、2帯域で使用するダブルスーパヘテロダイン方式の無線通信装置で、IF帯シンセサイザ及びRF帯シンセサイザの両方もしくはどちらか片方の発振周波数を各々の使用帯域の送受信で切り替え、かつ送信時のみ両シンセサイザの出力を混合し、該ミキサを受信時非動作状態とできるため、シンセサイザを2個使用するだけの簡単な構成で、2つの周波数帯域で使用でき、かつ受信待ち受け時間の改善も可能となる。
【0099】
又、システムの周波数切換え時間の要求仕様が、送信から受信と、受信から送信で異なる場合には、IFシンセサイザの位相比較周波数を送受信で別々の周波数に選択することにより、よりシンプルな構成で2帯域無線通信装置が構成でき、更に、送信時に該RFシンセサイザとIFシンセサイザの基本波及び高調波が、周波数混合されて生じる送信時スプリアスが規定値を満足する様に、両シンセサイザの周波数を選択することで、良好な特性を有する2帯域無線通信装置が実現できる。
【0100】
加えて、装置内の基準信号源と該IFシンセサイザの周波数関係がM/N倍である場合、受信時に該基準信号のN/M倍波を受信第2局発信号として用い、該IFシンセサイザを受信時に非動作状態とすることで、受信時消費電流をより小さくすることができる。
【0101】
又、上記IFシンセサイザの設定周波数のうち、少なくとも一対の周波数関係を約K/L倍の関係に選択し、IFシンセサイザ出力のL/K倍波を用いることにより、該シンセサイザ内のVCOの構成を簡易化でき、更にL≦Kとなるように定数を選ぶことで、シンセサイザの位相雑音を改善し、良好な受信感度および隣接チャンネル漏洩特性を実現できる。
【0102】
加えて、L/K倍回路に分周回路が含まれる場合、該分周回路をPLL・ICに内蔵することで、基板面積の削減、消費電流の節減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る無線通信装置の構成図である。
【図2】実施形態1に係る無線通信装置の具体的な周波数設定例を示す図である。
【図3】実施形態1に係る無線通信装置の具体的な周波数設定例を示す図である。
【図4】PLLシンセサイザの構成図である。
【図5】RFシンセサイザの周波数切換え時間の特性図である。
【図6】IFシンセサイザの周波数切換え時間の特性図である。
【図7】IFシンセサイザの周波数設定フローチャートである。
【図8】PDCシステムにおける移動機の通信シーケンスを示したものである。
【図9】IFシンセサイザの構成図である。
【図10】IFシンセサイザの周波数設定フローチャートである。
【図11】実施形態2に係る無線通信装置の具体的な周波数設定例を示す図である。
【図12】ベースバンドスプリアスによって生じる送信時の変調スペクトルの発生メカニズムの概念図である。
【図13】ベースバンドスプリアスによって生じる送信時の変調スペクトルの特性図である。
【図14】実施形態3に係る無線通信装置の具体的な周波数設定例を示す図である。
【図15】実施形態3に係る無線通信装置の具体的な周波数設定例を示す図である。
【図16】実施形態3に係る無線通信装置の具体的な周波数設定例を示す図である。
【図17】実施形態4に係る無線通信装置の構成図である。
【図18】実施形態4に係る無線通信装置の具体的な周波数設定例を示す図である。
【図19】実施形態4に係る無線通信装置の具体的な周波数設定例を示す図である。
【図20】IFシンセサイザに用いるIF帯VCOの構成図である。
【図21】実施形態5に係るIFシンセサイザに用いるIF帯VCOの構成図である。
【図22】実施形態5に係る無線通信装置の具体的な周波数設定例を示す図である。
【図23】実施形態5に係る無線通信装置の具体的な周波数設定例を示す図である。
【図24】(a)は通常のシンセサイザの構成図であり、(b)はフリップフロップ回路図であり、(c)は高周波で動作するフリップフロップ構成図である。
【図25】従来の2帯域で使用できる無線通信装置の構成を示した図である。
【符号の説明】
1 アンテナ
2 送受切換えスイッチ
3 受信第1ミキサ
4 受信第1IFバンドパスフィルタ
5 受信第2ミキサ
6 受信第2IFバンドパスフィルタ
7 受信復調系
8 本発明でのIFシンセサイザ
9 送受切換え信号
10 fシフトミキサ
11 基準信号源
12 本発明でのRFシンセサイザ
13 送信系
14 リファレンスカウンタ
15 位相比較器
16 ループフィルタ
17 VCO
18 プログラマブルカウンタ
19 インターフェース
20 N/M逓倍回路
21 9逓倍回路
22 7逓倍回路
23 3シンセサイザ方式のRFシンセサイザ
24 3シンセサイザ方式の送信IFシンセサイザ
25 3シンセサイザ方式のfシフトミキサ
26 3シンセサイザ方式の受信IFシンセサイザ
27 従来の2シンセサイザ方式のRFシンセサイザ
28 従来の2シンセサイザ方式のfシフトミキサ
29 従来の2シンセサイザ方式のIFシンセサイザ
30 M分周器
31 帯域切換信号
32 L/K倍回路
33 2逓倍回路
34 2分周回路
35 可変リアクタンス回路
36 共振回路
37 負性抵抗素子
38 切換え型共振回路
39 N逓倍器
40 PLL・IC
41 高周波で動作可能な1段目の2分周器
42 高周波で動作可能な2段目の2分周器
43 高周波で動作可能な3段目の2分周器
Claims (7)
- 第1の周波数帯域と第2の周波数帯域の2つの周波数帯域で使用できるダブルスーパーヘテロダイン方式であって、RF帯シンセサイザ及びIF帯シンセサイザと、該RF帯シンセサイザ及び該IF帯シンセサイザの出力を周波数混合する為のミキサを備える無線通信装置において、送信時には前記ミキサから出力される信号を送信搬送波として使用し、受信時には前記RF帯シンセサイザの出力を受信用第1局発信号、装置内の任意の基準信号源のN/M倍波(N、Mは1以上の整数でN=M=1以外)を受信用第2局発信号として使用し、かつ前記RF帯シンセサイザ及び前記IF帯シンセサイザ両方もしくはどちらか片方の発振周波数を、各々の使用帯域の送受信において切り換え、
前記RF帯シンセサイザ出力と前記IF帯シンセサイザ出力とを周波数混合するミキサを、受信時に非動作状態とし、
受信時に前記IF帯シンセサイザを非動作状態とし、送信時には前記IF帯シンセサイザを動作状態とし、同時に前記基準信号源を除く前記N/M倍波を生成する機能を停止させることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1記載の無線通信装置において、装置内にある任意の基準信号源の発振周波数frefが129.6MHzのM/N倍(N、Mは1以上の整数でN=M=1以外)であって、第1の帯域及び第2の帯域の受信時に前記基準信号源のN/M倍波を受信用第2局発信号として使用することを特徴とする無線通信装置。
- 請求項1記載の無線通信装置において、装置内にある任意の基準信号源の発振周波数frefが89.6MHzのM/N倍(N、Mは1以上の整数でN=M=1以外)であって、第1の帯域及び第2の帯域の受信時に前記基準信号源のN/M倍波を受信用第2局発信号として使用することを特徴とする無線通信装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の無線通信装置において、2帯域の送信それぞれの場合に選択されるIF帯シンセサイザの周波数fi_TX1 、 fi_TX2 のうち1つの周波数が、他の周波数もしくはその近傍の周波数のK/L倍(K、Lは1以上の整数でK=L=1以外)の関係に選ばれ、かつ前記K/L倍に選択された周波数を使用する場合は、前記IF帯シンセサイザを関係のある他の周波数に設定し、前記IF帯シンセサイザ出力周波数のL/K倍波を用いることを特徴とする無線通信装置。
- 請求項4記載の無線通信装置において、前記L/K倍波を使用しない場合に、前記L/K倍波を生成する機能を停止させることを特徴とする無線通信装置。
- 請求項4または請求項5に記載の無線通信装置において、前記K、LをK>Lの関係に選択することを特徴とする無線通信装置。
- 請求項4乃至請求項6に記載の無線通信装置において、前記L/K倍回路が分周回路を含む場合、該分周回路をPLL・ICに内蔵したことを特徴とする無線通信装置。
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