JP3565666B2 - 改良食用花粉とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食用花粉に関し、特に、消化吸収能、安定性などの点において改良された食用花粉の製造に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
食用花粉(ポーレン)は、世界的にもその食能を経験的に知得した一部の地域で古来より利用されていたようであるが、近年になると、花粉の成分と効能に関する体系的な研究も行われ、特に、アミノ酸やビタミン類の含有量と多様性が注目されるようになった。さらに、その薬効に着目した研究も実施され、例えば、花粉には腸機能の正常化、貧血に対する効果がある等の研究結果も報告されている。
【0003】
このように花粉は、有用成分や栄養成分が多量に含有されているので、新しいタイプの健康食品の素材として期待されるが、食用として供する場合の難点は、硬い細胞壁が存在するために有用成分や栄養成分が充分に消化吸収されないまま対外に排出されてしまうことである。これを解決するために微生物を利用して花粉を処理することも行われたが、後処理が面倒で実用的でなく、また、このような処理だけでは安定せず、べたつきや有用成分、栄養成分の破壊をもたらす。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、比較的簡単な操作により上述したような問題を解決したものであり、原料となる食用花粉を繊維素分解酵素(セルラーゼ)で処理して細胞壁を除去する工程を含むことを特徴とする食用花粉の製造方法を提供する。
【0005】
そして、本発明の方法の特に好ましい態様に従えば、前記のように酵素処理後の食用花粉にβ−サイクロデキストリンを添加し練合した後、凍結真空乾燥して乾燥、粉末化するか、または、前記酵素処理後の食用花粉を凍結真空乾燥して乾燥、粉末化した後、β−サイクロデキストリンを添加し練合する。
【0006】
このようにして得られた食用花粉は、消化吸収能が高く、長期間安定であり、各種の加工食品の素材として利用できる。したがって、本発明は、別の視点として、上述の方法によって製造され、加工食品素材として好適な食用花粉を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、食用花粉として従来より認められているいずれの食用花粉にも適用される。最も代表的な食用花粉は、みつばちがハチミツと一緒に集めるみつばち花粉である。
【0008】
繊維素分解酵素(セルラーゼ)による処理は、通常、原料食用花粉1kgに対して該酵素を5g〜10gの割合で添加し、55゜〜60℃の温度下に通常45〜60分間充分混合することによって実施される。このような操作により、花粉の細胞壁が壊されたペースト状の生成物が得られる。
【0009】
次に、このペースト状酵素処理花粉に直接β−サイクロデキストリンを添加し練合した後、凍結真空乾燥機で乾燥、粉末化するか、または、該ペースト状酵素処理花粉を予め凍結乾燥機で乾燥、粉末化した後、β−サイクロデキストリンを添加し練合することにより、安定性においても良好な食用花粉が得られる。
【0010】
β−サイクロデキストリンは、一般に、食用花粉に対して5〜10重量%の割合で添加し、常温下に充分練合する。凍結真空乾燥は、通常、−40℃の温度、−0.2気圧の圧力の条件で行う。
【0011】
以上のような本発明の方法により製造された食用花粉は、細胞壁が除去されているので消化吸収性に優れ、また、湿分によりべたつくことなく、成分劣化を引き起こさず、長期間にわたり、きわめて安定である。かくして、本発明に従う食用花粉は、各種の加工食品の素材として使用されるのに好適である。
【0012】
例えば、本発明の食用花粉末に、マルトース、ビタミンC、クエン酸等を加えて顆粒状にし、そのまま食用に供したり他の食品に混合することができる。また、同様の処理をした食用花粉にマルトース、ビタミンC、クエン酸等を加えて打錠することにより、食用の錠剤を作ることもできる。
【0013】
その他、本発明の食用花粉に強力粉、バターあるいはショートニングオイル、三温糖、食塩、ドライイースト、牛乳、水を加え練合、発酵、形成して焼き上げることにより花粉入りパンを作ることができる。
【0014】
さらに、本発明に従う食用花粉は、該粉末に薄力粉、三温糖、バター、ベーキングパウダー、牛乳、水を加え練合し、形成し焼き上げることにより花粉入りクッキーを作るのに利用することができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の特徴をさらに明らかにするため実施例を示すが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。
食用花粉としてスペイン産みつばち花粉[大部分はシトラス(柑橘類の1種)由来で、少量はオレンジ由来]1kgに対し、繊維素分解酵素(セルラーゼ)[セルラーゼ・オノズカS、ヤクルト薬品工業(株)]を約8g添加し、55℃〜60℃に加温して50分間充分に混合したところ、オレンジ色のペースト状物を得た。
【0016】
このペースト状酵素処理花粉を高速液体クロマトグラフィでビタミン類の分析を行った。併せて比較のために、酵素未処理の花粉についても同じように分析を実施した。なお、用いた機器は島津製作所製SPD−10である。
【0017】
分析結果を以下の表に示す。
なお、表中の数値の単位はmg/100gである。
【0018】
酵素処理をしていない食用花粉は、含有成分の検出量が僅かであるか又は検出されず、細胞壁内に閉じ込められたままであることが示された。これに対し、本発明に従いセルラーゼ酵素処理を受けた食用花粉については、充分量の含有ビタミン成分が検出されており、細胞壁が除去されたことが確認された。
【0019】
以上のようにして得られた酵素処理花粉に、該花粉に対して8重量%のβ−サイクロデキストリン(メルシャン株式会社製)を添加し、常温下で30分間、充分に練合した。その後、凍結真空乾燥機[共和真空技空(株)製]で乾燥、粉末化した。得られた花粉末を7日間、空気中に放置したが、べたつきは認められず、元のようにさらさらした状態のままであった。
Claims (2)
- 原料食用花粉を繊維素分解酵素で処理して細胞壁を除去する工程と、前記酵素処理後の食用花粉にβ−サイクロデキストリンを添加し練合した後、凍結真空乾燥して乾燥、粉末化するか、または、前記酵素処理後の食用花粉を凍結真空乾燥して乾燥、粉末化した後、β−サイクロデキストリンを添加し練合する工程を含むことを特徴とする食用花粉の製造方法。
- 請求項1の方法によって製造され、加工食品素材として好適な食用花粉。
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1996
- 1996-09-09 JP JP26033896A patent/JP3565666B2/ja not_active Expired - Fee Related
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