JPH11103817A - 風味の改良されたグアバ葉エキスおよびその製造法 - Google Patents

風味の改良されたグアバ葉エキスおよびその製造法

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JPH11103817A
JPH11103817A JP9307800A JP30780097A JPH11103817A JP H11103817 A JPH11103817 A JP H11103817A JP 9307800 A JP9307800 A JP 9307800A JP 30780097 A JP30780097 A JP 30780097A JP H11103817 A JPH11103817 A JP H11103817A
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guava leaf
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leaf extract
water
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Takeo Ishihara
健夫 石原
Yoshikazu Inoue
良計 井上
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BIZEN KASEI KK
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BIZEN KASEI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グアバ葉抽出エキスの有用成分であるタンニ
ン等の含有量を低減させることなく、苦味や渋味といっ
た摂食上好ましくない風味を取り除く簡便な方法を開発
し、もって風味等が改良されたグアバ葉エキスを提供す
る。 【解決手段】 グアバの葉を予め水で湿潤させた活性
炭、より好ましくは比表面積が1,000〜2,000
/g、pHが4〜7、水分含量が20〜80重量%
の前記活性炭の存在下で、水もしくは親水性有機溶媒ま
たはこれらの混合溶媒、より好ましくは含水率が20〜
90重量%のエタノールを用いて抽出、不溶物を除去、
さらに適宜に濃縮、乾燥、粉末化して得る。また、グア
バ葉抽出エキスを前記溶媒に分散、溶解させ、前記活性
炭を加えて混合し、同様に処理して得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グアバの葉または
グアバの葉から抽出したエキスを原料として得られる風
味の改良されたグアバ葉エキス、およびその製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】グアバ(学名:Psidium Gua
java Limn)は熱帯アメリカ原産の、フトモモ
科に属する植物で、熱帯各地、台湾、沖縄等で栽培さ
れ、その果汁はジュース飲料として利用されている。ま
た、グアバの葉を水、エタノールやイソプロパノール等
の親水性有機溶媒またはこれらの含水溶媒を用いて抽出
して得られるグアバ葉抽出エキスはポリフェノール系物
質であるストリクチニン、イソストリクチニン、タンニ
ン酸等 タンニン系物質を有用成分として含み、このほ
かサポニン、エラグ酸配糖体、フラボノイド等を含有す
る複雑な組成物である。このグアバ葉抽出エキスは健康
食品、栄養補助食品素材として利用されており、また澱
粉の加水分解酵素であるα−アミラーゼの活性を阻害す
る作用があり、これを利用した抗肥満用ダイエット食品
も提案されている。
【0003】しかしながら、通常のグアバ葉抽出エキス
は苦味や渋味を有するため適用範囲が限定され、これを
広範囲の分野で有効活用するうえで大きな阻害要因にな
っている。また、一般の緑色植物由来の抽出エキスと同
様にクロロフィルが含まれるが、原料とするグアバ葉は
収穫時期、乾燥および保管の状況等によって緑色から褐
色まで種々のものがあり、これにともない抽出エキスの
色調も変化し、品質の安定性の点で十分ではない。さら
に、フェオホルバイド含量も可能なかぎり低減させる必
要がある。
【0004】一方、活性炭は砂糖、糖液、アミノ酸、醤
油、各種調味液、油脂類等の食品製造分野、可塑剤や化
成品中間体等の化学品製造分野、注射液や薬剤等の医薬
品製造分野等において汎用されている。通常、処理原料
に対し2〜3重量%以下の活性炭を加え、常圧もしくは
減圧下、常温または加温し、必要に応じて攪拌、混合し
た後、遠心分離や濾過などの処理によって被吸着物を含
む活性炭を除去することによって精製された製品を得
る。活性炭に吸着される物質は一般には低分子量のもの
であるが、有色物質、着色成分、有臭成分、微量金属等
さまざまである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明では、グアバ葉抽出エキスの有用成分であるタンニ
ン等の含有量を低減させることなく、苦味や渋味といっ
た摂食上好ましくない風味を取り除く方法を開発し、も
って風味の改良されたグアバ葉エキスを提供することを
目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題の風味の改良さ
れたグアバ葉エキスは、グアバの葉またはグアバの葉か
ら抽出して得られるエキス(以下、グアバ葉抽出エキス
という)を活性炭と接触させ不溶物を除去して得られる
グアバ葉エキスによって達成される。ここで、活性炭と
してはBET法で測定した比表面積が1,000〜2,
000m/g、かつJIS K1474に記載の方法
で測定したpHが4〜7のものであることが望ましい。
また、活性炭は予め水で湿潤させた活性炭組成物であ
り、その水分含量が20〜80重量%であるものが望ま
しい。
【0007】本発明でいう風味の改良されたグアバ葉エ
キスの製造法は、グアバ葉を予め水で湿潤させた活性炭
の存在下で水もしくは親水性有機溶媒またはこれらの混
合溶媒を用いて抽出し、しかる後に不溶物を除去するこ
とによって達成される。また、前記本発明の製造法は、
グアバ葉抽出エキスを水もしくは親水性有機溶媒または
これらの混合溶媒に溶解ないしは分散させ、予め水で湿
潤させた活性炭を加えて混合した後、不溶物を除去する
ことによって達成される。ここで、活性炭および予め水
で湿潤させた活性炭は前記と同じものであり、水と親水
性有機溶媒との混合溶媒は含水率が20〜90重量%の
エタノール溶液であることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の風味の改良されたグアバ
葉エキスを得るための原料としては、グアバの葉または
グアバ葉抽出エキスを用いる。グアバの葉は、生葉その
ものでもよいが、エキス分の抽出効率の点から乾燥葉あ
るいはその破砕物、例えば約1mm〜約数cm、平均5
mm角のサイズに細片化したものを使用することが好ま
しい。グアバ葉抽出エキスは公知の方法によってグアバ
葉から抽出して得られるエキスを対象とすることができ
る。例えば、グアバ葉に水、親水性有機溶媒またはこれ
らの混合溶媒を加え、常温または加温して、必要に応じ
て攪拌、混合しながらエキス分を抽出した後、不溶物を
除去して得られる溶液状態のもの、あるいはこれを濃縮
したもの、さらには減圧乾燥、スプレードライ、凍結乾
燥等の処理を施して粉末状態にしたもの等である。
【0009】親水性有機溶媒としては低級1価アルコー
ルが好適であり、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタ
ノール等を例示できるが、食品用途の安全性等を考慮す
ればエタノールが好ましい。かかる親水性有機溶媒は水
との混合溶媒として用いることがさらに望ましい。混合
溶媒の種類および混合比率は任意であるが、アルコール
濃度が20〜90重量%であるものが好ましく、40〜
70重量%であるものがより好ましい。該抽出溶媒をグ
アバ葉に対して0.5〜10重量倍程度用いる。このよ
うな条件で抽出すると特定の機能たとえば過酸化脂質抑
制作用に優れたエキス画分が得られる。
【0010】なお、抽出処理として1.2〜5気圧の加
圧下かつ加熱下、さらには1.2〜1.7気圧の加圧下
かつ100〜130℃の加熱下で抽出して得られるエキ
スには顕著な過酸化脂質抑制作用が認められるため、か
かる条件で抽出したグアバ葉抽出エキスを対象にするこ
とがより好ましい。抽出時間は約10分〜約5時間、よ
り好ましくは30分間〜2時間である。
【0011】本発明の風味改良グアバ葉エキスを得るに
は、前記のグアバ葉またはグアバ葉抽出エキスを活性炭
と接触させることが重要である。活性炭は原則として任
意の性状のものを利用できるが、BET法で測定した比
表面積が1,000〜2,000m/gであり、JI
S K1474に記載の方法で測定したpHが4〜7で
あるものが望ましい。より好適には1,300〜1,7
00m/gの比表面積をもち、pH5〜6を示すもの
である。前記範囲を外れると、目的とするグアバ葉エキ
スに苦味や渋味が残存することになり、あるいは苦味や
渋味の原因となる成分が除去されると同時にタンニン成
分も除去されてグアバ葉エキスの有用成分の含量が減少
するのみならず該エキスの収量も低下する。
【0012】本発明では、かかる活性炭を使用するにあ
たり予め水で湿潤させることが望ましい。活性炭を水で
湿潤させるには、活性炭と水を単に混合して数分間〜3
日間程度、適宜に攪拌して得ることができるが、活性炭
を減圧状態で脱気した後、水を加えて混合すると湿潤時
間が短縮され簡便である。活性炭と水との比率は水分含
量として20〜80重量%であるものが好ましく、さら
には40〜60重量%であるものがより好ましい。水分
含量が20重量%未満では活性炭を完全に湿潤できない
ことがあり、本発明の所望の効果が小さくなる場合があ
る。逆に80重量%超過では活性炭の湿潤物を多量に使
用する必要性を生じるため容器や装置の大型化を招く。
【0013】グアバの葉またはグアバ葉抽出エキスと活
性炭とを混練あるいは分散の手段により接触させる。す
なわち、例えば処理原料がグアバ葉の場合には活性炭ま
たは予め水で湿潤させた活性炭を加え、この状態で水も
しくは前記親水性有機溶媒またはこれらの混合溶媒を用
いて抽出する。また、処理原料がグアバ葉抽出エキスの
場合には、該エキスが水もしくは前記親水性有機溶媒ま
たはこれらの混合溶媒の溶解ないし分散液状態のもの、
この濃縮液状態のものでは、活性炭または予め水で湿潤
させた活性炭組成物を加えて適宜に攪拌、混合する。さ
らに、グアバ葉抽出エキスが粉末状態のものでは、これ
に予め水で湿潤させた活性炭を加えて混練したのち水も
しくは前記親水性有機溶媒またはこれらの混合溶媒で洗
浄するか、該エキスを水もしくは親水性有機溶媒または
これらの混合溶媒に溶解ないし分散させ活性炭または予
め水で湿潤させた活性炭を加えて適宜に攪拌、混合す
る。
【0014】処理原料に対する活性炭の量は5重量%以
上、より好ましくは5〜10重量%である。5重量%未
満では苦味や渋味の除去が不十分であり、10重量%を
超えるとグアバ葉エキス中のタンニン等まで除去される
ようになる。処理原料と活性炭との接触時間は、グアバ
葉を原料としエキス分抽出を同時に行う場合は前記抽出
時間と同じであるが、これ以外の場合は約5分間〜約1
時間、より好ましくは10〜30分間で十分である。つ
いで、いずれの場合にも活性炭等の不溶物を遠心分離や
濾過等で分離、除去して処理液を得、これを減圧濃縮、
フリーズドライ、スプレードライ等の処理に供して本発
明のグアバ葉エキス(液状または粉末状)を得ることが
できる。
【0015】本発明のグアバ葉エキスは、従来の活性炭
未処理物に比べて苦味や渋味が著しく低減しており、し
かもグアバ葉抽出エキスに特有の有用成分であるタンニ
ン等の主要な成分の含有量は変化しない。また、クロロ
フィルが除去され淡色なエキスとなり、フェオホルバイ
ドもほとんど除去されている。
【0016】前述のように、本発明の風味の改良された
グアバ葉エキスはグアバ葉またはグアバ葉抽出エキスと
活性炭とを接触させることにより得られるが、より好適
には次のような製造法によればよい。すなわち、グアバ
葉の場合には予め水で湿潤させた活性炭の存在下で水も
しくは親水性有機溶媒またはこれらの混合溶媒を用いて
抽出したのち不溶物を除去する方法であり、グアバ葉抽
出エキスの場合にはこれを水もしくは親水性有機溶媒ま
たはこれらの混合溶媒に溶解ないしは分散させた後、予
め水で湿潤させた活性炭を加えて混合し不溶物を除去す
る方法である。いずれの場合にも、親水性有機溶媒およ
び混合溶媒の種類、混合比率、処理原料に対する適用
量、活性炭の種類、水で湿潤させた活性炭の含水率およ
び処理原料に対する適用量、また抽出条件、方法および
乾燥、粉末化方法等は前記と同様である。
【0017】本発明で得られる風味の改良されたグアバ
葉エキスは従来のものに比べて特に苦味および渋味が少
ないため、従来のペレット、錠剤、顆粒あるいはカプセ
ル等の形状の健康食品や栄養補助食品といった特定領域
の食品のみならず一般の加工食品にも配合でき、風味の
点で何ら遜色のないものが得られる。該加工食品としは
ジュース、ココア、茶、栄養ドリンク等の飲料類、牛
乳、クリーム、チーズ、バター等の乳製品、ドレッシン
グ、マヨネーズ、スプレッド、マーガリン、植物性クリ
ーム等の油脂加工製品、醤油、ソース等の調味料、クッ
キー、ケーキ、パン、煎餅等のベーカリー製品ないしは
焼菓子類、チューインガム、グミ、キャンディー等の菓
子類、蒲鉾、竹輪、ハム、ソーセージ等の水産および畜
肉製品等を例示できるが、本発明はこれらに限定される
ものではない。これら加工食品に配合する本発明のグア
バ葉エキスの量は、製品の種類および形態によって一概
に規定しがたいが、概ね0.01〜30重量%、より好
ましくは0.1〜10重量%である。なお、本発明のグ
アバ葉エキスは化粧品、医薬品等にも適用できる。
【0018】
【実施例】
実施例1 グアバの乾燥葉100kgを約2〜5mm角サイズに砕
片化して加圧式抽出釜(1,500リットル)に仕込
み、水600リットルおよび予め水で湿潤させたウエッ
ト活性炭(武田薬品工業(株)製、商品名:タケコール
50WR、水分含量:55重量%、比表面積(BET法
による):1,400m/g、pH(JISK147
4による):5.0)15kgを加え、釜内温度が12
0℃になるまで加熱し、釜内圧力を1.3±0.1気圧
にして50分間抽出した。ついで、不溶の残渣をフィル
タープレスで除き、抽出液を減圧濃縮機で処理して濃縮
物(Brix31)94リットルを得た。該濃縮物をさ
らにスプレードライヤーで処理して乾燥、粉末化し、淡
黄茶色の粉末グアバ葉エキス(試料1)28.5kgを
得た。
【0019】実施例2 グアバの乾燥葉100kgを約2〜5mm角サイズに粉
砕して加圧式抽出釜(1,500リットル)に仕込み、
アルコール濃度が30重量%の含水エタノール500リ
ットルおよび実施例1に記載のウエット活性炭20kg
を加え、釜内温度:75℃、釜内圧力:1.6±0.1
気圧に設定して30分間抽出した。ついで、不溶の残渣
をフィルタープレスで除き、抽出液を減圧濃縮機で処理
して濃縮物(Brix33)97リットルを得た。該濃
縮物をさらにフリーズドライヤーで処理して乾燥、粉末
化し、淡黄茶色の粉末グアバ葉エキス(試料2)30k
gを得た。
【0020】実施例3 実施例2において、アルコール濃度が50重量%の含水
エタノール:900リットル、ウエット活性炭(実施例
1記載のものの水分含量を40重量%に調整したも
の):17kg、釜内温度:60℃、釜内圧力:1.2
±0.1気圧にする以外は同様にして淡黄色の粉末グア
バ葉エキス(試料3)31kgを得た。
【0021】実施例4 実施例2において、アルコール濃度が70重量%の含水
エタノール400リットルおよびウエット活性炭(実施
例1に記載のもの)12kgを使用する以外は同様に処
理して、淡黄色の粉末グアバ葉エキス(試料4)32k
gを得た。
【0022】比較例1 グアバの乾燥葉100kgを約2〜5mm角サイズに粉
砕して加圧式抽出釜(1,500リットル)に仕込み、
アルコール濃度が50重量%の含水エタノール800リ
ットルを加え、釜内温度:75℃、釜内圧力:1.6±
0.1気圧に設定して30分間抽出した。ついで、残渣
をフィルタープレスで除き、抽出液を減圧濃縮機で処理
して濃縮物(Brix31)98リットルを得た。該濃
縮物をさらにフリーズドライヤーで処理して乾燥、粉末
化し、うす茶色の粉末グアバ葉抽出エキス(比較試料
1)30kgを得た。
【0023】実施例5 比較例1に記載の方法で得た粉末グアバ葉抽出エキス1
0kgをアルコール濃度が50重量%の含水エタノール
100リットルに分散溶解させ、実施例1に記載のウエ
ット活性炭1.3kgを加えて50℃、常圧下にて15
分間かきまぜた後、不溶物をフィルタープレスで除き、
液状部を前記と同様に減圧濃縮およびスプレードライヤ
ー処理して乾燥、粉末化し、淡黄色のグアバ葉エキス
(試料5)9.9kgを得た。
【0024】実施例6 実施例2において、アルコール濃度が50重量%の含水
エタノール900リットルおよび乾燥粉末活性炭(関東
化学(株)製の試薬グレードを比表面積:2,200m
/gに微細化したもの、pH:6.0、水分含量:
1.8重量%)9kgを使用する以外は同様にしてうす
茶色の粉末グアバ葉エキス(試料6)30.5kgを得
た。
【0025】実施例7 実施例2において、アルコール濃度が50重量%の含水
エタノール900リットルおよびウエット粒状活性炭
(関東化学(株)製の試薬グレード、比表面積:900
/g、pH5.0に水を湿潤させて水分含量:40
重量%としたもの)15kgを使用する以外は同様にし
てうす茶色の粉末グアバ葉エキス(試料7)32kgを
得た。
【0026】実施例8 実施例2において、実施例1記載のウエット活性炭10
kgを使用する以外は同様に処理してうす茶色の粉末グ
アバ葉エキス(試料8)30kgを得た。
【0027】実施例9 実施例2において、実施例1記載のウエット活性炭27
kgを使用する以外は同様に処理して淡黄色の粉末グア
バ葉エキス(試料8)27kgを得た。
【0028】上記実施例および比較例で調製した各試料
の性状を以下の方法で評価した。 ・風味評価:グアバ葉エキスを45℃の温水に加えて
0.5重量%濃度とし、専門パネラー17名に試飲させ
て苦味および渋味の強さを比較した。評価は1:極めて
強い、2:やや強い、3:ふつう、4:やや弱い、5:
極めて弱い、として平均値で表示した。 ・色調:粉末状態のグアバ葉エキスの色調を比較した。 ・タンニン含量:Phytochemistry,vo
l.2,p.371(1963)およびAm.J.En
ol.Viticult .,vol.16,p .144(1965)に記載のFolin 吸光光度法
により定量分析した。 ・フェオホルバイド含量:J.Food Hyg.So
c.Japan,vol.26,No.1,p.56−
60(1985)に 記載の方法により定量分析した。
【0029】前記の評価結果を表1に示す。これから、
グアバ葉またはグアバ葉抽出エキスを活性炭に接触処理
させると、従来のグアバ葉から得られる抽出エキスにお
いて強かった苦味および渋味が著しく低減されることが
明らかになった。この低減作用は、活性炭が比表面積:
1,000〜2,000m/gであり、予め水で湿潤
させたものである場合に顕著となる。なお、苦味および
渋味の低減傾向とともに淡色化傾向が認められる。フェ
オホルバイド含量は少量の活性炭処理によっても顕著に
減少する。しかし、グアバ葉抽出エキスの有用成分であ
るタンニンの含量は活性炭の添加量を処理物に対して1
0重量%程度まで増やしてもほとんど減少しないことが
明らかになった。
【0030】
【表1】
【0031】実施例10 市販のオレンジジュース100mlに試料1〜5および
比較試料1のいずれか1種を加え、攪拌して溶解させ、
グアバ葉エキスを0.1重量%、2.0重量%、5.0
重量%それぞれ含むジュースを試作した。これらの風味
は、比較試料1を2.0重量%配合したもの、5.0重
量%配合したものでは渋味および苦味が増大したが、こ
れら以外のものでは無添加のものと同様であった。
【0032】実施例11 バター100g、ショートニング200g、牛乳30g
および砂糖60gを家庭用泡立て機でよく攪拌しながら
鶏卵60gを加えて十分に混合し、さらに予め小麦粉3
00g、ベーキングパウダー2g、および試料1〜5、
比較試料1のいずれか1種25gを混合しておいた粉体
を加えてさらに混捏しドウを作った。これを30分間ね
かせた後、金型で60個に分割し、オーブンで焼いてグ
アバ葉エキス入りバタークッキーを試作した。これらを
試食したところ、比較試料1を配合したものは苦味と渋
味があったが、試料1〜5のいずれかを配合したもので
は苦味および渋味がなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、グアバ葉抽出エキスの
有用成分であるタンニン等の含有量を低減させることな
く、苦味や渋味といった摂食上好ましくない風味が取り
除かれ、淡色な、フェオホルバイドをほとんど含まな
い、風味の改良されたグアバ葉エキスを提供できる。本
発明のグアバ葉エキスは、グアバ葉またはグアバ葉抽出
エキスと予め水で湿潤させた活性炭とを用いることによ
り簡便な方法で製造できる。また、本発明のグアバ葉エ
キスは、従来の健康食品や栄養補助食品素材といった範
疇の食品のみならず種々の一般加工食品にも適用でき、
しかも大量に配合しても何ら風味を損なうことはないた
め、グアバ葉抽出エキスの利用範囲を拡大せしめる効果
がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 1/307 A23L 1/307 2/38 2/38 C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グアバの葉またはグアバ葉抽出エキスを
    活性炭と接触させ不溶物を除去して得られる風味の改良
    されたグアバ葉エキス。
  2. 【請求項2】 活性炭が比表面積:1,000〜2,0
    00m/gかつpH:4〜7のものである請求項1に
    記載のグアバ葉エキス。
  3. 【請求項3】 活性炭が予め水で湿潤させた活性炭組成
    物であり、その水分含量が20〜80重量%のものであ
    る請求項1または2に記載のグアバ葉エキス。
  4. 【請求項4】 グアバ葉を予め水で湿潤させた活性炭の
    存在下で水もしくは親水性有機溶媒またはこれらの混合
    溶媒を用いて抽出し不溶物を除去することを特徴とする
    風味の改良されたグアバ葉エキスの製造法。
  5. 【請求項5】 グアバ葉抽出エキスを水もしくは親水性
    有機溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解ないしは分散さ
    せ、予め水で湿潤させた活性炭を加えて混合して不溶物
    を除去することを特徴とする風味の改良されたグアバ葉
    エキスの製造法。
  6. 【請求項6】 混合溶媒が含水率:20〜90重量%の
    エタノールである請求項4または5に記載の製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の風
    味の改良されたグアバ葉エキスを配合してなる加工食
    品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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