JP3565503B2 - 酸化物熱電変換材料 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱を電気に、また電気を熱に変換できる熱電変換材料に関し、更に詳細には、高温領域で安定して作動する新規な酸化物半導体からなる酸化物熱電変換材料に関する。
【0002】
【従来技術】
一般に、熱を電気に変換する現象をゼーベック効果と称している。この現象は、異なる二つの物質を接合して二箇所の接合部を有する閉回路を形成し、一方の接合部を加熱するとともに他方を冷却すると、両物質の材質の相違及び温度差に基づいて熱起電力が発生することである。
【0003】
この逆現象として、電気を熱に変換するペルチエ効果がある。即ち、前記閉回路を開いて外部から直流電流を通電すると、一方の接合部では熱を吸収し、他方の接合部では熱を発生する。また、類似現象としてトムソン効果も知られている。均質な物質の両端に温度差をつくり、この温度勾配に沿って電流を流すと、物質内で熱の吸収や発生が生じる現象である。
【0004】
これらゼーベック効果、ペルチェ効果、トムソン効果等は、熱電変換効果と総称されており、いずれの現象も可逆性を有する。これに対し、高温部から低温部に熱が伝わる熱伝導や電気抵抗で電流発熱するジュール効果などは非可逆現象である。
【0005】
ゼーベック効果を利用すれば、熱を電気に変換する熱電発電が可能になり、逆にペルチエ効果を利用すれば、電気を熱に変換する熱電冷却が可能になる。このような熱電変換効果を有する材料を熱電変換材料と称する。
【0006】
現代社会では大量の熱が自然界に排出されている。例えば、エネルギーの化石燃料(石油や石炭など)への依存度は極めて高く、燃焼に伴って熱と同時に放出されるCO、NOx、SOxは環境破壊の原因物質とも言われている。しかも、その火力発電の効率は約1/3に過ぎないため、残りの約2/3の熱は環境にそのまま放出されている。この廃熱を少しでも回収利用できれば、化石燃料の使用量を減じることが可能になり、環境保全への貢献につながる。このため、熱電発電の技術は近年極めて重要になりつつある。
【0007】
熱電変換材料には、電子により負電荷が運ばれるn型熱電変換材料(n型導電体ともいう)と、ホールにより正電荷が運ばれるp型熱電変換材料(p型導電体ともいう)がある。n型導電体とp型導電体を並列に接続し、一端側を加熱して他端側を冷却すると、高温側から低温側に電子とホールが移動し、この電荷移動によって発電が行われる。
【0008】
このとき、n型導電体では高温側が正極となり、p型導電体では低温側が正極になる。従って、p型導電体とn型導電体がそれぞれ電池になり、しかも電池として直列接続された形態になるため、このpn対により発生する電圧はp型導電体の起電力とn型導電体の起電力の和になる。従って、このpn対を多段に直列接続することにより大きな発電能力を得ることができ、熱電発電の実効性を高めることができる。
【0009】
熱電発電の効率を増大させるためには、高温側と低温側の温度差を大きくすることが重要である。低温側に温度限界が存在することを考慮すれば、高温側をより高い温度に設定保持することが必要となる。言い換えれば、高温性能の良好な熱電変換材料が要請されている。ところが、従来の熱電変換材料は高温性能において問題があった。
【0010】
従来の熱電変換素子は主として非酸化物材料から構成されている。例えば、多用されているBi−Te系の熱電変換材料は主にペルチエ効果を用いた冷却素子に使用され、レジャー用途、医療・エレクトロニクス用途、列車や潜水艦の冷房用途に利用されてきた。特に、この材料は300℃の排熱利用が限界であり、500℃以上の高温では、酸化・分解するために使用不能である。
【0011】
高温用の熱電変換材料として、Si−Ge固溶体材料や、Pb−Te系材料が開発されており、宇宙探査機用電源に用いられたことがある。これらの材料は宇宙空間という高真空中では高温で使用可能であるが、地球の大気環境下では高温で使用すると酸化するため使用不能である。
【0012】
Fe−Si系材料は耐酸化性に優れた熱電材料であるが、実際には700℃程度までの使用が限界である。要するに、地球大気環境下で700℃以上で安定に使用できる熱電変換材料はこれまで未開発であった。
【0013】
これらの高温限界や空気中使用での酸化の問題以外に、化学毒性の問題もあった。従来のBi−Te系材料やPb−Te系材料は重元素を含んでいるため化学毒性が強く、製造従事者や作業従事者にとって健康上の問題があり、取り扱い上の安全性や使用後のリサイクル性などにも大きな問題を残している。
【0014】
また、前述した問題以外に、熱電変換材料が金属材料の場合には、その熱電特性に原理的な限界があった。熱電変換材料の性能指数Zは、Z=α・σ/k(α:ゼーベック係数[μV/K]、σ:電気伝導率[S/m]、k:熱伝導率[W/mK])で与えられる。ゼーベック係数αは熱起電率とも呼ばれる。
【0015】
熱電変換材料の総合特性の評価は、主に前記性能指数Z(Figure ofMerit[K−1])によって与えられ、この値が大きいほど熱電変換材料の変換効率が高いと考えられる。また、この性能指数Zに関連して出力因子Pで評価される場合もある。この出力因子P(Power Factor[W/Km])はP=α・σで与えられ、やはりこの値が大きい程効率が高いことを示す。
【0016】
金属中の電子の振る舞いを自由電子模型で扱うと、熱伝導率kと電気伝導率σの比は同一温度では金属種によらず一定値になるというウイーデマン・フランツの法則が成立している。従って、金属の場合には理想的にはσ/kが一定値になるから、性能指数Zを大きくするにはゼーベック係数αを大きくする以外になく、Zを大きくできる自由度が狭くなってしまう。この自由度の狭さが金属における限界である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
以上をまとめると、非酸化物系の熱電変換材料は、高温で分解・溶融・酸化する傾向を有するため高温では使用不能という欠点を有しているが、変換効率は比較的高いという長所を有している。つまり、非酸化物系材料では高温使用性と高変換効率とを両立させることは困難である。特に、金属では原理的な意味で性能指数に多様性をもたらすことは難しかった。
【0018】
そこで、酸化物半導体からなる熱電変換材料が開発されてきた。例えば、ZnOやCuAlO等の材料が研究されてきた。これらの酸化物材料は融点が極めて高いため、高温使用性について問題はなく、耐酸化性を有するから大気中で安定であることが分かった。ところが、熱電変換材料として最も重要な性能指数を高くすることが困難であった。つまり、変換効率が非酸化物系より低いという弱点を有している。
【0019】
本発明者等は、このような性質を有する酸化物熱電変換材料の一つとして、Zn−In−O系酸化物材料の開発に成功し、平成10年に既に特許出願している。このZn−In−O系酸化物半導体材料はn型導電体として機能することが分かっている。従って、前述したpn対を構成するためには、p型導電体として機能する酸化物熱電変換材料が求められている。
【0020】
従って、本発明の目的は、高温で使用可能であるとともに大気中で安定であり、変換効率が比較的高い酸化物熱電変換材料を提供することである。同時に、本発明の目的は、p型導電体として機能する酸化物熱電変換材料を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、RCoOで表される酸化物半導体からなり、Rは希土類元素であることを特徴とする酸化物熱電変換材料である。
【0022】
請求項2の発明は、前記希土類元素Rの一部がアルカリ土類金属元素Mで置換されたR1−xCoO(0<x≦0.5)で表される請求項1に記載の酸化物熱電変換材料である。
【0023】
請求項3の発明は、前記希土類元素RがHo、Dy、Gd、Sm、Nd又はPrである請求項1又は2に記載の酸化物熱電変換材料である。
【0024】
請求項4の発明は、前記アルカリ土類金属元素MがMg、Ca、Sr又はBaである請求項2に記載の酸化物熱電変換材料である。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、酸化物半導体からなる新規な熱電変換材料を鋭意研究した結果、ペロブスカイト構造を有する希土類コバルト酸化物RCoO(ここでRは希土類元素)が高温で安定であり、しかも比較的高い熱電変換指数を有することを発見するに到り、本発明を完成したものである。
【0026】
近年、narrow 3d−遷移金属バンドを有する酸化物系物質に、高い熱電性能を有する材料が発見されつつある。例えば、NaCo、CaCo1228、Li添加NiO等の酸化物熱電変換材料が発表されている。
【0027】
そこで、本発明者等はnarrow 3d−遷移金属バンドを有する酸化物半導体が酸化物熱電変換材料の候補であると考えた。同時に、この酸化物を結晶構造学的に修飾することによってより多様な材料を探索する必要性の観点から、ペロブスカイト構造を有する酸化物を熱電変換材料の最有力な候補であると考えた。
【0028】
つまり、narrow 3d−遷移金属バンドを有するペロブスカイト構造の酸化物を鋭意研究した結果、希土類コバルト酸化物RCoOを酸化物熱電変換材料として発見するに到ったのである。
【0029】
ペロブスカイト構造は化学式NMXで表される複酸化物に見られる結晶構造であり、本発明では、Nとして希土類元素R、MとしてコバルトCo、Xとして酸素Oが選ばれた希土類コバルト酸化物RCoOが対象となる。ペロブスカイト構造の単位格子においては、Rが8個のコーナーに位置し、Coが体心に位置し、Oが6面の面心に位置している。
【0030】
ペロブスカイト構造は種々の金属イオンの固溶を可能にする結晶構造であり、金属イオンを適当な割合で固溶させることによって熱電性能を可変調整できる利点を有している。また、ペロブスカイト構造の構成元素を他の元素に置換することによって性質の違った熱電変換材料を提供することが可能になる。
【0031】
希土類コバルト酸化物RCoOの希土類元素と置換する金属元素として、アルカリ土類金属元素が適当である。その結果、希土類コバルト酸化物RCoOは希土類アルカリコバルト酸化物R1−xCoOになる。アルカリ土類金属元素Mとして、Mg、Ca、Sr又はBaが選ばれる。
【0032】
希土類元素Rの一部をアルカリ土類金属元素Mと置換することによって、熱電変換性能をRCoOより向上させ、熱電変換材料を多様化することができる。置換割合Xは、0<X≦0.5の範囲に設定される。X=0は置換が無い条件、即ちRCoOを示しているため、希土類アルカリコバルト酸化物R1−xCoOとしてはX=0は除かれる。
【0033】
希土類コバルト酸化物RCoO及び希土類アルカリコバルト酸化物R1−xCoOにおいて、希土類元素RはSc、Y及びランタノイド元素から選択される。即ち、希土類元素Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuから選ばれる。
【0034】
希土類コバルト酸化物RCoOの熱電変換性能は希土類元素Rのイオン半径の大小に依存しているが、一般的傾向を簡単に言うことはできない。Pr、Nd、Sm、Gd、Dy、Hoの+3価のイオン半径は、オングストローム(A)単位で、0.99、0.983、0.958、0.938、0.912、0.901であるから、イオン半径の順はPr>Nd>Sm>Gd>Dy>Hoとなる。
【0035】
NdCoO、SmCoO、GdCoOの3種類の範囲で述べると、希土類元素のイオン半径が大きくなるに従って、RCoOの電気伝導率σは大きくなるが、RCoOのゼーベック係数αは小さくなる。しかし、高温になると共に、希土類元素の違いによる電気伝導率σ及びゼーベック係数αの値の違いは小さくなってゆく。他方、出力係数(Power Factor)Pの値はSm>Nd>Gdの順に小さくなってゆくから、イオン半径の順にはなっておらず、しかも500℃付近にピークを有した構造を採る。
【0036】
出力係数Pから判断すると、希土類コバルト酸化物RCoOは、700℃以上の高温においても地球大気環境下で安定に熱電変換能力を有しており、またp型熱電変換材料として機能する。
【0037】
また、希土類アルカリコバルト酸化物R1−xCoO(0<X≦0.5)では、希土類のイオン半径が増加するほど、電気伝導率σは増加し、ゼーベック係数αは減少する。また、熱電変換性能指数Zは複雑な挙動を示すが、イオン半径が小さくなるほど、最大性能指数を示す温度が高温側に移動する。
【0038】
希土類アルカリコバルト酸化物R1−xCoO(0<X≦0.5)では、希土類コバルト酸化物RCoOと同様に、高温になるに従って熱電変換性能指数Zは小さくなる。しかし、700℃以上の高温においても熱電変換性能は安定しており、p型熱電変換性能を有する。従って、本発明者等が既に提案しているn型熱電変換材料と組み合わせてpn対を構成することができる。
【0039】
本発明では、上記成分以外のものであっても、本発明の効果を妨げない範囲内で他の成分が含まれていてもよい。例えば、焼結助剤、ガラス、カーボン、耐酸化性金属(Ag、Au、Re、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt等の酸化物)等が含有されていても良い。
【0040】
本発明の熱電変換材料の気孔率は、最終製品の用途に応じて適宜定めればよいが、通常は3〜90%(理論密度10〜97%)であり、好ましくは10〜80%であり、特に20〜70%であることが最も好ましい。気孔率が3%未満であると、熱励起により飛び出す電子が少なすぎ、また連続気孔の形成も不十分となるために満足できる熱電変換性能が得られないことがある。また、気孔率が90%を超えると、十分に優れた熱電変換性能を得ることができるものの、機械的強度が低く、加工時又は使用時に壊れやすくなるので実用上好ましくない。
【0041】
なお、本発明における気孔は、特に独立気孔を含む連続気孔(以下、「気孔」ともいう)であることが好ましい。本発明において連続気孔は、主として開気孔と閉気孔からなる。その構成としては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。連続気孔の形成は、例えば製造時に粉末原料に配合する有機バインダーの種類及び添加量を調節することによって達成することができる。
【0042】
本発明の熱電変換材料の形状又は寸法は、特に制限されず、最終製品の形状等に応じて適宜設定すればよい。例えば、フィルム状、シート状、棒状、その他任意の形状で用いることができる。本発明の熱電変換材料の使用方法は、公知の熱電変換材料における使用方法と同様にすればよい。
【0043】
本発明の熱電変換材料は、希土類物質R、コバルトCo、アルカリ土類金属物質MをRCoO又はR1−xCoO(0<X≦0.5)の化学式に示す所定比率で添加する以外は、公知の酸化物(セラミックス)の製造方法と同様の方法により製造することができる。
【0044】
例えば、所定量の希土類物質、コバルト(必要ならアルカリ土類金属も)を含む粉末材料を成形し、その成形体を焼成することによって製造できる。上記粉末材料の調製も、セラミックス分野で通常採用されている公知の粉末調製法(固相法、液相法、気相法など)をいずれも適用することができる。
【0045】
固相法では、まず出発材料として希土類物質、コバルト(必要ならアルカリ土類金属も)を含む各化合物を前記所定の組成比率となるように秤量・採取し、クラッシャーミル、アトライター、ボールミル、振動ミル、サンドグラインドミル等の公知の粉砕機を用いて乾式又は湿式で混合・粉砕する。この場合、更に必要に応じて有機バインダー、焼結助剤を添加することもできる。次いで、粉砕混合物をその焼成温度よりも低い温度で仮焼して、目的とする相を有する仮焼体を作製し、これを必要に応じてさらに粉砕することによって粉末原料を調製することができる。この場合、出発原料である上記化合物は、R(R=Ho、Dy、Gd、Sm、Nd、Pr等)、MCO(M=Mg、Ca、Sr、Ba)、Co等の酸化物に限られず、例えば水酸化物、炭酸塩等のように仮焼により最終的に酸化物となるものであればいずれも使用できる。特に、粒径制御が容易であって混合性に優れている化合物がより好ましい。
【0046】
液相法では、共沈法、水熱合成法等の公知の方法を用いて、溶液原料から所望の化合物を沈殿析出させたり、あるいは溶媒を蒸発させて蒸発固化物を得ることにより粉末原料を得ることができる。溶液原料としては、例えば水を溶媒とし、これに希土類元素、コバルト、アルカリ土類金属元素の塩化物、硝酸塩、有機酸塩等の化合物を溶解させたもの、あるいは水以外の溶媒(メタノール、エタノール等の有機溶媒)を用い、上記化合物のアルコキシド等の溶液を用いることもできる。液相法により合成される粉末原料は、容易に原料組成の均一化を図ることができる点で優れている.また、液相法では、希土類元素、コバルト、アルカリ土類金属元素を所定量含む溶液原料を適当な基材上に塗布し、この塗膜を直接焼成して焼結体とすることにより、薄膜状の熱電変換材料(あるいは熱電変換素子)を基材と一体化した状態で製造することもできる.
【0047】
気相法では、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法、液状原料を用いる気相分解法等が適用できる。気相法は、特に薄膜状の熱電変換材料を基材上に直接形成する場合、あるいは結晶性の高い粉末原料を調製する場合等に有利である。
【0048】
これら粉末原料の平均粒径は、粉末原料の組成、最終製品の形態等に応じて適宜変更できるが、通常は0.05〜10μm程度、好ましくは0.1〜8μm、より好ましくは0.2〜6μmとすればよい。
【0049】
粉末原料には、成形に先立って有機バインダーを配合できる。有機バインダーとしては、所望の連続気孔を形成できるものである限り特に制限されず、一般の焼結体の製造において用いられている有機バインダーもそのまま使用できる。例えば、流動パラフィン、ワックス、ポリエチレン等のオレフィン類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂あるいはアルデヒド系樹脂等を用いることができる。有機バインダーの添加量は、用いる有機バインダーの種類、所望の気孔率等に応じて適宜設定すればよいが、通常は最終的に得られる熱電変換材料の気孔率が3〜90%となるように設定するのが好ましい。一般的には、上記粉末原料中に3〜65重量%程度を配合すればよいが、上記気孔率との関係でこの範囲外となってもよい。
【0050】
次いで、粉末原料を用いて成形を行う。この場合の成形方法は、特に制限されず、例えば金型を用いる加圧成形法、冷間等方圧成形法(CIP成形(ColdIsoPress Mould))、押出し成形法、ドクターブレードテープ成形法、鋳込み成形法等のセラミックス・粉末冶金等の分野で汎用されている成形方法を用いることができる。成形条件も、公知の各成形方法における成形条件内で調節すればよく、特に粉末の均一充填性が高くなるように適宜設定することが好ましい。
【0051】
続いて、得られた成形体の焼結を行う。焼結方法も、特に制限されず、公知の常庄焼結、加圧焼結等の公知の焼結方法を採用することができる。焼結温度は、用いる粉末原料の種類、組成等に応じて適宜変更すればよく、通常は1000〜1700℃程度の範囲とすればよい。焼結温度が低すぎると目的の緻密性を達成できず、また焼結体が具備すべき所定の特性が得られなくなることがある。また、焼結温度が高すぎると組成変化あるいは粒成長による微細構造の変化が生じるので、焼結体の物性制御が困難となるばかりでなく、エネルギー消費が増加したり、生産効率が低下する場合がある。
【0052】
焼成雰囲気は、特に制限されず、例えば還元処理の必要性に応じて選択することができる。例えば、焼成と同時に還元処理が必要な場合には、還元雰囲気とすればよい。また、還元処理を必要としない場合には、例えば大気中で常圧焼結すればよい。酸素雰囲気下における焼成は、焼結体の組成、微細構造等の制御が特に必要な場合において、酸素分圧を制御するのに有効である。本発明では、酸化雰囲気であれば酸素分圧は特に制限されない。
【0053】
なお、本発明では、いずれの方法で合成された粉末原料においても、焼結に先立ち必要に応じて成形体を仮焼してもよい。仮焼温度は、その成形体における焼結温度よりも低い温度で適宜定めればよい。仮焼雰囲気も、上記焼結の場合と同様に適宜設定することができる.
【0054】
【実施例】
以下に、本発明に係る酸化物熱電変換材料の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明では、各物性は次のようにして測定された。
(1)電気伝導率σ(Electrical Conductivity[S/cm])
直流四端子法により測定された抵抗率から電気伝導率σを求めた。
(2)ゼーベック係数α(Seebeck Coefficient[μV/K])
試料を石英管内に配置し、ホットエアを流入した石英管を試料の一端側に接触させて高温側を作り、他端側を低温側にして両端の温度差ΔTを測定した。同時に、Pt・Pt/Rh熱電対により両端間に発生した起電力ΔVを測定した。これらの量からΔV/ΔTを計算して、ゼーベック係数が導出された。
【0055】
(3)熱伝導率k(Thermal Conductivity[W/Km])レーザーフラッシュ法から求めた熱拡散率と、DSCから求めた比熱を用いて熱伝導率を導出した。
(4)熱電変換性能指数Z(Figure of Merit[K−1])
熱電変換性能指数Zはゼーベック係数α、電気伝導率σ及び熱伝導率kの3量から、Z=ασ/kによって求められる。
(5)出力因子P(Power Factor[W/Km])
出力因子Pはゼーベック係数αと電気伝導率σから、P=ασによって求められる。
(6)結晶相の同定と構造
結晶相の同定には粉末X線回折装置が用いられ、微細構造の観察はSEMとTEMにより行われた。
【0056】
[実施例1:RCoO3の場合]
(R=Nd、Sm、Gd)とCoの粉末を秤量・採取し、24時間ボールミルで乾式混合した。混合物をジルコニア容器に移し、大気中で1000℃、10時間仮焼した。その後、ボールミルで6時間粉砕混合することによって平均粒径1μm以下に調節し、粉末原料を調製した。粉末原料を196MPaの圧力でCIP成形し、この成形体を大気中で1100℃、10時間焼結し、RCoO焼結体を作成した。
【0057】
得られた3種類の試料NdCoO、SmCoO、GdCoOを用いて、ゼーベック係数αと電気伝導率σを測定し、出力因子Pを導出した。ゼーベック係数αは図1に、電気伝導率σは図2に、出力因子Pは図3に示されている。
【0058】
図1、図2及び図3から明らかなように、希土類コバルト酸化物RCoOのゼーベック係数、電気伝導率及び出力因子は希土類元素Rのイオン半径の大小に依存している。しかし、イオン半径との関係性を簡明に表現することは困難である。Nd+3、Sm+3、Gd+3のイオン半径は、オングストローム(A)単位で、0.983、0.958、0.938であるから、イオン半径の順はNd>Sm>Gdとなる。
【0059】
NdCoO、SmCoO、GdCoOの3種類の範囲で述べると、希土類元素のイオン半径が大きくなるに従って、RCoOのゼーベック係数αは小さくなるが、高温になるに従ってその差は無くなり、一定値に収束してゆく傾向を示す。電気伝導率σはイオン半径が大きくなると増大するが、高温になるに従ってその差は無くなり、一定値に収束してゆく傾向を示す。
【0060】
しかし、出力因子Pの値はSm>Nd>Gdの順になり、イオン半径の順にはなっていない。しかも、出力因子Pは500℃付近にピークを有し、左右に裾野を有する構造を持つ。出力因子Pは700℃以上でもかなり大きく、RCoOが高温領域で有効且つ安定な熱電変換効果を発揮することが分かる。しかも、出力因子は1000℃近傍でも所定の大きさを有し、RCoOが高温で有力なp型熱電変換材料であることが実証された。
【0061】
[実施例2:R0.9Ca0.1CoOの場合]
実施例2では、X=0.1、M=Caに相当するR0.9Ca0.1CoOが実施例1と同様の方法で作成された。即ち、R(R=Pr、Nd、Sm、Gd、Dy、Ho)、CaCO及びCoの粉末をそれぞれ秤量・採取し、24時間ボールミルで乾式混合した。混合物をジルコニア容器に移し、大気中で1000℃、10時間仮焼した。その後、ボールミルで6時間粉砕混合することによって平均粒径1μm以下に調節し、粉末原料を調製した。粉末原料を196MPaの圧力でCIP成形し、この成形体を大気中で1100℃、10時間焼結し、R0.9Ca0.1CoO焼結体を作成した。
【0062】
6種類の試料Pr0.9Ca0.1CoO、Nd0.9Ca0.1CoO、Sm0.9Ca0.1CoO、Gd0.9Ca0.1CoO、Dy0.9Ca0.1CoO、Ho0.9Ca0.1CoOが得られた。これらの試料に対して、ゼーベック係数α(図4)、電気伝導率σ(図5)、熱伝導率k(図6)、熱電性能指数Z(図7)及び出力因子P(図8)が測定・計算され、図4〜図8に示される。
【0063】
前述したように、希土類元素のイオン半径の大小関係はPr>Nd>Sm>Gd>Dy>Hoである。図4のゼーベック係数αのグラフをイオン半径の大小順と比較してみると、イオン半径が小さくなるに従ってゼーベック係数は大きくなっていることが分かる。しかも、高温になると一定値に収束するようになり、このような傾向は実施例1と似ている。また、全ての組成と全ての測定温度範囲でp型の伝導特性が確認された。
【0064】
一方、図5から分かるように、同一温度ではイオン半径が大きくなるに連れて電気伝導率σは大きくなり、高温になるに従って電気伝導率は増加した。しかし、高温になると共にイオン半径の違いによる差は小さくなる傾向がある。この傾向も実施例1と同様である。また、NdとPrの組成では、700℃以上で電気伝導率が少し減少する金属的な挙動を示した。
【0065】
図5及び図6から分かるように、ゼーベック係数αと電気伝導率σは900℃まで共に安定した値を示し、この熱電変換材料が900℃でも十分使用に耐えるものであることが分かった。従来材料では700℃を越えるものはなく、この材料が画期的であることを示す。
【0066】
図6に見られるように、温度増加に伴い熱伝導率kは増加した。また、イオン半径が大きくなるほど高い熱伝導率を示したが、イオン半径が小さいGd、Dy、Hoの系では、温度の増加に対する熱伝導率の変化が小さいことが分かった。また、高温になるに従いイオン半径の違いが際だち、熱伝導率の差が大きく開いてくる。
【0067】
図7は熱電変換性能指数Zの温度依存性を示し、かなり複雑な挙動を示していることが分かる。しかし、この図から希土類元素のイオン半径が小さくなるほど最大性能指数を示す温度が高温側に移動することが分かった。
【0068】
図8は出力因子Pの温度依存性を示す。出力因子Pは熱電変換性能指数Zと似た挙動を示すことが分かる。出力因子Pは900℃までプロットされており、R0.9Ca0.1CoOが900℃でも十分に熱電変換性能を発揮することを示している。
【0069】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものである。
【0070】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、RCoO(R:希土類元素)を酸化物熱電変換材料とするから、高温使用が可能な耐酸化性・安定性を有したp型熱電変換材料を実現でき、排熱の有効利用を積極化することができる。
【0071】
請求項2の発明によれば、RCoOの希土類元素Rの一部をアルカリ土類元素Mで置換したR1−xCoO(0<x≦0.5)を酸化物熱電変換材料とするから、より高性能の酸化物熱電変換材料を実現でき、700℃以上の高温領域でも使用が可能な耐酸化性・安定性を有したp型熱電変換材料を実現できる。
【0072】
請求項3の発明によれば、希土類元素RとしてHo、Dy、Gd、Sm、Nd又はPrを利用できるから、入手が比較的容易な希土類元素により安価に高性能の酸化物熱電変換材料を製造できる。
【0073】
請求項4の発明によれば、アルカリ土類元素MとしてMg、Ca、Sr又はBaの安価な元素を利用できるから、安価に高性能の酸化物熱電変換材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱電変換材料RCoOのゼーベック係数の温度依存性を示す。
【図2】本発明に係る熱電変換材料RCoOの電気伝導率の温度依存性を示す。
【図3】本発明に係る熱電変換材料RCoOの出力因子の温度依存性を示す。
【図4】本発明に係る熱電変換材料R0.9Ca0.1CoOのゼーベック係数の温度依存性を示す。
【図5】本発明に係る熱電変換材料R0.9Ca0.1CoOの電気伝導率の温度依存性を示す。
【図6】本発明に係る熱電変換材料R0.9Ca0.1CoOの熱伝導率の温度依存性を示す。
【図7】本発明に係る熱電変換材料R0.9Ca0.1CoOの熱電変換性能指数の温度依存性を示す。
【図8】本発明に係る熱電変換材料R0.9Ca0.1CoOの出力因子の温度依存性を示す。

Claims (4)

  1. RCoOで表される酸化物半導体からなり、Rは希土類元素であることを特徴とする酸化物熱電変換材料。
  2. 前記希土類元素Rの一部がアルカリ土類金属元素Mで置換されたR1−xCoO(0<x≦0.5)で表される請求項1に記載の酸化物熱電変換材料。
  3. 前記希土類元素RがHo、Dy、Gd、Sm、Nd又はPrである請求項1又は2に記載の酸化物熱電変換材料。
  4. 前記アルカリ土類金属元素MがMg、Ca、Sr又はBaである請求項2に記載の酸化物熱電変換材料。
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