JP3564820B2 - 集合住宅火災監視システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、集合住宅火災監視システムに係り、更に詳しくは、試験端子付中継器が戸外に設置され、遠隔試験器をこの試験端子付中継器に接続して、戸外より火災感知器の動作試験を行う集合住宅火災監視システムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、遠隔試験器を用いて、戸外から動作点検をできるようにした集合住宅火災監視システムが開発されている。この集合住宅火災監視システムは、図5に示した様に、火災感知器S1〜Snを接続した感知器回線Ls及び住宅用受信機HRが、試験端子付中継器TCにそれぞれ接続されて構成され、動作点検時には、更に、試験端子付中継器TCに遠隔試験器RTが接続される。
【0003】
火災感知器S1〜Snは、各住戸内に設置され、火災によって発生する煙、熱等を検知して、感知器回線Lsへ発報信号を出力するものであり、煙感知器、熱感知器等として構成される。通常、一組の感知器回線Lsには、複数の感知器が接続されるため、各火災感知器を識別するために、各火災感知器にはそれぞれ異なる固有の感知器アドレスが設定されている。
【0004】
住宅用受信機HRは、発報信号受信回路(不図示)を備え、この発報信号受信回路が感知器回線Lsを監視し、火災感知器S1〜Snからの発報信号を受信すると、火災の発生を報知するものである。この火災報知は、警報音又は警報メッセージの出力や、他の発報設備又は防火設備への通報等により行われる。
また、感知器回線Lsの監視により、感知器回線Lsの断線を検出すると、断線の発生を報知する。さらに、図示した住宅用受信機HRは、インターホンとしての機能を備えたセキュリティインターホンであり、玄関に設置されたドアホン子器DPと通話線Ltにより接続されている。
【0005】
ここで、感知器回線Lsは、2線式の信号線であり、火災感知器S1〜Snが並列に接続され、その終端には終端抵抗Rtが設けられている。また、各火災感知器S1〜Snは、感知器回線Lsを短絡することにより、発報信号を出力する。このため、住宅用受信機HRは、感知器回線Lsのインピーダンスを監視すれば、発報信号の有無及び断線発生の有無を検出することができる。
【0006】
即ち、感知器回線Lsのインピーダンスが終端抵抗Rtよりも十分に小さくなれば、発報信号が出力されていると判断することができる一方、終端抵抗Rtよりも十分に大きくなれば、感知器回線Lsに断線が生じたと判断することができる。また、終端抵抗Rtとほぼ同じであれば、発報信号が出力されず、断線も発生していないと判断することができる。
【0007】
試験端子付中継器TCには、感知器回線Lsが接続されており、また、住宅用受信機HRが受信機回線Lrを介して接続されている。この試験端子付中継器TCは、各住戸の玄関口等の戸外に設置されており、動作点検を行う際には、点検作業者が、戸外において試験端子付中継器TCに遠隔試験器RTを接続する。
動作点検時以外の通常時には、試験端子付中継器TCの内部において、感知器回線Lsと受信機回線Lrとが電気的に接続されている。即ち、火災感知器S1〜Snは、試験端子付中継器TCを介して住宅用受信機HRに接続されている。一方、動作点検時には、その内部において、感知器回線Lsと受信機回線Lrが切り離されて、各々が遠隔試験器RTに接続される。
【0008】
この様子を図6に示す。試験端子付中継器TCは、遠隔試験器RTが接続される複数の試験端子J1〜J9と、感知器回線Lsが接続される感知器用端子L、Cと、住宅用受信機HRが接続される受信機用端子T1、T2を備え、更に、必要に応じて、火災の報知等を行う住棟受信機(不図示)等に接続するための端子も設けられる。
【0009】
試験端子J1〜J9に遠隔試験器RTが接続され、遠隔試験器RTの電源投入スイッチをオン状態とすると、試験端子J1、J2から試験用電源が供給され、制御コイルLcの制御により、点検切替手段としての制御接点RYa、RYbが動作する。図示した各点検切替手段RYa、RYbの状態は、遠隔試験器RTを接続していない場合の状態であり、感知器用端子L、Cは、受信機用端子T1、T2にそれぞれ接続されているが、試験端子J1〜J9に遠隔試験器RTが接続されて試験用電源が供給された場合には、感知器用端子L、Cは、受信機用端子T1、T2と切り離されて、試験端子J8、J9にそれぞれ接続される。
【0010】
次に、遠隔試験器RTによる動作点検について図7を用いて説明する。この図は、動作点検時における集合住宅火災監視システムの一例を示したものであり、試験端子付中継器TCは、配線関係のみを簡略化して示している。
図示した遠隔試験器RTは、受信機動作試験回路EXrと、感知器動作試験回路EXsと、火災判断回路FJと、試験中断切替手段として制御接点RYcとを備えて構成される。通常、制御接点RYcは、接点a側に接続されているため、動作点検時には、受信機動作試験回路EXrは、中継器TC及び受信機回線Lrを介して住宅用受信機HRに接続され、感知器動作試験回路EXsは、中継器TC及び感知器回線Lsを介して火災感知器Sに接続される。
【0011】
受信機動作試験回路EXrは、住宅用受信機HRの動作点検を行う回路であり、スイッチング手段SW1、SW2及び抵抗Rt’より構成される。
スイッチング手段SW1及びSW2をともにオフ状態とすれば、受信機回線Lrはハイインピーダンス状態となり、住宅用受信機HRは、断線警報を発報する。この状態から、スイッチング手段SW2のみをオン状態とすれば、受信機回線Lrのインピーダンスは、抵抗Rt’の抵抗値となるが、この抵抗値を終端抵抗Rtと同じ値にしておけば、住宅用受信機HRは、断線検出による発報を停止する。一方、スイッチング手段SW1をオン状態とすれば、受信機回線Lrは短絡状態となり、発報信号を受信したと判断して、火災警報を発報する。
【0012】
この様にして、スイッチング手段SW1、SW2をオン又はオフした時の住宅用受信機HRの発する警報音等を確認することにより、住宅用受信機HRの動作点検を行うことができる。
感知器動作試験回路EXsは、火災感知器Sの動作点検を行う回路であり、火災感知器Sに対して、感知器回線Lsを通じて発報指令信号を送出する。複数の火災感知器Sが感知器回線Lsに接続されている場合には、この発報指令信号は、点検対象となる火災感知器Sを特定するための感知器アドレスを含む信号とされる。
【0013】
この発報指令信号を受信した火災感知器Sは、疑似発報を行う。この疑似発報は、発報指令信号を受信してからの短い一定時間、例えば1秒間、発報信号を出力することにより行われる。
感知器動作試験回路EXsは、この発報信号を検出して、火災感知器Sが正常に動作していることを点検することができる。複数の火災感知器S1〜Snが感知器回線Lsに接続されている場合には、各火災感知器のアドレスを順に指定して、同様の動作点検を行うことにより、全ての火災感知器S1〜Snの動作点検を行うことができる。
【0014】
火災判断回路FJは、動作点検時に、試験端子付中継器TCを介して感知器回線Lsに接続され、感知器回線Lsを監視する。そして、火災感知器Sからの発報信号を受信すると、火災検出信号を出力する。また、感知器動作試験回路EXsが、火災感知器Sを疑似発報させる場合であって、疑似発報と、実際の火災による発報とを区別して検出させる場合にあっては、受信した発報信号が、疑似発報による発報信号であるのか、実際の火災が発生したことによる発報信号であるのかを判別する。
【0015】
例えば、疑似発報による発報信号が、パルス幅が1秒以下の短いパルス信号であるならば、火災が検出されている間送出され続ける実際の火災による発報信号とは、そのパルス幅によって区別することができる。この様にして実際の火災発生時であると判断した場合には、試験中断切替手段としての制御接点RYcを作動させて、接点b側に接続させる。
【0016】
即ち、動作点検中においては、試験端子付中継器TC内の点検切替手段RYa、RYbにより、住宅用受信機HRは感知器回線Lsと切り離されているが、動作点検中であっても火災が発生すれば、遠隔試験器RT内の試験中断切替手段RYcにより住宅用受信機HRが感知器回線Lsに接続されて、住宅用受信機HRは、火災感知器Sからの発報信号を受信して、火災警報を発報することができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
この様な集合住宅火災監視システムに使用される遠隔試験器RTは、点検作業者が、各住戸の玄関口等まで携行し、その試験端子を、試験端子付中継器TCの試験端子J1〜J9に接続して、各住戸の火災感知器などの動作試験を行うものであるため、遠隔試験器RTの電源は、乾電池、蓄電池等の電池電源として構成され、遠隔試験器RTに内蔵されている。
【0018】
このため、遠隔試験器RTの電池電源が、消耗し、或は、放電して、その出力電圧が低下すると動作点検を行うことができなくなる。従って、点検作業を行う前に、遠隔試験器RTの電池電源が、電池切れしていないか、即ち、十分な電圧レベルを出力しているかを確認する必要がある。
しかしながら、使用前には電池切れ状態ではなかった場合であっても、試験端子付中継器TCに接続して火災感知器S等の試験を開始すると、試験中に電池切れ状態となってしまう場合もある。
【0019】
この様な場合には、火災判断回路FJが正常に動作しないため、試験中に住戸内で火災が発生し、これを感知した火災感知器Sが発報信号を送出した場合であっても、試験中断切替回路RYcが作動しない。このため、住宅用受信機HRが発報信号を受信することができず、火災警報を発報することはできない。
また、上述した通り、この様な集合住宅火災監視システムの場合には、点検作業者が、遠隔試験器RTを試験端子付中継器TCに接続した後に、遠隔試験器RTに設けられた電源投入スイッチを操作して、電源の投入を行う必要がある。このため、遠隔試験器RTを試験端子付中継器TCに接続すれば、自動的に動作点検を行うことができれば動作点検の作業性を向上させることができる。
【0020】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、電池切れが生じた場合には、これを検出して、住宅用受信機を感知器回線に接続する集合住宅火災監視システムを提供することを第一の目的とする。
また、遠隔試験器を試験端子付中継器に接続することにより、電源が投入され、試験端子付中継器に試験用電源が供給される集合住宅火災監視システムを提供することを第二の目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明による集合住宅火災監視システムは、火災感知器を接続した感知器回線と、住戸内に設置された住宅用受信機とが、戸外に設置された試験端子付中継器内の点検切替手段により接続され、この試験端子付中継器に遠隔試験器を接続して動作点検を行う際に、上記点検切替手段は、住宅用受信機を感知器回線から切り離すとともに、感知器回線を遠隔試験器に接続して、火災感知器の動作点検を行う集合住宅火災監視システムにおいて、上記遠隔試験器は、上記火災感知器からの発報信号に基づいて、火災の発生を検知する火災判断回路と、この遠隔試験器の電源とされる電池電源を有し、その出力の低下を検出する電池切れ検出回路と、上記火災感知器に対して発報指令信号を送出し、疑似発報させてその動作を試験する感知器動作試験回路と、 上記火災判断回路及び上記電池切れ検出回路の検出結果に基づいて、住宅用受信機と感知器回線とを電気的に接続する試験中断切替手段とを備え、上記火災判断回路は、上記火災感知器からの発報信号に基づいて、上記疑似発報と実際の発報とを判別して、実際の火災発生を検知する回路として構成され、上記試験中断切替手段は、上記火災判断回路及び上記電池切れ検出回路の検出結果に基づいて、上記火災感知器の動作試験中に実際の火災の発生した時、或は、電池切れの発生時には、上記住宅用受信機を上記感知器回線に接続する構成とされる。
【0022】
請求項2に記載した本発明による集合住宅火災監視システムは、火災感知器を接続した感知器回線と、住戸内に設置された住宅用受信機とが、戸外に設置された試験端子付中継器内の点検切替手段により接続され、この試験端子付中継器に遠隔試験器を接続して動作点検を行う際に、上記点検切替手段は、住宅用受信機を感知器回線から切り離すとともに、感知器回線を遠隔試験器に接続して、火災感知器の動作点検を行う集合住宅火災監視システムにおいて、上記遠隔試験器は、上記火災感知器からの発報信号に基づいて、火災の発生を検知する火災判断回路と、この遠隔試験器の電源とされる電池電源を有し、その出力の低下を検出する電池切れ検出回路と、上記火災感知器に対して発報指令信号を送出し、疑似発報させてその動作を試験する感知器動作試験回路とを備え、上記火災判断回路は、上記火災感知器からの発報信号に基づいて、上記疑似発報と実際の発報とを判別して、実際の火災発生を検知する回路として構成され、上記点検切替手段は、上記火災判断回路及び上記電池切れ検出回路の検出結果に基づいて、上記火災感知器の動作試験中に実際の火災の発生した時、或は、電池切れの発生時には、上記住宅用受信機を上記感知器回線に接続する構成とされる。
【0024】
請求項3に記載した本発明による集合住宅火災監視システムは、請求項1,2のいずれかに記載の集合住宅火災監視システムであって、上記遠隔試験器が、上記受信機回線のインピーダンスを通常状態、短絡状態又は断線状態とするための受信機動作試験回路を更に備え、住宅用受信機に、感知器回線の短絡又は断線を検知させて、住宅用受信機の動作点検を行う構成とされる。
【0025】
請求項4に記載した本発明による集合住宅火災監視システムは、請求項1から3のいずれかに記載の集合住宅火災監視システムであって、上記遠隔試験器及び上記試験端子付中継器には、対応した接続検出端子が設けられるとともに、上記遠隔試験器には、上記接続検出端子の接続の有無を検出する接続検出回路と、この接続検出回路の検出結果に基づいて、上記点検切替手段に対し切替制御信号を出力する点検切替制御回路とが設けられ、遠隔試験器が、試験端子付中継器に接続されると、上記点検切替手段が、住宅用受信機を感知器回線から切り離すとともに、感知器回線を遠隔試験器に接続する構成とされる。
【0026】
請求項5に記載した本発明による集合住宅火災監視システムは、請求項1から3のいずれかに記載の集合住宅火災監視システムであって、上記遠隔試験器及び上記試験端子付中継器は、それぞれに一対の給電端子が設けられ、上記試験端子付中継器の給電端子は、その端子間が短絡されて構成され、上記遠隔試験器の給電端子が、対応する上記試験端子付中継器の給電端子に接続されると、上記遠隔試験器の電池電源の出力が、上記試験端子付中継器内の短絡回路を介して、上記遠隔試験器の感知器動作試験回路に供給される構成とされる。
【0027】
【発明の実施の態様】
請求項1及び3に記載した本発明による集合住宅火災監視システムの一構成例を図1に示す。この図は、動作点検時の構成のみを簡略化して示したブロック図である。この集合住宅火災監視システムは、試験端子付中継器TCに、感知器回線Lsを介して複数の火災感知器Sが接続され、また、受信機回線Lrを介して住宅用受信機HRが接続されて構成されており、このシステムの動作点検時には、更に、中継器TCの試験端子J1〜J9に、遠隔試験器RTが接続される。ここで、上記の火災感知器S、住宅用受信機HR及び試験端子付中継器TCは図6に示した集合住宅火災監視システムと同様のものである。
【0028】
上記遠隔試験器RTは、感知器動作試験回路EXsと、受信機動作試験回路EXrと、火災判断回路FJと、試験中断切替回路RYcと、電池切れ検出回路VDと、電池切れ表示手段VHと、論理和演算回路ORとにより構成される。また、図示していないが、この遠隔試験器RTの電源として、電池電源が使用されている。
【0029】
上記電池切れ検出回路VDは、この電池電源の出力電圧を監視し、その電圧レベルの低下を検出して、電池切れが生じたことを検出するための回路であり、例えば、動作点検に必要な最低の電圧レベルが予め求められており、電池電源がこの電圧レベルよりも低くなった場合には、電池切れと判断して電池切れ信号を出力する回路である。
【0030】
電池切れ表示手段VHは、電池切れ検出回路VDからの電池切れ信号に基づいて、電池切れが生じたことを表示するためのものである。点検作業者は、この電池切れ表示VHを見れば、その遠隔試験器RTの電池電源が、電池切れか否かを確認することができる。
論理和演算回路ORは、火災判断回路FJから出力される火災検出信号と、電池切れ検出手段VDから出力される電池切れ検出信号とに基づいて、試験中断切替手段RYcを制御する回路である。
【0031】
遠隔試験器RTを試験端子付中継器TCに接続して、動作点検を行っている場合、通常は、試験中断切替手段が、接点a側に接続されている。即ち、感知器回線Lsは、試験端子付中継器TCを介して、感知器動作試験回路EXsに接続されており、住宅用受信機HRは、試験端子付中継器TCを介して、受信機動作試験回路EXrに接続されている。
【0032】
この様な状態において、火災判断回路FJから火災検出信号が出力された場合、或は、電池切れ検出回路VDから電池切れ検出信号が出力された場合には、論理和演算回路ORは、試験中断切替手段RYcを作動させて、接点b側に接続させる。
このため、感知器動作試験回路EXsが感知器回線Lsから切り離され、受信機動作試験回路EXrが住宅用受信機HRから切り離されるとともに、感知器回線Lsに住宅用受信機HRが接続される。
【0033】
即ち、動作点検中においては、試験端子付中継器TC内の点検切替手段RYa、RYbにより、住宅用受信機HRは感知器回線Lsから切り離されているが、遠隔試験器RTの電池切れが発生すれば、遠隔試験器RT内の試験中断切替手段RYcによって、住宅用受信機HRが感知器回線Lsに接続されて、住宅用受信機HRが、火災感知器Sからの発報信号を受信可能な状態となる。
【0034】
従って、動作点検中に火災が発生しているにも関わらず、遠隔試験器RTに電池切れが発生していたために、火災判断回路FJが正常に動作せず、試験中断切替手段RYcを作動させることができないために、住宅用受信機HRが火災警報を発報することができないという事態が生じることを防止することができる。
この様にして、動作点検中に火災が発生した場合に、住宅用受信機HRが確実に火災警報を発報することができる集合住宅火災監視システムを提供することができる。
【0035】
また、図示した通り、この遠隔試験器RTは、受信機動作試験回路EXrを備え、この受信機動作試験回路EXrは、スイッチング手段SW1、SW2と、抵抗Rt’とにより構成される回路であり、図7に示した集合住宅火災監視システムの受信機動作試験回路と同様のものである。
この受信機動作試験回路EXrは、電池切れ検出回路VDから電池切れ検出信号が出力されず、かつ、火災判断回路FJから火災検出信号が出力されていなければ、試験中断切替手段RYcを介して、住宅用受信機HRに接続されている。
【0036】
従って、火災が発生せず、電池切れも発生していなければ、スイッチング手段SW1及びSW2をともにオフ状態とすれば、住宅用受信機HRは、断線警報を発報する。この状態から、スイッチング手段SW2のみをオン状態とすれば、住宅用受信機HRは、断線検出による発報を停止する。一方、スイッチング手段SW1をオン状態とすれば、火災警報を発報する。
【0037】
この様にして、スイッチング手段SW1、SW2をオン又はオフした時の住宅用受信機HRの発する警報音等を確認することにより、住宅用受信機HRの動作点検を行うことができる。
さらに、この遠隔試験器RTの感知器動作試験回路EXsは、図7に示した感知器動作試験回路と同様のものであり、火災感知器Sの動作点検は、火災感知器Sに対して発報指令信号を送出し、疑似発報による発報信号を検出することに動作点検を行うものである。
【0038】
このため、火災判断回路FJは、感知器回線Lsを監視して、火災感知器Sからの発報信号を受信するだけでなく、火災感知器Sからの発報信号を受信すると、その信号が、疑似発報による発報信号であるのか、実際の火災が発生したことによる発報信号であるのかを判別する回路として構成される。
例えば、疑似発報による発報信号が、パルス幅が1秒以下の短いパルス信号であるならば、火災が検出されている間送出され続ける実際の火災による発報信号とは、そのパルス幅によって区別することができる。この様にして、実際の火災発生時であると判断した場合には、試験中断切替手段RYcを作動させて、接点b側に接続させる。
【0039】
従って、火災感知器Sの動作試験中であっても、疑似発報と実際の火災とを判別して、実際の火災発生時にのみ、住宅用受信機HRに火災警報を発報させることができ、さらに、遠隔試験器RTが電池切れ状態であれば、この状態を検出した時点で、住宅用受信機HRが火災感知器Sからの発報信号を受信可能な状態となっているため、住宅用受信機HRが火災警報を失報することはない。
【0040】
請求項2に記載した本発明による集合住宅火災監視システムの一構成例を図2に示す。この図は、動作点検時の構成のみを簡略化して示したブロック図である。ここで、上記の火災感知器S、住宅用受信機HRは図6に示した集合住宅火災監視システムと同様のものである。
【0041】
試験端子付中継器TCの点検切替手段RYa、RYbは、動作点検時以外の通常時には、接点b側に接続されており、動作点検時に、遠隔試験器RTを試験端子付中継器TCに接続して、遠隔試験器RTの電源投入スイッチを操作すれば、接点a側に接続される。この動作は、図6に示した点検切替手段と同様である。遠隔試験器RTは、感知器動作試験回路EXsと、受信機動作試験回路EXrと、火災判断回路FJと、電池切れ検出回路VDと、電池切れ表示手段VHと、論理和演算回路ORとにより構成される。また、図示していないが、この遠隔試験器RTの電源として、電池電源が使用されている。
【0042】
論理和演算回路ORは、上記火災判断回路FJから出力される火災検出信号と、上記電池切れ検出手段VDから出力される電池切れ検出信号とに基づいて、試験端子付中継器TCへ試験中断信号を出力する回路である。
遠隔試験器RTを試験端子付中継器TCに接続して、動作点検を行っている場合、通常は、点検切替手段RYa、RYbが、接点a側に接続され、感知器回線Lsは、試験端子付中継器TCを介して、感知器動作試験回路EXsに接続されており、住宅用受信機HRは、試験端子付中継器TCを介して、受信機動作試験回路EXrに接続されている。
【0043】
この様な状態において、火災判断回路FJから火災検出信号が出力された場合、或は、電池切れ検出回路VDから電池切れ検出信号が出力された場合には、論理和演算回路ORは、試験中断信号を試験端子付中継器に対して出力する。
このため、点検切替手段RYa、RYbが作動して、接点b側が接続され、感知器動作試験回路EXsが感知器回線Lsから切り離され、受信機動作試験回路EXrが住宅用受信機HRから切り離されるとともに、感知器回線Lsに住宅用受信機HRが接続される。
【0044】
即ち、動作点検中においては、通常、試験端子付中継器TC内の点検切替手段RYa、RYbにより、住宅用受信機HRは感知器回線Lsから切り離されているが、遠隔試験器RTの電池切れが発生すれば、この点検切替手段RYa、RYbが再び作動して、試験端子付中継器TC内において、住宅用受信機HRが感知器回線Lsに接続され、住宅用受信機HRが、火災感知器Sからの発報信号を受信可能な状態となる。
【0045】
従って、動作点検中に火災が発生しているにも関わらず、遠隔試験器RTに電池切れが発生していたために、火災判断回路FJが正常に動作せず、住宅用受信機HRが火災警報を発報することができないという事態が生じることを防止することができる。
この様にして、動作点検中に火災が発生した場合に、住宅用受信機HRが確実に火災警報を発報することができる集合住宅火災監視システムを提供することができる。
【0046】
請求項4に記載した本発明による集合住宅火災監視システムの一構成例を図3に示す。この図は、本発明の説明に必要な構成のみを簡略化して示したブロック図である。この遠隔試験器RTは、電池電源VSと、電源投入スイッチSW3と、電源回路VCと、点検制御切替回路としてのリレードライブ回路RDと、感知器動作試験回路EXsとを備えた遠隔試験器に、接続検出回路JDと、接続検出端子Ja、Jbとを設けて構成されている。
【0047】
接続検出端子Ja、Jbは、遠隔試験器RTが試験端子付中継器TCに接続されると、試験端子付中継器TCに設けられた対応する接続検出端子Ja、Jbにそれぞれ接続され、試験端子付中継器TCの接続検出端子Ja、Jbは、試験端子付中継器内TCにおいて短絡されている。この接続検出回路JDは、上記接続検出端子Ja、Jbの接続の有無を検出する回路であり、接続検出信号をリレードライブ回路RDへ出力する。
【0048】
リレードライブ回路RDは、試験端子付中継器TCの制御コイルLcへの印加電圧を制御する制御回路であり、接続検出回路JDからの接続検出信号に基づいて、リレードライブ回路RDが、試験端子J1、J2を介して、制御コイルLcへ電圧を印加する。これにより、制御コイルLcが、動作点検時以外の通常時には接点b側に接続されている点検切替手段RYa、RYbを作動させて、接点a側に接続させる。即ち、受信機回線Lrが感知器回線Lsから切り離されるとともに、感知器動作試験回路EXsが感知器回線Lsへ接続される。
【0049】
電源回路VCは、電池電源VSに電源投入スイッチSW3を介して接続され、電池電源から供給される電圧レベルを、安定化し、或は、所定の電圧レベルに変換して、接続切替回路JD、リレードライブ回路RD及び感知器動作試験回路EXsへ供給する。
火災感知器Sの動作点検行う際には、遠隔試験器RTを試験端子付中継器TCに接続して、電源投入スイッチSW3を操作してオン状態とする。これにより、電池電源VSの出力電圧が、電源回路VCへ供給され、更に、接続検出回路JD、リレードライブ回路RD及び感知器動作試験回路EXsへ電源が供給される。
【0050】
この時、接続検出回路JDは、接続検出端子Ja、Jb間のインピーダンスを計測し、接続検出端子Ja、Jb間が短絡状態であれば、遠隔試験器RTが、試験端子付中継器TCに接続されていると判断して、接続検出信号を出力する。
リレードライブ回路RDは、この接続検出信号が入力されると、試験端子J1、J2を介して、制御コイルLcへ試験用電圧を印加するため、制御コイルLcが点検切替手段RYa、RYbを作動させて、接点a側へ接続させ、感知器動作試験回路EXsが、感知器回線Lsに接続される。
【0051】
この様にして、火災感知器Sの動作試験を行う場合に、遠隔試験器RTが、試験端子付中継器TCに接続されると、接続検出回路JDがこれを検出して、自動的に点検切替手段RYa、RYbを作動させる。
従って、試験端子付中継器TC内の点検切替手段RYa、RYbをわざわざ切り替えなくても、感知器動作試験回路EXsが感知器回線Lsに接続されて、火災感知器Sの動作試験を行うことができる。
【0052】
なお、試験端子付中継器TCの接続検出端子Ja、Jb間は、遠隔試験器RTを試験端子付中継器TCに接続した場合と、未接続の場合とを区別できれば足りるため、上記の端子間がハイインピーダンスの状態でなければ、短絡回路でなくてもよい。
請求項6に記載した本発明による集合住宅火災監視システムの一構成例を図4に示す。この図は、本発明の説明に必要な構成のみを簡略化して示したブロック図である。
【0053】
この遠隔試験器RTは、電池電源VSと、電源回路VCと、リレードライブ回路RDと、感知器動作試験回路EXsと、接続検出回路JDと、接続検出端子Ja、Jbとを備えた遠隔試験器に、給電端子Jx、Jyを設けて構成される。
即ち、遠隔試験器RTには、一対の給電端子Jx、Jyが設けられ、電源投入スイッチSW3を備えることなく、電池電源VSからの出力を一方の給電端子Jyへ出力するとともに、電源回路VCへの電源入力が、他方の給電端子Jxから行われる。このため、給電端子Jxから電源回路VCへ電源が供給されると、電源回路VCが、接続切替回路JD、リレードライブ回路RD及び感知器動作試験回路EXsへ電源を供給する。
【0054】
また、これらの給電端子Jx、Jyは、遠隔試験器RTが試験端子付中継器TCに接続されると、試験端子付中継器TCに設けられた対応する給電端子Jx、Jyにそれぞれ接続され、また、試験端子付中継器TCの給電端子Jx、Jyは、試験端子付中継器内TCにおいて短絡されている。
この様な遠隔試験器RTは、試験端子付中継器TCに接続されていないときには、電池電源VSからの電源出力は、電源回路VCへ入力されず、遠隔試験器RTの接続検出回路JD、リレードライブ回路RD及び感知器動作試験回路EXsには電源が供給されない。
【0055】
しかし、遠隔試験器RTが、試験端子付中継器TCに接続されると、電池電源VSから、給電端子J1、J2及び試験端子付中継器TC内の短絡回路を介して、電源回路VCへ電源が供給され、遠隔試験器RT内の各回路へ電源の供給が行われるようになる。
即ち、電源投入スイッチSW3を遠隔試験器RTに設けなくても、動作点検時以外には、遠隔試験器RT内の各回路の電源供給が遮断される一方、動作点検時に遠隔試験器RTを試験端子付中継器TCに接続すれば、自動的に電源が供給されて、動作試験を行うことができる。
【0056】
従って、遠隔試験器RTに電源投入スイッチを設ける必要がなく、また、点検作業時に、電源投入スイッチを操作する必要がないことから、動作点検の作業性を向上させることができる。更に、点検終了後に、作業者が、電源投入スイッチの操作して電源を遮断するのを忘れたために、電池電源VSが無駄に消耗してしまうことを防止することができる。
【0057】
なお、図4に示した遠隔試験器RTにおいて、電池電源VS、給電端子Jy間に、或は、給電端子Jx、電源回路VC間に、電源投入スイッチSW3を備え、この電源投入スイッチSW3がオン状態の場合にのみ、上記の様な動作を行う集合住宅火災監視システムとすることもできる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1に記載した本発明による集合住宅火災監視システムは、遠隔試験器が、火災発生を検知する火災判断回路と、電池電源からの出力の低下を検出する電池切れ検出回路と、火災感知器に対して発報指令信号を送出し、疑似発報させてその動作を試験する感知器動作試験回路と、住宅用受信機と感知器回線とを電気的に接続する試験中断切替手段とを備え、火災の発生時、或は、電池切れの発生時に、遠隔試験器内において住宅用受信機を感知器回線に接続する。
【0059】
従って、動作点検中に火災が発生しているにも関わらず、遠隔試験器の電池切れのため、火災判断回路が正常に動作せず、試験中断切替手段を作動させることができないために、住宅用受信機HRが火災警報を発報することができないという事態が生じることを防止することができる。即ち、動作点検中に火災が発生した場合に、住宅用受信機が確実に火災警報を発報することができる集合住宅火災監視システムを提供することができる。そして、この集合住宅火災監視システムでは、遠隔試験器の火災判断回路が、火災感知器からの発報信号に基づいて、上記疑似発報と実際の発報とを判別して、実際の火災発生を検知するので、火災感知器の動作試験中であっても、疑似発報と実際の火災とを判別して、実際の火災発生時にのみ、住宅用受信機に火災警報を発報させることができる。
【0060】
請求項2に記載した本発明による集合住宅火災監視システムは、遠隔試験器が、火災発生を検知する火災判断回路と、電池電源からの出力の低下を検出する電池切れ検出回路と、火災感知器に対して発報指令信号を送出し、疑似発報させてその動作を試験する感知器動作試験回路とを備え、試験端子付中継器内の点検切替手段が、火災の発生時、或は、電池切れの発生時に、遠隔試験器内において住宅用受信機を感知器回線に接続する。
【0061】
従って、動作点検中に火災が発生しているにも関わらず、遠隔試験器の電池切れのため、火災判断回路が正常に動作せず、住宅用受信機が火災警報を発報することができないという事態が生じることを防止することができる。即ち、動作点検中に火災が発生した場合に、住宅用受信機が確実に火災警報を発報することができる集合住宅火災監視システムを提供することができる。そして、この集合住宅火災監視システムでは、遠隔試験器の火災判断回路が、火災感知器からの発報信号に基づいて、上記疑似発報と実際の発報とを判別して、実際の火災発生を検知するので、火災感知器の動作試験中であっても、疑似発報と実際の火災とを判別して、実際の火災発生時にのみ、住宅用受信機に火災警報を発報させることができる。
【0063】
請求項3に記載した本発明による集合住宅火災監視システムは、請求項1又は2に記載の遠隔試験器が、受信機動作試験回路を更に備え、受信機回線のインピーダンスを通常状態、短絡状態又は断線状態として、住宅用受信機の動作試験を行うことができるとともに、遠隔試験器が電池切れ状態であれば、この状態を検出した時点で、住宅用受信機が火災感知器からの発報信号を受信可能な状態となり、住宅用受信機が火災警報を失報することはない。
【0064】
請求項4に記載した本発明による集合住宅火災監視システムは、遠隔試験器及び試験端子付中継器のそれぞれに、対応した接続検出端子が設けられ、遠隔試験器の接続検出端子が、試験端子付中継器の接続検出端子に接続されると、接続検出回路がこれを検出して、自動的に試験端子付中継器内の点検切替手段を作動させて、住宅用受信機を感知器回線から切り離すとともに、感知器回線を遠隔試験器に接続する。
【0065】
従って、遠隔試験器を試験端子付中継器に接続すれば、点検切替手段をわざわざ切り替えなくても、感知器動作試験回路が感知器回線に接続されて、火災感知器の動作試験を行うことができる集合住宅火災監視システムを提供することができる。請求項5に記載した本発明による集合住宅火災監視システムは、遠隔試験器及び試験端子付中継器のそれぞれに、一対の給電端子が設けられ、遠隔試験器の給電端子が、短絡された試験端子付中継器の給電端子に接続されると、上記遠隔試験器の電池電源の出力が、上記試験端子付中継器内の短絡回路を介して、上記遠隔試験器の感知器動作試験回路に供給される。
【0066】
即ち、電源投入スイッチを遠隔試験器に設けなくても、動作点検時以外には、遠隔試験器内の各回路の電源供給が遮断される一方、動作点検時に遠隔試験器を試験端子付中継器に接続すれば、自動的に電源が供給されて、動作試験を行うことができる。従って、遠隔試験器に電源投入スイッチを設ける必要がなく、また、点検作業時に、電源投入スイッチを操作する必要がないことから、動作点検の作業性を向上させることができる。更に、点検終了後に、作業者が、電源投入スイッチの操作して電源を遮断するのを忘れたために、電池電源VSが無駄に消耗してしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び3に記載した本発明による集合住宅火災監視システムの一構成例を示した図である。
【図2】請求項2に記載した本発明による集合住宅火災監視システムの一構成例を示した図である。
【図3】請求項3に記載した本発明による集合住宅火災監視システムの一構成例を示した図である。
【図4】請求項5に記載した本発明による集合住宅火災監視システムの一構成例を示した図である。
【図5】集合住宅火災監視システムの概略を示した図である。
【図6】図5に示した試験端子付中継器の構成例を示した図である。
【図7】図5に示した集合住宅火災監視システムの動作点検時の構成を簡略化して示した図である。
【符号の説明】
S ・・・火災感知器
HR ・・・住宅用受信機
Ls ・・・感知器回線
Lr ・・・受信機回線
TC ・・・試験端子付中継器
RT ・・・遠隔試験器
EXs・・・感知器動作試験回路
EXr・・・受信機動作試験回路
FJ ・・・火災判断回路
VH ・・・電池切れ検出回路
RYa、RYb・・・点検切替手段
RYc・・・試験中断切替手段
Ja、Jb・・・接続検出端子
JD ・・・接続検出回路
RD ・・・点検切替制御回路
VS ・・・電池電源
Jx、Jy・・・給電端子
Claims (5)
- 火災感知器を接続した感知器回線と、住戸内に設置された住宅用受信機とが、戸外に設置された試験端子付中継器内の点検切替手段により接続され、この試験端子付中継器に遠隔試験器を接続して動作点検を行う際に、上記点検切替手段は、住宅用受信機を感知器回線から切り離すとともに、感知器回線を遠隔試験器に接続して、火災感知器の動作点検を行う集合住宅火災監視システムにおいて、
上記遠隔試験器は、
上記火災感知器からの発報信号に基づいて、火災の発生を検知する火災判断回路と、
この遠隔試験器の電源とされる電池電源を有し、その出力の低下を検出する電池切れ検出回路と、
上記火災感知器に対して発報指令信号を送出し、疑似発報させてその動作を試験する感知器動作試験回路と、
上記火災判断回路及び上記電池切れ検出回路の検出結果に基づいて、上記住宅用受信機と上記感知器回線とを電気的に接続する試験中断切替手段とを備え、
上記火災判断回路は、上記火災感知器からの発報信号に基づいて、上記疑似発報と実際の発報とを判別して、実際の火災発生を検知する回路として構成され、
上記試験中断切替手段は、上記火災判断回路及び上記電池切れ検出回路の検出結果に基づいて、上記火災感知器の動作試験中に実際の火災の発生した時、或は、電池切れの発生時には、上記住宅用受信機を上記感知器回線に接続することを特徴とする集合住宅火災監視システム。 - 火災感知器を接続した感知器回線と、住戸内に設置された住宅用受信機とが、戸外に設置された試験端子付中継器内の点検切替手段により接続され、この試験端子付中継器に遠隔試験器を接続して動作点検を行う際に、上記点検切替手段は、住宅用受信機を感知器回線から切り離すとともに、感知器回線を遠隔試験器に接続して、火災感知器の動作点検を行う集合住宅火災監視システムにおいて、
上記遠隔試験器は、
上記火災感知器からの発報信号に基づいて、火災の発生を検知する火災判断回路と、
この遠隔試験器の電源とされる電池電源を有し、その出力の低下を検出する電池切れ検出回路と、
上記火災感知器に対して発報指令信号を送出し、疑似発報させてその動作を試験する感知器動作試験回路とを備え、
上記火災判断回路は、上記火災感知器からの発報信号に基づいて、上記疑似発報と実際の発報とを判別して、実際の火災発生を検知する回路として構成され、
上記点検切替手段は、上記火災判断回路及び上記電池切れ検出回路の検出結果に基づいて、上記火災感知器の動作試験中に実際の火災の発生した時、或は、電池切れの発生時には、上記住宅用受信機を上記感知器回線に接続することを特徴とする集合住宅火災監視システム。 - 請求項1,2のいずれかに記載の集合住宅火災監視システムにおいて、
上記遠隔試験器が、上記受信機回線のインピーダンスを通常状態、短絡状態又は断線状態とするための受信機動作試験回路を更に備え、住宅用受信機に、感知器回線の短絡又は断線を検知させて、住宅用受信機の動作点検を行うことを特徴とする集合住宅火災監視システム。 - 請求項1から3のいずれかに記載の集合住宅火災監視システムにおいて、
上記遠隔試験器及び上記試験端子付中継器には、対応した接続検出端子が設けられるとともに、
上記遠隔試験器には、上記接続検出端子の接続の有無を検出する接続検出回路と、
この接続検出回路の検出結果に基づいて、上記点検切替手段に対し切替制御信号を出力する点検切替制御回路とが設けられ、
遠隔試験器が、試験端子付中継器に接続されると、上記点検切替手段が、住宅用受信機を感知器回線から切り離すとともに、感知器回線を遠隔試験器に接続することを特徴とする集合住宅火災監視システム。 - 請求項1から3のいずれかに記載の集合住宅火災監視システムにおいて、
上記遠隔試験器及び上記試験端子付中継器は、それぞれに一対の給電端子が設けられ、
上記試験端子付中継器の給電端子は、その端子間が短絡されて構成され、
上記遠隔試験器の給電端子が、対応する上記試験端子付中継器の給電端子に接続されると、上記遠隔試験器の電池電源の出力が、上記試験端子付中継器内の短絡回路を介して、上記遠隔試験器の感知器動作試験回路に供給されることを特徴とする集合住宅火災監視システム。
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