JP3564778B2 - 金型の切削加工方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、金型の切削加工方法に関し、特にフライス工具を用いた突き加工により金型に型面を形成するものに係わる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、金型(詳しくは金型素材)に型面を形成する場合には、先ず、フライス工具を用いて荒加工を行い、しかる後に仕上げ加工を行っている。フライス工具は、一端面と外周面とに切り刃を有してなり、このフライス工具を用いた荒加工では、フライス工具をその回転軸の方向に突き出し移動しつつ切削をする突き加工が用いられる。例えば図15に示すように、金型aに対し少なくとも一方向の輪郭が曲線である凹状の型面bを形成する場合には、フライス工具を破線で示す軌跡線dに沿って移動させ、先ず、金型の型面が最も深くなる箇所(図で右端)で突き加工を行い、その後突き加工を金型の型面が浅くなる方向に向って順次繰り返して行うようにしている。尚、特開平1−257003号公報には、エンドミルを用いた切削加工方法の一例が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような突き加工で金型aに型面bを形成する場合にはその型面bの曲線に沿って削り残しが階段状に多く生じるため、仕上げ加工に時間がかかり、切削加工の効率が悪くなるという問題がある。
【0004】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記の突き加工の際に階段状の削り残しが生じないようにすることにより、仕上げ加工に要する時間を短縮して切削加工の効率化を図り得る金型の切削加工方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係わる発明は、金型に対し少なくとも一方向の輪郭が曲線である型面を形成するためにフライス工具をその切削面と直交する方向に突き出し移動しつつ切削をする突き加工を金型の一方向に順次繰り返して行う金型の切削加工方法において、上記突き加工のストロークエンドにてフライス工具を、先の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をする構成とする。
【0006】
請求項2に係わる発明は、請求項1記載の金型の切削加工方法において、突き加工を、金型の一方向でその型面が最も深くなる箇所より始めるとともに、それ以後の突き加工毎にそのストロークエンドにてフライス工具を、一回前の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をする構成とする。
【0007】
請求項3に係わる発明は、請求項2記載の金型の切削加工方法において、突き加工を終了した後、金型の型面に対し仕上げ加工を行う構成とする。
【0008】
【作用】
以上の構成により、請求項1に係わる発明では、フライス工具を用いた突き加工を金型の一方向に順次繰り返し行う場合、突き加工のストロークエンドにてフライス工具を、先の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をすることにより、従来の突き加工で生じた階段状の削り残しが生じることはなく、金型が型面の輪郭に沿った形状に切削される。
【0009】
請求項2に係わる発明では、突き加工を、金型の一方向でその型面が最も深くなる箇所より始めるとともに、それ以後の突き加工毎にそのストロークエンドにてフライス工具を、一回前の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をすることにより、突き加工による型面の輪郭に沿った形状の切削が円滑にかつ確実に行われる。
【0010】
請求項3に係わる発明では、突き加工を終了した後、金型の型面に対し仕上げ加工を行うことにより、金型の型面が所望通りの輪郭形状に切削される。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図14は本発明の切削加工方法を自動車のバンパー用金型に適用した実施例を示す。
【0013】
先ず、図2に示すように、ガスカットした金型素材(単に、金型ともいう)1を用意する。この金型素材1は、バンパーの車幅方向に延びた央部に対応した水平部1aと、バンパーの左右両端部に各々対応した一対の垂直部1b,1bとからなり、全体としてU字形に成形されている。水平部1aにおいては、図3に示す仮想線Lが切削ラインであり、この切削ラインLの中央部で略U字状に湾曲した箇所が金型の型面L1 である。
【0014】
続いて、図4及び図5に示すように、上記金型素材1の前後面の一方(図で矢符の方向)を段取りして固定した後、金型素材1の他方の面側のパート逃がし部1cに対し正面フライス等のフライス工具2を近付け、該フライス工具2をその回転軸の方向に突きだし移動しつつ切削をする突き加工を、金型素材1の一方の垂直部1bの上端側から始め、水平部1a及び他方の垂直部1bの順に繰り返して行う。上記フライス工具2は直径80mm、首下250mmのものであり、加工条件は、切り込みが75mm×14mm、回転数が600rpm 、送り速度が300mm/min である。
【0015】
上記パート逃がし部1cに対する突き加工の後、段取りをそのままにして、図6及び図7に示すように、金型素材1の他方の面側のパーティング面1dに対し正面フライス等のフライス工具3を近付け、該フライス工具3で突き加工を、金型素材1の一方の垂直部1bの上端側から始め、水平部1a及び他方の垂直部1bの順に繰り返して行う。上記フライス工具3は直径80mm、首下350〜500mmのものであり、加工条件は、切り込みが75mm×14mm、回転数が600rpm 、送り速度が300mm/min である。
【0016】
その後、段取りをそのままにして、金型素材1の他の部分に対し突き加工を行う。また、金型素材1の前後面を反対にして段取りを行った後、反対側のパート逃がし部及びパーティング部に対しそれぞれフライス工具2,3を用いて突き加工を行う。
【0017】
続いて、図8及び図9に示すように、金型素材1の底面を段取りして固定した後、金型素材1の上方からその型面L1 を形成する箇所に対し正面フライス等のフライス工具4を近付け、該フライス工具4で突き加工を行う。この突き加工は、先ず、金型素材1の水平部1aの一個所でその前後方向に沿って順次繰り返して行い、このことを金型素材1の左右方向に隣接する個所毎に順次繰り返して行うことにより、金型素材1の型面L1 を形成する箇所全体について行われる。上記フライス工具4は直径80mm、首下250〜500mmのものであり、加工条件は、切り込みが56mm×14mm、回転数が600rpm 、送り速度が300mm/min である。
【0018】
そして、上記突き加工を金型素材1の前後方向に沿って順次繰り返して行うときには、先ず、その型面L1 が最も深くなる箇所より突き加工を始め、図1に破線で示す軌跡線Dに沿ってフライス工具4を移動し、一方向に突き加工を順次繰り返して行う。最初の突き加工以降の突き加工では、それぞれフライス工具4が所定寸法(約4mm)の残し代e分を離して最も型面L1 に近接する位置にまで下降するストロークエンドにてフライス工具4を一回前の突き加工で切削した位置にまで型面L1 の輪郭に沿って移動し、特に型面L1 の輪郭が湾曲している個所では、ストロークエンドからフライス工具4を型面L1 の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をする。これにより、型面L1 の輪郭が湾曲している個所でも所定寸法の残し代eが残るだけとなる。
【0019】
続いて、図10に示すように、直径6〜50mmのボールエンドミル6及び直径8〜32mmのフラットエンドミル7を用いて、穴部分(図11及び図12)や縁部(図13及び図14)等削り残しが所定の残し代e以上ある箇所を切削する。その後、残し代eを削除する仕上げ加工を行うことにより、所望通りの型面を有する金型が作成される。その際、型面L1 の輪郭が湾曲している個所でも所定寸法の残し代eが残るだけであるため、仕上げ加工を容易にかつ短時間に行うことができ、金型の切削加工全体でもその効率化を図ることができる。
【0020】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上記実施例では、最初の突き加工以降の突き加工では、それぞれそのストロークエンドにてフライス工具4を一回前の突き加工で切削した位置にまで型面L1 の輪郭に沿って移動し、特に型面L1 の輪郭が湾曲している個所では、ストロークエンドからフライス工具4を型面L1 の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をしたが、本発明は、型面L1 の輪郭が湾曲している個所でのみ、ストロークエンドにてフライス工具4を型面L1 の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をするようにすればよい。また、型面L1 の輪郭が湾曲している個所でも、必ずしも各突き加工毎にストロークエンドにてフライス工具4を、一回前の突き加工で切削した位置にまで型面L1 の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をする必要はなく、例えば前後二回の突き加工のうち、先の突き加工ではストロークエンドからフライス工具4をそのまま上方に移動し、後の突き加工ではストロークエンドからフライス工具4を二回前の突き加工で切削した位置にまで型面L1 の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をするようにしてもよい。
【0021】
更に、本発明は、実施例の如き自動車のパンパー用金型に限らず、金型に対し少なくとも一方向の輪郭が曲線である型面を形成するためにフライス工具を用いて突き加工を金型の一方向に順次繰り返して行う場合全てに適用することができるのは勿論である。
【0022】
【発明の効果】
以上の如く、本発明における金型の切削加工方法によれば、フライス工具を用いた突き加工を金型の一方向に順次繰り返し行う場合、突き加工のストロークエンドにてフライス工具を、先の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をすることにより、削り残しを少なくすることができるので、仕上げ加工を容易にかつ短時間に行うことができ、切削加工の効率化を図ることができる。
【0023】
特に、請求項2に係わる発明によれば、突き加工により型面の輪郭に沿った形状の切削を円滑にかつ確実に行うことができ、切削加工の効率化をより図ることができる。
【0024】
また、請求項3に係わる発明によれば、仕上げ加工により金型の型面を所望通りの輪郭形状に確実に切削することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において型面の輪郭が湾曲している個所でフライス工具を用いて金型を切削する場合のフライス工具の移動軌跡線を示す図である。
【図2】切削加工に用意する金型素材の斜視図である。
【図3】図2のIII −III 線における拡大断面図である。
【図4】パート逃がし部の突き加工を説明するための斜視図である。
【図5】図4のV−V線における拡大断面図である。
【図6】パーティング面の突き加工を説明するための斜視図である。
【図7】図6のVII −VII 線における拡大断面図である。
【図8】金型素材の型面に対応する箇所の突き加工を説明するための斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線における拡大断面図である。
【図10】削り残しが多い箇所に対する切削加工を説明するための斜視図である。
【図11】図10のA−A線における穴開け加工前の状態の拡大断面図である。
【図12】図10のA−A線における穴開け加工後の状態の拡大断面図である。
【図13】図10のB−B線における縁取り加工前の状態の拡大断面図である。
【図14】図10のB−B線における縁取り加工後の状態の拡大断面図である。
【図15】従来の場合における図1相当図である。
【産業上の利用分野】
本発明は、金型の切削加工方法に関し、特にフライス工具を用いた突き加工により金型に型面を形成するものに係わる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、金型(詳しくは金型素材)に型面を形成する場合には、先ず、フライス工具を用いて荒加工を行い、しかる後に仕上げ加工を行っている。フライス工具は、一端面と外周面とに切り刃を有してなり、このフライス工具を用いた荒加工では、フライス工具をその回転軸の方向に突き出し移動しつつ切削をする突き加工が用いられる。例えば図15に示すように、金型aに対し少なくとも一方向の輪郭が曲線である凹状の型面bを形成する場合には、フライス工具を破線で示す軌跡線dに沿って移動させ、先ず、金型の型面が最も深くなる箇所(図で右端)で突き加工を行い、その後突き加工を金型の型面が浅くなる方向に向って順次繰り返して行うようにしている。尚、特開平1−257003号公報には、エンドミルを用いた切削加工方法の一例が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような突き加工で金型aに型面bを形成する場合にはその型面bの曲線に沿って削り残しが階段状に多く生じるため、仕上げ加工に時間がかかり、切削加工の効率が悪くなるという問題がある。
【0004】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記の突き加工の際に階段状の削り残しが生じないようにすることにより、仕上げ加工に要する時間を短縮して切削加工の効率化を図り得る金型の切削加工方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係わる発明は、金型に対し少なくとも一方向の輪郭が曲線である型面を形成するためにフライス工具をその切削面と直交する方向に突き出し移動しつつ切削をする突き加工を金型の一方向に順次繰り返して行う金型の切削加工方法において、上記突き加工のストロークエンドにてフライス工具を、先の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をする構成とする。
【0006】
請求項2に係わる発明は、請求項1記載の金型の切削加工方法において、突き加工を、金型の一方向でその型面が最も深くなる箇所より始めるとともに、それ以後の突き加工毎にそのストロークエンドにてフライス工具を、一回前の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をする構成とする。
【0007】
請求項3に係わる発明は、請求項2記載の金型の切削加工方法において、突き加工を終了した後、金型の型面に対し仕上げ加工を行う構成とする。
【0008】
【作用】
以上の構成により、請求項1に係わる発明では、フライス工具を用いた突き加工を金型の一方向に順次繰り返し行う場合、突き加工のストロークエンドにてフライス工具を、先の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をすることにより、従来の突き加工で生じた階段状の削り残しが生じることはなく、金型が型面の輪郭に沿った形状に切削される。
【0009】
請求項2に係わる発明では、突き加工を、金型の一方向でその型面が最も深くなる箇所より始めるとともに、それ以後の突き加工毎にそのストロークエンドにてフライス工具を、一回前の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をすることにより、突き加工による型面の輪郭に沿った形状の切削が円滑にかつ確実に行われる。
【0010】
請求項3に係わる発明では、突き加工を終了した後、金型の型面に対し仕上げ加工を行うことにより、金型の型面が所望通りの輪郭形状に切削される。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図14は本発明の切削加工方法を自動車のバンパー用金型に適用した実施例を示す。
【0013】
先ず、図2に示すように、ガスカットした金型素材(単に、金型ともいう)1を用意する。この金型素材1は、バンパーの車幅方向に延びた央部に対応した水平部1aと、バンパーの左右両端部に各々対応した一対の垂直部1b,1bとからなり、全体としてU字形に成形されている。水平部1aにおいては、図3に示す仮想線Lが切削ラインであり、この切削ラインLの中央部で略U字状に湾曲した箇所が金型の型面L1 である。
【0014】
続いて、図4及び図5に示すように、上記金型素材1の前後面の一方(図で矢符の方向)を段取りして固定した後、金型素材1の他方の面側のパート逃がし部1cに対し正面フライス等のフライス工具2を近付け、該フライス工具2をその回転軸の方向に突きだし移動しつつ切削をする突き加工を、金型素材1の一方の垂直部1bの上端側から始め、水平部1a及び他方の垂直部1bの順に繰り返して行う。上記フライス工具2は直径80mm、首下250mmのものであり、加工条件は、切り込みが75mm×14mm、回転数が600rpm 、送り速度が300mm/min である。
【0015】
上記パート逃がし部1cに対する突き加工の後、段取りをそのままにして、図6及び図7に示すように、金型素材1の他方の面側のパーティング面1dに対し正面フライス等のフライス工具3を近付け、該フライス工具3で突き加工を、金型素材1の一方の垂直部1bの上端側から始め、水平部1a及び他方の垂直部1bの順に繰り返して行う。上記フライス工具3は直径80mm、首下350〜500mmのものであり、加工条件は、切り込みが75mm×14mm、回転数が600rpm 、送り速度が300mm/min である。
【0016】
その後、段取りをそのままにして、金型素材1の他の部分に対し突き加工を行う。また、金型素材1の前後面を反対にして段取りを行った後、反対側のパート逃がし部及びパーティング部に対しそれぞれフライス工具2,3を用いて突き加工を行う。
【0017】
続いて、図8及び図9に示すように、金型素材1の底面を段取りして固定した後、金型素材1の上方からその型面L1 を形成する箇所に対し正面フライス等のフライス工具4を近付け、該フライス工具4で突き加工を行う。この突き加工は、先ず、金型素材1の水平部1aの一個所でその前後方向に沿って順次繰り返して行い、このことを金型素材1の左右方向に隣接する個所毎に順次繰り返して行うことにより、金型素材1の型面L1 を形成する箇所全体について行われる。上記フライス工具4は直径80mm、首下250〜500mmのものであり、加工条件は、切り込みが56mm×14mm、回転数が600rpm 、送り速度が300mm/min である。
【0018】
そして、上記突き加工を金型素材1の前後方向に沿って順次繰り返して行うときには、先ず、その型面L1 が最も深くなる箇所より突き加工を始め、図1に破線で示す軌跡線Dに沿ってフライス工具4を移動し、一方向に突き加工を順次繰り返して行う。最初の突き加工以降の突き加工では、それぞれフライス工具4が所定寸法(約4mm)の残し代e分を離して最も型面L1 に近接する位置にまで下降するストロークエンドにてフライス工具4を一回前の突き加工で切削した位置にまで型面L1 の輪郭に沿って移動し、特に型面L1 の輪郭が湾曲している個所では、ストロークエンドからフライス工具4を型面L1 の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をする。これにより、型面L1 の輪郭が湾曲している個所でも所定寸法の残し代eが残るだけとなる。
【0019】
続いて、図10に示すように、直径6〜50mmのボールエンドミル6及び直径8〜32mmのフラットエンドミル7を用いて、穴部分(図11及び図12)や縁部(図13及び図14)等削り残しが所定の残し代e以上ある箇所を切削する。その後、残し代eを削除する仕上げ加工を行うことにより、所望通りの型面を有する金型が作成される。その際、型面L1 の輪郭が湾曲している個所でも所定寸法の残し代eが残るだけであるため、仕上げ加工を容易にかつ短時間に行うことができ、金型の切削加工全体でもその効率化を図ることができる。
【0020】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上記実施例では、最初の突き加工以降の突き加工では、それぞれそのストロークエンドにてフライス工具4を一回前の突き加工で切削した位置にまで型面L1 の輪郭に沿って移動し、特に型面L1 の輪郭が湾曲している個所では、ストロークエンドからフライス工具4を型面L1 の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をしたが、本発明は、型面L1 の輪郭が湾曲している個所でのみ、ストロークエンドにてフライス工具4を型面L1 の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をするようにすればよい。また、型面L1 の輪郭が湾曲している個所でも、必ずしも各突き加工毎にストロークエンドにてフライス工具4を、一回前の突き加工で切削した位置にまで型面L1 の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をする必要はなく、例えば前後二回の突き加工のうち、先の突き加工ではストロークエンドからフライス工具4をそのまま上方に移動し、後の突き加工ではストロークエンドからフライス工具4を二回前の突き加工で切削した位置にまで型面L1 の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をするようにしてもよい。
【0021】
更に、本発明は、実施例の如き自動車のパンパー用金型に限らず、金型に対し少なくとも一方向の輪郭が曲線である型面を形成するためにフライス工具を用いて突き加工を金型の一方向に順次繰り返して行う場合全てに適用することができるのは勿論である。
【0022】
【発明の効果】
以上の如く、本発明における金型の切削加工方法によれば、フライス工具を用いた突き加工を金型の一方向に順次繰り返し行う場合、突き加工のストロークエンドにてフライス工具を、先の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をすることにより、削り残しを少なくすることができるので、仕上げ加工を容易にかつ短時間に行うことができ、切削加工の効率化を図ることができる。
【0023】
特に、請求項2に係わる発明によれば、突き加工により型面の輪郭に沿った形状の切削を円滑にかつ確実に行うことができ、切削加工の効率化をより図ることができる。
【0024】
また、請求項3に係わる発明によれば、仕上げ加工により金型の型面を所望通りの輪郭形状に確実に切削することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において型面の輪郭が湾曲している個所でフライス工具を用いて金型を切削する場合のフライス工具の移動軌跡線を示す図である。
【図2】切削加工に用意する金型素材の斜視図である。
【図3】図2のIII −III 線における拡大断面図である。
【図4】パート逃がし部の突き加工を説明するための斜視図である。
【図5】図4のV−V線における拡大断面図である。
【図6】パーティング面の突き加工を説明するための斜視図である。
【図7】図6のVII −VII 線における拡大断面図である。
【図8】金型素材の型面に対応する箇所の突き加工を説明するための斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線における拡大断面図である。
【図10】削り残しが多い箇所に対する切削加工を説明するための斜視図である。
【図11】図10のA−A線における穴開け加工前の状態の拡大断面図である。
【図12】図10のA−A線における穴開け加工後の状態の拡大断面図である。
【図13】図10のB−B線における縁取り加工前の状態の拡大断面図である。
【図14】図10のB−B線における縁取り加工後の状態の拡大断面図である。
【図15】従来の場合における図1相当図である。
Claims (3)
- 金型に対し少なくとも一方向の輪郭が曲線である型面を形成するためにフライス工具をその回転軸の方向に突き出し移動しつつ切削をする突き加工を金型の一方向に順次繰り返して行う金型の切削加工方法において、
上記突き加工のストロークエンドにてフライス工具を、先の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をすることを特徴とする金型の切削加工方法。 - 突き加工を、金型の一方向でその型面が最も深くなる箇所より始めるとともに、それ以後の突き加工毎にそのストロークエンドにてフライス工具を、一回前の突き加工で切削した位置にまで型面の輪郭に沿って斜め下方に移動して切削をする請求項1記載の金型の切削加工方法。
- 突き加工を終了した後、金型の型面に対し仕上げ加工を行う請求項2記載の金型の切削加工方法。
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JP05100595A JP3564778B2 (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 金型の切削加工方法 |
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JPH08243827A JPH08243827A (ja) | 1996-09-24 |
JP3564778B2 true JP3564778B2 (ja) | 2004-09-15 |
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ID=12874664
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JP05100595A Expired - Fee Related JP3564778B2 (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 金型の切削加工方法 |
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1995
- 1995-03-10 JP JP05100595A patent/JP3564778B2/ja not_active Expired - Fee Related
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