JP2004202688A - トロコイドによる高速ポケット加工 - Google Patents

トロコイドによる高速ポケット加工 Download PDF

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久 鵜飼
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Abstract

【課題】トロコイドの円弧の大きさを変化させながら加工するするとき、円弧の一方は加工形状の輪郭に合わせ、また他方は削り取りの領域の広さに合わせることで、任意形状のポケットを加工する新規なトロコイド加工方法を提供することを目的とする。
【解決手段】エンドミル工具EMのトロコイドの円弧F1の大きさを変化させながら加工するとき、円弧F1の一方は加工形状の輪郭Laに合わせ、また他方は削り取りの領域の広さSに合わせることで、任意形状のポケットを加工する高速ポケット加工方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンドミル工具によりポケットを加工するトロコイド加工方法に係り、特に、トロコイドの円弧の大きさを無干渉領域の広さに対応して変化させながら加工する新規なトロコイド加工方法に関するものである。
従来、工作機械のエンドミルにてポケット加工をする場合、溝加工,アップカット,ダウンカットの3つが存在する。その具体例を図4,5により説明する。ワークWの上面W1に対してポケットW2をエンドミルEMにより加工するときは、エンドミルEMを往路1,復路2の往復経路を移動させ、且つこの区間を所定のピッチPで移行させている。上記エンドミルEMが往路1上を移動時にはアップカットとなり、復路2上を移動時にはダウンカットとなる。上記アップカットの高速送りにて、エンドミルEMに負荷が掛かり、エンドミルを折損してしまう。
また、上記往路1,復路2の往復経路を移動させるエンドミルEMのポケットでは、図5に示すように、ポケットW2の所定深さDに対して細分割した切り込み深さD1・・・で数回にわたり切り込み、所要のポケット加工を長時間をかけて行っている。(例えば、特許文献1を参照。)
特開平01−301009
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、トロコイドの円弧の大きさを変化させながら加工するするとき、円弧の一方は加工形状の輪郭に合わせ、また他方は削り取りの領域の広さに合わせることで、任意形状のポケットを加工する新規なトロコイド加工方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は、エンドミル工具の動きをトロコイドの円弧で形成し、この円弧の大きさを変化させながら加工し、各トロコイドの円弧上の1点をポケットの領域に合わせ、他方はポケット領域内の削り残し部分のある方向に向けて、加工領域の範囲内でトロコイド円弧を拡大しながら切削を行うことを特徴とするトロコイドによる高速ポケット加工方法である。
本発明の請求項2は、エンドミル工具の動きをトロコイドの円弧で形成し、この円弧の大きさを変化させながら加工し、各トロコイドの円弧F1の一方は加工形状の外周輪郭に合わせ、他方はポケット領域内の削り残し部分のある方向に向けて、ポケット内の島(F2,F3・・・Fn)との干渉を示す共通集合の関係式F1∩(F2,F3・・・Fn)≧0の直前までトロコイド円弧F1の半径を増大させて任意形状のポケットを加工することを特徴とするトロコイドによる高速ポケット加工方法である。
本発明の請求項1によると、エンドミル工具のトロコイドの円弧の大きさを変化させながら任意形状のポケット加工を行うことができるとともに、ポケット内に島があると、円弧の他方は削り取りの領域の広さに合わせることでこれに干渉されず、任意形状のポケットを高速に実行できる。特に、ポケットの所定深さに対し1回の切り込みで良く、大幅な加工時間の短縮化が図れる。
また、本発明の請求項1によると、トロコイドの円弧の大きさを変化させながら加工するするとき、円弧の一方は加工形状の輪郭に合わせ、また他方は削り取りの領域の広さに合わせることで、任意形状のポケットを加工するから、切削方法がダウンカットに一定してエンドミルの性能を100%引き出すことができ、加工能率を高めるとともに、エンドミルの寿命を長くできる効果がある。
本発明の請求項2によると、エンドミル工具のトロコイドの円弧F1の大きさを変化させながら任意形状のポケット加工を行うことができるとともに、ポケット内に島があると、円弧F1の他方は削り取りの領域の広さF1∩(F2,F3・・・Fn)≧0に合わせることでこれに干渉されず、任意形状のポケットを高速処理のもとに実行できる。
また、本発明の請求項2によると、エンドミル工具のトロコイドの円弧F1の大きさを変化させながら任意形状のポケット加工を行うことができるとともに、ポケット内に島があると、円弧F1の他方は削り取りの領域の広さF1∩(F2,F3・・・Fn)≧0に合わせることでこれに干渉されず、任意形状のポケットを上記演算式のもとに高速処理できる効果が発揮される。
以下、図面に示す実施形態について説明する。図1は本発明のトロコイドによるポケット加工方法の斜視図であり、図2,3は本発明のトロコイドによるポケット加工方法の平面図である。
図1,2において、ワークWは所定の深さDと左右寸法L及び前後寸法Mに定めたポケットW2を所定半径F0のエンドミルEMにより、トロコイドの円弧F1の大きさを変化させながら加工する。上記加工において、エンドミルEMを所定の深さDとし、円弧半径F1の一方は加工形状の輪郭Laに合わせ、すなわち、トロコイドの円弧上の1点をポケットの領域に合わせる。また、円弧半径F1の他方はポケット領域内の削り残し部分のある方向に向け、且つ削り取りの領域の広さSに合わせることで、任意形状のポケットW2を加工する。
上記エンドミルEMは、加工形状の輪郭Laに円弧F1の一方側を最小半径で沿わせ、他方側は削り取りの領域の広さSに応じてその円弧F1の半径を増大させて行く。この時のエンドミルEMの回転は、図2に示すように、ダウンカット方向に指令される。そして、ポケット内の島等(F2)に干渉する関係式F1∩(F2,F3・・・Fn)≧0の直前まで円弧F1の半径を増大させて任意形状のポケットを加工する。
続いて、エンドミルEMを加工形状の輪郭Laに沿って円弧F1の一方側を所定ピッチp1だけ進め、この加工位置p1において、上記と同様に他方側を削り取りの領域の広さSに応じてその円弧F1の半径を増大させて行く。以下、エンドミルEMを加工形状の輪郭Lに沿って円弧F1の一方側を同一の所定ピッチp1だけ矢印方向へ進め、且つダウンカットと円弧F1の半径を増大させながらポケット全体の加工を完了する。
上記ポケット加工方法を、図3により具体的に説明する。図3はポケットW2内に、多数の島である干渉物F2,F3〜Fnが存在する加工方法を示している。まず、エンドミルEMは、ポケットW2の左下のスタート点(a)から始まり、(b),(c),(d)を経由して(a)に戻るように、加工形状の輪郭Laに円弧F1の一方側を最小半径で沿わせる。そして、エンドミルEMの他方側は、削り取りの領域の広さSに応じてその円弧F1の半径をダウンカットしながら増大させて行く。
即ち、ポケット内の島等(F2,F3・・・Fn)に干渉する関係式F1∩(F2,F3・・・Fn)≧0の直前まで円弧F1の半径を増大させて任意形状のポケットを加工する。続いて、エンドミルEMを加工形状の輪郭Laに沿って弧F1の一方側を同一の所定ピッチp1だけ矢印方向へ進め、以下同様にして、ダウンカットと円弧F1の半径を島等(F2,F3・・・Fn)に干渉する関係式F1∩(F2,F3・・・Fn)≧0の直前まで増大させながらポケット全体の加工を完了する。
本発明は、前記のよう作用し、以下のような効果を発揮する。まず、エンドミル工具のトロコイドの円弧の大きさを変化させながら任意形状のポケット加工を行うことができるとともに、ポケット内に島があると、円弧の他方は削り取りの領域の広さに合わせることでこれに干渉されず、任意形状のポケットを高速に実行できる。特に、ポケットの所定深さに対し1回の切り込みで良く、大幅な加工時間の短縮化が図れる。
次に、エンドミル工具のトロコイドの円弧F1の大きさを変化させながら任意形状のポケット加工を行うことができるとともに、ポケット内に島があると、円弧F1の他方は削り取りの領域の広さF1∩(F2,F3・・・Fn)≧0に合わせることでこれに干渉されず、任意形状のポケットを高速処理のもとに実行できる。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、発明の要旨内での設計変更が可能である。
難削材であるSKD(HRC60)等の加工にも応用できる。
本発明のトロコイドによるポケット加工方法の斜視図である。 本発明のトロコイドによるポケット加工方法の平面図である。 本発明のトロコイドによるポケット加工方法の平面図である。 従来例のポケット加工を示す平面図である。 従来例のポケット加工を示す断面図である。
符号の説明
EM エンドミル
D 切り込み深さ
S 領域の広さ
F0 エンドミルの円弧半径
F1 円弧半径
F2,F3・・・Fn 島等
La 加工形状の輪郭
P1 ピッチ
W ワーク
W1 上面
W2 ポケット

Claims (2)

  1. エンドミル工具の動きをトロコイドの円弧で形成し、この円弧の大きさを変化させながら加工し、各トロコイドの円弧上の1点をポケットの領域に合わせ、他方はポケット領域内の削り残し部分のある方向に向けて、加工領域の範囲内でトロコイド円弧を拡大しながら切削を行うことを特徴とするトロコイドによる高速ポケット加工方法。
  2. エンドミル工具の動きをトロコイドの円弧で形成し、この円弧の大きさを変化させながら加工し、各トロコイドの円弧F1の一方は加工形状の外周輪郭に合わせ、他方はポケット領域内の削り残し部分のある方向に向けて、ポケット内の島(F2,F3・・・Fn)との干渉を示す共通集合の関係式F1∩(F2,F3・・・Fn)≧0の直前までトロコイド円弧F1の半径を増大させて任意形状のポケットを加工することを特徴とするトロコイドによる高速ポケット加工方法。
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