JP2010076042A - 切削加工方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ルーターエンドミルの被加工物の端面に対する接触位置が順次変化し、ルーターエンドミルの有効刃長を有効に利用することができ、ルーターエンドミルの刃部の摩耗や摩損を抑制することができ、刃物の寿命を長くすることができる。
【解決手段】スピンドル6を水平方向に移動させる送り駆動部8とルーターエンドミルEを水平方向に移動させながら有効刃長E1の範囲内で軸方向に周期的に上下動させる上下駆動部9とを備えてなる。
【選択図】図2
【解決手段】スピンドル6を水平方向に移動させる送り駆動部8とルーターエンドミルEを水平方向に移動させながら有効刃長E1の範囲内で軸方向に周期的に上下動させる上下駆動部9とを備えてなる。
【選択図】図2
Description
本発明は例えば樹脂フィルム材や合成樹脂材と金属材との複合材などの被加工物、具体的にはプリント基板などをルーターエンドミルを用いて外形加工や分割加工、切り出し加工、スリット加工などの被加工物の端面を切削加工をする際に用いられる切削加工方法およびその装置に関するものである。
従来この種の加工装置として、回転するルーターエンドミルが水平方向に移動しながら被加工物を切削加工する構造のものが知られている。ここに、ルーターエンドミルという表現は、一般的に、プリント基板の端面をなぞるようにして外形加工を行う構造のルーターマシンに用いられる加工用刃具をいうが、側面に刃のついた刃具を総称しており、ドリル、ルータービット、エンドミル、その他の加工用刃具の代表として表現している。
特開平9−117815号公報
特許第2601803号公報
しかしながらこれら従来構造の場合、上記回転するルーターエンドミルが水平方向に移動しながら被加工物を切削加工する構造であるから、ルーターエンドミルの被加工物の端面に対する接触位置が定まった位置に特定され、このルーターエンドミルの定まった同じ位置が常に被加工物に接触することになり、刃部の同部位における摩耗や摩損が生じ易くなり、刃物寿命を短くすることがあり、ルーターエンドミルの有効刃長を利用していないという不都合を有している。
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の方法の発明は、回転するルーターエンドミルが水平方向に移動しながら被加工物の端面を切削加工する切削加工方法において、上記ルーターエンドミルが水平方向に移動しながら有効刃長の範囲内で軸方向に周期的に上下動して被加工物を加工することを特徴とする切削加工方法にある。
又、請求項2記載の装置の発明は、ルーターエンドミルを装着可能なスピンドルと、該スピンドルを水平方向に移動させる送り駆動部とからなり、該回転するルーターエンドミルが水平方向に移動しながら被加工物の端面を切削加工する切削加工装置において、上記ルーターエンドミルを水平方向に移動させながら有効刃長の範囲内で軸方向に周期的に上下動させる上下駆動部を備えてなることを特徴とする切削加工装置にある。
又、請求項3記載の発明は、上記ルーターエンドミルは、シャンク部の先端部に軸状部が形成され、該軸状部の外周面に該軸状部の回転軸線に略平行な切欠面が形成され、該軸状部の切欠面に前記回転軸線に略平行なすくい面及び排出面からなる断面略V状の切屑排出溝部を形成すると共に該軸状部の残部外周面に逃げ面を形成して前記回転軸線に略平行に延びる切刃部を形成してなることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記軸状部の直径が6mm以下であることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記軸状部の回転方向に垂直な面と上記すくい面とがなすすくい角を15°〜55°に形成してなることを特徴とするものであり、又、請求項6記載の発明は、上記逃げ面を上記切刃部の先端刃縁の回転方向後方位置にランド面を残して形成してなることを特徴とするものである。
本発明は上述の如く、請求項1又は請求項2記載の発明にあっては、ルーターエンドミルをスピンドルに装着し、該回転するスピンドルを送り駆動部により水平方向に移動させて被加工物の端面を切削加工することになり、この際、上記ルーターエンドミルは上下駆動部により有効刃長の範囲内で軸方向に周期的に上下動し、ルーターエンドミルは水平方向に移動しながら有効刃長の範囲内で軸方向に周期的に上下動して被加工物の端面を切削加工することになり、このため、ルーターエンドミルの被加工物の端面に対する接触位置が順次変化し、ルーターエンドミルの有効刃長を有効に利用することができ、ルーターエンドミルの刃部の摩耗や摩損を抑制することができ、刃物寿命を長くすることができる。
又、請求項3記載の発明にあっては、上記ルーターエンドミルは、シャンク部の先端部に軸状部が形成され、該軸状部の外周面に軸状部の回転軸線に略平行な切欠面が形成され、該軸状部の切欠面に前記回転軸線に略平行なすくい面及び排出面からなる断面略V状の切屑排出溝部を形成すると共に該軸状部の残部外周面に逃げ面を形成して前記回転軸線に略平行に延びる切刃部を形成してなるから、切刃部により被加工物を持ち上げられることが無くなり、切欠面及び切屑排出溝部の存在により切屑を確実に排出することができ、被加工物の形状加工も被加工物を持ち上げること無く確実に切削加工することができ、被加工物の端面を円滑に切削加工することができると共に仕上面が良好な切削加工を行うことができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記軸状部の直径が6mm以下であるから、細部の切削加工を行うことができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記軸状部の回転方向に垂直な面と上記すくい面とがなすすくい角を15°〜55°に形成してなるから、切刃部による切れ味を良好にすることができ、又、請求項6記載の発明にあっては、上記逃げ面を上記切刃部の先端刃縁の回転方向後方位置にランド面を残して形成してなるから、ランド面の存在により切刃部の耐久性を高めることができる。
図1乃至図10は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図9は第一形態例、図10は第二形態例である。
図1乃至図9の実施の第一形態例において、Eはルーターエンドミルであって、各種の機械のチャック等の回転部分に装着固定されるシャンク部1の先端部に軸状部2が形成され、軸状部2の先端部は円錐状に形成され、この場合、上記軸状部の直径は6mm以下である、直径1.4mmに形成され、かつ、この軸状部2の先端部は先端角θ=135°の円錐状に形成され、有効刃長E1(刃の付いた切れる長さ)は6mmとなっている。
そして、図3、図4、図5、図6の如く、上記軸状部2の外周面に軸状部2の回転軸線Oに略平行な切欠面2aが軸状部2の回転軸線Oを通る回転方向Rに垂直な面Fで切欠することにより形成され、この軸状部2の切欠面2aに前記回転軸線Oに略平行なすくい面3a及び排出面3bからなる断面略V状の切屑排出溝部3を形成し、さらに、軸状部2の残部外周面に逃げ面4を形成して前記回転軸線Oに略平行に延びる切刃部5を形成して構成している。尚、切刃部5の形状について、前記回転軸線Oに略平行に延びる形状としているのは、切刃部5が前記回転軸線Oに平行に延びる形状及び切刃部5により被加工物Wを持ち上げられることのない程度の約5°以下の若干のねじれ角を有するような前記回転軸線Oに略平行に延びる形状のものも含まれることを意味する。
αはすくい角であり、図6の如く、上記軸状部2の回転方向Rに垂直な面Fと上記すくい面3aとがなす角度であり、このすくい角αは15°〜55°が用いられ、この場合、α=30°となっている。
γは逃げ角であり、図6の如く、上記軸状部2の回転方向Rに平行な面Sと上記逃げ面4とがなす角度であり、この逃げ角γは15°〜55°が用いられ、この場合、γ=30°となっている。
この場合、上記軸状部2の残部外周面に上記切刃部5の先端刃縁の回転軌跡Kに対して0.03mm〜0.06mmの逃げ寸法Mの外周逃げ面2bを形成して構成している。
又、この場合、上記逃げ面4を上記切刃部5の先端刃縁の回転方向後方位置に回転軌跡Kと同一面状にして先端刃先から約10μm〜約30μm程度の距離Tのランド面Dを残して形成して構成している。
6はスピンドルであって、上記ルーターエンドミルEを装着可能に構成され、図外のサーボモータなどからなる回転駆動部7により回転し、この回転するスピンドル6はサーボモータ及び送り用プログラムを備えた制御部などからなる送り駆動部8により送り移動制御Qされる。
9は上下駆動部であって、サーボモータ及び上下動用プログラムを備えた制御部などを含んで構成され、上記ルーターエンドミルEの有効刃長E1の範囲内でルーターエンドミルEを軸方向に連続的又は不連続的な周期及び波高をもって周期的に上下動制御Cされ、しかして、図1、図2の如く、回転するルーターエンドミルEは水平方向に移動しながらルーターエンドミルEの有効刃長E1の範囲内で軸方向に周期的に上下動し、加工条件により定めた周期Tn及び有効刃長E1の範囲内の波高Hの波形をもって、水平及び上下に移動して波状運動をなして被加工物Wの端面W1を切削加工することになる。
この実施の第一形態例は上記構成であるから、ルーターエンドミルEをスピンドル6に装着し、該回転するスピンドル6を送り駆動部8により水平方向に移動させて被加工物Wの端面W1を切削加工することになり、この際、上記ルーターエンドミルEは上下駆動部9により有効刃長E1の範囲内で軸方向に周期的に上下動し、しかして、ルーターエンドミルEは水平方向に移動しながら有効刃長E1の範囲内で軸方向に周期的に上下動して被加工物Wの端面W1を切削加工することになり、このため、ルーターエンドミルEの被加工物Wの端面W1に対する接触位置が順次変化し、ルーターエンドミルEの有効刃長E1を有効に利用することができ、ルーターエンドミルEの刃部の摩耗や摩損を抑制することができ、刃物寿命を長くすることができる。
この際、上記ルーターエンドミルEは、シャンク部1の先端部に軸状部2が形成され、軸状部2の外周面に該軸状部2の回転軸線Oに略平行な切欠面2aが形成され、該軸状部2の切欠面2aに前記回転軸線Oに略平行なすくい面3a及び排出面3bからなる断面略V状の切屑排出溝部3を形成すると共に該軸状部2の残部外周面に逃げ面4を形成して前記回転軸線Oに略平行に延びる切刃部5を形成してなるから、切刃部5により被加工物Wを持ち上げられることが無くなり、切欠面2a及び切屑排出溝部3の存在により切屑を確実に排出することができ、被加工物Wの形状加工も被加工物Wを持ち上げること無く確実に切削加工することができ、被加工物Wの端面W1を円滑に切削加工することができると共に仕上面が良好な切削加工を行うことができる。
又、この場合、上記軸状部2の直径が6mm以下であるから、細部の切削加工を行うことができ、又、この場合、上記軸状部2の回転方向Rに垂直な面Fと上記すくい面3aとがなすすくい角αを15°〜55°に形成してなるから、切刃部5による切れ味を良好にすることができ、又、この場合、上記逃げ面4を上記切刃部5の先端刃縁の回転方向後方位置にランド面Dを残して形成しているから、ランド面Dにより切刃部5の耐久性を高めることができる。
図10は本発明の実施の第二形態例であって、この場合、上記第一形態例に比べ、上記逃げ面4及び上記外周逃げ面2bを回転方向方向に至るに従って次第に逃げ寸法Mが大きくなる形状に形成している。
この第二形態例にあっても、上記第一形態例と同様な作用効果を得ることができる。
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、ルーターエンドミルEの形状、スピンドル6、送り駆動部8、上下駆動部9の形状や大きさ等は適宜設計して変更される。
以上、所期の目的を充分達成することができる。
E ルーターエンドミル
O 回転軸線
R 回転方向
F 垂直な面
W 被加工物
α すくい角
D ランド面
E1 有効刃長
W1 端面
1 シャンク部
2 軸状部
2a 切欠面
3 切屑排出溝部
3a すくい面
3b 排出面
4 逃げ面
5 切刃部
6 スピンドル
8 送り駆動部
9 上下駆動部
O 回転軸線
R 回転方向
F 垂直な面
W 被加工物
α すくい角
D ランド面
E1 有効刃長
W1 端面
1 シャンク部
2 軸状部
2a 切欠面
3 切屑排出溝部
3a すくい面
3b 排出面
4 逃げ面
5 切刃部
6 スピンドル
8 送り駆動部
9 上下駆動部
Claims (6)
- 回転するルーターエンドミルが水平方向に移動しながら被加工物の端面を切削加工する切削加工方法において、上記ルーターエンドミルが水平方向に移動しながら有効刃長の範囲内で軸方向に周期的に上下動して被加工物を加工することを特徴とする切削加工方法。
- ルーターエンドミルを装着可能なスピンドルと、該スピンドルを水平方向に移動させる送り駆動部とからなり、該回転するルーターエンドミルが水平方向に移動しながら被加工物の端面を切削加工する切削加工装置において、上記ルーターエンドミルを水平方向に移動させながら有効刃長の範囲内で軸方向に周期的に上下動させる上下駆動部を備えてなることを特徴とする切削加工装置。
- 上記ルーターエンドミルは、シャンク部の先端部に軸状部が形成され、該軸状部の外周面に該軸状部の回転軸線に略平行な切欠面が形成され、該軸状部の切欠面に前記回転軸線に略平行なすくい面及び排出面からなる断面略V状の切屑排出溝部を形成すると共に該軸状部の残部外周面に逃げ面を形成して前記回転軸線に略平行に延びる切刃部を形成してなることを特徴とする請求項2記載の切削加工装置。
- 上記軸状部の直径が6mm以下であることを特徴とする請求項3記載の切削加工装置。
- 上記軸状部の回転方向に垂直な面と上記すくい面とがなすすくい角を15°〜55°に形成してなることを特徴とする請求項3又は4記載の切削加工装置。
- 上記逃げ面を、上記切刃部の先端刃縁の回転方向後方位置にランド面を残して形成してなることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の切削加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008246761A JP2010076042A (ja) | 2008-09-25 | 2008-09-25 | 切削加工方法およびその装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012096339A (ja) * | 2010-11-05 | 2012-05-24 | Hitachi Via Mechanics Ltd | ワークの加工方法、ワークの加工装置、およびプログラム |
WO2017047510A1 (ja) * | 2015-09-16 | 2017-03-23 | シャープ株式会社 | 異形状偏光板の製造方法 |
-
2008
- 2008-09-25 JP JP2008246761A patent/JP2010076042A/ja active Pending
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