JP4556676B2 - プレス金型の抜き刃の二番逃がし部加工方法 - Google Patents
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Description
例えば、図4に示すごとく、上下に移動させる上型42と、固定される下型44を用いた装置構成により、ワーク41をプレス打ち抜き加工する構成では、下型44の抜き刃45の下方に二番逃がし部46を設けることとしている。この二番逃がし部46は、下型44において、抜き刃45が形成される箇所に対して、窪ませるように形成されるようにしている。また、この二番逃がし部46は、抜き刃45のプロファイル線45aを基準として形成されるものであり、近年は、もっぱらCAMによる数値計算によって、この二番逃がし部46を形成するための切削工具を通過させる軌跡が算出されている(CAM:Computer−Aided Manufacturing)。
また、この二番逃がし部について、開示する文献もあり(例えば、特許文献1参照。)、また、CAMの数値計算に関する技術ついて開示する文献も存在する(例えば、特許文献2参照。)。
この図6では、図5(a)の切削工具を用いて二番逃がし部46を加工する例について示しており、プロファイル線45aに沿わせて、切削工具50を往復移動させて加工溝47を形成し、段階的に切削工具50を移動させるライン(カッターライン56)を、プレス打ち抜き方向(矢印49方向)へずらすことにより、被切削部分48を除去し、二番逃がし部46を形成することとしている。
このことから、テーパ状のエンドミル部52を設けた切削工具50は、平坦なプロファイル線45aに対して二番逃がし部46を形成する場合には対応できるが、大きな起伏のあるプロファイル線45aに対して二番逃がし部46を形成する場合には対応できないものといえる。
ところが、ボールエンドミル53を傾斜させて支持するための傾斜ヘッド搭載設備が必要となり、一般的な切削加工機では実施できないという問題がある。
また、傾斜ヘッドを利用した場合、CAMデータ作成時間や干渉チェックの時間が長大化することになる。また、傾斜ヘッドを利用した場合、刃先の合わせ時間がかかることや、傾斜ヘッドの剛性が弱いため、切削効率が悪いという問題がある。
そして、この加工をCAMにて実施すべく、CAMにて、プレス金型20の抜き刃21のプロファイル線21aを定義し、前記プロファイル線21aをプレス打ち抜き方向、及び、エンドミル部3の半径方向にオフセットさせたカッターライン22を定義し、前記カッターライン22を基準として前記エンドミル部3を移動させ、二番逃がし部23を加工することとするものである。
そして、この打ち抜きの際には、前記二番逃がし部23の存在により、打ち抜かれた部位を、プレス金型20に引っかけることなく、矢印29の方向(打ち抜き方向)へと送出できるようになっている。
前記プロファイル線21aは、三次元座標の座標データによって定義されるものであり、ワークの打ち抜き加工される部位の形状を決定するものでもある。
詳しくは、図2に示す幅W3は、√[R12−(R1−W2)2]の計算式により求められ、この幅W3と、プロファイル幅W1の和により、中心点Cの、プロファイル線21aを基準とする打ち抜き方向(矢印29の方向)の相対座標位置が定義される。
また、中心点Cの、プロファイル線21aを基準とする図における左右方向の相対座標位置は、半径R1と、切削加工幅W2の差により定義される。
そして、以上のように定義される中心点Cを、プロファイル線21aを形成する座標に基づいて連続させることにより、カッターライン22が定義される。
そして、一連の切削溝24の加工完了後は、図2に示すごとく、カッターライン22を打ち抜き方向にオフセット(ピック量W4)させることにより、残された被切削部分25の切削を行う。
以上の切削加工の繰返しにより、刃面21bの打ち抜き方向側の被切削部分25が取り除かれ、二番逃がし部23を形成することができる。
また、傾斜ヘッドを搭載しない一般的な切削加工機によって実施することができ、従来のボールエンドミルを傾斜ヘッド搭載設備に装着した実施形態と比較すると、実施設備の低コスト化が図られる。また、傾斜ヘッドを利用した場合、CAMデータ作成時間や干渉チェックの時間が長大化することになるが、本発明によれば、これらの時間の短縮を図ることができる。また、傾斜ヘッドを利用した場合、刃先の合わせ時間がかかることや、傾斜ヘッドの剛性が弱いため、切削効率が悪いという問題があるが、本発明によれば、この問題もない。
そして、前記プロファイル線の座標データを基準として、プレス打ち抜き方向に、前記プロファイル幅W1と、規定幅√[R12−(R1−W2)2]の和の分だけオフセットさせた位置、及び、エンドミル部の半径方向であって、前記プロファイル線から離れる方向に、前記切削加工幅W2と、前記半径R1の差の分だけオフセットさせた位置に、前記エンドミル部3の中心点Cの座標位置を定義し、前記中心点Cの座標位置を連続させることにより、前記中心点Cの軌跡となるカッターライン22を定義する(ステップ35)。
そして、CAMの切削加工装置のプレス金型ワークに対する干渉チェックを実施した後(ステップ36)、前記カッターライン22を利用して切削加工を実施する(ステップ37)。
また、前記ピック量W4の定義が必要とされる場合は、ピック量W4を定義し(ステップ38)、切削工具1をピック量W4移動させつつ(ステップ39)、被切削部分25の全てが取り除かれるまで、切削加工を実施する。
3 エンドミル部
20 プレス金型
21 抜き刃
21a プロファイル線
22 カッターライン
23 二番逃がし部
Claims (2)
- 球形状のエンドミル部を有する切削工具を用い、
プレス金型の抜き刃のプロファイル線を基準とした二番逃がし部を加工し、
CAMにて、
プレス金型の抜き刃のプロファイル線を定義し、
前記抜き刃の刃面のプロファイル幅W1を定義し、
切削加工幅W2を定義し、
球形状のエンドミル部の半径R1を定義し、
前記プロファイル線の座標データを基準として、
プレス打ち抜き方向に、
前記プロファイル幅W1と、規定幅√[R1 2 −(R1−W2) 2 ]の和の分だけオフセットさせた位置、
及び、
エンドミル部の半径方向であって、前記プロファイル線から離れる方向に、
前記切削加工幅W2と、前記半径R1の差の分だけオフセットさせた位置に、
前記エンドミル部の中心点の座標位置を定義し、
前記中心点の座標位置を連続させることにより、前記中心点の軌跡となるカッターラインを定義し、
前記カッターラインを基準として前記エンドミル部を移動させ、前記二番逃がし部を加工する、
ことを特徴とする、プレス金型の抜き刃の二番逃がし部加工方法。 - 前記球形状のエンドミル部の半径R1を、前記切削加工幅W2だけ小さくした値に定義し、
CAMの切削加工装置のプレス金型ワークに対する干渉チェックを実施する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のプレス金型の抜き刃の二番逃がし部加工方法。
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