JP3564619B2 - 同時に錠部材を操作するための押圧ハンドルとして使われる閉鎖シリンダを有する鎖錠装置 - Google Patents
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Description
フランス特許出願公開第2451985号明細書による、周知の押圧ハンドルは、閉鎖シリンダだけからなる。シリンダガイドは回転可能であるが、軸線方向に固定的にシリンダガイドに結合されており、かつ連行体は、シリンダ心から出たかぎによって引起こされる回転切換え制御を行なうために、回らないようにかつ軸線方向に固定的に直接シリンダ心に着座している。押しボタン効果の基礎となる軸線方向ばね力は、直接閉鎖シリンダのシリンダガイドに作用する。その他に閉鎖シリンダは、その周側のシリンダガイドを介して押しボタン効果のために軸線方向に可動であるが、回転できないようにシリンダハウジング内において案内されている。
周知の鎖錠装置の押圧ハンドルとして使われる閉鎖シリンダは、盗難の危険を有する。ガイド及びシリンダ心内にあるタンブラは、押込み工具を介してシリンダ心を暴力的に回転することによって、閉鎖シリンダのその後の利用がもはや不可能である程度に損傷させられる。しばしば装置の損傷した個別部分の交換では不十分であり、完全な置き換えを必要とする。
閉鎖シリンダが錠部材を操作するための押圧ハンドルとして使われる同じ種類の鎖錠装置において(ドイツ連邦共和国特許出願公開第3902742号明細書)、シリンダ心は押圧部足部がある連続する回転軸により延長されている。閉鎖シリンダの押圧操作においてシリンダ心が鎖錠解除された回転位置にある場合に、軸線方向に運動する押圧部足部は錠部材に案内する回転棒を揺動させる伝動ハンドルを揺動させる。ここでは、鎖錠装置の悪用操作を阻止手段により防止しようと試みている。この阻止手段は押圧部足部と共に回転することが可能な阻止フックからなっており、この阻止フックはシリンダ心の鎖錠位置に伝動ハンドルを止めている。このような阻止手段は閉鎖シリンダを収容するシリンダハウジングの外部に設けられており、そのために特別な場所が必要となる。この場合でも、押込み工具を介して暴力的にシリンダ心を回転させることにより、既に述べたような閉鎖シリンダ部の部材の損傷が起こることがある。
ヨーロッパ特許出願公開第0143087号明細書は、同じ種類の鎖錠装置を示しており、この鎖錠装置では、錠部材の操作に使われる押圧ハンドルが、ただ一つの部分からなっている。この部分とは、鍵から操作されるシリンダ心とその回りを取り囲むシリンダガイドである。押圧により生じるシリンダガイドの縦方向の運動は、ピンを介してその場に固定されているシリンダハウジングの周側上で縦方向に移動している環体に伝動され、この環体は、押圧ハンドルが操作される突出部を介して、鎖錠解除された回転位置で錠部材に作用する。ここでは盗難防止策は施されていない。
特許請求の範囲第1項の特徴部分に相当しない、別の種類の鎖錠装置において(ドイツ連邦共和国特許出願公開第3827418号明細書)、閉鎖シリンダは、操作の際に錠部材に作用する押圧ハンドルとして形成されていない。その代りに錠部材は、シリンダ心に差し込まれた鍵を回転することにより直接操作される。シリンダ心もシリンダガイドもその場に固定されたシリンダハウジング内で回転可能ではあるけれども軸線方向に運動可能には支持されていない。鍵により引き起こされたシリンダ心の回転は、このシリンダ心に軸線方向に連結されたスライドつめを介して、これにより回転固定された連結ケースに伝動され、このケースには、錠部材の一部である回転棒が固定接続されている。特許請求の範囲第1項の特徴部分に記載されたような鎖錠装置へのこの措置の転用は、ここからは読み取ることができず、特に鍵によって引き起こされるのではない、鎖錠回転位置から鎖錠解除された回転位置へのシリンダガイドの望ましくない切換制御が、どのように防止されるかがここからは読み取ることができない。
本発明の課題は、こじ開ける試みによって危険にさらされず、かつその構成部分の損傷なしに閉鎖シリンダの暴力的な回転に耐える、特許請求の範囲第1項の上位概念に挙げたような信頼性の高い空間を節約した鎖錠装置を開発することにある。このことは、本発明によれば、特許請求の範囲第1項の特徴部分に挙げた処置によって達成される。
本発明において押圧ハンドルは、両方とも半径方向に2分割された2つの軸線方向部分からなる。したがって閉鎖シリンダは、この新規な押圧ハンドルの軸線方向外側部分だけを形成しており、かつ間接的に軸線方向に案内されたこのような周知の閉鎖シリンダとは相違して、その周側シリンダガイドによって、シリンダハウジング内において自由に回転できるように支持されている。閉鎖シリンダは、まず間接的に、これに並んで配置された押圧ハンドルの軸線方向内側部分を介して、シリンダハウジング内において回転できないその軸線方向ガイドを維持し、しかもここの押圧ブシュを介して維持する。この押圧ブシュは、軸線方向ばね力を受け、かつそれにより押しボタン操作のために必要な戻し力を閉鎖シリンダに及ぼし、この閉鎖シリンダは、シリンダハウジングの回りを囲む内側肩部に支持される。過負荷自由回転は、軸線方向持ち上げプロファイルによって生じ、この持ち上げプロファイルは、一方においてシリンダガイドと他方において押圧ブシュとの間に配置されている。閉鎖シリンダを暴力的に回転した際、これは、押圧ブシュが軸線方向に持ち上がり、この押圧ブシュが一緒に回転できないので、シリンダハウジングの内側肩部に接触したままであることができる。このことは、シリンダハウジング内における押圧ブシュの前記の軸線方向ガイドによって保証されている。
ハンドルの内側部分は、軸線方向中央になお制御ピンを有し、この制御ピンは、間に接続された軸線方向連結部を介してシリンダ心と共同動作する。制御ピンは、回転可能であるが、軸線方向には固定的に押圧ブシュ内に収容されており、かつそれ故にその押圧ブシュとともに持ち上げプロファイルが有効な場合にシリンダ心に対する軸線方向運動を行ない、それによりその間にある軸線方向連結部は外れる。それによりシリンダ心の回転切換え制御は、もはや後続の制御ピンに、かつこれを介して連行体に作用することはない。鎖錠した回転位置において連行体は、錠部材に対して無効な回転位置にあり、それ故に組合わされた押圧ハンドルの操作は空を切り、かつ錠部材には作用しない。鎖錠解除したその回転位置への連行体の暴力的な切換え制御は、この運動がハンドルの内側部分に作用することができないので、閉鎖シリンダにおける暴行によっては達成されない。その際、ハンドルの押しボタン操作のために使われる軸線方向ばねは、持ち上げプロファイルの過負荷自由回転のための外し力を供給するという別の機能を果たす。
連行体とシリンダハウジングの間の迷路ガイドにより、無効な回転位置から、鎖錠部材が押圧ハンドルにより操作可能となる有効な回転位置への、連行体の回転切換制御が不可能となる。この回転切換制御はシリンダ心の鍵操作でのみ行うことができる。シリンダ心だけが、これと軸線方向に連結された制御ピンを介して、錠部材に対して連行体を有効にすることができる。暴力の使用によっては何も得られない。なぜなら連行体は、惰力走行に入っている持ち上げプロファイルを介して軸線方向に運動し、迷路ガイドにおいて錠部材に対して無効な回転位置に確実にとどめられるからである。
本発明のその他の処置及び利点は、その他の特許請求の範囲、次の説明及び図面から明らかである。図面において本発明は、1つの実施例において簡単に示されている。ここでは:
図1は、部品がその通常不動作位置、押圧ハンドルの押出し位置にあり、かつかぎ操作によって鎖錠された回転位置にされているとき、所属の押圧ハンドルの完全に押出された位置における本発明による装置の主要部分の軸線方向断面図を示し、
図2は、図1の切断線II−IIに沿った装置の細部断面図を関連する構成部分を拡大しかつ平面に展開して示し、
図3は、図1の軸線方向断面図に対する張り出した切断線I−Iを示し、鎖錠解除した回転位置も破線で示した図1の装置の内側端面図を示し、
図4は、構成部分がその通常不動作位置にあるときの図1の装置の内側の細部の切断しない図を示し、
図5は、構成部分が、押込み工具によって達成した暴力的な位置にあるが、図1と一致した回転位置及び押圧ハンドルの押出し位置が存在するときの、装置の図1に相当する軸線方向断面図を示し、
図6は、構成部分が、図5による暴力を受けた位置にあるときのこの細部の図4に相当する図を示し、
図7は、図5から明らかな位置においてここの切断線VII−VIIに沿った装置の図2に相当する細部断面図を示し、
図8は、押圧ハンドルが錠部材を操作するために使われるその押込み位置にあり、かつ構成部分が、図3から明らかな破線で示す鎖錠解除回転位置に動かしたときの装置を再び図1に相当する垂直断面図で示し、
図9は、図8から明らかな押圧ハンドルの押込み位置における装置をここにおける切断線IX−IXに沿った細部断面図で示している。
図1に、自動車のトランクルーム蓋11における本発明による鎖錠装置が示されており、このトランクルーム蓋は、詳細に図示しない錠部材によって閉じ位置に保持することができる。錠部材の操作のために押圧ハンドル20が使われ、この押圧ハンドルは、互いに範囲ごとに重なった2つの軸線方向部分21、22に構成することができる。押圧ハンドル20は、蓋11に取付けられたシリンダハウジング10内に収容されており、このシリンダハウジング内にコイル状の圧縮ばね12がある。圧縮ばね12は、押圧ハンドル20の内側部分22を囲んでおり、かつシリンダハウジング10の内部においてそのばね底部が、リング円板13を介してシリンダハウジング10の内壁にはまったスナップリング14に支持されている。圧縮ばね12は、図1に矢印15で示した軸線方向ばね力を、内側部分22に及ぼし、かつかくして同時にこれに軸線方向に続く押圧ハンドル20の外側部分21に作用する。それにより押圧ハンドル20は、シリンダハウジング10から図1により明らかな押出し位置に達しようとするが、図8によれば、ここにおける操作矢印23の方向にハウジング10内に押込むことができる。この操作23の際、図8による構成部分の鎖錠解除した回転位置が存在するとき、連行体は、作業アーム51を介して錠部材に作用し、これら錠部材のうち52のところにおいて始端部材53だけが図示されている。図8には、押圧ハンドルの押込み位置が存在する。
押圧ハンドル20の外側部分21は、閉鎖シリンダ30からなり、この閉鎖シリンダは、通常のように半径方向に2分割されており、すなわち周側シリンダガイド31及び軸中央のシリンダ心32に2分割されている。シリンダ心32は、軸線方向に固定的にシリンダガイド31に結合されており、一方においてシリンダガイド31の内側端部に支持されたシリンダ心32の周溝内におけるスナップリング33がこのことを考慮している。他方において閉鎖シリンダ30の反対側の端部において、カラー34の肩部が、パッキン16を介してシリンダガイド31の内側断部35に支持されている。
シリンダ心32は、シリンダガイド31内に回転可能に支持されており、かつ連行体50の図3から明らかな作業アーム51の回転変位67として現われる鎖錠解除した回転位置と鎖錠したものとの間においてかぎ17によって切換え制御することができる。図1及び3において鎖錠された回転位置51は、実線で概略的に示されているが、一方鎖錠解除された位置51'は、図3に破線で概略的に示されている。かぎ17を引出した際、シリンダ心32は、図1にその位置を破線で概略的に示しただけのばね負荷を受けたタンブラ56を介して、シリンダガイド31内に設けられた遮断通路37にはまっており、かつそれ故にシリンダガイド31によってロックされている。しかしかぎ17が、図1に破線で概略的に示したかぎ通路38内に完全に挿入されると、シリンダ心32の周においてタンブラ38が選別され、かつシリンダ心によって連行体作業アームの前記の回転変位67が実行できる。
シリンダガイド31は、図4からもっともよくわかる端部フランジ39を有し、この端部フランジにより図1によれば、閉鎖シリンダ30は、リングパッキン18を介してシリンダハウジング10の内側ストッパ19に支持することができる。内側ストッパ19は、軸線方向ばね力15を受けた閉鎖シリンダ−端部フランジ39の接触のために使われ、かつかくして図1に示された押出し位置を決める。それによりハンドル20の外側部分21は、蓋11の外側にあるハウジング偽装部24から突出し、この外側部分は、図8の矢印23にしたがってこの偽装部内に押込むことができる。閉鎖シリンダ30の外方へ突出した範囲は、装甲ケース25によって囲まれており、この装甲ケースは、端部フランジ39から出発し、かつシリンダ心32の前側端部にまで延びている。シリンダガイド31内におけるシリンダ心32の両方の回転位置は、係止要素によって決めることができ、これら係止要素は、この場合、ばね負荷を受けた係止球26及びシリンダガイド31の内部における係止溝27からなる。
外側部分21と同様に、押圧ハンドル20の内側部分22も、半径方向に2分割されており、すなわち一方に於いて軸線中央の制御ピン42及び周側押圧ブシュ41に2分割されている。制御ピン42の内側端部は、段を有し、かつ丸くない連行体及び図3からもっともよくわかるスナップリングを介して回らないようにかつ軸線方向に固定的に連行体50に結合されている。制御ピン42の外側端部とシリンダ心32の内側端部との間に、軸線方向連結部40の互いに相補的な両方の要素44、45が配置されており、この軸線方向連結部の構成は、図5にもっともよく示されている。これら要素は、シリンダ心32における端面の直径上の連結突起45、及び制御ピン42における端面の直径上の連結収容部44からなる。内側部分22に作用する軸線方向ばね力15のため、軸線方向連結部40は、図1の押出し位置が存在するか、又は図3の押込み位置が存在するかに関係なく、通常はまっている。したがってシリンダ心32のかぎによって行なわれる回転操作は、軸線方向連結部40を介して連行体50に継続し、かつこの連行体の作業アーム51は、すでに述べた図3から明らかな鎖錠回転位置と鎖錠解除回転位置との間において移行する。図3による鎖錠解除回転位置51'においてだけ、作業アームは、押圧操作23の際に図8に54で示す始端部材53の操作アームに当たり、かつ図8から明らかな揺動運動56をその反対側の操作アーム55によって行なう。それにより錠部材は、トランクルーム蓋11の解除位置に移行する。
したがって押圧ブシュ41内において制御ピン42は回転可能に支持されているが、シリンダ心32の内側端部も、自由に回転可能に押圧ブシュ41の内部にはまっている。しかし制御ピン42は、同時に軸線方向に固定的に押圧ブシュ41に結合されており、制御ピン42における周溝43及び押圧ブシュ41における半径方向内側突起46がこのことを配慮している。押圧ブシュ41は、シリンダハウジング10内に軸線方向に可動であるが回転できないように案内されている。シリンダハウジング10の内部における軸線方向ガイド通路48がこのことを配慮しており、このガイド通路内に、押圧ブシュ41の周にある半径方向外側突起47がはまっている。圧縮ばね12の外側端部は、回りを囲むリング溝49内にはまっており、このリング溝は、押圧ブシュ41の広げられた端部片29にある。圧縮ばね12は、ここにおいて溝底部に支持されている。
一方において広げられた押圧ブシュ端部片29の端部とシリンダガイド31の端部フランジ39との間に、とくに図4及び6からもっともよくわかる持ち上げプロファイル60が配置されており、これは、シリンダガイド31における軸線方向に特殊成形された突起61と押圧ブシュ41における対向プロファイルを有する軸線方向切り欠き62とからなる。押圧ブシュ41は、図1に示された圧縮ばね12の図4にも示された軸線方向ばね力15を受けているので、切り欠き62は、突起61にはまろうとする。通常の不動作位置において、図4によるこの噛み合い状態が存在する。これは、すでに何度も述べた図8による押圧操作23が行なわれるときにも維持される。押圧ブシュ41は、前記のガイド手段47、48を介して常に所定の回転位置に保持されるので、はまった持ち上げプロファイル60を介して、シリンダハウジング10内におけるシリンダガイド31の定義された回転位置も配慮される。しかしこれらの関係は、図5及び6に示すように、押圧ハンドル20の外側部分21において暴力的な回転28が行なわれた場合、変化する。
このような暴行は、図5に概略的に示すように、侵入工具、たとえばドライバを介して行なわれ、このドライバは、シリンダ心31のかぎ通路38内に挿入される。この時シリンダガイド31の遮断通路37にはまったタンブラ36によって、シリンダハウジング10内のシリンダガイド31も一緒に回され、かつ図6からもっともよくわかるように、相応する対向プロファイルを有する切り欠き62から特殊成形突起61を自動的に持ち上げる。すなわち突起61は、両側の乗り上げ傾斜部63を有する台形プロファイルを有し、かつこの回転位置に移行する際に自動的に切り欠き62から持ち上げられる。その際、切り欠き62は、目的に合うように対応する傾斜対向位置を有する側面64を有する。この場合にも、図5に示すように、閉鎖シリンダ30は、その端部フランジ39を介して内側ストッパ19に支持されたままなので、図6によるように、押圧ブシュ41は、作用するばね力15に抗して突起の高さに相応して所定の距離65だけ軸線方向に押し戻される。閉鎖シリンダ30を引続き暴力的に回転した際、押圧ブシュ41は、その端面66によって軸線方向突起61の目的に合うように平らな頂点範囲において支持される。なるべくこのような突起−切り欠き−対は、シリンダガイド31と押圧ブシュ41の間に二重に作成して設けられており、それ故に半分の暴力的な回転の後に、すでに切り欠き62は、それぞれ別の突起61内に短く侵入するが、その後引続き回転を行なった場合、再び乗り上げ傾斜部63及び傾斜側面64を介して自動的に持ち上げられる。したがって閉鎖シリンダ30の暴力的な回転28の際に、押圧ブシュ41は、シリンダハウジング10の内部における軸線方向振動しか行なわず、これが、連行体50の回転変位に影響を及ぼすことはできない。
スペーサブシュ41が戻る際、図5によれば、これに軸線方向に固定的に結合された制御ピン42も戻される。持ち上げプロファイル60に由来する軸線方向行程65は、軸線方向連結部40の収容部44と突起45の間の噛み合い支柱59のものより大きな寸法を有する。それにより図5による軸線方向連結部40が空間を有し、かつそれにより押圧ハンドル20の外側部分21における暴力的な回転28が、内側部分22に伝達されることが阻止される。連結解除された制御ピン42は、暴力的な回転28により作用を受けず、かつそれ故にこれに回らないように結合された連行体50を動かすことはない。先行して連行体50の作業アームの鎖錠された回転位置51が存在する場合、押圧ハンドル20の押込み操作23は、図3から明らかなように、基本的に有効操作において始端部材53に作用を及ぼすことはない。この場合、作業アーム51は、錠−始端部材53の基準となる操作アーム54に対してすでに前記の角度67だけずらされた半径面内にある。したがって押込み操作23は空を切る。
この状況は、正規のかぎ17を介してしか変えることができない。差込まれたかぎ17によって、すでに述べたように、シリンダ心32の回転変位が可能であるが、一方これを囲むシリンダガイド31は、押圧ブシュ41により噛み合った持ち上げプロファイル60を介して回転できないように固定される。この時噛み合った軸線方向連結部40を介して回転切換え制御は、制御ピン42から連行体50の作業アームへ伝達され、この連行体は、この時図3に破線で示しかつ図8にも存在する鎖錠解除された回転位置51'に移行させられる。この時、押圧ハンドル20の押圧操作の際、作業アーム51'は、すでに述べたように、錠始端部材53の操作アーム54に当たり、かつかくして錠部材に作用を及ぼす。
本発明では、図1に示した押圧ハンドル20の不動作位置を除いて、連行体50の回転切換え制御が基本的に不可能であるという予防処置もとられている。一方においてシリンダハウジング10と他方において連行体50との間に直接配置された経路ガイド70が、このことを配慮している。図5及び8からもっともよくわかるように、連行体50はキャップの形をしている。キャップ内部68は、シリンダハウジング10の内側端部片69上にはまっている。ハウジング端部片69の周範囲に2つの軸線方向溝71、72が設けられており、これら軸線方向溝内に、それぞれ選択的にフード内部68にある図2から明らかな摺動ブロック57がはまる。両方の軸線方向溝71、72の間に橋絡片73がある。図1及び2による押圧ハンドル20の不動作位置において、摺動ブロック57は、それぞれの軸線方向溝71又は72の外側端部にあり、ここにおいて橋絡片73に通路74がある。通路74は、摺動ブロック57に相応して寸法を決められている。
図1及び2による構成部分の鎖錠された回転位置において、摺動ブロック57は軸線溝71内にあり、かつここにおいてハンドル20を操作した際、図2に操作矢印23によって示された錠部材に対して無効の軸線方向運動を行なうことができる。図3及び8による作業アームの有効な回転位置51'を得るため、閉鎖シリンダ30の前記のかぎ操作が必要である。それによりガイド70の範囲において摺動ブロック57は、図2及び9によって平面に展開しても示された図3から明らかな回転変位67に相応して揺動され、かつ通路74を通って他方の軸線方向溝72内の破線で示した位置57'に到達する。図8による押圧ハンドル20の押込み操作23の際、摺動ブロック57'は、今度は平行な軸線方向溝72内において図9から明らかな運動矢印23の方向に動かされ、その際、連行体50の作業アーム51'は、図8による錠始端部材53の操作アーム54に当たる。錠始端部材53の揺動運動56が行なわれる。
橋絡片73は、両方の軸線方向溝71、72の分離を配慮しており、とくに連行体作業アームの鎖錠された回転位置51が存在するときに重要である。押圧ハンドル20の外側部分21において図5による暴力的な回転28が行なわれたとき、図6に関連して述べた軸線方向行程65に基づいて、図7に示すように、すでに一方において橋絡片73と他方において摺動ブロック57との間の回転方向に見て側方の重なり75が生じる。この時橋絡片57は、回転矢印67の方向に鎖錠解除された回転位置57'の方向へ切換え制御されることを阻止されている。もちろんこのことは、ちょうど摺動ブロック57の鎖錠された位置において押圧ハンドル20の押込み運動を行なったときに初めて有効である。この場合、摺動ブロックは、その軸線方向溝71内において長手方向運動を行なうが、一方所属の作業アーム51は、錠始端部材53に関して空回りとなり、かつ図3のずれた角度面内においてその無効な軸線方向運動を実行する。
Claims (2)
- 閉鎖シリンダ(30)が、周側のシリンダガイド(31)及び軸中央のシリンダ心(32)に、半径方向に2分割されており、
このシリンダ心が、シリンダガイド(31)に軸線方向に固定されているがシリンダガイド(31)内において回転可能に支持されており、かつかぎ(17)によって、シリンダガイド(31)内の鎖錠された及び鎖錠解除された回転位置の間において切換え制御可能であるが、かぎ(17)を抜取った際にタンブラ(38)を介してシリンダガイド(31)によってロックされており、
シリンダ心(31)が、その制御運動を連行体(50)に伝達し、この連行体が、鎖錠解除された回転位置(51')において錠部材(53)と共同動作するが、鎖錠された回転位置(51)においてはせず、
閉鎖シリンダ(30)が、シリンダハウジング(10)内において軸線方向に可動であり、かつ内側ストッパ(19)に向かって軸線方向ばね力(15)によってシリンダハウジング(10)から外へ押されており、
しかしながらその突出した端部が、錠部材(53)を操作するために、ばね力に抗して手動でシリンダハウジング(10)内に軸線方向に押込む(23)ことができる、
とくに自動車の後部において行なうことができる閉鎖機能のために同時に錠部材(53)を操作するための押圧ハンドル(20)として使われる閉鎖シリンダ(30)を有する鎖錠装置において、
閉鎖シリンダ(30)が、押圧ハンドル(20)の軸線方向外側部分(21)だけを形成しており、この外側部分の周側シリンダガイド(31)が、シリンダハウジング(10)内に回転可能に収容されており、
かつ外側部分(21)が、内側部分(22)内に軸線方向に続いており、この内側部分が、他方において半径方向に2分割されており、
すなわち一方において連行体(50)に回らないようにかつ軸線方向に固定された軸線中央の制御ピン(42)、
及び他方において制御ピン(42)を回転可能であるが軸線方向に固定的に支持し(43、46)かつ軸線方向ばね力(15)によって負荷をかけられておりかつシリンダハウジング(10)内に軸線方向に可動であるが回転できないように案内された(47、48)周側の押圧ブシュ(41)に分割されており、
その際、制御ピン(42)が、軸線方向連結部(40)を介してシリンダ心(32)に結合されており、
かつばね負荷をかけられた(15)押圧ブシュ(41)とシリンダガイド(31)との間に、軸線方向持ち上げプロファイル(60)が配置されており、
この持ち上げプロファイルが、回転ハンドル(20)の外側部分(21)を暴力的に回転(28)した際に、押圧ハンドル(20)の内側部分(22)を過負荷自由回転させ、
かつ連行体(50)とシリンダハウジング(10)との間に、迷路ガイド(70)が配置されたおり、
その際、迷路ガイド(70)が、鎖錠された及び鎖錠解除された回転位置の間における連行体(50)のかぎによって行なわれる切換え制御(67)を、押圧ハンドル(20)の操作されない押出し位置においては可能にするが、押圧ハンドル(20)の軸線方向操作(23)の間には阻止する
ことを特徴とする、同時に錠部材(53)を操作するための押圧ハンドル(20)として使われる閉鎖シリンダ(30)を有する錠鎖装置。 - 迷路ガイド(70)が、連行体(50)又はシリンダハウジングにおける摺動ブロック(57)、及びシリンダハウジング(10)又は連行体における摺動ブロック(57、57')を選択的に収容する2つの平行な軸線方向溝(71、72)からなり、
かつ両方の軸線方向溝(71、72)が、一方において連行体(50)の切換え制御(67)に対応する角度間隔を置いて互いに離れており、
かつ他方においてそれらの外側溝端部において自身の間に通路(74)を有し、この通路が、摺動ブロック(57、57')の回転切換え制御(67)を可能にする
ことを特徴とする、請求項1記載の装置。
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