JP3564378B2 - 枚葉印刷機のシートガイド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用のシートを、印刷用胴の外周と該印刷用胴の外周に沿って前記シートを案内するシートガイドとの間に形成された案内隙間に通し、該案内隙間内に空気を噴出させて、ベルヌーイ効果により前記シートを浮上させて通過せしめるように構成された枚葉印刷機のシートガイド装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
従来より、インキ色の異なる複数組の印刷装置をタンデム状に並置した多色刷り枚葉印刷機は公知であり、図9に示すように該印刷機は主な構成要素として給紙装置39を具えたフィーダ部(A)、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの複数組の印刷装置(132a)、(132b)、(132c)、(132d)がタンデム状に配置された印刷ユニット部(B)、及び排紙部04としてのデリバリ部(C)等にて構成されている。
【0003】
かかる構成の多色刷り枚葉式印刷機においては、前記給紙部39のテーブル141上に積み重ねられたシート11を吸い口を具えたサッカー部を利用して1枚ずつ分離され搬送コンベア120を介して送り出された後、スインググリッパ121aにより第1の印刷装置132aの第1中間胴121bへ受け渡され、さらにブランケット胴22aと圧胴23aとの間に送り込まれて第1色目の印刷が施こされる。
【0004】
第1色目の印刷が終了したシートは、前記ブランケット胴22aと圧胴23aとの間から搬出されて第2の印刷装置132bの中間胴27aに引き渡され、該中間胴27aから圧胴23bへ受け渡され、次工程の第2色目の印刷をブランケット胴22bと圧胴23bにて行う。
【0005】
以下順次各色毎の印刷が施こされ、最終段の印刷を行うブランケット胴22dと圧胴23dとの間から送り出されたシート11はデリバリ部Cの排紙胴35に引き渡され、続いて印刷終了後のシート11は排紙胴35からチェーンコンベア124へ引き渡されて排紙部04まで移送されて該排紙部04のテーブル40上に積み重ねられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、枚葉印刷機に於いて印刷を施す印刷シート11には0.04m/m位の薄紙から0.8m/m程度の厚紙が用いられており、又、ときには金属板や合成樹脂で形成された剛性の高いシートが用いられることもある。又各色毎の印刷装置132a…から次段の印刷装置132b…へのシート移送についてみると、一般的に薄紙は剛性が低くシートの後端にばたつきが発生し、又は厚紙や金属板等剛性の高いシートでは回転移送に伴う遠心力とシート自身の曲げに対する反力(復元力)によってシートの後端が圧胴23から離れると共に下方のシートガイド装置1′へ衝突する紙はねが発生する傾向がでる。
【0007】
前記紙のばたつきや紙はねは、印刷面の汚れやシートの折れ、傷を発生させることとなり、印刷品質を低下させる大きな要因となる。このため、前記中間胴27にはスケルトン胴、円筒状胴という代表的な2種類の形式があり、多用するシートの剛性によって最も適当とする形式のものが採用されるようになっている。図10に例示したものは主として厚紙用シートに適用するスケルトン胴型の中間胴27であり、本形式のスケルトン胴27は印刷装置132の左右両幅端に配設され、軸心270を中心として回転する一対の回転体(アーム)271で構成され、片側アーム271の先端から軸反対側のアーム271の対応する先端へ掛け渡した軸272(図11(A)参照)上にそれぞれ複数組のくわえ爪29を並設している。前記スケルトン胴27はシート11を介して係合する圧胴23との接触面積を極力小さくした点に特徴を有するもので、回転移送するシート11はくわえ爪29に近接する点(P)から曲げ変形する事ができる。つまり前記近接する点(P)は作用点となりここからシート11後端迄の距離を長くとる事によってシート11の復帰しようとする反力を軽減させる機能を向上させている。
【0008】
この結果スケルトン型中間胴27の下方へ設けられ、該仮想回転円周線に沿って凹円弧状に延設させたシートガイド装置1′に対し後端が衝撃的に当たる紙はねをやわらげる事ができ、傷や折れ変形を少なくする事ができるようになっているが、逆に本形式のスケルトン胴27では移送するシート11の後端自由域が増大するため、薄紙の場合ではより大きなシートのバタツキを発生させる事になってしまう。
【0009】
これに対して薄紙用シートに適用する円筒状型の中間胴はシートを介して係合する圧胴との接触面積を大きくした点に特徴を有するもので、回転移送するシートはくわえ爪の下流側を前記円筒状胴の外周面に沿って案内されるためシート後端のバタツキを減少させる機能が高くなり、該機能によりシート後端側に発生するシワや紙のばたつきに起因するダブリ、傷入り等の不具合を少なくする事ができるが、一方、本形式の円筒状型の中間胴では逆に厚紙を移送する場合シートの自由域が減少するためより強い紙はねを発生させる事になってしまうというものである。
【0010】
従ってかかる枚葉式印刷機においては前記課題を解決するために、特に近年印刷品質の向上を図るとともに、前記スケルトン型の中間胴を前記薄紙においても用いる傾向があるが、このような場合薄紙でシートのバタツキの発生を抑制するために、中間胴27、及び排紙胴35(以下中間胴に総称する)の下部外周に沿って設けられたシートガイド面1dを含むシートガイド装置1′について、中間胴27とシートガイド面1dとの間に形成された案内隙間に、所定圧力に加圧されて空気を複数の空気吹出口からシートガイド面1d表面に沿って前記案内隙間内を通過しているシート11の下面側に噴出せしめ、該噴出空気によるベルヌーイ効果により該シート11を浮上せしめるようにしたシートガイド装置が提案されている。
【0011】
かかるシートガイド装置の1つとして、特開平10−109404号の発明があり。 かかる技術を図10及び図11に基づいて説明するに、爪29を備えたスケルトン型の中間胴27あるいは排紙胴35の外周に沿って設置されたシートガイド装置1′を空気ダクト06で構成し、該空気ダクト06の表面には複数の空気吹出口4a、4bを配設するとともに、該空気吹出口4a、4bは前記中間胴27あるいは排紙胴の中央を境にして互いに背を向け合い、前記中間胴27の両端側へ向かって開口するように散在して配列され、該該空気吹出口4a、4bより開口方向に空気流を吐出してシート11を所定位置に規制し、該シート11の走行を安定させるようにしている。
【0012】
即ち、前記従来技術にあっては、厚紙に適したスケルトン型の中間胴27の爪29に咥えられたシート11下面側では、下面に空気ダクト06を有するシートガイド面1dと中間胴との間の案内隙間に沿って、前記空気吹出口4a、4bからシートガイドに沿う方向へ空気が噴出されるために、シートの上下面における空気流の流速差によるベルヌーイ効果により、前記中間胴27周面に沿って搬送されるシート11が、シートガイド面1d側へ吸引かつ僅かに浮上せしめられながら移送された後、次段の圧胴23に受け渡されるようになっている。
【0013】
しかしながら、かかる従来技術にあっても、案内隙間のシート移送方向下流部において、前記スケルトン型の中間胴の爪から外されたシートは、これを保持するものがなくなり、特に薄紙の場合には前記噴出空気の流速によるベルヌーイ効果のみではその端部を安定的に保持することができない。
【0014】
特に前記スケルトン型の中間胴27によって薄紙シートを移送する場合には、シートガイド面下流側において、かかるシート端部のばたつきや紙あばれの発生が避けられず、これにより、見当不良、印刷の重なり、紙皺、紙破れ等の印刷障害を引き起こす。
【0015】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、印刷用胴の外周とシートガイドとの間に形成された案内隙間にシートを通し該案内隙間内にシートガイドの空気吹出口から空気を噴出させるように構成された枚葉印刷機において、前記案内隙間のシート移送方向下流部におけるシート端部のばたつきや紙あばれの発生を防止して、薄紙シートでも安定的な移送を可能として、厚紙に適したスケルトン型胴を用いて薄紙シートを滑らかに移送することができる枚葉印刷機のシートガイド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明はかかる課題を解決するため、下方周面に案内隙間を介して円弧状のシートガイド面を形成した中間胴、排紙胴等の第1の印刷用胴と、該印刷用胴とシート受渡し部を介して近接配置した圧胴その他の第2の印刷用胴を具えてなる枚葉印刷機において、
前記円弧状シートガイド面のシート移送方向上流側の背面部位に1又は複数の空気供給チャンバと、又該空気供給チャンバと隣接するシート移送方向下流側の背面部位に空気吸引チャンバを設け、
前記上流側シートガイドに設けられた空気吹出口から空気供給チャンバに溜められた空気を噴出させて、前記シートを前記案内隙間内において浮上させてシートガイド下流側に通過せしめる第1の空気流制御手段と、
前記シートガイド下流側において、該下流側シートガイド面に開口する複数の第1の空気吸引孔群より前記空気吸引チャンバに吸引した後、該吸引チャンバに吸引された空気を前記シートガイド面と異なるチャンバ壁面よりチャンバ外に排出する第2の空気流制御手段を具えたことを要旨とする。
【0017】
かかる要旨によれば、シートガイド面の上流側と下流側で異なる空気流制御手段を用いて搬送を行っているために、スケルトン胴を用いても薄紙搬送が円滑に行われる。
【0018】
即ち、シートガイド面の案内隙間のシート移送方向上流側では、前記従来技術に示すように、シートの上下面における空気流の流速差によるベルヌーイ効果により、前記中間胴周面に沿って搬送されるシートが、シートガイド面側へ吸引かつ僅かに浮上せしめらればたつきが生じることなく円滑な搬送が可能である。
【0019】
シートガイド面の案内隙間のシート移送方向下流部において、前記スケルトン型の中間胴の爪から外されたシートは、これを保持するものがなくなった場合においても、前記吸引チャンバに連通される、シートガイド面の全幅に亘って開設される空気吸引孔群の吸引によって負圧に保持されているため、爪の掴持が解除されたシートは、多数の空気吸引孔に連通されている案内隙間のシート移送方向下流側においてシートガイドの表面側に吸引される。
【0020】
これにより、スケルトン型の胴を用いて薄紙シートの印刷を行う場合においても、前記シートは、シート移送方向下流側においてその端部が前記スケルトン型の中間胴の爪から外れても、前記空気吸引孔を通しての吸引により負圧が形成されているため前記端部は確実にシートガイドの表面側に吸引されることとなり、該シート端部のばたつきや紙あばれが抑制される。
【0021】
従って、前記シートはシートガイド面上流側においても下流側においてもスムーズに前記中間胴等の当該印刷用胴から次段の印刷用胴に受け渡されることとなって、薄紙シートでも安定的な移送が可能となり、厚紙に適したスケルトン型胴を用いても、薄紙シートを滑らかに移送することができ、印刷不良の発生が回避される。
【0022】
そして本発明のように、前記シートガイド面の下流端に印刷胴に設けたシート掴持用爪通過用の段付切り欠き等の複数の通気部が形成されている枚葉印刷機のシートガイド装置において、
前記シートガイド面の下流端下方に、第2の印刷胴周面と対峙する空間(以下下方空間という)を介して、前記通気部に流れる空気を吸引させ、前記第1の空気吸引孔群を通して吸引チャンバ内に吸引された空気とともに前記空気排出部より排出可能に構成するのがよい。
【0023】
これにより、シートガイド面の下流端に印刷胴に設けたシート掴持用爪通過用の段付切り欠きの存在により、案内隙間を流れる空気流に乱れが生じる恐れがある場合でも前記通気部に流れる空気を吸引させている為に、前記乱れの発生を阻止し、言い換えればシート後端側でのばたつきや紙あばれが抑制され、次段の印刷胴への受け渡しが円滑に行われる。
【0024】
又、請求項2記載の発明は、下方周面に案内隙間を介して円弧状のシートガイド面を形成した中間胴、排紙胴等の第1の印刷用胴と、該印刷用胴とシート受渡し部を介して近接配置した圧胴その他の第2の印刷用胴を具えてなる枚葉印刷機において、
前記円弧状シートガイド面のシート移送方向上流側の背面部位に1又は複数の空気供給チャンバと、又該空気供給チャンバと隣接するシート移送方向下流側の背面部位に空気吸引チャンバを設け、
前記上流側シートガイドに設けられた空気吹出口から空気供給チャンバに溜められた空気を噴出させて、前記シートを前記案内隙間内において浮上させてシートガイド下流側に通過せしめる第1の空気流制御手段と、
前記シートガイド下流側において、該下流側シートガイド面に開口する複数の第1の空気吸引孔群より前記空気吸引チャンバに吸引した後、該吸引チャンバに吸引された空気を前記シートガイド面と異なるチャンバ壁面よりチャンバ外に排出する第2の空気流制御手段を具え、
前記吸引チャンバ外に排出された排出空気の一部を吸引チャンバ内に戻し、下流側シートガイド面に開口する複数の第1の空気吸引孔群より前記空気吸引チャンバに吸引される空気吸引量の調整手段を設けたことを特徴とする。
これにより、シート移送方向下流側においてシートの搬送が阻害されるほど強い吸引にならずにシート端部のばたつきや紙あばれが抑制されつつ円滑な搬送が可能となる。
【0025】
又、請求項3記載の本発明のごとく、前記第2の空気流制御手段の排出路は、前記空気吸引チャンバと前記空気供給チャンバとを接続する空気循環路にて構成され、該空気循環路に設けた循環ポンプを介して循環可能に構成してもよい。
【0026】
かかる発明によれば、前記空気循環路を連続的に循環する空気が案内隙間を通流するので、空気の流れがスムーズになって乱流を生じ難くなり、シートが該案内隙間内を安定して移送されるとともに空気循環ポンプの共用化が出来、装置コストが低減される。
【0027】
この場合、請求項4記載の発明のように、前記循環ポンプの吐出空気流の一部を前記空気吸引チャンバ側に戻すように構成し、下流側シートガイド面に開口する複数の第1の空気吸引孔群より前記空気吸引チャンバに吸引される空気吸引量を調整可能に構成するのがよいことは前記したとおりである。
【0028】
又、請求項5記載の本発明のごとく前記シートガイド面上に形成した第1空気吸引孔群は、前記シートガイド面幅方向において、中央部側に位置する該空気吸引孔列より、シート幅方向両端側に進むに連れシート移送方向上流側若しくは下流側に向け、前記幅方向において位置をずらせて配置されてなるのがよい。
例えば、中央部側に位置する該空気吸引孔が、両端側に位置する空気吸引孔よりもシート移送方向上流側になるように位相を存して配置することにより、案内隙間を移送されるシートの後端部の中央部が先に前記空気吸引孔から外れ、最後に両端部が両端の空気吸引孔から外れるので、シートの両端部にばたつきや紙あばれを生じ易い薄紙等に好適である。
【0029】
逆に、両端側に位置する該空気吸引孔が、中央部側に位置する空気吸引孔よりもシート移送方向上流側になるように、前記幅方向において位相を存して配置されることにより、案内隙間を移送されるシートの後端部の両端部が先に前記空気吸引孔から外れ、最後に中央部が空気吸引孔から外れるので、シートの中央部にばたつきや紙あばれを生じ易い厚紙等に好適である。
【0030】
又、請求項6記載の本発明は、前記空気吸引チャンバを隔壁により前記シートガイドの幅方向に複数に分割し、前記分割された夫々の吸引チャンバ毎に吸引量が可変若しくは開閉可能になるように、吸引排出制御手段を設けたことを特徴とする。
かかる発明によれば、前記吸引排出制御手段を構成する開閉弁の開度を調整して、各吸引チャンバの幅方向の圧力(負圧)を夫々調整することにより、シートガイドの幅方向におけるシートの吸引力を調整することができ、幅方向におけるシートの姿勢制御が可能となり、シートを均一な姿勢で以って移送することができる。
【0031】
又、請求項7記載の発明は、前記シートガイド面の下流端に段付切り欠き等の複数の通気部が形成されている請求項1記載の枚葉印刷機のシートガイド装置において、
前記通気部に流れる空気を吸引させる第2の空気吸引孔を、第2の印刷胴周面と対峙する吸引チャンバ壁面に設け、前記第1の空気吸引孔を通して吸引チャンバ内に吸引された空気とともに前記空気排出部より排出可能に構成されてなることを特徴とする。
【0032】
かかる発明によれば、シートガイド下流端部近傍の空間内の空気は、第2の空気吸引孔を通して前記吸引チャンバ内に吸引されて、前記空間内に前記第2の空気吸引孔に向かう速度成分を持つ空気流が形成され、該空気流によるベルヌーイ効果により前記空間内に負圧が形成される。
【0033】
かかる負圧によりシートの端部がシートガイドの下流側表面に吸引され、これにより、案内隙間の最下流側においても、シート端部のばたつきや紙あばれが抑制される。
【0034】
又、請求項8記載の発明は、本発明の他の実施例として、前記シートガイド面の下流端に段付切り欠き等の複数の通気部が形成されている請求項1記載の枚葉印刷機のシートガイド装置において、
第2の印刷胴周面と対峙する吸引チャンバ下流側壁面に隣接させて、前記シートガイド端下方の第2の印刷用胴の回転周面に開口するフード部を設け、
前記吸引チャンバ下流側壁面に前記フード部に連通する第3の空気吸引孔を開口するとともに、該フード部底面に前記吸引排出口を設け、
前記通気部とともに第3の空気吸引孔を介して吸引チャンバ内空気をフード部より排出可能に構成したことを特徴とする。
【0035】
かかる発明によれば、前記受渡し部近傍の空気をフード部に集めて吸引しているので、空気の飛散が回避され、かかる空気飛散によるシート移送への悪影響も回避される為に、シートをスムーズに当該印刷用胴から次段の印刷用胴に受け渡すことが一層円滑に出来る。
【0036】
この場合も、請求項9記載のごとく、前記フード部材内の空気を、排出循環系路上に設けたポンプを介して前記空気供給チャンバとともに前記吸引チャンバへ戻入可能に構成するのがよいことは前記したとおりである。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0038】
図1は本発明の実施例に係る枚葉式印刷機のシートガイド装置1の第1実施例におけるシートガイド部の近傍の要部断面図、図2は図1のA矢視図である。
【0039】
本実施例は図9に示すように、中間胴27、及び排紙胴35(以下中間胴に総称する)の下部外周に沿って設けられたシートガイド面1dを含むシートガイド装置1に関するもので、特に本実施例では中間胴にスケルトン胴を用いているが、当然に円筒胴においても適用可能である。23は圧胴、21は該中間胴27と圧胴23との間の、特にシートガイド面1d下流端下方の空間である。
【0040】
シートガイド装置1は、前記中間胴27の下部外周と空気通流用の案内隙間15を存して円弧状に形成されているシートガイド面1dが上面に形成されており、該シートガイド面1dの背面側には、シート移送方向下流側を除き、1個または中央隔壁を挟んで幅方向左右に振り分けた複数の空気供給チャンバ2が形成されている。4は該空気供給チャンバ2形成部位と対応するシートガイド1d下流側を除く面上に複数個穿孔された空気吹出口であり、図2に示すように前記案内隙間15と前記空気供給チャンバ2とを連通して前記中間胴27の軸中央に位置する吹出口4cは、シート搬送方向と逆方向に上流側に向けて、又その両側に位置する吹出口4a、4bは中央吹出口4cを境にして互いに背を向け合い、前記中間胴27の両端側へ向かって開口するように散在して配列され、該空気吹出口4より開口方向に空気流を吐出してシートを所定位置に規制し、該シートの走行を安定させるようにしている。
【0041】
前記空気供給チャンバ2及び空気吹出口4の構成は従来技術と同様であるので、詳細な説明は省略するが、スケルトン型の中間胴27の爪29に咥えられた状態のシートガイド面上流側に位置するシート11下面側では、背面に空気供給チャンバ2を有するシートガイド面1dと中間胴27との間の案内隙間15に沿って、前記シートガイド面1dに沿う幅方向若しくは流側に向けて左右の空気吹出口4からシート下面に沿う方向へ空気が噴出されるために、シートの上下面における空気流の流速差によるベルヌーイ効果により、前記中間胴27周面に沿って搬送されるシート11が、シートガイド面1d側へ吸引かつ僅かに浮上せしめられながら移送される。尚、前記複数の空気吹出口4の配置及び開口方向は、図2や図11(B)の形態に限られることなく任意に設定できる。
【0042】
また、図2に示すように、該シートガイド装置1の、図1にS矢にて示されるシート移送方向の下流側端部には、該シートガイド面下流端が、紙を案内する機能上、圧胴23に隙間が少なくなる様に設置されている為に、構造的に幅方向に爪が通る為の複数の切り欠き部10が段付状に形成され、その凹部10bを通気部となす。(該切り欠き部10は等間隔でも不等間隔でもよい)。
【0043】
そして本実施例の前記シートガイド装置1にあっては、第1の空気供給チャンバ2の隔壁24より切り欠き部10の基端側間までのシートガイド面1d下流側の背面部に空気吸引チャンバ3を設け、具体的には空気吸引チャンバ3を前記空気供給チャンバ2の下流側部位に隔壁24を介して形成するとともに、該空気吸引チャンバ3の出口側壁面34を記中間胴27と圧胴23との間の空間21に臨む面に形成する。
【0044】
6は前記空気供給チャンバ2に接続される空気供給管、9は該空気供給管6に設けられた空気供給ポンプである。
8は前記シートガイド面1d下流側全域に多数散在配置され、前記吸引チャンバ3と連通して設けられた空気吸引孔群である。該空気吸引孔群8は、図2に示すように、シートガイド面1の案内隙間15に臨んで、ほぼその吸引チャンバ3形成位置全域に、前後左右に等間隔に配置されている。
【0045】
また、前記吸引チャンバ3は、前記中間胴27と次段の圧胴23との間の空間21に臨む壁部34に、前記空間21と前記吸引チャンバ3とを連通する第2の空気吸引孔28が開設されている。該空気吸引孔28は、図2に示すように、シートガイド1の幅方向に沿って複数個、より具体的には切り欠き部10の凹部10bに対応する位置に夫々設けられている。
【0046】
前記吸引チャンバ3の下部には吸引口05が開口され、該吸引口05には空気吸引ポンプ7を備えた空気吸引管5が接続されている。該吸引口05及び空気吸引管5はシートガイド1の幅方向に沿って複数個設けられ、かかる複数個の空気吸引管5を1本の空気吸引管に合流させ、この空気吸引管に前記空気吸引ポンプ7が1台設けられて、前記吸引チャンバ3の空気を吸引するようになっている。
【0047】
かかる構成からなる枚葉印刷機のシートガイド装置において、図9〜10に示すように、前記圧胴23(23a)から送り出されたシート11は前記スケルトン型の中間胴27(27a)の爪29に咥えられて該中間胴27と前記シートガイド1との間に形成された案内隙間15を通過する。
【0048】
一方前記シートガイド装置1のシート移送方向Sの上流側に配置された空気供給チャンバ2には、前記空気供給ポンプ9により所定圧力に加圧された空気が前記空気供給管6を経て供給されている。そして、該空気供給チャンバ2内に溜められた空気は、複数の空気吹出口4から前記案内隙間15内を通過しているシート1の下面側に噴出せしめられる。
【0049】
そして中間胴27の回転移送に従って該シート11は前記空気流によって減圧されているシートガイド1の表面1d側へ引き寄せられ、該表面1dと所定の隙間を保持して浮上しながら前記案内隙間15内を通過する。
【0050】
その後、前記のシートガイド面1d上流側を通過したシート11は、特にこれが薄紙の場合、その端部、特に後端が前記スケルトン型の中間胴27(27a)の爪29から外れると、該シート11の挙動が不安定となり、前記シートガイド1に設けられた切り欠き部10近傍の空間21内で、ばたつきや紙あばれを生じ易くなる。
【0051】
然るに、本実施例においては、前記案内隙間15のシート移送方向Sの下流側に、前記吸引チャンバ3に連通される空気吸引孔8が、該シートガイド1の全幅に亘って開設されるとともに、該吸引チャンバ3内は前記空気吸引ポンプ7の吸引によって負圧に保持されているため、前記案内隙間15の空気吸引孔8に対応する部位近傍も負圧となり、シート11は、多数の空気吸引孔8に連通されている前記案内隙間15のシート移送方向S下流側においてシートガイド1の表面1d側に吸引される。
【0052】
これにより、前記シート11は、案内隙間15のシート移送方向S下流側において、その端部が前記スケルトン型の中間胴27(27a)の爪29から外れても、前記空気吸引孔8を通しての吸引により負圧が形成されているため前記端部は確実にシートガイド1の表面1d側に吸引されることとなり、該シート11端部のばたつきや紙あばれが抑制される。
【0053】
また、前記シートガイド1d下流端に設けられた切り欠き部10の凹部10b近傍の空気は、該シートガイド1の前記空間21に臨む壁部に開設されている第2の空気吸引孔28を通して前記吸引チャンバ3内に吸引される。これにより、前記切り欠き10の凹部10b近傍には前記第2の空気吸引孔28に向かう速度成分を持つ空気流が形成され、該空気流によるベルヌーイ効果により切り欠き10部の凹部10b近傍1内に負圧が形成され、シート11の端部は前記シートガイド1の切り欠き端側に吸引される。これにより、前記案内隙間15の最下流側においても、シート11端部のばたつきや紙あばれが抑制される。
従って、前記シート11はスムーズに前記中間胴27から次段の圧胴23に受け渡される。
【0054】
図3は、本発明の第2実施例を示す図1対応図である。
図3に示される第2実施例においては、前記吸引チャンバ3の吸引口05に接続される空気吸引管5と、前記空気供給チャンバ2に接続される空気供給管6とを接続して空気循環路013を形成し、該空気循環路013に1台の空気循環ポンプ13を設けて、該空気循環ポンプ13により前記吸引チャンバ3内の空気を吸引してシートガイド面1d上流側に位置する1個または複数の空気供給チャンバ2内に送給するように構成されている。
【0055】
かかる実施例によれば、前記空気循環路013を連続的に循環する空気が前記案内隙間15を通流するので、空気の流れがスムーズになって乱流を生じ難くなり、シート11が該案内隙間15内を安定して移送される。また、1台の空気循環ポンプ13を設ければよいので、装置コストが低減される。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0056】
図4は、本発明の第3実施例を示す図2対応図である。
図4に示される第3実施例においては、前記シートガイド1に開設された前記空気吸引孔群8を、該シートガイド1の幅方向において、中央部側に位置する該空気吸引孔8aが、両端側に位置する空気吸引孔8b、8bよりもシート移送方向Sの上流側になるように、前記幅方向において連続的に位相を存して配置している。
【0057】
かかる実施例によれば、前記案内隙間15を移送されるシート11の後端部の中央部が先に前記空気吸引孔8aから外れ、最後に両端部が両端の空気吸引孔8b、8bから外れるので、シート11の両端部にばたつきや紙あばれを生じ易い薄紙に特に有効である。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0058】
図5は、本発明の第4実施例を示す図2対応図である。
図5に示される第4実施例においては、前記空気吸引孔8を、シートガイド1の幅方向において、両端側に位置する該空気吸引孔8d、8dが、中央部側に位置する空気吸引孔8cよりもシート移送方向Sの上流側になるように、前記幅方向において連続的に位相を存して配置している。
【0059】
かかる実施例によれば、前記案内隙間15を移送されるシート11の後端部の両端部が先に前記空気吸引孔8d、8dから外れ、最後に中央部が空気吸引孔8cから外れるので、シート11の中央部にばたつきや紙あばれを生じ易い腰の柔らかい紙や厚紙等に有効である。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0060】
図6は、本発明の第5実施例を示す図2対応図、図7は、図6のBーB線断面図である。
図6〜7に示される第5実施例においては、前記空気吸引チャンバ3をシートガイド装置1の幅方向において隔壁25により2つの吸引チャンバ3a、3bに分割している(3つ以上でもよい)。そして、各吸引チャンバ3a、3bの夫々に空気吸引管5a、5bを接続し、該空気吸引管5a、5bを合流させて空気吸引ポンプ7の吸引口に接続するとともに、各空気吸引管5a、5bにはこれを開閉若しくは開度制御する流量制御弁16、16を設けている。
【0061】
かかる実施例によれば、前記流量制御弁16、16の開度を変えることにより、前記シートガイド1の幅方向において分割された2つの吸引チャンバ3a、3b内の圧力(負圧)を調整することができる。
【0062】
従って、該吸引チャンバ3a、3b内の圧力を変えることにより、シートガイド1の幅方向におけるシート11の吸引力を調整することができ、これによって、
シートガイド1の幅方向におけるシート11の姿勢制御が可能となり、シート11を均一な姿勢で以って移送することができる。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0063】
図8は、第6実施例を示す図1対応図である。
図8に示す第6実施例においては、前記空気吸引チャンバ3の、前記シート移送方向Sの上流側寄りの底部に、開閉弁18aを備えた空気供給管6aを接続するとともに、前記吸引チャンバ3の、該空気供給管6a接続部よりもシート移送方向S下流側部位に位置する壁部022に空気排気孔22を開設している。
【0064】
そして前記壁部022に隣接させてシートガイド面1d下流端の切り欠き部10下方に、圧胴周面に開口させて断面コ状のフード19が設けられ。切り欠き部10よりの空気流を空間21を介して吸引可能に構成されている。該フード19は、シートガイドの全幅に亘って形成されて、前記圧胴23周面に開口させてその下方空間を覆っている。
【0065】
そして、前記フード19の底部には空気排出口31が設けられており、該空気吸引口31はシートガイド1の幅方向に沿って一定間隔で複数個設けられ幅方向に均等に吸引されるようになっている。そして該フード19の排出口31に空気吸引管20を介して前記フード19内の空気を吸引排出する空気循環ポンプ13を設け、該ポンプ13の吐出側を分岐して前記吸引チャンバ3への空気供給管6a及び前記空気供給チャンバ2a、2b…への空気供給管6b、6c…に夫々接続している。18b、18cは前記空気供給管6b、6cを夫々開閉する開閉弁である。
【0066】
かかる実施例によれば、前記空気供給管6aの開閉弁18aを開き空気循環ポンプ13を運転すると、図8の矢印にて示すように、前記空気循環ポンプ13から空気供給管6a、空気吸引チャンバ3、空気排出孔22、フード19及び空気吸引管20を経て空気循環ポンプ13に至る空気循環路が形成され、かかる空気循環路における空気流の吸引作用により前記切り欠き部10の通気部近傍の空気がフード19に吸引され、前記吸引チャンバ3からの空気と合流して前記空気循環ポンプ13に吸引される。
【0067】
又前記空気循環ポンプ13の吐出側は、分岐されて開閉弁18aを介して空気吸引チャンバ3と接続されているために、前記開閉弁18aの開閉制御により、前記空気吸引チャンバ3外に排出された排出空気の一部を吸引チャンバ3内に戻し、下流側シートガイド面1dに開口する空気吸引孔群8より前記空気吸引チャンバに吸引される空気吸引量が調整出来る。
これにより、シート移送方向下流側においてシートの搬送が阻害されるほど強い吸引にならずにシート端部のばたつきや紙あばれが抑制されつつ円滑な搬送が可能となる。
【0068】
従って、かかる実施例によれば、空気を、前記空気循環ポンプ13から吸引チャンバ3及びフード19を経て該空気循環ポンプ13に至る空気循環路を循環せしめ、この空気流によるエジェクタ作用により前記切り欠き10近傍の空気をフード19を介して吸引することにより、前記案内隙間15内は吸引チャンバ3に対応する部位から前記切り欠き部10の近傍までのシートガイド下流域全域において負圧が保持される。これにより、前記シート11の端部にばたつきや紙あばれを生ずることなく円滑に移送せしめることができる。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0069】
尚、前記実施例は中間胴27に設けられたシートガイド装置であるが、本発明は、排紙胴及び印刷胴に設けられたシートガイド装置にも適用でき、特に、スケルトン型の胴を用いて薄紙シートの印刷を行う場合において、前記シートの端部が前記スケルトン型の中間胴の爪から外れても、前記空気吸引孔を通しての吸引により負圧が形成されているため前記端部は確実にシートガイドの表面側に吸引されることとなり、該シート端部のばたつきや紙あばれが抑制される。
【0070】
従って、前記シートはスムーズに前記中間胴等の当該印刷用胴から次段の印刷用胴に受け渡されることとなって、薄紙シートでも安定的な移送が可能となり、厚紙に適したスケルトン型胴を用いても、薄紙シートを滑らかに移送することができ、印刷不良の発生が回避される。
【0071】
【発明の効果】
以上記載のごとく、本発明によって、印刷用のシートを、印刷用胴の外周と該印刷用胴の外周に沿って前記シートを案内するシートガイドとの間に形成された案内隙間に通し、該案内隙間内に空気を噴出させて、ベルヌーイ効果により前記シートを浮上させて通過せしめるように構成したことにより、前記案内隙間のシート移送方向下流部におけるシート端部のばたつきや紙あばれの発生を防止して、薄紙シートでも安定的な移送を可能として、厚紙に適したスケルトン型胴を用いて薄紙シートを滑らかに移送することができる枚葉印刷機のシートガイド装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る枚葉式印刷機のシートガイド装置の第1実施例におけるシートガイド部の近傍の要部断面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す図1対応図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す図2対応図である。
【図5】本発明の第4実施例を示す図2対応図である。
【図6】本発明の第5実施例を示す図2対応図である。
【図7】図6のB―B線断面図である。
【図8】第6実施例を示す図1対応図である。
【図9】本発明が適用される枚葉式印刷機の構成図である。
【図10】従来技術に係るスケルトン型の中間胴とその外周に沿って設置されたシートガイド装置周りの構成を示す正面断面図である。
【図11】(A)は図10のA―A矢視図で、(B)はシートガイド面の表面の構成を示す。
【符号の説明】
1 シートガイド
1d シートガイドの表面
2 空気供給チャンバ
3 吸引チャンバ
4 空気吹出口
5 空気吸引管
6 空気供給管
6a、6b、6c 空気供給管
7 空気吸引ポンプ
8 空気吸引孔
9 空気供給ポンプ
10 爪
11 シート
13 空気循環ポンプ
013 空気循環路
15 案内隙間
16 切換弁
18a、18b 開閉弁
19 フード
21 空間
22、28 空気吸引孔
25 隔壁
23a・・ 圧胴
27 中間胴(スケルトン中間胴)
Claims (9)
- 下方周面に案内隙間を介して円弧状のシートガイド面を形成した中間胴、排紙胴等の第1の印刷用胴と、該印刷用胴とシート受渡し部を介して近接配置した圧胴その他の第2の印刷用胴を具えるとともに、
前記シートガイド面の下流端に印刷胴に設けたシート掴持用爪通過用の段付切り欠き等の複数の通気部が形成されている枚葉印刷機のシートガイド装置において、
前記円弧状シートガイド面のシート移送方向上流側の背面部位に1又は複数の空気供給チャンバと、又該空気供給チャンバと隣接するシート移送方向下流側の背面部位に空気吸引チャンバを設け、
前記上流側シートガイドに設けられた空気吹出口から空気供給チャンバに溜められた空気を噴出させて、前記シートを前記案内隙間内において浮上させてシートガイド下流側に通過せしめる第1の空気流制御手段と、
前記シートガイド下流側において、該下流側シートガイド面に開口する複数の第1の空気吸引孔群より前記空気吸引チャンバに吸引した後、該吸引チャンバに吸引された空気を前記シートガイド面と異なるチャンバ壁面よりチャンバ外に排出する第2の空気流制御手段を具え、
前記シートガイド面の下流端下方に、第2の印刷胴周面と対峙する空間を介して、前記通気部に流れる空気を吸引させ、前記第1の空気吸引孔を通して吸引チャンバ内に吸引された空気とともに前記空気排出部より排出可能に構成されてなることを特徴とする枚葉印刷機のシートガイド装置。 - 下方周面に案内隙間を介して円弧状のシートガイド面を形成した中間胴、排紙胴等の第1の印刷用胴と、該印刷用胴とシート受渡し部を介して近接配置した圧胴その他の第2の印刷用胴を具えてなる枚葉印刷機において、
前記円弧状シートガイド面のシート移送方向上流側の背面部位に1又は複数の空気供給チャンバと、又該空気供給チャンバと隣接するシート移送方向下流側の背面部位に空気吸引チャンバを設け、
前記上流側シートガイドに設けられた空気吹出口から空気供給チャンバに溜められた空気を噴出させて、前記シートを前記案内隙間内において浮上させてシートガイド下流側に通過せしめる第1の空気流制御手段と、
前記シートガイド下流側において、該下流側シートガイド面に開口する複数の第1の空気吸引孔群より前記空気吸引チャンバに吸引した後、該吸引チャンバに吸引された空気を前記シートガイド面と異なるチャンバ壁面よりチャンバ外に排出する第2の空気流制御手段を具え、
前記吸引チャンバ外に排出された排出空気の一部を吸引チャンバ内に戻し、下流側シートガイド面に開口する複数の第1の空気吸引孔群より前記空気吸引チャンバに吸引される空気吸引量の調整手段を設けたことを特徴とする枚葉印刷機のシートガイド装置。 - 前記第2の空気流制御手段の排出路は、前記空気吸引チャンバと前記空気供給チャンバとを接続する空気循環路にて構成され、該空気循環路に設けた循環ポンプを介して循環可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の枚葉印刷機のシートガイド装置。
- 前記循環ポンプの吐出空気流の一部を前記空気吸引チャンバ側に戻すように構成し、下流側シートガイド面に開口する複数の第1の空気吸引孔群より前記空気吸引チャンバに吸引される空気吸引量を調整可能に構成した請求項3記載の枚葉印刷機のシートガイド装置。
- 下方周面に案内隙間を介して円弧状のシートガイド面を形成した中間胴、排紙胴等の第1の印刷用胴と、該印刷用胴とシート受渡し部を介して近接配置した圧胴その他の第2の印刷用胴を具えてなる枚葉印刷機において、
前記円弧状シートガイド面のシート移送方向上流側の背面部位に1又は複数の空気供給チャンバと、又該空気供給チャンバと隣接するシート移送方向下流側の背面部位に空気吸引チャンバを設け、
前記上流側シートガイドに設けられた空気吹出口から空気供給チャンバに溜められた空気を噴出させて、前記シートを前記案内隙間内において浮上させてシートガイド下流側に通過せしめる第1の空気流制御手段と、
前記シートガイド下流側において、該下流側シートガイド面に開口する複数の第1の空気吸引孔群より前記空気吸引チャンバに吸引した後、該吸引チャンバに吸引された空気を前記シートガイド面と異なるチャンバ壁面よりチャンバ外に排出する第2の空気流制御手段を具え、
前記シートガイド面上に形成した第1空気吸引孔群は、前記シートガイド面幅方向において、中央部側に位置する該空気吸引孔列より、シート幅方向両端側に進むに連れシート移送方向上流側若しくは下流側に向け、位置をずらせて配置されてなることを特徴とする枚葉印刷機のシートガイド装置。 - 下方周面に案内隙間を介して円弧状のシートガイド面を形成した中間胴、排紙胴等の第1の印刷用胴と、該印刷用胴とシート受渡し部を介して近接配置した圧胴その他の第2の印刷用胴を具えてなる枚葉印刷機において、
前記円弧状シートガイド面のシート移送方向上流側の背面部位に1又は複数の空気供給チャンバと、又該空気供給チャンバと隣接するシート移送方向下流側の背面部位に空気吸引チャンバを設け、
前記上流側シートガイドに設けられた空気吹出口から空気供給チャンバに溜められた空気を噴出させて、前記シートを前記案内隙間内において浮上させてシートガイド下流側に通過せしめる第1の空気流制御手段と、
前記シートガイド下流側において、該下流側シートガイド面に開口する複数の第1の空気吸引孔群より前記空気吸引チャンバに吸引した後、該吸引チャンバに吸引された空気を前記シートガイド面と異なるチャンバ壁面よりチャンバ外に排出する第2の空気流制御手段を具え、
前記空気吸引チャンバを隔壁により前記シートガイドの幅方向に複数に分割し、前記分割された夫々の吸引チャンバ毎に吸引量が可変若しくは開閉可能になるように、吸引排出制御手段を設けたことを特徴とする枚葉印刷機のシートガイド装置。 - 前記シートガイド面の下流端に段付切り欠き等の複数の通気部が形成されている請求項1記載の枚葉印刷機のシートガイド装置において、
前記通気部に流れる空気を吸引させる第2の空気吸引孔を、第2の印刷胴周面と対峙する吸引チャンバ壁面に設け、前記第1の空気吸引孔を通して吸引チャンバ内に吸引された空気とともに前記空気排出部より排出可能に構成されてなることを特徴とする枚葉印刷機のシートガイド装置。 - 前記シートガイド面の下流端に段付切り欠き等の複数の通気部が形成されている請求項1記載の枚葉印刷機のシートガイド装置において、
第2の印刷胴周面と対峙する吸引チャンバ下流側壁面に隣接させて、前記シートガイド端下方の第2の印刷用胴の回転周面に開口するフード部を設け、
前記吸引チャンバ下流側壁面に前記フード部に連通する第3の空気吸引孔を開口するとともに、該フード部底面に前記吸引排出口を設け、
前記通気部とともに第3の空気吸引孔を介して吸引チャンバ内空気をフード部より排出可能に構成したことを特徴とする枚葉印刷機のシートガイド装置。 - 前記フード部材内の空気を、排出循環系路上に設けたポンプを介して前記空気供給チャンバとともに前記吸引チャンバへ戻入可能に構成したことを特徴とする請求項8記載の枚葉印刷機のシートガイド装置。
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