JP3546175B2 - 枚葉印刷機のシートガイド装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用シートの搬送安定化を図る枚葉印刷機に係り、特に下方周面に案内隙間を介して円弧状のシートガイド面を形成した中間胴、排紙胴等の第1の印刷用胴と、該印刷用胴とシート受渡し部を介して近接配置した圧胴その他の第2の印刷用胴を具えてなる枚葉印刷機におけるシート挙動安定化に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インキ色の異なる複数組の印刷装置をタンデム状に並置した多色刷り枚葉印刷機は公知であり、図6に示すように該印刷機は主な構成要素として給紙装置39を具えたフィーダ部(A)、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの複数組の印刷装置(132a),(132b),(132c),(132d)がタンデム状に配置された印刷ユニット部(B)、及び排紙部04としてのデリバリ部(C)等にて構成されている。
【0003】
かかる構成の多色刷り枚葉式印刷機においては、前記給紙部39のテーブル141上に積み重ねられたシート11を吸い口を具えたサッカー部を利用して1枚ずつ分離され搬送コンベア120を介して送り出された後、スインググリッパ121aにより第1の印刷装置132aの第1中間胴121bへ受け渡され、さらにブランケット胴22aと圧胴23aとの間に送り込まれて第1色目の印刷が施こされる。
【0004】
第1色目の印刷が終了したシートは、前記ブランケット胴22aと圧胴23aとの間から搬出されて第2の印刷装置132bの中間胴27aに引き渡され、該中間胴27aから圧胴23bへ受け渡され、次工程の第2色目の印刷をブランケット胴22bと圧胴23bにて行う。
【0005】
以下順次各色毎の印刷が施こされ、最終段の印刷を行うブランケット胴22dと圧胴23dとの間から送り出されたシート11はデリバリ部Cの排紙胴35に引き渡され、続いて印刷終了後のシート11は排紙胴35からチェーンコンベア124へ引き渡されて排紙部04まで移送されて該排紙部04のテーブル40上に積み重ねられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、枚葉印刷機に於いて印刷を施す印刷シート11には0.04m/m位の薄紙から0.8m/m程度の厚紙が用いられており、又、ときには金属板や合成樹脂で形成された剛性の高いシートが用いられることもある。又各色毎の印刷装置132a…から次段の印刷装置132b…へのシート移送についてみると、一般的に薄紙は剛性が低くシートの後端にばたつきが発生し、又は厚紙や金属板等剛性の高いシートでは回転移送に伴う遠心力とシート自身の曲げに対する反力(復元力)によってシートの後端が圧胴23から離れると共に下方のシートガイド装置1′へ衝突する紙はねが発生する傾向がでる。
【0007】
前記紙のばたつきや紙はねは、印刷面の汚れやシートの折れ、傷を発生させることとなり、印刷品質を低下させる大きな要因となる。このため、前記中間胴27にはスケルトン胴、円筒状胴という代表的な2種類の形式があり、多用するシートの剛性によって最も適当とする形式のものが採用されるようになっている。図7(A)に例示したものは主として厚紙用シートに適用するスケルトン胴型の中間胴27であり、本形式のスケルトン胴27は印刷装置132の左右両幅端に配設され、軸心270を中心として回転する一対の回転体(アーム)271で構成され、片側アーム271の先端から軸反対側のアーム271の対応する先端へ掛け渡した軸272(図8(A)参照)上にそれぞれ複数組のくわえ爪29を並設している。前記スケルトン胴27はシート100を介して係合する圧胴23との接触面積を極力小さくした点に特徴を有するもので、回転移送するシート100はくわえ爪29に近接する点(P)から曲げ変形する事ができる。つまり前記近接する点(P)は作用点となりここからシート100後端迄の距離を長くとる事によってシート100の復帰しようとする反力を軽減させる機能を向上させている。
【0008】
この結果スケルトン型中間胴27の下方へ設けられ、該仮想回転円周線に沿って凹円弧状に延設させたシートガイド装置1′に対し後端が衝撃的に当たる紙はねをやわらげる事ができ、傷や折れ変形を少なくする事ができるようになっているが、逆に本形式のスケルトン胴27では移送するシート100の後端自由域が増大するため、薄紙の場合ではより大きなシートのバタツキを発生させる事になってしまう。
【0009】
これに対して図7(B)に例示したものは主として薄紙用シートに適用する円筒状型の中間胴27′である。本形式の円筒状胴27′は軸心270を中心として回転するロールで円周方向に於いて対応する2カ所へそれぞれ複数組のくわえ爪29を並設させている。
【0010】
円筒状胴27′はシート100を介して係合する圧胴23との接触面積を大きくした点に特徴を有するもので、回転移送するシート100はくわえ爪29の下流側を前記円筒状胴27′の外周面に沿って案内されるためシート100後端のバタツキを減少させる機能が高くなり、該機能によりシート後端側に発生するシワや紙のばたつきに起因するダブリ、傷入り等の不具合を少なくする事ができるが、一方、本形式の円筒状型の中間胴27′では逆に厚紙を移送する場合シートの自由域が減少するためより強い紙はねを発生させる事になってしまうというものである。
【0011】
従ってかかる枚葉式印刷機においては前記課題を解決するために、特に近年印刷品質の向上を図るとともに、前記スケルトン型の中間胴を前記薄紙においても用いる傾向があるが、このような場合薄紙でシートのバタツキの発生を抑制するために、中間胴27(27′)、及び排紙胴35(以下中間胴に総称する)の下部外周に沿って設けられたシートガイド面1dを含むシートガイド装置1について、中間胴27とシートガイド面1dとの間に形成された案内隙間に、所定圧力に加圧されて空気を複数の空気吹出口からシートガイド面1d表面に沿って前記案内隙間内を通過しているシート11の下面側に噴出せしめ、該噴出空気によるベルヌーイ効果により該シート11を浮上せしめるようにしたシートガイド装置が提案されている。
【0012】
かかるシートガイド装置の1つとして、特開平10−109404号の発明があり、かかる技術を図8に基づいて説明するに、爪29を備えたスケルトン型の中間胴27あるいは排紙胴35の外周に沿って設置されたシートガイド装置を空気ダクト06で構成し、該空気ダクト06の表面には複数の空気吹出口4a、4bを配設するとともに、該空気吹出口4a、4bは前記中間胴27あるいは排紙胴の中央を境にして互いに背を向け合い、前記中間胴27の両端側へ向かって開口するように散在して配列され、該空気吹出口4a、4bより開口方向に空気流を吐出してシートを所定位置に規制し、該シートの走行を安定させるようにしている。
【0013】
即ち、前記従来技術にあっては、厚紙に適したスケルトン型の中間胴27の爪29に咥えられたシート11下面側では、下面に空気ダクト06を有するシートガイド面1dと中間胴との間の案内隙間に沿って、前記空気吹出口4a、4bからシートガイドに沿う方向へ空気が噴出されるために、シートの上下面における空気流の流速差によるベルヌーイ効果により、前記中間胴27周面に沿って搬送されるシート11が、シートガイド面1d側へ吸引かつ僅かに浮上せしめられながら移送された後、次段の圧胴23に受け渡されるようになっている。
【0014】
しかしながら、かかる従来技術にあっても、案内隙間のシート移送方向下流部において、前記スケルトン型の中間胴の爪から外されたシートは、これを保持するものがなくなり、特に薄紙の場合には前記噴出空気の流速によるベルヌーイ効果のみではその端部を安定的に保持することができない。
【0015】
加えて、かかる従来技術にあっては、前記中間胴と圧胴との間のシートの受渡し部、つまり前記中間胴と圧胴とが近接している部位において(2段目以降の中間胴と圧胴との近接部においても同様)両胴の回転による空気の自転流(空気の引き摺りによる自転流)が該両胴の回転方向に発生し、特に下面周面にシートガイド部を有さない圧胴にあっては、図1に示す乱流境界層37が圧胴23上に発達する。
【0016】
前記空気の自転流が、中間胴27から繰り出されて圧胴23に受け渡されようとし、あるいは受け渡された後のシート11の端部に作用すると、該シート11の端部を安定的に保持することができなくなり、シート11に不規則な挙動を生起せしめ、紙あばれやシートのばたつき発生の要因となる。殊に前記中間胴27がスケルトン型の中間胴で、薄紙のシート11を用いる場合には、該シート11がスケルトン型の中間胴27から次ぎの圧胴23の爪へと受け渡され、回転位相が進むにつれ、圧胴23と中間胴27との隙間が大きくなり、シート11が該スケルトン型の中間胴の爪29(図3参照)から外れて自由状態となっている部位で前記のような紙あばれやばたつきが発生し易い。
【0017】
また円筒状の中間胴を用いた場合においては、シート端部を中間胴と次段の圧胴との間に保持して、前記のようなばたつきや紙あばれの発生をある程度抑制できるが、前記シートを2つの胴で挟み込むため、特にシートが剛性の強い厚紙の場合は、表面に傷がつき、印刷不良が発生し易い。
【0018】
かかる空気の自転流によるシート11の不規則な挙動の生起状況はシート11の紙厚によって変わるが、前記の特開平10−109404号の発明を含む従来技術にあっては、前記のようなシート11の不規則な挙動を特に紙厚別に抑制する手段は提供されておらず、特に近年のように1つの印刷機で厚紙と薄紙の両者を印刷すると、紙厚毎にスケルトン型と円筒状型に交換しなければならず、実際的にそのようなことは不可能である。
【0019】
本発明はかかる課題に鑑み、中間胴と次段の圧胴との間のようなシートの受渡し部における空気の自転流によるシート端部のばたつきや紙あばれの発生を防止して、薄紙シートでも安定的な移送を可能とし、特にスケルトン胴を中間胴に用いた場合でも薄紙シートにおける紙あばれやばたつきの発生がなく安定的且つ滑らかに移送することができる枚葉印刷機を提供することを目的とする。
【0020】
又本発明の他の目的は、中間胴にスケルトン胴を用いても、広範囲の厚さのシートを紙あばれやばたつきの発生がなく安定的な移送を可能とする枚葉印刷機を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、中間胴と圧胴等の2つの印刷胴間のシートの受渡し部に発生する空気の自転流によるシートの不規則な挙動を紙厚別に抑制する枚葉印刷機を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、請求項1記載の発明として、下方周面に案内隙間を介して円弧状のシートガイド面を形成した中間胴、排紙胴等の第1の印刷用胴と、該印刷用胴とシート受渡し部を介して近接配置した圧胴その他の第2の印刷用胴を具えてなる枚葉印刷機において、
上面に前記円弧状のシートガイド面が位置するシートガイド装置のシート移送方向下流側の背面部位に空気チャンバと、該空気チャンバ内の空気流を前記シート受渡し部下流側において、第2の印刷用胴の回転方向の逆向きに沿う方向に噴出せしめる空気噴出孔とを設けてなる事を特徴とする。
【0023】
この場合、請求項2記載のように、前記空気噴出口下流側に第2の印刷用胴の回転周面方向に沿って該第2の印刷用胴と空隙を介して対面するガイド面を形成するとともに、前記空気噴出孔から噴出された空気流が前記ガイド面に沿って流れながら該噴出空気が前記第2の印刷用胴の接線方向へガイドされるのがよい。
又、請求項3記載のごとく、前記ガイド面は、前記空気チャンバ出口壁面で構成することにより特別な壁面が不要になる。
【0024】
そして前記発明により、請求項4記載の発明において前記ガイド面の空気噴出方向下流側と第2の印刷用胴との間を徐々に縮幅化し、該ガイド面下流端側で生じるベンチュリー効果により搬送シート下面に負圧を生ぜしめるとともに該噴出空気の方向が、前記次段の印刷用胴の接線方向へ向いているために、次段の印刷用胴の回転により発生する表面近傍の自転流による速度を打ち消す方向(胴の反回転方向)の空気流を発生させることができる。
【0025】
これにより、前記自転流による速度が打ち消しあるいは低減され、かかる自転流によるシートのばたつきや紙あばれが阻止され、シートが薄紙でスケルトン型の印刷用胴を用いていても、該シートを円滑に移送することができる。
【0026】
又前記発明は、請求項5記載のように、前記空気噴出口下流側に第2の印刷用胴の回転周面方向に沿って流れた空気噴出流を吸引する吸引手段を設けるのがよく、特に請求項6記載のごとく前記吸引手段は、前記シート受渡し部下流側の第2の印刷用胴の回転周面覆うように前記シートガイド装置の幅方向に延設されたフード部材であるのがよい。
【0027】
かかる発明によれば、前記受渡し部近傍の空気をフード部に集めて吸引しているので、空気の飛散が回避され、かかる空気飛散によるシート移送への悪影響も回避される為に、シートをスムーズに当該印刷用胴から次段の印刷用胴に受け渡すことが一層円滑に出来る。
【0028】
又、請求項7記載のように、前記吸引手段の空気吸引量が、前記空気噴出口よりの空気噴出量より大であることにより、前記空気の飛散が一層回避されて好ましい。
又、請求項8記載のごとく、前記吸引手段により吸引された空気の少なくとも一部を前記空気チャンバに戻す空気循環路を形成することも有効である。
【0029】
これにより前記空気チャンバ、空気噴出孔、フード部より空気チャンバに戻る空気循環路が形成しているので、前記自転流による速度を打ち消すための空気は、前記空気循環路を一度加速された、連続的に循環する空気を使用することができ、格別な空気を必要とせず、空気を加速するエネルギーが節減できる。また、1台の空気ポンプを設ければよいので、装置コストが低減される。
【0030】
又、本発明は、前記発明に対応する前記2つの印刷用胴間の受渡し部の第2の印刷用胴の上方側より受渡し部に空気を噴射する第1の空気噴出手段と、
前記2つの印刷用胴間受渡し部の第2の印刷用胴の下方側で、第2の印刷用胴周面に沿って第2の印刷用胴のシート移送方向に対応する回転方向と逆方向に空気を噴射する第の空気噴出手段とを少なくとも具え、
前記シートガイド面から受渡し部に搬送される印刷用シートの紙厚に対応させて前記複数の空気噴出手段を選択的に使用するか、若しくは前記複数の空気噴出手段に供給する空気流量を絞り制御する空気流制御手段を具えるのがよく、
更には、請求項10記載のように、前記シートガイド装置の案内隙間にシートガイド装置に沿う方向に空気を噴出させて、前記シートをシートガイド面よりわずかに浮上させながら安定走行を図る第3の空気流供給手段をも具え、前記印刷用シートの紙厚に対応させて前記第3の空気流供給手段に供給する空気流量を絞り制御する空気流制御手段を具えるのがよい。
【0031】
そして請求項11記載の発明によれば、例えば前記シートガイド面から受渡し部に搬送される印刷用シートが厚紙である場合に、前記印刷用胴間の受渡し部上流側より受渡し部に空気を噴射する第1の空気噴出手段を選択し、
前記印刷用シートが薄紙である場合に前記印刷用胴間の受渡し部下流側の第2の印刷用胴周面方向に空気を噴射する第2の空気噴出手段を選択することにより、により中間胴にスケルトン型胴を用いても、広範囲の厚さのシートを紙あばれやばたつきの発生がなく安定的な移送を可能とする。
【0032】
前記空気流制御手段が、前記複数の空気噴出手段を選択的に使用する制御信号か、若しくは前記複数の空気噴出手段に供給する空気流量を絞り制御する制御信号とともに、前記紙厚に応じた印刷用胴の印刷圧プリセット信号を選択する制御装置であるのがよい。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を例示的に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構造部品の種類、材質、形状、相対位置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施例に係る枚葉式印刷機のシートガイド装置のシート受渡し部近傍の要部拡大断面図(図2のA−A線断面図)、図2はシート受渡し部近傍の斜視図である。
本実施例が適用される多色刷り枚葉式印刷機は前記従来技術の項で図6に基づいて説明したとおりであるのでその説明を省略する。
本実施例は、中間胴27、及び排紙胴35(以下中間胴に総称する)の下部外周に沿って設けられたシートガイド面1dを含むシートガイド装置1に関するもので、特に本実施例では中間胴にスケルトン胴を用いているが、当然に円筒胴においても適用可能である。23は圧胴、030は該中間胴27と圧胴23との間のシート11の受渡し部である。
シートガイド装置1は、前記中間胴27の下部外周と空気通流用の案内隙間15を存して円弧状に形成されているシートガイド面1dが上面に形成されており、該シートガイド面1dの背面側には、シート移送方向下流側を除き、そのほぼ全域に1個または中央隔壁を挟んで幅方向左右に振り分けて複数の空気供給チャンバ2が形成されている。4は該シートガイド1dに複数個穿孔された空気吹出口であり、前記案内隙間15と前記空気供給チャンバ2とを連通して前記中間胴27の軸中央を境にして互いに背を向け合い、前記中間胴27の両端側へ向かって開口するように散在して配列され、該空気吹出口4より開口方向に空気流を吐出してシートを所定位置に規制し、該シートの走行を安定させるようにしている。
即ち、スケルトン型の中間胴27の爪29に咥えられたシート11下面側では、下面に空気供給チャンバ2を有するシートガイド面1dと中間胴27との間の案内隙間15に沿って、前記シートガイド面1dに沿う幅方向若しくは斜め上流側に向けて左右の空気吹出口4からシート下面に沿う方向へ空気が噴出されるために、シートの上下面における空気流の流速差によるベルヌーイ効果により、前記中間胴27周面に沿って搬送されるシート11が、シートガイド面1d側へ吸引かつ僅かに浮上せしめられながら移送される。
尚、前記複数の空気吹出口4の配置及び開口方向は、図8(B)の形態に限られることなく任意に設定できる。
また、図2に示すように、該シートガイド装置1の、図1S矢にて示されるシート移送方向の下流側端部には、該シートガイド装置1が、紙を案内する機能上、圧胴23に隙間が少なくなる様に設置されてる場合、構造的に幅方向に爪が通る為の複数の切り欠き部10が段付状に形成されている(該切り欠き部10は等間隔でも不等間隔でもよい)。
そして本実施例の前記シートガイド装置1にあっては、第1の空気供給チャンバ2の隔壁より切り欠き部10の基端側間のガイド面1d出口側の背面部に第2の空気チャンバ30を設け、前記第1の空気供給チャンバ2のシート移送方向(図1のS矢)に対して下流側部位に隔壁34を介してその出口側に形成するとともに、前記中間胴27と圧胴23との間の受渡し部030近傍の空間21に臨む壁部、言い換えれば空気チャンバ30の出口側壁面34bを圧胴周面に徐々に近接するにガイド壁状に形成する。
また、前記出口壁面34bには、該出口壁面34bの下流端部近傍の空間より圧胴回転周面方向に沿って空気流を噴出させるスリット状の空気噴出孔22を開設している。
尚、前記空気噴出孔22は、図2に示すようにシートガイド装置1の幅方向に沿って複数個設けられている。
また、前記シートガイド装置1のシート移送方向Sの下流端部近傍、つまり前記シートガイド面1dに形成された切り欠き部10近傍の空間21の出口側下方には、該空間21出口開口より下側から覆うように、前記出口壁34bに設けた空気噴出孔22よりの空気噴出流を空間21の出口側に導いた後、これを吸引するバッファ的なフード19が設けられている。該フード19は、図2に示されるように、シートガイド装置1の全幅に亘って形成されて、前記空間21の出口側の圧胴周面に開口させてその下方空間を覆っている。
そして、前記フード19の底部には空気吸引口31が設けられており、該空気吸引口31はシートガイド装置1の幅方向に沿って一定間隔で複数個(この例では3個)設けられ幅方向に均等に吸引されるようになっている。
13は空気圧縮機からなる空気ポンプで、その吸い込み側は空気吸引管5aを介して前記フード19の空気吸引口31に接続されている。また、該空気ポンプ13の吐出口は空気供給管6bを介して前記第1の空気供給チャンバ2の空気入口32に、又分岐された空気供給管6aを介して前記第2の空気供給チャンバ30に夫々接続されている。
18a及び18bは、夫々前記空気供給管6a及び分岐空気供給管6bを開閉し、あるいは開度を調整する開閉弁である。
かかる構成からなる枚葉印刷機のシートガイド装置において、図6に示すように、前段側の圧胴23(23a)から送り出されたシート11は中間胴27(27a)の爪(図示省略)に咥えられて該中間胴27と前記シートガイド装置1との間に形成された案内隙間15を通過する。
一方前記シートガイド装置1のシート移送方向Sの上流側に配置された第1の空気供給チャンバ2には、前記空気ポンプ13により所定圧力に加圧された空気が前記空気供給管6bを経て供給されている。そして、該空気供給チャンバ2内に溜められた空気は、複数の空気吹出口4から前記シートガイド面1dに沿って案内隙間15内を通過しているシート11の下面側に噴出せしめられる。
そして前記複数の空気吹出口4から噴出される空気流は搬送されるシート11の上下面に速度差を生じさせ、前記中間胴27の回転移送によってシート11の端部がばたつきや紙あばれを生じ易い薄紙の場合には、該シート11は前記空気流によって減圧されているシートガイド装置1の表面1d側へ引き寄せられ、該表面1dと所定の隙間を保持して浮上しながら前記案内隙間15内を通過する。
また、剛性が高くシート11端部がシートガイド装置1表面1dに引きずる様に接触しながら移送される厚紙の場合には、シート11は噴出される空気の圧力によってシートガイド装置1の表面1dから案内隙間15に押し戻されることにより、該表面1dと所定の隙間を保持して浮上しながら前記案内隙間15内を通過する。
一方、前記中間胴27及び圧胴23は図1のS矢若しくはN矢方向に回転しており、空気の粘性で胴表面近傍の空気が引き摺られるため、胴上には回転速度に相当する胴表面速vを最大とし速度分布を持った空気流(乱流境界層37)ができる。
このため、前記案内隙間15内を浮上しながら通過するシート11が、前記受渡し部030近傍の空間に入ると、前記圧胴23上に形成される乱流境界層37が図2のシートガイド面1d出口端の、幅方向に櫛歯状に設けた切り欠き部10を通り抜けて該シート11の端部が煽りを受け、ばたつきや紙あばれの発生をみる。
特に前記シート11が薄紙で、スケルトン型の中間胴27の場合には、その端部が該スケルトン型の中間胴27(27a)の爪から外れ、次段の圧胴23へ搬送され回転が進むにつれ、圧胴と中間胴との隙間が大きくなり支えを失うのと、前記圧胴周面上の乱流境界層37の影響とで、該シート11が圧胴23へ沿わず挙動が不安定となり、ばたつきや紙あばれが生じ易くなる。
然るに、本実施例においては、シートガイド面1d下流側背面部に空気チャンバ30を形成し、この中間胴27と圧胴23との間の受渡し部030近傍の空間21に臨む出口壁部34bに幅方向に設けた空気噴出孔22から、前記圧胴の回転方向周面に向けて送出して、空間21よりフード19で覆われた圧胴23周面に沿って空気を高速で噴出せしめることにより、空間21出口端がスリット状ノズル構成となって、この噴出空気のエジェクタ作用によって該噴出空気により励起される流れを起こさせ、中間胴27と圧胴23との縮幅部の当該流れにより生じるベンチュリ効果若しくはエジェクタ効果により幅方向に櫛歯状に設けた切り欠き部10より空気流を吸引しながらシートガイド面1d出口端の切り欠き部10を通過するシート11下面に負圧を生じさせることが出来る。これにより、シート11に適度な張力を与え圧胴23上での安定な挙動が得られる。
さらに、当該噴出空気の方向が、自転流により圧胴23上に形成される乱流境界層37の速度分布を打ち消す方向(圧胴の接線方向)へ向いており、中間胴27からのシートの受渡し後の、圧胴23上でのシート11の挙動を安定化でき、シート11が薄紙でスケルトン型の中間胴27を用いていても、該シート11を円滑に移送することができる。
また、前記受渡し部030近傍の空気をフード19に集めて吸引しているので、空気の飛散が回避され、かかる空気飛散によるシート11移送への悪影響も回避され、前記シート11はスムーズに前記中間胴27から次段の圧胴23に受け渡される。
また、かかる実施例においては、前記のようにして、空気ポンプ13に吸引された空気は該空気ポンプ13の吐出口から空気供給管6bを通って前記空気供給チャンバ2に送られるとともに、空気供給管6aを通って前記空気チャンバ30に送られて、前記空気噴出孔22からの噴出に供される空気循環路が形成されることとなり、前記ベンチュリ効果を発生させる空気流の流れが一層円滑化して、圧胴23の回転による乱流境界層37の形成を阻止するとともに、空気循環路を連続的に循環する空気を使用するので格別な空気を必要とせず、空気消費が節減できる。また、1台の空気ポンプ13を設ければよいので、装置コストが低減される。
尚、前記実施例は中間胴27に設けられたシートガイド装置であるが、本発明は、第1中間胴に設けたシートガイド装置にも適用できる。
従って本実施例によれば、シートが薄紙でスケルトン型の印刷用胴を用いていても、該シートを円滑に移送することができる。
また、前記受渡し部近傍の空気をフード部に集めて吸引しているので、空気の飛散が回避され、かかる空気飛散によるシート移送への悪影響も回避される。
図3は、前記発明を利用した本発明の他の実施例に係る枚葉式印刷機の中間胴近傍におけるシート挙動制御に関する部分の全体構成図で前記実施例との差異を中心に説明するに、本実施例においては、統合した1つの空気ポンプ13を設け、これにて第1の空気供給チャンバ2、第2の空気供給チャンバ30及びフード19の空気の送給及び吸引を行っている。
即ち、フード19の底部の空気吸引口31に接続された空気吸引管5a及び空気吸引チャンバ3(図5参照)における空気吸引管5bが接続されている。かかる複数個の空気吸引管5a、5bを1本の空気吸引管に合流させ、この空気吸引管を空気ポンプ13の吸気口へ接続する。
41は空気噴射装置で、中間胴27とこれの下流側の次段の圧胴23bとの間の受渡し部030(最も縮幅化された位置)に近接し、かつ該受渡し部に向けて胴全幅に亘って空気をノズル噴射するように、前記受渡し部030の直上位置に設置されている。
44は空気供給調整弁で、入口側を空気ポンプ13の吐出側に接続するとともに、出口側を前記第2の空気供給チャンバ30の空気供給管6aに接続し、制御装置50よりの制御信号に基づき、前記空気チャンバ30への空気の供給、遮断を司るとともに、供給空気の空気圧を調整する。
45は前記第1の空気供給チャンバ2の空気供給調整弁で、入口側を空気ポンプ13の吐出側に接続するとともに、出口側を前記空気供給管6bに接続し、制御装置50及び空気供給調整弁操作部56(不図示)よりの制御信号に基づき、紙厚に応じて前記第1の空気供給チャンバ2への空気の供給量と、該供給空気の空気圧を調整する。
47は印圧プリセット装置で、前記シート11の印刷圧力をプリセットするもので、公知の装置である。
43は空気噴射切換弁で、空気噴射管043を介して前記空気噴射装置41に接続され、制御装置50よりの制御信号に基づき例えば厚紙の場合は開き、又薄紙の場合は閉じるように、切り替え制御される。空気ポンプ13の吐出口は前記空気供給調整弁44、前記空気供給調整弁45及び前記空気噴射切換弁43に夫々接続されている。
次に図5に基づいて前記空気供給チャンバ2と空気吸引チャンバ3の配置構成について説明する。
即ち、シートガイド面1d背面側の、出口側を除くほぼ全域に設けた第1の空気入口チャンバ2の幅方向両側には、隔壁を介して案内フィン1aと空気吸引チャンバ3が設けられている。
空気吸引チャンバ3は前記空気ポンプ13の吸引側に接続され、第1の空気入口チャンバ2は空気供給調整弁45及び空気供給管を介して空気ポンプ13の吐出側に接続されている。
次に図4に基づいて、本実施例の制御ブロック図を説明する。
46は紙厚設定器で、該紙厚設定器46は、印刷されるシート11の1枚の紙厚さを設定するもので、厚紙(紙厚さ1.2〜0.2mm程度)、中間厚さ紙(紙厚さ0.2〜0.12mm程度)、薄紙(紙厚さ0.12〜0.04mm程度)のように区分された紙厚さを制御装置50のシート制御選択部51に入力する。制御装置50に、前記紙厚設定器46から印刷されるシートの紙厚に基づいて、その出力を空気供給調整弁操作部54を介して空気供給調整弁44の開閉及び開度制御(薄紙の場合は開、厚紙の場合は閉、中間厚紙の場合は開度絞り等)、空気供給調整弁操作部56を介して前記空気供給調整弁45の開閉及び開度制御(薄紙より厚紙に向けて開度が拡がるように開度制御)、空気噴射切換弁操作部53を介して空気噴射切換弁43の開閉制御(薄紙の場合は閉、厚紙の場合は開、中間厚紙の場合はそのどちらか若しくは開度絞り等)及び、印圧プリセット装置操作部55を介して印圧プリセット装置47に夫々の制御信号を伝送し、これらの機器を制御操作せしめるものである。
52はシート制御設定部で、前記シート11の紙厚に対応する前記した弁開閉及び開度絞り量等の各種信号が紙厚別に設定されている。
即ち前記したようにシート制御設定部52においては、シート11の紙厚さが前記厚紙の範囲では前記空気噴射装置41が開で且つ空気供給調整弁45の開度が空気吸引管5bよりの吸引量より少なくなる程度に全開になるように開度制御、又薄紙の範囲では前記空気噴射装置41が閉で且つ空気供給調整弁44が開そして空気供給調整弁45の開度を絞る方向に開度制御、更に前記中間紙厚の範囲では前記空気噴射装置41と空気供給調整弁44を選択的にあるいは同時に作動せしめつつ前記空気供給調整弁45の開度を中程度に絞る方向に制御する弁制御信号と、該弁制御信号と合わせて前記紙厚に対応させて印圧プリセット装置47を連動させて作動せしめるような信号が格納されている。
シート制御選択部51は、前記紙厚設定器46から入力された印刷されるシート11の紙厚さと、前記シート制御設定部52に設定されたシート姿勢制御情報に基づいて入力されたシート11の紙厚さの範囲に対応する前記シート姿勢制御情報を選択するように構成されている。
次にかかる構成からなる枚葉印刷機の制御動作について説明する。
前記紙厚設定器46から入力された紙厚設定信号が印圧プリセット装置操作部55に入力されて紙厚に相当する適正印圧プリセット装置47を動作させる。
又前記シート制御選択部51においては、前記紙厚設定器46から入力された紙厚さが前記薄紙の範囲にある場合は、前記空気噴射装置41が閉で且つ空気供給調整弁44が開そして空気供給調整弁45の開度を絞る方向に開度制御される選択信号が送出され、かかる選択信号が空気噴射切換弁操作部53と空気供給調整弁操作部54及び空気供給調整弁操作部56に入力される。
これにより空気噴射切換弁操作部53は前記空気噴射切換弁43を閉じ、空気噴射装置41からの空気噴射を停止させるとともに、空気供給調整弁45の開度を絞る方向に開度制御されつつ空気供給調整弁44を開いて、次のようにしてシート11安定搬送作用をなさしめる。
即ち、前記前段側の圧胴23aから送り出されたシート11は前記スケルトン型の中間胴27の爪29に咥えられて該中間胴27と前記シートガイド装置1との間に形成された案内隙間15を通過する。
この際前記シートガイド装置1のシート移送方向Sの上流側に配置された空気供給チャンバ2には、前記空気供給調整弁45により絞られた空気流が供給され、複数の空気吹出口4から前記案内隙間15内を通過しているシート11の下面側に噴出せしめ、前記したように通過シート11の上下面に速度差を生じさせつつ該空気流によって生じるベルヌーイ効果によって、シート下面側とガイド表面1dとの間で所定の隙間を保持して浮上しながら前記案内隙間15内を通過する。
そして、前記案内隙間15内を通過した空気は、図5の矢印のように、前記案内フィン1aと空気吸引チャンバ3の外壁との間に形成された空気吸引路を通って前記空気吸引チャンバ3内に流入する。
この際において、前記案内隙間15の出口部に前記案内フィン1aを設けており又空気吸引チャンバ3の吸引量が空気供給チャンバ2内に供給される空気量より多くなるように空気供給調整弁45の開度制御を行っているために、該案内隙間15から流出する空気はシート11下面通過後の不要な空気の回収効率が向上し、また、シートガイド面1d上の空気層が空気吸引チャンバ3に確実に導引される。
その後前記シート11は、中間胴27aから次工程の第2色目の印刷をブランケット胴22bとともに行う圧胴23bへ受け渡されるが、その際案内隙間15のシート移送方向S下流側において、その端部が前記スケルトン型の中間胴27(27a)の爪29から外れる。
この際、図3に示すように、前記案内隙間15のシート移送方向Sの下流側に位置する前記空気供給チャンバ30内は前記空気ポンプ13から空気供給調整弁44を介して制御された圧縮空気が供給されているために、中間胴27と圧胴23との間の受渡し部030近傍の空間21に臨む出口壁部34bに幅方向に設けた空気噴出孔22から、空間21を介してフード19で覆われた圧胴23周面に沿って空気を高速で噴出せしめることが出来、前記実施例で説明したように中間胴27と圧胴23との縮部の当該流れにより生じるベンチュリ効果によりシートガイド面1d出口端の切り欠き部10を通過するシート11下面に負圧を生じさせることが出来る。
これにより、薄紙シート11に適度な張力を与え圧胴23上での安定な挙動が得られるとともに、該噴出空気の方向が、自転流により圧胴23上に形成される乱流境界層37の速度分布を打ち消す方向(圧胴の接線方向)へ向いており、中間胴27からのシートの受渡し後の、圧胴23上でのシート11の挙動を安定化でき、シート11が薄紙でスケルトン型の中間胴27を用いていても、該シート11を紙あばれやばたつきの発生を伴うことなく円滑に移送できる。
一方、シート制御選択部51において、前記紙厚設定器46から入力されたシート11厚さが前記厚紙の範囲にある場合は、厚紙の範囲では前記空気噴射装置41が開で且つ空気供給調整弁45の開度が空気吸引管5bよりの吸引量より少なくなる程度に全開になるように開度制御される。
この結果、前記前段側の圧胴23aから送り出されたシート11は前記スケルトン型の中間胴27の爪29に咥えられて該中間胴27と前記シートガイド装置1との間に形成された案内隙間15を通過する際前記シートガイド装置1のシート移送方向Sの上流側に配置された空気供給チャンバ2には、前記空気供給調整弁45により薄紙の場合より多くの空気流が供給される為に、言い換えれば剛性が高くシート11後端が紙はねを起こしてシートガイド装置1の表面1dに接触するような厚紙の場合においても相対的に高めに設定した空気圧力が供給される為に、該表面1dと適正隙間を保持して浮上しながら前記案内隙間15内を通過する事が出来る。そして、前記案内隙間15内を通過した空気は、図5の矢印のように、前記案内フィン1aと空気吸引チャンバ3の外壁との間に形成された空気吸引路を通って前記空気吸引チャンバ3内に流入し、シートガイド面1d上の空気層が空気吸引チャンバ3に確実に導引される。
又空気噴射切換弁43の開放により、空気ポンプ13からの吐出空気は該空気噴射切換弁43及び空気噴射管043を通って前記空気噴射装置41に導かれ、該空気噴射装置41において、前記中間胴27と次段の圧胴23との間の受渡し部に向けて噴射される。
これにより前記案内隙間15内を通過後の次段の圧胴23へのシート受渡し部030においては、両胴27、23の回転による空気の自転流が回転方向Nに発生しているが、この位置において前記空気噴射装置41から印刷用胴間の受渡し部近傍に噴射される加圧空気流により次段の圧胴23上でのシートの浮上を上部より押さえることにより、厚紙のシートの跳ね返り、あばれの発生を抑制できる。
次に中厚紙のシートの場合であっても、前記のように、空気噴射装置41から加圧空気を噴射し、この加圧空気流により前記空気の自転流の速度成分を打ち消し、該自転流によるシート11の端部の紙あばれの発生を抑制しているが、前記加圧空気が前記シート11の受渡し部近傍に飛散し、中厚シート11の場合には紙あばれやばたつきを引き起こす恐れがある。
このためかかる中厚紙の場合においては、空気噴射切換弁操作部53は前記空気噴射切換弁43を開き、前記のような空気噴射装置41からの加圧空気の噴射がなされるとともに、前記空気供給調整弁操作部54は空気供給調整弁44を開き前記第2の空気供給チャンバ30の吐出空気量を調整しながら、出口側壁面34bに設けた空気噴出孔22より噴出空気を噴出しながら、該中厚シート11端部のばたつきや紙あばれが抑制される。
尚、以上に示した実施例は中間胴27及び次段のと圧胴23との受渡し部におけるシート挙動制御を示しているが、第1中間胴にも同様に適用できる。
従って、本実施例によれば、1台の印刷機で以って紙厚別にシートガイド部の受渡し部に発生するシートの不規則な挙動を抑制することができ、広範囲の厚さのシートを、スケルトン型胴を用いても、紙あばれやばたつきの発生がなく安定的な移送を可能とする。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、中間胴と次段の圧胴との間のようなシートの受渡し部における空気の自転流によるシート端部のばたつきや紙あばれの発生を防止して、薄紙シートでも安定的な移送を可能とし、特にスケルトン胴を中間胴に用いた場合でも薄紙シートにおける紙あばれやばたつきの発生がなく安定的且つ滑らかに移送することができる枚葉印刷機を提供できる。
又本発明は、中間胴にスケルトン胴を用いても、広範囲の厚さのシートを紙あばれやばたつきの発生がなく安定的な移送を可能とする枚葉印刷機を提供できる。
更に本発明は、中間胴と圧胴等の2つの印刷胴間のシートの受渡し部に発生する空気の自転流によるシートの不規則な挙動を紙厚別に抑制する枚葉印刷機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る枚葉式印刷機のシートガイド装置のシート受渡し部近傍の要部拡大断面図(図2のA−A線断面図)である。
【図2】図1における シート受渡し部近傍の斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例に係る枚葉式印刷機の中間胴近傍におけるシート挙動制御に関する部分の全体構成図である。
【図4】図3の実施例における制御ブロック図である。
【図5】シートガイド装置の上流側の空気供給チャンバと空気吸引チャンバの断面と空気流の流れを示す概要図である。
【図6】本発明が適用される枚葉式印刷機の全体構成図である。
【図7】前記中間胴の種類を示し、(A)はスケルトン胴、(B)は円筒胴を示す。
【図8】は従来技術要部構成を示し、(A)はスケルトン型の中間胴とその外周に沿って設置されたシートガイド装置周りの構成を示す正面断面図、(B)はシートガイド面の表面の構成を示す。
【符号の説明】
1 シートガイド
1d シートガイドの表面
2 空気供給チャンバ
4 空気吹出口
6a、6b 空気供給管
10 切り欠き部
11 シート
13 空気ポンプ
15 案内隙間
18a、18b 開閉弁
19 フード
20 空気吸引管
21 空間
22 空気噴出孔
23 圧胴
27 中間胴
30 空気チャンバ
31 空気吸引口
32 空気入口
33 空気流
030 受け渡し部
37 乱流境界層(速度分布)

Claims (12)

  1. 下方周面に案内隙間を介して円弧状のシートガイド面を形成した中間胴等の第1の印刷用胴と、該第1の印刷用胴のシート移送方向の下流側に位置し且つ該第1の印刷用胴とシート受渡し部を介して近接配置した圧胴その他の第2の印刷用胴を具えてなる枚葉印刷機において、
    上面に前記円弧状のシートガイド面が位置するシートガイド装置のシート移送方向下流側の背面部位に空気チャンバと、該空気チャンバ内の空気流を前記シート受渡し部下側において、第2の印刷用胴のシート移送方向に対応する回転方向の逆向きに沿う方向に空気を噴出せしめる空気噴出孔とを設けてなる事を特徴とする枚葉印刷機。
  2. 前記空気噴出口下流側に第2の印刷用胴の回転周面方向に沿って該第2の印刷用胴と空隙を介して対面するガイド面を形成するとともに、前記空気噴出孔から噴出された空気流が前記ガイド面に沿って流れながら該噴出空気が前記第2の印刷用胴の接線方向へガイドされる事を特徴とする請求項1記載の枚葉印刷機。
  3. 前記ガイド面が空気チャンバ出口壁面である請求項2記載の枚葉印刷機。
  4. 前記ガイド面の空気噴出方向下流側と第2の印刷用胴との間を徐々に縮幅化し、該ガイド面下流端側で生じるベンチュリー効果により搬送シート下面に負圧を生ぜしめるとともに第2の印刷用胴の回転により発生する胴表面近傍の空気流を減速せしめたことを特徴とする請求項2記載の枚葉印刷機。
  5. 前記空気噴出口下流側に第2の印刷用胴の回転周面方向に沿って流れた空気噴出流を吸引する吸引手段を設けた請求項1記載の枚葉印刷機。
  6. 前記吸引手段は、前記シート受渡し部下流側の第2の印刷用胴の回転周面覆うように前記シートガイド装置の幅方向に延設されたフード部材である請求項5記載の枚葉印刷機。
  7. 前記吸引手段の空気吸引量が、前記空気噴出口よりの空気噴出量より大であることを特徴とする請求項5記載の枚葉印刷機。
  8. 前記吸引手段により吸引された空気の少なくとも一部を前記空気チャンバに戻す空気循環路を形成したことを特徴とする請求項5記載の枚葉印刷機。
  9. 下方周面に案内隙間を介して円弧状のシートガイド面を形成した中間胴等の第1の印刷用胴と、該第1の印刷用胴のシート移送方向の下流側に位置し且つ該第1の印刷用胴とシート受渡し部を介して近接配置した圧胴その他の第2の印刷用胴を具えてなる枚葉印刷機において、
    前記2つの印刷用胴間の受渡し部の第2の印刷用胴の上方側より受渡し部に空気を噴射する第1の空気噴出手段と、
    前記2つの印刷用胴間受渡し部の第2の印刷用胴の下方側で、第2の印刷用胴周面に沿って第2の印刷用胴のシート移送方向に対応する回転方向と逆方向に空気を噴射する第2の空気噴出手段とを少なくとも具え、
    前記シートガイド面から受渡し部に搬送される印刷用シートの紙厚に対応させて前記複数の空気噴出手段を選択的に使用するか、若しくは前記複数の空気噴出手段に供給する空気流量を絞り制御する空気流制御手段を具えたことを特徴とする枚葉印刷機。
  10. 記案内隙間にシートガイドに沿う方向に空気を噴出させて、前記シートをシートガイド面よりわずかに浮上させながら安定走行を図る第3の空気流供給手段を具え、
    前記印刷用シートの紙厚に対応させて前記第3の空気流供給手段に供給する空気流量を絞り制御する空気流制御手段を具えたことを特徴とする請求項9記載の枚葉印刷機。
  11. 前記シートガイド面から受渡し部に搬送される印刷用シートが厚紙である場合に、前記印刷用胴間の受渡し部上流側より受渡し部に空気を噴射する第1の空気噴出手段を選択し、
    前記印刷用シートが薄紙である場合に前記印刷用胴間の受渡し部下流側の第2の印刷用胴周面方向に空気を噴射する第2の空気噴出手段を選択することを特徴とする請求項9記載の枚葉印刷機。
  12. 前記空気流制御手段が、前記複数の空気噴出手段を選択的に使用する制御信号か、若しくは前記複数の空気噴出手段に供給する空気流量を絞り制御する制御信号とともに、前記紙厚に応じた印刷用胴の印刷圧プリセット信号を選択する制御装置であることを特徴とする請求項11記載の枚葉印刷機。
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