JP3564373B2 - 光計測システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、任意の波長における広いスペクトル幅を必要とする光計測システムに関し、特に高速且つ高分解能な測定を実現するための光計測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空間的高分解能な測定を実現するための光計測システムとして、光コヒーレントトモグラフィ−(OCT:Optical Coherence Tomography)装置に代表される任意の波長域における広いスペクトル幅を必要とする光計測システムが知られている。
【0003】
上記OCT装置としては、例えば図13に示すようなものがある。このOCT装置は、可干渉距離が短い光源1101から出射した光L1101をビームスプリッタ1102で物体光L1102と参照光L1103とに分割する。物体光L1102は、スキャナ1103を介して測定試料Sで反射されて物体光L1104とされ再びビームスプリッタ1102に入射される。また、参照光L1103は、周波数シフタ1104を介してモータ1106で位置決めされた参照光用ミラー1105で反射されて再びビームスプリッタ1102に入射される。
【0004】
物体光L1104と参照光L1103とは、ビームスプリッタ1102に入射されることで合成され、干渉光L1105として光検出器1107に入射される。光検出器1107では、物体光L1104と参照光L1103との干渉により光強度が変調された干渉光を検出して検出信号を生成する。検出信号は信号処理回路1108で例えばフィルタリング、A/D変換されて制御部1109に入力される。制御部1109では、入力された信号に基づいて、例えば測定試料Sの内部構造を示す画像を測定結果として生成する。また、制御部1109では、入力された信号やモータ1106からのフィードバック信号に基づいてモータ駆動回路1110を制御してモータ1106を駆動する。また、制御部1109では、測定試料Sの表面上で物体光L1102を走査させるようにスキャナ1103を制御する。
【0005】
このような構成のOCT装置1000では、測定試料SをZ方向又は参照用ミラー1105をX方向に移動させて、測定試料S又は参照用ミラー1105が移動した距離を求めることにより、測定試料Sの深さ方向における反射率分布を得る。これにより、OCT装置1000は、深さ方向における反射率分布を得ることで、測定試料Sの断層計測を行って測定試料Sの内部形状及び外部形状を測定することができる。このOCT装置1000では、例えば赤色〜近赤外の波長領域の光を用いることにより、生体内部の観測に用いることができる。
【0006】
また、従来のOCT装置1000において、可干渉距離の短い光源1101としてパルスレーザを出射したときには、参照用ミラー1105で反射するパルスのタイミングが合うことにより干渉が発生した成分を用いて測定試料Sの内部構造を観測することもできる。
【0007】
このようにOCT装置1000では、物体の内部構造、屈折率や厚さ等、空間的高分解能な測定を実現することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、OCT装置では、測定対象の表面形状や深さ方向の情報を得るために機械的な参照光の遅延距離を変調することを必要としたために、測定に多大な時間がかかるという不具合があった。
【0009】
すなわち、従来のOCT定装置1000では、通常、光源1101が単一であるために、参照用ミラー1105のX方向における位置を機械的に制御して干渉を制御しなければならなかった。ここで、参照用ミラー1105の動作速度には限界があり、従来のOCT定装置1000では、測定試料Sを測定するのに多大な時間を要することが多かった。
【0010】
更に、従来において、光周波数変調干渉法(Optical Frequency Domain Reflectometry:OFDR)と称される手法を適用したトモグラフィー装置が提案されているが、現実には使用するレーザの周波数を広範囲に掃引する必要があり、このときに機械的駆動が用いられている。
【0011】
そこで、本発明は、上述したような実情に鑑みて提案されたものであり、1台の周波数コム発生器を用いた簡単な構成で短時間に且つ安定に空間的高分解能な測定を行うことができる光計測システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光計測システムは、可干渉性を有する光を出射する光源と、第1の期間τ には第1の周波数f で第2の期間τ には第2の周波数f +Δfの変調信号を所定の繰り返し周期で生成する変調信号生成手段と、上記変調信号生成手段からの変調信号により上記光源からの入射光を変調して、入射光の周波数を中心周波数とし、上記第1の期間τ には第1の周波数f 間隔毎に側帯波を有し、第2の期間τ には第2の周波数f +Δf間隔毎に側帯波を有する計測光を生成する光周波数コム発生手段と、上記光周波数コム発生手段からの計測光を参照光と物体光に分離する光分離手段と、上記光分離手段により分離された参照光又は物体光の一方に所定時間の遅延を与える光遅延手段と、上記物体光の測定対象物による反射光又は透過光と上記参照光とを合成する光合成手段と、上記光合成手段により合成された上記参照光と物体光との干渉による光強度の変化を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る光計測システムは、可干渉性を有する光を出射する光源と、第1の期間τ には第1の周波数f で第2の期間τ には第2の周波数f +Δfの変調信号を所定の繰り返し周期で生成する変調信号生成手段と、上記変調信号生成手段からの変調信号により上記光源からの入射光を変調して、入射光の周波数を中心周波数とし、上記第1の期間τ には第1の周波数f 間隔毎に側帯波を有し、第2の期間τ には第2の周波数f +Δf間隔毎に側帯波を有する計測光を生成する光周波数コム発生手段と、上記光周波数コム発生手段からの計測光を参照光と物体光に分離する光分離手段と、上記光分離手段により分離された参照光又は物体光の一方にに所定時間の遅延を与える光遅延手段と、上記光分離手段により分離された物体光の照射位置を測定対象物上で走査する走査手段と、上記測定対象物により反射された物体光と上記参照光とを合成する光合成手段と、上記光合成手段により合成された上記参照光と物体光との干渉による光強度の変化を検出する検出手段と、上記検出手段からの干渉検出結果に基づいて、測定対象物の形状情報を検出する形状検出手段と、上記走査手段で走査されることで、上記形状検出手段で生成された複数の形状情報を用いて、測定対象物の形状を示す画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
本発明に係る光計測システムでは、例えば図1に示すように原理的に1個の光周波数コム発生器(Optical Frequency Comb Generator)を用いて、光コヒーレントトモグラフィ−(OCT:Optical Coherence Tomography)装置10を構成する。
【0016】
このOCT装置10は、その原理的な構成を図1に示すように、可干渉性を有する光L を出射する光源であるレーザ光源11と、このレーザ光源11からレーザ光L が入射される光周波数コム発生器12と、この光周波数コム発生器12に与える変調信号SMOD を発生する変調信号発生器13と、参照光LREF と物体光LOBの分離・合成を行う光分離・合成器14と、上記光分離・合成器14により分離された参照光LREF に所定時間τの遅延を与える光遅延路15と、上記光分離・合成器14により合成された参照光LREF と物体光LOBとの干渉による光強度の変化を検出する光検出器16とからなる。
このOCT装置10において、レーザ光源11は、可干渉性を有し所定の周波数のレーザ光L を発生する。このレーザ光源11により発生されたレーザ光L は、光周波数コム発生器12に入射される。
【0017】
光周波数コム発生器12は、上記レーザ光源11により発生されたレーザ光Lを変調信号発生器13により与えられる変調信号SMOD で変調することにより、上記レーザ光L の周波数を中心周波数とし、上記変調信号SMOD の周波数間隔毎に側帯波(サイドバンド)を有する計測光LMES を生成する。この光周波数コム発生器12は、例えばEOM(電気光学変調器)と当該EOMを挟むように対向して配設された反射鏡とからなり、EOMと反射鏡で光発振器を構成してなる。
【0018】
変調信号発生器13は、第1の期間τ には第1の周波数f で第2の期間τ には第2の周波数f +Δfの変調信号SMOD を所定の繰り返し周期で発生する。ここではτ =τ =τとし、2τの繰り返し周期で第1の周波数f と第2の周波数f +Δfの変調信号SMOD を上記変調信号発生器13は発生するものとする。
【0019】
この変調信号発生器13により発生された変調信号SMOD が与えられる上記光周波数コム発生器12では、第1の周波数f の変調信号SMOD が与えられる第1の期間τ には、レーザ光L の周波数を中心周波数νとして、第1の周波数f の等周波数間隔で側帯波を発生させ、中心周波数νからkf (k=−m,−m+1,−m+2,・・・,0,1,2,・・・,n)の周波数成分の側帯波を有する計測光LMES を生成し、また、第2の周波数f +Δfの変調信号SMOD が与えられる第2の期間τ には、レーザ光L の周波数を中心周波数νとして、第2の周波数f +Δfの等周波数間隔で側帯波を発生させ、中心周波数νからk(f +Δf)(k=−m,−m+1,−m+2,・・・,0,1,2,・・・,n)の周波数成分の側帯波を有する計測光LMES を生成する。この光周波数コム発生器12により生成された計測光LMES は、光分離・合成器14に入射される。
【0020】
光分離・合成器14は、例えばハーフミラーにより構成され、上記光周波数コム発生器12により生成された計測光LMES を参照光LREF と物体光LOBに分離する。この光分離・合成器14により分離された参照光LREF は、光遅延路15により所定時間の遅延を与えられて、当該光分離・合成器14に再度入射される。また、この光分離・合成器14により分離された物体光LOBは、測定対象物OBに照射され、その反射光が当該光分離・合成器14に再度入射される。そして、この光分離・合成器14は、上記光遅延路15により所定時間の遅延を与えられた参照光LREF と測定対象物OBで反射された物体光LOBを合成した干渉光LDET を光検出器16に出射する。
【0021】
ここで、上記光遅延路15は、上記変調信号発生器13で発生される変調信号SMOD の繰り返し周期2τの半分の時間に等しいτ時間の遅延を上記光分離・合成器14により分離された参照光LREF に与える。この光遅延路15は、例えば終端が全反射ミラー15Bとされ片道でτ/2時間の遅延量を与える長さの光ファイバー15Aにより構成される。
【0022】
このような構成の光計測システムでは、上記変調信号発生器13で発生される変調信号SMOD の繰り返し周期2τの半分の時間に等しいτ時間の遅延を上記光分離・合成器14により分離された参照光LREF に与えることにより、上記光分離・合成器14において、物体光LOBが第1の周波数f で変調されている第1の期間τ には、上記第1の周波数f で変調された物体光LOBが第2の周波数f +Δfで変調された参照光LREF と合成され、また、物体光LOBが第2の周波数f +Δfで変調されている第2の期間τ には、上記第2の周波数f +Δfで変調された物体光LOBが第1の周波数f で変調された参照光LREF と合成されることになる。
【0023】
ここではτ =τ =τとし、2τの繰り返し周期で第1の周波数f と第2の周波数f +Δfの変調信号SMOD を上記変調信号発生器13は発生するものとし、上記変調信号発生器13で発生される変調信号SMOD の繰り返し周期2τの半分の時間に等しいτ時間の遅延を上記光分離・合成器14により分離された参照光LREF に与えることにより、図2に示すように、上記光分離・合成器14において、上記第1の期間τ 及び第2の期間τ の全期間で変調周波数がΔfだけ異なる物体光LOBと参照光LREF とを合成した干渉光LDET を得ることができる。なお、上記光検出器16による第1の期間τ における干渉光LDET の検出出力と第2の期間τ における干渉光LDET の検出出力は、それぞれ互いの時間反転信号となる。また、上記参照光LREF に与える遅延はτ時間でなくても、物体光LOBと参照光LREF の変調周波数がΔfだけ異なる条件を満たしている期間に光LDET を得ることができる。
【0024】
なお、2個の光周波数コム発生器を用いて、変調周波数がΔfだけ異なる物体光LOBと参照光LREF とを個別に発生することも可能であるが、各光周波数コム発生器の温度特性などを厳密に管理するなどの必要があるに対し、本願発明では、このように1個の光周波数コム発生器により生成される計測光LMES を参照光LREF と物体光LOBに分離して用いることによって、1台の周波数コム発生器を用いた簡単な構成で短時間に且つ安定に測定を行うことが可能な光計測システムを実現することができる。
【0025】
ここでOCTの原理によれば分解能は使用する光源のスペクトル幅で決まる。これは光周波数コムの場合も同じであり、光周波数コムのスペクトルを広げることで分解能が改善される。そこで、本発明では、上記光周波数コム発生器12により生成された計測光LMES を図3に示すように光アンプ17で非線形性を発生する程度まで増幅し、SCファイバー18を介して上記光分離・合成器14に入射させるようにする。SCファイバー18とはスーパーコンティニュームファイバの略で例えば分散の小さい自己位相変調を引き起こしやすいファイバである。これにより時間軸の関数ではパルスであるコムは自己位相変調により、スペクトルは拡大し、分解能は高まる。
【0026】
ただし、この場合参照光LREF が遅延して光検出器16に入る間に分散性媒質を通らないことが必要であり、光ファイバー等で遅延を行つた場合には補償する必要がある。この解決方法には2つの方法がある。一つの方法は分散補償可能なデバイス、例えば分散補償ファイバーを用いて補償を行う。もう一つの方法は信号処理の過程で、例えばデジタル信号処理又はアナログ信号処理によって補償を行う。次に説明するOCT装置の実施例ではこの両者の方法を共に含んでいるが、片方の方法だけでもよい。
【0027】
図4は、本発明を適用したOCT装置100の実施例を示している。
【0028】
このOCT装置100は、計測光生成部110、計測光注入部120、測定部130、信号処理部140及び制御部150からなる。
【0029】
上記計測光生成部110は、可干渉性を有する光を出射する光源であるレーザ光源111と、このレーザ光源111からレーザ光L が入射される光周波数コム発生器112と、この光周波数コム発生器112に変調信号を与える変調信号発生部113とからなる。
【0030】
レーザ光源111は、単一モードCWレーザであり温度制御等で安定化されている。光周波数コム発生器112は、ファイバー入力、ファイバー出力となっており、位相変調器を2枚の鏡で構成される光共振器の中に入れることで構成されている。この光周波数コム発生器112には、光共振器の自由スペクトル域の整数倍の周波数f を有する変調信号SMOD が変調信号発生部113により与えられる。
【0031】
この光周波数コム発生器112は、レーザ光源111からのレーザ光L を上記変調信号SMOD で変調することによって計測光LMES として光周波数コムを生成するが、変調周波数が少し変動しても光周波数コムすなわち計測光LMES の出力が可能である。なお、計測光生成部110は、光周波数コム発生器でなくても、結果として光周波数コムと同等なキャリア周波数と繰り返し周波数を同等に制御できる同様な出力特性を持つ光源であれば、それを用いるようにしてもよい。
【0032】
上記変調信号発生部113は、周波数がf のマイクロ波信号を発振するマイクロ波発振器113Aと、このマイクロ波発振器113Aの発振出力を位相変調する位相シフタ113Bと、この位相シフタ113Bに位相制御信号を与える位相制御信号発生器113Cからなる。
【0033】
位相制御信号発生器113Cは、制御部150のシステムコントローラ151により制御され、例えば図5の(A)に示すように、位相の最大値と最小値の差がφ を中心として△φp−p の幅の鋸歯状波状に上記マイクロ波信号の位相を変化させる位相制御信号を上記位相シフタ113Bに与える。上記位相シフタ113Bを介して光周波数コム発生器112に入力される変調信号は、図5の(B)に示すように周波数f を中心に±△φp−p /2πτの周波数変調された変調信号SMOD となる。
【0034】
なお、上記制御部150のシステムコントローラ151は、上記鋸歯状波状の位相制御信号の傾きが正から負へ、又は負から正へ変化するタイミングを用いて干渉信号をデータとして取り込む時のトリガーとする。
【0035】
これにより、後述するように物体光LOBと参照光LREF がτの時間差を持って光検出器135に到達したとすると、その時点では図5(C)に示すように相対的に周波数差は△φp−p に比例し、△φp−p /(πτ)[Hz]になる。ここで図1と比較すると△φp−p /(πτ)が△fに対応しf −△φp−p /(2πτ)がf に対応している。
【0036】
干渉信号SDET が連続的に測定できる深さは、鋸歯状波によって変動する位相の大きさに比例し、本装置では最大c△φp−p /(2nsampleπf )の深さまで連続的に観測できる。これは例えば図5に示す時刻Aから時刻Bの時間まで測定したとした時の観測できる範囲である。ここでcは光速、nsampleは対象の屈折率である。例えば△φp−p =π、f =6GHz、nsample=1.5である場合1.7cmの深さまで干渉信号SDET が測定できる。図5(C)に示す信号例のように時刻Bから時刻Cの時間では時刻Aから時刻Bまで測定したとした時の信号の時間反転の信号が得られる。
【0037】
従来の方法のマイケルソン干渉計でミラーを動かす方法のミラー速度に対応する速度量vは、v=c△φp−p /(2πf τ)となる。ここで例えばf =6GHz、△φp−p =π、τ=5μsとすると、v=5000m/sとなり、音速の15倍以上の超高速が実現できる。
【0038】
次に、上記計測光生成部110により生成された計測光LMES を測定部130に入射させる計測光注入部120は、上記計測光LMES を非線形性を発生する程度まで増幅する光アンプ121を備える。そして、この光アンプ121により増幅された計測光LMES がスーパーコンティニューム(SC)ファイバー122に入射される。このSCファイバー122は、内部で自己位相変調により計測光LMES すなわち光周波数コムのスペクトルを拡大する。これによって分解能が拡大する。従来同様な方法でスペクトル拡大を行った方法ではスペクトル幅は30THzに達しており、分解能を光速/(2nsampleスペクトル幅)とすると分解能は3μm以下となり、高分解能が得られることが分かる。上記SCファイバー122によりスペクトル拡大し、分解能が高められた計測光LMES は、その後の行程で自己位相変調が起こらないように、分散の大きい光ファイバー123を介してピーク強度を下げて、測定部130の光分離・合成器131に入射される。
【0039】
上記測定部130の光分離・合成器131では、上記計測光生成部110により生成された計測光LMES を分岐させて一方を参照光LREF として光遅延路132に入射させ、他方を物体光LOBとして分散補償ファイバー133からスキャナ134を介して測定対象物OBに照射する。
【0040】
上記光遅延路132は、分散補償ファイバー132A、遅延ファイバー132B、周波数シフタ132C及びミラー132Dからなる。この光遅延路132に入射された参照光LREF は、分散補償ファイバー132A、遅延ファイバー132B及び周波数シフタ132Cを通過してミラー132Dにより反射され、再び周波数シフタ132C、遅延ファイバー132B及び分散補償ファイバー132Aを介して上記光分離・合成器131に入射される。周波数シフタ132Cは、参照光LREF の周波数を往復でf だけシフトさせる。これによりドップラーシフトと等価の周波数シフトを参照光LREF に発生させる。このように、周波数シフタ132Cにより参照光LREF をf で変調しておくことにより、後述するように干渉信号SDET を交流信号として検出して位相情報を得ることができ、また、f ±m△fの周波数成分を識別することができる。
【0041】
また、上記光分離・合成器131により分離された物体光LOBは、分散補償ファイバー133からスキャナ134を介して測定対象物OBに照射された物体光LOBは、スキャナ134及び分散補償ファイバー133を介して上記光分離・合成器131に入射される。
【0042】
ここで、上記光遅延路132により参照光LREF に与えられる遅延時間は、上記光分離・合成器131により分離された物体光LOBが測定対象物OBに反射されて当該光分離・合成器131に戻ってくるのに要する遅延時間に比べてτだけ大きくなるように各ファイバの長さが設定されている。なお、分散補償ファイバー132A,133は、遅延ファイバー132Bの特性、あるいは信号処理系の構成により、
1:必要がない、
2:どちらかが必要、
3:両方が必要
となる場合があるが遅延ファイバー132Bの分散を補償するように分散と長さが設定され、干渉信号への影響を最小にするようにする。
【0043】
ここで、分散補償ファイバー132A,133は参照光LREF が経験する経路上の分散と、物体光LOBが経験する経路上の分散が異なる場合にそれを等価にするは働きをする。例えば遅延ファイバー132Bが正の分散の場合では、例えば分散補償ファイバ132Aに負の分散の光ファイバーを用い、例えば高次の分散を分散補償ファイバ133を用いて補償する。これによって遅延ファイバー132Bによる分散の干渉信号に対する影響を低減し分解能の劣化を低減することが可能である。
【0044】
例えば、遅延ファイバー132Bの長さ、屈折率、1次及び2次の群速度分散をそれぞれL 、n 、k2C及びk3Cとし、また、分散補償ファイバ132Aの長さ、屈折率、1次及び2次の群速度分散をそれぞれL 、n 、k2D及びk3Dとし、さらに、分散補償ファイバ133の長さ、屈折率、1次及び2次の群速度分散をそれぞれL 、n 、k2E及びk3Eとすると、
遅延時間τを得る条件
τ=2(L +L −L )/C
1次の群速度分散を補償する条件
0=L2C+L2D−L2E
2次の群速度分散を補償する条件
0=L3C+L3D−L3E
の3連の連立方程式をときL 、L 及びL をそれぞれ決定すれば良い。より高次の分散を補償することも可能である。またここでは光ファイバーを用いた例を示したが、ブラックリフレクター等を用いて分散を補償したり、プリズムペアなどを用いて空間的に分散を補償してもよい。
【0045】
また、スキャナ134は、測定部130の光分離・合成器131から分散補償ファイバ133を介して物体光LOBが入射される。このスキャナ134は、制御部150のスキャナ制御信号発生器152により与えられるスキャナ制御信号に従って測定対象物OBの表面で物体光LOBを走査する。また、スキャナ134は、測定対象物OBの内部で反射した物体光LOBが入射され、この物体光LOBを分散補償ファイバ133を介して測定部130の光分離・合成器131に戻す。
【0046】
上記スキャナ134は、例えば図6に示すように、上記分散補償ファイバ133からファイバコリメーター134Aを介して入射されレンズ134Dを介して測定対象物OBに照射する物体光LOBについて、第1のポリゴンミラー134Bにより図の紙面垂直方向のスキャンを行い、さらに、第2のポリゴンミラー134Cにより図の紙面と平行方向のスキャンを行う。また、スキャナ134は、例えば図7に示すように、第1及び第2のポリゴンミラー134B,134Cに代えて、音響光学素子134Fを用いて紙面と垂直方向及び平行方向のスキャンを行うようにしても良い。音響光学素子134Fを用いてスキャンする場合には、音響光学素子が光の周波数シフトを起こすことがある。その場合、スキャナ134による周波数シフトの効果を干渉信号から除く必要がある。例えば信号処理部140でスキャナ134による周波数シフトの効果は制御部150の信号より推定し、干渉信号より除去する。また、図7に示すように、別の周波数シフト補正用音響光学素子134Eで、ハードウエア上で周波数シフト補正用のAOMを用いて周波数シフトをなくしても良い。
【0047】
以上説明では、深さ方向のスキャンを電気的に行っているが、物体の左右方向のスキャンは機械的、音響光学的に行っている。そのため、最終的なOCT装置の動作速度はこのスキャン速度で決まる。このようなスキャナ134を使用せずにOCT装置を構成することもできる。
【0048】
すなわち、図8に示すように、計測光注入部120から光ファイバー123を介して測定部130の光分離・合成器131に入射される計測光LMES を上記光ファイバー123から空間伝搬させコリメータレンズ136Aにより平行光にして上記光分離・合成器131に入射させるようにする。ここで、計測光LMES を平行光にするコリメータレンズ136Aは適当な焦点距離を選び、物体光LOBを対象物OB全体に照射するようにする。一方参照光LREF は、同様に拡大した平行ビームとされ、コリメータレンズ136Bを介して光遅延路132に入射される。光分離・合成器131では、測定対象物OBから反射した物体光LOBのうち、同じ経路で戻ってきた光に対し参照光LREF と干渉するように設置したハーフミラーにより物体光LOBを参照光LREF と合成することにより干渉光LDET を生成する。そして、干渉光LDET を光検出器アレー135Aで検出する。
【0049】
この時例えば点Pと点P’の経路で測定対象物OBに照射され、反射してきた物体光LOBは光検出器アレイ135A上の違う点で参照光LREF とそれぞれ干渉し干渉光LDET を発生する。その光検出器アレイ135A上の異なる2点では異なる光検出素子が存在し、それぞれ独立に干渉信号SDET を得ることができる。この光検出器アレイ135Aのそれぞれの時間波形を、例えば図5の時刻Aから時刻Bまでの信号を同時に記録しておく。光検出器アレイ135Aのそれぞれの光検出器では、測定対象物OBのそれぞれの点で反射された物体光LOBと参照光LREF との干渉光LDET を検出して、それぞれ独立に干渉信号SDET を得ることができ、これより測定対象物OBの内部情報が得られる。
【0050】
したがってこの方法を用いると、対象にビームスキャンを行わなくても同時に測定対象物OBの2次元方向の情報を得ることができる。また参照光LREF と物体光LOBに光周波数コムを用いることにより、高速に深さ方向の情報を得ることができる。したがって、機械的、音響光学的な方法を一切用いずにさらに高速に対象の3次元情報を得ることができる。
【0051】
例えば本光周波数コムを用いた場合で、本方法の1回の測定に要する時間はτとなる。したがって例えばτ=5μsとして超高速測定が実現できる。
【0052】
なお、図9に示すように、レンズ136C,136D,136E,136Fを用いて測定対象物OB全体に物体光LOBを照射し、測定対象物OBの光学像を光検出器アレイ135A上に結像する構成にし、参照光LREF は平行ビームとして光検出器アレイ135A上に照射される構成にすると、測定対象物OBが大きく、遠くから光を照射しなければならない場合でも使用できる。
【0053】
また、図4に示したOCT装置100において、信号処理部140には、上記光検出器135により検出されたf で変調された参照光LREF と物体光LOBの干渉光LDET の検出出力として得られる干渉信号SDET が入力される。
【0054】
この信号処理部140では、バンドパスフィルタ等により余計な雑音が除去され、増幅され、さらにf で変調された干渉信号SDET は例えばその後の信号処理のしやすいように周波数変換され、A/D変換されデジタル化される。この後、例えば以下の幾つかの信号処理を行う。
【0055】
1. 例えば干渉信号SDETは長い遅延ファイバー132Bを通過し光ファイバーの分散の影響により信号が乱れ例えば分解能が低減している場合がある。その場合には、それを補正する処理を行う。デジタル化された信号は、例えば、予め遅延ファイバー132B等の分散の影響を光ファイバ−の構造から計算しておき、信号を分散の影響の低減した信号に変換する計算を施す。又は予め金属ミラーなどの単純な反射測定を持つサンプルを用いて測定した結果から、信号を分散の影響の低減した信号に変換する計算を施す。
【0056】
ここで、後者の例について説明する。光周波数コム発生器112で出力された計測光のm次のサイドバンドの複素振幅は
(t)=Eexp(i2πνt+i2πmft+imφ(t))
と表せられる。iは素数である。分散補償ファイバ132A,133の長さを0、遅延ファイバー132Bの長さをLとすると、群速度分散の2次以降の成分を無視すると先の光が光ファイバーを伝搬してきた後では
exp(i2πνt+i2πft+i2πmft−ik0C−ik1C(2πmf)−ik2C(2πmf/2+imφ(t‐τ))
と表せられる。したがって測定対象物OBがミラーである場合m次のサイドバンド同士の干渉信号は
Re[E exp(i2πft‐ik0C−ik1C(2πmf)−ik2C(2πmf/2+im(φ(t−τ)−φ(t)))]
となる。ここでtが0からτまでの時間の間φ(t−τ)−φ(t)=−2△φp−p/τtであり、
2△φp−p /τ=2π△f
とおくと信号は
cos(2π(f−m△f)t−k0C−k1C(2πmf)−k2C(2πmf/2)))
に比例する干渉信号となる。干渉信号をフーリエ変換することによって、信号成分のなかで、f −m△fの周波数成分が光のν+mf の周波数の位相成分を持っており、これを他の周波数成分と比較測定すれば1次の群速度分散k2Cの値が、決定できる。したがって実際の測定からexp(ik2C(2πmf/2)))を干渉信号のフーリエ変換した値に乗ずれば分散を補正した結果が得られる。
【0057】
2. 例えば信号に含まれる高周波数成分(f から遠い成分。mの絶対値が大きい成分。)を強調する処理を行い、分解能の向上した信号に変換する計算を施す。
【0058】
3.例えば信号のf で変調された干渉信号の周波数の変化量を信号から計算し、ドップラシフト量を求めることにより、対象物体の速度を得る。
【0059】
4.例えば干渉信号のスペクトル形状から波長毎の光の吸収量を測定し対象物体の屈折率等を求める。
【0060】
5.干渉信号のエンベロープを計算する。
【0061】
以上の情報から、測定対象物の形状、速度分布、屈折率分布などを総合的に求めることができる。
【0062】
ここでは干渉信号に含まれる分散の補償方法としてデジタル計算による手法を説明したが分散性の素子であるSAWデバイスなどのアナログ素子を用いても良い。
【0063】
6. スキャナ134に図7のように音響光学素子134Fを用いてスキャンした場合では、音響光学素子134Fが光の周波数シフトを起こす場合がある。その場合、スキャナ134による周波数シフトの効果を干渉信号から除く必要がある。スキャナ134による周波数シフトの効果はシステムコントローラ151の信号より推定し、干渉信号より除去する。
【0064】
さらに、図4に示したOCT装置100において、制御部150では、システムコントローラ151により上記信号処理部140により処理された信号と、上記計測光生成部110の位相制御信号発生器113C、上記測定部130のスキャナ134に与えるスキャナー制御信号を発生するスキャナー制御信号発生器152への制御信号を統合し、使用者の行った入力に応じて画像等として人の認知するデータ形式に変換して画像出力装置153に信号をおくる。例えば立体像、断面像を動画出力する。
【0065】
ここで、図4に示したOCT装置100では、往復でτ時間の遅延量を与える光遅延路132を用いたが、図10に示すように、片道でτ時間の遅延量を与える光遅延路132を用いる構成とすることもできる。
【0066】
図10に示すOCT装置200では、上述の光分離・合成器131に代えて光分離器231Aと光合成器231Bを設け、光分離器231Aにより計測光LMES を参照光LREF と物体光LOBに分離する。この光分離器231Aにより計測光LMES から分離された参照光LREF は、片道でτ時間の遅延量を与える光遅延路232によりτ時間の遅延量が与えられて、アイソレータ232Dを介して光合成器231Bに入射される。この光遅延路232は、分散補償ファイバー232A、遅延ファイバー232B、周波数シフタ232C及びアイソレータ232Dにより構成されている。また、この光分離器231Aにより計測光LMES から分離された物体光LOBは、分散補償ファイバー233からアイソレータ234を介して光合成器231Bに入射され、この光合成器231Bを通過してスキャナ134に入射される。このOCT装置200において、他の構成要素は上述のOCT装置100と同じであるので、図10中に同一番号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
【0067】
以上、本発明について、任意の波長域における広いスペクトル幅を必要とする光計測システムに関するもののうちOCT装置に代表される空間的高分解能な測定を実現するための光計測システムに関して説明したが、本発明は、それ以外にも光周波数分解能が高い事が必要とされる測定装置にも応用される。
【0068】
OCT装置は、空間的な分解能を測定する装置であるが、同時に対象の光の波長の違いによる応答特性、位相特性を測定できる。
【0069】
例えばスキャナを用いないで測定対象物に光ファイバーで結合されているような光デバイス等の反射の波長依存特性の測定にも使用できる。
【0070】
この場合光周波数コムの変調周波数に等しい高分解能の測定を短時間で実現できる。
【0071】
例えばm次のサイドバンドが物体から反射し、複素振幅がサンプルの伝達関数A=A(ν+mf)によってE からA に変化する。これから得られる信号のm次の周波数成分に対応する部分は
Re[A exp(i2πft−ik0CL−ik1CL(2πmf)−ik2CL(2πmf/2+im(φ(t‐τ)−φ(t)))]
となる。この成分は例えばφ(t‐τ)−φ(t)=−2△φp−p /τ t=2π△ftで表せる場合、電気的な信号のf −n△fの周波数成分をフーリエ変換で求め、E 及び遅延ファイバーの分散等を予め測定しておくことでA だけが決定できる。
【0072】
また、例えば図11に示す構成とすることにより、フィルタ等の透過型デバイスの測定にも使用できる。
【0073】
この図11に原理的な構成を示す光デバイスの透過測定装置20は、可干渉性を有する光L を出射する光源であるレーザ光源21と、このレーザ光源11からレーザ光L が入射される光周波数コム発生器22と、この光周波数コム発生器22に与える変調信号SMOD を発生する変調信号発生器23と、この変調信号発生器23により生成された計測光LMES を参照光LREF と物体光LOBに分離する光分離器24と、この光分離器24により分離された参照光LREF に所定時間τの遅延を与える光遅延路25と、上記光分離器24により分離された計測光LMES が測定対象物OBを介して入射されるとともに、上記光遅延路25により所定時間τの遅延を与えられた参照光LREF が入射される光合成器26と、上記光合成器24により合成された参照光LREF と物体光LOBとの干渉光LDET の光強度の変化を検出する光検出器27とからなる。
【0074】
このような構成の光デバイスの透過測定装置20では、測定対象物OBとしてフィルタ等の透過型デバイスの測定を行うことができ、光デバイス等の透過反射特性の測定を高分解能、高速に行うことができる。
【0075】
さらに、図12に示す光デバイス測定装置300は、上述の図10に示すOCT装置200を変形して、光デバイスの反射測定と透過測定を行うようにしたもので、スキャナ134及びスキャナ制御信号発生器152が除かれ、第2の光分離器331A、第2の光合成器331B及び第2の光検出器335が設けられている。
【0076】
この光デバイス測定装置300において、第2の光分離器331Aは、上記アイソレータ232Dを介して光合成器231Bに入射される参照光LREF をさらに分岐して第2の参照光LREF2を生成し、この第2の参照光LREF2を第2の光合成器331Bに入射させる。この第2の光合成器331Bは、測定対象物OBを通過した物体光LOBが入射され、上記第2の参照光LREF2と物体光LOBを合成して第2の干渉光LDET を生成し、この第2の干渉光LDET を第2の光検出器335に入射させる。この第2の光検出器335は、上記第2の干渉光LDET2の光強度の変化を検出し、その検出出力として得られる透過測定用の第2の干渉信号SDET2を信号処理部140に供給する。
【0077】
この光デバイス測定装置300において、他の構成要素は上述のOCT装置200と同じであるので、図12中に同一番号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
【0078】
このような構成の光デバイス測定装置300では、透過反射特性の測定を同時に高分解能、高速に行うことができる。また特定対象物OBの入出力を反転させた構成での測定を行えば、光デバイスのSパラメータの測定ができる。
【0079】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、光周波数コム発生手段において、第1の期間τ には第1の周波数f で第2の期間τ には第2の周波数f +Δfの変調信号を所定の繰り返し周期で生成する変調信号生成手段からの変調信号により、光源から可干渉性を有する入射光を変調して、上記入射光の周波数を中心周波数とし、上記第1の期間τ には第1の周波数f 間隔毎に側帯波を有し、第2の期間τ には第2の周波数f +Δf間隔毎に側帯波を有する計測光を生成し、生成した計測光を光分離手段により参照光と物体光に分離して、光遅延手段により所定時間の遅延上記参照光に与え、上記物体光の測定対象物による反射光又は透過光と上記光遅延手段により所定時間の遅延が与えられた参照光とを光合成手段で合成することにより、上記参照光と物体光との干渉光を生成し、この干渉光の光強度の変化を検出手段で検出ことによって、1台の周波数コム発生器を用いた簡単な構成で短時間に且つ安定に空間的高分解能な測定を行うことができる。
【0080】
さらに、上記光分離手段により分離された物体光の照射位置を測定対象物上で走査し、上記検出手段からの干渉検出結果に基づいて、測定対象物の形状情報を検出する形状検出手段で生成される複数の形状情報を用いて、画像生成手段により測定対象物の形状を示す画像を生成することによって、1台の周波数コム発生器を用いた簡単な構成で短時間に且つ安定に空間的高分解能な測定を行うOCT装置として機能する光計測システムを実現することができる。
【0081】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したOCT装置の原理的な構成を示すブロック図である。
【図2】上記OCT装置における物体光と参照光の時間的な時間的変化を示す図である。
【図3】分解能を高めるようにしたOCT装置の原理的な構成を示すブロック図である。
【図4】本発明を適用したOCT装置の実施例の構成を示すブロック図である。
【図5】上記OCT装置の計測光生成部における変調信号発生部の動作を模式的に示す図である。
【図6】上記OCT装置の測定部におけるスキャナの構成例を模式的に示す図である。
【図7】上記スキャナの他の構成例を模式的に示す図である。
【図8】スキャナを使用せずにOCT装置を構成する場合の要部構成例を模式的に示す図である。
【図9】スキャナを使用せずにOCT装置を構成する場合の他の要部構成例を模式的に示す図である。
【図10】本発明を適用したOCT装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明を適用した光デバイスの透過測定装置の原理的な構成を示すブロック図である。
【図12】本発明を適用した光デバイス測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図13】従来のOCT装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 OCT装置、11 レーザ光源、12 光周波数コム発生器、13 変調信号発生器、14 光分離・合成器、15 光遅延路、16 光検出器、17光アンプ、18 SCファイバー、OB 測定対象物、20 透過測定装置、21 レーザ光源、22 光周波数コム発生器、23 変調信号発生器、24 光分離器、25 光遅延路25、26 光合成器、27 光検出器、100 OCT装置、110 計測光生成部、111 レーザ光源、112 光周波数コム発生器、113 変調信号発生部、113A マイクロ波発振器、113B 位相シフタ、113C 位相制御信号発生器、120 計測光注入部、121 光アンプ、122 SCファイバー、130 測定部、131 光分離・合成器、132 光遅延路、133 分散補償ファイバー、134 スキャナ134、130 測定部、132A 分散補償ファイバー、132B 遅延ファイバー、132C 周波数シフタ、132D ミラー132D、140 信号処理部、150 制御部、151 システムコントローラ、152 スキャナ制御信号発生器、153 画像出力装置、200 OCT装置、231A 光分離器、231B光合成器、232 光遅延路、232D アイソレータ、232C 周波数シフタ、300 光デバイス測定装置、331A 第2の光分離器、331B 第2の光合成器、335 第2の光検出器

Claims (6)

  1. 可干渉性を有する光を出射する光源と、
    第1の期間τ には第1の周波数f で第2の期間τ には第2の周波数f +Δfの変調信号を所定の繰り返し周期で生成する変調信号生成手段と、
    上記変調信号生成手段からの変調信号により上記光源からの入射光を変調して、入射光の周波数を中心周波数とし、上記第1の期間τ には第1の周波数f 間隔毎に側帯波を有し、第2の期間τ には第2の周波数f +Δf間隔毎に側帯波を有する計測光を生成する光周波数コム発生手段と、
    上記光周波数コム発生手段からの計測光を参照光と物体光に分離する光分離手段と、
    上記光分離手段により分離された参照光又は物体光の一方に所定時間の遅延を与える光遅延手段と、
    上記物体光の測定対象物による反射光又は透過光と上記参照光とを合成する光合成手段と、
    上記光合成手段により合成された上記参照光と物体光との干渉による光強度の変化を検出する検出手段と
    を備えることを特徴とする光計測システム。
  2. 上記光遅延手段は光ファイバーからなることを特徴とする請求項1記載の光計測システム。
  3. 上記光周波数コム発生器により生成された計測光を、光増幅手段により非線形性を発生する程度まで増幅して、スーパーコンティニュームファイバーを介して上記光分離手段に入射させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の光計測システム。
  4. 可干渉性を有する光を出射する光源と、
    第1の期間τ には第1の周波数f で第2の期間τ には第2の周波数f +Δfの変調信号を所定の繰り返し周期で生成する変調信号生成手段と、
    上記変調信号生成手段からの変調信号により上記光源からの入射光を変調して、入射光の周波数を中心周波数とし、上記第1の期間τ には第1の周波数f 間隔毎に側帯波を有し、第2の期間τ には第2の周波数f +Δf間隔毎に側帯波を有する計測光を生成する光周波数コム発生手段と、
    上記光周波数コム発生手段からの計測光を参照光と物体光に分離する光分離手段と、
    上記光分離手段により分離された参照光又は物体光の一方にに所定時間の遅延を与える光遅延手段と、
    上記光分離手段により分離された物体光の照射位置を測定対象物上で走査する走査手段と、
    上記測定対象物により反射された物体光と上記参照光とを合成する光合成手段と、
    上記光合成手段により合成された上記参照光と物体光との干渉による光強度の変化を検出する検出手段と、
    上記検出手段からの干渉検出結果に基づいて、測定対象物の形状情報を検出する形状検出手段と、
    上記走査手段で走査されることで、上記形状検出手段で生成された複数の形状情報を用いて、測定対象物の形状を示す画像を生成する画像生成手段と
    を備えることを特徴とする光計測システム。
  5. 上記光遅延手段は光ファイバーからなることを特徴とする請求項4記載の光計測システム。
  6. 上記光周波数コム発生器により生成された計測光を、光増幅手段により非線形性を発生する程度まで増幅して、スーパーコンティニュームファイバーを介して上記光分離手段に入射させるようにしたことを特徴とする請求項5記載の光計測システム。
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