JP3564209B2 - 実装機の加速度制御方法及び同装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品装着用のヘッドユニットを平面上でX−Y方向に移動させなが部品供給部から電子部品をピックアップして部品装着部にあるプリント基板等に装着するように構成された実装機の加速度制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、部品装着用のヘッドユニットを、所定の作業位置に位置決めされているプリント基板の上方で平面的に移動させながら部品供給部から電子部品をピックアップしてプリント基板の所定の位置に装着する実装機が知られている。
【0003】
この種の多くの実装機では、構成がシンプルで信頼性が高く、しかも位置決めが独立した直線移動の組合わせによるため制御が容易であるといった理由から、一般には図5に示すようなX−Y移動機構により作動されるようになっている。
【0004】
この機構には、Y軸方向に延びる一対のレール50と、Y軸モータ51により回転駆動されるボールねじ軸52とが配設され、レール50上に支持部材53が配置されて、この支持部材53に設けられたナット部分54がボールねじ軸52に螺合している。また、上記支持部材53には、X軸方向に延びるガイド部材55と、X軸モータ56により駆動されるボールねじ軸57とが配設され、ガイド部材55にヘッドユニット59が移動可能に保持され、このヘッドユニット59に設けられたナット部分58がボールねじ軸57に螺合している。
【0005】
そして、上記Y軸モータ51の作動によりボールねじ軸52が回転して支持部材53がY軸方向に移動させられるとともに、X軸モータ56の作動によりボールねじ軸57が回転して、ヘッドユニット59が支持部材53に対してX軸方向に移動させられ、これによってヘッドユニット59がプリント基板60の上方で平面的に移動させられるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の実装機では、ヘッドユニット59がかなり重たく、かつ支持部材の支持剛性はあまり高くできないことから、ヘッドユニット59のY軸方向の位置決めを行うべく、支持部材53をY軸方向に移動、停止させると、ヘッドユニット59等の慣性力でもって支持部材53に振動が生じる。このような振動は、支持部材53の一端部にボールねじ軸52が螺着されている上述のような実装機では、ナット部分54を支点とする支持部材53の慣性モーメントに比例して大きくなり、従って、支持部材53でのヘッドユニット59の位置がナット部分54から遠ざかるに伴い振動が大きくなることになる。
【0007】
このような支持部材53の振動は、部品の吸装着精度を確保する上で極めて不都合である。そのため、従来のこの種の装置では、支持部材53の慣性モーメントが最も大きくなる条件、つまり、ヘッドユニット59がナット部分54から最も遠い位置にある状態でも支持部材53に振動が生じない程度に加減速度を低く設定し、これにより実装精度を確保するようにしていた。
【0008】
しかし、このように支持部材53の加減速度を一律に低く設定するのでは、サイクルタイムの短縮化を阻害することになり必ずしも好ましくない。
【0009】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、実装精度を確保しつつサイクルタイムを短縮することができる実装機の加速度制御装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る実装機の加速度制御方法は、一軸方向に延びるガイド部材に移動可能に装着され、モータにより駆動されるボールねじの回転に伴い上記ガイド部材に沿って移動させられる支持部材を有し、この支持部材に、部品装着用のヘッドユニットが上記一軸方向と直交する方向に移動可能に装着され、上記支持部材の移動及び支持部材に対するヘッドユニットの移動によりヘッドユニットの位置決めが行われるように構成された実装機の加減速制御方法において、上記ヘッドユニットの位置決めに際して、上記一軸方向における支持部材の現在位置から目標位置までの移動および支持部材におけるヘッドユニットの現在位置から目標位置での移動をそれぞれ部品の種類に応じて予め定められた速度で行うとした場合の所要時間を計算し、この計算結果に基づいて支持部材およびヘッドユニットのうち所要時間が長い方を判別し、上記支持部材の所要時間が長い場合に、上記一軸方向における目標位置に支持部材を移動させる際の加速度を、支持部材におけるヘッドユニットの上記目標位置に応じて設定するようにしたものである。
【0011】
この方法によれば、支持部材でのヘッドユニットの目標位置に応じ、加減速による振動が生じない程度の高い加速度でもって支持部材の移動を行うことが可能となる。そのため、支持部材の振動を効果的に抑えて実装精度を確保しつつ効率の良い実装を行うことが可能となる。なお、請求項記載の「加速度」とは、支持部材の加速時の速度変化(狭義の加速度)以外に、減速時の速度変化(減速度)をも含む趣旨である。
【0012】
請求項2に係る実装機の加速度制御装置は、一軸方向に延びるガイド部材に移動可能に装着され、モータにより駆動されるボールねじの回転に伴い上記ガイド部材に沿って移動させられる支持部材を有し、この支持部材に、部品装着用のヘッドユニットが上記一軸方向と直交する方向に移動可能に装着され、上記支持部材の移動及び支持部材に対するヘッドユニットの移動によりヘッドユニットの位置決めが行われるように構成された実装機の加減速制御装置において、上記モータを駆動する駆動制御手段と、部品の吸装着位置データを記憶する実装データ記憶手段と、上記支持部材でのヘッドユニットの目標位置に対応した支持部材の加速度を記憶する加速度データ記憶手段と、部品の吸装着位置データに基づいて上記ヘッドユニットの位置決めを行わせるとともに、このヘッドユニットの位置決めに際して、上記一軸方向における支持部材の現在位置から目標位置までの移動および支持部材におけるヘッドユニットの現在位置から目標位置での移動をそれぞれ部品の種類に応じて予め定められた速度で行うとした場合の所要時間を計算し、この計算結果に基づいて支持部材およびヘッドユニットのうち所要時間が長い方を判別し、上記支持部材の所要時間が長い場合には、支持部材を上記目標位置に移動させる際の加速度をヘッドユニットの上記目標位置に応じて上記加速度データから求めた加速度とするように上記駆動制御手段を制御する主制御手段と有するものである。
【0013】
この装置によれば、支持部材の振動を抑える上述の制御を自動的に行うことが可能となり、実装精度が高められる。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の実装機の加速度制御装置において、上記ボールねじが上記支持部材の長手方向一端部位に螺着されるものであって、上記加速度データは、少なくとも支持部材減速時の加速度である減速度が上記支持部材でのヘッドユニットの目標位置が上記ボールねじの螺着部分から遠ざかるに伴い低くなるように設定されてなるものである。
【0015】
ボールねじが支持部材の長手方向一端部位に螺着されるような装置では、ヘッドユニットがボールねじの螺着部分から遠ざかる位置にあるいほど支持部材停止時に生じる振動が大きくなる傾向があるため、上記請求項2記載の装置によれば、そのような装置において効果的に支持部材停止時の振動を阻止することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0017】
図1及び図2は本発明の実施の形態に係る表面実装機(以下、実装機と略す)の全体を概略的に示している。この図において、基台1上には、搬送ラインを構成するコンベア2が配置され、プリント基板3が上記コンベア2上を搬送されて所定の装着作業用位置で停止されるようになっている。
【0018】
上記コンベア2の側方には、部品供給部4が配置されている。この部品供給部4は、多数列のテープフィーダ4aを備えており、各テープフィーダ4aはそれぞれ、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品を所定間隔おきに収納、保持したテープがリールから導出されるようにするとともに、テープ繰り出し端にはラチェット式の送り機構を具備し、後述のヘッドユニット5により部品がピックアップされるにつれてテープが間欠的に繰り出されるようになっている。
【0019】
また、上記基台1の上方には、部品装着用のヘッドユニット5が装備され、このヘッドユニット5がX軸方向(コンベア2の方向)およびY軸方向(水平面上でX軸と直交する方向)に移動することができるようになっている。
【0020】
すなわち、上記基台1上には、Y軸方向に延びる一対の固定レール7と、Y軸サーボモータ9により回転駆動されるボールねじ軸8とが配設され、上記固定レール7上にヘッドユニット支持部材11が配置されて、この支持部材11に設けられたナット部分12が上記ボールねじ軸8に螺合している。また、上記支持部材11には、X軸方向に延びるガイド部材13と、X軸サーボモータ15により駆動されるボールねじ軸14とが配設され、上記ガイド部材13にヘッドユニット5が移動可能に保持され、このヘッドユニット5に設けられたナット部分(図示せず)が上記ボールねじ軸14に螺合している。そして、Y軸サーボモータ9の作動によりボールねじ軸8が回転して上記支持部材11がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ15の作動によりボールねじ軸14が回転して、ヘッドユニット5が支持部材11に対してX軸方向に移動するようになっている。
【0021】
また、上記Y軸サーボモータ9及びX軸サーボモータ15には、それぞれロータリーエンコーダ等の位置検出手段10,16が設けられており、これによってヘッドユニット5の移動位置が検出されるようになっている。
【0022】
上記ヘッドユニット5には、部品吸着用のノズル部材20がX軸方向に複数並べて設けられている。各ノズル部材20は、それぞれヘッドユニット5のフレームに対して昇降及びノズル中心軸回りの回転が可能とされ、図示を省略しているがそれぞれサーボモータにより作動されるようになっている。
【0023】
また、上記基台1上には、コンベア2と片側の部品供給部4との間に部品認識用カメラ17が配置されており、上記ノズル部材20により吸着された部品をこのカメラ17で撮像し、それに基づく部品認識処理により部品吸着状態の判別等を行うようになっている。
【0024】
次に、上記実装機の制御系について図面を用いて説明する。図3は、実装機において、主にヘッドユニット5のX−Y平面上での移動を制御する制御系の一例を示すブロック図である。
【0025】
同図に示すように、上記実装機にはコントローラ30が設けられ、このコントローラ30にヘッドユニット5のX−Y平面上での移動を統括的に制御する主制御手段31が設けられている。主制御手段31には、軸制御手段32が接続され、この軸制御手段32に上記Y軸サーボモータ9,X軸サーボモータ15及びこれらの各サーボモータ9,15に設けられた位置検出手段10,16が接続されている。そして、主制御手段31からの出力情報に基づいてY軸サーボモータ9及びX軸サーボモータ15が軸制御手段32を介して駆動されるとともに、各位置検出手段10,16からの位置情報に基づいて主制御手段31において各サーボモータ9,15の駆動に対する補正量等が求められ、これによりヘッドユニット5の移動に対するフィードバック制御が行われるようになっている。
【0026】
また、コントローラ30には、部品の種類、装着位置等の実装部品に関するデータ、すなわち実装データを記憶した実装データ記憶手段34と、Y軸方向の加速度に関するデータを記憶したY軸加速度データ記憶手段36と、上記実装データに基づいてヘッドユニット5及び支持部材11の移動速度を求める速度データ設定手段35とが設けられ、これらが上記主制御手段31に接続されるとともに、上記各データ記憶手段34,36に記憶された情報及び速度データ設定手段35において設定された速度データに基づいて最適な動作条件を設定する演算手段33が設けられ、この演算手段33が上記主制御手段31に接続されている。
【0027】
上記Y軸加速度データ記憶手段36には、部品装着時のヘッドユニット5のX軸方向の目標位置とその位置に応じた支持部材11の加速度をテーブルにした加速度データが記憶されている。この加速度データは、少なくとも支持部材減速時の加速度である減速度を上記目標位置に対応させて設定したものであり、当実施形態では、支持部材の加速時と減速時の両方に用いる加速度(以下、加減速度)を上記目標位置に対応させて設定している。具体的には、上記目標位置がどのエリアに属するかによって加減速度が変えられ、支持部材11におけるヘッドユニット5の可動領域が幾つかのエリアに分割され、ボールねじ8の螺着部分、すなわちナット部分12から遠いエリア程支持部材移動時の加減速度が低くなるようにテーブルが設定されている。
【0028】
上記速度データ設定手段35は、実装データから目標位置までの移動量を求め、その移動量に応じてヘッドユニット5及び支持部材11の移動速度を設定し、その速度を示すデータを主制御手段31に出力する。とくに、部品の種類に応じ、ヘッドユニット5及び支持部材11の移動速度を制限する必要がある場合等には、さらに上述のようにして求められた移動速度と部品の種類とに基づいて当該部品に適した移動速度を求め、その速度を示すデータを出力するようになっている。例えば、移動量に基づいて求められた移動速度が最大速度である場合であって、部品が固定抵抗器やコンデンサ等の小型のチップ部品である場合にはヘッドユニット5及び支持部材11を最大速度で移動させ、QFPやPLCC等、大型で実装精度が要求される部品である場合には、ヘッドユニット5及び支持部材11を最大速度の50%程度の速度で移動させるように上記移動速度が設定される。
【0029】
次に、以上のように構成された実装機の部品装着動作について図4のフローチャートに従って説明する。
【0030】
上記実装機において実装動作が開始されると、上記ヘッドユニット5が部品供給部4に移動させられ、各ノズル部材20により順次、あるいは可能な場合には同時に複数の部品が吸着される(ステップS1)。なお、部品の吸装着動作において、各ノズル部材20による吸着部品の種類、吸装位置、あるいは吸着順序等は、実装動作を最も効率良く行い得るように予め設定されて上記実装データ記憶手段34に記憶されている。
【0031】
部品吸着が完了すると、ヘッドユニット5が部品認識用カメラ17の上方に移動させられて吸着部品の画像による認識が行われ(ステップS2)、その後プリント基板3側へと移動させられて部品の装着が行われる。
【0032】
このような部品の装着動作において、上記実装機では以下のステップS3〜S11の処理が繰返し行われることにより、部品毎にヘッドユニット5及び支持部材11の動作条件が設定されながら部品の装着が行われる。
【0033】
すなわち、部品認識用カメラ17による部品認識が完了すると、当該完了時のヘッドユニット5の現在位置の検出が行われるとともに、目標位置、つまり最初に部品を装着すべき位置を示すデータが読出され、これらの現在位置及び目標位置を示すデータからヘッドユニット5のX軸方向及びY軸方向の移動量がそれぞれ求められる(ステップS3〜S5)。
【0034】
次いで、ヘッドユニット5の目標位置が上記エリアのいずれに該当するかが判別され、この判別されたエリアとY軸加速度データ記憶手段36のデータとから支持部材11の加減速度が求められる(ステップS6,S7)。
【0035】
さらに、メイン軸決定のため予備計算として、ステップS5で求められたX軸及びY軸方向の移動量に基づき、ヘッドユニット5及びナット部材11を共に最高速度で移動させるとした場合のX軸及びY軸方向の目標位置への移動時間が求められる(ステップS8)。このとき、支持部材11の移動時間の演算についてはステップS7で求められた支持部材11の加減速度が加味され、ヘッドユニット5の移動時間の演算については予め設定されている一定の加減速度が加味される。
【0036】
X軸及びY軸方向の目標位置への移動時間が求められると、この時間に基づいてX軸、Y軸等の駆動軸のうちでメイン軸とサブ軸が決定される(ステップS9)。この場合、各軸のうちで移動に要する時間が長い方がメイン軸とされる。
【0037】
そして、まず、メイン軸方向の動作条件が求められ、このメイン軸方向の動作条件を加味してサブ軸方向の動作条件が求められる(ステップS10,S11)。
【0038】
すなわち、上記実装機では部品装着のためのX軸方向の目標位置への位置決めとY軸方向の目標位置への位置決めが同時到着制御により行われる、換言すれば支持部材11でのヘッドユニット5の目標位置への到達と支持部材11の目標位置への到達が同時に完了するように制御されるようになっており、このような制御を行う実装機では、X軸方向及びY軸方向の移動時間の長短からメイン軸を定め、それに応じて動作条件を決定する方が後に詳述するように実装効率を高める上で実益がある。そのため、ステップS10においてまずメイン軸方向の動作条件を決定した上で、サブ軸方向の動作条件を決定するようにしている。
【0039】
ここで、例えば、メイン軸がX軸である場合には、X軸方向の目標位置までの移動量に基づき、部品の種類等を加味した上でヘッドユニット5の移動速度及び加減速度が演算される。これによりX軸方向の動作条件、つまりヘッドユニット5の動作条件が決定される。
【0040】
そして、X軸方向の動作条件が求められると、この条件でのX軸方向の位置決めに要する時間が求められ、この時間と、Y軸方向の目標位置までの移動量とに基づき、部品の種類等を加味した上で支持部材11の移動速度及び加減速度が演算される。これによりY軸方向の動作条件、つまり支持部材11の動作条件が決定される。このとき、支持部材11の加減速度は、例えば、上記時間に基づいて設定可能な範囲で極力低くなるように設定される。
【0041】
逆に、メイン軸がY軸である場合には、まず、Y軸方向の目標位置までの移動量に基づき、部品の種類等を加味した上で支持部材5の移動速度が求められる。なお、加減速度は、ステップS7においてY軸加速度データ記憶手段36から求められた加減速度が用いられる。これによりY軸方向の動作条件が決定される。
【0042】
そして、Y軸方向の動作条件が求められると、この条件でのY軸方向の位置決めに要する時間が求められ、この時間と、X軸方向の目標位置までの移動量とに基づき、部品の種類等を加味した上でヘッドユニット5の移動速度及び加減速度が演算される。これによりX軸方向の動作条件が求められる
こうして部品装着のための動作条件が決定すると、この条件に基づいてヘッドユニット5及び支持部材11が目標位置に移動させられた後、部品の装着が行われる(ステップS12)。
【0043】
そして、当該部品の装着が完了すると、ステップS13において、さらに装着すべき部品が有る否かが判断され、部品が有る場合にはステップS3にリターンされ、次回の部品装着のための動作条件が求められる。一方、装着すべき部品が無い場合には、ステップS1にリターンされ、次回装着すべき部品を吸着すべくヘッドユニット5が部品供給部4側に移動させられる。
【0044】
このように上記実装機によれば、X軸方向におけるヘッドユニット5の可動領域を幾つかのエリアに分割し、部品装着時のヘッドユニット5の目標位置がナット部分12から遠いエリアに該当する場合には、支持部材11の加減速度を低くし、逆にヘッドユニット5の位置がナット部分12に近いエリアに該当する場合には加減速度を高くするようにY軸方向の加速度データを予め設定、記憶しておき、部品装着の動作条件の設定に際してはこの加速度データに基づいてY軸方向の動作条件を設定するようにしているので、ヘッドユニット5の目標位置に応じ、支持部材停止時に振動が生じない程度の高い減速度でもって支持部材11を目標位置に移動させることができる。そのため、支持部材の振動を確実に抑えて実装精度を確保しながらも、従来のこの種の装置とくらべ実装効率をより良く高めることができる。
【0045】
ところで、上記実装機では、X軸方向及びY軸方向の目標位置への移動時間の長短等からメイン軸を定め、上述のようにメイン軸がY軸となる場合にのみ、動作条件の設定に際してY軸加速度データ記憶手段36のデータに基づいて支持部材11の加減速度を決定するようにしているが、これは次のような理由によるものである。
【0046】
すなわち、部品装着に際して上述のようにX軸方向の位置決めとY軸方向の位置決めを同時に行う同時到着制御では、X軸がメイン軸の場合、つまりX軸方向の位置決めに要する時間がY軸方向の位置決めに要する時間より長い場合には、時間がかかるX軸方向の位置決め動作と同一の時間でY軸方向の位置決めを行えばよい。そのため、停止時の振動が確実に生じないように支持部材11の加減速度を低く設定しても、多くの場合、Y軸方向の位置決めをX軸方向の位置決め時間内で充分に行うことができ、従って、動作条件の設定に際してY軸加速度データ記憶手段36に記憶されたテーブルに基づいて支持部材11の加減速度を決定する実益に乏しい。
【0047】
これに対し、Y軸がメイン軸の場合、つまりY軸方向の位置決めに要する時間がX軸方向の位置決めに要する時間よりも長い場合には、Y軸方向の位置決めをより短い時間で完了するようにして、この時間内でX軸方向の位置決めを行うようにする方が実装効率の面で有利となる。
【0048】
従って、上記実装機では、上述のようにY軸がメイン軸となる場合にのみ、動作条件の設定に際し、Y軸加速度データ記憶手段36に記憶されたテーブルに基づいてY軸方向の加減速度を決定するようにしている。
【0049】
なお、上記実施形態の実装機は、本発明の加速度制御装置が適用される実装機の一例であって、その具体的な構成、あるいは制御方法等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0050】
例えば、上記実施形態では、ヘッドユニット5の位置を考慮した動作条件の設定を上述のように部品の装着時にのみ行うようにしているが、部品供給部4における部品吸着動作や、部品認識用カメラ17による部品認識のための動作を含めた一連の実装動作において実施するようにしても構わない。このようにすれば、一連の実装動作における支持部材の慣性力による振動を効果的に抑えて精度良く、しかも高効率で実装を行うことが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、一軸方向に延びるガイド部材に装着されてボールねじの回転に伴い移動させられる支持部材に部品装着用のヘッドユニットを移動可能に装着した実装機の加速制御装置において、支持部材におけるヘッドユニットの目標位置に対応する支持部材の移動時の加速度データを記憶するY軸加速度データ記憶手段を設け、部品吸装着時等には、上記一軸方向における支持部材の現在位置から目標位置までの移動および支持部材におけるヘッドユニットの現在位置から目標位置での移動をそれぞれ部品の種類に応じて予め定められた速度で行うとした場合の所要時間を計算し、この計算結果に基づいて支持部材およびヘッドユニットのうち所要時間が長い方を判別し、上記支持部材の所要時間が長い場合には、実装データ記憶手段に記憶された部品の吸装着データに基づいて上記一軸方向におけるヘッドユニットの位置決めを行うとともに、この位置決め動作における支持部材の移動を上記加速度データに基づいて行うようにしたので、支持部材におけるヘッドユニットの目標位置に応じて、支持部材に振動が生じない程度の最も高い加速度でもって支持部材の移動を行うようにすることができる。そのため、支持部材の振動を効果的に抑えて実装精度を確保しつつ、従来のこの種の装置に比して実装効率をより良く高めることができる。
【0052】
とくに、ボールねじが支持部材の長手方向一端部位に螺着されるような装置では、支持部材におけるヘッドユニットの目標位置がボールねじの螺着部分から遠ざかるに伴い、少なくとも支持部材減速時の減速度が低くなるように上記加速度データを設定するようにすれば、効果的に支持部材停止時の振動を阻止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加速度制御装置が適用される実装機を示す平面概略図である。
【図2】上記実装機を示す正面略図である。
【図3】実装機においてヘッドユニットのX−Y平面上での移動を制御する制御系の一例を示すブロック図である。
【図4】実装制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】実装機においてヘッドユニットをX−Y平面上で移動させる機構を示す概略図である。
【符号の説明】
5 ヘッドユニット
9 Y軸サーボモータ
10,16 位置検出手段
15 X軸サーボモータ
20 ノズル部材
30 コントローラ
31 主制御手段
32 軸制御手段
33 演算手段
34 実装データ記憶手段
35 速度データ記憶手段
36 Y軸加速度データ記憶手段
Claims (3)
- 一軸方向に延びるガイド部材に移動可能に装着され、モータにより駆動されるボールねじの回転に伴い上記ガイド部材に沿って移動させられる支持部材を有し、この支持部材に、部品装着用のヘッドユニットが上記一軸方向と直交する方向に移動可能に装着され、上記支持部材の移動及び支持部材に対するヘッドユニットの移動によりヘッドユニットの位置決めが行われるように構成された実装機の加減速制御方法において、
上記ヘッドユニットの位置決めに際して、上記一軸方向における支持部材の現在位置から目標位置までの移動および支持部材におけるヘッドユニットの現在位置から目標位置での移動をそれぞれ部品の種類に応じて予め定められた速度で行うとした場合の所要時間を計算し、この計算結果に基づいて支持部材およびヘッドユニットのうち所要時間が長い方を判別し、上記支持部材の所要時間が長い場合に、上記一軸方向における目標位置に支持部材を移動させる際の加速度を、支持部材におけるヘッドユニットの上記目標位置に応じて設定する
ことを特徴とする実装機の加速度制御方法。 - 一軸方向に延びるガイド部材に移動可能に装着され、モータにより駆動されるボールねじの回転に伴い上記ガイド部材に沿って移動させられる支持部材を有し、この支持部材に、部品装着用のヘッドユニットが上記一軸方向と直交する方向に移動可能に装着され、上記支持部材の移動及び支持部材に対するヘッドユニットの移動によりヘッドユニットの位置決めが行われるように構成された実装機の加減速制御装置において、
上記モータを駆動する駆動制御手段と、
部品の吸装着位置データを記憶する実装データ記憶手段と、
上記支持部材でのヘッドユニットの目標位置に対応した支持部材の加速度を記憶する加速度データ記憶手段と、
部品の吸装着位置データに基づいて上記ヘッドユニットの位置決めを行わせるとともに、このヘッドユニットの位置決めに際して、上記一軸方向における支持部材の現在位置から目標位置までの移動および支持部材におけるヘッドユニットの現在位置から目標位置での移動をそれぞれ部品の種類に応じて予め定められた速度で行うとした場合の所要時間を計算し、この計算結果に基づいて支持部材およびヘッドユニットのうち所要時間が長い方を判別し、上記支持部材の所要時間が長い場合には、支持部材を上記目標位置に移動させる際の加速度をヘッドユニットの上記目標位置に応じて上記加速度データから求めた加速度とするように上記駆動制御手段を制御する主制御手段とを有する
ことを特徴とする実装機の加速度制御装置。 - 上記ボールねじが上記支持部材の長手方向一端部位に螺着されるものであって、上記加速度データは、少なくとも支持部材減速時の加速度である減速度が上記支持部材でのヘッドユニットの目標位置が上記ボールねじの螺着部分から遠ざかるに伴い低くなるように設定されてなることを特徴とする請求項2記載の実装機の加速度制御装置。
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