JP3611649B2 - 実装機の駆動制御方法及び同装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品装着用のヘッドユニットを平面上でX−Y方向に移動させながら部品供給部から電子部品を部品装着部にあるプリント基板に装着するように構成された実装機の駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、部品装着用のヘッドユニットにより部品供給部から電子部品をピックアップしてプリント基板の所定の位置に装着するようにした実装機は一般に知られている。この種の多くの実装機では、ヘッドユニットが実装機本体に対してX−Y方向に移動可能となっている。すなわち、この実装機は、基台に配設されたY軸方向のガイド部材の上に移動可能に配置された支持部材と、この支持部材に設けられたX軸方向のガイド部材に移動可能に保持されたヘッドユニットと、基台上に設けられたボールねじ軸を介して上記支持部材をY軸方向に駆動するY軸サーボモータと、支持部材に装備されたボールねじ軸を介してヘッドユニットをX軸方向に駆動するX軸サーボモータとを備えている。
【0003】
そして、プリント基板への部品の装着時等に、上記各サーボモータの駆動が制御されることにより、上記支持部材及びヘッドユニットがY軸方向及びX軸方向の各目標位置まで移動し、ヘッドユニットの位置決めがなされるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の実装機では、プリント基板の部品装着位置等によって上記支持部材及びヘッドユニットの移動距離が種々変化するが、とくに目標位置までの移動距離が短い場合、停止時に残留振動が生じ易く、この残留振動が実装効率の向上を妨げるという問題が残されていた。
【0005】
すなわち、上記支持部材やヘッドユニットを移動させるためのサーボモータの制御としては、移動距離が比較的長い場合、先ず予め設定された最高速度まで加速され、この速度で目標位置近くまで定速駆動されてから、減速されて目標位置で停止されるが、移動距離が短くて、最高速度になる前に目標位置近くに達するような場合、加速から直ぐに減速に切替えられる。このような短距離移動時には、加減速が急激に行なわれるため、停止時に残留振動が生じ易くなる。とくに、Y軸方向には、ヘッドユニット等を支持する支持部材が移動することにより大きなイナーシャが作用し、かつ、比較的剛性が低いため、上記残留振動が増大し易い。
【0006】
なお、一般にサーボモータの制御において速度ループゲインを大きくすれば残留振動が低減される傾向がある。しかし、従来の実装機では上記サーボモータを制御するときの速度ループゲインが移動距離に関係なく一定に設定されていて、長距離移動時の騒音規制の要求を満足するように、速度ループゲインの大きさが制限されていたため、短距離移動時の残留振動を充分に低減できなかった。
【0007】
そして、このように残留振動が生じると、目標位置に到達した後も残留振動が減衰されるまでは部品装着等を精度良く行なうことができないため装着作業等を遅らせなければならず、また、残留振動が生じ易ければ加減速度を高めることも困難になる。このため、実装効率の向上が妨げられていた。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑み、ヘッドユニットの位置決め時に移動距離が短い場合の残留振動を低減し、実装効率を向上することができる実装機の駆動制御方法及び同装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の実装機の駆動制御方法は、実装機本体に対し移動可能とされてサーボモータにより駆動されるヘッドユニットを備え、このヘッドユニットにより、部品供給部から部品をピックアップして、プリント基板に装着するようにした実装機において、ヘッドユニットを目標位置まで移動させるべく、先ず加速し、移動距離が比較的長い場合に予め設定された最高速度まで加速してこの速度で目標位置近くまで駆動し、目標位置近くに達してから減速して目標位置に停止させるように上記サーボモータを制御することによりヘッドユニットの位置決めを行なうとともに、このヘッドユニットの位置決めの際に、サーボモータの制御における速度ループゲインを、目標位置までのヘッドユニットの移動距離に応じて設定するものとし、移動距離が短くて、最高速度に達する前に目標位置近くに達することにより加速から直ぐに減速に切換えられるような移動距離であるときに、速度ループゲインを増大させるように変更するものである。
【0010】
この方法によると、ヘッドユニットを目標位置まで移動させるためのサーボモータの制御時に、ヘッドユニットの移動距離が短くて残留振動が生じ易い状況下では、上記速度ループゲインが増大されることにより、効果的に残留振動が低減される。
【0011】
この方法が適用される実装機は、例えば、Y軸方向に延びるガイド部材に移動可能に支持されてサーボモータによりボールねじを介して駆動される支持部材を備え、この支持部材にヘッドユニットがX軸方向に移動可能に装着され、上記支持部材の移動及び支持部材に対するヘッドユニットの移動によりヘッドユニットの位置決めが行なわれるようになっており、このような実装機にあっては、ヘッドユニットの位置決めの際に、少なくともY軸方向のモータ制御における速度ループゲインをY軸方向移動距離に応じて変更することが好ましい。
【0012】
このようにすれば、Y軸方向移動距離が短いときにY軸方向のモータ制御における速度ループゲインが増大されることにより、本来的に残留振動が増大し易いY軸方向について、その残留振動が効果的に低減されることとなる。
【0013】
また、本発明の実装機の駆動制御装置は、Y軸方向に延びるガイド部材に移動可能に支持されてサーボモータによりボールねじを介して駆動される支持部材と、この支持部材に対してX軸方向に移動可能に装着されたヘッドユニットとを備え、このヘッドユニットにより、部品供給部から部品をピックアップして、プリント基板に装着するようにした実装機において、上記ヘッドユニットの位置決めの際に目標位置までの駆動位置及び駆動速度の制御パターンに基づき、先ず加速し、移動距離が比較的長い場合に予め設定された最高速度まで加速してこの速度で目標位置近くまで駆動し、目標位置近くに達してから減速して目標位置に停止させるように上記サーボモータの駆動を制御する制御手段と、目標位置までの移動距離を演算する演算手段と、上記制御手段による上記サーボモータの制御に用いる速度ループゲインを、上記移動距離に応じて設定するものであって、移動距離が短くて、最高速度に達する前に目標位置近くに達することにより加速から直ぐに減速に切換えられるような移動距離であるときに、速度ループゲインを増大させるように変更する速度ループゲイン設定手段とを備えたものである。
【0014】
この装置により、上記方法が有効に行なわれることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1及び図2は実装機全体の構造を概略的に示している。これらの図において、基台1上には、プリント基板搬送用のコンベア2が配置され、プリント基板3が上記コンベア2上を搬送され、所定の装着作業用位置で停止されるようになっている。
【0017】
上記コンベア2の側方には、部品供給部4が配置されている。この部品供給部4は多数列のテープフィーダー4aを備えており、各テープフィーダー4aはそれぞれ、IC、トランジスタ、コンデンサ等の電子部品を所定間隔おきに収納、保持したテープがリールから導出されるようにするとともに、テープ繰り出し端にはラチェット式の送り機構を具備し、後述のヘッドユニット5により電子部品がピックアップされるにつれてテープが間欠的に繰り出されるようになっている。
【0018】
また、上記基台1の上方には、部品装着用のヘッドユニット5が装備され、このヘッドユニット5はX軸方向(コンベア2の方向)およびY軸方向(水平面上でX軸と直交する方向)に移動することができるようになっている。
【0019】
すなわち、上記基台1上には、Y軸方向に延びる一対の固定レール7と、Y軸サーボモータ9により回転駆動されるボールねじ軸8とが配設され、上記固定レール7上にヘッドユニット支持部材11が配置されて、この支持部材11に設けられたナット部分12が上記ボールねじ軸8に螺合している。また、上記支持部材11には、X軸方向に延びるガイド部材13と、X軸サーボモータ15により駆動されるボールねじ軸14とが配設され、上記ガイド部材13にヘッドユニット5が移動可能に保持され、このヘッドユニット5に設けられたナット部分(図示せず)が上記ボールねじ軸14に螺合している。そして、Y軸サーボモータ9の作動によりボールねじ軸8が回転して上記支持部材11がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ15の作動によりボールねじ軸14が回転して、ヘッドユニット5が支持部材11に対してX軸方向に移動するようになっている。
【0020】
上記Y軸サーボモータ9およびX軸サーボモータ15にはそれぞれエンコーダからなる位置検出手段10,16が設けられており、これによって上記ヘッドユニット5の移動位置が検出されるようになっている。
【0021】
上記ヘッドユニット5には、部品吸着用のノズル部材20がX軸方向に複数並べて設けられている。各ノズル部材20は、それぞれヘッドユニット5のフレームに対して昇降及びノズル軸回りの回転が可能とされ、ヘッドユニット5に装備されたサーボモータ(図示省略)により作動されるようになっている。また、各ノズル部材20は図外の負圧供給手段にバルブ等を介して接続され、実装作業時に、ノズル部材20に負圧が供給されることにより部品の吸着が行われるようになっている。
【0022】
また、上記基台1上には、コンベア2と片側の部品供給部4との間に部品認識用カメラ17が配置されており、上記ノズル部材20により吸着された部品をこのカメラ17で撮像し、それに基づく部品認識処理により部品吸着状態の判別等を行なうようになっている。
【0023】
次に、上記実装機の制御系について図3を用いて説明する。同図は、実装機において、主にヘッドユニット5のX−Y平面上での移動を制御する制御系の一例を示すものである。
【0024】
同図に示すように、上記実装機のコントローラ30には、ヘッドユニット5のX−Y平面上での移動を統括的に制御する主制御手段31と、主制御手段31に接続された軸制御手段32が設けられている。上記軸制御手段32には、上記Y軸サーボモータ9及びX軸サーボモータ15が接続されるとともに、これらのサーボモータ9,15に設けられた位置検出手段10,16が接続され、さらに、位置検出手段10,16からの信号に基づいてX軸、Y軸の各速度を検出する速度検出手段33が接続されている。
【0025】
そして、上記軸制御手段32により、主制御手段31からの出力情報に基づいてヘッドユニット5を目標位置へ移動させるべくY軸サーボモータ9及びX軸サーボモータ15が駆動され、この場合に、位置検出手段10,16からの位置検出信号や上記速度検出手段33からの速度検出信号等に応じ、サーボ制御が行なわれるようになっている。このサーボ制御は、位置制御ループや速度ループ等を含む閉ループ制御(フィードバック制御)であって、一般に知られたものであるため、その詳細については説明を省略する。
【0026】
また、コントローラ30には、部品の種類、装着位置等の実装部品に関するデータである実装データを記憶した実装データ記憶手段34と、上記実装データに基づいてモータ駆動のためのデータを設定する駆動データ設定手段35と、上記実装データ等に基づいて移動距離の演算及び最適な動作条件の設定等を行なう演算手段36と、上記移動距離等に基づいて上記サーボ制御における速度ループゲインを設定する速度ループゲイン設定手段37とが設けられており、これらの手段が上記主制御手段31に接続されている。
【0027】
上記駆動データ設定手段35は、X軸及びY軸についてそれぞれ加減速度及び最高速度等の駆動データを、部品の種類等に応じて設定する。例えば、実装される部品が固定抵抗器やコンデンサ等の小型のチップ部品である場合には加減速度及び最高速度を比較的高い値に設定し、QFPやPLCC等の大型で実装精度が要求される部品である場合には、加減速度及び最高速度を小型のチップ部品の場合と比べて50%程度というような比較的低い値に設定する。
【0028】
また、上記主制御手段31及び演算手段36は、移動距離及び上記駆動データ等に基づき、駆動制御のパターンを設定する。その一例を、図5を算出しつつY軸について説明する。Y軸サーボモータ9を制御して上記支持部材11をY軸方向目標位置まで移動させる場合に、その移動距離が充分に大きい場合は、上記駆動データ設定手段35により設定された加減速度及び最高速度に基づき、同図中の実線のように、先ず上記最高速度まで加速を行なわせ、最高速度に達してから目標位置に近づくまでその速度で定速走行させ、目標位置に近づくと減速を行なわせて目標位置で停止させるというようなパターンを設定する。ただし、移動距離が同図中に示す所定距離Yaより短くて、最高速度に達する前に目標位置に近づいてしまう場合は、加速から直ぐに減速に切替わる(同図中の破線)ようにする。
【0029】
なお、図では制御パターンを最も単純な形で示したが、制御パターンはこの例に限らず、例えば加速度及び減速度を次第に変化させるようにしてもよい。また、X軸の駆動制御についても、Y軸に準じて制御パターンを設定すればよい。
【0030】
また、速度ループゲイン設定手段37は、上記サーボ制御における速度ループの比例ゲインや積分ゲインを設定し、この場合に、とくにY軸については、その移動距離に応じ、移動距離が短いときにゲインを増大させるように変更する。例えば図6に示すように、Y軸方向の移動距離が上記所定距離Yaよりも長いときは速度ループゲイン(比例ゲイン、積分ゲイン)を騒音低減等に有利な第1の設定値G1とする一方、上記所定距離Yaより短くなると速度ループゲインを大きくして第2の設定値G2まで変化させる。速度ループゲインの変化のさせ方としては、上記所定距離Yaを境に第1の設定値G1と第2の設定値G2とに切替式に変更してもよく、あるいは、上記所定距離Yaより短くなったときに、距離の短縮につれて次第にゲインを大きくしていくようにしてもよい。
【0031】
次に、以上のように構成された実装機の部品装着動作について図4のフローチャートに従って説明する。
【0032】
上記実装機において実装動作が開始されると、上記ヘッドユニット5が部品供給部4に移動させられ、各ノズル部材20により順次、あるいは可能な場合には同時に複数の部品が吸着される(ステップS1)。なお、部品の吸装着動作において、各ノズル部材20による吸着部品の種類、吸装位置、あるいは吸着順序等は、実装動作を最も効率良く行い得るように予め設定されて上記実装データ記憶手段34に記憶されている。
【0033】
部品吸着が完了すると、ヘッドユニット5が部品認識用カメラ17の上方に移動させられて吸着部品の画像による認識が行われ(ステップS2)、その後プリント基板3側へと移動させられて部品の装着が行われる。
【0034】
このような部品の装着動作において、上記実装機では以下のステップS3〜S14の処理が繰返し行われることにより、部品毎にヘッドユニット5及び支持部材11の動作条件が設定されながら部品の装着が行われる。
【0035】
すなわち、部品認識用カメラ17による部品認識が完了すると、当該完了時のヘッドユニット5の現在位置の検出が行われるとともに、目標位置、つまり最初に部品を装着すべき位置を示すデータが読出され、これらの現在位置及び目標位置を示すデータからヘッドユニット5のX軸方向及びY軸方向の移動距離がそれぞれ求められる(ステップS3〜S5)。
【0036】
次いで、Y軸方向の移動距離に応じ、Y軸速度ループゲイン、つまりY軸のサーボ制御における速度ループの比例ゲイン及び積分ゲインが設定される(ステップS6)。このとき、前述のように、上記所定距離Yaより短くなると速度ループゲインが大きくされる(図6参照)。
【0037】
さらに、メイン軸決定のための予備計算として、ステップS5で求められたX軸及びY軸方向の移動距離に基づき、ヘッドユニット5及びナット部材11を共に最高速度で移動させるとした場合のX軸及びY軸方向の目標位置への移動時間が求められる(ステップS7)。この移動時間の計算に基づいてX軸、Y軸等の駆動軸のうちでメイン軸が決定され(ステップS8)、この場合、各軸のうちで移動に要する時間が長い方がメイン軸とされる。
【0038】
そして、まず、メイン軸方向の動作条件が求められ、このメイン軸方向の動作条件を加味してサブ軸方向の動作条件が求められる(ステップS9,S10)。この場合、X軸方向の目標位置への位置決めとY軸方向の目標位置への位置決めが同時到着制御により行われるように、つまり支持部材11でのヘッドユニット5の目標位置への到達と支持部材11の目標位置への到達が同時に完了するように、動作条件が定められる。
【0039】
具体的には、例えば、メイン軸がY軸である場合、まず、部品の種類等に基づいてY軸の加減速度や最高速度等が設定され、Y軸方向の目標位置までの移動距離に応じ、前述の図5に示すような駆動制御パターンが設定される。そして、このようにY軸方向の動作条件が求められると、この条件でのY軸方向の位置決めに要する時間が求められる。また、サブ軸であるX軸についても加減速度や最高速度等が設定されて駆動制御パターンが設定されるが、この場合に、Y軸方向の位置決めに要する時間と、X軸方向の目標位置までの移動距離とに基づき、目標位置への到達がY軸と同時に完了するように、加減速度等が調整される。
【0040】
こうして部品装着のための動作条件が決定すると、この条件に基づき、ヘッドユニット5及び支持部材11が目標位置に到達するまで、X軸サーボモータ15及びY軸サーボモータ9に対するサーボ制御が実行される(ステップS11,S12)。つまり、駆動制御パターンに従ってサーボモータ9,15を駆動させるように位置検出信号及び速度検出信号等に応じたフィードバック制御が行なわれ、この際、Y軸については速度ループの比例ゲイン及び積分ゲインとして上記ステップS6で設定された値が用いられる。
【0041】
上記ヘッドユニット5及び支持部材11が目標位置に到達すると、プリント基板に対する部品の装着が行なわれる(ステップS13)。そして、当該部品の装着が完了すると、ステップS14において、さらに装着すべき部品が有る否かが判断され、部品が有る場合にはステップS3にリターンされ、次回の部品装着のための動作条件が求められる。一方、装着すべき部品が無い場合には、ステップS1にリターンされ、次回装着すべき部品を吸着すべくヘッドユニット5が部品供給部4側に移動させられる。
【0042】
このように上記実装機によれば、部品装着のための位置決め時等に、目標位置までヘッドユニット5及び支持部材11を移動させるべくサーボモータ9,15に対するサーボ制御が行なわれ、この場合に、とくにY軸サーボモータ9の制御においてはY軸移動距離に応じて速度ループゲインが変更され、Y軸移動距離が上記所定距離Yaよりも長い場合は騒音の増大を招かないように速度ループゲインが比較的小さい値とされるが、Y軸移動距離が上記所定距離Yaよりも短い場合は速度ループゲインが増大されることにより、効果的に残留振動の低減が図られる。
【0043】
すなわち、一般にこの種の実装機のヘッドユニット駆動系統において、移動距離が短くて最高速度に達する前に加速から減速に切替わるような場合、停止時に残留振動が発生し易く、とくにY軸方向には、ヘッドユニット5等を支持した支持部材11による大きなイナーシャが作用するとともに、剛性が比較的低いことから、残留振動が増大し易い。これに対し、サーボ制御において速度ループゲインを大きくすると残留振動が小さくなる傾向があるため、とくに残留振動が増大し易いY軸方向についての短距離移動時に速度ループゲインが増大されることにより、効果的に残留振動が低減される。
【0044】
そして、このように残留振動が低減されると、加減速度を高めることができるとともに、停止してから残留振動が減衰するまでの待ち時間が短くなるので、実装時間の短縮が可能となる。
【0045】
なお、上記実施形態の実装機は、本発明の加速度制御装置が適用される実装機の一例であって、その具体的な構成、あるいは制御方法等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態では、Y軸方向のサーボ制御についてのみ移動距離に応じて速度ループゲインを変更しているが、X軸方向のサーボ制御についても同様に移動距離に応じて速度ループゲインを変更するようにしてもよい。
【0047】
また、図4に示す例では速度ループゲインの設定、動作条件の設定及びこれらの設定に基づくサーボ制御を部品装着位置への移動の際に行なうようにしているが、部品供給部4における部品吸着動作や、部品認識用カメラ17による部品認識のための動作を含めた一連の実装動作において実施するようにしても構わない。このようにすれば、一連の実装動作における各部での停止時の残留振動を効果的に抑え、実装効率をより一層高めることが可能となる。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、実装機のヘッドユニットを目標位置まで移動させるように上記サーボモータを制御することによりヘッドユニットの位置決めを行なう際に、サーボモータの制御における速度ループゲインを、目標位置までのヘッドユニットの移動距離に応じ、移動距離が短いときに増大させるようにしているため、ヘッドユニットの移動距離が短くて残留振動が生じ易い状況下にある場合に、上記速度ループゲインの増大により、効果的に残留振動を低減することができる。従って、部品装着時等にヘッドユニットが停止してから残留振動が減衰するまでの待ち時間を短縮することができるとともに、サーボモータの加減速度を大きくすることができ、これらによって実装効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動制御装置が適用される実装機を示す概略平面図である。
【図2】上記実装機を示す概略正面図である。
【図3】上記実装機においてヘッドユニットの移動を制御する制御系の一例を示すブロック図である。
【図4】実装制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】駆動制御パターンを例示する説明図である。
【図6】Y軸移動距離と速度ループゲインとの関係を示す図である。
【符号の説明】
5 ヘッドユニット
9 Y軸サーボモータ
15 X軸サーボモータ
10,16 位置検出手段
30 コントローラ
31 主制御手段
32 軸制御手段
36 演算手段
37 速度ループゲイン設定手段
Claims (3)
- 実装機本体に対し移動可能とされてサーボモータにより駆動されるヘッドユニットを備え、このヘッドユニットにより、部品供給部から部品をピックアップして、プリント基板に装着するようにした実装機において、
ヘッドユニットを目標位置まで移動させるべく、先ず加速し、移動距離が比較的長い場合に予め設定された最高速度まで加速してこの速度で目標位置近くまで駆動し、目標位置近くに達してから減速して目標位置に停止させるように上記サーボモータを制御することによりヘッドユニットの位置決めを行なうとともに、
このヘッドユニットの位置決めの際に、サーボモータの制御における速度ループゲインを、目標位置までのヘッドユニットの移動距離に応じて設定するものとし、移動距離が短くて、最高速度に達する前に目標位置近くに達することにより加速から直ぐに減速に切換えられるような移動距離であるときに、速度ループゲインを増大させるように変更することを特徴とする実装機の駆動制御方法。 - 実装機はY軸方向に延びるガイド部材に移動可能に支持されてサーボモータによりボールねじを介して駆動される支持部材を備え、この支持部材にヘッドユニットがX軸方向に移動可能に装着され、上記支持部材の移動及び支持部材に対するヘッドユニットの移動によりヘッドユニットの位置決めが行なわれるようになっているものであって、ヘッドユニットの位置決めの際に、少なくともY軸方向のモータ制御における速度ループゲインをY軸方向移動距離に応じて変更することを特徴とする請求項1記載の実装機の駆動制御方法。
- Y軸方向に延びるガイド部材に移動可能に支持されてサーボモータによりボールねじを介して駆動される支持部材と、この支持部材に対してX軸方向に移動可能に装着されたヘッドユニットとを備え、このヘッドユニットにより、部品供給部から部品をピックアップして、プリント基板に装着するようにした実装機において、
上記ヘッドユニットの位置決めの際に目標位置までの駆動位置及び駆動速度の制御パターンに基づき、先ず加速し、移動距離が比較的長い場合に予め設定された最高速度まで加速してこの速度で目標位置近くまで駆動し、目標位置近くに達してから減速して目標位置に停止させるように上記サーボモータの駆動を制御する制御手段と、
目標位置までの移動距離を演算する演算手段と、
上記制御手段による上記サーボモータの制御に用いる速度ループゲインを、上記移動距離に応じて設定するものであって、移動距離が短くて、最高速度に達する前に目標位置近くに達することにより加速から直ぐに減速に切換えられるような移動距離であるときに、速度ループゲインを増大させるように変更する速度ループゲイン設定手段とを備えたことを特徴とする実装機の駆動制御装置。
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