JP3563598B2 - チューブ付きキャップ取付装置およびその方法 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、チューブ長さの異なるチューブ付きキャップの取り付けを、簡単な構造および短時間の交換作業により兼用操作させることができるチューブ付きキャップ取付装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディスペンサー(チューブ付きのキャップ)キャッパーにおいて、例えば、図9に示すような、トリガーポンプキャップ80は、その吸引チューブ81を内容物が充填された容器82内に挿入させて施蓋されている。
【0003】
しかし、この吸引チューブ81は、長尺にした製造時の巻き癖等により、同図において仮想線で示すように、円弧状に湾曲している場合が多く、このままの状態ではその先端部が容器82の口元へ正しく対応しない、いわゆる、口元から外れてしまう。
【0004】
そのため、該吸引チューブ81は容器82の口元82aへの挿入時には、上下方向へ真っ直ぐな姿勢となるように、図10に示すような、ディスペンサーキャッパー83における係止部材84により、その上から下へとチューブ81をしごいで、その下端部の軸心を容器口元82aに合わせていた。
【0005】
しかしながら、このキャッパー83の構成は、キャップ80の頭部85を把持するキャップチャック86を上下移動させるスピンドルカム87と、キャップ80のチューブ81の上部から下部に移動して、更に、前記したスピンドルカム87と同一動作を行わせるチューブしごきカム88の二組の作動手段が必要であって、型換え等によって、チューブ長さが変わるごとに、前記したスピンドルカム87とチューブしごきカム88との両方を交換していた。
【0006】
そのため、これらカム87,88の交換作業時間が大幅に掛かり、主たる容器の施蓋処理の稼働時間が低下する。
【0007】
また、これらカムを交換するために複数種の構成部品をそれぞれに用意しておかなければならず、その管理と保管が甚だ面倒なばかりか、高価な構成部品のストックは、前記稼働時間の低下と相俟って、製造コストの高騰を招く。
等の様々な問題点を有するものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した問題点を解決するためになされたもので、機体に設けた把持手段の近傍において主軸と平行させて取付軸を設け、この取付軸へ昇降体を昇降自在に取り付けて、該昇降体にはその上下に第一軸および第二軸を突出させ、これら第一および第二軸を連動進退させる操作部材を設けて、この操作部材の第二軸にチューブグリッパーを取り付けると共に、第一軸には該第一軸の進退量を調整する調整体を設けることにより、容易な操作と簡単な構造を用いて、異なる複数のチューブ長さのキャップの装着処理を、兼用使用して行うことができるチューブ付きキャップ取付装置を提供およびその方法することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するための本発明の手段は、
機体と、この機体へ主軸により昇降自在にかつ回転自在に取り付けた把持手段と、該把持手段の近傍において前記主軸と平行させて設けた取付軸と、この取付軸へ昇降自在に取り付けて前記把持手段の接続体へ連係部材を介して接続させた昇降体と、該昇降体に設けてその上下に第一軸および第二軸を突出させ、これら第一および第二軸を相対的に連動進退させる操作部材と、この操作部材の第二軸に取り付けて前記取付軸に沿って昇降し、前記把持手段に把持されたキャップのチューブの外周部を抱持する開閉自在のチューブグリッパーと、前記第一軸に設けて該第一軸の進退量を調整する調整体と、
を備えさせたチューブ付きキャップ取付装置の構成にある。
【0010】
また、
調整体は、第一軸に対して着脱自在に設け、第一軸の軸方向に対して寸法の異なるものを選択的に用いる。
【0011】
そして、
キャッパーにおける把持手段にチューブ付きキャップを把持させて、このチューブをチューブグリッパーにより抱持し、操作部材により軸方向へしごいてチューブの先端部を挿入中心に位置付けた後、容器口元へ該チューブを挿入して施蓋するチューブ付きキャップ取付方法にあって、
前記操作部材に対して、移動軸方向への寸法の異なる調整体の選択的な付け替えを行うことにより、前記チューブグリッパーの移動量を規制して、前記操作部材による前記チューブグリッパーの軸方向への移動ストロークを変化させるチューブ付きキャップ取付方法にある。
【0012】
【実施例】
次に、本発明に関するチューブ付きキャップ取付装置およびその方法の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1〜図2および図5〜図8においてAは、本発明の一実施例のチューブ付きキャップ取付装置で、例えば、流体充填業界において、ロータリー式のディスペンサーキャッパー(ポンプ式のチューブc付きキャップbの容器dへの巻締機)に用いられるもので、機体1と、把持手段2と、取付軸3と、昇降体4と、操作部材5と、チューブグリッパー6と、調整体7とにより構成される。
【0014】
そして、前記した把持手段2は、機体1へ主軸8により昇降自在にかつ回転自在に取り付けてあって、該機体1へ間隔的に多数組が設けられ、図2に示すような、カム等からなる昇降手段9によって所定タイミングにより上昇と下降を繰り返し、かつ、所定タイミングにより回転動作を行う。
【0015】
そして、このキャップbの把持部2aの機構は、リンク・くさび等によるメカニカル式や、バキューム式,エアーチューブ式等の慣用のものが使用されるもので、外部の制御系を介して把持や把持解除の信号が与えられるものであり、本実施例においてはエアーによって求心方向へ作動するくさび式を用いた。
【0016】
前記した取付軸3は、把持手段2の近傍において主軸8と平行させて機体1に所定間隔で一対を設けてあって、この一対の取付軸3,3がカム等の回動手段10により相対的に所定の回転角が得られるようにしてあり、後記するチューブグリッパー6の開閉運動が行われるようにする。
【0017】
前記した昇降体4は、後記する操作部材5およびチューブグリッパー6を吊持するもので、一対の取付軸3へ昇降自在に取り付けてあって、把持手段2における主軸8へ取り付けた接続体11にコイルスプリング等の連係部材12を介して弾力的に接続させてある。
【0018】
前記した操作部材5は、空圧等を駆動源とする流体シリンダ等を用いて昇降体4に設け、その上下に第一軸13および第二軸14(両軸シリンダタイプ)を突出させ、これら第一および第二軸13,14を一体的でその突出と引込とを相対的に連動進退させる。
【0019】
前記したチューブグリッパー6は、把持手段2に把持されたキャップbのチューブcの外周部を両側から抱持するもので、取付軸3に沿って昇降する保持体15へ、図3に示すように、回動手段10によって作動されるギア等の連動部材16により一対の包持部材17,17が開閉自在に取り付けてある。
【0020】
そして、この保持体15を操作部材5の第二軸14に取り付けてあって、操作部材5による該第二軸14の伸縮作動により、取付軸3およびこの取付軸3に付設した突条等の回転伝達部材3aに沿って、チューブグリッパー6が昇降運動する。
【0021】
前記した調整体7は、第一軸13の外周部へ着脱自在に設けて、該第一軸13の進退量を、すなわち、第二軸14に取り付けたチューブグリッパー6の移動量を調整するもので、その外周部に設けた割部7aから第一軸13に嵌め込み、昇降体4に設けた受部4aに係止段部7bを係合させることで該昇降体4に安定的に支承される。
【0022】
また、この調整体7は、図4に示すように、第一軸13の移動軸方向に対して寸法の異なるものを選択的に用いるもので、この寸法差により、該第一軸13の上端部に設けた当接体18の下面が調整体7の上面7cに当接したとき、第一軸13の移動が規制され、それに伴って、チューブグリッパー6の所定の移動量が得られる。
【0023】
したがって、前記のように構成される本発明実施例のチューブ付きキャップ取付装置Aおよびその方法は、以下に述べる作用を奏する。
【0024】
あらかじめ、チューブ付きキャップbのチューブcの長さに見合う調整体7を選定して、第一軸13に嵌め込み、その係止段部7cを昇降体4の受部4aに支承させる。
【0025】
そして、まず、キャップbは、例えば、給蓋手段(図示せず)から送られ、キャップ支持手段19により一個ずつ保持されて、カム等の等の回動手段(図示せず)により換向させると共に、昇降手段9によって、図5に示すように、主軸8を介して下降する把持手段2により、その把持部2aが待機位置において該キャップbの頭部を掴んで受け取り、上昇するものであり、チューブcはこの頭部より垂下状態で取り付けられている。
【0026】
また、チューブグリッパー6は、その包持部材17,17が全開状態で、その昇降運動における上死点で待機している。
【0027】
一方、容器dは、所定の繰入部材(図示せず)によりキャッパーにおけるテーブル20上に供給されるもので(容器dによっては、袴と呼ばれる治具d1に納められて供給されるもので)、容器保持部材21により把持されてその妄動が防止される。
【0028】
把持手段2が上昇した時点で、図1に示すように、チューブグリッパー6がチューブcの上部(曲りのないあるいは少ない箇所)をごくわずかな隙間を空けて抱持する。
【0029】
同時に、この状態から、該チューブグリッパー6は、図6に示すように、操作部材5の操作により第二軸14の繰り出しによって、その一対の包持部材17,17がチューブcの下部までしごくように下降するもので、該チューブcに曲り癖が付いていても、常に、主軸8の軸中心に矯正されて保持される。
【0030】
このとき、戻り側の排気を管理してエアーバランスさせ、チューブグリッパー6の構成部材の質量を軽減させる。
【0031】
また、チューブグリッパー6の降下は、第一軸13に設けた調整体7の高さ方向の規制代により、該第一軸13の上端に付設した当接体18が調整体7の上面7aに当たることでその下降量が調整され、希望する、すなわちチューブc長さに見合うしごきストロークが得られる。
【0032】
そして、昇降手段9により更に下降したチューブグリッパー6全体は、容器dの口元直前で、該保持体15が取付軸3の下部に設けた弾性材からなるストッパー23に当たるもので、これと同時に、操作部材5は降下衝撃を吸収しつつ収縮する。
【0033】
更に、この昇降体4に取り付けられている操作部材5は、接続部材11へスプリングからなる連係部材12を介して吊持されているもので、操作部材5に付与されている空圧が解除(排気)されることと、コイルスプリング等の連係部材12がクッションすることで、該操作部材5全体が上昇可能となるため、チューブグリッパー6全体が取付軸3の下部において残留し、容器dの口元において自己保持される。
【0034】
この状態で、把持手段2を昇降手段9の操作により降下させると、図7(a)に示すように、キャップbのチューブcは容器dの口元においてその内部へ正確に挿入されるもので、同時に、回動手段10によってチューブグリッパー6における一対の包持部材17,17が開いてチューブcの包持を解除する。
【0035】
更に作動する昇降手段9の操作によって把持手段2が下がり、図7(b)に示すように、キャップbが口元に当たり、所定の巻締めや押し込みがなされて施蓋が完了する。
【0036】
そして、昇降手段9の操作によって把持手段2を復帰位置まで上昇させることで一サイクルが終了し、次のキャップbの取付準備を行う。
【0037】
このように、調整体7を、第一軸13に対してワンタッチにより着脱自在に設けて、しかも、第一軸13の軸方向に対して、図4および図8に示すような、チューブc長さに対応した高さ寸法の異なる複数のものを選択的に用いて付け替えることで、図8に示すように、チューブc長さの異なるキャップbであっても、一台のキャッパーを用いて簡便に兼用的な施蓋処理が行える。
【0038】
また、本発明実施例によれば、チューブcの挿入やしごきストロークの基準設定にあって、容器bの口元基準あるいは、容器bの底基準等の変更を生じても容易に対応することができる。
【0039】
【発明の効果】
前述のように構成される本発明は、異なるチューブ長さのキャップの容器への取り付けに際して、該キャップ種に応じて、調整体の高さ寸法の異なる複数種を用意しておき、これを適宜付け替えるだけの簡単な操作により、一台のキャッパーでの兼用処理が可能とため、機械の製作コストを軽減させることができ、他のキャップの型換えにあっても、簡単でわずかな作業により行えるので、この交換作業時間が大幅に短縮され、主たる容器の施蓋処理の稼働時間を低下させることがない。
等の格別な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関するチューブ付きキャップ取付装置の一実施例の要部を破断して示す概略的な正面図である。
【図2】図1における装置を採用したキャッパーを概略的に示す正面図である。
【図3】図1における調整体付近の横断平面図である。
【図4】図1における調整体の各例を示す斜視図である。
【図5】図1における装置のキャップの受渡状態を示す正面図である。
【図6】図1における装置のチューブしごき状態を示す正面図である。
【図7】図1における装置のチューブ挿入状態の各例を示す正面図である。
【図8】図1における装置の調整体の使用例を示す説明図である。
【図9】キャッパーで施蓋されるキャップを取り付けた容器の正面図である。
【図10】従来のキャッパーにおけるチューブしごき装置の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
b キャップ
c チューブ
1 機体
2 把持手段
3 取付軸
4 昇降体
5 操作部材
6 チューブグリッパー
7 調整体
8 主軸
11 接続体
12 連係部材
13 第一軸
14 第二軸

Claims (3)

  1. 機体と、この機体へ主軸により昇降自在にかつ回転自在に取り付けた把持手段と、該把持手段の近傍において前記主軸と平行させて設けた取付軸と、この取付軸へ昇降自在に取り付けて、前記把持手段の接続体へ連係部材を介して接続させた昇降体と、該昇降体に設けてその上下に第一軸および第二軸を突出させ、これら第一および第二軸を相対的に連動進退させる操作部材と、この操作部材の第二軸に取り付けて前記取付軸に沿って昇降し、前記把持手段に把持されたキャップのチューブの外周部を抱持する開閉自在のチューブグリッパーと、前記第一軸に設けて該第一軸の進退量を調整する調整体とを備えさせたことを特徴とするチューブ付きキャップ取付装置。
  2. 調整体は、第一軸に対して着脱自在に設け、第一軸の軸方向に対して寸法の異なるものを選択的に用いることを特徴とする請求項1記載のチューブ付きキャップ取付装置。
  3. キャッパーにおける把持手段にチューブ付きキャップを把持させて、このチューブをチューブグリッパーにより抱持し、操作部材により軸方向へしごいてチューブの先端部を挿入中心に位置付けた後、容器口元へ該チューブを挿入して施蓋するチューブ付きキャップ取付方法にあって、
    前記操作部材に対して、移動軸方向への寸法の異なる調整体の選択的な付け替えを行うことにより、前記チューブグリッパーの移動量を規制して、前記操作部材による前記チューブグリッパーの軸方向への移動ストロークを変化させることを特徴とするチューブ付きキャップ取付方法。
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