JP3215581U - グリップ幅調整装置およびそれを備えた包装機 - Google Patents
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Abstract
【課題】各包装工程におけるグリップ幅の微調整を自在に行うことができ、構造も簡素かつ軽量で装置をよりコンパクト化することができ、さらに、温度等環境の影響も受けることがなく、熟練者による調整も不要で操作性に優れ、生産性の向上にも資することができるグリップ幅調整装置およびそれを備えた包装機を提供する。【解決手段】本考案のグリップ幅調整装置1Aは、グリップg1,g2を有しベース2に回動可能に取り付けられてグリップ幅を調整可能な一対のグリップホルダー3a,3bと、一対のグリップホルダー3a,3bを同時に回動させる往復動部4と、往復動部4を往復動するための駆動機構5とを備え、駆動機構5は、減速機構6と位置制御モーター7を有している。【選択図】図1
Description
本考案は、包装袋の袋口付近の両側端を把持するグリップ対の離間距離(グリップ幅)を調整するためのグリップ幅調整装置およびそれを備えた包装機に関するものである。
従来より、包装機において包装袋の袋口付近の両側端をグリップ対で把持した状態で、給袋工程、袋開口工程、充填工程、移送工程、振動工程、シール工程および排出工程などを経て被包装物を包装袋内に充填し製品化することが行われている。
上記各包装工程の中では、グリップ対の離間距離(グリップ幅)を調整することが必要となる。例えば給袋工程では、包装袋の大きさに応じてグリップ幅を調整する。袋開口工程では、袋口を開口する際に袋サイズに応じた最適な幅にグリップ幅を狭くする。充填工程では、被包装物を包装袋内に充填するために漏斗を包装袋内に挿入するが、漏斗を入り易くするために袋サイズに応じた最適な幅にグリップ幅を狭くする。移送工程では、袋口の開口が大き過ぎると周囲の装置の配置が制限され、逆に袋口の開口が小さ過ぎると被包装物が溢れてしまうため、グリップ幅を最適な幅に調整する。振動工程では、グリップ幅を微妙に変動させることにより被包装物に振動を与えて包装袋内に被包装物を沈ませる。シール工程では、グリップ幅を拡げることで袋口を閉じるが、被包装物が充填されるとその重みで包装袋が重力方向に引っ張られるため、給袋時のグリップ幅で包装袋を把持しても縦縞が形成されてシール不良を起こすことがある一方、グリップ幅を拡げすぎると強すぎて横縞が形成され開口端が倒れ込みシール不良を起こす。このため、シール時のクリップ幅は、包装袋の包材やサイズ、被包装物の重量や形状等によって極めて微妙な調整が求められる。
このように、包装機においてはグリップ幅の調整は極めて重要であり、各工程によっても異なる調整が求められるものであるが、従来のグリップ幅調整装置80は、図12に示すように、2つのシリンダー81,82を連結しシリンダー81,82の押し引きによってグリップ幅を変更する機構であった。この機構はシリンダーの位置とストロークを調整することでグリップ幅を手動で調整可能に構成されているが、シリンダー2つの連結ではグリップ幅の調整は最大4パターンしかなく自由度や自在性がなかった。また、シリンダーはエアー機器であるため、速度調整はスピードコントローラーで行うため、目測での調整しかできず、熟練者によらなければ調整が困難であった。さらに、シリンダーは温度によって動作が影響を受けやすく、シリンダーが劣化するにつれて次第に動作が不安定になるという問題があった。さらに、構造が複雑となって調整や清掃が困難であった。
そこで、本考案の課題は、各包装工程におけるグリップ幅の微調整を自在に行うことができ、構造も簡素かつ軽量で装置をよりコンパクト化することができ、温度等環境の影響も受けることも少なく、熟練者による調整も不要で操作性に優れ、生産性の向上にも資することができるグリップ幅調整装置およびそれを備えた包装機を提供することにある。
上記課題を達成するものは、先端側に開閉可能なグリップを有しベースにそれぞれ回動可能に取り付けられてグリップ幅を調整可能な一対のグリップホルダーと、該一対のグリップホルダーの後端側に取り付けられ往復動により前記一対のグリップホルダーを同時に回動させる往復動部と、該往復動部を往復動するための駆動機構とを備え、該駆動機構は、前記往復動部が取り付けられた減速機構と、該減速機構を回動するための位置制御モーターを有していることを特徴とするグリップ幅調整装置である。前記グリップ幅調整装置の前記駆動機構は、カバー部材により被包されていることが好ましい。
また、上記課題を達成するものは、先端側に開閉可能なグリップを有しベースにそれぞれ回動可能に取り付けられてグリップ幅を調整可能な一対のグリップホルダーと、該一対のグリップホルダーの後端側に取り付けられ往復動により前記一対のグリップホルダーを同時に回動させる往復動部と、該往復動部を往復動するための駆動機構とを備え、該駆動機構は、前記往復動部が取り付けられた減速機構と、該減速機構を回動するための位置制御モーターを有していることを特徴とするグリップ幅調整装置を備えた包装機である。前記駆動機構は、カバー部材により被包されていることが好ましい。
請求項1ないし3のいずれかに記載のグリップ幅調整装置によれば、各包装工程におけるグリップ幅の微調整を自在に行うことができ、構造も簡素かつ軽量で装置をよりコンパクト化することができ、さらに、温度等環境の影響も受けることがなく、熟練者による調整も不要で操作性に優れ、生産性の向上にも資することができる。
請求項4に記載のグリップ幅調整装置によれば、上記請求項1の効果に加え、駆動機構に粉などが付着して動作不良を起こすことを防止できると共に、清掃を容易および清掃時間を短縮でき、グリップ幅調整装置をより衛生的にすることができる。
請求項5に記載の包装機によれば、各包装工程におけるグリップ幅の微調整を自在に行うことができ、構造も簡素かつ軽量で装置をよりコンパクト化することができ、さらに、温度等環境の影響も受けることがなく、熟練者による調整も不要で操作性に優れ、生産性の向上にも資することができる。また、駆動機構に粉などが付着して動作不良を起こすことを防止できると共に、清掃を容易および清掃時間を短縮でき、包装機をより衛生的にすることができる。
請求項4に記載のグリップ幅調整装置によれば、上記請求項1の効果に加え、駆動機構に粉などが付着して動作不良を起こすことを防止できると共に、清掃を容易および清掃時間を短縮でき、グリップ幅調整装置をより衛生的にすることができる。
請求項5に記載の包装機によれば、各包装工程におけるグリップ幅の微調整を自在に行うことができ、構造も簡素かつ軽量で装置をよりコンパクト化することができ、さらに、温度等環境の影響も受けることがなく、熟練者による調整も不要で操作性に優れ、生産性の向上にも資することができる。また、駆動機構に粉などが付着して動作不良を起こすことを防止できると共に、清掃を容易および清掃時間を短縮でき、包装機をより衛生的にすることができる。
本考案では、先端側に開閉可能なグリップg1,g2を有しベース2にそれぞれ回動可能に取り付けられてグリップ幅を調整可能な一対のグリップホルダー3a,3bと、一対のグリップホルダー3a,3bの後端側に取り付けられ往復動により一対のグリップホルダー3a,3bを同時に回動させる往復動部4と、往復動部4を往復動するための駆動機構5とを備え、駆動機構5は、往復動部4が取り付けられた減速機構6と、減速機構6を回動するための位置制御モーター7を有していることで、各包装工程におけるグリップ幅の微調整を自在に行うことができ、構造も簡素かつ軽量で装置をよりコンパクト化することができ、さらに、温度等環境の影響も受けることも少なく、熟練者による調整も不要で操作性に優れ、生産性の向上にも資することができるグリップ幅調整装置およびそれを備えた包装機を実現した。
本考案のグリップ幅調整装置を備えた包装機を図1から図11に示した一実施例(包装機P)を用いて説明する。
この実施例の包装機Pは、図1または図2に示すような、先端側に開閉可能な一対のグリップg1,g2を有しベース2にそれぞれ回動可能に取り付けられてグリップ幅を調整可能な一対のグリップホルダー3a,3bと、一対のグリップホルダー3a,3bの後端側に取り付けられ往復動により一対のグリップホルダー3a,3bを同時に回動させる往復動部4と、往復動部4を往復動するための駆動機構5とを備え、駆動機構5は、往復動部4が取り付けられた減速機構6と、減速機構6を回動するための位置制御モーター7を有しているグリップ幅調整装置1A,1Bを備えている。
この実施例の包装機Pは、図1または図2に示すような、先端側に開閉可能な一対のグリップg1,g2を有しベース2にそれぞれ回動可能に取り付けられてグリップ幅を調整可能な一対のグリップホルダー3a,3bと、一対のグリップホルダー3a,3bの後端側に取り付けられ往復動により一対のグリップホルダー3a,3bを同時に回動させる往復動部4と、往復動部4を往復動するための駆動機構5とを備え、駆動機構5は、往復動部4が取り付けられた減速機構6と、減速機構6を回動するための位置制御モーター7を有しているグリップ幅調整装置1A,1Bを備えている。
また、包装機Pは給袋自動包装機であり、図3ないし図5に示すように、包装袋aを充填位置に待機するグリップ幅調整装置1A,1Bの第1グリップg1または第2グリップg2に供給する給袋装置8と、袋口を上にして包装袋aを吊り下げ状に支持する第1グリップg1または第2グリップg2を充填位置とシール位置との間で移動とする移送手段9と、第1グリップg1または第2グリップg2により支持された包装袋aに所定量の被包装物を充填する充填手段10と、被包装物が充填された包装袋aの底部を押し上げもしくは袋の底部に振動を付与するように設けた底上げ装置22と、被包装物が充填された包装袋aの袋口付近をヒートシールするシール手段12と、袋詰めされた製品を機外へ排出する排出手段20を有している。以下、各構成について順次詳述する。
なお、この包装機Pは、被包装物として粉体、粒体若しくは固形物を対象とするものであり、内容量として4kg程度までの小袋から中袋に対する袋詰め作業を行なうものである。また、この実施例の包装機Pは、2組のグリップ幅調整装置1A,1Bを、図10に示した給袋側と排出側へ交互に弧状軌跡に沿って往復動させるタイプの包装機であるが、グリップ幅調整装置1をロータリー方式の包装機や直線移動方式の包装機に適用したものも本考案の範疇に包含される。
まず、包装機Pのグリップ幅調整装置1の各構成について順次詳述するが、2組のグリップ幅調整装置1Aとグリップ幅調整装置1Bは同一構成であるため、図1または2に示したグリップ幅調整装置1Aの構成について詳述し、グリップ幅調整装置1Bについては説明を省略する。
グリップホルダー3a,3bは、図1または図2に示すように、先端(図1中上側)側に開閉可能なグリップg1,g2をそれぞれ備えている。グリップg1,g2は、グリップホルダー3a,3bにそれぞれ取り付けられたグリップシリンダー31,32のロッドの伸縮により開閉可能に構成されており、この開閉動作により包装袋aの袋口付近の両側端を把持できるように構成されている。
グリップホルダー3a,3bは、図1に示すように、平面視略L字型の形状に形成されており、この平面視略L字型のグリップホルダー3a,3bが略線対称の位置に配されて、それら中央の屈曲部付近はベース2に回動可能に取り付けられると共に、後端側はリンク34により連接されている。そして、グリップホルダー3a,3bが回動することにより、先端側同士が図1に示すように接近または離間することでグリップ幅が調整可能に構成されている。
グリップホルダー3aの後端側には、往復動部(ロッド)4の先端側(一端側)が取り付けられており、グリップホルダー3a,3bの後端側はリンク34により連接されていることから、往復動部4の往復動により一対のグリップホルダー3a,3bを同時に回動させることができ、この動作によりグリップg1,g2が内外に移動してグリップ幅が調整可能に構成されている。
往復動部4を往復動させるための駆動機構5は、往復動部4の後端側(他端側)が取り付けられた減速機構6と、減速機構6を回動するための位置制御モーター7を有している。
減速機構6は、ウォームギアで構成されており、ウォームホイール6aの中心軸6bを中心として回動する駆動レバー6cに往復動部4の後端部(他端側)が取り付けられて、ウォームホイール6aの回動によって往復動部4が往復動するように構成されている。
減速機構6のウォームホイール6aを回動させるウォーム6dは、位置制御モーター7によって回動するように構成されている。具体的には、位置制御モーター7の回動軸7aにモータープーリ38が設けられ、受動側プーリ39にタイミングベルト40を介して回動が伝達されるように構成され、受動側プーリ39の軸部41にウォーム6dが取り付けられている。そして、これらの構成により、位置制御モーター7の回動が減速機構6に伝達され、その回動動作がウォームホイール6aの中心軸6bを中心として回動する駆動レバー6cを介して往復動部4の往復動作に変換され、往復動部4の往復動により一対のグリップホルダー3a,3bが同時に回動し、これら一連の動作によりグリップg1,g2が内外に移動してグリップ幅が自在に制御されるように構成されている。
このように、本考案の包装機Pは、上記構造のグリップ幅調整装置1A,グリップ幅調整装置1Bを備えているため、各包装工程におけるグリップ幅の微調整を自在に行うことができ、構造も簡素かつ軽量で装置をよりコンパクト化することができ、さらに、温度等環境の影響も受けることも少なく、熟練者による調整も不要で操作性に優れ、生産性の向上にも資することができる。
なお、位置制御モーターとしては、サーボモーター、ステッピングモーター、ブラシレスモーターなどが好適に使用できるが、この実施例では、サーボモーターが使用されている。また、グリップ幅調整装置1A,1Bの駆動機構5は、図2に示すように、カバー部材21により被包されていることが好ましい。これにより、駆動機構5に粉などが付着して動作不良を起こすことを防止できると共に、清掃を容易および清掃時間を短縮でき、グリップ幅調整装置1をより衛生的にすることができる。さらに、各包装工程におけるグリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bの作用については後述する本考案の包装機Pの各包装工程における作用の中で詳述する。
給袋装置8は、図3に示すように平面視で、包装機Pの機台14に対して所定の角度をもって斜め方向に付設された架台15に設置されている。この給袋装置8は、ストッカー13上に多数の包装袋aが袋口側を前(図1中左上側)にして積載されるマガジン16と、このマガジン16に積載された包装袋aを、充填位置に待機するグリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2に供給する袋供給部18とから構成されている。
袋供給部18は、所定位置まで送り込まれた包装袋aを袋メクリレバー(図示せず)により受け渡し位置まで持ち上げ、これを図示しない供給アームの吸盤により吸着して充填位置に待機する第1グリップg1および第2グリップg2に直接供給し、または進退可能な挟着片(図示せず)を介して第1グリップg1および第2グリップg2に間接的に供給する公知構造にて構成されている。
充填位置には、グリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2により両側端を把持された包装袋aに対して、包装袋aの表裏面より、図示しない真空ポンプによる真空吸引作用によって吸盤(図示しない)を介して吸着・支持する袋開口手段(図示しない)が設けられている。
移送手段9は、図10に示すように、充填位置(給袋側位置)とシール位置(排出側位置)との間を同一の回転軸19を回転中心としてグリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bを揺動制御するものである。
具体的には、移送手段9は、図6または図10に示すように、グリップ幅調整装置1Aの第1グリップg1および第2グリップg2を、充填位置(給袋側位置)からシール位置(排出側位置)へ回転移動させ、シール位置(排出側位置)から所定距離だけ回転軸19側へ後退させた退避位置へ移動させ、さらに、退避位置から充填側へ回転移動させて待機位置に移送し、待機位置から前方の元の充填位置(給袋側位置)に戻るループ軌跡運動を行なうように制御する。
また、移送手段9は、グリップ幅調整装置1Aより下方位置にあるグリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2を、退避位置から待機位置への回転移動と、待機位置から所定距離だけ前方へ移動した充填位置(給袋側位置)への移動と、充填位置(給袋側位置)からシール位置(排出側位置)への回転移動と、シール位置(排出側位置)からその後方(回転軸19側)の退避位置に戻るループ軌跡運動を行なうように制御する。すなわち、移送手段9は、グリップ幅調整装置1Aの第1グリップg1および第2グリップg2による上記ループ軌跡運動と、グリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2による上記ループ軌跡運動を同期制御して、グリップ幅調整装置1Aの第1グリップg1および第2グリップg2と、グリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2を、交互に充填位置(給袋側位置)とシール位置(排出側位置)に位置させるように作用する。
充填手段10は、図4に示すように、充填位置(給袋側位置)に配されており、グリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2により支持された包装袋aの袋口内に、昇降制御された漏斗11の下部放出口を挿入して包装袋a内に所定量の被包装物を充填し、充填終了後に漏斗11を包装袋aから抜去する一連の充填動作を行なうように構成されたものである。
充填手段10には、一般的な計量装置が付帯して設置されており、この実施例の計量装置は、所定量(ここでは4kg程度)までの小麦粉などをホッパー(図示せず)から漏斗11内に適時に放出するように構成されている。
底上げ装置は、充填位置(給袋側位置)及びシール位置(排出側位置)にそれぞれ設置されており、空圧シリンダー或いは電動モーターを駆動源とする昇降機構(図示せず)により上下方向に移動制御される受け板によって被包装物が充填された包装袋aの底部を押し上げ、もしくは包装袋aの底部に振動を付与するように構成されている。
シール手段12は、図5に示すように、シール位置(排出側位置)に設置されており、所定温度に加熱保持された一対のシールバーによって被包装物が充填された包装袋aの袋口より少し下方の部位にヒートシールを施す公知の構造に構成されている。
なお、包装袋aのシール予定箇所に被包装物が付着した状態でヒートシールが施されると、シール不良を生じることがあるため、ヒートシールを施す前に、包装袋aの袋口周辺をエアーブローすることにより内面に付着した被包装物を吹き飛ばす処理を必要に応じて採用してもよい。
排出手段20は、図5に示すように、シール位置(排出側位置)の外方に設けられており、グリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2から解放された製品を機外へ排出するベルトコンベアにて構成されている。
つぎに、グリップ幅調整装置1Aおよびグリップ幅調整装置1Bを備えた包装機Pの作用について工程順(給袋工程、袋開口工程、充填工程、底振動工程、移送工程、シール工程および排出工程)に順次説明する。
給袋工程では、給袋装置8により、ストッカー13上に収められた包装袋aをメクリレバー(図示せず)により持ち上げ、その持ち上げられた包装袋aは供給アーム(図示せず)により受け取られて前方の充填位置(図10の給袋側位置)まで移送された後、グリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2により支持される。この給袋工程では、図7(a)に示すように、包装袋aが大きい場合は、グリップ幅(第1グリップg1と第2グリップg2との離間距離)を大きく調整し、図7(b)に示すように、包装袋aが小さい場合は、グリップ幅を小さく調整して、グリップ幅を包装袋aの袋幅に適合するように調整する。
袋開口工程では、グリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2により支持された包装袋aは、袋開口手段の吸盤によって表裏面側からそれぞれ吸引され、表裏に対向して配された吸盤が離間して袋口が開口される。この袋開口工程では、包装袋aの表裏面側からそれぞれ吸盤によって引っ張られて袋口が開口する際に、図8に示すように、その吸盤(図示しない)による引張動作に追随させて袋サイズに応じた最適な幅にグリップ幅を狭くすることが行われ、これにより包装袋aが表裏面側に無理に引っ張られて損傷することが抑制される。
充填工程では、グリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2により支持されると共に、吸盤により袋口が開口された包装袋a内に、充填手段10の漏斗11の放出口が挿入され、所定量の小麦粉等が充填される。ついで、充填終了後に漏斗11が包装袋aから抜去されて一連の充填動作が終了する。この充填工程では、図8に示すように、吸盤により開口された袋口内に、漏斗11を挿入しやすくするために袋サイズに応じた最適な幅にグリップ幅を調整する。
底振動工程では、底上げ装置の作動により包装袋aの底部を押し上げ、もしくは底部に振動が付与される。この底振動工程では、グリップ幅を微妙に変動させることにより被包装物に振動を与えて包装袋内に被包装物を沈ませるが、このグリップ幅の微妙な変動は、往復動部4を位置制御モーター7で微妙に往復動させることにより実現できる。また、グリップ幅の変動に際しては、位置制御モーター7の制御により、速度制御も可能で振動の周期、振幅、タイミング等も自在に設定することができる。
移送工程では、グリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2により支持された包装袋aを移送手段9により、充填位置(給袋側位置)からシール位置(排出側位置)へ移送する。この移送工程に際しては、図10に示すように、袋口の開口が大き過ぎると周囲の装置の配置が制限され、逆に袋口の開口が小さ過ぎると被包装物が溢れてしまうため、グリップ幅を最適な幅に調整する。
シール工程では、シール手段12によって包装袋aの袋口下方部位にヒートシールが施されて包装袋aが封止される。なお、シール工程中には、底上げ装置22の作動により包装袋aの底部を押し上げて重量の一部を支承させる。シール工程では、図11に示すように、グリップ幅を拡げることで袋口を閉じるが、被包装物が充填されるとその重みで包装袋が重力方向に引っ張られるため、給袋時のグリップ幅で包装袋を把持しても縦縞が形成されてシール不良を起こすことがあり、グリップ幅を拡げすぎると強すぎて横縞が形成され開口端が倒れ込みシール不良を起こす。そのため、シール時のクリップ幅は、包装袋の包材やサイズ、被包装物の重量や形状等によって極めて微妙な調整が行われる。また、上記しわ伸ばしに際しては、トルク制御も可能であるため、しわ伸ばしの力を調整することで可能となる。
排出工程では、ヒートシール処理後、グリップ幅調整装置1Aまたはグリップ幅調整装置1Bの第1グリップg1および第2グリップg2から包装袋aが解放されて排出手段(ベルトコンベア)20上に落下させ機外に排出する。
上記のように、本考案のグリップ幅調整装置およびそれを備えた包装機では、位置制御モーターを用いることでグリップ幅の制御が自在となり、製品登録(包装袋毎の登録)によって各工程毎に異なるグリップ幅(従来は袋開口・充填・移送工程では同一のグリップ幅に設定していた。)の調整を一括登録し、さらに、タッチパネル操作でグリップ制御を一括自動切り替えすることで、グリップ幅の調整作業を削減でき、生産性や稼働率を向上させることができる。また、クリップ幅の制御が一括切り替えできることで、熟練者でなくてもミスなく確実なグリップ制御を行うことができる。さらに、近年の多品種少量生産に対して効率的に対応することができる包装機となる。
P 包装機
1 グリップ幅調整装置
g1,g2 グリップ
2 ベース
3a,3b グリップホルダー
4 往復動部
5 駆動機構
6 減速機構
7 位置制御モーター
8 給袋装置
9 移送手段
10 充填手段
11 漏斗
12 シール手段
13 ストッカー
14 機台
15 架台
16 ベルトコンベア
18 袋供給部
19 回転軸
20 排出手段
21 カバー部材
22 底上げ装置
1 グリップ幅調整装置
g1,g2 グリップ
2 ベース
3a,3b グリップホルダー
4 往復動部
5 駆動機構
6 減速機構
7 位置制御モーター
8 給袋装置
9 移送手段
10 充填手段
11 漏斗
12 シール手段
13 ストッカー
14 機台
15 架台
16 ベルトコンベア
18 袋供給部
19 回転軸
20 排出手段
21 カバー部材
22 底上げ装置
Claims (5)
- 先端側に開閉可能なグリップを有しベースにそれぞれ回動可能に取り付けられてグリップ幅を調整可能な一対のグリップホルダーと、該一対のグリップホルダーの後端側に取り付けられ往復動により前記一対のグリップホルダーを同時に回動させる往復動部と、該往復動部を往復動するための駆動機構とを備え、該駆動機構は、前記往復動部が取り付けられた減速機構と、該減速機構を回動するための位置制御モーターを有していることを特徴とするグリップ幅調整装置。
- 前記位置制御モーターは、サーボモーターである請求項1に記載のグリップ幅調整装置。
- 前記位置制御モーターは、ステッピングモーターまたはブラシレスモーターのいずれかである請求項1に記載のグリップ幅調整装置。
- 前記グリップ幅調整装置の前記駆動機構は、カバー部材により被包されている請求項1ないし3のいずれかに記載のグリップ幅調整装置。
- 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の前記グリップ幅調整装置を備えていることを特徴とする包装機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018000168U JP3215581U (ja) | 2018-01-18 | 2018-01-18 | グリップ幅調整装置およびそれを備えた包装機 |
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JP2014076681A Continuation JP2015196537A (ja) | 2014-04-03 | 2014-04-03 | グリップ幅調整装置およびそれを備えた包装機 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109229591A (zh) * | 2018-09-01 | 2019-01-18 | 浙江瑞志机械有限公司 | 一种双袋体真空包装机的夹袋协同调整装置 |
CN115402593A (zh) * | 2021-05-28 | 2022-11-29 | 杭州永创智能设备股份有限公司 | 一种给袋包装方法 |
-
2018
- 2018-01-18 JP JP2018000168U patent/JP3215581U/ja not_active Expired - Lifetime
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CN109229591A (zh) * | 2018-09-01 | 2019-01-18 | 浙江瑞志机械有限公司 | 一种双袋体真空包装机的夹袋协同调整装置 |
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