JP3563410B2 - 光増幅器の故障を決定する方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、光増幅器の性能を測定する方法および装置に関し、特に、光増幅器の故障を判定する方法に関するものである。
背景技術
最近の光送信システムは、光ファイバの撚線を介して接続された、送信および受信端末によって構成されている。光信号は、光ファイバに沿って伝搬するにつれて減衰し、これによって、可能な端末の間隔が制限される。高ライン速度で長距離伝送を行うため、光伝送リンクに沿った複数の地点に再生器(リピータ)および/または光増幅器を設けて、ファイバ上の信号を増幅している。数Gbpsのデータ速度で動作しているシステムには、再生器を設ける場所は、35〜80Kmの範囲内の間隔をおくことができ、それは、伝送するのに選択された波長に依存する。ライン増幅器の構成において、光増幅器間の距離は、およそ2倍になり、80〜160Kmが代表的な範囲となる。この距離は、上流側の増幅器によってファイバ中に送り込まれた光パワー、この増幅器とそれに最も近い下流側の増幅器とを相互に接続している光ファイバの損失と分散、および、その下流側増幅器の感度によって決まる。
長距離システムにファイバ増幅器を使用することが好まれるのは、モジュール間が比較的長距離であることだけでなく、光増幅器が、そのファイバに沿って伝搬している光信号を電気信号に変換したり、その逆を行う必要がないという理由のため、さらには、増幅器を容易にファイバ伝送リンクに継ぐことができる、という理由からである。光電子再生器の性能は、再生された電気信号の特性を監視することによって測定できるが、光増幅器の性能の測定には、特別な監視方法を必要とする。これは、再生された電気信号を利用できないためである。
光増幅器には、純増幅度(net gain)が減少するよりも、むしろ光学ノイズが増加することで性能を劣化させる故障がいくつかある。受信した光信号の強さが設計目標に合致していても、光学ノイズの増加によって、伝送システムの端末でビット・エラーが起こる。さらに、増幅器内の光学素子の故障によって、光学性能が劣化することもあるが、それによって、増幅器が所望の出力パワーを得るのを妨げられることはない。これらの劣化を検出することは、有益である。というのも、それらが過大なノイズを引き起こしたり、動作機能のマージンを減らす可能性があり、または、さらなる故障を事前に警告してくれたりするからである。
エルビウム注入型ファイバ増幅器(EDFA)における故障は、電子部品の故障、ポンプ・レーザの故障、および光学素子の故障に分類される。例えば、温度制御システムの経年変化あるいは故障によるポンプ・レーザ波長の変化によって、光学ノイズが増加する。入力信号の多大な損失あるいは全損失は、明確に検出する必要がある。それは、このような損失が、一般的には、EDFAの出力ポートに対する高増幅度によって補償されてしまうため、最終的には、出力信号の信号対雑音比が減少するという影響があるからである。
所定の光増幅器が生み出す増幅量は、入力パワーの関数だけでなく、より高いパワーにおいて、その増幅器が飽和することに起因する出力パワーの関数でもある。現在、光増幅器の出力パワー・レベルは、ユーザが規定できるようにして、光伝送システムの設計配置構成が柔軟になるようにしている。例えば、伝送システム構成の設計に計算違いがあれば、増幅器の発生できるパワーよりも高い出力パワーが、ユーザが規定できることになる。
光増幅器が、所望の出力パワーを得ることができない場合、それは、増幅器が劣化しているためか、所望の出力パワーに対して、入力信号が小さすぎるためか、あるいは、ユーザが設定した規定パワーが設計パラメータよりも高いからである。システムのユーザが、これらの事実を正確に区別できることが大切であり、そうでなければ、伝送リンク中のいずれの増幅器においても、所望の出力パワーが得られない。
増幅器が、1を越える出力方向あるいはバンドを有していたり、各バンド毎に別々にパワーを制御できる場合には、別の問題が発生する。増幅器は、設定された入力信号パワー・レベルに対するダイナミック・レンジの制御を行えなくなり、また、全ての出力パワー・レベルを、それらの規定値に同時に維持することができなくなる。例えば、一方のレベルが高すぎ、他のレベルが低すぎたりする。このダイナミック・レンジは、一般的には、入力パワー・レベル、および規定出力パワー・レベルの関数である。システムの管理者にとって大切なことは、増幅器の故障と、その増幅器が満たすようには設計されていない、所定の入力条件および規定出力条件とを区別することである。
現在では、いくつかの故障が報知される。従って、入力信号のパワーが、所定の閾値よりも低いときに、信号損失(LOS)アラームを発することは、光ファイバ伝送装置において標準的な技法である。同様に、増幅器が 増幅度、あるいは規定出力パワーに合致できない場合に、アラームを発することもまた知られている。
米国特許出願08/261,350(ロバーツ(Roberts)らにより、1994年6月16日に出願され、ノーザン・テレコム社に譲渡された)は、レーザ源に適切なディザが存在する場合、増幅器によって生成された光信号対雑音比を測定する方法を開示している。
しかしながら、従来の技術は、概して、増幅器の光素子の劣化や故障を検出する方法を開示しておらず、また、装置の故障と入力信号の欠如とを区別する方法も開示していない。本発明は、このような方法および装置に関するものである。
発明の概要
本発明の目的は、光増幅器の動作を監視する方法および装置を開示し、従来技術に係る監視方法の欠点のいくつか、または全てを軽減、あるいは克服することである。
本発明の他の目的は、光増幅器内の光素子の劣化や故障を検出する方法および装置を提供することである。
本発明のさらなる目的は、装置の故障と不適当な入力信号とを区別する方法および装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、M伝送チャネル(ここで、Mは1より大きな整数)を有するマルチ・チャネル光増幅器モジュール用の故障検出システムにおいて、伝送チ ャネル(m)(mは整数で、m∈[1,M])上で前記増 幅器モジュールが受信した入射光信号のパワーの関数と して、前記伝送チャネル(m)各々に対する入力値(I m)を得る手段と、前記伝送チャネル(m)上で前記増 幅器モジュールが送信した前記出射光信号のパワーの関 数として、前記伝送チャネル(m)各々に対する出力値 (O m )を得る手段と、前記モジュールの性能を表示する種々の定量化できる測定可能なパラメータである性能パラメータを決定する決定手段と、期待性能パラメータを格納するメモリ手段と、前記性能パラメータを前記期待性能パラメータと比較するコンパレータ・ユニットと、前記の比較結果に基づいて、前記性能パラメータが前記期待性能パラメータからずれている場合、エラー信号を生成するための決定を行う制御手段とを備え、前記性能パラメータは各ユーザ情報転送チャネルに対する入射光信号および出射光信号を測定することによって導き出されることを特徴とする。
本発明の他の態様によれば、光増幅器モジュールの故障を検出する方法において、伝送チャネル(m)(mは整 数で、m∈[1,M])上で前記増幅器モジュールが受信 した入射光信号のパワーの関数として、前記伝送チャネ ル(m)各々に対する入力値(I m )を得る工程と、前記 伝送チャネル(m)上で前記増幅器モジュールが送信し た前記出射光信号のパワーの関数として、前記伝送チャ ネル(m)各々に対する出力値(O m )を得る工程と、前記モジュールに対して前記モジュールの性能を表示する種々の定量化できる測定可能なパラメータである期待性能パラメータを供給する工程と、M伝送チャネル(ここで、Mは1より大きな整数)に対して、前記モジュールの性能パラメータを決定する工程と、前記性能パラメータを前記期待性能パラメータと比較し、前記性能パラメータが前記期待性能パラメータと異なる場合、エラー信号を生成する工程とを備え、前記性能パラメータは各(m)ユーザ情報転送チャネル上で出射光信号のパワーを表わす出力値を測定することによって決定されることを特徴とする。
増幅器は、設計マージンがあるため、保証レベル以下の入力パワー・レベルで、長年機能する。1あるいはそれ以上の構成部品の劣化が、そのマージンを減らす場合だけ、増幅器は、規定出力パワーを得ることができなくなる。ユーザは、設計上のマージンを得るために、保証されたレベルよりも低い入力損失(LOS閾値)の閾値を設定する選択を行う。このような場合、ユーザの選択、あるいは誤解、または知識不足によって、特定の出力パワーを設定する特定の増幅器に対してLOS閾値が低すぎる設定となる。
好適には、本発明の方法は、増幅器が期待性能パラメータを得ることができないときはいつでも、アラームが常に生成され、さらに、入力損失と光学素子の故障とを区別する適切なアラームが生成されるようになっている。
本発明に従って決定される性能パラメータは、例えば、出力パワーまたは利得である。同様に、本発明は、性能指数の使用を提案しており、それは、利得あるいは出力パワーよりも微妙な増幅器性能の測定であり、増幅器の潜在性能を評価するものである。このようにすることで、より良好な故障の填補ができ、利得あるいは出力パワーが影響を受ける前に、潜在する問題を検出することができる。
増幅自発放出(ASE:Amplified Spontaneous Emission)レベルの期待量を使用し、それを測定ノイズと比較し、本発明の方法に従ってゲイン・チルト(ゲイン傾き)をも計算することで、付加ノイズおよび利得の単なる測定よりも精度の良い増幅器性能の評価を提供できる。予測特性と測定特性との比較によって、増幅器には普通の、ノイズあるいは利得プロフィールのかなりの変化が除去され、その結果、いかなる劣化も正確に観測でき、適切な動作を開始できる。
上記の利点に加えて、本発明による方法により、ユーザは、多数の変数の比較的複雑な関数となりうる、マルチ・バンド増幅器のダイナミック・レンジを完全に理解する負担がなくなる。これは、増幅器自体が、ダイナミック・レンジ障害の状況を評価するからである。
【図面の簡単な説明】
本発明の上述した目的、機能、効果、並びに他の目的、機能、効果は、図示した、以下の好適な実施の形態についての、より詳細な説明から明らかであろう。
図1Aは、本発明に係る故障検出システムを備えた単方向増幅器モジュールのブロック図である。
図1Bは、図1Aの光増幅器モジュールの故障を決定する方法のフローチャートである。
図2Aは、故障検出システムを備えた双方向増幅器モジュールのブロツク図である。
図2Bは、図2Aの光増幅器モジュールの故障を決定する方法のフローチャートである。
図3は、他の実施の形態に係る故障検出システムのブロック図である。
図4Aは、図3の故障検出システムを備えた光増幅器モジュールの故障を決定する方法のフローチャートである。
図4Bは、図3の故障検出システムを備えた光増幅器モジュールの故障を決定するもう1つの方法についてのフローチャートである。
図5Aは、他の実施の形態に係る故障検出システムのブロック図である。
図5Bは、図5Aの故障検出システムに係る他の実施の形態を備えた光増幅器モジュールの故障を決定する方法のフローチャートである。
図6Aは、さらに別の実施の形態に係る故障検出システムのブロック図である。
図6Bは、図6Aの故障検出システムを備えた光増幅器モジュールの故障を決定する方法のフローチャートである。
図7Aは、さらに別の実施の形態に係る故障検出システムのブロックである。
図7Bは、図7Aの故障検出システムを備えた光増幅器モジュールの故障を決定する方法のフローチャートである。
発明の実施の形態
図1Aは、故障検出システムを備えた、単方向/単一チャネルの光増幅器モジュールのブロック図である。この光増幅器モジュールは、光増幅器10を備え、これは、図1Aの例では、エルビウム注入型ファイバ増幅器(EDFA)である。その増幅器モジュールは、光ファイバ29に接続されており、入力ポート12で受信した入射光信号を増幅し、出力ポート14において、出射光信号を得ている。EDFAモジュールは、通常、入力パワー・モニタ16、出力パワー・モニタ18、および、ポンプ・パワー・モニタ20を備える。出力パワー・モニタ18は、出力電気信号に変換された後の出射光信号の一部を受信して、その出射光信号中のパワーを測定する。このフィードバック・パワー情報は、制御ユニット22によって処理され、この制御ユニット22は、ポンプ・パワー・モニタ20をも制御して、このフィードバック信号に従って、レーザ・ポンプ21のパワーを調節する。入力パワー・モニタ16は、入射光信号のパワーを測定し、その後、この測定値を用いて、増幅器の様々なパラメータを決定する。例えば、上記の米国特許出願08/261,350に開示されているように、入力パワーを用いてノイズ情報を得ることができる。制御ユニット22は、データ・バス45を通って、遠隔またはローカルのコンピュータと情報を交換する。
入力および出力タップは、通常、入力ポート12および出力ポート14において用いられ、入射光信号および出射光信号の一部を各パワー・モニタへ転送している。個々の転送された一部の信号は、PINダイオード23,24によって電気信号に変換され、その後、トランスインピーダンス増幅器25,26によって増幅される。そして、その信号は、アナログ/ディジタル変換器27,28によってディジタル信号に変換される。入射光信号および出射光信号のパワーを測定するこの方法は、この分野では公知技術である。従って、ここでは、これ以上詳細を説明しない。
一般的に光増幅器モジュールには、入力信号が閾値レベルより小さいときに、LOSを宣言するアラームが備えられている。ポンプ・レーザがその限度まで駆動されているときに、光増幅器が、例えば、出力パワー制御ループによって決定された、その光増幅器の規定出力パワーを得ることができなければ、内部のアラーム状態が宣言される。これでは十分ではない。というのも、出力パワーが得られない様々な理由があり、それゆえに、この状態を修正したり、あるいは適切なアラームを宣言する様々な方法があるからである。
本発明によれば、光増幅器モジュールは、そのモジュールの性能パラメータを測定する手段と、期待性能パラメータを提供する手段と、測定された性能パラメータを期待性能パラメータと比較する手段とからなる故障検出システムを備え、エラー信号を発する。このエラー信号によって、適切なアラームが開始され、エラー・タイプの表示も行われる。
図1Aの実施の形態において、性能パラメータは、好適には、伝送チャネルに対する出入力パワー間の対応である。入力パワー・モニタ16は、ライン37上に、入射光信号のパワーの関数として、測定入力値(I)を与え、出力パワー・モニタ18は、ライン31上に、出射光信号のパワーの関数として、測定した出力値(O)を与える。 性能パラメータは、各測定出力値(O)を得るのに必要な測定入力値(I)に対する入力閾値(T)に対応する規定出力パワー(P)である。好ましくは、供給手段4は、(P)と(T)を格納するメモリ32である。このメモリ32は、不揮発性タイプのメモリでよく、その場合、期待パラメータは製造元で格納され、ユーザが修正できない。
比較手段3は、第1のコンパレータ34を備え、測定した出力値(O)を、ライン35上で受信した規定値(P)と比較し、エラー信号33を生成して、増幅器出力が、 値よりも小さいことを示す。これは、出力パワー制御ループの一部となる。
システムは、モジュールの故障を宣言する前に、LOS(信号損失Loss of Signal)閾値とは無関係に、規定出力パワーを得るのに十分な入力パワーが供給されているかどうかを決定する。従って、信号33によって、出力パワー(O)が低すぎるということが示された場合、その原因を調べるために、第2のコンパレータ36は、測定入力値(I)を、ライン39上の、メモリ32から取り出した閾値入力値(T)と比較する。このように、出力パワー(O)が低すぎ、かつ測定入力値(I)が閾値よりも小さい場合、「低入力」アラーム41が発せられる。この意味は、入力パワー(I)が小さすぎるために出力パワー(O)が低くなっているか、または、規定パワー(P)の設定が高すぎるために入力パワー(I)を低くしすぎてそのために出力パワー(O)が低くなっているかのいずれかである。入力パワーが閾値を超えている場合、「ユニット故障」アラーム43が発せられ、増幅器が、その保証された動作レベルで機能していないことを示す。
故障検出システムはまた、(O)が(P)より小さいとき、モジュールの故障を示し、また、それがモジュール故障か、低入力状況であるかどうかを示すディスプレイ/アラーム・ユニット38を備えている。
制御ユニット22は、入力パワー・モニタ16,18、コンパレータ34,36、およびメモリ32と制御信号を交換する、ということが分かる。これらの信号は、図面の簡単化のため示していない。
図1Bは、単方向/単一チャネル増幅器モジュールの故障を決定する方法を示している。初期化ステップ100において、規定出力(P)、および、対応する閾値(T)が、メモリ32に格納される。この対応はまた、複数の パワー値を与えるテーブルとすることができ、各値が入力に対する対応閾値と対になっている。出力信号のパワーは、ステップ110で測定され、測定出力値(O)を与える。次に、ステップ120で、規定パワー(P)がメモリ32より取り出され、コンパレータ34で、測定出力値(O)と比較される。出力値(O)が規定値(P)より大きいか、あるいは等しい場合、そのモジュールが、 パラメータに従って機能するので、ステップ110,120が繰り返される。
信号33が「偽」の場合、ステップ130において、入力パワー・モニタ16によって、測定入力値(I)が決定される。ステップ140では、メモリ32から閾値(T)が取り出され、第2のコンパレータ36において、測定入力値(I)と比較される。コンパレータ36が制御信号41を発すると、制御ユニット22は、この場合、入射光信号が低すぎるか、あるいは、規定出力パワー(P)の設定が高すぎるために増幅器を高くしすぎて入力光信号(入力パワー(I))が低くなりすぎると判断し、ステップ150において、ブロック38は適切な表示を行う。コンパレータ36が制御信号43を発すると、制御ユニット22は、それをモジュール故障と解釈し、それに応じて、アラーム・ブロック38に指示を出し、ステップ160において、適切なアラームを起動する。
双方向光増幅器、または、マルチ・チャネル増幅器では、上記の方法が、各方向/チャネルに個別に適用できる。図2Aは、この方法を、複合性能パラメータを使用した双方向増幅器モジュールに適用した場合を示している。図2Aの増幅器モジュールは、各方向に、個別のパワー・モニタとレーザ源を備えている。図2Aには、簡略化のため、両方の入力パワー・モニタ用のブロツク16が1つ、出力パワー・モニタ用のブロック18が1つ、ポンプ・モニタ用のブロックが1つ、そして、レーザ源ブロックが1つ示されている。
同図において、右から左へ示されている第1の方向Aに向かう入射光信号は、入力ポート12でタップ出しされ、PINダイオード23とトランスインピーダンス増幅器25によって、電気的なアナログ信号に変換される。そして、この信号は、アナログ/ディジタル変換器27によってディジタル信号に変換された後、入力パワー・モニタ・ユニット16に与えられ、測定入力値(I1)を生成する。第1の方向Aに向かう出射光信号は、PINダイオード24、トランスインピーダンス増幅器26、アナログ/ディジタル変換器28、そして、出力パワー・モニタ・ユニット18からなる経路に沿って進み、第1の測定出力値(O1)を与える。
図2Aでは左から右へ示す、第2の伝送方向(または、第2チャネル)Bへ向かう入射光信号および出射光信号も測定する。PINダイオード13、トランスインピーダンス増幅器15、アナログ/ディジタル変換器19、および入力パワー・モニタ・ユニット16からなる経路に従って、第2の測定入力値(I2)が得られる。対応する測定出力値(O2)は、PINダイオード52、トランスインピーダンス増幅器54、アナログ/ディジタル変換器17、および、出力パワー・モニタ・ユニット18からなる経路に従って得られる。制御ユニット22は、入射光信号および出射光信号のパワーに関する情報を受信し、各ポンプ・パワー・モニタ20を制御して、レーザ源21のパワーを設定し、各方向(チャネル)へ所望の増幅が行われる。このモジュールの他のパラメータは、制御ユニットによって監視される。図1Aに示す実施の形態のように、制御ユニット22は、データ・バス45上でコンピュータと情報を交換する。
第1および第2の出力値(O1),(O2)は、第1の計算装置40に与えられ、この装置は、関数F(O1,O2)である複合測定出力信号F(O)を計算し、ライン56上に出す。第2の計算装置42は、測定入力値(I1),(I2)を受信して、関数J(I1,I2)としての複合測定入力信号J(I)を計算し、それをライン47上に出す。
メモリ32は、規定複合出力F(P)と複合閾値J(T)間の直接的な対応を格納する。この規定複合出力F(P)は、2方向(チャネル)へ向かう規定出力パワーの同一関数Fであり、複合閾値J(T)は、2方向(チャネル)に対する閾値の同一関数Jである。
第1のコンパレータ・ブロック34は、測定および規定複合出力を受信し、図1A,1Bと関連させて上述したように、出力パワーが低すぎることを示すエラー信号33を生成する。F(O1,O2)がF(P)よりも小さければ、第2のコンパレータ36は、複合測定入力J(I1,I2)と複合閾値J(T)とを比較する。この複合測定入力が複合閾値J(T)よりも大きい場合、「ユニット故障」アラーム43が生成され、ディスプレイ/アラーム38は、増幅器が、その保証された動作レベルで機能していないことを示す。複合測定入力値が閾値よりも小さければ、「低入力」アラーム41が生成され、ディスプレイ/アラーム・ユニット38は、ユニットが、増幅器より増幅度を期待しすぎていることを表示する。
図2Bは、図2Aに示す、2チャネル向けのマルチ・チャネル光増幅器モジュール用の故障検出システムの動作に係るフローチャートである。ステップ200で、関数F,Jを選択し、ステップ210において、計算された複合規定出力パワーF(P)と複合閾値J(T)との対応をメモリ32に格納する。次に、ステップ220において、M個の伝送チャネル全てに対する出射光信号の一部が、出力パワー・モニタ・ブロック18に転送、処理され、出力値O1,O2,..Om,..OMが決定される。関数F(O1,O2,..Om,..OM)は、ステップ230で、第1の計算装置ブロック40において計算され、複合測定出力パワーF(O)を得る。図2Aに示す2つの伝送チャネルに対しては、計算装置40が、関数F(O1,O2)を決定する。
ステップ240では、複合測定出力F(O)が、メモリから取り出された複合規定出力パワーF(P)と等しいか、あるいは、それよりも大きいかの判断が行われ、そのモジュールが、規定パラメータの範囲内で動作し、ステップ220,230,240が、故障を連続して監視するために繰り返される。複合測定出力F(O)が、複合規定出力F(P)よりも小さいと判断された場合には、システムは、入力パワーが規定出力パワーを得るのに十分かどうかをチェックする。ステップ250では、入力パワー・モニタ16によって、測定入力値が提供される。この測定入力値は、ステップ260で、第2の計算装置42に与えられ、そこで、関数J(I1,I2,..Im,..IM)が計算されて、複合測定入力値J(I)が提供される。図2Aに示すように、伝送システムが2つの伝送チャネルを有する場合、第2の計算装置のブロック42が、関数J(I1,I2)を計算する。
次に、ステップ270では、メモリ32からJ(T)が取り出され、J(I)と比較して、出射信号に対して規定パワーが得られる程、入射信号が閾値より大きいかどうかを確認する。J(I)がJ(T)より小さい場合、ステップ280に示すように、システムは、入力パワーが低すぎる、あるいは、規定出力パワー(P)の設定が高すぎるために増幅器を高くしすぎて入力光信号(入力パワー(I))が低くなりすぎるということをユーザに通知する。ブロック36は信号41を生成し、制御ユニット22は、アラーム/ディスプレイ・ブロック38上に、適切な情報を表示する。他方、J(I)がJ(T)より大きいか、等しい場合、ステップ290で、制御ユニット22は、アラーム・ブロック38を起動して、ユ−ザにモジュール故障を知らせる。
関数F,Jは、2つの入力または出力値の和である。最大値のような、他の数学的な関数もまた、この和の代わりに使用することができる。例えば、1デシベルのヒステリシスを設けて、アラーム状態の過度なトグル動作を防ぐことができる。内挿を使用すれば、テーブルのステップ・サイズで選択した分解能よりも良い分解能(例えば、2デシベル)が得られる。テーブルの代わりに、多項式近似、またはデータを間引きする他の方法を使うことで、処理は多くなるが、格納場所をより少なくすることができる。同様に、メモリ32に、各チャネルの入力に対する規定出力を有するテーブルを格納し、このテーブルに基づいて実際に使用するチャネル数に従った関数F(P),J(I)を決定することが可能である。好適な実施の形態は、アプリケーションに依存する。
図3および図4Aは、以下に説明する光増幅器モジュール用の故障検出システムを示している。
例えば、米国特許出願08/261,350(ロバーツら)に開示された方法により、入出力信号パワーが測定され、信号の波長が認識される。これらの入出力信号パワーの値は、制御ユニット22によって、それぞれ、波長λ〜λにおける入力信号に対する1秒当たりの光子数FSIGI1〜FSIGIMおよび出力信号に対する1秒当たりの光子数FSIGO1〜FSIGOMとに変換される。同様に、適切な方法、例えば、上記の米国特許出願に開示された方法により測定された入出力の増幅された自発放出(ASE)のパワー値は、制御ユニットにより、それぞれ1秒当たりの入力光子数FASEinおよび出力光子数FASEoutに変換される。さらに、ポンプ・バック・ファセット監視現在値(L)は、制御ユニット22によって、ポンプ光子流量値FPUMPinに変換される。
上記の変換係数は、全ての増幅器ユニットに共通するとともに、増幅器設計についての従来の知識より得られるものである。耐用年数の始まりにおいて得られる流量を用いて、ゆっくりと変化する単調関数である性能指数FOM1が評価され、各増幅器ユニットに付随する不揮発性フラッシュ・メモリ32に格納される。特に、
Figure 0003563410
である。ここで、nはチャネル番号を示し、n=1〜Mの値を取る。
この性能指数は、その増幅器が詳細な光学的テストに合格すると、工場において決定でき、その後、この性能指数、および試験結果のいくつかを、各増幅器の不揮発性メモリ32に格納することができる。この性能指数は、ユーザ、あるいは工場の修理担当者に通知できる。耐用年数が始まる時(t=0)に評価される関数FOM1に適用される合格/不合格の基準は、ポンプ性能として許容できない疑いのあるモジュールを識別するか、あるいは、許容できない性能を有するモジュールを決定するのに用いることができる。
耐用年数の開始値FOM1t=0と、その増幅器の「イン・サービス寿命」の間に測定される対応値FOM1t=tとの差から得られるエラー信号を使用して、ポンプ・レーザ効率の劣化を測定できる。特に、
epump=FOM1t=0−FOM1t=t (式2)
である。
このため、現在の性能指数が、コンパレータ34において、メモリ32から取り出された規定(開始)値と比較される。ポンプ効率の劣化は、epump値の増加として測定される。アラームは、このエラー信号を使用して発することができる。同様に、epumpは、特定のチャネルnに対して評価でき、あるいは、n個の値を結合させたものとすることができる。
ポンプ効率は、ポンプ波長の変化、光学経路またはアラインメントの変化、および、素子の損失のようなもので劣化することがある。増幅器の光学的な性能が、内部損失の増加、カップリングの変化、あるいはポンプ波長の変化によって低下した場合、この性能指数は減少する。すなわち、測定FOMが規定値より小さくなる。この場合、エラー信号33が制御ユニット22に通知し、次に、このユニットが適切なアラームを起動し、および/または、対応メッセージを表示する。
図4Aは、図3の故障検出システムの動作に係るフローチャートを示す。ステップ300では、性能指数FOM1が選択され、ステップ310,320において、開始値である期待 性能指数FOM1t=0が決定され、それがメモリ32に格納される。ステップ330では、ASEパワー値とともに、入出力パワーが測定される。これらの測定値から、制御ユニット22によって、値FSIGInおよびFSIGOnが決定される。最新のFOM1は、ステップ340で、ブロック44において計算され、ステップ350で、コンパレータ34において開始値FOM1t=0と比較され、epump信号33を生成する。 待性能指数FOM1t=0が測定値より小さい場合、制御ユニット22は、アラーム・ブロック38を起動して、モジュールの性能およびサービスが低下し、あるいは、交換が必要である旨を指示し、表示する。
光増幅器モジュールの性能を決定するために測定される、もう1つのパラメータは、増幅自発放出(ASE)である。このパラメータに基づいてモジュール故障を検出する基本的な実施の形態を、図3に示す。図4Bは、この実施の形態の動作に係るブロック図である。
ASEの期待量は、入力パワー・モニタ16およびポンプ・パワー・モニタ20からの入力パワーおよびポンプ・パワーを使用して、計算ユニット44において計算できる。関数FOM2nによって、光増幅器の有効入力損失、あるいは、等価的に増幅自発放出量が決まる。有効入力損失を知ることは、所定の増幅器設計に係る増幅自発放出量を知ることに等しい。それは、有効入力損失は、直接、その増幅器のノイズ指数に加算されるからである。特に、
FOM2n={(FASEout−FASEin)・FSIGIn}/FSIGOn (式3)
である。
FOM2nは、耐用年数の始まりにおいて評価され、不揮発性フラッシュ・メモリ32に格納される。FOM2の高い値は、所定の増幅器設計に対する、高い入力損失に対応する。
コンパレータ34によって出力されるエラー信号33は、耐用年数の開始値FOM2n t=0と、その増幅器のイン・サービス寿命の間に測定される対応値FOM2n t=tとの差より得られる。エラー信号33は、入力損失の劣化を測定するのに使用できる。特に、
eloss
=FOM2n t=t・(FSIGOn/FSIGIn)−FOM2n t=0
・(FSIGOn/FSIGIn) (式4)
である。
入力損失の劣化は、elossn値の増加として測定される。アラームは、特定のn、あるいは、n個の値の組み合わせで評価される信号33より発することができる。
図4Bは、図4Aに係る実施の形態の動作ブロック図を示す。まず、ステップ400で、関数FOM2が選択され、開始値FOM2t=0(t=0における)が、ステップ410で決定される。この値は、入力パワー・モニタ16からの入力(I)、出力パワー・モニタ18からの出力ASE値、および、ポンプ・パワー・モニタ20からの入力ASE値を用いて決定される。ステップ420では、メモリ32に開始値が格納される。次に、ステップ430において、そのモジュールが、入力(I)、出力(O)、およびポンプ(L)パワーを測定し、計算ユニット44は、ステップ440で、FOM2nに対する最新の値を決定する。時間tにおける性能指数の測定値は、ステップ450で、コンパレータ34において開始値と比較され、制御ユニット22へのエラー信号33を生成する。現在の性能指数FOM2nが、開始値FOM2n t=0よりも小さいか、あるいは等しいことを、信号33が示していれば、ステップ430〜450が繰り返される。つまり、その増幅器が、規定パラメータの範囲内で動作する。ノイズが期待ASEより大きくなった場合、ステップ460で、アラーム/ディスプレイ・ユニット38によって、モジュールの故障が宣言される。
ゲイン・チルトもまた、図5Aの実施の形態に示すように、増幅器の性能を測定するための増幅器のパラメータとして使われる。このゲイン・チルト計算の好適な実行を、以下に説明する。
所定の増幅器ユニットが動作する所定の波長の組、つまり、波長λ〜λがある。工場では、例えば、1557nmにおいて23dBという公称利得条件において、各波長λ〜λにおける利得G1〜GM(デシベル)を測定する。これらの利得は、その後、その増幅器モジュール上の不揮発性フラッシュ・メモリ32に格納される。
増幅器の反転条件は、供給された入力パワーまたはポンプ・パワーの変化によって、公称値からずれ、そのずれは波長に依存する。所定の増幅器設計に対して、固定された、チルト係数C1〜CM(デシベル)の組があり、それらが、以下に述べるように利得の変化に影響を及ぼす。ここで、利得は波長に対して独立ではない。これらの係数はまた、各増幅器モジュール内のフラッシュ・メモリ32に格納される。さらに、製造者より供給されるあらかじめ定義されたエラー閾値(Tg)もまた、メモリ32に格納される。
ゲイン・チルト・エラーは、以下のように計算される。
em=(gm−Gm)−(gn−Gn)×(Cm/Cn) (式5)
ここで、mは整数でm∈[1,M]、nは、最小波長を有 する第1の伝送チャネル、gmは、動作中に測定されたチャネル(m)に対する利得、そして、Gmは、チャネル(m)に対応する較正された期待利得である。
図5Aは、式5の関係に従って計算されたゲイン・チルト・エラーを使用して、増幅器の故障を判定するための実施の形態に係るブロック図である。定期的に、あるいは、動作中に要求を受けて、増幅器より供給された測定利得g1〜gmが、存在する波長に対して、利得検出器50で測定される。そして、システムは、最小検出器48を用いて、存在する中で、どれが最も小さい波長の数であるかを決定する。このチャネルの数は「n」で示され、測定が実行されるチャネルは「m」で示される。(n)チャネルに対応する較正された期待利得Gnは、メモリ32よりライン49上に、各ゲイン・チルト係数Cn,Cmとともに取り出され、第1の計算装置44に与えられる。そして、第2項(gn−Gn)Cm/Cnが、装置44によって決定される。同時に、第2の計算装置46が、メモリ32より、考慮しているチャネルに対応する較正された期待利得Gmを受信し、制御ユニットからは、測定利得gmを受信する。第2の計算装置は、第1項(gm−Gm)を決定する。第1項および第2項は、それぞれライン47,51上において、コンパレータ34に与えられる。
いかなるエラー、あるいは絶対値の和のようなエラーの関数が、ライン55上で受信した閾値(Tg)を越えている場合、エラー信号33は、利得リップル・アラームを起動する。このアラームは、その増幅器の利得内のリップルが、光フィルタのような構成部品の故障のために過大になっているということ、また、その増幅器を交換する必要があるということを示している。
この方法を改善するには、信号ゲインgnの1つを使用するよりも、最小2乗最適プロフィールを用いて、利得に対する性能パラメータg0を決定することである。この最適計算は、エラーの2乗和の最小値を求めるという、周知のものである。この方法は、単一点から増大させるよりも、複数の測定値に最適となるようにすることで、より測定エラーを起こしにくいものとなる。信号波長ではない、1545nmのような任意の基準点として、例えば、波長0を選択できる。配列のスケーリングを行うことによって、C0を1.0に設定する。エラーの式は、以下のようになる。
em=(gm−Gm)−(g0−G0)×Cm (式6)
図5Bは、本実施の形態の動作を示す。例えば、ステップ500では、各波長についての利得G1〜GMが、1577nmにおいて23dBの公称利得条件で、各モジュールに対して決定される。この利得は、ステップ510で、期待性能パラメータとして、不揮発性フラッシュ・メモリ32に格納される。利得の通常の相対的な変化を定義するチルト係数C1〜CMもまた、許容エラー閾値とともに格納される。ステップ520では、入力、出力、およびポンプ・パワーが測定され、それらから、現在の利得g1からgMを決定する。ここでも、ゲイン・チルト係数を使用する。ステップ530では、例えば、式5または式6に従って、エラーが計算される。ステップ540で、エラーが閾値を越えていると判定された場合、制御ユニット22は、モジュール内の故障を宣言し、ステップ550で、アラーム・ブロック38を起動する。
マルチ・バンド増幅器の機能についての情報を得るための、もう1つの性能パラメータは、制御ダイナミック・レンジである。図6Aには、2バンド増幅器に対する、このような測定に用いる実施の形態が示されており、図6Bには、マルチ・バンド増幅器に対する動作モードが示されている。
いく分か独立したパワー制御を有する2バンドの光増幅器が、その制御がダイナミック・レンジを外れたために、その両方のバンド内で規定出力パワーを同時に得ることができなければ、故障検出システムはまず、出力パワーを代表する2つの測定出力値を、2つの規定出力パワーと比較する。不揮発性メモリ32は、第1の規定出力パワーP1、第2の規定出力パワーP2、および第1の入力値I1という大きさを有する、3次元のテーブルを含んでいる。そのテーブルの各ロケーションに記録されているのは、第2の入力I2に対する最大パワー 2Maxおよび最小パワー 2Minである。
以下にテーブルの例を示すが、簡単のため、I1について2つの値のみを示す。
Figure 0003563410
本システムは、第1および第2の伝送チャネルに対する出力パワーを測定し、その測定出力値O1,O2を提供する。第1のコンパレータ34は、その入力端で、これら測定出力値O1,O2を受信し、それらを、メモリ32よりライン35上で受信した規定P1,P2と比較する。
出力パワーが、その増幅器の設計範囲外にある場合、第1のコンパレータ34は、その入力の確認を行うため、制御ユニット22にエラー信号33を発する。そして、第1および第2のチャネルに対する入力パワーが測定され、その測定入力値I1,I2が与えられる。値I1,O1,O2に対応する範囲I2Min−I2Maxは、メモリ32に格納されたテーブルより検索される。この記録は、第2のコンパレータ36へ入力される。第2のコンパレータ36はまた、第2の入力パワー・モニタより測定入力値I2を受信し、それを、I2Min,I2Maxと比較する。第2の入力上で測定されるパワーが、表にされた範囲内にある場合、信号41で、増幅器は故障したと宣言する。この信号41は、増幅器モジュールが、その保証された性能レベルで機能していないことを示している。測定されたパワーが、表にされた範囲外にある場合、制御ユニットは、信号43を受信すると、「制御ダイナミック・レンジ」アラームの宣言が行われる。
例えば、1dBのヒステリシスを施すことで、アラーム状態の過大なトグルを防ぐことができる。三次元の内挿を使用すると、テーブル・ステップサイズに対して選択された分解能、例えば、2dB、よりも良好な分解能を提供できる。テーブル代わりに、多項式近似、またはデータを間引きする他の方法を使うことで、処理は多くなるが、格納場所をより少なくすることができる。
M個のバンドを有する増幅器によって、2*M−1次元のテーブルを用いて、この方法を一般化することができる。この場合、入力I1と記す入力の1つは、他の全ての機能として表にされた範囲を有する。図6Bのステップ600に示すように、テーブルTAB2M-1は、メモリ32に格納される。このテーブルは、I1Min−I1Max形式の記録を有する。ここで、記録I 1Min 、記録I 1Max は、それぞれ、 テーブルの各ロケーションに記録されている第1の入力 に対する最小パワーおよび最大パワーである。ステップ610では、出力パワー・モニタは、制御ユニット22からの指示を受けて、M個の伝送チャネル全てに対する測定出力値を与える。次に、ステップ620で、測定出力値が、第1のコンパレータ34において規定パワーと比較され、エラー信号33を得る。全ての出力について、出力パワーが規定範囲にある場合、ステップ610,620が繰り返される。信号33が「偽」を示す場合、ステップ630で入力が測定され、全てのチャネルに対する測定入力値I1,..IMを得る。ステップ640では、メモリがアクセスされて、測定されたO1,..OM,I2,..IMに対応する記録I1Min−I1Maxが、テーブルTAB2M-1より検索される。ステップ650で、コンパレータ36は、測定入力値I1がI1Min−I1Maxの範囲にあるか否かを決定する。I1が、その範囲内にある場合、ステップ660に示すように、モジュールが故障したと宣言する。その入力が、上記の範囲外にある場合には、ステップ670で、適切なアラームが表示される。
場合によっては、これは、有効な動作の広がり(スペース)を十分に観測することにはならず、そのようなテーブルのいくつかは、選択した別の変数を用いて参照される。他の場合、テーブルの大きさを減らし、いくつかの変数が表にされる。これらのケースは、特定増幅器の制御仕様、および所望の精度によって決まる。
増幅器モジュールの故障を決定する、さらなる他の性能パラメータは、出力損失である。この出力損失は、利得値を使って、上記の方法と同じ方法で計算できる。この方法によれば、2つの波長λ1におけるモジュールの利得g1,g2は、測定した利得より選択されるので、最高の精度を得るために、各ゲイン・チルト係数C1−C2間の最大の差分を有することになる。そこで、平均反転(average inversion)は、以下の関係に従って決定される。
INV2={(g1−g2)・α+β}/(C1−C2)(式7)
ここで、α,βは、所定の増幅器設計に対する定数である。
期待追加ASE光子束は、
FASEcalc=(eA・INV2−1)・γ (式8)
によって計算できる。ここで、A,γは、所定の設計に対する定数である。
出力損失は、
出力損失=FASEcalc/(FASEout−FASEin) (式9)
の比に等しい。
図7Aは、このパラメータを使用した故障検出システムのブロック図である。M個の伝送チャネル全てに対する、較正されたゲイン・チルト(傾斜)係数C1〜CMは、工場で決定され、メモリ32に格納される。最大検出器48は、所定の間隔で、どの伝送チャネルが作動中かを判定し、ゲイン・チルト係数間の最大の差分を有するチャネル「n」および「m」を決定する。増幅器によって与えられる現在の利得gn,gmは、ゲイン検出器ユニット50内で、λnに対して計測される。第1の計算装置44は、これらのチャネルに対するゲイン・チルト係数Cn,Cmと、測定されたgn,gMを受信して、FASEcalcを計算する。第2の計算装置46は、FASEcalcと、測定したFASEin,FASEoutとを受信し、式9に従って、出力損失信号を計算する。
この出力損失は、工場で不揮発性フラッシュ・メモリ32に格納された出力損失の較正値と比較される。そして、その差が所定の閾値を越えていれば、出力損失アラームの宣言が行われる。
図7Bは、図7Aの実施の形態に係る増幅器モジュールの故障を検出するために、システムによって実行される動作のフローチャートである。ステップ700では、出力損失に対する、較正されたC1〜CM、および較正値Tが、メモリ32に格納される。検出器48は、ステップ710において、動作中の伝送チャネル全ての中から、ゲイン・チルト係数間の最大差分を示すチャネル(n),(m)を決定する。次に、検出器48によって選択されたチャネルに対して、第1の計算装置44において、FASEcalcが計算される。ステップ730では、入出力に対するASEが、増幅器モジュールによって測定され、ステップ740で、これらの値を使用して、出力損失を計算する。次に、この出力損失は、ステップ750で、較正値Tと比較され、出力損失が較正値より高い場合、ステップ760で、アラーム・ブロック38がエラー信号によって起動される。
さらに、増幅器のモデルが、マイクロ・プロセッサ内で演算され、その増幅器の性能は、そのモデル結果と比較される。これは、増幅器モデルを一組の多項式に集約することによって、計算上、効率的なものにできる。増幅器パラメータは、別個の、あるいは中央のコンピュータに伝送でき、そこで、それらのパラメータの評価が行われる。増幅器モジュールは、最小の構成部品とソフトウェアを付加することによって、上記実施の形態のいくつか、あるいは全てを備えることができる。
本発明は、特定の実施の形態を例として参照し説明したが、本発明のより広い態様において、本発明の範囲から逸脱することなく、添付の請求の範囲内で、当業者が考えつくであろう、さらなる修正および改良を行うことができる。

Claims (26)

  1. M伝送チャネル(ここで、Mは1より大き 整数)を有するマルチ・チャネル光増幅器モジュール用の故障検出システムにおいて、
    伝送チャネル(m)(mは整数で、m∈[1,M])上で 前記増幅器モジュールが受信した入射光信号のパワーの 関数として、前記伝送チャネル(m)各々に対する入力 値(I m )を得る手段と、
    前記伝送チャネル(m)上で前記増幅器モジュールが送 信した前記出射光信号のパワーの関数として、前記伝送 チャネル(m)各々に対する出力値(O m )を得る手段 と、
    前記モジュールの性能を表示する種々の定量化できる測定可能なパラメータである性能パラメータを決定する決定手段と、
    期待性能パラメータを格納するメモリ手段と、
    前記性能パラメータを前記期待性能パラメータと比較するコンパレータ・ユニットと、
    前記の比較結果に基づいて、前記性能パラメータが前記期待性能パラメータからずれている場合、エラー信号を生成するための決定を行う制御手段とを備え、
    前記性能パラメータは各ユーザ情報転送チャネルに対する入射光信号および出射光信号を測定することによって導き出されることを特徴とする故障検出システム。
  2. 前記のシステムは、さらに、前記エラー信号を受領し、それによって前記のモジュールの故障を表示するディスプレイ/アラーム手段を備えることを特徴とする請求項1記載の故障検出システム。
  3. 前記決定手段は、さらに、
    前記M個の測定出力値(Om)を受領し、複合測定出力値F(O)を決定する第1の計算装置と、
    前記M個の測定入力値(Im)を受領し、複合測定入力値J(I)を決定するの第2の計算装置とを備えることを特徴とする請求項記載の故障検出システム。
  4. 前記コンパレータ・ユニットは、
    前記複合測定出力値F(O)と前記メモリ手段に格納された複合規定出力値F(P)と比較して、F(O)<F(P)のときには、前記エラー信号を生成する第1のコンパレータと、
    前記エラー信号が生成されたときには、さらに、前記複合測定入力値J(I)と前記メモリ手段に格納された閾値J(T)と比較し、J(I)>J(T)の時には、モジュール故障アラーム信号を生成し、J(I)J(T)の時には、低入力アラーム信号を生成する第2のコンパレータとを備えることを特徴とする請求項記載の故障検出システム。
  5. 前記決定手段は、
    それそれ異なる波長を有する複数の入力チャネル中で最小波長を有する第1の伝送チャネル(n)を検出する最小検出器と、
    前記各伝送チャネル(m)と(n)に対する前記出力値(Om)と入力値(Im)との比の関数を計算することによって、第1の利得(gm)と第2の利得(gn)を決定する手段と、
    前記第2の利得gnを受領し、前記メモリ手段より、対応する較正された期待利得Gnと、前記各伝送チャネル(n)と(m)に対する較正されたゲイン・チルト係数Cn,Cmとを受領し、差分(gn−Gn)と比(Cn/Cm)の乗算値(gn−Gn)×(Cn/Cm)を計算する第1の計算装置と、
    前記第1の利得gmを受領し、前記メモリ手段より、対応する較正された期待利得Gmを受領し、それらから差分(gm−Gm)を計算する第2の計算装置とを備えることを特徴とする請求項記載の故障検出システム。
  6. 前記コンパレータ・ユニットは、前記第1の計算装置で計算された(gn−Gn)×(Cn/Cm)と前記第2の計算装置で計算された(gm−Gm)とを比較することを特徴とする請求項記載の故障検出システム。
  7. 前記コンパレータ・ユニットは、
    前記測定出力値(Om)を受信し、各出力値を、対応する規定出力値(Pm)と比較し、それに応じて、前記エラー信号を生成する第1のコンパレータと、
    前記エラー信号に応じて、前記入力値I1を、前記メモリ手段より抽出された記録I1Max,I1Minと比較し、モジュール故障アラーム信号および低入力アラーム信号のいずれか1つを生成する第2のコンパレータとを備えることを特徴とする請求項記載の故障検出システム。
  8. 前記決定手段は、さらに、
    増幅自発放出(ASE)値を推定する手段と、
    前記伝送チャネル上で前記増幅器モジュールのレーザ・ポンプによって注入されたパワーの関数としてポンプ・パワー値を供給する手段と、
    前記入力値、前記出力値、前記ASE値、および前記ポンプ・パワー値を受領し、前記期待性能パラメータとして性能指数を決定する計算ユニットとを備えることを特徴とする請求項記載の故障検出システム。
  9. 前記決定手段は、
    各々が、各伝送チャネル(m)に対して、出射光信号のパワーと、対応する入射光信号のパワーとの比を示す複数の利得値(gm)を検出する手段と、
    前記メモリ手段より、前記伝送チャネル全てに対する複数(M)の較正されたゲイン・チルト係数を抽出する手段と、
    各ゲイン・チルト係数間の最大差分を有するチャネル(n)と(m)の組を識別する最大検出器と、
    前記利得値(gn)と(gm)を受領し、ASE値(FASEcalc)を計算する第1の計算装置と、
    前記ASE値(FASEcalc)と、前記入射光信号中で測定された入力ASE値と、前記出射光信号中で測定された出力ASE値とを受領し、出力損失信号を生成する第2の計算装置とを備えることを特徴とする請求項記載の故障検出システム。
  10. 前記コンパレータ・ユニットは、前記出力損失信号と、前記メモリ手段からの目標出力損失信号とを受信し、それに応じて、前記エラー信号を生成するコンパレータを備えることを特徴とする請求項記載の故障検出システム。
  11. 光増幅器モジュールの故障を検出する方法において、
    伝送チャネル(m)(mは整数で、m∈[1,M])上で 前記増幅器モジュールが受信した入射光信号のパワーの 関数として、前記伝送チャネル(m)各々に対する入力 値(I m )を得る工程と、
    前記伝送チャネル(m)上で前記増幅器モジュールが送 信した前記出射光信号のパワーの関数として、前記伝送 チャネル(m)各々に対する出力値(O m )を得る工程 と、
    前記モジュールに対して前記モジュールの性能を表示する種々の定量化できる測定可能なパラメータである期待性能パラメータを供給する工程と、
    M伝送チャネル(ここで、Mは1より大きな整数)に対して、前記モジュールの性能パラメータを決定する工程と、
    前記性能パラメータを前記期待性能パラメータと比較し、前記性能パラメータが前記期待性能パラメータと異なる場合、エラー信号を生成する工程とを備え、
    前記性能パラメータは各(m)ユーザ情報転送チャネ で出射光信号のパワーを表わす出力値を測定することによって決定されることを特徴とする故障検出方法。
  12. 前記期待性能パラメータは、前記伝送チャネル(m)に対する規定出力値であることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 前記性能パラメータは、全ての前記(M)伝送チャネルに対する複合入力値と複合出力値間に対応し、前記期待性能パラメータは、閾値と複合規定出力値間に対応することを特徴とする請求項11または12記載の方法。
  14. さらに、
    複数(M)の伝送チャネルに対し、各伝送チャネル(m)上で入射光信号のパワーを表わす入力値(Im)を測定する工程を含むことを特徴とする請求項11または12記載の故障検出方法。
  15. 前記期待性能パラメータは、伝送チャネル(m)上に対する規定出力値と閾値との対応であり、また、前記性能パラメータは、出力値と入力値との対応であることを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 前記性能パラメータは性能指数(FOMt=t)であり、前記期待性能パラメータは規定性能指数(FOMt=0)であることを特徴とする請求項14記載の方法。
  17. 前記測定する工程は、
    前記入力値から、伝送チャネル(n)に対する入力光子流量FSIGInを決定する工程と、
    前記出力値から、前記伝送チャネル(n)に対する出力光子流量FSIGOnを決定する工程と、
    レーザ・ポンプのパワーを示すポンプ値を測定し、値FPUMPinを決定する工程と、
    入射光信号中に検出されたASE値を測定し、値FASEinを決定する工程と、
    出射光信号中に検出されたASEを測定し、値FASEoutを決定する工程と、

    Figure 0003563410
    または
    FOM2n={(FASEout−FASEin)・FSIGIn}/FSIGOn
    を用いて前記性能指数を計算する工程を備えることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 前記性能パラメータはゲイン・チルト・エラー(em)であり、前記期待性能パラメータはエラー閾値であることを特徴とする請求項11または12記載の方法。
  19. さらに、
    各伝送チャネル(m)に対する出射光信号のパワーを示す出力値と入射光信号のパワーを示す入力値との比として、伝送チャネル(m)に対する利得(gm)を決定する工程と、
    最小の波長を有する伝送チャネル(n)を決定する工程とを備え、
    較正された測定によって、各伝送チャネル(m)に対応する較正された期待利得Gmを設定する工程と、
    前記期待利得Gmの期待相対変化を定義するゲイン・チルト係数Cmを測定する工程と、
    前記期待利得、前記ゲイン・チルト係数、および前記エラー閾値をメモリ手段に格納する工程と、

    em=(gm−Gm)−(gn−Gn)×(Cm/Cn
    に従って前記ゲイン・チルト・エラーを計算する工程を備えることを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. 前記期待性能パラメータを供給する工程は、
    較正された測定によって、各伝送チャネル(m)に対応する較正された期待利得Gmを設定し、最小2乗最良適合法を用いて期待利得G0を決定する工程と、
    前記較正された期待利得Gmの期待相対変化を定義するゲイン・チルト係数Cmを測定する工程と、
    伝送チャネル全てに対する前記較正された期待利得および前記ゲイン・チルト係数をメモリ手段に格納する工程と、
    最小2乗最良適合法を用いて性能利得g0を決定する工程と、

    em=(gm−Gm)−(g0−G0)×Cm
    に従って前記ゲイン・チルト・エラーを計算する工程とを備えることを特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 前記性能パラメータはダイナミック・レンジ値であり、前記期待性能パラメータは期待ダイナミック・レンジ値であることを特徴とする請求項14記載の方法。
  22. 前記性能パラメータを供給する工程は、
    規定出力値を示す第1のディメンション(Pm)(ここで、(m)は、伝送チャネルm∈[2,M])と、閾値を示す第2のディメンション(Tm)と、伝送チャネル(1)に対する前記入力値の範囲を示す記録(I1Max,I1Min)とを有する2(M−1)次元のテーブルを構成する工程と、
    前記テーブルをメモリ手段に格納する工程とを備えることを特徴とする請求項21記載の方法。
  23. 前記比較する工程は、
    伝送チャネル(n)(n∈[2,M])に対する前記入力値全てに対応するとともに、伝送チャネル(m)(m∈[1,M])に対する前記出力値全てに対応する前記記録を前記メモリ手段より抽出する工程と、
    前記伝送チャネル(1)に対する前記入力値を前記記録と比較する工程とを備えることを特徴とする請求項22記載の方法。
  24. 前記性能パラメータは出力損失であり、前記期待性能パラメータは較正された出力損失であることを特徴とする請求項14記載の方法。
  25. 前記測定する工程は、
    較正された測定によって期待利得Gmを設定し、各伝送チャネル(m)に対する前記期待利得Gmの期待相対変化を定義するゲイン・チルト係数Cmを計算する工程と、
    伝送チャネル全てに対する前記ゲイン・チルト係数をメモリ手段に格納する工程と、
    伝送チャネル全て(M)に対する前記出力値と前記入力値との比として、伝送チャネル(m)に対する利得(gm)を決定する工程と、
    前記ゲイン・チルト係数各々の間の最大差分を有する伝送チャネル(n,m)の組を決定する工程と、

    Figure 0003563410
    (ここで、
    Figure 0003563410
    であり、α,β,A,γは、
    前記増幅器モジュールを特徴づける定数である)
    に従って期待付加ASE光子束を計算する工程と、

    出力損失=FASEcalc/(FASEout−FASEin
    に従って前記出力損失を計算する工程を備えることを特徴とする請求項24記載の方法。
  26. さらに、
    ディスプレイ/アラームユニットを起動信号でトリッガして前記モジュールの故障を表示することを特徴とする請求項11記載の方法。
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