JP3561145B2 - 窒化珪素質放熱部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子収納用パッケージ材料における半導体素子から発生する熱、各種発熱性素子から発生する熱を放熱するのに好適な窒化珪素質放熱部材とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、MOSFETやIGBTなどのパワー系デバイスを用いたパワーモジュールが電車、電気自動車などの電動車両における制御基板に適用されつつある。これらのパワー系デバイスに使用される電流は数十〜数百Aを超え、また電圧も数百Vと非常に高電力となるため、パワー系デバイスから発生する熱も大きくなる。これにより、デバイスの誤動作を防止するために、発生熱をいかに系外に放出するかが大きな問題となっている。
【0003】
従来より、デバイスから発生した熱を放熱するための好適な材料としては、炭化ケイ素、ベリリウム、窒化アルミニウム等のセラミックスが用いられてきたが、安全性および量産性などの点から窒化アルミニウム質セラミックスが最も多用されている。
【0004】
しかし、電動車両におけるモジュール基板として適用するためには、高熱伝導性のみならず、高い耐久性を有することが必要であるが、窒化アルミニウム質セラミックスは、強度および破壊靭性が低いため、過酷な条件下で使用される電動車両等の基板材料としては不向きであった。
【0005】
そこで、高熱伝導性とともに高強度、高信頼性の要求に応える材料として、最近、窒化珪素質焼結体が注目されてきている。従来より、窒化珪素質焼結体は、ガスタービンなどの高温構造材料として盛んに研究、開発されており、一般には、焼結助剤として、希土類元素酸化物を添加し1800℃〜2000℃という非常に高い温度で、また窒化珪素の高温での分解反応を抑えるため数〜100気圧の加圧窒素雰囲気中で焼成され、作製されている。
【0006】
一方、耐熱特性がさほど要求されない場合は、焼結助剤としてさらにアルミナやマグネシア等を添加することにより1700〜1800℃の比較的低温で焼成することにより作製されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
窒化珪素はその構成元素や結晶構造から高熱伝導性を有すると予測されながら、構造用材料の研究に比べ放熱部材としての研究はあまりなされていなかった。最近になって、高温構造材料としての窒化珪素の熱伝導率がかなり高いことが注目されており、放熱部材への検討が始まっている。
【0008】
このような経緯から放熱部材としての研究も高温での焼結を前提としたものがほとんどであって、低温低圧下での放熱部材の製造技術に関する研究はあまりおこなわれていない。たとえば、特開平6−135771号、特開平7−149588号では、助剤として主に希土類元素酸化物を含み1800〜2000℃にて窒素加圧することにより60W/m・K以上の熱伝導率を有する窒化珪素焼結体が得られるとしている。
【0009】
しかしながら、高温加圧焼成は、高圧の窒素ガスを用いるため、特殊な焼成炉が必要となり、コストが高くなるという問題があった。
【0010】
また、焼成時に窒化珪素自身の分解は避けられず、焼結体の焼き肌面は非常に荒れたものであった。このため、このような材料を実際に使うには、研磨などの加工処理が必要となるため、手間がかかり、かつコスト上昇の一因となっていた。
【0011】
一方、1700〜1800℃の低温焼成された窒化珪素質焼結体は、焼結体の焼き肌面の荒れが低減される反面、熱伝導率が20〜30W/m・Kと非常に低いものであった。
【0012】
本発明者らは、これまでに焼結助剤として希土類元素化合物とマグネシウム化合物とを共に添加するとともに、焼結体中のAl量を制御することにより窒化珪素質焼結体を低温で常圧焼成することが可能であり、かつ熱伝導率を向上できることを提案した。しかしながら、その熱伝導率はせいぜい30〜40W/m・K程度であり、実用的には不十分であった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題に対して、焼結助剤として希土類元素化合物とマグネシウム化合物とを共に添加するとともに、焼結体中のAl量を制御した窒化珪素質放熱部材に対して、焼成後に熱処理を施すことによって、粒界に存在するMgを特定の結晶相として析出させることによって、高熱伝導率を有する窒化珪素質放熱部材が得られることを見出し、本発明に至った。
【0014】
即ち、本発明の窒化珪素質放熱部材は、窒化珪素からなる主結晶相と、少なくとも希土類元素(RE)、MgおよびSiを含む粒界相からなる焼結体からなり、前記窒化珪素を70〜95モル%、前記RE及びMgをRE 2 O 3 およびMgO換算による合量で4〜30モル%、前記REとMgを酸化物換算によるRE 2 O 3 /MgOで表されるモル比が0.1〜15となる比率で含むとともに、前記粒界相にMgSiO3あるいはMgSiN2からなる結晶相を含有するとともにAlの酸化物換算による含有量が1.0モル%以下、相対密度90%以上、焼肌面の表面粗さ(Rmax)が10μm以下、熱伝導率が50W/m・K以上であることを特徴とするものである。
【0016】
またその製造方法として不純物酸素量が0.5〜3.0重量%の窒化珪素(Si3N4)を70〜95モル%、希土類元素(RE)及びMgをRE2O3およびMgO換算による合量で4〜30モル%、前記希土類元素(RE)とMgの酸化物換算によるRE2O3/MgOで表されるモル比が0.1〜15となる比率で含み、Alの酸化物換算による含有量が1.0モル%以下の成形体を非酸化性雰囲気中、1650〜1800℃の温度で焼成した後、1100〜1600℃の温度範囲で1時間以上熱処理を施施してMgSiO 3 あるいはMgSiN 2 からなる結晶相を析出させることを特徴とするものである。
【0017】
本発明によれば、窒化珪素質放熱部材およびその製造方法によれば、焼結助剤として添加する希土類元素(RE)が存在することにより、結晶相の結晶を促進する。また希土類元素(RE)は液相中に存在し、最終的に粒界にRE2 Si3 O3 N4 、RE2 SiO5 、RE2 Si2 O7 等の結晶相として析出し、粒界に残存する低熱伝導性の非晶質相を低減できる結果、高熱伝導率な焼結体を有することができる。また、希土類元素(RE)は窒化珪素のα−β転移に伴う柱状晶のアスペクト比を増加させ、得られる焼結体の破壊靱性を向上する作用を有する。
【0018】
また、本発明の窒化珪素質放熱部材及びその製造方法によれば、焼結助剤の希土類元素(RE)成分とMg成分は、窒化珪素原料中の不純物酸素と反応し液相を生成することにより、低温での焼結を促進し、窒化珪素の焼成を1800℃以下の比較的低温にて焼成することができる結果、常圧の非酸化性雰囲気中にて、焼き肌面の荒れの少ない焼結体を得ることができる。
【0019】
本発明によれば、焼成後に熱処理を施して、粒界に残留する主にMgを含む非晶質相がMgSiO3 あるいはMgSiN2 として結晶化することによって、粒界に残留する低熱伝導率の非晶質相が低減され、焼結体の熱伝導率をさらに向上することができる。
【0020】
さらに、Al成分は希土類元素(RE)成分とMg成分と同様に低温で液相を生成し低温焼結性を高めるが、多量に存在すると窒化珪素粒内に固溶したり、サイアロンを形成するなどして熱伝導率を低下させるために、Al量を1.0モル%以下とすることによって、高熱伝導性を付与することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の放熱部材およびその製造方法について、詳細に述べる。
まず本発明の窒化珪素放熱部材はβ−窒化珪素相を主体とするものであり、この窒化珪素結晶は、焼結体の断面における電子顕微鏡写真より求めた平均アスペクト比が1.5〜5短軸径が0.1μm〜1μmの結晶から構成される。そして、この焼結体中には、希土類元素およびMgを必須の成分として含有する。
【0022】
希土類元素(RE)としてはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの何れの元素でも好適に用いることができるが、これらの中でもY、Ce、Sm、Dy、Er、Yb、LuとりわけY、Erが特性、コストの点で望ましい。
【0023】
また、希土類元素(RE)及びMgは酸化物換算による合量で4〜30モル%、特に5〜25モル%の範囲で含有される。但し、前記希土類元素とMgとの酸化物換算によるモル比(RE2 O3 /MgO)が0.1〜15、特に0.5〜13の範囲となるようにすることが望ましい。
【0024】
これは上記合量が4モル%より少ないと、1800℃以下の温度で焼成して焼結体を充分に緻密化させることが困難であり、30モル%を越えると焼結体中での粒界相の絶対量が増加するため、焼結体の熱伝導率が低下するためである。またRE2 O3 /MgOの比率が15を越えたり、0.1より小さくなると、Mgまたは希土類元素(RE)の絶対量が少なくなるため、焼成時に液相が充分に生成せず、低温焼成では緻密化が不十分となり、熱伝導率は低下する。 また、Al2 O3 などのAl化合物の配合は、焼結性の向上に大きく寄与するが、Si3 N4 結晶中に固溶して結晶内に欠陥を生成しフォノンの伝播を阻害する結果、焼結体の熱伝導率を著しく低下させるため、高熱伝導化のためには大量に存在しないことが望ましく、具体的には、Alは酸化物換算で1.0モル%以下、望ましくは0.5モル%以下、より望ましくは0.1モル%以下、更には0.01モル%以下にするのがよい。
【0025】
なお、この焼結体中には着色成分としてTi、Hf、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wなど周期律表第4a、5a、6a属金属のうち少なくとも1種を酸化物換算で0.05〜1重量%の割合で含んでいてもよい。
【0026】
また、本発明の窒化珪素質放熱部材は、上記の各成分組成からなるものであるが、その相対密度が90%以上、特に95%以上であることが高熱伝導化を図る上で重要であり、相対密度が90%よりも低いと熱伝導率50W/m・K以上の達成は困難である。
【0027】
また、本発明の窒化珪素質放熱部材においては、窒化珪素結晶粒界にMgSiO3 あるいはMgSiN2 の結晶相を含むものであり、さらにはRE2 Si3 O3 N4 、RE2 SiO5 、RE2 Si2 O7 等のRE含有結晶相を含むものである。これらの結晶相の析出によって、粒界中に存在する低熱伝導率の非晶質相を低減せしめ、高熱伝導化を達成できる。
【0028】
また、本発明の窒化珪素質放熱部材は、焼肌面の表面粗さ(Rmax)が10μm以下、特に7μm以下であることも大きな特徴であり、これにより、必ずしも表面を研磨加工することなく、製品に供することができる。
【0029】
本発明の窒化珪素質放熱部材を製造するには、窒化珪素粉末に対して、焼結助剤として、希土類元素化合物、Mg化合物、場合によってはAl化合物を前述の比率に配合する。
【0030】
用いる窒化珪素粉末としては不純物酸素量が0.5〜3.0重量%のものが好ましい。これは不純物酸素量が3.0重量%よりも多いと、焼結体表面が荒れ強度劣化を招く虞があり、0.5重量%よりも少ないと焼結性が悪くなるためである。また、平均粒径は、0.1〜1.5μmであり、α率が90%以上であることが望ましい。なお、焼結助剤となる化合物は、酸化物、炭酸塩、酢酸塩など焼成によって酸化物を形成し得る化合物であることが望ましい。
【0031】
次に、該混合粉末に有機バインダーと溶媒とを添加して調製し、例えばプレス成形法や、CIP成形法、ドクターブレード法、圧延法、テープ成形法、押し出し成形法、射出成形法等の周知の成形方法で成形体を作製する。その後、該成形体を弱酸化性雰囲気中、所定温度で脱バインダー処理してから、窒素などの非酸化性雰囲気中で、1650〜1800℃、特に1700〜1800℃の温度で焼成する。
【0032】
その後、本発明によれば、前記焼成後に、1100〜1600℃の範囲で1時間以上、特に3時間以上熱処理を施す。熱処理温度を1100〜1600℃としたのは、粒界相の結晶化温度は1200℃程度であり、1100℃より低い温度で熱処理を行なっても所望の結晶相は得られず、非晶質粒界相が大量に残存するため熱伝導率は低下する。また1600℃より高い温度で熱処理を行なった場合、通常の焼成と同じになり、所望の結晶相は析出しない。
【0033】
また熱処理が1時間より短い場合、粒界相の結晶化が不十分であるため、熱伝導率は低下する。熱伝導率を向上させるためには、特に3時間以上の熱処理が有効である。
【0034】
なお、前記熱処理には、焼成後一旦室温まで冷却した後、再度1100〜1600℃に温度を上げ1時間以上保持するか、あるいは焼成時冷却中に1100〜1600℃の温度で1時間以上保持するかまたは1100〜1600℃の温度範囲を5時間以上かけて徐冷する等の方法がある。1100℃〜1600℃の温度範囲を急冷すると所望の結晶相は得られず、同様に熱伝導率は低下する。 なお、本発明の窒化珪素質放熱部材は、例えば、半導体素子を搭載したパッケージにおけるヒートシンク部材に用いることができる他、半導体素子を搭載する配線基板の絶縁基板としても用いることができる。その場合、絶縁基板の表面あるいは内部に配線層を形成する場合がある。そのような場合には、焼結後の放熱部材の表面に、Cu、W、Mo−Mn、Mo、Pd−Agなどの高融点金属からなる導電性ペーストを印刷塗布した後、非酸化性雰囲気中で焼き付けるか、成形体表面に上記ペースト塗布後、同時焼成することにより作製することができる。
【0035】
また、焼成後の放熱部材の表面に銅箔を直接あるいは接続用メタライズ層を介して接合後、場合によってはエッチングして配線層を形成することも可能である。
【0036】
【実施例】
平均粒径が1.2μm、酸素量が1.3重量%、α率93%の直接窒化法により製造された窒化珪素原料粉末に希土類元素酸化物、MgCO3 、Al2 O3 を表1、2に示すような成形体組成となるように添加混合し、その混合粉末に対して成形用バインダーとしてパラフィンワックスを、溶媒としてイソプロピルアルコールを添加し、混練乾燥後、篩を通して成形用顆粒を得、該顆粒を成形圧1ton/cm2 で金型プレスにより、直径12mm、厚さ5mmの円板状に成形した。
【0037】
かくして得られた成形体を所定温度で脱バインダーした後、常圧(大気圧)、窒素雰囲気中、表1、2に示す温度で3時間焼成し、さらに表1、2に示す条件にて熱処理を施して窒化珪素質焼結体を作製し、評価用の試料とした。
【0038】
得られた評価用試料を用いて、まずアルキメデス法により窒化珪素質焼結体の密度を測定し、理論密度に対する比率である相対密度(%)を算出した。ついで厚み3mmの試料について、レーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定した。また、相対密度が90%以上の試料について焼結体表面についてX線回折測定を行い、窒化珪素以外の結晶相が粒界に存在するとみなし、粒界結晶相の同定を行った。さらに、JISR1601に従い、焼肌面の室温における3点曲げ強度を測定した。また焼肌面の表面粗さRmaxを測定した。結果は、表1、2に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
表1、2の結果から明らかなように、試料No.1〜13について、窒化珪素量、RE2 O3 +MgO量およびRE2 O3 /MgOの比率が本発明の範囲を逸脱する試料No.1、7、8、13では、相対密度が低下するか、熱伝導率が低下し、50W/m・K以上の熱伝導率は得られなかった。またAlの含有量として原料粉末中に含まれる不純物Alを含めて1.0モル%を超える試料No.18では緻密化はするが、熱伝導率は大きく低下した。
【0042】
また、希土類元素としてYの他の希土類元素においても同様な焼結挙動と高熱伝導性を示した。
【0043】
熱処理をまったく行わない試料No.27および熱処理時間が0.5時間の試料No.32ではMg含有の結晶相は見られず、熱伝導率は低下した。熱処理時間が1時間以上の試料では粒界結晶相が析出し、熱伝導率は著しく向上した。しかし熱処理時間を3時間以上長くした試料No.34については熱伝導率は変わらなかった。
【0044】
また、1100℃より低い温度で熱処理を行った試料No.28および1600℃よりも高い温度で熱処理を行った試料No.31ではMg含有の結晶相は見られず、熱伝導率は熱処理しない試料No.27の熱伝導率と変わらなかった。
【0045】
さらに、1650℃より低い温度で焼成を行った試料No.35では相対密度が低下し、また、1800℃よりも高い温度で焼成を行った試料No.38では表面粗さ(Rmax)が大きくなった。これに対し、本発明の範囲内のものはいずれも相対密度90%以上、3点曲げ強度700MPa以上、表面粗さ(Rmax)10μm以下、熱伝導率50W/m・K以上を有する焼結体が得られた。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明の窒化珪素質放熱部材及びその製造方法によれば、1800℃以下の温度で常圧焼成可能であり、かつ熱伝導率50W/m・K以上を達成できることから、低コストとともに、各種放熱部材として幅広い分野に応用することができる
Claims (2)
- 窒化珪素からなる主結晶相と、少なくとも希土類元素(RE)、MgおよびSiを含む粒界相からなる焼結体からなり、前記窒化珪素を70〜95モル%、前記RE及びMgをRE 2 O 3 およびMgO換算による合量で4〜30モル%、前記REとMgを酸化物換算によるRE 2 O 3 /MgOで表されるモル比が0.1〜15となる比率で含むとともに、前記粒界相にMgSiO3あるいはMgSiN2からなる結晶相を含有するとともにAlの酸化物換算による含有量が1.0モル%以下、相対密度90%以上、焼肌面の表面粗さ(Rmax)が10μm以下、熱伝導率が50W/m・K以上であることを特徴とする窒化珪素質放熱部材。
- 不純物酸素量が0.5〜3.0重量%の窒化珪素を70〜95モル%、希土類元素(RE)及びMgをRE2O3およびMgO換算による合量で4〜30モル%、前記希土類元素(RE)とMgを酸化物換算によるRE2O3/MgOで表されるモル比が0.1〜15となる比率で含み、Alの酸化物換算による含有量が1.0モル%以下の成形体を非酸化性雰囲気中、1650〜1800℃の温度で常圧焼成した後、1100〜1600℃の温度範囲で1時間以上熱処理を施してMgSiO 3 あるいはMgSiN 2 からなる結晶相を析出させることを特徴とする窒化珪素質放熱部材の製造方法。
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