JP3559621B2 - インクジェット記録装置、その回復方法及び情報処理システム - Google Patents
インクジェット記録装置、その回復方法及び情報処理システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ等の情報処理システム、および該システムにおいて文字、画像等の情報を被記録媒体上に出力するためのインクジェット記録装置、更にはインクジェット記録装置の回復方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の被記録媒体(以下単に記録紙ともいう)に対して記録を行なう記録装置は、種々の記録方式、例えばワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、インクジェット方式による記録ヘッドを搭載可能な形態として提案されている。
【0003】
これらの方式のなかで、インクジェット方式はインクを吐出して記録紙に直接付着させる低騒音なノンインパクト方式の一つで、インク滴の形成方法および噴射エネルギの発生方法により、コンテイニアス方式(電荷粒子制御方式およびスプレー方式が含まれる)とオンデマンド方式(ピエゾ方式、スパーク方式および熱エネルギーを利用した方式が含まれる)とに大きく分類される。
【0004】
コンテイニアス方式は、インクを連続的に吐出し、必要な液滴だけ電荷を与える。帯電した液滴が記録紙に付着し、残りは無駄になる。これに対して、オンデマンド方式は、印字に必要な時だけインクを吐出するために、インクの無駄がなく装置内部が汚れない。また、オンデマンド方式はコンテイニアス方式に比べ、装置の小型化を比較的容易に達成できる。したがって、現在市販されている記録装置の多くはオンデマンド方式のものであり、このようなインクジェット方式の記録ヘッドを具備した記録装置は、高密度かつ高速な記録動作が可能であることから、情報処理システムの出力手段、例えば複写機、ファクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、ワークステーション等の出力端末としてのプリンタ、あるいはパーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、光ディスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディまたはポータブルプリンタとして利用され、かつ商品化されている。この場合、インクジェット記録装置は、これら装置固有の機能、使用形態等に対応した構成をとる。
【0005】
一般にインクジェット記録装置は、記録手段(記録ヘッド)およびインクタンクと搭載するキャリッジと、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御手段とを具備する。そして、複数の吐出口からインク滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリアルスキャンさせ、一方で非記録時に記録紙を記録幅に等しい量で間欠搬送するものである。この記録方法は、記録信号に応じてインクを記録用紙上に吐出させて記録を行うものであり、ランニングコストが安く、静かな記録方式として広く用いられている。また、インクを吐出する多数のノズルが副走査方向に直線上に配置された記録ヘッドを用いることにより、記録ヘッドが記録用紙上を一回走査することでノズル数に対応した幅の記録がなされる。そのため、記録動作の高速化を達成することが可能である。
【0006】
さらに、カラー対応のインクジェット記録装置の場合、複数色の記録ヘッドにより吐出されるインク液滴の重ね合わせることによりカラー画像を形成する。一般に、カラー記録を行う場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の3原色またはこれら3原色にブラック(B)を含めた4色に対応する4種類の記録ヘッドおよびインクカートリッジが必要とされる。昨今ではこのような3〜4色の記録ヘッドを搭載し、フルカラーで画像形成が可能な装置が実用化されている。
【0007】
さらにまた、インクジェット記録装置においては、インクが空気に接する部分である吐出口やその近傍におけるインク水分蒸発によるインクの増粘を防止したり、増粘したインクを取り除くことにより、インク吐出を良好に保つための構成が種々具えられるのが一般的である。特にバブルジェット方式の記録ヘッドにあっては、吐出口およびこれを連通する液路等に極めて微細かつ高密度に構成することができるため、相対的にインク増粘による影響は大きくなる場合がある。そのためこれらのインクジェット記録装置においては、インク滴吐出を行わない非記録動作時には記録ヘッドの吐出口に設けられた面を密閉するためのキャップが設けられている。また一層安定なインクを行うために、定期的な非記録媒体上以外の所定の場所にインクの吐出を行う空吐出を行ったり、インクジェット記録装置電源入力時に自動的にインクを吸引する回復動作が入る等の制御が行われている。またこの自動回復動作においては、ランニングコストの問題、インクジェット記録装置に具えられた排インク容器の容量の問題等から、インクジェット記録装置内に計時手段を持ち、ある一定時間以上記録ヘッドに印字信号が入らず、インク吐出が行われなかった場合などに自動吸引を行うようなものが提案されている(特開平3−234541号公報、特開平3−234543号公報)。
【0008】
ここで従来のインクジェット記録装置の一例を具体的に説明する。
【0009】
まず、インクジェット記録装置に備えられるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドともいう)について述べる。
【0010】
上記記録ヘッドにおいてインクを吐出するためのエネルギーを発生するエネルギ発生手段としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液体を加熱させるものなどがある。
【0011】
その中でも熱エネルギーを利用(膜沸騰現象を利用)して液体を吐出させる方式の記録ヘッドは、上記液体吐出口とそれに連通する液体流路とを高密度に配列することができるために高解像度の記録とヘッドの小型化とを達成することが可能である。
【0012】
ここで、従来技術および本発明の理解を容易にするために、従来のインクジェット記録ヘッドおよび該記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例を図5および図6を参照して説明する。
【0013】
図5は、インクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドの概略的構成を説明するための断面斜視図である。
【0014】
参照符号51は、インクを通すためのノズルとなる複数の溝53、これらの溝に連通した共通液室となる溝54、該共通液室へインクを供給するための供給口55が形成された天板であり、52は各ノズルに対応した電気熱変換体56と各電気熱変換体に電力を供給する電極57とが成膜技術により一体的に形成された基板である。このような天板51と基板52とが合わさってインクを吐出するための複数の吐出口(オリフィス)58が形成される。
【0015】
このような構成からなる記録ヘッド51は、該記録ヘッドへ上記供給口からインクを供給するインクタンクと一体となってインクジェットカートリッジを構成する。
【0016】
図6は、図5に示したインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の概略的構成を説明するための外観斜視図である。
【0017】
本図において、参照符号20はプラテン24上に送紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジIJCのインクジェットヘッド(記録ヘッド)である。16は記録ヘッド20を保持するキャリッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能とすることにより、記録ヘッド20の記録紙の全幅にわたる往復移動が可能となる。この往復移動中に記録ヘッド20は受信データに応じた画像を記録紙上に記録する。この1主走査終了毎に記録紙は所定量搬送され複走査が行われる。
【0018】
参照符号26はヘッド回復装置であり、記録ヘッド20の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する位置に配設される。電動機構23を介したモータ22の駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、記録ヘッド20のキャッピングを行う。このヘッド回復装置26のキャップ部26Aによる記録ヘッド20へのキャッピング部に関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜の吸引手段(例えば、吸引ポンプ)によるインク吸引(吸引回復)を行い、これによりインクを吐出口から強制的に排出させることにより吐出口内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を行う。また、記録終了時等にキャッピングを施すことにより記録ヘッドが保護される。このような吐出回復処理は電源投入時、記録ヘッド交換時、一定時間以上記録動作が行われない時等に行われるものである。
【0019】
31はヘッド回復装置26の側面に配設され、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としてのブレードである。ブレード31はブレード保持部材31Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26と同様、モータ22および伝動機構23によって動作し、記録ヘッド20の吐出面との係合が可能となる。これにより、記録ヘッド20の記録動作における適切タイミングで、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理後に、ブレード31を記録ヘッド20の移動経路中に突出させ、ヘッド20の移動動作に伴なってヘッド20の吐出面における結露、濡れあるいは塵埃をふきとる。
【0020】
上記構成からなる記録ヘッドで行われる熱エネルギーを利用した方式のインク滴形成過程について簡単に説明する。
【0021】
まず、発熱抵抗体(ヒータ)が所定の温度に達するとヒータ面を覆うような膜気泡が生ずる。この気泡の内部圧力は非常に高く、ノズル内のインクを押し出す。インクはこの押し出しによる慣性力でノズルの外およびその反対方向にある共通液室内に向かって移動する。インクの移動が進むと気泡の内部圧力は負圧になり、また流路抵抗も加わってノズル内部のインクの速度は遅くなる。ノズル口(オリフィス)から外へ吐出されたインクは、ノズル内部に比べて速いため、慣性力と流路抵抗、気泡の収縮、インク表面張力のバランスでくびれが生じ、分離・液滴化する。そして、気泡の収縮と同時に、毛管力によりノズル内に共通液室よりインクが供給され次のパルスを待つ。
【0022】
このように、電気熱変換素子をエネルギー発生手段として用いた記録ヘッドは、駆動電気パルス信号により一対一の対応で液路のインク内に気泡を発生させることができ、また即時かつ適切に気泡の成長・収縮を行わせることができるので、特に応答性の優れたインク液吐出が達成できる。また、記録ヘッドのコンパクト化も容易であり、かつ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、高密度実装化が容易で、製造コストも安価なことから有利である。
【0023】
以上説明した従来のインクジェット記録装置は比較的容易にA1等の大判記録が可能な構成を取ることもできる。すなわち、画像を読み取るリーダーを接続し原稿を複写するA1版カラー記録対応の記録装置、例えばCAD出力用プリンタ等のプロッタも製品化されている。また、一方で多様な使い方が要求されるようになり、会議、講義等におけるプレゼンテーション用に投影可能なOHPフィルムへの記録の受容が高まっている。こうした受容に応えるため、インクの吸引特性が異なる被記録媒体を必要に応じて選択した際に被記録媒体の種類に係わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発および製品化が行われている。
【0024】
このようにインクジェット記録装置は、優れた記録手段として幅広い産業分野(例えばアパレル産業等)で需要が高まっており、またより一層高品位な画像の提供も求められている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の記録装置において、インクジェット記録ヘッド内およびインク容器からインクジェット記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給管の内部に気泡が混入する場合がある。特にインクジェットカートリッジの物流時や、インクジェット記録ヘッドとインク容器が着脱自在であるようなインクジェットカートリッジにおいては、インク容器交換時にインクジェット記録ヘッド内や、インク供給管内に気泡が混入し易く、ヘッド内に気泡が存在する場合、気泡を核としてヘッド外部より大気を取り込み、気泡が成長し、比較的短い放置期間でヘッド内に大気が充満し吐出不能になる等、印字に悪影響を及ぼすことが問題となっている。このため自動吸引の回数や吸引量を増やすことにより、前記気泡を取り除くことは可能であるが余り増やし過ぎるとランニングコストが高くなり、また排インク量も増加してしまう。
【0026】
したがって、本発明は上記問題点を解決し、常に安定した印字が可能なインクジェット記録装置、該装置用の回復方法および該装置を出力手段とする情報処理システムを提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明にもとづくインクジェット記録装置は、インクを吐出するためのインクジェット記録ヘッドと、該へッドへ供給されるインクを貯留するためのインク容器とを着脱自在に搭載可能なインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドのインク吐出状態を回復するための回復手段と、前記インク容器の交換または前記インク容器へのインクの再充填を検知するための検知手段と、前記回復手段による回復動作の実行回数Nをカウントするためのカウント手段と、前記インクジェット記録ヘッドが前回のインク吐出を終了してから次にインク吐出を行なうまでの経過時間が、前記実行回数Nに依存した時間間隔t 1 を超えたときに、前記回復手段による回復動作を実行するよう制御する制御手段と、を有し、前記インク容器の交換または前記インク容器へのインクの再充填が行われてから所定回数の回復動作が実行されるまでの間、前記時間間隔t 1 は、前記実行回数Nの増加に従って大きな値となるよう設定されることを特徴とする。
【0030】
好ましくは、前記カウント手段は、前記インク容器の交換または前記インク容器へのインクの再充填が前記検知手段によって検知された場合に、前記実行回数Nをリセットする。
【0031】
好ましくは、上記回復手段は、上記インクジェット記録ヘッドのインク吐出口からインクを吸引するもので、一回の吸引動作で吸引される上記インクの量Wは、上記実行回数Nに依存する。
【0032】
好ましくは、上記実行回数Nに依存して上記回復動作の連続実施回数Xが定まり、さらに好ましくは上記実行回数Nが
N≧7
である場合、上記連続実施回数Xは、1である。
【0033】
好ましくは、上記インクジェット記録ヘッドと上記インク容器とが着脱自在に結合されている。
【0034】
そして、好ましくは、上記インクジェット記録ヘッドは、上記インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生手段として、熱エネルギーを発生する電気熱変換体を有する。
【0035】
つぎに、本発明にもとづく情報処理システムは、上記インクジェット記録装置が出力手段として設けられたことを特徴とする。
【0036】
更に、本発明は、インクを吐出するためのインクジェット記録ヘッドと、該ヘッドへ供給されるインクを貯留するためのインク容器とを着脱自在に搭載可能なインクジェット記録装置における回復方法であって、前記インク容器の交換または前記インク容器へのインクの再充填を検知する検知工程と、前記インクジェット記録ヘッドのインク吐出状態を回復する回復動作の実行回数Nをカウントするためのカウント工程と、前記インクジェット記録ヘッドが前回のインク吐出を終了してからの経過時間が、前記実行回数Nに依存した時間間隔t 1 を超えたときに、前記回復動作を実行するよう制御する回復制御工程と、からなり前記インク容器の交換または前記インク容器へのインクの再充填が行われてから所定回数の回復動作が実行されるまでの間、前記時間間隔t 1 は、前記実行回数Nの増加に従って大きな値となるよう設定されることを特徴とする。
【0037】
上記構成によって、インク容器交換時またはインクの再充填時に合わせた回復動作、また回復動作の実施回数や記録動作の実施間隔に応じた回復動作が適切かつ確実に実施することが可能となるので、常に安定した高品位な画像形成がなされる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を詳細に説明する。
【0039】
〈実施例1〉
図1(A)は本発明にもとづくインクジェット記録装置の一例の概略的構成を説明するための斜視図であり、図1(B)は該装置の等価ブロック図である。図1(A),(B)において、参照符号1はインク容器であり、キャリッジ2の上に着脱自在であるが、押え部材4によりキャリッジ2上に固定されている。またキャリッジ2の内側にはインク容器1の有無を検知するための電気接点を有するセンサ2aが具えられている。キャリッジ2の前方にはインクを吐出し被記録媒体5に印字を行うためのインクジェット記録ヘッド3がインク容器1と着脱自在に具えられている。キャリッジ2はシャフト6に沿ってその長手方向に往復動可能となっている。記録ヘッドに設けられたインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換体には、ケーブル7を介して供給される記録データに応じた吐出信号が印加される。参照符号8はキャリッジ2をシャフト6に沿って往復移動させるためのキャリッジモータ、9はモータ8の駆動力をキャリッジ2に伝えるためのベルトである。参照符号10はブレードであり吐出口面に付着したゴミ、異物や、ヘッド回復動作後吐出口面に付着したインク等を拭き取る役目をする。11は吐出口を覆うためのキャップであり、チューブポンプ12とともに回復系12aを構成する。インクジェット記録ヘッドの回復時はキャップ11が吐出口を覆っているときにチューブポンプ12が動作することにより吐出口から吸引を行う。空吐出もこのキャップ11に向け吐出する。また長期にわたりインクジェット記録ヘット3に印字信号が印加されない場合、キャップ11によりインクジェット記録ヘッド3に具えられた吐出口は保護されている。これにより、吐出口および吐出口近辺に付着したインク乾燥による吐出口固着等が未然に防止される。
【0040】
図2は、本実施例のインクジェット記録ヘッドと、インク容器との結合部を示す断面図である。インク容器13の内部にはインクを含浸させた多孔質体14が挿入されており、インクジェット記録ヘッド3に具えられたフィルタ15と多孔質体14は圧接されている。参照符号16はインク流路であり、回復ポンプ12によってインク容器13内から引き出されたインクが通り、ヒータボード17に設けられた電気熱変換体の発熱部17aにより吐出エネルギーを与えられたインクが、吐出口18より吐出され、被記録媒体上に記録を行う。この時インク容器を交換した場合、インク流路16内に気泡19が残留する場合が多く、またインク流路が形成されれるインクジェット記録ヘッドのモールド壁からのインク蒸発により、インク流路内にはさらに気泡が溜まりやすくなる。従って、インク容器交換直後においてはインクジェット記録ヘッドのインク吐出は、不安定となりやすくなってしまう。
【0041】
図3は、本実施例に適用される処置手順を示すフローチャートである。この処理は、インクジェット記録ヘッドに印字信号が入力された場合に起動されるものであるが、電源ON時に自動的に、またはユーザーが本処理の実行命令を入力した場合に起動されるように設定してもよい。
【0042】
まず、本処理が起動(S−1)されると、インク容器交換後の回復動作実行回数(回復回数)Nを図1(B)に示されたカウンター41から読み込む(S−2)。この読み込み命令は、インク容器が交換される度にリセットされる。また、図3のフローチャートには図示していないが、インク容器交換が行われる度に第1回目(N=1)の回復動作が自動的に行われる。もちろん、この回復動作は自動でなくユーザーにより入力される方式を採用することもできる。
【0043】
つぎに、現在の時刻tを図1(B)に示されたタイマー42から読み込む(S−3)。その後、現在の時刻tから前回最終のインク吐出が終了した時点に読み込んだ時刻t0 を引く(S−4)。そして、ステップS−4で得られた値(t−t0 )と表1のt1の値とを比較する。
【0044】
【表1】
【0045】
表1は、ステップS−2で読み込まれた回復回数Nと、該回数Nに対応したt1 の値を示すもので、例えばN=2の場合はt1 =24となり、このt1 の値をステップS−4関係式
t1 <t−t0 …(1)
に代入する。
【0046】
S−4で得られた値が式(1)を満足する場合、自動的に回復動作を実行する(S−5)。そして、実行後、通常のインク吐出動作を行う(S−6)。
【0047】
S−5で得られた値が(1)を満足しない場合(すなわち、t1 ≧t−t0 )、回復動作を行わないで通常のインク吐出動作を行う(S−6)。
【0048】
インク吐出動作が終了すると、この終了時の時刻t0 を読み込んで処理が終了する(S−7およびS−8)。
【0049】
〈実施例2〉
図4は、本発明にもとづくインクジェット記録装置に適用される処理手順の他の例を説明するためのフローチャートである。
【0050】
この処理は、インクジェット記録ヘッドに印字信号が入力された場合に起動されるものであるが、電源ON時に自動的に、またはユーザーが本処理の実行命令を入力した場合に起動されるように設定してもよい。
【0051】
まず、本処理が起動(S−10)されると、インク容器交換後の回復動作実行回数(回復回数)Nを読み込む(S−11)。この読み込み命令は、インク容器が交換される度にリセットされる。また、図4のフローチャートには図示していないが、インク容器交換が行われる度に第1回目(N=1)の回復動作が自動的に行われる。もちろん、この回復動作は自動でなくユーザーにより入力される方式を採用することもできる。
【0052】
上記回数Nが7よりも小さい値をとる場合(S−7)、ステップS−13〜S−18へ進む。
【0053】
まず、現在の時刻tを読み込む(S−13)。その後、現在の時刻tから前回最終のインク吐出が終了した時点に読み込んだ時刻t0 を引く(S−14)。そして、ステップS−14で得られた値(t−t0 )と上記表1のt1 の値とを比較する。
【0054】
S−14で得られた値が上記式(1)を満足する場合、自動的に回復動作を実行する(S−15)。
【0055】
ステップS−15の回復動作は、表2にもとづいた回数Xだけ実行される。例えば、N=1の場合は、3回の回復動作(ポンピング)が実行される。
【0056】
【表2】
そして、実行後、通常のインク吐出動作を行う(S−16)。
【0057】
S−13で得られた値が(1)を満足しない場合(すなわち、t1 ≧t−t0 )、回復動作を行わないで通常のインク吐出動作を行う(S−16)。
【0058】
インク吐出動作が終了すると、この終了時の時刻t0 を読み込んで処理が終了する(S−17およびS−18)。
【0059】
上記回数Nが7以上である場合(S−12)、ステップS−19〜S−24へ進む。
【0060】
まず、現在の時刻tを読み込む(S−19)。その後、現在の時刻tから前回最終のインク吐出が終了した時点に読み込んだ時刻t0 を引く(S−20)。そして、ステップS−19で得られた値(t−t0 )と上記表1のt1 の値とを比較する。
【0061】
S−14で得られた値が上記式(1)を満足する場合、自動的に回復動作を実行する(S−21)。
【0062】
そして、実行後、通常のインク吐出動作およびマニュアル回復(装置内手動回復ボタンによる回復)を行う(S−22)。
【0063】
S−20で得られた値が上記式(1)を満足しない場合(すなわち、t1 ≧t−t0 )、回復動作を行わないでステップS−22へ進む。
【0064】
インク吐出動作が終了すると、この終了時の時刻t0 を読み込んで処理が終了する(S−23およびS−24)。
【0065】
以上のように、本実施例は、前述の第1の実施例同様、インク容器交換後の回復回数と、インクジェット記録ヘッドの最終吐出時間からインクジェット記録ヘッドの印字信号入力までの時間とに基づいて、自動回復動作の命令を行うものである。本実施例は、初期の段階のインク吸引量を多くすることにより、インクジェット記録ヘッド内のインク流路に残存する気泡を排除しやすくするものである。また、本実施例においては回復回数によりインク吸引量を変化させているが、吸引ポンプの動作量等によりインク吸引量を変化させてもよい。
【0066】
〈実施例3〉
本実施例では、ステップS−2を除いて図3に示されたものと同じステップを行う。インク容器の最終交換後になされた回復動作回数Nを読み込む代わりに、ステップS−2ではインク容器へのインクの最終充填後になされた回復動作回数Nを読み込む。例えば空気孔(不図示)を介してインク容器に充填されたインクの有無は、図2に示された電気接点2bを有するセンサを用いて検知される。
【0067】
〈実施例4〉
本実施例では、ステップS−11を除いて図4に示されたものと同じステップを行う。インク容器の最終交換後になされた回復動作回数Nを読み込む代わりに、ステップS−11ではインク容器へのインクの最終充填後になされた回復動作回数Nを読み込む。例えば空気孔(不図示)を介してインク容器に充填されたインクの有無は、図2に示された電気接点2bを有するセンサを用いて検知される。
【0068】
【発明の効果】
本発明にもとづくインクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドのインク吐出状態を回復するための回復手段と、インク容器の交換またはインク容器へのインクの再充填を検知するための検知手段と、回復手段による回復動作の実行回数Nをカウントするためのカウント手段と、記録動作実施時間から新たに記録動作を実施するまでの時間を計測するための計測手段と、検知手段、カウント手段、および計測手段の動作を制御するための制御手段とが設けられており、また、情報処理システムは該装置を出力手段とする。したがって、インク容器交換時またはインクの再充填に合わせた回復動作、また回復動作の実施回数や記録動作の実施間隔に応じた回復動作が適切かつ確実に実施することが可能となるので、常に安定した高品位な画像形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明にもとづくインクジェット記録装置の一例の概略的構成を説明するための斜視図であり、(B)は該装置の等価ブロック図である。
【図2】本発明にもとづくインクジェット記録装置に搭載されるインクジェット記録ヘッドとインク容器との結合部の構成を説明するための断面図である。
【図3】本発明にもとづくインクジェット記録装置に適用される回復動作の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明にもとづくインクジェット記録装置に適用される回復動作の処理手順の他の例を説明するためのフローチャートである。
【図5】インクジェット記録ヘッドの概略的構成を説明するための斜視図である。
【図6】従来のインクジェット記録装置の概略的構成を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1 インク容器
2 キャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
4 押え部材
5 被記録媒体
6 シャフト
7 ケーブル
8 モータ
9 ベルト
10 ブレーキ
11 キャップ
12 チューブポンプ
13 インク容器
14 多孔質体
15 フィルタ
16 インク流路
17 ヒータボード
18 吐出口
19 気泡
Claims (6)
- インクを吐出するためのインクジェット記録ヘッドと、該へッドへ供給されるインクを貯留するためのインク容器とを着脱自在に搭載可能なインクジェット記録装置において、
前記インクジェット記録ヘッドのインク吐出状態を回復するための回復手段と、
前記インク容器の交換または前記インク容器へのインクの再充填を検知するための検知手段と、
前記回復手段による回復動作の実行回数Nをカウントするためのカウント手段と、
前記インクジェット記録ヘッドが前回のインク吐出を終了してから次にインク吐出を行なうまでの経過時間が、前記実行回数Nに依存した時間間隔t 1 を超えたときに、前記回復手段による回復動作を実行するよう制御する制御手段と、
を有し、
前記インク容器の交換または前記インク容器へのインクの再充填が行われてから所定回数の回復動作が実行されるまでの間、前記時間間隔t 1 は、前記実行回数Nの増加に従って大きな値となるよう設定されることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記カウント手段は、前記インク容器の交換または前記インク容器へのインクの再充填が前記検知手段によって検知された場合に、前記実行回数Nをリセットすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記回復手段は、前記インクジェット記録ヘッドのインク吐出口からインクを吸引するもので、一回の吸引動作で吸引されるインクの量Wは、前記実行回数Nに依存することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記実行回数Nに依存して前記回復動作の連続実施回数Xが定まることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項記載のインクジェット記録装置。
- 前記実行回数Nが
N≧7
である場合、前記連続実施回数Xは、1であることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。 - インクを吐出するためのインクジェット記録ヘッドと、該ヘッドへ供給されるインクを貯留するためのインク容器とを着脱自在に搭載可能なインクジェット記録装置における回復方法であって、
前記インク容器の交換または前記インク容器へのインクの再充填を検知する検知工程と、
前記インクジェット記録ヘッドのインク吐出状態を回復する回復動作の実行回数Nをカウントするためのカウント工程と、
前記インクジェット記録ヘッドが前回のインク吐出を終了してからの経過時間が、前記実行回数Nに依存した時間間隔t 1 を超えたときに、前記回復動作を実行するよう制御する回復制御工程と、からなり
前記インク容器の交換または前記インク容器へのインクの再充填が行われてから所定回数の回復動作が実行されるまでの間、前記時間間隔t 1 は、前記実行回数Nの増加に従って大きな値となるよう設定されることを特徴とする回復方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19038295A JP3559621B2 (ja) | 1994-07-28 | 1995-07-26 | インクジェット記録装置、その回復方法及び情報処理システム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17684194 | 1994-07-28 | ||
JP6-176841 | 1994-07-28 | ||
JP19038295A JP3559621B2 (ja) | 1994-07-28 | 1995-07-26 | インクジェット記録装置、その回復方法及び情報処理システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0890791A JPH0890791A (ja) | 1996-04-09 |
JP3559621B2 true JP3559621B2 (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=26497607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19038295A Expired - Lifetime JP3559621B2 (ja) | 1994-07-28 | 1995-07-26 | インクジェット記録装置、その回復方法及び情報処理システム |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3559621B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
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-
1995
- 1995-07-26 JP JP19038295A patent/JP3559621B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0890791A (ja) | 1996-04-09 |
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