JP3631104B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、OA、FAにおいて広く利用される記録装置に関するものであり、特に、詳しくは、インクジェット記録方式を用いる記録装置や複写機等の画像形成装置のサブタンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、或いはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合機や、ワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板(例えば、OHP等に用いる)等の記録シートに画像を記録していくように構成されている。このような記録装置は、使用する記録手段の記録方法により、インクジェット式、ワイヤードット式、感熱式、熱転写式、またはレーザービーム式等に分けられる。
【0003】
これらの方式の中で、インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段である記録ヘッドから紙等の記録シートにインクを吐出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化が容易で、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別な処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるために騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易である等の利点を有している。
【0004】
図1は、本発明が適用されるプリンタの一例としてパーマネントタイプのインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置におけるインク経路を示す概略構成図である。
【0005】
図1に示されるように、一般的なインクジェット記録装置は、インクを吐出して記録を行う記録手段としての記録ヘッド1と、多量のインクを貯留するインクカートリッジ等のようなインクタンク2と、インクを一時的に貯留し、かつ大気連通口8と電極インク残量検知センサー9を有するサブタンク3と、記録ヘッド1から吐出されたインクを受けて回復処理するための回復桶4と、記録ヘッド1にインクを供給するための第1ポンプ5と、インクタンク2からサブタンク3にインクを供給すると共に回復桶4からインクを回収する吸引ポンプ等のような第2ポンプ6と、インク中に含まれる異物を除去するフィルタキット7と、から形成されたインク経路を有している。
【0006】
このような一般のインクジェット記録装置のインク経路において、インクカートリッジ等のようなインクタンク2内に貯留されているインクが、第2ポンプ6等の手段によってサブタンク3の所定の液位までインクが供給されて貯留され、記録ヘッド1にインクが供給可能な状態となる。印字時、すなわち記録時には、記録ヘッド1からインクが紙等の記録シートに対して吐出されて記録が行われ、サブタンク3内のインクが消費される。これを印字モードと言う。
【0007】
一方、記録ヘッド1の吐出回復時には、第2ポンプ6等によってインク循環が行われて、記録ヘッド1の回復処理が行われる。この時、記録ヘッド1のノズル1aから吐出されたインクは、回復桶4によって受けられ、第2ポンプ6の吸引によって空気と共にフィルターキット7を経由してサブタンク3に供給される。インクは、このフィルターキット7においてゴミ等の異物が取り除かれる。ゴミ等が取り除かれた空気とインクは、サブタンク3の最高液位以上に設けられた空気層12に注入され、インクは重力によって下方に落下し、空気はサブタンク3の天面に設けられた大気連通口8から大気中に放出される。
【0008】
以上の印字、すなわち記録と回復の繰り返しによって、記録時にサブタンク3内のインクが消費される。電極インク残量検知センサー9が液面低下を検知すると、再び上述のインク供給モードに入り、液面を所定の液位まで戻す。これらの動作を繰り返すと、やがてインクカートリッジ2のインクが無くなるので、インクカートリッジ2の交換となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のインクジェット記録装置におけるインク経路とサブタンクの構成では、ポンプの流量が増加した場合や、泡の発生し易いインクを使用した場合等には、回復桶から第2ポンプである吸引ポンプによって吸引した時に発生する泡のためにサブタンク内の液面上に泡が蓄積してしまう。
【0010】
その結果、電極方式や光学方式の液面センサーでは動作が不安定となり、正確に検知できない状態が発生してしまい、インクが無いにも拘わらずインク有りと誤検知して記録ヘッドに泡インクを送り出してしまう。従って、記録ヘッドは泡インクにより正常な印字、すなわち記録ができず、不吐となる。このために、ポンプ流量の設定やインクの選定には、泡を発生させないという条件が大前提となり、記録ヘッドの回復効率の上昇や記録媒体の選定に対して大きな制約の元となっている。
【0011】
また、サブタンク内の液面上に蓄積した泡は、空気と共に大気連通口から排出されてしまい、記録装置内を汚染してしまうことになる。
【0012】
これらの問題点を解決するために、従来の手段として負圧装置を用いた脱気手段やスポンジ等の消泡部材を用いた消泡手段を用いることが提案されている。しかしながら、これらの手段では、構成が複雑になり、コストアップと信頼性の低下を招くこと等の原因となってしまっている。
【0013】
従って、本発明は、上述の問題点を解決するためだけではなく、低コストで、かつ信頼性の高い手段を用いて提案されたものであって、その目的とするところは、サブタンク内の泡による液面誤検知を防止して、インク残量検知を安定かつ正確に行うことによって、記録ヘッドへの泡送りによる不吐を防止し、安定した記録状態を作り出すことであり、また、サブタンクの大気連通口からの泡の吹き出しを防止することによって、インク漏れの無いインクジェット記録装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
従って、上述の目的を達成するために、本発明によるインクジェット記録装置は、インクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにインクを供給するためのインクタンクと、該インクタンクから供給されるインクを一時的に貯留し、大気連通口を有するサブタンクと、前記記録ヘッドの非記録時にキャッピングすると共に、回復時に吐出されるインクを受ける回復桶と、該回復桶からインクを吸引する吸引ポンプとを有し、前記回復桶から吸引したインクを前記サブタンクに戻して再使用するインクジェット記録装置において、前記サブタンクが、サブタンクに戻されるインクに含まれる空気を分離する分離手段を有しており、該分離手段が複数個の分離壁を、間隔を置いて間に屈曲した長い空気通路を形成するように一部の分離壁の上縁辺が前記サブタンクと間隔を置いて配置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明のインクジェット記録装置は、前記サブタンクと前記分離壁の材質が、使用インクに対して濡れ性の優れた撥水性の低い材質を用いることを特徴とする。
【0019】
また、本発明のインクジェット記録装置は、前記サブタンクの空気層の容量が、前記回復桶から前記吸引ポンプにより吸引されるインクと空気の回収容量と等しいか大きいことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
このように構成された本発明のインクジェット記録装置によれば、インクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにインクを供給するためのインクタンクと、該インクタンクから供給されるインクを一時的に貯留し、大気連通口を有するサブタンクと、前記記録ヘッドの非記録時にキャッピングすると共に、回復時に吐出されるインクを受ける回復桶と、該回復桶からインクを吸引する吸引ポンプとを有し、前記回復桶から吸引したインクを前記サブタンクに戻して再使用するインクジェット記録装置であって、前記サブタンクと前記分離壁の材質に、使用インクに対して濡れ性の優れた撥水性の低い材質を用い、前記サブタンクの空気層の容量が、前記回復桶から前記吸引ポンプにより吸引されるインクと空気の回収容量と等しいか大きく、前記サブタンクが、サブタンクに戻されるインクに含まれる空気を分離する分離手段を有しており、該分離手段が複数個の分離壁を、間隔を置いて間に屈曲した長い空気通路を形成するように一部の分離壁の上縁辺が前記サブタンクと間隔を置いて配置されているので、低コストで、かつ信頼性の高い手段で、サブタンク内の泡による液面誤検知を防止して、インク残量検知を安定かつ正確に行うことができ、消泡効果を高めて、記録ヘッドへの泡送りによる不吐を防止し、安定した記録状態を作り出すことができると共に、分離壁間に空気通路が形成されて、インクが分離された空気や気体等が良好に流れて排出することができ、サブタンクの大気連通口からの泡の吹き出しを防止することができて、インク漏れのないインクジェット記録装置を得ることができる。
【0024】
本発明のその他の目的と特徴および利点は、以下の添付図面に沿っての本発明のインクジェット記録装置の実施例に就いての詳細な説明から明らかになろう。
【0025】
以下に、図面を参照して本発明のインクジェット記録装置に就いて詳細に説明する。
【0026】
(実施例1)
本発明におけるインクジェット記録装置のインク経路は、上記の図1の一般的なインクジェット記録装置のインク経路と実質的にほぼ同一の構成を成すものであり、図2は本発明のインクジェット記録装置におけるサブタンクの構成を示す斜視図である。
【0027】
図1に示されるように、本発明のインクジェット記録装置は、ノズル1aからインクを吐出して記録を行う記録手段としての記録ヘッド1と、インクを貯留するインクカートリッジ等のような交換可能なインクタンク2と、大気連通口8と電極インク残量検知センサー9が設けられた、インクを一時的に貯留するサブタンク3と、記録ヘッド1から吐出されたインクを受けて回復処理するための回復桶4と、記録ヘッド1にインクを供給する第1ポンプ5と、インクタンク2からサブタンク3にインクを供給すると共に回復桶4からインクを吸引して回収するための吸引ポンプ等のような第2ポンプ6と、インク中に含まれる異物を除去するフィルターキット7と、から形成されたインク経路を有している。
【0028】
このような本発明のインクジェット記録装置において、記録ヘッド1は、熱エネルギを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、記録ヘッド1は、電気熱変換体によって印加される熱エネルギにより生じられる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、インク吐出口であるノズル1aからインクを吐出して記録を行うものである。
【0029】
図2は、上記の、本発明のインクジェット記録装置の一実施例におけるサブタンクの構成を示した斜視図である。
【0030】
図2に示されるように、本発明におけるサブタンク3は、筐体のようなタンク本体10から成り、天面に大気連通口8が設けられており、内部にインクが留められるインク貯留室11と空気層12とが形成され、一方の側面にインク回収口14が設けられると共に、底面に記録ヘッド1にインクを供給するためのインク供給口15と、記録ヘッド1からインクが戻るためのインク戻り口16とが設置され、さらに、電極インク残量検知センサー9が設けられると共に、サブタンク3内部の空気層12内に、インク回収口14に対向して、インクと空気を分離するための分離手段13が設けられている。
【0031】
本発明の特徴を形成するインクと空気を分離するためのこの分離手段13は、第1分離壁17と、この第1分離壁17に対して間隔を置いて千鳥足状に、横方向にずれて配置された第2分離壁18と、この第2分離壁18に対して横方向に第2分離壁18とは反対方向にずれて配置された第3分離壁19とから構成されており、これら第1、第2、第3分離壁17、18、19によってこれら第1、第2、第3分離壁17、18、19の間にジグザグ状に屈曲した長い空気通路21が形成されている。また、これら第1、第2、第3分離壁17、18、19の下方に、中央に向ってやや下向きに傾斜した壁20が、上記の第1、第2、第3分離壁17、18、19の各下縁辺と間隔を置いて設けられている。さらに、これら第1、第2、第3分離壁17、18、19は、各上縁辺がタンク本体10の天面、すなわち天板との間に間隔を空けるように配置して、空気が流れるように空気通路を設けることも出来る。勿論、これら第1、第2、第3分離壁17、18、19の各上縁辺をタンク本体10の天面に当接して配置して、タンク本体10の天面に直接に固着することもできる。
【0032】
従って、記録ヘッド1の吐出回復時に、吸引ポンプである第2ポンプ6等によって吸引して回収されたインクと空気は、インク回収口14からサブタンク3内に回収される。インク回収口14からサブタンク3内に入った、インクと空気の混在した泡状の液体は、先ず、分離手段13の第1分離壁17に衝突して壁面に沿って広がる。この第1分離壁17は、材質がインクに対して濡れ性の優れた材質のものを使用しているために、泡状の液体は短時間で消泡される。ここで分離されて液化したインクだけが第1分離壁17の壁面に沿って下方に流れ、そして第1分離壁17の下方に設けられた壁20面上を伝わって流れてインク貯留室11へと落下して貯留される。そして、この第1分離壁17で消泡されなかった残りの泡状の液体は、千鳥足状に幾分横方向にずれて設けられた、次の第2分離壁18の壁面と、第3分離壁19の壁面とに沿ってジグザグに流れて、その過程で順次消泡されて、さらに液化したインクが壁20上に沿って同じように流れてインク貯留室11に落下して貯留される。勿論、第2、第3分離壁18、19も第1分離壁17と同じ材質の、インクに対して濡れ性の優れた材質のものを使用して作られるのが好適である。
【0033】
このような本発明のインクジェット記録装置のサブタンク3において、特に、特徴的なのは、分離手段13の第1、第2、第3分離壁17、18、19の各々の上方または横方向に大気連通口8に通じる空気通路21が形成されていて、泡に含まれていた空気や、その他の余分な空気または気体等が良好にインクと分離されて、この空気通路21を通って大気連通口8へと流れて、そして、この大気連通口8から外部へと排出される。また、これら第1、第2、第3分離壁17、18、19の数や材質は、インクとの適合性を考慮して適宜決められるものであり、数も図示の3つに限られるものではなく、1つでも、4つ以上でも必要に応じて適宜決めることが出来る。さらにまた、本実施例においては、これら第1、第2、第3分離壁17、18、19は、使用インクに対して濡れ性の優れた撥水性の低い材料である、例えばポリプロピレン等のような材料を用いて作られて、さらに、その表面が荒れた状態のものに形成されるのが好適であり、これによって、第1、第2、第3分離壁17、18、19の表面積を増加させて、より消泡性の大きな分離壁形態としている。
【0034】
また、一回の記録ヘッド吐出回復時にポンプ等によって回収されたインクと空気の容量に対して、サブタンク3の空気層12の容量が等しいか、大きいことが好適である。本実施例では、回収容量に対して200%程度のサブタンク空気層容量を確保しており、万が一、これら第1、第2、第3分離壁17、18、19による消泡が不十分であっても、絶対に大気連通口8から泡が吹き出ないように構成されている。
【0035】
このように、本発明のインクジェット記録装置のサブタンク3に、インク回収口14と対向して設けられた分離手段13は、第1、第2、第3分離壁17、18、19の上縁辺がサブタンク3の天面、すなわち天板に直接固着されたり、あるいは天面との間に間隔を置いて設けられて、第1、第2、第3分離壁17、18、19の上方または横方向に空気通路21を形成するように構成されている。
【0036】
以上の説明から解るように、本発明によれば、サブタンク3内の泡による液面誤検知を防止して、インク残量検知を安定して、かつ正確に行うことができると共に、サブタンク3の大気連通口8からの泡の吹き出しを防止することも可能となる。
【0037】
この結果、インクジェット記録ヘッドへの泡送りによる不吐を防止し、安定した記録状態を作り出すことができると共に、インク漏れの無いインクジェット記録装置を得ることができるし、また、回復効率の上昇には欠かせないポンプ流量の増加や、泡の発生がし易いインクも使用可能となることによって記録媒体の選定幅も拡大することができる。
【0038】
(その他)
なお、本発明は、記録剤としてインクを用いるものであれば、種々のインクジェット記録装置に適用できるのは勿論であるが、その中でもインク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば、電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0039】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体等に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4,463,359号明細書、同第4,345,262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4,313,124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0040】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているようなインク吐出口(ノズル)、液路、電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4,558,333号明細書、米国特許第4,459,600号明細書等を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても、本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるようになるからである。
【0041】
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0042】
加えて、上例のようなシルアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0043】
また、本発明を適用できる記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段(予備的な補助手段等も含む)の形態は種々のものであってもよい。具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、ブレードなどのクリーニング手段、インク供給系の加圧あるいは上例のような吸引によってインクをインク吐出口から排除する手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を含むものであればよい。それらのような回復処理後にヘッドフェイス面にインク付着ないし残留が生じうる場合には、本例のようなキャップ内吸収体の配設が有効であるし、また、ブレードを清浄に保つ吸収体の配設によって好ましくない部位へのインク滴下を防止できるからである。
【0044】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、上述のように記録色や濃度を異にする複数種のインクに対応して記録ヘッドが複数個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも1つを備えた装置にも、本発明は極めて有効である。
【0045】
さらに加えて、以上説明した本発明実施形態においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も、本発明は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0046】
さらに加えて、本発明に適用できるインクジェット記録装置の形態として、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のインクジェット記録装置は、インクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにインクを供給するためのインクタンクと、該インクタンクから供給されるインクを一時的に貯留し、大気連通口を有するサブタンクと、前記記録ヘッドの非記録時にキャッピングすると共に、回復時に吐出されるインクを受ける回復桶と、該回復桶からインクを吸引する吸引ポンプとを有し、前記回復桶から吸引したインクを前記サブタンクに戻して再使用するインクジェット記録装置において、前記サブタンクが、サブタンクに戻されるインクに含まれる空気を分離する分離手段を有しており、該分離手段が複数個の分離壁を、間隔を置いて間に屈曲した長い空気通路を形成するように一部の分離壁の上縁辺が前記サブタンクと間隔を置いて配置されているので、低コストで、かつ信頼性の高い手段で、サブタンク内の泡による液面誤検知を防止して、インク残量検知を安定かつ正確に行うことができ、消泡効果を高めて、記録ヘッドへの泡送りによる不吐を防止し、安定した記録状態を作り出すことができると共に、分離壁間に空気通路が形成されて、インクが分離された空気や気体等が良好に流れて排出することができ、サブタンクの大気連通口からの泡の吹き出しを防止することができて、インク漏れのないインクジェット記録装置を得ることができる。
【0051】
本発明の請求項2記載のインクジェット記録装置は、前記サブタンクと前記分離壁の材質が、使用インクに対して濡れ性の優れた撥水性の低い材質を用いるので、消泡性に優れた分離壁を設けることができる。
【0052】
本発明の請求項3記載のインクジェット記録装置は、前記サブタンクの空気層の容量が、前記回復桶から前記吸引ポンプにより吸引されるインクと空気の回収容量と等しいか大きいので、記録ヘッドへの泡送りによる不吐を防止し、安定した記録状態を作り出すことができると共に、サブタンクの大気連通口からの泡の吹き出しを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置におけるインク循環経路の構成を示す摸式図である。
【図2】本発明におけるサブタンクの斜視図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
2 インクタンク
3 サブタンク
4 回復桶
5 第1ポンプ
6 第2ポンプ
7 フィルタキット
8 大気連通口
9 電極インク残量検知センサー
10 タンク本体
11 インク貯留室
12 空気層
13 分離手段
14 インク回収口
15 インク供給口
16 インク戻り口
17 第1分離壁
18 第2分離壁
19 第3分離壁
20 壁
21 空気通路

Claims (3)

  1. インクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、該記録ヘッドにインクを供給するためのインクタンクと、該インクタンクから供給されるインクを一時的に貯留し、大気連通口を有するサブタンクと、前記記録ヘッドの非記録時にキャッピングすると共に、回復時に吐出されるインクを受ける回復桶と、該回復桶からインクを吸引する吸引ポンプとを有し、前記回復桶から吸引したインクを前記サブタンクに戻して再使用するインクジェット記録装置において、
    前記サブタンクは、サブタンクに戻されるインクに含まれる空気を分離する分離手段を有しており、該分離手段は複数個の分離壁を、間隔を置いて間に屈曲した長い空気通路を形成するように一部の分離壁の上縁辺が前記サブタンクと間隔を置いて配置されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記サブタンクと前記分離壁の材質は、使用インクに対して濡れ性の優れた撥水性の低い材質を用いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記サブタンクの空気層の容量は、前記回復桶から前記吸引ポンプにより吸引されるインクと空気の回収容量と等しいか大きいことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
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