JP2004025727A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ヘッドのインク吐出口から導き出されたインクを回収し再利用する際、インク中の異物を除去するために設けた異物除去手段の効果を維持し続ける。
【解決手段】インク回収経路中に着脱可能な異物除去手段と、その下流側にインク流量計を設ける。インク流量計の積算流量が予め設定した限界流量値を超えた場合に、インクの循環を停止し、異物除去手段の交換を促す。
【選択図】 図1
【解決手段】インク回収経路中に着脱可能な異物除去手段と、その下流側にインク流量計を設ける。インク流量計の積算流量が予め設定した限界流量値を超えた場合に、インクの循環を停止し、異物除去手段の交換を促す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録手段から記録シートへインクを吐出して画像等の記録を行うインクジェット記録装置に関するものであり、詳しくはインクの再利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、或いはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板(例えば、OHP等に用いる)等の記録シートに画像を記録していくように構成されている。前記記録装置は、使用する記録手段の記録方法により、インクジェット式、ワイヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービーム式等に分けられる。
【0003】
そのうち、インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から記録シートにインクを吐出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易である等の利点を有している。
【0004】
図4は従来のプリンタにおけるインク流路を示す概略構成図である。
【0005】
図4に示すように、第1のポンプ1108が図示CCW方向(反時計回り)に一定時間回転されると、インクカートリッジ1102に貯留されているインクが第1のバッファタンク1104を経由してサブタンク1103へ供給される。このとき大気連通口1103aは閉じられており、余剰のインクは余剰インク排出口1103bよりインクカートリッジ1102に戻される。記録ヘッドの吐出時には大気連通口1103aが開放される。
【0006】
一方、第1のポンプ1108および第2のポンプ1109が図示CW方向(時計回り)に回転されると、サブタンク1103に貯留されたインクは第1のバッファタンク1104を経由してインクジェット記録ヘッド1101に送液される。送液されたインクは第2のバッファタンク1105を経由して再びサブタンク1103に戻される。
【0007】
記録ヘッド1101から吐出されたインクはインク回収桶1106で受けられ、第3のポンプ1110によってフィルタキット1107で塵等の異物を除去した後サブタンク1103に戻される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
インクカートリッジから記録ヘッドに達し、記録ヘッドの吐出口から記録のための吐出、あるいは吐出回復により導き出されたインクを再利用する場合、塵埃等のインク中の不純物を除去する必要がある。これら不純物の除去に関しては、例えば特開平7−314705号公報、特開平9−131895号公報に開示されている技術がある。
【0009】
一方、環境保護意識の高まりとともに環境配慮製品への関心も高まってきており、省電力・リサイクルなどと同様に製品を長寿命化し、廃棄物の発生を抑える工夫もなされてきている。
【0010】
製品が長寿命化した場合、フィルタを通過するインクの量はそれに比例して多くなる。従来の技術においては、使用年数が経過するに連れフィルタには不純物が堆積し、フィルタが目詰まりを起こし、インクの循環を妨げる場合があった。そのため、記録ヘッドに対し正常なインク供給が行われず、画像品位の低下や果てはインクの空吐出により記録ヘッドを破壊してしまう場合があった。
【0011】
本発明の目的は、製品の長寿命化に対応し、再利用するインクの不純物を確実に濾過することにある。更に、インクの循環系を正常に保つことにより画像品位の低下を防ぎ、空吐出による記録ヘッドの破壊を防ぐことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、インクを吐出して記録シートに記録を行う記録手段と、前記記録手段に供給するインクを貯蔵するインク貯蔵手段と、前記記録手段のインク吐出口から導き出されたインクを回収し前記インク貯蔵手段に再び供給するインク回収手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
これにより、一度インク吐出口を通過したインクの再利用が可能になる。
【0014】
前記構成において、インク貯蔵手段から記録手段に至るインク流路をインク供給経路、インク吐出口から導きだされたインクを受けるインク受け部からインク貯蔵手段に至るインク流路をインク再利用経路とすると、回収されたインクに含まれる異物を除去する異物除去手段をインク再利用経路中に着脱自在に備えるとよい。
【0015】
これにより、再利用インクに含まれる不純物を除去することができ、またフィルタの交換が可能になる。
【0016】
インク流動方向に対し前記異物除去手段の下流側に、インクの流量を測定する体積流量計測型流量計を備えるとよい。該体積流量計測型流量計は、タービン流量計であることが望ましい。更に、前記流量計の測定結果と予め設定した限界流量値とを比較するインク流量比較手段と、流量計の積算流量が前記限界流量値を超えた場合に報知する報知手段とを備えるとよい。
【0017】
これによりインクを濾過したことによりフィルタに堆積した不純物の量を推定し、フィルタの交換時期を容易に把握することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置のインクの循環系の構成を示す模式図である。
【0019】
図1において、インクカートリッジ3は、供給チューブ31、圧力センサ4および供給チューブ32を介して、記録ヘッド1が配設されたキャリッジ(不図示)上のサブタンク11に接続されている。
【0020】
前記圧力センサ4はインクの有無を検知するためのものである。前記供給チューブ31および32は、柔軟性および弾性を有するシリコンゴム等のゴム状弾性体(可撓性)で構成されている。
【0021】
サブタンク11は記録ヘッド1にインクを供給するとともに、吸引チューブ33を介して通して後述する吸引ポンプ2に連結されている。これによりサブタンク11内のインクレベル(水位)を一定に保つことができ、常に一定範囲内の負圧を確保でき、良好な記録を維持することができる。
【0022】
前記記録ヘッド1は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、前記記録ヘッド1は、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
【0023】
図2は、前記記録ヘッド1のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。図2において、不図示の記録シートと所定の隙間(例えば、約0.5〜2.0mm程度)をおいて対面する吐出口面12には、所定のピッチで複数のインク吐出口13が形成され、共通液室14と各インク吐出口13とを連通する各液路15の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)16が配設されている。本実施例においては、記録ヘッド1は、前記インク吐出口13がキャリッジ(不図示)の走査方向と交叉する方向に並ぶような位置関係で、キャリッジに搭載されている。こうして、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体16を駆動(通電)して、液路15内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によってインク吐出口13からインクを吐出させる記録ヘッド1が構成されている。
【0024】
吸引ポンプ2は、本インク循環系のインクを循環させるためのものであり、2つの吸引口21,22と、排出口23とを備えている。
【0025】
前記吸引チューブ33は吸引口22に接続されており、他の吸引口21は、吸引チューブ34を介してキャップ5に連通している。排出口23は、接続チューブ35、フィルタ6、接続チューブ36、流量計7、ドレインチューブ37を介してインクカートリッジ3に接続されている。前記供給チューブ31,32と同様に、前記吸引チューブ33,34、接続チューブ35,36、ドレインチューブ37もゴム状弾性体(可撓性)で構成されている。
【0026】
5はキャップであり、駆動モータ8を駆動させることにより、前記記録ヘッド1に対し当接/離間を切替え可能に設けられている。
【0027】
前記キャップ5を記録ヘッド1に対し当接(キャッピング)した状態で、前記吸引ポンプ2を作動させてインク吐出口13に負圧を作用させることにより、増粘したインク、気泡、塵埃等の異物をインクとともに吸出してこれを排出するように構成されている。
【0028】
吸引されたインクには、記録ヘッドの吐出口周辺で乾燥して付着していた増粘インクや、記録シート搬送時に噴霧し記録ヘッドに付着した紙粉、インクの析出物などの様々な異物が含まれている。フィルタ6はこれらを濾過し、異物を除去するためのものである。
【0029】
流量計7はタービン流量計であり、回収経路を通過したインクの流量を測定する。液体流量計としては電磁流量計が広範囲に使用されているが、後述するフィルタの耐用インク量との比較を行う性格上、構成が簡単で直接的に流量を計測できるタービン流量計を使用するのが好ましい。
【0030】
流量計7はインク流動方向に対しフィルタ6より下流側に設けられている。フィルタ6より上流側に設けた場合、増粘インク等の異物が流量計に堆積し、正確なインク流量を測定できないばかりか、流量計自体が固着してしまいインクの循環を妨げてしまう場合がある。フィルタ6の下流側に設けることによりフィルタで濾過されたインクの流量を測定することができ、前記不具合を防止することができる。
【0031】
9はインク流量比較手段であり、フィルタ6の耐用インク量が予め設定されている。流量計7により測定されたインク流量が前記フィルタ6の耐用インク量と同じかあるいは超えた場合、インク流量比較手段9はLED10を点灯しフィルタの交換を促す。
【0032】
図3は、インク流量比較手段の制御の一実施例を示すフローチャートである。
【0033】
図3において、印字・吐出回復によるインク循環にともなうインク流量の測定を流量計7によって行う場合(ステップS101)、最初フィルタ6のインク限界流量値L1がセットされている(ステップS102)。また、実際にフィルタ6で濾過されたインクの流量はL2とする。インク流量の測定が開始されると(ステップS103)、前記限界流量値L1とインク流量L2の比較を行う(ステップS104)。L1>L2の場合、フィルタ6で濾過されたインクの流量が限界値に満たないため、継続してインクの流入(ポンプ動作)が行われる。L1=L2、あるいはL1<L2の場合、フィルタ6で濾過されたインクの流量が限界値に達し、フィルタが寿命(濾過能力の上限)を抑えたと判断される(ステップS105)。フィルタ6にこれ以上のインクが流入しないように、ポンプの動作を停止し(ステップS106)、フィルタ交換を促すべくLEDを点灯する(ステップS107)。
【0034】
フィルタ6の交換が確認されると(ステップS108)、インク流量値L2をリセットし(ステップS109)、制御上でのフィルタ交換を設定する。機構上、制御上ともフィルタの交換がなされると、ポンプの動作禁止を解除し(ステップS110)、印字・吐出回復によるインク循環が再び始まり、インク流量L2の監視を行う。
【0035】
次に、インクカートリッジ3を基点として、インクの循環について説明する。
【0036】
図1において、例えばキャリッジ(不図示)のホームポジションにおいて、駆動モータ8を駆動し、キャップ5により記録ヘッド1をキャッピングする。同時に駆動モータ8は吸引ポンプ2を駆動し、これにより吐出口13に負圧を作用させる。インクカートリッジ3内のインクは、供給チューブ31、圧力センサ4を通り、サブタンク11をへて記録ヘッド1内に流入される。サブタンク11の許容量を超えたインクは、吸引チューブ33からポンプ2に送られる。
【0037】
サブタンク11から記録ヘッド1に送られたインクのうち、画像の記録に用いられず、前記負圧によりインク吐出口13より吸引されたインクもまた、吸引チューブ34からポンプ2に送られる。
【0038】
ポンプ2の排出口23より排出されたインクは、連結チューブ35,36、ドレインチューブ37を通る途中で、フィルタ6で塵埃やインク析出物などの様々な不純物が濾過され、流量計7で流量を測定された後、インクカートリッジ3へと戻される。
【0039】
上述の実施例に対し、インクカートリッジ3に係るインク流路中に大気連通口などの圧力調整手段を設けてもよい。インクの循環は、記録ヘッド1からインクカートリッジ3に至るインク供給経路内の負圧、インクカートリッジ3内の負圧、吸引ポンプ2からインクカートリッジ3に至るインク回収経路中の負圧のバランスが取れている系の中で成り立っている。負圧差が大きい場合、急激な負圧の変動が発生した場合など、正常なインク循環を得られない場合が起こりうる。例えば、インク回収経路中の負圧がインクカートリッジ3内の負圧より大きい場合、インクはインク回収経路中に留まろうとしインクカートリッジ3に流入しない。
【0040】
圧力調整手段を設け、インク回収経路とインクカートリッジ3の負圧のバランスを取ることにより、インクの循環をスムーズにすることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インクカートリッジから記録ヘッドに達し、記録ヘッドの吐出口から記録のための吐出、あるいは吐出回復により導き出されたインクを再利用する場合において、インク中に溶け混んだ異物をフィルタで除去し、また除去効果が落ちた場合に交換することにより、一定レベル以上の異物除去効果を得ることができる。そのため、再利用インクの質を高めることができ、バージンインクに劣らない高い画像品位を維持することができる。
【0042】
加えて、インクの再利用は廃棄インクを削減し、1カートリッジあたりの実使用インク量の増加、結果としてのランニングコストの低減という経済性の向上、廃インク吸収体の容量減少または削除による装置のコンパクト化を達成することができるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置のインク循環系の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す記録ヘッドのインク吐出部の構造を模式的に示す分解斜視図である。
【図3】インク流量比較手段の制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図4】従来のインク循環系を示すインク循環系の液体接続構造を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド(記録手段)
2 吸引ポンプ
3 インクカートリッジ
4 圧力センサ
5 キャップ
6 フィルタ
7 流量計
8 駆動モータ
9 インク流量比較手段
10 LED
11 サブタンク
12 吐出口面
13 インク吐出口
14 共通液室
15 流路
16 電気熱変換体
21,22 吸引口
23 排出口
31,32 供給チューブ
33,34 吸引チューブ
35,36 接続チューブ
37 ドレインチューブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録手段から記録シートへインクを吐出して画像等の記録を行うインクジェット記録装置に関するものであり、詳しくはインクの再利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、或いはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板(例えば、OHP等に用いる)等の記録シートに画像を記録していくように構成されている。前記記録装置は、使用する記録手段の記録方法により、インクジェット式、ワイヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービーム式等に分けられる。
【0003】
そのうち、インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から記録シートにインクを吐出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易である等の利点を有している。
【0004】
図4は従来のプリンタにおけるインク流路を示す概略構成図である。
【0005】
図4に示すように、第1のポンプ1108が図示CCW方向(反時計回り)に一定時間回転されると、インクカートリッジ1102に貯留されているインクが第1のバッファタンク1104を経由してサブタンク1103へ供給される。このとき大気連通口1103aは閉じられており、余剰のインクは余剰インク排出口1103bよりインクカートリッジ1102に戻される。記録ヘッドの吐出時には大気連通口1103aが開放される。
【0006】
一方、第1のポンプ1108および第2のポンプ1109が図示CW方向(時計回り)に回転されると、サブタンク1103に貯留されたインクは第1のバッファタンク1104を経由してインクジェット記録ヘッド1101に送液される。送液されたインクは第2のバッファタンク1105を経由して再びサブタンク1103に戻される。
【0007】
記録ヘッド1101から吐出されたインクはインク回収桶1106で受けられ、第3のポンプ1110によってフィルタキット1107で塵等の異物を除去した後サブタンク1103に戻される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
インクカートリッジから記録ヘッドに達し、記録ヘッドの吐出口から記録のための吐出、あるいは吐出回復により導き出されたインクを再利用する場合、塵埃等のインク中の不純物を除去する必要がある。これら不純物の除去に関しては、例えば特開平7−314705号公報、特開平9−131895号公報に開示されている技術がある。
【0009】
一方、環境保護意識の高まりとともに環境配慮製品への関心も高まってきており、省電力・リサイクルなどと同様に製品を長寿命化し、廃棄物の発生を抑える工夫もなされてきている。
【0010】
製品が長寿命化した場合、フィルタを通過するインクの量はそれに比例して多くなる。従来の技術においては、使用年数が経過するに連れフィルタには不純物が堆積し、フィルタが目詰まりを起こし、インクの循環を妨げる場合があった。そのため、記録ヘッドに対し正常なインク供給が行われず、画像品位の低下や果てはインクの空吐出により記録ヘッドを破壊してしまう場合があった。
【0011】
本発明の目的は、製品の長寿命化に対応し、再利用するインクの不純物を確実に濾過することにある。更に、インクの循環系を正常に保つことにより画像品位の低下を防ぎ、空吐出による記録ヘッドの破壊を防ぐことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、インクを吐出して記録シートに記録を行う記録手段と、前記記録手段に供給するインクを貯蔵するインク貯蔵手段と、前記記録手段のインク吐出口から導き出されたインクを回収し前記インク貯蔵手段に再び供給するインク回収手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
これにより、一度インク吐出口を通過したインクの再利用が可能になる。
【0014】
前記構成において、インク貯蔵手段から記録手段に至るインク流路をインク供給経路、インク吐出口から導きだされたインクを受けるインク受け部からインク貯蔵手段に至るインク流路をインク再利用経路とすると、回収されたインクに含まれる異物を除去する異物除去手段をインク再利用経路中に着脱自在に備えるとよい。
【0015】
これにより、再利用インクに含まれる不純物を除去することができ、またフィルタの交換が可能になる。
【0016】
インク流動方向に対し前記異物除去手段の下流側に、インクの流量を測定する体積流量計測型流量計を備えるとよい。該体積流量計測型流量計は、タービン流量計であることが望ましい。更に、前記流量計の測定結果と予め設定した限界流量値とを比較するインク流量比較手段と、流量計の積算流量が前記限界流量値を超えた場合に報知する報知手段とを備えるとよい。
【0017】
これによりインクを濾過したことによりフィルタに堆積した不純物の量を推定し、フィルタの交換時期を容易に把握することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置のインクの循環系の構成を示す模式図である。
【0019】
図1において、インクカートリッジ3は、供給チューブ31、圧力センサ4および供給チューブ32を介して、記録ヘッド1が配設されたキャリッジ(不図示)上のサブタンク11に接続されている。
【0020】
前記圧力センサ4はインクの有無を検知するためのものである。前記供給チューブ31および32は、柔軟性および弾性を有するシリコンゴム等のゴム状弾性体(可撓性)で構成されている。
【0021】
サブタンク11は記録ヘッド1にインクを供給するとともに、吸引チューブ33を介して通して後述する吸引ポンプ2に連結されている。これによりサブタンク11内のインクレベル(水位)を一定に保つことができ、常に一定範囲内の負圧を確保でき、良好な記録を維持することができる。
【0022】
前記記録ヘッド1は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、前記記録ヘッド1は、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
【0023】
図2は、前記記録ヘッド1のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。図2において、不図示の記録シートと所定の隙間(例えば、約0.5〜2.0mm程度)をおいて対面する吐出口面12には、所定のピッチで複数のインク吐出口13が形成され、共通液室14と各インク吐出口13とを連通する各液路15の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)16が配設されている。本実施例においては、記録ヘッド1は、前記インク吐出口13がキャリッジ(不図示)の走査方向と交叉する方向に並ぶような位置関係で、キャリッジに搭載されている。こうして、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体16を駆動(通電)して、液路15内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によってインク吐出口13からインクを吐出させる記録ヘッド1が構成されている。
【0024】
吸引ポンプ2は、本インク循環系のインクを循環させるためのものであり、2つの吸引口21,22と、排出口23とを備えている。
【0025】
前記吸引チューブ33は吸引口22に接続されており、他の吸引口21は、吸引チューブ34を介してキャップ5に連通している。排出口23は、接続チューブ35、フィルタ6、接続チューブ36、流量計7、ドレインチューブ37を介してインクカートリッジ3に接続されている。前記供給チューブ31,32と同様に、前記吸引チューブ33,34、接続チューブ35,36、ドレインチューブ37もゴム状弾性体(可撓性)で構成されている。
【0026】
5はキャップであり、駆動モータ8を駆動させることにより、前記記録ヘッド1に対し当接/離間を切替え可能に設けられている。
【0027】
前記キャップ5を記録ヘッド1に対し当接(キャッピング)した状態で、前記吸引ポンプ2を作動させてインク吐出口13に負圧を作用させることにより、増粘したインク、気泡、塵埃等の異物をインクとともに吸出してこれを排出するように構成されている。
【0028】
吸引されたインクには、記録ヘッドの吐出口周辺で乾燥して付着していた増粘インクや、記録シート搬送時に噴霧し記録ヘッドに付着した紙粉、インクの析出物などの様々な異物が含まれている。フィルタ6はこれらを濾過し、異物を除去するためのものである。
【0029】
流量計7はタービン流量計であり、回収経路を通過したインクの流量を測定する。液体流量計としては電磁流量計が広範囲に使用されているが、後述するフィルタの耐用インク量との比較を行う性格上、構成が簡単で直接的に流量を計測できるタービン流量計を使用するのが好ましい。
【0030】
流量計7はインク流動方向に対しフィルタ6より下流側に設けられている。フィルタ6より上流側に設けた場合、増粘インク等の異物が流量計に堆積し、正確なインク流量を測定できないばかりか、流量計自体が固着してしまいインクの循環を妨げてしまう場合がある。フィルタ6の下流側に設けることによりフィルタで濾過されたインクの流量を測定することができ、前記不具合を防止することができる。
【0031】
9はインク流量比較手段であり、フィルタ6の耐用インク量が予め設定されている。流量計7により測定されたインク流量が前記フィルタ6の耐用インク量と同じかあるいは超えた場合、インク流量比較手段9はLED10を点灯しフィルタの交換を促す。
【0032】
図3は、インク流量比較手段の制御の一実施例を示すフローチャートである。
【0033】
図3において、印字・吐出回復によるインク循環にともなうインク流量の測定を流量計7によって行う場合(ステップS101)、最初フィルタ6のインク限界流量値L1がセットされている(ステップS102)。また、実際にフィルタ6で濾過されたインクの流量はL2とする。インク流量の測定が開始されると(ステップS103)、前記限界流量値L1とインク流量L2の比較を行う(ステップS104)。L1>L2の場合、フィルタ6で濾過されたインクの流量が限界値に満たないため、継続してインクの流入(ポンプ動作)が行われる。L1=L2、あるいはL1<L2の場合、フィルタ6で濾過されたインクの流量が限界値に達し、フィルタが寿命(濾過能力の上限)を抑えたと判断される(ステップS105)。フィルタ6にこれ以上のインクが流入しないように、ポンプの動作を停止し(ステップS106)、フィルタ交換を促すべくLEDを点灯する(ステップS107)。
【0034】
フィルタ6の交換が確認されると(ステップS108)、インク流量値L2をリセットし(ステップS109)、制御上でのフィルタ交換を設定する。機構上、制御上ともフィルタの交換がなされると、ポンプの動作禁止を解除し(ステップS110)、印字・吐出回復によるインク循環が再び始まり、インク流量L2の監視を行う。
【0035】
次に、インクカートリッジ3を基点として、インクの循環について説明する。
【0036】
図1において、例えばキャリッジ(不図示)のホームポジションにおいて、駆動モータ8を駆動し、キャップ5により記録ヘッド1をキャッピングする。同時に駆動モータ8は吸引ポンプ2を駆動し、これにより吐出口13に負圧を作用させる。インクカートリッジ3内のインクは、供給チューブ31、圧力センサ4を通り、サブタンク11をへて記録ヘッド1内に流入される。サブタンク11の許容量を超えたインクは、吸引チューブ33からポンプ2に送られる。
【0037】
サブタンク11から記録ヘッド1に送られたインクのうち、画像の記録に用いられず、前記負圧によりインク吐出口13より吸引されたインクもまた、吸引チューブ34からポンプ2に送られる。
【0038】
ポンプ2の排出口23より排出されたインクは、連結チューブ35,36、ドレインチューブ37を通る途中で、フィルタ6で塵埃やインク析出物などの様々な不純物が濾過され、流量計7で流量を測定された後、インクカートリッジ3へと戻される。
【0039】
上述の実施例に対し、インクカートリッジ3に係るインク流路中に大気連通口などの圧力調整手段を設けてもよい。インクの循環は、記録ヘッド1からインクカートリッジ3に至るインク供給経路内の負圧、インクカートリッジ3内の負圧、吸引ポンプ2からインクカートリッジ3に至るインク回収経路中の負圧のバランスが取れている系の中で成り立っている。負圧差が大きい場合、急激な負圧の変動が発生した場合など、正常なインク循環を得られない場合が起こりうる。例えば、インク回収経路中の負圧がインクカートリッジ3内の負圧より大きい場合、インクはインク回収経路中に留まろうとしインクカートリッジ3に流入しない。
【0040】
圧力調整手段を設け、インク回収経路とインクカートリッジ3の負圧のバランスを取ることにより、インクの循環をスムーズにすることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インクカートリッジから記録ヘッドに達し、記録ヘッドの吐出口から記録のための吐出、あるいは吐出回復により導き出されたインクを再利用する場合において、インク中に溶け混んだ異物をフィルタで除去し、また除去効果が落ちた場合に交換することにより、一定レベル以上の異物除去効果を得ることができる。そのため、再利用インクの質を高めることができ、バージンインクに劣らない高い画像品位を維持することができる。
【0042】
加えて、インクの再利用は廃棄インクを削減し、1カートリッジあたりの実使用インク量の増加、結果としてのランニングコストの低減という経済性の向上、廃インク吸収体の容量減少または削除による装置のコンパクト化を達成することができるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置のインク循環系の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す記録ヘッドのインク吐出部の構造を模式的に示す分解斜視図である。
【図3】インク流量比較手段の制御の一実施例を示すフローチャートである。
【図4】従来のインク循環系を示すインク循環系の液体接続構造を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド(記録手段)
2 吸引ポンプ
3 インクカートリッジ
4 圧力センサ
5 キャップ
6 フィルタ
7 流量計
8 駆動モータ
9 インク流量比較手段
10 LED
11 サブタンク
12 吐出口面
13 インク吐出口
14 共通液室
15 流路
16 電気熱変換体
21,22 吸引口
23 排出口
31,32 供給チューブ
33,34 吸引チューブ
35,36 接続チューブ
37 ドレインチューブ
Claims (8)
- インクを吐出して記録シートに記録を行う記録手段と、前記記録手段に供給するインクを貯蔵するインク貯蔵手段と、を備えたインクジェット記録装置において、前記記録手段のインク吐出口から導き出されたインクを回収し前記インク貯蔵手段に再び供給するインク回収手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
- インク貯蔵手段から記録手段に至るインク流路をインク供給経路、インク吐出口から導き出されたインクを受けるインク受け部からインク貯蔵手段に至るインク流路をインク回収回路とすると、回収されたインクに含まれる異物を除去する異物除去手段をインク回収経路中に着脱自在に備えたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インク回収経路において、前記異物除去手段の交換予告手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記交換予告手段はインクの流量を測定する流量計と報知手段からなることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
- 前記流量計が、体積流量計測型流量計であることを特徴とする請求項3から請求項4の何れかの項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記体積流量計測型流量計が、タービン流量計であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
- 前記報知手段は、流量計の測定結果と予め設定した限界流量値とを比較し、体積流量計測型流量計の積算流量が前記限界流量値を超えた場合に報知することを特徴とする請求項3から請求項6の何れかの項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録手段は、前記インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子として前記インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のインクジェット記録装置。
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2002
- 2002-06-27 JP JP2002187976A patent/JP2004025727A/ja not_active Withdrawn
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