JP2004195799A - 液循環装置、液滴吐出装置及び該液滴吐出装置を用いたインクジェット記録装置 - Google Patents
液循環装置、液滴吐出装置及び該液滴吐出装置を用いたインクジェット記録装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】液滴吐出ヘッドの機能回復時に吐出されたインクを回収し、再使用する液滴吐出装置において、何度も回収し劣化したインクを速やかに排出し、劣化したインクを使用することがなく、優れたメンテナンス作業性とする。
【解決手段】インクカートリッジ1のインクはサブタンク2に送液され、インクジェットヘッド3のノズルによって印字を行う。ヘッド機能回復は、サブタンク2内のインクをインクジェットヘッド3へ強制的に送液し(矢印C1)、ノズルから強制的に吐出し、付着したごみ、気泡等を排除する。吐出されたインクはインク回収容器4で回収され、インクジェットヘッド3を循環したインク(矢印C2)、インクカートリッジ1からのインク(矢印A)と共にサブタンク2へ回収する(矢印C3)。サブタンク2内のインク特性検知部21が、インクの粘度や濃度の劣化を検出すると、劣化したインクを廃液タンク6へ排出する。
【選択図】 図1
【解決手段】インクカートリッジ1のインクはサブタンク2に送液され、インクジェットヘッド3のノズルによって印字を行う。ヘッド機能回復は、サブタンク2内のインクをインクジェットヘッド3へ強制的に送液し(矢印C1)、ノズルから強制的に吐出し、付着したごみ、気泡等を排除する。吐出されたインクはインク回収容器4で回収され、インクジェットヘッド3を循環したインク(矢印C2)、インクカートリッジ1からのインク(矢印A)と共にサブタンク2へ回収する(矢印C3)。サブタンク2内のインク特性検知部21が、インクの粘度や濃度の劣化を検出すると、劣化したインクを廃液タンク6へ排出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液循環装置、液滴吐出装置及び該液滴吐出装置を用いたインクジェット記録装置に関し、さらに詳しくは、微少流量の液体を搬送するマイクロポンプを用いた液循環装置、インクジェット記録装置用記録ヘッド、DNAチップ製造用液吐出ヘッド等の液滴吐出装置及び該液滴吐出装置を用いたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
微少流量の液体を搬送するマイクロポンプを用いた液循環装置は、例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出装置、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出装置、導電性物質を含んだ液を吐出して電気配線を形成する液滴吐出装置等の液滴吐出装置等に適用することができるが、今日ではインクジェット記録装置の記録ヘッドへの適用が広く行われている。
液滴吐出装置を用いて微量の液を吐出させるためには、液タンクから液滴吐出ヘッドに液を供給し、液滴吐出ヘッドに形成された複数のノズルから必要に応じて液滴を吐出させ、必要な場所へ液滴を着弾させる必要がある。
【0003】
しかしながら、液滴吐出ヘッドのノズルの径は非常に小さいので、液の状態によってはノズル内に気泡が混入したりノズルの詰まり等の不具合が発生し、液吐出不良の原因となっていた。そこで、液滴吐出に先立って、あるいは液滴吐出の終了後に、ある制御されたタイミングで送液ポンプから液滴吐出ヘッドに液を強制的に送液し、ヘッド内部の液や気泡をノズルから外部へ強制的に排出し、ヘッド機能の回復動作を行う必要があった。
【0004】
このような、ヘッド機能回復動作においては、強制的に排出された液が無駄に廃棄されるため、この液を液タンクへ回収し、再び液滴吐出ヘッドに供給するようにした液滴吐出装置を用いたインクジェットプリンタの例が特許文献1に開示されている。この従来例では、インクジェットヘッドの機能回復動作で使用したインクを新品のインクタンクとは異なる別のサブタンクへ回収し、新品のインクタンクから供給される新品のインクと該サブタンクで混合し、再度インクジェットヘッドへ供給する循環型のインク供給システムを有している。
【0005】
しかしながら、このような循環型のインク供給システムを用いる際には次のような問題点がある。
インクが長期にわたって使用されると、インク回収時にインクが回収部で大気に触れ、またインクタンクに大気開放孔が形成されているためタンク内で大気に触れる結果、インク中の水分が徐々に蒸発しインクの濃度や粘度が徐々に変化する。この劣化によって印字品質の低下やインク吐出ノズルの詰まりが発生する。このような問題点を解決するために、インク回収型のインク供給システムで劣化したインクを回収廃棄する機能を有するインクジェット記録装置の例が、特許文献2に開示されている。この従来例では、通常はインクジェットヘッドの機能回復に用いたインクを回収部で回収し、この回収したインクを切り替え弁を介して使用初期時は新品のインクが充填されたカートリッジ型インクタンクへ戻し、このインクを利用し再度印字を行うようにしている。
【0006】
インク通路には、インクの使用限度を検知する手段を有し、インクが使用限界を超えたことが検知されると同時にその旨が報知され、切り替え弁が動作し、前記回収部からのインクは前記インクタンクへ回収されず、該インクタンクとは異なる廃インクタンクへ回収廃棄される。使用限度を検知した後は、インクの回収は行われず廃液タンクへインクは送液され、カートリッジ型インクタンク内のインクがなくなるまで印字が行われる。ここで、インクの使用限度を検知する手段としては、濃度検知を光学式センサを用いて行っており、粘度検知は細管を形成しその両端に生じる圧力を検知する差圧センサで行っている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−105303号公報
【特許文献2】
特開2002−86763号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題について、液滴吐出装置の応用例の一つであるインクジェットヘッドを例として説明する。インクタンクからインクジェットヘッドにインクを供給し、このインクジェットヘッドの機能回復または機能維持に用いたインクをインクタンクへ回収する循環型インク供給システムは、インクの蒸発によるインク劣化の問題がある。つまり、ヘッド機能回復動作時に使用されて回収されるインクには、次のような特性の劣化が見られる。
第1に、インク回収時に回収部で大気と触れるため、インク中の水分が蒸発し、濃度や粘度が上昇する。
第2に、ノズル機能回復時にインクをノズルへ強制的に流し込みノズル内部に付着したインクの固化した異物等を洗い流すことによる異物混入等がある。
長期にわたりこの様なインクを回収し画像記録用インクとして再利用した場合、前記の理由によりインクは徐々に劣化し、印字品質の低下やインク吐出ノズルの詰まりが発生する。その解決策として使用限界を超えたインクを切り替え弁によって再利用せず別の廃棄用タンクへ回収し、廃棄する機構が提案された。
【0009】
しかしながら、メンテナンス時や劣化したインクを、このインク廃棄回収機構を用いてインクタンクを含む装置内の全てから回収廃棄する場合、従来例によれば、インクジェットヘッドのノズルから吐出する少流量のインクを回収することで行われてきた。あるいは、各配管内のインクをバルブの切り替えによって各配管毎に回収廃棄してきた。このような回収廃棄方法で装置内のインクを全て廃棄回収するためには長時間を要していた。また、従来のインク流路は廃液タンクからインクタンクまでの間にインクジェットヘッドがあって、このヘッドを介して配管が直列に接続されていたり、各配管の中間にバルブが接続されており流路のコンダクタンスが小さく、何れの構成も配管内のインクの回収効率は悪かった。このため、回収後も使用限界を超えた劣化したインクが配管内やバルブ内へ残存するといった問題があった。
【0010】
このような状態で新たなインクを充填しても、残存する劣化インクと混合し初期のインク特性は得られなかった。一方、従来の劣化インクの回収機構によれば、インクの使用限界を超えたことを検知するセンサがインクタンクとインクジェットヘッドの間に設けられており、インクの使用限界を超えたことを検知した後は回収インクは切り替え弁によって廃液タンクへ回収される。
【0011】
しかしながら、プリンタとしての機能を制限することがないので、インクタンク内のインクがなくなるまで使用限界を超えたインクがインクジェットヘッドへ供給されつづける。その結果、ノズルのつまりや画像品質の低下が発生したり、最悪の場合液滴吐出装置に設けられている回復機構では回復不能となって、修理扱いとなったり、インクジェットヘッドの破損を引き起こす場合があった。また、インクの使用限界を超えたことの報知は、そのことが検出された時に初めてなされるので使用者は新たなインクを準備する時間的精神的余裕がなく、新たなインクを準備するまでの間、使用限界を超えた劣化したインクで画像を記録しつづけなければならないといった不具合があった。本発明ではインクの劣化を段階的に検出し、その検出検出された劣化のレベルに応じて装置の機能を制限する機構を有しており、インクが使用限界を超えると判断された場合、装置の機能は強制的に停止する。また、従来ヘッド機能回復動作によってノズルから予備吐出されたインクの廃棄は吸収体で吸収させ、その後自然乾燥させることによって廃棄を行っていた。
【0012】
しかし、従来のインクジェットヘッドのようにサイズが小さく、少量のインクを吐出し回復動作を行なうインクジェットヘッドであれば、自然乾燥方式でも大きな問題は発生しなかった。一方、長尺のフルライン型のインクジェットヘッドになると、ヘッド機能回復には大量のインクが使用され回収量も大量となる。このような理由から、フルライン型のインクジェットプリンタ装置では大量のインクが扱われるが、このインクを廃棄するために従来の自然乾燥方式を用いた場合、インクの蒸発量が大量になるため、装置内部に結露が発生したり装置の腐食の原因となったり、最悪の場合はインクの蒸発成分が人体へ与える影響も無視できなくなるといった問題もあった。
【0013】
さらに、画質を向上させるため反応性のインクが用いられるが、このインクは各色のインクが混合すると固形物を生成し、インクにじみを低減し画質が向上するものである。各色のインクジェットヘッドの機能回復動作をこのインクで行い、劣化したインクを排出した時に、排出配管内で各色のインクが混合されて廃棄されると、配管内で各色のインクで反応が起こり配管の目詰まりが発生するといった不具合があった。
本発明の目的は、以上のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、液吐出ヘッドや液滴吐出ヘッドの機能回復動作時に吐出された液を回収して再使用することによって無駄をなくすとともに、度重なる回収の結果劣化した液を排出して、劣化した液を使用することのない液循環装置、液滴吐出装置及び該液滴吐出装置を用いたインクジェット記録装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の液循環装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を貯蔵するタンクと、該タンクから供給される液を吐出する吐出ヘッドを有し、前記タンクから前記吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記吐出ヘッドから液を吐出させ、前記吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記吐出ヘッドを循環した液と、前記液体供給源から供給した液とを前記タンク内で混合し再利用する液循環装置において、前記タンクは液排出手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項2の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項3の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給部から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液循環システムを複数有する液滴吐出装置において、前記複数の液循環システムのそれぞれのサブタンクは異なる液間で互いに混合することのない独立した液排出手段を有することを特徴とする。
【0017】
請求項4の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し、粘度または濃度が所定量変化した液を排出することを特徴とする。
【0018】
請求項5の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し、前記サブタンク内の液の粘度または濃度の変化に応じて警報を発することを特徴とする。
【0019】
請求項6の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し前記サブタンク内の液の粘度または濃度の変化に応じて段階的に前記液滴吐出装置の機能を制限することを特徴とする。
【0020】
請求項7の液滴吐出装置は、請求項6記載の液滴吐出装置において、前記機能の制限は、前記液滴吐出ヘッドの吐出圧力を変更することによって行うことを特徴とする。
【0021】
請求項8の液滴吐出装置は、請求項6記載の液滴吐出装置において、前記機能の制限は、前記液滴吐出ヘッドの駆動速度を変更することによって行うことを特徴とする。
【0022】
請求項9の液滴吐出装置は、請求項6記載の液滴吐出装置において、前記機能の制限は、前記液滴吐出ヘッドの駆動を停止することによって行うことを特徴とする。
【0023】
請求項10の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し、該液排出手段から排出される液は着脱自在な廃液タンクに回収されることを特徴とする。
【0024】
請求項11の液滴吐出装置は、請求項10記載の液滴吐出装置において、前記着脱自在な廃液タンクは密閉されていることを特徴とする。
【0025】
請求項12の液滴吐出装置は、請求項10または11記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクは廃液の量を検知する手段が設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項13の液滴吐出装置は、請求項10または11記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクに蓄積された廃液の量に応じて警報を発することを特徴とする。
【0027】
請求項14の液滴吐出装置は、請求項13記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクに蓄積された廃液の量が所定量になると前記液滴吐出ヘッドの液滴吐出を停止することを特徴とする。
【0028】
請求項15の液滴吐出装置は、請求項10乃至14に記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクは少なくとも一部分が光透過性を有する容器であることを特徴とする。
【0029】
請求項16の液滴吐出装置は、請求項10乃至15に記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクは、前記サブタンクより低位置に設置されていることを特徴とする。
【0030】
請求項17の液滴吐出装置は、請求項2乃至16に記載の液滴吐出装置において、前記液供給源はインクカートリッジであることを特徴とする。
【0031】
請求項18の液滴吐出装置は、請求項17記載の液滴吐出装置を用いるインクジェット記録装置であることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図9に示す実施例1〜6に基づいて説明する。
液滴吐出ヘッドとしては、前記したように例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出装置、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出装置、導電性物を含んだ液を吐出して電気配線を形成する液滴吐出装置等の液吐出装置一般に適用することができるが、以下の説明ではインクジェット記録装置を例として説明する。なお、液滴吐出ヘッドの機能回復とは、吐出機能の劣化した液滴吐出ヘッドの機能を正常な機能に回復させることのみに限られるものではなく、液滴吐出ヘッドの機能を維持し、劣化を予防すること等を含むものである。
【0033】
(実施例1)
図1は、本発明の液滴吐出装置を適用した実施例1のインクジェットプリンタの液供給、排出経路を示す図である。
実施例1のインクジェットプリンタは、カラープリンタであるのでイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクが用いられる。そのため、実際には図1に示す液経路つまりインク経路は、各色毎に4系統の経路が設けられ、各インク経路は互いに並列に配置される。以下の説明ではその中の1つのインク経路について行うが、他の色のインクにおいても同様の経路である。
【0034】
実施例1のインクジェットプリンタは、インク供給部である未使用のインクが充填されたインクカートリッジ1、インクカートリッジ1から供給されたインクを一時的に貯蔵するサブタンク2、ノズル(図示なし)からインク滴を吐出して記録媒体等に文字を含む画像形成を行うインクジェットヘッド3、インクジェットヘッド3から排出されたインクを回収するインク回収容器4、インク経路の圧力変動を吸収するバッファタンク5、インクジェッドヘッド3を含むインク経路からインクを排出し廃棄するインクを貯蔵する廃液タンク6を有している。
ここで、インクジェットヘッド3はフルライン型のインクジェットヘッドであって、インクを加熱することで気泡を発生し、その気泡の発生圧力によってインクを吐出する手段を有している。
【0035】
未使用のインクが充填されたインクカートリッジ1とサブタンク2の間の配管にはインク送液ポンプ11が設けられ、サブタンク2に新鮮なインクが供給される。また、サブタンク2はインクジェットヘッド3の一方端部と配管で接続されており、インクジェットヘッド3のノズルから所望の媒体にインクを吐出する際に、毛細管現象あるいはインクが吐出される際に生じる負圧によって、インクを供給する。ここで、使用されるインクの粘度等の特性によっては、サブタンク2とインクジェットヘッド3間の配管中にインク送液ポンプ及びフィルタを設置し、強制的にインクを供給することもできる。
【0036】
サブタンク2とバッファタンク5との間の配管には機能回復用ポンプ12が設けられている。ここで、バッファタンク5は、機能回復用ポンプ12の圧力変動を吸収し、一定の圧力でインクをインクジェットヘッド3へ送液するためのものである。サブタンク2にはサブタンク内部と大気とを連通させる大気開放口2aが設置されている。また、サブタンク2はインクジェットヘッド3の一方端部に配管で接続され、バッファタンク5がインクジェットヘッド3の他方端部に配管で接続されている。
【0037】
インクジェットヘッド3に設けられているノズルからインクを吐出させる方法は、ノズル内に設けられたヒータによってインクを瞬時に加熱し、インク流路内に気泡を発生させ、その気泡の成長、収縮によりインクを吐出させるものである。インクジェットヘッド3と対峙した位置に、インク吐出機能の回復動作でインクをノズルから強制的に吐出させたときのインクをサブタンク2へ回収するインク回収容器4が設置されている。このインク回収容器4は、回収用ポンプ13を用いてサブタンク2へ配管によって接続されている。さらに、サブタンク2にはインク廃棄回収用の廃液タンク6が廃液回収用ポンプ13を介して配管によって接続されている。
【0038】
次に、インクジェットプリンタの動作について説明する。
未使用のインクが充填されたインクカートリッジ1をインク供給部に接続すると、インク送液ポンプ11によってサブタンク2にインクが送液される(矢印A)。この時、サブタンク2内にはインク量センサ(図示せず)が設置され、規定量になるまでインクは送液される。
【0039】
次に、ヘッド機能回復動作が行われる。この動作は、サブタンク2から機能回復用ポンプ12によってバッファタンク5を経由してインクジェットヘッド3の片方の供給口(他方端部)からインクジェットヘッド3内部へインクを強制的に送液する(矢印C1)。インクジェットヘッド3内部に強制的に送液されたインクは、ノズルから強制的に吐出されるので、ノズルに付着したごみやインク固化物やノズル内部にある気泡が、この時排除される。ノズルから強制的に吐出されたインクは、インク回収容器4で回収し、回収用ポンプ13でサブタンク2へ回収される(矢印C3)。一方、インクジェットヘッド3のもう片方の供給口(一方端部)からもインクジェットヘッド内部の空気やインクが排出され、サブタンク2へ回収される(矢印C2)。
このように、ヘッド機能回復動作は、インクジェットヘッド3の状態に関わらず決められたタイミングで各色実施され、インクジェットプリンタが印字可能の状態となる。
【0040】
画像を印字する時には、サブタンク2からインクジェットヘッド3へインクが供給され(矢印B)、印字が行われる。印字によって消費され、サブタンク2内のインクの残量が少なくなると、インク送液ポンプ11を用いてインクカートリッジ1から未使用のインクが供給される。一定時間印字が行われた後には、前述のヘッド機能回復動作が行われる。このヘッド機能回復動作によって回収されたインクは、インクの揮発成分が蒸発したり、ノズルに付着した塵等が混入しているため、インクの特性が劣化している。度重なるヘッド回復動作によって何度もこのようなインクが回収されサブタンク2内で混合されると、サブタンク2内のインクは徐々にインク特性が劣化してくる。このため、サブタンク内のインクの特性を検知するインク特性検知部21をサブタンク内に設置する。実施例1のインクジェットプリンタでは粘度検知装置21aを設けておき、サブタンク2内のインクの粘度を監視する。
【0041】
図2は、インク回収動作回数、つまり回収インク量とサブタンク内のインク粘度の関係を示す図である。
インク回収動作回数が多いほど、サブタンク内のインクの粘度は徐々に上昇する。この上昇するインク粘度に対して粘度の基準を3段階設けた。基準は、特に3段階に限ったものではなく、相対的に粘度の高低に対して基準を設ければよい。その基準値に応じて警報を発するようにした。
実施例1のインクジェットプリンタは、マイクロコンピュータにより制御を行っており、粘度検知装置21aから出力される粘度と基準値に対する比較を比較判断回路22で行い、基準値に応じて異なる動作を行うようにする。この動作を図4、図1、図2を用いて説明する。
【0042】
図4は、比較判断回路で行われる処理を示すフロー図である。
インク供給部にインクカートリッジ1を装着した後(ステップ1)、インク送液ポンプ11によってサブタンク2へインクが充填され(ステップ2)、前記したようなヘッド機能回復動作が行われる。
サブタンク内に規定量のインクがあることをチェックし(ステップ3)、規定量のインクがなければインクカートリッジを交換した後(ステップ4)、印字動作が行われる(ステップ5)。印字動作に伴いヘッド機能回復動作が行われる(ステップ6)。この時、サブタンク内のインクの粘度を粘度検知装置21のセンサによって検知し、その信号を比較判断回路22へ送り、図2に示す基準レベルIと比較する(ステップ7)。基準レベルIを超えていなければ(ステップ7−NO)、再度印字動作が行われる(ステップ5)。
【0043】
基準レベルIを超えている場合(ステップ7−YES)、基準レベルIIとの比較を比較判断回路22で行い(ステップ8)、比較の結果、基準にレベルIIを超えていなければ(ステップ8−NO)、制御回路23によって警報装置24に第1段階の発報を行う(ステップ9)。警報は人間の五感に感ずるものであれば何れでもよいが、望ましくは視覚に訴える表示灯が望ましい。本実施例では黄色の表示灯を点灯させた。ここで、プリンタとしての機能の制限は行わなかった。
【0044】
粘度検知装置21aによって検知した信号が基準レベルIIを超えている場合(ステップ8−YES)、基準レベルIIIとの比較を比較判断回路22で行う(ステップ10)。比較の結果、基準レベルIIIを超えていなければ(ステップ10−NO)、前記ステップ9の警報とは異なる第2段階の警報を発する(ステップ11)。警報は前記のように表示等が望ましい。ここでは黄色の表示灯を点滅させた。それと同時に、プリンタとしての機能に第1段階の制限を設けた。具体的には、粘度が上昇したインクを吐出させる必要があり、吐出のためのより大なるエネルギーが必要となるので、インクジェットヘッドのヒータへ印加する電圧を高くし吐出エネルギーを増加する必要がある。電圧を高くすることでインクジェットヘッドの発熱量が増加するので、この発熱の影響を少なくするために印字のスピードを低下させた。印字スピードの低下は、インク吐出の周波数を低下させることで行った。印字スピードを低下することで、インクジェットヘッドの発熱量が粘度上昇前と同程度になった。検出値が基準レベルIIIのレベルを超えた場合(ステップ10−YES)、前記の警報とは異なる警報を発する(ステップ12)。警報は前記のように表示等が望ましい。ここでは赤色の表示灯を点灯させた。それと同時に、プリンタとしての機能に第2段階の制限を設けた(ステップ13)。具体的にはそれ以降の印字ができないように紙の給紙を停止した。
【0045】
基準レベルIIIを超えるほどインクの粘度が上昇したインクを使用した場合、印字品質の劣化のみならず、インクジェットヘッドの破損が発生する恐れがある。基準レベルIIIを超えたことが比較判断回路22で判断されると、制御回路23によって印字不可の第2段階の機能制限が行なわれる(ステップ13)。同時に、比較判断回路28から排出用ポンプ13へ信号が伝達され、インクがサブタンク2に設けられた液排出専用配管に接続された排出用ポンプ14によって排出される(ステップ14)。この時、サブタンク2からインクを排出するので、インクカートリッジ1を除くヘッドや配管内のインクを全て効率的に排出することができた。なお、インク排出時は、未使用のインクが充填されているインクカートリッジ1内のインクは排出されないように、インクカートリッジ1とサブタンク2間の配管中に弁(図示せず)が設けられ、仕切りがなされる。
【0046】
サブタンク2から排出されたインクは、装置内部にある廃液タンク6へ回収される。サブタンク2からインクの排出が行なわれた後は、再度インクカートリッジ1からインクがサブタンク2内へ充填される。この時、サブタンク2には予め決められた規定量までインクが充填される。インクの充填量は、タンク内に設けら液量センサ(図示なし)によって検知され、インクがサブタンク内に規定量あることが検知された場合は、前述の印字動作が行なわれる。一方、サブタンク内に規定量までインクが充填されなかった時は、インクカーカートリッジ交換を使用者へ促す警報を発報し、インク充填作業は停止する。使用者によってインクカートリッジが交換されると、再度サブタンク2へのインク充填作業が開始され規定量までインクが充填される。その後、前記したのと同様に印字動作が行なわれる。
【0047】
以上のようにして、劣化したインクの程度に応じて機能を制限するプリンタ装置が実現できた。ここではインクの劣化に応じてプリンタ装置の機能に制限を設けた例で説明したが、吐出する液の性質が劣化した時にその劣化の程度に応じて装置の機能に制限を設けた液滴吐出装置であれば、特にインクジェットプリンタに限定されることはない。
【0048】
(実施例2)
図5は、本発明の液滴吐出装置を適用した実施例2のインクジェットプリンタの液供給、排出経路を示す図である。
実施例2のインクジェットプリンタの基本的な構成は、実施例1のインクジェットプリンタと同一であるので対応する部分には同一の記号を付し、重複する説明を省略する。
実施例2のインクジェットプリンタでは、インクの劣化の程度を検出するためのインク特性検知部21として濃度検知装置21bを用い、サブタンク2内に設置した濃度センサによりインクの濃度を監視した。また、サブタンク2内の劣化したインクを排出する手段として、排出弁15を設けた。
なお、サブタンク2の天板には、必要に応じ弁を有する配管2bを設けることによって、適宜インクを補充することができる。
【0049】
図3は、インク回収動作回数とサブタンク内のインク濃度の関係を示す図である。
インク回収動作回数、つまり回収したインクの量とサブタンク内のインク濃度の関係を示し、インクの回収動作回数が多いほど、サブタンク内のインク濃度は上昇する。この上昇するインクの濃度に対して基準を3段階設けた。基準は特に3段階に限ったことではなく、相対的にインク濃度の高低に対して基準を設ければよい。本実施例では3段階に基準を設け、その基準値に応じて警報を発し、プリンタの機能を制限するようにした。
実施例2のプリンタは、マイクロコンピュータにより制御を行っており、濃度検知装置21bから出力される粘度と基準値に対する比較を比較判断回路22で行い、濃度値に応じて異なる動作を行うようにする。
【0050】
インクカートリッジ1を装着した後、サブタンク2へインクが充填され、前述のようなヘッド機能回復動作の後、印字動作が行われる。また、印字動作に伴いヘッド機能回復動作が行われる。この時、サブタンク内の濃度を濃度検知装置21bのセンサによって検知し、その信号を比較判断回路22へ伝達する。この時、図3の基準レベルIを超えていなければ、印字動作が行われる。基準レベルIを超えていた場合、基準レベルIIとの比較を行う。比較の結果、基準にレベルIIを超えていなければ、制御回路23によって警報装置24を動作させ発報する。警報は人間の五感に感ずるものであれば何れでも良いが、望ましくは視覚に訴える表示灯が望ましい。本実施例では黄色の表示灯を点灯させた。基準にレベルIIを超えていない段階では、プリンタとしての機能の制限は行わなかった。
【0051】
インク濃度が、基準レベルIIを超えている場合、基準レベルIIIとの比較を行う。比較の結果、基準レベルIIIを超えていなければ、前記の警報とは異なる警報を発し、ここでは黄色の表示灯を点滅させると同時に警報音を鳴らした。この警報音は、任意に止めることができ、また設定によって警報音を鳴らさなくすることも可能である。それと同時に、プリンタとしての機能に制限を設けた。具体的には、インク濃度が上昇した場合、ノズルにインク固化物が付着しやすいのでヘッド機能回復動作回数が通常より多く行なわれる。この結果、トータルの印字スピードが低下する。
【0052】
インク濃度が、基準レベルIIIのレベルを超えた場合、前記の警報とは異なる警報を発する。警報は前記のように表示等が望ましい。ここでは、赤色の表示灯を点灯させると同時に警報音を鳴らした。この警報音は、任意に止めることができ、また設定によって鳴らさなくすることも可能である。それと同時に、プリンタとしての機能に制限を設けた。具体的には、それ以降の印字ができないように紙の給紙を停止した。
基準レベルIIIを超えるほどインクの濃度が上昇したインクを使用した場合、印字品質の劣化のみならず、インクジェットヘッドの破損が発生する恐れがある。したがって、インク濃度が基準レベルIIIを超えたことが比較判断回路22で判断されると、制御回路23によって印字不可の機能制限が行なわれる。同時に、比較判断回路22から排出弁15へ信号が伝達され、サブタンク2に設けられた液排出専用配管に接続された排出弁15によって排出される。
【0053】
この時、サブタンク2からインクを排出するので、インクカートリッジ1を除くヘッドや配管内のインクを全て効率的に排出することができる。なお、インク排出時は、未使用のインクが充填されているインクカートリッジのインクは排出されないように、管路中に設けた弁で仕切りがされている。排出されたインクは、装置内部にある廃液タンク6へ回収される。その後の動作は、実施例1のインクジェットプリンタと同様である。
【0054】
(実施例3)
図6は、実施例3のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
実施例3のインクジェットプリンタの基本的な構成は、図1に示す実施例1のインクジェットプリンタと同様であるが、フルカラープリンタとするため、液として異なる色の反応性インク用いたインクジェットプリンタである。実施例3のインクジェットプリンタの構成を図1、図6を用いて説明するが、実施例1で説明した内容と重複する部分の説明は省略する。
カラー画像を印字するためには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各カラーインクが用いられるが、実施例1及び実施例2のインクジェットプリンタではカラーインクの1つの系統のインク供給システムで説明した。図6は、このようなインク供給システムを全カラーインクで適応実施した例を示している。図1のサブタンク2に相当する部分は、図6では2Y,2M,2C,2Kで示し、全部で全色4つのサブタンクが設けられる。配管の接続、制御系等は省略している。
【0055】
度重なるヘッド機能回復動作によるインク回収やインクの経時変化によって、各サブタンク2Y,2M,2C,2Kの何れかのインク粘度が上昇し、前記した基準レベルIIIのレベルを超えるとインクの排出動作が行なわれる。排出動作は、劣化した色のインクのみで行なわれ、同時にプリンタとしての機能制限も行なわれる。各色のサブタンク2Y,2M,2C,2Kには、各々排出用ポンプ14Y,14M,14C,14Kが設けられ、夫々配管によって共通に設けられた廃液タンク6へ導かれ、全色のインクが一つの廃液タンク6に回収される。反応性インクを用いた場合でも、廃液回収用の配管内では各色のインクが混合されることがないので、インク混合による反応生成物による配管の目詰まりは発生しない。この場合、廃液タンク6内で反応性インクが混合されて反応生成物が発生するが、装置動作機能上なんら問題はなかった。
本実施例では、4色がそれぞれ独立した排出用ポンプ14Y,14M,14C,14K、廃液回収用配管を設けた例を示したが、全てのインクに対して独立している必要はなく、少なくとも互いに反応性を持つインク間で独立にしてもよい。
【0056】
(実施例4)
図7は、実施例4のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
実施例4のインクジェットプリンタの基本的な構成は、図1に示す実施例1のインクジェットプリンタと同様であるが、フルカラープリンタとするため、液として異なる色の反応性インク用いている。
実施例4のインクジェットプリンタは、各色インクが混合することによって生じる反応生成物の発生を完全に排除することができる。本実施例では実施例1の図1に示すインク供給システムを用いているのでその説明は省略する。各色毎に設けられたサブタンク2Y,2M,2C,2Kに接続された液排出専用配管を通じ、排出用ポンプ14Y,14M,14C,14Kで各色インクの排出を行なう。排出されたインクは、各色毎に準備された廃液タンク6Y,6M,6C,6Kへ回収される。この時、廃液タンク6Y,6M,6C,6K内では、各インクの混合がないためインクの反応生成物は発生せず、装置動作機能上なんら問題はなかった。
本実施例においても、4色がそれぞれ独立して排出ポンプ、廃液回収用配管、廃液タンクを設けた例を示したが、全てのインクに対して独立している必要はなく、少なくとも互いに反応性を持つインク間で独立にしてもよい。
【0057】
(実施例5)
図8は、実施例5のインクジェットプリンタに用いる廃液タンクを示す図である。
本実施例では、サブタンクから排出される廃インクを回収する廃液タンク6に液量検知装置25を設ける。液量検知装置25は、廃インク6aの量を電気的に検出する液量センサとした例である。本実施例では実施例1のインク供給システムを用いたので、その構成動作の説明は省略する。
なお、液量検知装置25は、廃液タンク6内に設置されているものに限らず、透明な廃液タンク内の液量を光学的に検知する手段や、廃液タンクに一定量の空気を送り、廃液タンク内の圧力変動を検知することにより液量を検知する手段等、廃液タンク外に設けた液量検知手段も用いることもできる。また、廃インク6aの液面をフロートによって機械的に検知する方法や光の遮断と透過によって検知する光スイッチ等の種々の手段があるが、何れの方法によって検知してもよい。
【0058】
廃液タンク6を交換する場合、液量検知装置25は廃液タンク6から取り外しが可能、あるいは液滴吐出装置側に設けられている方が、液量検知装置25を廃液タンク6と共に破棄する必要がないので都合がよく、好ましい。本実施例では廃液タンク6内の廃インク6aの量をいつでも直ぐに目視で確認できるように、廃液タンク6は光を透過する容器とした。このため、装置停止中であっても廃インク6aの量を把握することが可能である。一方、容器自体が光を透過するものとする必要はなく、容器の一部に光を透過する部分が設けられている構成であってもよい。
【0059】
印字を重ねることによって度重なるインク排出が行なわれ、廃液タンク6内のインク量が徐々に増加すると、液量検知装置25によって満杯の警報が発せられる。同時に、それ以降の劣化したインクの排出は停止し、廃液タンク6の交換を促す警報が発報される。警報は表示灯が望ましく、赤色の表示灯(図示なし)が点灯する。廃液タンク6の交換がなされると、タンク交換を促す赤色の表示灯は消灯し、再びインク排出の動作が行なわれるようになる。
インク排出後は、実施例1に示したような通常のインクジェットプリンタの動作を行なう。劣化したインクが廃液タンク6内に流れ込むと同時に、廃液タンク6内部の大気を排出するための微小孔を除いて廃液タンク6は内容物の蒸発を防止するために密閉された容器としている。
前記した液量検知装置25である液量センサと廃液排出専用配管26は、廃液タンク6から取り外し可能な構造であり、廃液タンク6の交換に応じて容易に着脱することができる。
【0060】
(実施例6)
図9は、実施例6のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
本実施例では、サブタンク2とサブタンクから排出される廃液を回収する廃液タンク6が高低差hをもって装置内に設置されている。廃液タンク6は相対的にサブタンク2よりhだけ低い位置に設置する。なお、本実施例では図1に示した実施例1のインク供給システムを用いたので、その構成動作の説明は省略する。サブタンク2と廃液タンク6の間に高低差を設けることにより水頭圧が生じるため、効率的に劣化したインクの排出を行なうことができる。本実施例では5cmの高低差をもって設置した。サブタンク2内のインクの粘度が基準値以上になると、廃液排出専用配管26を通じて回収用ポンプ13によるインクの排出が行なわれた。比較のために、サブタンク2と廃液タンク6の間に高低差を設けなかった場合は、インク排出の時間が高低差を設けたよりも長くなった。
【0061】
一方、図5に示す実施例2のインクジェットプリンタのような液排出のための回収用ポンプ13に代え、排出弁15を設けたインク排出機構を用いた場合では、高低差の効果がより顕著となった。サブタンク2と廃液タンク6の間に高低差を設けた場合は通常通り液の排出が行なわれたのに対して、高低差を設けなかった場合は液の排出は不可能であった。このことから、排出弁15を用いる時には高低差は必須であった。液排出用の排出用ポンプ14を使用した場合でも、液排出効率を上げるためには必須である。本実施例ではサブタンク2と廃液タンク6の間に高低差を設けた例で説明したが、これは排出する液の取入口と排出口の間に高低差を設ければ効果は同じであるので、特にサブタンクと廃液タンクに限定されるものではない。
【0062】
【発明の効果】
請求項1の発明に対する作用効果
液循環機能を有するた液循環装置において、液循環システム内の液を装置から排出する機能を有しているので、何度も回収し劣化した液を装置外へ速やかに排出することができ、装置のメンテナンス時の作業性が向上する。また、液貯蔵タンクには回収した液用の配管、液供給源からの配管、吐出ヘッドを循環した液用の配管が接続されているので、液循環装置内部の全ての液を短時間に、効率的に、完全に排出することができ、液が劣化した時やメンテナンス時の新液交換において劣化液との混合がなくなり、新液交換の効果が向上する。
【0063】
請求項2の発明に対する作用効果
液循環機能を有する液滴吐出装置において、液循環システム内の液を装置から排出する機能を有し、何度も回収し劣化した液を液循環システム内から装置外へ速やかに排出することができるので、液滴吐出装置のメンテナンス時の作業性が向上する。また、サブタンクには新液供給配管、液滴吐出ヘッドの機能回復用液供給配管、液滴吐出ヘッドの機能回復液回収配管、液滴吐出ヘッドの吐出液供給用配管等、全ての配管が接続されているので、液滴吐出装置内部の全ての液を短時間に、効率的に、完全に排出することができ、液が劣化した時やメンテナンス時の新液交換において、劣化液との混合がなくなり新液交換の効果が向上する。
【0064】
請求項3の発明に対する作用効果
異なる種類のインクを使用する複数の液循環システムからなる液滴吐出装置において、サブタンクから排出される液は、液の種類毎に設けられた互いに混合されることなく独立した液排出用配管によって排出されるので、異なる種類のインクが混合し反応することによって生じる反応生成物による配管の閉塞等の発生を防止することができる。
【0065】
請求項4の発明に対する作用効果
サブタンクに排出される液滴吐出ヘッドから回収した液と、液滴吐出ヘッドを循環した液は、サブタンク内の液の粘度または濃度が初期値から変化した液であるので、液の性質が変化し劣化しているが、この変化が所定量以上であれば、この液を完全に排出し交換することによって、液の吐出特性や液の性質を速やかに初期の状態に回復することができる。
【0066】
請求項5の発明に対する作用効果
液の粘度や濃度の変化の程度に応じて段階的に警報を発するので、液の劣化の程度や液交換の目安を容易に認識することができ、予めインク交換に備えた対応を取ることで装置の停止時間を最小限に抑えることができる。
【0067】
請求項6の発明に対する作用効果
液の粘度や濃度の変化の程度に応じて段階的に液滴吐出装置の機能を制限するので、回収を重ねることで劣化した液が液滴吐出ヘッドに供給されつづけることを防止することができ、また劣化した液によって液滴吐出ヘッドが破損することを未然に防止することができる。
【0068】
請求項7の発明に対する作用効果
液滴吐出装置の機能を制限は、液滴吐出ヘッドの吐出圧力を変更することによって行うので、液滴吐出ヘッドに印加する駆動電圧を変更することによって容易に実施することができる。
【0069】
請求項8の発明に対する作用効果
液滴吐出装置の機能を制限は、液滴吐出ヘッドの駆動速度を変更することによって、液滴吐出ヘッドの発熱量を少なくし、液滴吐出ヘッドに対する熱の影響を少なくすることができる。
【0070】
請求項9の発明に対する作用効果
液滴吐出装置の機能を制限は、液滴吐出ヘッドの使用を停止することによって行うので、液が著しく劣化した場合においても液滴吐出ヘッドを破損する恐れをなくすことができる。
【0071】
請求項10の発明に対する作用効果
サブタンクの液排出手段から排出される液は、装置内に設けられた取り外し可能な廃液タンクに回収されるので、廃棄も簡単に行え、新液との混合が避けられる。また、廃棄専用タンクのスペースを装置外へ確保する必要がないので、省スペース化が可能となる。
【0072】
請求項11の発明に対する作用効果
廃液タンクは密閉されているので、廃液の処理が容易で、回収した廃液の蒸発による結露や装置内部の部品の腐食等が発生せず装置の信頼性が向上する。
【0073】
請求項12の発明に対する作用効果
廃液タンクには蓄積された廃液の量を検知する液量検知手段が設けられているので、使用者は廃液タンクの交換時期を事前に、正確に認知し予測することができる。
【0074】
請求項13の発明に対する作用効果
廃液タンクに設けられた液量検知装置が検出した廃液の量に応じて、警報を発するので、廃液の量や廃液タンク交換の目安を容易に認識し予測することができ、予め廃液タンク交換に備えた対応を取ることができる。
【0075】
請求項14の発明に対する作用効果
廃液タンクに設けられた液量検知装置が廃液の量が所定量であることを検知すると、液滴吐出ヘッドの液滴吐出を停止するので、液滴吐出装置が廃液で汚損する恐れを未然に防止し、廃液タンクの交換を確実に認知することができる。
【0076】
請求項15の発明に対する作用効果
廃液タンクは少なくとも一部が光透過性を有する容器であるので、装置を停止した状態でも廃液タンク内の廃液の量を容易に確認することができ、廃液タンク交換の時期を予め把握することができる。
【0077】
請求項16の発明に対する作用効果
廃液タンクはサブタンクより低い位置に高低差をもって設置されているので、廃液を迅速かつ効率的に排出することができる。
【0078】
請求項17の発明に対する作用効果
液供給源はインクカートリッジであるので、液供給源を可搬式にすることもでき、液滴吐出装置に対する取り付け、取り外しが容易でメンテナンス性の優れた液滴吐出装置とすることができる。
【0079】
請求項18の発明に対する作用効果
液滴吐出ヘッドの機能回復時に吐出されたインクを回収して再度使用するので、印字コストが低く、経済性に優れたインクジェット記録装置が可能となる。また、インク循環システム内のインクを排出する機能を有し、何度も回収し劣化したインクを速やかに装置外に排出することができるので、劣化したインクにより印字を行うことがなく、画像品質が優れ、メンテナンス時の作業性にも優れたインクジェット記録装置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出装置を適用した実施例1のインクジェットプリンタの液供給、排出経路を示す図である。
【図2】インク回収動作回数とサブタンク内のインク粘度の関係を示す図である。
【図3】インク回収動作回数とサブタンク内のインク濃度の関係を示す図である。
【図4】比較判断回路で行われる処理を示すフロー図である。
【図5】本発明の液滴吐出装置を適用した実施例2のインクジェットプリンタの液供給、排出経路を示す図である。
【図6】実施例3のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
【図7】実施例4のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
【図8】実施例5のインクジェットプリンタに用いる廃インクタンクを示す図である。
【図9】実施例6のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
【符号の説明】
1…インクカートリッジ、2…サブタンク、2a…大気開放口、3…インクジェットヘッド、4…インク回収容器、5…バッファタンク、6…廃液タンク、6a…廃インク、11…インク送液ポンプ、12…機能回復用ポンプ、13…回収用ポンプ、14…排出用ポンプ、15…排出弁、21…インク特性検知部、21a…粘度検知装置、21b…濃度検知装置、22…比較判断回路、23…制御回路、24…警報装置、25…液量検知装置、26…廃液排出専用配管。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液循環装置、液滴吐出装置及び該液滴吐出装置を用いたインクジェット記録装置に関し、さらに詳しくは、微少流量の液体を搬送するマイクロポンプを用いた液循環装置、インクジェット記録装置用記録ヘッド、DNAチップ製造用液吐出ヘッド等の液滴吐出装置及び該液滴吐出装置を用いたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
微少流量の液体を搬送するマイクロポンプを用いた液循環装置は、例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出装置、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出装置、導電性物質を含んだ液を吐出して電気配線を形成する液滴吐出装置等の液滴吐出装置等に適用することができるが、今日ではインクジェット記録装置の記録ヘッドへの適用が広く行われている。
液滴吐出装置を用いて微量の液を吐出させるためには、液タンクから液滴吐出ヘッドに液を供給し、液滴吐出ヘッドに形成された複数のノズルから必要に応じて液滴を吐出させ、必要な場所へ液滴を着弾させる必要がある。
【0003】
しかしながら、液滴吐出ヘッドのノズルの径は非常に小さいので、液の状態によってはノズル内に気泡が混入したりノズルの詰まり等の不具合が発生し、液吐出不良の原因となっていた。そこで、液滴吐出に先立って、あるいは液滴吐出の終了後に、ある制御されたタイミングで送液ポンプから液滴吐出ヘッドに液を強制的に送液し、ヘッド内部の液や気泡をノズルから外部へ強制的に排出し、ヘッド機能の回復動作を行う必要があった。
【0004】
このような、ヘッド機能回復動作においては、強制的に排出された液が無駄に廃棄されるため、この液を液タンクへ回収し、再び液滴吐出ヘッドに供給するようにした液滴吐出装置を用いたインクジェットプリンタの例が特許文献1に開示されている。この従来例では、インクジェットヘッドの機能回復動作で使用したインクを新品のインクタンクとは異なる別のサブタンクへ回収し、新品のインクタンクから供給される新品のインクと該サブタンクで混合し、再度インクジェットヘッドへ供給する循環型のインク供給システムを有している。
【0005】
しかしながら、このような循環型のインク供給システムを用いる際には次のような問題点がある。
インクが長期にわたって使用されると、インク回収時にインクが回収部で大気に触れ、またインクタンクに大気開放孔が形成されているためタンク内で大気に触れる結果、インク中の水分が徐々に蒸発しインクの濃度や粘度が徐々に変化する。この劣化によって印字品質の低下やインク吐出ノズルの詰まりが発生する。このような問題点を解決するために、インク回収型のインク供給システムで劣化したインクを回収廃棄する機能を有するインクジェット記録装置の例が、特許文献2に開示されている。この従来例では、通常はインクジェットヘッドの機能回復に用いたインクを回収部で回収し、この回収したインクを切り替え弁を介して使用初期時は新品のインクが充填されたカートリッジ型インクタンクへ戻し、このインクを利用し再度印字を行うようにしている。
【0006】
インク通路には、インクの使用限度を検知する手段を有し、インクが使用限界を超えたことが検知されると同時にその旨が報知され、切り替え弁が動作し、前記回収部からのインクは前記インクタンクへ回収されず、該インクタンクとは異なる廃インクタンクへ回収廃棄される。使用限度を検知した後は、インクの回収は行われず廃液タンクへインクは送液され、カートリッジ型インクタンク内のインクがなくなるまで印字が行われる。ここで、インクの使用限度を検知する手段としては、濃度検知を光学式センサを用いて行っており、粘度検知は細管を形成しその両端に生じる圧力を検知する差圧センサで行っている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−105303号公報
【特許文献2】
特開2002−86763号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題について、液滴吐出装置の応用例の一つであるインクジェットヘッドを例として説明する。インクタンクからインクジェットヘッドにインクを供給し、このインクジェットヘッドの機能回復または機能維持に用いたインクをインクタンクへ回収する循環型インク供給システムは、インクの蒸発によるインク劣化の問題がある。つまり、ヘッド機能回復動作時に使用されて回収されるインクには、次のような特性の劣化が見られる。
第1に、インク回収時に回収部で大気と触れるため、インク中の水分が蒸発し、濃度や粘度が上昇する。
第2に、ノズル機能回復時にインクをノズルへ強制的に流し込みノズル内部に付着したインクの固化した異物等を洗い流すことによる異物混入等がある。
長期にわたりこの様なインクを回収し画像記録用インクとして再利用した場合、前記の理由によりインクは徐々に劣化し、印字品質の低下やインク吐出ノズルの詰まりが発生する。その解決策として使用限界を超えたインクを切り替え弁によって再利用せず別の廃棄用タンクへ回収し、廃棄する機構が提案された。
【0009】
しかしながら、メンテナンス時や劣化したインクを、このインク廃棄回収機構を用いてインクタンクを含む装置内の全てから回収廃棄する場合、従来例によれば、インクジェットヘッドのノズルから吐出する少流量のインクを回収することで行われてきた。あるいは、各配管内のインクをバルブの切り替えによって各配管毎に回収廃棄してきた。このような回収廃棄方法で装置内のインクを全て廃棄回収するためには長時間を要していた。また、従来のインク流路は廃液タンクからインクタンクまでの間にインクジェットヘッドがあって、このヘッドを介して配管が直列に接続されていたり、各配管の中間にバルブが接続されており流路のコンダクタンスが小さく、何れの構成も配管内のインクの回収効率は悪かった。このため、回収後も使用限界を超えた劣化したインクが配管内やバルブ内へ残存するといった問題があった。
【0010】
このような状態で新たなインクを充填しても、残存する劣化インクと混合し初期のインク特性は得られなかった。一方、従来の劣化インクの回収機構によれば、インクの使用限界を超えたことを検知するセンサがインクタンクとインクジェットヘッドの間に設けられており、インクの使用限界を超えたことを検知した後は回収インクは切り替え弁によって廃液タンクへ回収される。
【0011】
しかしながら、プリンタとしての機能を制限することがないので、インクタンク内のインクがなくなるまで使用限界を超えたインクがインクジェットヘッドへ供給されつづける。その結果、ノズルのつまりや画像品質の低下が発生したり、最悪の場合液滴吐出装置に設けられている回復機構では回復不能となって、修理扱いとなったり、インクジェットヘッドの破損を引き起こす場合があった。また、インクの使用限界を超えたことの報知は、そのことが検出された時に初めてなされるので使用者は新たなインクを準備する時間的精神的余裕がなく、新たなインクを準備するまでの間、使用限界を超えた劣化したインクで画像を記録しつづけなければならないといった不具合があった。本発明ではインクの劣化を段階的に検出し、その検出検出された劣化のレベルに応じて装置の機能を制限する機構を有しており、インクが使用限界を超えると判断された場合、装置の機能は強制的に停止する。また、従来ヘッド機能回復動作によってノズルから予備吐出されたインクの廃棄は吸収体で吸収させ、その後自然乾燥させることによって廃棄を行っていた。
【0012】
しかし、従来のインクジェットヘッドのようにサイズが小さく、少量のインクを吐出し回復動作を行なうインクジェットヘッドであれば、自然乾燥方式でも大きな問題は発生しなかった。一方、長尺のフルライン型のインクジェットヘッドになると、ヘッド機能回復には大量のインクが使用され回収量も大量となる。このような理由から、フルライン型のインクジェットプリンタ装置では大量のインクが扱われるが、このインクを廃棄するために従来の自然乾燥方式を用いた場合、インクの蒸発量が大量になるため、装置内部に結露が発生したり装置の腐食の原因となったり、最悪の場合はインクの蒸発成分が人体へ与える影響も無視できなくなるといった問題もあった。
【0013】
さらに、画質を向上させるため反応性のインクが用いられるが、このインクは各色のインクが混合すると固形物を生成し、インクにじみを低減し画質が向上するものである。各色のインクジェットヘッドの機能回復動作をこのインクで行い、劣化したインクを排出した時に、排出配管内で各色のインクが混合されて廃棄されると、配管内で各色のインクで反応が起こり配管の目詰まりが発生するといった不具合があった。
本発明の目的は、以上のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、液吐出ヘッドや液滴吐出ヘッドの機能回復動作時に吐出された液を回収して再使用することによって無駄をなくすとともに、度重なる回収の結果劣化した液を排出して、劣化した液を使用することのない液循環装置、液滴吐出装置及び該液滴吐出装置を用いたインクジェット記録装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の液循環装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を貯蔵するタンクと、該タンクから供給される液を吐出する吐出ヘッドを有し、前記タンクから前記吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記吐出ヘッドから液を吐出させ、前記吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記吐出ヘッドを循環した液と、前記液体供給源から供給した液とを前記タンク内で混合し再利用する液循環装置において、前記タンクは液排出手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項2の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項3の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給部から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液循環システムを複数有する液滴吐出装置において、前記複数の液循環システムのそれぞれのサブタンクは異なる液間で互いに混合することのない独立した液排出手段を有することを特徴とする。
【0017】
請求項4の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し、粘度または濃度が所定量変化した液を排出することを特徴とする。
【0018】
請求項5の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し、前記サブタンク内の液の粘度または濃度の変化に応じて警報を発することを特徴とする。
【0019】
請求項6の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し前記サブタンク内の液の粘度または濃度の変化に応じて段階的に前記液滴吐出装置の機能を制限することを特徴とする。
【0020】
請求項7の液滴吐出装置は、請求項6記載の液滴吐出装置において、前記機能の制限は、前記液滴吐出ヘッドの吐出圧力を変更することによって行うことを特徴とする。
【0021】
請求項8の液滴吐出装置は、請求項6記載の液滴吐出装置において、前記機能の制限は、前記液滴吐出ヘッドの駆動速度を変更することによって行うことを特徴とする。
【0022】
請求項9の液滴吐出装置は、請求項6記載の液滴吐出装置において、前記機能の制限は、前記液滴吐出ヘッドの駆動を停止することによって行うことを特徴とする。
【0023】
請求項10の液滴吐出装置は、液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し、該液排出手段から排出される液は着脱自在な廃液タンクに回収されることを特徴とする。
【0024】
請求項11の液滴吐出装置は、請求項10記載の液滴吐出装置において、前記着脱自在な廃液タンクは密閉されていることを特徴とする。
【0025】
請求項12の液滴吐出装置は、請求項10または11記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクは廃液の量を検知する手段が設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項13の液滴吐出装置は、請求項10または11記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクに蓄積された廃液の量に応じて警報を発することを特徴とする。
【0027】
請求項14の液滴吐出装置は、請求項13記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクに蓄積された廃液の量が所定量になると前記液滴吐出ヘッドの液滴吐出を停止することを特徴とする。
【0028】
請求項15の液滴吐出装置は、請求項10乃至14に記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクは少なくとも一部分が光透過性を有する容器であることを特徴とする。
【0029】
請求項16の液滴吐出装置は、請求項10乃至15に記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクは、前記サブタンクより低位置に設置されていることを特徴とする。
【0030】
請求項17の液滴吐出装置は、請求項2乃至16に記載の液滴吐出装置において、前記液供給源はインクカートリッジであることを特徴とする。
【0031】
請求項18の液滴吐出装置は、請求項17記載の液滴吐出装置を用いるインクジェット記録装置であることを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図9に示す実施例1〜6に基づいて説明する。
液滴吐出ヘッドとしては、前記したように例えば液体レジストを液滴として吐出する液滴吐出装置、DNAの試料を液滴として吐出する液滴吐出装置、導電性物を含んだ液を吐出して電気配線を形成する液滴吐出装置等の液吐出装置一般に適用することができるが、以下の説明ではインクジェット記録装置を例として説明する。なお、液滴吐出ヘッドの機能回復とは、吐出機能の劣化した液滴吐出ヘッドの機能を正常な機能に回復させることのみに限られるものではなく、液滴吐出ヘッドの機能を維持し、劣化を予防すること等を含むものである。
【0033】
(実施例1)
図1は、本発明の液滴吐出装置を適用した実施例1のインクジェットプリンタの液供給、排出経路を示す図である。
実施例1のインクジェットプリンタは、カラープリンタであるのでイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクが用いられる。そのため、実際には図1に示す液経路つまりインク経路は、各色毎に4系統の経路が設けられ、各インク経路は互いに並列に配置される。以下の説明ではその中の1つのインク経路について行うが、他の色のインクにおいても同様の経路である。
【0034】
実施例1のインクジェットプリンタは、インク供給部である未使用のインクが充填されたインクカートリッジ1、インクカートリッジ1から供給されたインクを一時的に貯蔵するサブタンク2、ノズル(図示なし)からインク滴を吐出して記録媒体等に文字を含む画像形成を行うインクジェットヘッド3、インクジェットヘッド3から排出されたインクを回収するインク回収容器4、インク経路の圧力変動を吸収するバッファタンク5、インクジェッドヘッド3を含むインク経路からインクを排出し廃棄するインクを貯蔵する廃液タンク6を有している。
ここで、インクジェットヘッド3はフルライン型のインクジェットヘッドであって、インクを加熱することで気泡を発生し、その気泡の発生圧力によってインクを吐出する手段を有している。
【0035】
未使用のインクが充填されたインクカートリッジ1とサブタンク2の間の配管にはインク送液ポンプ11が設けられ、サブタンク2に新鮮なインクが供給される。また、サブタンク2はインクジェットヘッド3の一方端部と配管で接続されており、インクジェットヘッド3のノズルから所望の媒体にインクを吐出する際に、毛細管現象あるいはインクが吐出される際に生じる負圧によって、インクを供給する。ここで、使用されるインクの粘度等の特性によっては、サブタンク2とインクジェットヘッド3間の配管中にインク送液ポンプ及びフィルタを設置し、強制的にインクを供給することもできる。
【0036】
サブタンク2とバッファタンク5との間の配管には機能回復用ポンプ12が設けられている。ここで、バッファタンク5は、機能回復用ポンプ12の圧力変動を吸収し、一定の圧力でインクをインクジェットヘッド3へ送液するためのものである。サブタンク2にはサブタンク内部と大気とを連通させる大気開放口2aが設置されている。また、サブタンク2はインクジェットヘッド3の一方端部に配管で接続され、バッファタンク5がインクジェットヘッド3の他方端部に配管で接続されている。
【0037】
インクジェットヘッド3に設けられているノズルからインクを吐出させる方法は、ノズル内に設けられたヒータによってインクを瞬時に加熱し、インク流路内に気泡を発生させ、その気泡の成長、収縮によりインクを吐出させるものである。インクジェットヘッド3と対峙した位置に、インク吐出機能の回復動作でインクをノズルから強制的に吐出させたときのインクをサブタンク2へ回収するインク回収容器4が設置されている。このインク回収容器4は、回収用ポンプ13を用いてサブタンク2へ配管によって接続されている。さらに、サブタンク2にはインク廃棄回収用の廃液タンク6が廃液回収用ポンプ13を介して配管によって接続されている。
【0038】
次に、インクジェットプリンタの動作について説明する。
未使用のインクが充填されたインクカートリッジ1をインク供給部に接続すると、インク送液ポンプ11によってサブタンク2にインクが送液される(矢印A)。この時、サブタンク2内にはインク量センサ(図示せず)が設置され、規定量になるまでインクは送液される。
【0039】
次に、ヘッド機能回復動作が行われる。この動作は、サブタンク2から機能回復用ポンプ12によってバッファタンク5を経由してインクジェットヘッド3の片方の供給口(他方端部)からインクジェットヘッド3内部へインクを強制的に送液する(矢印C1)。インクジェットヘッド3内部に強制的に送液されたインクは、ノズルから強制的に吐出されるので、ノズルに付着したごみやインク固化物やノズル内部にある気泡が、この時排除される。ノズルから強制的に吐出されたインクは、インク回収容器4で回収し、回収用ポンプ13でサブタンク2へ回収される(矢印C3)。一方、インクジェットヘッド3のもう片方の供給口(一方端部)からもインクジェットヘッド内部の空気やインクが排出され、サブタンク2へ回収される(矢印C2)。
このように、ヘッド機能回復動作は、インクジェットヘッド3の状態に関わらず決められたタイミングで各色実施され、インクジェットプリンタが印字可能の状態となる。
【0040】
画像を印字する時には、サブタンク2からインクジェットヘッド3へインクが供給され(矢印B)、印字が行われる。印字によって消費され、サブタンク2内のインクの残量が少なくなると、インク送液ポンプ11を用いてインクカートリッジ1から未使用のインクが供給される。一定時間印字が行われた後には、前述のヘッド機能回復動作が行われる。このヘッド機能回復動作によって回収されたインクは、インクの揮発成分が蒸発したり、ノズルに付着した塵等が混入しているため、インクの特性が劣化している。度重なるヘッド回復動作によって何度もこのようなインクが回収されサブタンク2内で混合されると、サブタンク2内のインクは徐々にインク特性が劣化してくる。このため、サブタンク内のインクの特性を検知するインク特性検知部21をサブタンク内に設置する。実施例1のインクジェットプリンタでは粘度検知装置21aを設けておき、サブタンク2内のインクの粘度を監視する。
【0041】
図2は、インク回収動作回数、つまり回収インク量とサブタンク内のインク粘度の関係を示す図である。
インク回収動作回数が多いほど、サブタンク内のインクの粘度は徐々に上昇する。この上昇するインク粘度に対して粘度の基準を3段階設けた。基準は、特に3段階に限ったものではなく、相対的に粘度の高低に対して基準を設ければよい。その基準値に応じて警報を発するようにした。
実施例1のインクジェットプリンタは、マイクロコンピュータにより制御を行っており、粘度検知装置21aから出力される粘度と基準値に対する比較を比較判断回路22で行い、基準値に応じて異なる動作を行うようにする。この動作を図4、図1、図2を用いて説明する。
【0042】
図4は、比較判断回路で行われる処理を示すフロー図である。
インク供給部にインクカートリッジ1を装着した後(ステップ1)、インク送液ポンプ11によってサブタンク2へインクが充填され(ステップ2)、前記したようなヘッド機能回復動作が行われる。
サブタンク内に規定量のインクがあることをチェックし(ステップ3)、規定量のインクがなければインクカートリッジを交換した後(ステップ4)、印字動作が行われる(ステップ5)。印字動作に伴いヘッド機能回復動作が行われる(ステップ6)。この時、サブタンク内のインクの粘度を粘度検知装置21のセンサによって検知し、その信号を比較判断回路22へ送り、図2に示す基準レベルIと比較する(ステップ7)。基準レベルIを超えていなければ(ステップ7−NO)、再度印字動作が行われる(ステップ5)。
【0043】
基準レベルIを超えている場合(ステップ7−YES)、基準レベルIIとの比較を比較判断回路22で行い(ステップ8)、比較の結果、基準にレベルIIを超えていなければ(ステップ8−NO)、制御回路23によって警報装置24に第1段階の発報を行う(ステップ9)。警報は人間の五感に感ずるものであれば何れでもよいが、望ましくは視覚に訴える表示灯が望ましい。本実施例では黄色の表示灯を点灯させた。ここで、プリンタとしての機能の制限は行わなかった。
【0044】
粘度検知装置21aによって検知した信号が基準レベルIIを超えている場合(ステップ8−YES)、基準レベルIIIとの比較を比較判断回路22で行う(ステップ10)。比較の結果、基準レベルIIIを超えていなければ(ステップ10−NO)、前記ステップ9の警報とは異なる第2段階の警報を発する(ステップ11)。警報は前記のように表示等が望ましい。ここでは黄色の表示灯を点滅させた。それと同時に、プリンタとしての機能に第1段階の制限を設けた。具体的には、粘度が上昇したインクを吐出させる必要があり、吐出のためのより大なるエネルギーが必要となるので、インクジェットヘッドのヒータへ印加する電圧を高くし吐出エネルギーを増加する必要がある。電圧を高くすることでインクジェットヘッドの発熱量が増加するので、この発熱の影響を少なくするために印字のスピードを低下させた。印字スピードの低下は、インク吐出の周波数を低下させることで行った。印字スピードを低下することで、インクジェットヘッドの発熱量が粘度上昇前と同程度になった。検出値が基準レベルIIIのレベルを超えた場合(ステップ10−YES)、前記の警報とは異なる警報を発する(ステップ12)。警報は前記のように表示等が望ましい。ここでは赤色の表示灯を点灯させた。それと同時に、プリンタとしての機能に第2段階の制限を設けた(ステップ13)。具体的にはそれ以降の印字ができないように紙の給紙を停止した。
【0045】
基準レベルIIIを超えるほどインクの粘度が上昇したインクを使用した場合、印字品質の劣化のみならず、インクジェットヘッドの破損が発生する恐れがある。基準レベルIIIを超えたことが比較判断回路22で判断されると、制御回路23によって印字不可の第2段階の機能制限が行なわれる(ステップ13)。同時に、比較判断回路28から排出用ポンプ13へ信号が伝達され、インクがサブタンク2に設けられた液排出専用配管に接続された排出用ポンプ14によって排出される(ステップ14)。この時、サブタンク2からインクを排出するので、インクカートリッジ1を除くヘッドや配管内のインクを全て効率的に排出することができた。なお、インク排出時は、未使用のインクが充填されているインクカートリッジ1内のインクは排出されないように、インクカートリッジ1とサブタンク2間の配管中に弁(図示せず)が設けられ、仕切りがなされる。
【0046】
サブタンク2から排出されたインクは、装置内部にある廃液タンク6へ回収される。サブタンク2からインクの排出が行なわれた後は、再度インクカートリッジ1からインクがサブタンク2内へ充填される。この時、サブタンク2には予め決められた規定量までインクが充填される。インクの充填量は、タンク内に設けら液量センサ(図示なし)によって検知され、インクがサブタンク内に規定量あることが検知された場合は、前述の印字動作が行なわれる。一方、サブタンク内に規定量までインクが充填されなかった時は、インクカーカートリッジ交換を使用者へ促す警報を発報し、インク充填作業は停止する。使用者によってインクカートリッジが交換されると、再度サブタンク2へのインク充填作業が開始され規定量までインクが充填される。その後、前記したのと同様に印字動作が行なわれる。
【0047】
以上のようにして、劣化したインクの程度に応じて機能を制限するプリンタ装置が実現できた。ここではインクの劣化に応じてプリンタ装置の機能に制限を設けた例で説明したが、吐出する液の性質が劣化した時にその劣化の程度に応じて装置の機能に制限を設けた液滴吐出装置であれば、特にインクジェットプリンタに限定されることはない。
【0048】
(実施例2)
図5は、本発明の液滴吐出装置を適用した実施例2のインクジェットプリンタの液供給、排出経路を示す図である。
実施例2のインクジェットプリンタの基本的な構成は、実施例1のインクジェットプリンタと同一であるので対応する部分には同一の記号を付し、重複する説明を省略する。
実施例2のインクジェットプリンタでは、インクの劣化の程度を検出するためのインク特性検知部21として濃度検知装置21bを用い、サブタンク2内に設置した濃度センサによりインクの濃度を監視した。また、サブタンク2内の劣化したインクを排出する手段として、排出弁15を設けた。
なお、サブタンク2の天板には、必要に応じ弁を有する配管2bを設けることによって、適宜インクを補充することができる。
【0049】
図3は、インク回収動作回数とサブタンク内のインク濃度の関係を示す図である。
インク回収動作回数、つまり回収したインクの量とサブタンク内のインク濃度の関係を示し、インクの回収動作回数が多いほど、サブタンク内のインク濃度は上昇する。この上昇するインクの濃度に対して基準を3段階設けた。基準は特に3段階に限ったことではなく、相対的にインク濃度の高低に対して基準を設ければよい。本実施例では3段階に基準を設け、その基準値に応じて警報を発し、プリンタの機能を制限するようにした。
実施例2のプリンタは、マイクロコンピュータにより制御を行っており、濃度検知装置21bから出力される粘度と基準値に対する比較を比較判断回路22で行い、濃度値に応じて異なる動作を行うようにする。
【0050】
インクカートリッジ1を装着した後、サブタンク2へインクが充填され、前述のようなヘッド機能回復動作の後、印字動作が行われる。また、印字動作に伴いヘッド機能回復動作が行われる。この時、サブタンク内の濃度を濃度検知装置21bのセンサによって検知し、その信号を比較判断回路22へ伝達する。この時、図3の基準レベルIを超えていなければ、印字動作が行われる。基準レベルIを超えていた場合、基準レベルIIとの比較を行う。比較の結果、基準にレベルIIを超えていなければ、制御回路23によって警報装置24を動作させ発報する。警報は人間の五感に感ずるものであれば何れでも良いが、望ましくは視覚に訴える表示灯が望ましい。本実施例では黄色の表示灯を点灯させた。基準にレベルIIを超えていない段階では、プリンタとしての機能の制限は行わなかった。
【0051】
インク濃度が、基準レベルIIを超えている場合、基準レベルIIIとの比較を行う。比較の結果、基準レベルIIIを超えていなければ、前記の警報とは異なる警報を発し、ここでは黄色の表示灯を点滅させると同時に警報音を鳴らした。この警報音は、任意に止めることができ、また設定によって警報音を鳴らさなくすることも可能である。それと同時に、プリンタとしての機能に制限を設けた。具体的には、インク濃度が上昇した場合、ノズルにインク固化物が付着しやすいのでヘッド機能回復動作回数が通常より多く行なわれる。この結果、トータルの印字スピードが低下する。
【0052】
インク濃度が、基準レベルIIIのレベルを超えた場合、前記の警報とは異なる警報を発する。警報は前記のように表示等が望ましい。ここでは、赤色の表示灯を点灯させると同時に警報音を鳴らした。この警報音は、任意に止めることができ、また設定によって鳴らさなくすることも可能である。それと同時に、プリンタとしての機能に制限を設けた。具体的には、それ以降の印字ができないように紙の給紙を停止した。
基準レベルIIIを超えるほどインクの濃度が上昇したインクを使用した場合、印字品質の劣化のみならず、インクジェットヘッドの破損が発生する恐れがある。したがって、インク濃度が基準レベルIIIを超えたことが比較判断回路22で判断されると、制御回路23によって印字不可の機能制限が行なわれる。同時に、比較判断回路22から排出弁15へ信号が伝達され、サブタンク2に設けられた液排出専用配管に接続された排出弁15によって排出される。
【0053】
この時、サブタンク2からインクを排出するので、インクカートリッジ1を除くヘッドや配管内のインクを全て効率的に排出することができる。なお、インク排出時は、未使用のインクが充填されているインクカートリッジのインクは排出されないように、管路中に設けた弁で仕切りがされている。排出されたインクは、装置内部にある廃液タンク6へ回収される。その後の動作は、実施例1のインクジェットプリンタと同様である。
【0054】
(実施例3)
図6は、実施例3のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
実施例3のインクジェットプリンタの基本的な構成は、図1に示す実施例1のインクジェットプリンタと同様であるが、フルカラープリンタとするため、液として異なる色の反応性インク用いたインクジェットプリンタである。実施例3のインクジェットプリンタの構成を図1、図6を用いて説明するが、実施例1で説明した内容と重複する部分の説明は省略する。
カラー画像を印字するためには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各カラーインクが用いられるが、実施例1及び実施例2のインクジェットプリンタではカラーインクの1つの系統のインク供給システムで説明した。図6は、このようなインク供給システムを全カラーインクで適応実施した例を示している。図1のサブタンク2に相当する部分は、図6では2Y,2M,2C,2Kで示し、全部で全色4つのサブタンクが設けられる。配管の接続、制御系等は省略している。
【0055】
度重なるヘッド機能回復動作によるインク回収やインクの経時変化によって、各サブタンク2Y,2M,2C,2Kの何れかのインク粘度が上昇し、前記した基準レベルIIIのレベルを超えるとインクの排出動作が行なわれる。排出動作は、劣化した色のインクのみで行なわれ、同時にプリンタとしての機能制限も行なわれる。各色のサブタンク2Y,2M,2C,2Kには、各々排出用ポンプ14Y,14M,14C,14Kが設けられ、夫々配管によって共通に設けられた廃液タンク6へ導かれ、全色のインクが一つの廃液タンク6に回収される。反応性インクを用いた場合でも、廃液回収用の配管内では各色のインクが混合されることがないので、インク混合による反応生成物による配管の目詰まりは発生しない。この場合、廃液タンク6内で反応性インクが混合されて反応生成物が発生するが、装置動作機能上なんら問題はなかった。
本実施例では、4色がそれぞれ独立した排出用ポンプ14Y,14M,14C,14K、廃液回収用配管を設けた例を示したが、全てのインクに対して独立している必要はなく、少なくとも互いに反応性を持つインク間で独立にしてもよい。
【0056】
(実施例4)
図7は、実施例4のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
実施例4のインクジェットプリンタの基本的な構成は、図1に示す実施例1のインクジェットプリンタと同様であるが、フルカラープリンタとするため、液として異なる色の反応性インク用いている。
実施例4のインクジェットプリンタは、各色インクが混合することによって生じる反応生成物の発生を完全に排除することができる。本実施例では実施例1の図1に示すインク供給システムを用いているのでその説明は省略する。各色毎に設けられたサブタンク2Y,2M,2C,2Kに接続された液排出専用配管を通じ、排出用ポンプ14Y,14M,14C,14Kで各色インクの排出を行なう。排出されたインクは、各色毎に準備された廃液タンク6Y,6M,6C,6Kへ回収される。この時、廃液タンク6Y,6M,6C,6K内では、各インクの混合がないためインクの反応生成物は発生せず、装置動作機能上なんら問題はなかった。
本実施例においても、4色がそれぞれ独立して排出ポンプ、廃液回収用配管、廃液タンクを設けた例を示したが、全てのインクに対して独立している必要はなく、少なくとも互いに反応性を持つインク間で独立にしてもよい。
【0057】
(実施例5)
図8は、実施例5のインクジェットプリンタに用いる廃液タンクを示す図である。
本実施例では、サブタンクから排出される廃インクを回収する廃液タンク6に液量検知装置25を設ける。液量検知装置25は、廃インク6aの量を電気的に検出する液量センサとした例である。本実施例では実施例1のインク供給システムを用いたので、その構成動作の説明は省略する。
なお、液量検知装置25は、廃液タンク6内に設置されているものに限らず、透明な廃液タンク内の液量を光学的に検知する手段や、廃液タンクに一定量の空気を送り、廃液タンク内の圧力変動を検知することにより液量を検知する手段等、廃液タンク外に設けた液量検知手段も用いることもできる。また、廃インク6aの液面をフロートによって機械的に検知する方法や光の遮断と透過によって検知する光スイッチ等の種々の手段があるが、何れの方法によって検知してもよい。
【0058】
廃液タンク6を交換する場合、液量検知装置25は廃液タンク6から取り外しが可能、あるいは液滴吐出装置側に設けられている方が、液量検知装置25を廃液タンク6と共に破棄する必要がないので都合がよく、好ましい。本実施例では廃液タンク6内の廃インク6aの量をいつでも直ぐに目視で確認できるように、廃液タンク6は光を透過する容器とした。このため、装置停止中であっても廃インク6aの量を把握することが可能である。一方、容器自体が光を透過するものとする必要はなく、容器の一部に光を透過する部分が設けられている構成であってもよい。
【0059】
印字を重ねることによって度重なるインク排出が行なわれ、廃液タンク6内のインク量が徐々に増加すると、液量検知装置25によって満杯の警報が発せられる。同時に、それ以降の劣化したインクの排出は停止し、廃液タンク6の交換を促す警報が発報される。警報は表示灯が望ましく、赤色の表示灯(図示なし)が点灯する。廃液タンク6の交換がなされると、タンク交換を促す赤色の表示灯は消灯し、再びインク排出の動作が行なわれるようになる。
インク排出後は、実施例1に示したような通常のインクジェットプリンタの動作を行なう。劣化したインクが廃液タンク6内に流れ込むと同時に、廃液タンク6内部の大気を排出するための微小孔を除いて廃液タンク6は内容物の蒸発を防止するために密閉された容器としている。
前記した液量検知装置25である液量センサと廃液排出専用配管26は、廃液タンク6から取り外し可能な構造であり、廃液タンク6の交換に応じて容易に着脱することができる。
【0060】
(実施例6)
図9は、実施例6のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
本実施例では、サブタンク2とサブタンクから排出される廃液を回収する廃液タンク6が高低差hをもって装置内に設置されている。廃液タンク6は相対的にサブタンク2よりhだけ低い位置に設置する。なお、本実施例では図1に示した実施例1のインク供給システムを用いたので、その構成動作の説明は省略する。サブタンク2と廃液タンク6の間に高低差を設けることにより水頭圧が生じるため、効率的に劣化したインクの排出を行なうことができる。本実施例では5cmの高低差をもって設置した。サブタンク2内のインクの粘度が基準値以上になると、廃液排出専用配管26を通じて回収用ポンプ13によるインクの排出が行なわれた。比較のために、サブタンク2と廃液タンク6の間に高低差を設けなかった場合は、インク排出の時間が高低差を設けたよりも長くなった。
【0061】
一方、図5に示す実施例2のインクジェットプリンタのような液排出のための回収用ポンプ13に代え、排出弁15を設けたインク排出機構を用いた場合では、高低差の効果がより顕著となった。サブタンク2と廃液タンク6の間に高低差を設けた場合は通常通り液の排出が行なわれたのに対して、高低差を設けなかった場合は液の排出は不可能であった。このことから、排出弁15を用いる時には高低差は必須であった。液排出用の排出用ポンプ14を使用した場合でも、液排出効率を上げるためには必須である。本実施例ではサブタンク2と廃液タンク6の間に高低差を設けた例で説明したが、これは排出する液の取入口と排出口の間に高低差を設ければ効果は同じであるので、特にサブタンクと廃液タンクに限定されるものではない。
【0062】
【発明の効果】
請求項1の発明に対する作用効果
液循環機能を有するた液循環装置において、液循環システム内の液を装置から排出する機能を有しているので、何度も回収し劣化した液を装置外へ速やかに排出することができ、装置のメンテナンス時の作業性が向上する。また、液貯蔵タンクには回収した液用の配管、液供給源からの配管、吐出ヘッドを循環した液用の配管が接続されているので、液循環装置内部の全ての液を短時間に、効率的に、完全に排出することができ、液が劣化した時やメンテナンス時の新液交換において劣化液との混合がなくなり、新液交換の効果が向上する。
【0063】
請求項2の発明に対する作用効果
液循環機能を有する液滴吐出装置において、液循環システム内の液を装置から排出する機能を有し、何度も回収し劣化した液を液循環システム内から装置外へ速やかに排出することができるので、液滴吐出装置のメンテナンス時の作業性が向上する。また、サブタンクには新液供給配管、液滴吐出ヘッドの機能回復用液供給配管、液滴吐出ヘッドの機能回復液回収配管、液滴吐出ヘッドの吐出液供給用配管等、全ての配管が接続されているので、液滴吐出装置内部の全ての液を短時間に、効率的に、完全に排出することができ、液が劣化した時やメンテナンス時の新液交換において、劣化液との混合がなくなり新液交換の効果が向上する。
【0064】
請求項3の発明に対する作用効果
異なる種類のインクを使用する複数の液循環システムからなる液滴吐出装置において、サブタンクから排出される液は、液の種類毎に設けられた互いに混合されることなく独立した液排出用配管によって排出されるので、異なる種類のインクが混合し反応することによって生じる反応生成物による配管の閉塞等の発生を防止することができる。
【0065】
請求項4の発明に対する作用効果
サブタンクに排出される液滴吐出ヘッドから回収した液と、液滴吐出ヘッドを循環した液は、サブタンク内の液の粘度または濃度が初期値から変化した液であるので、液の性質が変化し劣化しているが、この変化が所定量以上であれば、この液を完全に排出し交換することによって、液の吐出特性や液の性質を速やかに初期の状態に回復することができる。
【0066】
請求項5の発明に対する作用効果
液の粘度や濃度の変化の程度に応じて段階的に警報を発するので、液の劣化の程度や液交換の目安を容易に認識することができ、予めインク交換に備えた対応を取ることで装置の停止時間を最小限に抑えることができる。
【0067】
請求項6の発明に対する作用効果
液の粘度や濃度の変化の程度に応じて段階的に液滴吐出装置の機能を制限するので、回収を重ねることで劣化した液が液滴吐出ヘッドに供給されつづけることを防止することができ、また劣化した液によって液滴吐出ヘッドが破損することを未然に防止することができる。
【0068】
請求項7の発明に対する作用効果
液滴吐出装置の機能を制限は、液滴吐出ヘッドの吐出圧力を変更することによって行うので、液滴吐出ヘッドに印加する駆動電圧を変更することによって容易に実施することができる。
【0069】
請求項8の発明に対する作用効果
液滴吐出装置の機能を制限は、液滴吐出ヘッドの駆動速度を変更することによって、液滴吐出ヘッドの発熱量を少なくし、液滴吐出ヘッドに対する熱の影響を少なくすることができる。
【0070】
請求項9の発明に対する作用効果
液滴吐出装置の機能を制限は、液滴吐出ヘッドの使用を停止することによって行うので、液が著しく劣化した場合においても液滴吐出ヘッドを破損する恐れをなくすことができる。
【0071】
請求項10の発明に対する作用効果
サブタンクの液排出手段から排出される液は、装置内に設けられた取り外し可能な廃液タンクに回収されるので、廃棄も簡単に行え、新液との混合が避けられる。また、廃棄専用タンクのスペースを装置外へ確保する必要がないので、省スペース化が可能となる。
【0072】
請求項11の発明に対する作用効果
廃液タンクは密閉されているので、廃液の処理が容易で、回収した廃液の蒸発による結露や装置内部の部品の腐食等が発生せず装置の信頼性が向上する。
【0073】
請求項12の発明に対する作用効果
廃液タンクには蓄積された廃液の量を検知する液量検知手段が設けられているので、使用者は廃液タンクの交換時期を事前に、正確に認知し予測することができる。
【0074】
請求項13の発明に対する作用効果
廃液タンクに設けられた液量検知装置が検出した廃液の量に応じて、警報を発するので、廃液の量や廃液タンク交換の目安を容易に認識し予測することができ、予め廃液タンク交換に備えた対応を取ることができる。
【0075】
請求項14の発明に対する作用効果
廃液タンクに設けられた液量検知装置が廃液の量が所定量であることを検知すると、液滴吐出ヘッドの液滴吐出を停止するので、液滴吐出装置が廃液で汚損する恐れを未然に防止し、廃液タンクの交換を確実に認知することができる。
【0076】
請求項15の発明に対する作用効果
廃液タンクは少なくとも一部が光透過性を有する容器であるので、装置を停止した状態でも廃液タンク内の廃液の量を容易に確認することができ、廃液タンク交換の時期を予め把握することができる。
【0077】
請求項16の発明に対する作用効果
廃液タンクはサブタンクより低い位置に高低差をもって設置されているので、廃液を迅速かつ効率的に排出することができる。
【0078】
請求項17の発明に対する作用効果
液供給源はインクカートリッジであるので、液供給源を可搬式にすることもでき、液滴吐出装置に対する取り付け、取り外しが容易でメンテナンス性の優れた液滴吐出装置とすることができる。
【0079】
請求項18の発明に対する作用効果
液滴吐出ヘッドの機能回復時に吐出されたインクを回収して再度使用するので、印字コストが低く、経済性に優れたインクジェット記録装置が可能となる。また、インク循環システム内のインクを排出する機能を有し、何度も回収し劣化したインクを速やかに装置外に排出することができるので、劣化したインクにより印字を行うことがなく、画像品質が優れ、メンテナンス時の作業性にも優れたインクジェット記録装置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出装置を適用した実施例1のインクジェットプリンタの液供給、排出経路を示す図である。
【図2】インク回収動作回数とサブタンク内のインク粘度の関係を示す図である。
【図3】インク回収動作回数とサブタンク内のインク濃度の関係を示す図である。
【図4】比較判断回路で行われる処理を示すフロー図である。
【図5】本発明の液滴吐出装置を適用した実施例2のインクジェットプリンタの液供給、排出経路を示す図である。
【図6】実施例3のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
【図7】実施例4のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
【図8】実施例5のインクジェットプリンタに用いる廃インクタンクを示す図である。
【図9】実施例6のインクジェットプリンタの要部を示す図である。
【符号の説明】
1…インクカートリッジ、2…サブタンク、2a…大気開放口、3…インクジェットヘッド、4…インク回収容器、5…バッファタンク、6…廃液タンク、6a…廃インク、11…インク送液ポンプ、12…機能回復用ポンプ、13…回収用ポンプ、14…排出用ポンプ、15…排出弁、21…インク特性検知部、21a…粘度検知装置、21b…濃度検知装置、22…比較判断回路、23…制御回路、24…警報装置、25…液量検知装置、26…廃液排出専用配管。
Claims (18)
- 液供給源と、該液供給源から供給される液を貯蔵するタンクと、該タンクから供給される液を吐出する吐出ヘッドを有し、前記タンクから前記吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記吐出ヘッドから液を吐出させ、前記吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記吐出ヘッドを循環した液と、前記液体供給源から供給した液とを前記タンク内で混合し再利用する液循環装置において、前記タンクは液排出手段を有することを特徴とする液循環装置。
- 液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有することを特徴とする液滴吐出装置。
- 液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給部から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液循環システムを複数有する液滴吐出装置において、前記複数の液循環システムのそれぞれのサブタンクは異なる液間で互いに混合することのない独立した液排出手段を有することを特徴とする液滴吐出装置。
- 液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し、粘度または濃度が所定量変化した液を排出することを特徴とする液滴吐出装置。
- 液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し、前記サブタンク内の液の粘度または濃度の変化に応じて警報を発することを特徴とする液滴吐出装置。
- 液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、前記液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し、前記サブタンク内の液の粘度または濃度の変化に応じて段階的に前記液滴吐出装置の機能を制限することを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項6記載の液滴吐出装置において、前記機能の制限は、前記液滴吐出ヘッドの吐出圧力を変更することによって行うことを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項6記載の液滴吐出装置において、前記機能の制限は、前記液滴吐出ヘッドの駆動速度を変更することによって行うことを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項6記載の液滴吐出装置において、前記機能の制限は、前記液滴吐出ヘッドの駆動を停止することによって行うことを特徴とする液滴吐出装置。
- 液供給源と、該液供給源から供給される液を一時的に貯蔵するサブタンクと、該サブタンクから供給される液を吐出する液滴吐出ヘッドを有し、該液滴吐出ヘッドの機能回復時には、前記サブタンクから前記液滴吐出ヘッドに液を供給し循環させるとともに前記液滴吐出ヘッドから液を吐出させ、前記液滴吐出ヘッドから吐出した液を回収し、回収した液と、前記液滴吐出ヘッドを循環した液と、前記液供給源から供給した液とを前記サブタンク内で混合し再利用する液滴吐出装置において、前記サブタンクは液排出手段を有し、該液排出手段から排出される液は着脱自在な廃液タンクに回収されることを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項10記載の液滴吐出装置において、前記着脱自在な廃液タンクは密閉されていることを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項10または11記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクは廃液の量を検知する手段が設けられていることを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項10または11記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクに蓄積された廃液の量に応じて警報を発することを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項13記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクに蓄積された廃液の量が所定量になると前記液滴吐出ヘッドの液滴吐出を停止することを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項10乃至14いずれかに記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクは少なくとも一部分が光透過性を有する容器であることを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項10乃至15いずれかに記載の液滴吐出装置において、前記廃液タンクは、前記サブタンクより低位置に設置されていることを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項2乃至16いずれかに記載の液滴吐出装置において、前記液供給源はインクカートリッジであることを特徴とする液滴吐出装置。
- 請求項17記載の液滴吐出装置を用いることを特徴とするインクジェット記録装置。
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