JP3571193B2 - プリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、OA機器やFA機器として広く利用されるプリンタに関する。さらに詳しくは、ノズルからインクを吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェットヘッドを備えたプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のプリンタにおけるインク経路を示す概略構成図である。
【0003】
図7に示すように、従来のプリンタは、インク貯留室102と廃インク貯留室103とを備えたインクカートリッジ101と、サブタンク本体105およびバッファタンク107,108で構成されるサブタンク104と、インクジェットヘッド111とを有する。なお、この従来のプリンタはカラープリンタであり、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のインクが用いられる。そのため、図7に示したインク経路は4経路設けられ、各インク経路は互いに並列に設置される。以下では、便宜上、一つのインク経路について説明する。
【0004】
従来のプリンタでは、チューブポンプである第1のポンプ109が図示CCW方向(反時計回り)に一定時間回転されると、インク貯留室102に貯留されているインクが第1のバッファタンク107を経由してサブタンク本体105へ供給される。このとき、サブタンク本体105の大気連通口105aはブリーズ弁106によって閉じられており、サブタンク本体105の所定の液位以上にインクが供給されると、余剰のインクは余剰インク排出口105bからインク貯留室102に戻される。続いて、大気連通口105aが開放されると、インクジェットヘッド111による画像形成動作(画像形成には「印字」を含む。以下同じ。)、およびインクジェットヘッド111の吐出機能の回復動作が準備状態となる。
【0005】
インクジェットヘッド111による画像形成は、プリンタ制御回路(不図示)からの信号に基づいて、インクジェットヘッド111のノズル111aから記録紙などの記録媒体(不図示)にインクが吐出されることにより行われる。インクを吐出する方式としては、ノズル内に設けられたヒーターを瞬時に熱してインク流路に気泡を発生させ、その気泡の成長、収縮によりインクを吐出させるものや、ノズル内に設けられた圧電素子を動作させてインクを吐出するものなどが知られている。
【0006】
一方、第1のポンプ109、およびチューブポンプである第2のポンプ110が図示CW方向(時計回り)に回転されると、サブタンク本体105に貯留されたインクは第1のバッファタンク107を経由してインクジェットヘッド111に送液される。インクジェットヘッド111に送液されたインクは、第2のバッファタンク108を経由して再びサブタンク本体105に戻される。これにより、サブタンク104とインクジェットヘッド111との間をインクが循環される過程で、インクジェットヘッド111にインクが強制的に送液される。
【0007】
インクジェットヘッド111にインクが送液されるとノズル111aからインクが強制的に吐出されるので、ノズル111aに付着した塵やノズル111a内に残留している気泡が除去され、インクジェットヘッド111の吐出機能が回復される。この吐出機能の回復動作は、インクジェットヘッド111の状態にかかわらず、一定時間毎に各色のインク経路で同時に行われる。なお、ノズル111aから吐出されたインクは、インクジェットヘッド111の下方に設置されたインク回収桶112に回収され、第3のポンプ113によって廃インク貯留室103に送液される。
【0008】
上記の画像形成動作と吐出機能回復動作とが繰り返されるとインクが消費され、インク貯留室102のインクがなくなるか、あるいは廃インクが廃インク貯留室103が許容保持量を越えたときに、インクカートリッジ101が交換される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプリンタでは、インクジェットヘッドの状態にかかわらず一定時間毎に各色のインク経路で同時に吐出機能の回復動作が行われるため、プリンタが可動状態であれば画像形成動作が行われなくてもインクが消費されることになる。つまり、画像形成動作を全く行わなくても、インクカートリッジの廃インク貯留室が許容保持量を越え、インクカートリッジの交換が必要となるおそれがある。インクジェットヘッドによって形成される画像の品位を保つためには吐出機能の回復動作は必要な動作であるが、本来、インクは画像形成のために消費されるべきであり、吐出機能の回復動作によるインクの消費は無駄である。
【0010】
また、プリンタを長時間に渡って放置すると、サブタンク本体に貯留されたインクの揮発性成分が大気連通口から蒸発してインクが増粘してしまう。すると、インクジェットヘッドからのインク吐出が不良になったり、さらにはインクジェットヘッドのノズルにインクが固着して目詰まりが生じる等の理由により、プリンタの画像品位が損なわれるおそれがある。
【0011】
そこで本発明は、インクカートリッジに貯留された全てのインクを有効に使用することができ、かつ良好な画像品位を維持することができるプリンタを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のプリンタは、ノズルからインクを吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェットヘッドと、インク供給部から供給されるインクを一時的に貯留して前記インクジェットヘッドに供給するサブタンクと、前記サブタンクに貯留されているインクを前記インクジェットヘッドに送液して前記ノズルから強制的に吐出させるインク送液手段とを有するプリンタにおいて、前記インク送液手段によって前記ノズルから強制的に吐出されたインクを回収して前記サブタンクに再び供給するインク回収手段と、前記サブタンクの内部と大気とを連通ないし遮断させるブリーズ弁、前記サブタンクが大気に連通されているときに大気中から前記サブタンクに空気を流入させる第1の逆止弁、および前記サブタンクが大気に連通されているときに前記サブタンクから大気中へ空気を放出させる第2の逆止弁を有するブリーザユニット部とが備えられている。
【0013】
これにより、インクジェットヘッドの吐出機能の回復動作に使用されたインクが回収され、インク供給部から供給される全てのインクが画像記録に使用されるので、無駄な廃インクが生じず、インクが有効に利用される。加えて、上記本発明の構成によれば、プリンタの動作待機時や放置時には大気の温度や気圧が変化しない限りサブタンク内への空気の出入りがないので、サブタンク内のインクに含まれる揮発性成分の蒸発が大幅に抑えられる。
さらに、前記第1の逆止弁から前記サブタンクに流入される空気と、前記第2の逆止弁から大気中に放出される空気とが一時的に貯留されるブリーズタンクが備えられている構成とすることにより、サブタンクに空気が流入される際、もしくはサブタンクから空気が放出される際にサブタンク内に急激な気圧変化が生じることが防がれる。
【0014】
さらに、前記インク回収手段は、前記ノズルから強制的に吐出されたインクを回収するインク回収桶と、前記インク回収桶に回収されたインクを前記サブタンクに供給するポンプとを有する構成とすることが望ましい。
【0015】
また、前記インク回収手段で回収されたインクに含まれる異物を除去するフィルタ部が備えられている構成とすることにより、回収されたインクが浄化され、インクがインクジェットヘッドに再び供給された時にノズルに目詰まりが生じること等が防止される。
【0016】
さらに、前記フィルタ部は、前記フィルタ部に送液されたインクが前記インク回収手段側に逆流することを防ぐ逆止弁と、前記逆止弁を通過したインクを濾過して前記異物を除去するフィルタとを有する構成とすることが望ましい。
【0017】
さらに、前記フィルタ部は前記サブタンクと一体に設けられている構成としてもよく、さらには前記フィルタ部は前記サブタンクに着脱自在に設けられている構成としてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明のプリンタの一実施形態におけるインク経路を示す概略構成図である。
【0022】
本実施形態のプリンタはカラープリンタであり、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のインクが用いられる。そのため実際には、図1に示すインク経路は4経路設けられ、各インク経路は互いに並列に設置される。以下では、便宜上、一つのインク経路について説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態のプリンタは、インクの供給部であるインクカートリッジ1と、インクカートリッジ1から供給されたインクを一時的に貯留するサブタンク2と、ノズル3aから記録紙などの記録媒体(不図示)にインクを吐出して画像形成を行うインクジェットヘッド3とを有する。
【0024】
サブタンク2は、サブタンク本体4、第1のバッファタンク5、および第2のバッファタンク6で構成されている。サブタンク本体4と第1のバッファタンク5との間にはチューブポンプである第1のポンプ7が設置され、サブタンク本体4と第2のバッファタンク6との間にはチューブポンプである第2のポンプ8が設置されている。インク送液手段であるこれらのポンプ7,8によってインクジェットヘッド3へのインクの送液等が行われる。また、サブタンク本体4には、サブタンク本体4の内部と大気とを連通させる大気連通口4aが設けられている。さらに、サブタンク本体4には、インクカートリッジ1に接続された余剰インク排出口4bと、後述するフィルタキット14に接続されたフィルタキット接続口4cとが設けられている。
【0025】
サブタンク本体4の大気連通口4aには、サブタンク本体4への空気の流入、およびサブタンク本体4からの空気の放出が行われるブリーザユニット9が配管17を介して接続されている。ブリーザユニット9にはブリーズタンク13が備えられており、サブタンク本体4の大気連通口4aとブリーズタンク13とが、配管17によって連通されている。また、ブリーザユニット9には、サブタンク本体4の内部と大気とを連通ないし遮断させるためのブリーズ弁10と、ブリーズ弁10を駆動させる駆動機構11とが備えられている。さらに、ブリーザユニット9には、大気中からブリーズタンク13に空気を流入させる第1の逆止弁12aと、ブリーズタンク13から大気中へ空気を放出させる第2の逆止弁12bとが備えられている。
【0026】
また、サブタンク2の第1のバッファタンク5はインクジェットヘッド3の一方の端部に接続され、第2のバッファタンク6はインクジェットヘッド3の他方の端部に接続されている。
【0027】
インクジェットヘッド3には、インクを吐出させる複数のノズル3aが設けられている。インクジェットヘッド3による画像形成は、プリンタ制御回路(不図示)からの信号に基づいて、インクジェットヘッド3のノズル3aから記録紙などの記録媒体(不図示)にインクが吐出されることにより行われる。なお、ノズルからインクを吐出する方式としては、ノズル内に設けられたヒーターを瞬時に熱してインク流路に気泡を発生させ、その気泡の成長、収縮によりインクを吐出させるものや、ノズル内に設けられた圧電素子を動作させてインクを吐出するものなどが用いられる。
【0028】
インクジェットヘッド3の下方には、後述する吐出機能の回復動作でノズル3aから吐出されるインクを回収する受けるために、インク回収手段としてのインク回収桶15が設置されている。このインク回収桶15は、インクジェットヘッド3の非動作時にはノズル3aを覆い、ノズル3aの乾燥を防止するキャップとしての機能をも有する。さらに、インク回収桶15は第3のポンプ16を介してフィルタキット14に接続されている。
【0029】
インク回収桶15で受けられたインクは、空気と混合した状態でフィルタキット14に送液される。フィルタキット14には、インクに混入した塵等の異物を取り除くためのフィルタ14aと、インクや空気がインク回収桶15側へ逆流することを防ぐ逆止弁14bとが備えられている。
【0030】
次に、上記説明したプリンタのサブタンク2、フィルタキット14、およびブリーザユニット9の構成について詳細に説明する。
【0031】
最初に、サブタンク2の詳細な構成について説明する。
【0032】
図2は、図1に示したサブタンク2の詳細断面図である。図2に示すように、サブタンク2は、サブタンク本体4と第1のバッファタンク5と第2のバッファタンク6とが壁部材で仕切られて一体に形成されている。これらのバッファタンク5,6は、ポンプ7,8(図1参照)によって生じる脈動を吸収し、安定した流量でインクを移送するために設けられている。また、大気連通口4aはサブタンク2の上部に設けられている。なお、本実施形態のプリンタは各色のインク経路毎にサブタンク2が設けられているので、合計で四つのサブタンク2が備えられている。それらの四つのサブタンク2は側壁を介して並列に連ねられた状態で一体に形成されていてもよく、あるいは四つのサブタンク2が別体となって並設されていてもよい。
【0033】
次に、フィルタキット14の詳細な構成について説明する。
【0034】
図3は、図1に示したフィルタキット14の詳細断面図である。図3に示すように、フィルタキット14にはフィルタ14aと逆止弁14bとが備えられている。フィルタキット14に逆止弁14bが備えられているのは、インク等の逆流や、第3のポンプ16(図1参照)の脈動によって生じるフィルタ14aへの圧力変動を最小限に抑え、フィルタ14aのフィルタリング特性を安定させるためである。なお、本実施形態ではフィルタキット14がサブタンク2と別体に設けられている例を示したが、フィルタキット14がサブタンク2と一体に設けられている構成としてもよく、あるいはフィルタキット14がサブタンク2に着脱自在に一体に取り付けられる構成としてもよい。
【0035】
続いて、ブリーザユニット9の詳細な構成について説明する。
【0036】
図4は図1に示したブリーザユニットのブリーズ弁および駆動機構を示す詳細断面図、図5は図1に示したブリーザユニットの第1の逆止弁を示す詳細断面図、図6は図1に示したブリーザユニットの第2の逆止弁を示す詳細断面図である。
【0037】
図4に示すように、ブリーザユニット9には、サブタンク本体4の大気連通口4a(図1参照)に接続された配管17の、開口端17aの開閉を行うブリーズ弁10と、ブリーズ弁10を駆動させる駆動機構11とが備えられている。ブリーズ弁10および駆動機構11は各インク経路毎に独立して備えられている。これは、各色のサブタンク2(図1等参照)の液位差によって互いのサブタンク2の内圧に差が生じたときに、内圧が高い方のサブタンク2のインクが内圧の低い方のサブタンク2内へ流入して、異色のインク同士が混合してしまうことを防止するためである。なお、ブリーズ弁10は、インクがインクカートリッジ1(図1参照)からサブタンク2へ供給されるときは閉じられ、後述する画像形成動作時や吐出機能の回復動作時、およびプリンタの動作待機時には解放される。
【0038】
また、図5に示す第1の逆止弁12aは大気からブリーズタンク13に空気を流入させるための逆止弁であり、図6に示す第2の逆止弁12bはブリーズタンク13から大気中へ空気を放出させるための逆止弁である。本実施形態では、第1の逆止弁12aおよび第2の逆止弁12bが一つづつ設けられている例を示したが、第1の逆止弁12aと第2の逆止弁12bの一方もしくは両方が複数設けられている構成としてもよい。また、これらの逆止弁12a,12bが各インク経路毎に独立して備えられている構成としてもよい。なお、ブリーザユニット9に設けられているブリーザタンク13には、第1の逆止弁12aからサブタンク本体4に流入される空気と、第2の逆止弁12bから大気中に放出される空気とが一時的に貯留される。これにより、サブタンク本体4に空気が流入される際、もしくはサブタンク本体4から空気が放出される際に、サブタンク本体4内に急激な気圧変化が生じることが防がれる。
【0039】
次に、本実施形態のプリンタの動作について図1を参照して説明する。
【0040】
第1のポンプ7が図示CCW方向(反時計回り)に一定時間回転されると、インクカートリッジ1に貯留されているインクが第1のバッファタンク5を経由してサブタンク本体4へ供給される。このとき、サブタンク本体4の大気連通口4aに接続された配管17の開口端17aはブリーザユニット9のブリーズ弁10によって閉じられている。そのため、サブタンク本体4の所定の液位以上にインクが供給されると、余剰のインクは余剰インク排出口4bからインクカートリッジ1に戻される。続いて、ブリーズ弁10が開けられて大気連通口4aが開放されると、インクジェットヘッド3による画像形成動作、およびインクジェットヘッド3の吐出機能の回復動作が準備状態となる。
【0041】
インクジェットヘッド3による画像形成は、プリンタ制御回路(不図示)からの信号に基づいて、インクジェットヘッド3のノズル3aから記録紙などの記録媒体(不図示)にインクが吐出されることにより行われる。画像形成が行われるとサブタンク本体4内に貯留されたインクが消費されるため、サブタンク本体4には消費されたインクの体積分の気圧低下が発生する。しかし、ブリーザユニット9の第1の逆止弁12aからブリーズタンク13に流入された空気が、配管17を通ってサブタンク本体4に供給されるため、サブタンク本体4内は随時気圧調整されて一定の気圧に保たれる。
【0042】
一方、第1のポンプ7および第2のポンプ8が図示CW方向(時計回り)に回転されると、サブタンク本体4に貯留されたインクは第1のバッファタンク5を経由してインクジェットヘッド3に送液される。インクジェットヘッド3に送液されたインクは、第2のバッファタンク6を経由して再びサブタンク本体4に戻される。これにより、サブタンク2とインクジェットヘッド3との間をインクが循環される過程で、インクジェットヘッド3にインクが強制的に送液される。
【0043】
インクジェットヘッド3にインクが送液されるとノズル3aからインクが強制的に吐出されるので、ノズル3aに付着した塵やノズル3a内に残留している気泡が除去され、インクジェットヘッド3の吐出機能が回復される。この吐出機能の回復動作は、インクジェットヘッド3の状態にかかわらず、一定時間毎に各色のインク経路で同時に行われる。
【0044】
ノズル3aから吐出されたインクは、インクジェットヘッド3の下方に設置されたインク回収桶15で受けられ、空気と混合された状態で第3のポンプ16によってフィルタキット14に送液される。なお、このようにインク回収桶15で回収されたインクには、ノズル3aに付着していた塵等の異物が混入している。フィルタキット14にインクおよび空気が移送されると、インクに混入している異物がフィルタ14aによって除去されてインクが浄化され、フィルタキット接続口4cからサブタンク本体4内の空気層4dに流入される。サブタンク本体4内にインクおよび空気が流入されると、インクは下方に落下して再びサブタンク本体4内に貯留される。その結果、インクがインクジェットヘッド3に再び供給された時にノズル3aに目詰まりが生じること等が防止される。また、空気は大気連通口4aからブリーザユニット9に送られ、第2の逆止弁12bから大気中に放出される。その結果、サブタンク本体4内の気圧上昇が防止される。
【0045】
このように、本実施形態のプリンタでは、吐出機能の回復動作でノズル3aから吐出されたインクが回収されて再びサブタンク2に供給されるので、インクカートリッジ1から供給される全てのインクが画像形成動作に使用されるため、無駄な廃インクが生じず、インクを有効に使用することができる。また、インクカートリッジに廃インク貯留室を設ける必要がなくなるので、インクカートリッジの構成を簡素化することができる。
【0046】
また、本実施形態のプリンタでは、プリンタの動作待機時や放置時には、サブタンク2の大気連通口4aに接続されたブリーザユニット9の逆止弁12a,12bが閉じられており、大気の温度や気圧が変化しない限り、サブタンク2内への空気の出入りはない。従って、プリンタの動作待機時や放置時におけるサブタンク2内のインクに含まれる揮発性成分の蒸発が大幅に抑えられ、揮発性成分の蒸発によるインクの増粘を最小限に抑止することができる。
【0047】
なお、上記の画像形成動作が繰り返されるとインクが消費され、インクカートリッジ1のインクがなくなったときに、インクカートリッジ1が交換される。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプリンタは、インク送液手段によってインクジェットヘッドのノズルから強制的に吐出されたインクを回収してサブタンクに再び供給するインク回収手段が備えられているので、無駄な廃インクが生じず、インクを有効に使用することができる。
【0049】
加えて、サブタンクの内部と大気とを連通および遮断させるブリーズ弁と、大気からサブタンクに空気を流入させる第1の逆止弁と、サブタンクから大気へ空気を放出させる第2の逆止弁とを有するブリーザユニット部が備えられているので、サブタンク内のインクに含まれる揮発性成分の蒸発が大幅に抑えられ、揮発性成分の蒸発によるインクの増粘を最小限に抑止することができる。
【0050】
また、インク回収手段で回収されたインクに含まれる異物を除去するフィルタ部を備えることにより、回収されたインクを浄化でき、インクがインクジェットヘッドに再び供給された時にノズルに目詰まりが生じること等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリンタの一実施形態におけるインク経路を示す概略構成図である。
【図2】図1に示したサブタンクの詳細断面図である。
【図3】図1に示したフィルタキットの詳細断面図である。
【図4】図1に示したブリーザユニットのブリーズ弁および駆動機構を示す詳細断面図である。
【図5】図1に示したブリーザユニットの第1の逆止弁を示す詳細断面図である。
【図6】図1に示したブリーザユニットの第2の逆止弁を示す詳細断面図である。
【図7】従来のプリンタにおけるインク経路を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 インクカートリッジ
2 サブタンク
3 インクジェットヘッド
3a ノズル
4 サブタンク本体
4a 大気連通口
4b 余剰インク排出口
4c フィルタキット接続口
4d 空気層
5 第1のバッファタンク
6 第2のバッファタンク
7 第1のポンプ
8 第2のポンプ
9 ブリーザユニット
10 ブリーズ弁
11 駆動機構
12a 第1の逆止弁
12b 第2の逆止弁
13 ブリーズタンク
14 フィルタキット
14a フィルタ
14b 逆止弁
15 インク回収桶
16 第3のポンプ
17 配管
17a 開口端

Claims (7)

  1. ノズルからインクを吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェットヘッドと、インク供給部から供給されるインクを一時的に貯留して前記インクジェットヘッドに供給するサブタンクと、前記サブタンクに貯留されているインクを前記インクジェットヘッドに送液して前記ノズルから強制的に吐出させるインク送液手段とを有するプリンタにおいて、
    前記インク送液手段によって前記ノズルから強制的に吐出されたインクを回収して前記サブタンクに再び供給するインク回収手段と、
    前記サブタンクの内部と大気とを連通ないし遮断させるブリーズ弁、前記サブタンクが大気に連通されているときに大気中から前記サブタンクに空気を流入させる第1の逆止弁、および前記サブタンクが大気に連通されているときに前記サブタンクから大気中へ空気を放出させる第2の逆止弁を有するブリーザユニット部と、
    が備えられていることを特徴とするプリンタ。
  2. 前記第1の逆止弁から前記サブタンクに流入される空気と、前記第2の逆止弁から大気中に放出される空気とが一時的に貯留されるブリーズタンクが備えられている請求項に記載のプリンタ。
  3. 前記インク回収手段は、前記ノズルから強制的に吐出されたインクを回収するインク回収桶と、前記インク回収桶に回収されたインクを前記サブタンクに供給するポンプとを有する請求項1または2に記載のプリンタ。
  4. 前記インク回収手段で回収されたインクに含まれる異物を除去するフィルタ部が備えられている請求項1から3のいずれか1項に記載のプリンタ。
  5. 前記フィルタ部は、前記フィルタ部に送液されたインクが前記インク回収手段側に逆流することを防ぐ逆止弁と、前記逆止弁を通過したインクを濾過して前記異物を除去するフィルタとを有する請求項に記載のプリンタ。
  6. 前記フィルタ部は前記サブタンクと一体に設けられている請求項またはに記載のプリンタ。
  7. 前記フィルタ部は前記サブタンクに着脱自在に設けられている請求項に記載のプリンタ。
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