JP2000085153A - インクジェット記録装置及びその初期充填方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びその初期充填方法

Info

Publication number
JP2000085153A
JP2000085153A JP11200873A JP20087399A JP2000085153A JP 2000085153 A JP2000085153 A JP 2000085153A JP 11200873 A JP11200873 A JP 11200873A JP 20087399 A JP20087399 A JP 20087399A JP 2000085153 A JP2000085153 A JP 2000085153A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
head
initial filling
initial
recording apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11200873A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000085153A5 (ja
Inventor
Atsushi Nishioka
篤 西岡
Yukihiro Hanaoka
幸弘 花岡
Satoshi Yoda
敏 依田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP11200873A priority Critical patent/JP2000085153A/ja
Publication of JP2000085153A publication Critical patent/JP2000085153A/ja
Publication of JP2000085153A5 publication Critical patent/JP2000085153A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク初期充填処理時にインク流路内に残留
した気泡に起因した印刷不良の発生を確実に防止可能な
インクジェット記録装置を提案すること。 【解決手段】 インクジェット記録装置のインク吸引機
構は、インク初期充填処理(ステップST110)から
1時間経過後(ステップST116)に、インクを吸引
する初期充填後ヘッド回復処理CL(ステップST11
7)を行う。この処理によって多量のインクがインクノ
ズルから外部に吸引されるので、インク流路内の残留気
泡を確実に排出できる。また、この処理は、インク初期
充填時から一定時間経過後に行われるので、インク充填
時にフィルタを介して形成された微細な気泡がインク流
路の段差部に滞留し、その後に気泡が成長して大きくな
り、段差部から外に出てきて、インク流路内を浮遊する
ようになった気泡を確実に排出できる。よって、インク
初期充填時の残留気泡に起因した印刷不良を確実に回避
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関するものである。さらに詳しくは、インクの
初期充填方法およびインク初期充填した後の、インクヘ
ッド回復処理に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置を購入したユー
ザーが、購入後にインクジェット記録装置を稼働させる
ため、インクジェット記録装置にインクカートリッジを
装填した後、インクカートリッジ内のインクを、インク
流路を経て記録ヘッドのノズル内まで充填する初期充填
作業を、インク吸引機構を利用して行う方法が提案され
ている。例えば、特開平8−267785号公報には、
このようなインク吸引機構を備えたインクジェット式記
録装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】インクをインクカート
リッジからインク流路を経て記録ヘッドのノズル内まで
初期充填した直後は、インク流路中にあるフィルタをイ
ンクが通ることにより、インク流路内に多量の気泡が形
成される。その形成された気泡は、インク流路中のイン
ク供給管とヘッド部との接続部の段差部等に滞留する。
滞留した気泡は、気泡サイズが小さい間は、段差部の角
等に存在し、インク回復処理による吸引処理によって
も、インク流れが生じる場所にないため、ノズル側に到
達せず、ノズルダウン(吐出不良)することはない。
【0004】しかし、段差部に滞留している小さな気泡
は、インクジェット記録装置の電源オン後の温度上昇に
よる気泡成長や、表面張力による小さな気泡同士の凝集
により、気泡サイズが次第に大きくなる。大きくなった
気泡Bは、段差部からインク流路のインク流れに影響さ
れる場所に出てくる。そして、甚だしい場合には、図1
2に示すようにインク流路がこの気泡によって閉塞ずる
こともある。ここで、段差部からインク流路中に出てき
た大きな気泡は、通常のヘッド吸引回復処理程度の流速
では、ヘッドのインク室内に侵入するだけで、ノズルか
ら外に排出されない。
【0005】一方、インク初期充填処理直後に、段差部
に滞留している小さな気泡は、ヘッド吸引回復処理をす
るためのインク流速をいくら大きくしても、ノズルから
外に排出することはできない。
【0006】また、インクの初期充填時にインク流路内
壁に付着したまま残っている気泡は、時間の経過に伴っ
て、その表面張力と共に、内壁の濡れ性が向上すること
に伴い、しだいに内壁から離れてインク流路内に浮遊し
た状態になる。この結果、定期的に実施されるヘッド回
復のためのインク吸引動作によって、このような気泡は
記録ヘッドの側に運ばれ、インクノズル内に残ってしま
う。インクノズル内の気泡は、その後の記録動作時にお
いて、空撃ちなどの記録不良の原因となってしまう。
【0007】また、初期充填時に生じた小さいサイズの
気泡は、インクジェット記録装置の電源をオンにしてお
く間に、記録装置の温度が上昇することによっても、気
泡サイズが上昇する。インクジェット記録装置の電源を
オンしてから1時間経過するまでに10度上昇し、その
後は、徐々に温度が上昇する。 従って、従来のインク
ジェット記録装置において、インク初期充填処理を行っ
た直後、小さなサイズの気泡を除去しようとして、ヘッ
ド回復吸引処理を行い、無駄にインクを消費してしまう
という課題があった。
【0008】また、従来のインクジェット記録装置にお
いて、インク初期充填処理を行った後、気泡サイズがあ
る程度大きくし、インク流れに乗るようになったとき、
通常の少量のノズル回復吸引処理を行い、却って、記録
ヘッドの圧力室内に気泡が侵入し、圧力室を振動板によ
って動かしてもインクに圧力が伝達されず、大きな気泡
を押しつぶすだけのパスカルの原理によって、ノズルか
らインクが吐出できなってしまうという課題があった。
【0009】本発明の課題は、以上の問題点に鑑みて、
インクを初期充填したときにインク流路内に残留してい
る気泡に起因した、ヘッド回復吸引処理に伴うインクの
無駄と、ノズル回復吸引処理に伴って却って吐出不良と
なってしまうことを確実に回避可能なインクジェット記
録装置およびヘッド回復処理を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、インク液滴を吐出するインクノズルを
備えた記録ヘッドと、インクを貯留したインクタンク
と、このインクタンクから前記記録ヘッドにインクを供
給するためのインク流路と、前記インクノズルからイン
クを吸引するインク吸引ユニットと、を有するインクジ
ェット記録装置において、前記インク吸引ユニットは、
前記インクタンクの側から前記インク流路を介して前記
記録ヘッドにインクが初期充填された後に、さらにイン
クを吸引する初期充填後ヘッド回復処理を行うことを特
徴としている。
【0011】また、インクを貯留するインクタンクと、
ノズルからインクを吐出して、被印字媒体に文字を印字
するインクジェットヘッドと、前記インクタンクからイ
ンクの供給を受け、前記インクジェットヘッドにインク
を供給するインク流路と、 前記インクタンクから前記
ノズルまでインクを初期充填するため、前記ノズルから
ノズルキャップを介して吸引するインク吸引ユニット
と、を備え、前記インク吸引ユニットは、前記初期充填
したとき、前記インク流路中に滞留する気泡が、所定の
サイズまで成長した後、前記ノズルから所定量のインク
を吸引することを特徴とする。ここで、インク吸引ユニ
ットは、ノズルを閉鎖するノズルキャップと、そのキャ
ップに連通するインク吸引ポンプから少なくともなる。
また、本発明は、インクジェット記録装置の記録ヘッ
ドへのインク初期充填方法において、前記記録ヘッドの
インクノズルにインクを供給するインク初期充填を行う
工程と、この初期充填を行った時点から所定の時間経過
したかどうか判断する工程と、所定期間経過したとき、
インクを吸引して排出する初期充填後ヘッド回復処理を
行う工程とを備えたことを特徴としている。
【0012】本発明の装置および方法では、インクの初
期充填時に発生した小さな気泡が成長して大きなサイズ
となった気泡を確実にインクノズル外に排出できる。
【0013】ここで、前記の初期充填後ヘッド回復処理
は、、インクが初期充填された時点から予め定めた経過
時間後に行なった方が好ましい。一定時間経過後に行っ
た場合には、インク初期充填時に、インク流路の段差部
等に付着しており、時間経過に伴って気泡サイズが成長
しインク流路内に浮遊した状態になった気泡を確実にイ
ンクノズル外に排出できるので、ヘッド回復処理に伴う
インク吸引量の無駄を防止することができる。
【0014】また、インク初期充填後のヘッド回復処理
は、通常のヘッド回復処理よりもインク吸引量が多いた
め、インク初期充填後にインク流路内に残留している気
泡が圧力室内に滞留せずに、インクノズル外に確実に排
出できるので、ヘッド回復処理に起因した記録不良を確
実に回避できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
を適用したインクジェット記録装置を説明する。
【0016】(ブロック図)図10は、本発明のインク
ジェット記録装置のブロック図である。
【0017】インクカートリッジ7内には、インクタン
ク72が納められている。インクカートリッジ7が装着
されているかどうか、インクカートリッジ装着検出器1
01にて検出することができる。また、インクタンク7
2内にインクが残っているかどうか、インクエンド検出
器102にて検出することができる。
【0018】インクタンク72からインク流路11を介
してインクジェット記録ヘッド3のノズル31までイン
クが充填される。ノズル31からノズルキャップ62を
介してポンプ61によりインク吸引処理される。CPU
103は、インクジェット記録装置を制御するものであ
り、ポンプ61を制御し、インクカートリッジ装着検出
器101、インクエンド検出器102の信号を受ける。
【0019】インクカートリッジ7がインクジェット記
録装置に装着されていることを、インクカートリッジ装
着検出器101によって検出できなかったとき(たとえ
ば、インクカートリッジ7が装着されていないとき)、
インクカートリッジ未装着警告を行う。また、インクエ
ンド検出器102によって、インクなしと判断されたと
き(たとえば、インクカートリッジ7内にあるインクタ
ンク72内にインクがほとんどないとき)、インクエン
ド警告を行う。上記2つの警告の方法としては、LED
を表示させたり、点滅させる方法や、アラーム音を発生
させる方法等がある。
【0020】また、CPU103は、ホストコンピュー
タ65からインターフェース(I/F)104を介して
印刷データ等を受け、プリントバッファ105を介して
記録ヘッド3を駆動し、印字させる。タイマー106
は、バックアップ電池107により記録装置の電源オフ
時でもバックアップされ、カウントすることが好適であ
る。EEPROM108は、初期充填済みフラグFI
と、初期充填後回復処理済みフラグSCLを有してい
る。CPU103は、初期充填済みフラグFIと、初期
充填後回復処理済みフラグSCLがセットされているか
どうか判断することができる。
【0021】また、CPU103は、マニュアルクリー
ニングスイッチ64のオンを検出して、ポンプ61を駆
動するステップモータの回転ステップ数を制御すること
によって、ポンプ61によるインクの吸引量を制御し、
通常のクリーニング処理を行う。また、CPU103
は、ポンプ61用のステップモータのステップ数を制御
する代わりに、ポンプ61の駆動時間をタイマー106
をカウントすることにより制御し、インク吸引量を制御
することができる。
【0022】さらに、インクジェット記録装置全体の電
源をオンオフする電源スイッチ109を備えている。上
述したように、電源スイッチ109をオフしても、タイ
マー106は、バックアップ電池107によりバックア
ップされ、カウントし続けることができる。
【0023】また、CPU103は、記録ヘッド3のキ
ャリッジ上の位置を制御することができる。CPU10
3は、記録ヘッド3がノズルキャップ62に対向する位
置にあるかどうか判断し、キャップ62に対向する位置
に配設されていないときは、記録ヘッド3を当該対向位
置に移動させることができる。
【0024】(全体構成)図1は本例のインクジェット
記録装置を示す斜視図、図2は図1に示す装置の主要部
分の構成を、図1とは反対側からみた場合の斜視図であ
る。これらの図に示すように、インクジェット記録装置
1は、インク液滴を吐出する記録ヘッド3と、記録ヘッ
ド3が搭載されたキャリッジ2と、キャリッジ2を矢印
Aで示す主査方向に移動させる移動機構4と、記録ヘッ
ド3にインクを供給するインク供給機構10を有してい
る。
【0025】キャリッジ2には矩形の開口が形成されて
おり、ここから、記録ヘッド3の矩形のノズル形成面3
2が露出している。このノズル形成面32には多数個の
インクノズル31が直線状に配列されたズル列が2本形
成されている。
【0026】図2に示すように、キャリッジ2を移動さ
せる移動機構4は、主走査方向Aに延びるガイド軸45
と、駆動側プーリ43および従動側プーリ44の間に架
け渡されたタイミングベルト41と、駆動側プーリ43
を回転駆動するキャリッジモータ42を備えている。キ
ャリッジ2の下面部はガイド軸45に対して摺動可能に
支持されていると共に、タイミングベルト41に連結さ
れている。従って、キャリッジモータ42を駆動する
と、キャリッジ2はガイド軸45に沿って主走査方向に
移動する。
【0027】キャリッジ2に搭載されている記録ヘッド
のノズル形成面32に対峙する位置に沿って記録紙14
を副走査方向に搬送し、記録ヘッド3を搭載したキャリ
ッジ2を主走査方向に移動させながら、インクノズル3
1から記録紙14の表面にインク液滴を吐出する。これ
により、記録紙14の表面には所望の記録が形成され
る。
【0028】(インク供給機構)図3はインク供給機構
10を取り出して示す斜視図である。また、図4(A)
は図3のX−X線で切断した部分の断面図、図4(B)
は図3のY−Y線で切断した部分の断面図である。図1
〜図4を参照して、インク供給機構10について説明す
る。
【0029】まず、図1および図2に示すように、イン
ク供給機構10は、インクジェット記録装置1の装置本
体12に形成されたインクカートリッジ装着部13に対
して着脱可能なインクカートリッジ7と、キャリッジ2
に搭載された圧力減衰器9と、インクカートリッジ7と
圧力減衰器9との間を接続しているインク供給管8とに
よって構成されている。
【0030】図2、図3および図4(A)に示すよう
に、インクカートリッジ7は、扁平な直方体形状の硬質
ケース71と、このケース71に収納されると共に内部
にインクが封入された可撓性のインク袋72を備えてい
る。インク袋72にはインク取り出し口73が形成され
ており、このインク取り出し口73はケース71から外
側に突出している。
【0031】インク供給管8は、インク供給管本体81
と、インク供給管81の一端に取り付けられたインク供
給針82を備えている。インク供給針82は、インクカ
ートリッジ7のインク取り出し口73に差し込まれてい
る。このインク供給針82は、インクカートリッジ7の
着脱動作に連動して、そのインク取り出し口73に差し
込まれると共に、そこから引き抜かれる。インク供給管
本体81の他端は圧力減衰器9に接続されている。
【0032】図3および図4に示すように、圧力減衰器
9は、断面形状が略八角形をした扁平なカップ状の硬質
ケース本体91と、ケース本体91の開口部を塞ぐよう
にケース本体91に貼り付けられた軟質フィルム92
と、このフィルム92の内面に貼り付けた板ばね93と
を有し、ケース本体91とフィルム92との間にインク
圧力減衰室90が形成されている。
【0033】ケース本体91にはインク流入口94とイ
ンク流出口95が形成されている。インク流入口94に
はインク供給管本体81の一端が接続され、インク流出
口95は、ケース本体91に形成されたインク流出経路
96の一端に連通している。このインク流出経路96の
他端は大径のヘッド接続部97となっている。
【0034】記録ヘッド3には、ヘッド接続部97に液
封状態で先端が差し込まれたインク導入管34と、イン
ク導入管34から導入したインクが溜まるインク室33
が形成されている。このインク室33に溜められたイン
クがインクノズル31から吐出される。
【0035】ここで、図4(B)に示すように、インク
圧力減衰室90には一定量のインク30が溜められてい
る。このインク圧力減衰室90の内圧の増減に応じて、
板ばね付のフィルム92が外側および内側に弾性変形し
て、その容積が増減する。このフィルム92の変位によ
ってインク圧力減衰室90の内圧が一定となるように保
持されるので、インク流入口94の側のインク圧力が変
動しても、インク流出口95から記録ヘッド3の側に供
給されるインク供給圧が一定に保持される。
【0036】(インク吸引機構の構成)図2に示すよう
に、記録ヘッド3の記録領域Bから外れたヘッドホーム
ポジションに対峙する位置には、ヘッドメンテナンスユ
ニット5が配置されている。このヘッドメンテナンスユ
ニット5には、記録ヘッド3のインクノズルから増粘イ
ンクや残留気泡を吸引して外部に排出するためのインク
吸引機構6が備わっている。
【0037】インク吸引機構6は、記録ヘッド3がホー
ムポジションに移動したときに記録ヘッド3のノズル形
成面32を覆うキャップ62を備えている。キャップ6
2は、キャリッジの移動を利用することにより、あるい
は、ヘッドメンテナンスユニット5のユニットケース5
0に取り付けたモータ52の駆動力を利用することによ
り、ユニットケース内に退避した位置と、そこから突出
した位置との間を移動可能となっており、記録ヘッド3
が記録領域Bにある間はユニットケース50内に退避し
ている。
【0038】記録ヘッド3がヘッドホームポジションに
到ると、キャップ62はユニットケース50から突出し
た位置に切り換わり、図4(A)において想像線で示す
ように、記録ヘッド3のノズル形成面32を覆った状態
になる。ノズル形成面32とキャップ62によって封鎖
された内部空間は、モータ52によって作動するポンプ
61によって減圧される。従って、キャップ62がノズ
ル形成面32に被された状態でポンプ61を作動する
と、インクノズル31から外部にインクが吸引される。
【0039】(インク吸引機構の駆動制御系)この構成
のインク吸引機構6の駆動制御は、インクジェット記録
装置1の駆動制御装置63により実行される。駆動制御
装置63はマイクロコンピュータを中心として構成さ
れ、そのROM内に格納されている制御プログラムを実
行することにより、記録紙搬送動作、記録ヘッドによる
記録動作等を制御すると共に、インク吸引機構6による
インク吸引動作も制御する。
【0040】この制御装置63には、マニュアルスイッ
チ64と、ホストコンピュータ65が接続されている。
マニュアルスイッチ64の操作、あるいは、ホストコン
ピュータ65からのコマンド入力によって、インク吸引
機構6を作動させることができる。
【0041】また、駆動制御装置63は、第1の計時手
段66と第2の計時手段67を備えており、これらの手
段は、タイマー等のハードウエアを搭載することによ
り、あるいはソフトウエアによりタイマ機能を実現する
ことにより、それぞれ構成することができる。第1の計
時手段66は、後述するインク初期充填処理が行われた
時点からの経過時間を計数するものであり、第2の計時
手段67は、インク吸引機構6によってインク吸引処理
が行われた時点からの経過時間を計数するものである。
【0042】さらに、駆動制御装置63は、後述するヘ
ッド回復処理の回数を計数するカウンタCoと、インク
初期充填処理が行われたかを示すインク充填済みフラグ
FIを備えている。
【0043】(インク吸引動作の説明)図5はインクジ
ェット記録装置1の動作を示すフローチャートであり、
インク吸引処理を中心にして示すものである。
【0044】本例では、インク初期充填後においては、
充填後1時間経過後に、通常のクリーニングより強力な
インクを吸引する初期充填後ヘッド回復処理を行なうよ
うにしている。
【0045】また、最後のインク吸引動作から10時間
以上経過した場合には、自動的に、少量のインクを吸引
する第1の通常ヘッド回復処理を行うようにしている。
さらに、マニュアルスイッチ等によって強制的にヘッド
回復処理が割り込み要求された場合には、第2の通常ヘ
ッド回復処理を行うようにしている。これに加えて、イ
ンク吸引機構を利用して、インクの初期充填処理を実行
するようにしている。
【0046】図5のフローチャートに従って説明する
と、まず、装置電源が投入されると(ステップST
1)、ステップST2において、インク充填済みフラグ
FIの状態を判別することにより、インク初期充填済で
あるか否かを検出する。インク充填済みフラグFIがO
Nに設定されてなければ、初期充填処理が行われていな
いと判断して、インク初期充填処理Lを行う(ステップ
ST3)。このインク初期初期充填処理Lでのインク吸
引量V0は例えば15ccに設定されている。
【0047】このようにしてインク吸引機構6を利用し
てインク初期充填処理Lを行った後は、インク充填済み
フラグFIをONに設定して(ステップST4)、第1
の計時手段66によって計時を開始する(ステップST
5)。
【0048】次に、ステップST8において、予め定め
た経過時間T0を第1の計時手段66が計数するまでは
ステップST9において印刷指令を待ち、印刷指令があ
れば印刷処理を行う(ステップST10)。本例では、
経過時間T0は例えば1時間に設定されているので、イ
ンク初期充填処理Lが終了してから1時間は上記の処理
(ステップST8〜ステップST10)が繰り返され
る。
【0049】また、この状態から1時間経過する前に電
源を切断した場合には、再び電源を投入した際に、ステ
ップST6において、インク初期充填処理Lが終了して
から1時間経過しているかを判別する。1時間経過して
いなければ、第1の計時手段66による計時を再開した
後(ステップST7)、1時間経過するまで上記の処理
(ステップST8〜ステップST10)が繰り返され
る。
【0050】インク初期充填処理Lが終了してから1時
間経過すると、初期充填後ヘッド回復処理Sを行う(ス
テップST11)。この初期充填後ヘッド回復処理Sで
のインク吸引量V1は3ccに設定されている。
【0051】初期充填後ヘッド回復処理Sが終了した後
は、第1の計時手段66を停止して(ステップST1
2)、ステップST13において印刷指令を待つ。印刷
指令があれば、印刷処理を行う(ステップST14)。
【0052】印刷指令がなければ、ステップST15に
おいて、第2の計時手段67によって計時されている前
回のインク吸引処理(この場合には、初期充填後ヘッド
回復処理)からの第1の時間T1以上経過しているかを
判別する。ここで、第1の時間T1は例えば10時間に
設定されており、前回のインク吸引処理から10時間が
経過すれば、第1の通常ヘッド回復処理Aを実施する
(ステップST16)。第1の通常ヘッド回復処理Aで
のインク吸引量V2は0.1ccに設定されている。従っ
て、後は、10時間が経過する毎に0.1ccのインクを
吸引して、ヘッドの回復処理が行われる。
【0053】この状態から電源を切断した後、電源を再
投入すると、ステップST6において、インク初期充填
処理Lが行われてから1時間経過しているので初期充填
後ヘッド回復処理Sが終了していると判断し、上記の処
理(ステップST13〜ステップST16)が繰り返さ
れる。
【0054】このように、本例では、初期充填後ヘッド
回復処理Sでのインクの吸引量V1が第1の通常ヘッド
回復処理Aでのインク吸引量V2よりも多いので、初期
充填後ヘッド回復処理Sを1回行うのみで、インク流路
11の残留気泡をインクノズル31から確実に外部に排
出できる。
【0055】しかも、本例では、この初期充填後ヘッド
回復処理Sは、インクの初期充填後から1時間を経過し
た後に行われる。このようにすれば、初期充填処理の直
後にはインク流路11の内壁に付着していた気泡が内壁
から剥がれた頃に初期充填後ヘッド回復処理Sが行われ
るので、気泡を確実に外部に排出できる。従って、イン
クの初期充填処理を行った際にインク流路11に残留し
ていた気泡に起因した記録不良を確実に防止できる。
【0056】(別のインク吸引処理動作)図6ないし図
9は、インクジェット記録装置におけるインク吸引制御
動作の別の例を示すフローチャートである。
【0057】本例のインク吸引制御動作では、インク初
期充填直後において、初期充填後ヘッド回復処理Sを3
回繰り返し行うようにしている。また、通常の動作状態
においては、最後のインク吸引動作後の経過時間が10
時間以上の場合には定期的に少量のインク吸引を行う第
1の通常ヘッド回復処理Aを行い、最後のインク吸引動
作からの経過時間が1週間以上の場合には、多量のイン
ク吸引を行う第3の通常ヘッド回復処理Bを行うように
なっている。その他の制御動作は図5に示す制御動作と
基本的に同一である。
【0058】まず、図6のフローチャートに従って説明
すると、本例でも、装置電源を投入すると(ステップS
T21)、ステップST22において、インク充填済み
フラグFIの状態を判別して、インク初期充填処理Lが
行われたか否かを検出する。インク充填済みフラグFI
がONでない場合には、インク初期充填処理Lが行われ
ていないと判断して、初期充填処理Lを行う(ステップ
ST23)。この初期充填処理Lでのインク吸引量V0
は15ccに設定されている。初期充填処理Lが終了する
と、インク充填済みフラグFIをONに設定して(ステ
ップST24)、カウンタCoに予め定めた回数を設定
する(ステップST25)。ここで、カウンタCoには
「3」が設定される。
【0059】次に、ステップST27において、印刷指
令を検出し、印刷指令があれば印刷処理を行う(ステッ
プST28)。印刷指令がなければ、ステップST29
において、マニュアルスイッチ64、またはホストコン
ピュータ65からのコマンド入力によってヘッド回復処
理を行うように指示されているかを検出する。この指示
がなければ、ステップST31において、第2の計時手
段67によって計数された前回のインク吸引処理からの
経過時間が、第1の時間T1以上であるか否かを判別す
る。
【0060】本例では、この第1の時間T1は10時間
に設定されており、10時間以上経過していなければ、
ステップST27における印字指令の検出に戻り、上記
の処理が繰り返される。
【0061】この間に、ステップST29において、マ
ニュアルスイッチ64、またはホストコンピュータ65
からのコマンド入力によってヘッド回復処理を行うよう
に指示されれば、図7のフローチャートに示す回復指令
受信時のインク吸引処理(第2の通常ヘッド回復処理
M、初期充填後ヘッド回復処理S)を行う(ステップS
T30)。また、ステップST31において、前回のイ
ンク吸引処理から10時間以上経過すれば、ステップS
T32において、図8のフローチャートに示すインク吸
引処理(第1の通常ヘッド回復処理A、初期充填後ヘッ
ド回復処理S)を行う。
【0062】図7は、ステップST30における回復指
令受信時のインク吸引処理を示すフローチャートであ
る。この図に示すように、回復指令受信時のインク吸引
処理では、まず、ステップST51においてカウンタC
oの値を判別し、カウンタCoの値が「0」よりも大き
ければ初期充填後ヘッド回復処理Sを行い(ステップS
T53)、カウンタCoの値から「1」を減算して(ス
テップST54)、回復指令受信時のインク吸引処理を
終了する。また、カウンタCoの値が「0」よりも小さ
ければ、第2の通常ヘッド回復処理Mを行い、回復指令
受信時のインク吸引処理を終了する。
【0063】従って、マニュアルスイッチ64やホスト
コンピュータ65によってヘッド回復処理を行うように
指示された際に、初期充填後ヘッド回復処理Sが3回に
満たない場合には、初期充填後ヘッド回復処理Sが繰り
返される。逆に、初期充填後ヘッド回復処理Sが既に3
回行われている場合には、第2の通常回復処理Mが行わ
れる。
【0064】ここで、本例では、例えば初期充填後ヘッ
ド回復処理Sでのインク吸引量V1は3ccであり、第2
の通常ヘッド回復処理Mでのインク吸引量V3は1ccと
されている。
【0065】図8は、図6のステップST32における
インク吸引処理を示すフローチャートである。このイン
ク吸引処理では、まず、ステップST61においてカウ
ンタCoの値を判別し、カウンタCoの値が「0」より
も大きければ初期充填後ヘッド回復処理Sを行い(ステ
ップST63)、カウンタCoの値から「1」を減算し
て(ステップST64)、インク吸引処理を終了する。
また、カウンタCoの値が「0」よりも小さければ、第
1の通常ヘッド回復処理Aを行う(ステップST6
2)。
【0066】従って、前回のインク吸引処理から10時
間経過した際に、初期充填後ヘッド回復処理Sが3回行
われていなければ初期充填後ヘッド回復処理Sを行い、
そうでない場合には、第1の通常ヘッド回復処理Aが行
われる。ここで、第1の通常ヘッド回復処理Aでのイン
ク吸引量V2は0.1ccに設定されている。
【0067】次に、再び、図6のフローチャートに戻っ
て説明すると、電源投入時にインク初期充填処理が既に
行われている場合には、図9のフローチャートに示す電
源ON直後のインク吸引処理を行う(ステップST2
6)。
【0068】図9を参照して説明すると、電源ON直後
のインク吸引処理では、まず、ステップST41におい
て、カウンタCoの値が「0」よりも大きいかを判別す
る。カウンタの値が「0」ならば、初期充填後ヘッド回
復処理Sが既に3回分実施されているので、ステップS
T42において、第2の計時手段67によって計数され
た前回のインク吸引処理からの経過時間が第2の時間T
2以上であるかを判別する。ここで、第2の時間T2は
1週間に設定されている。
【0069】前回のインク吸引処理からの経過時間が1
週間未満の場合には、ステップST43において、第2
の計時手段67によって計数された前回のインク吸引処
理からの経過時間が第1の時間T1(前述した10時
間)以上であるかを判別し、経過時間が10時間未満で
あれば処理を終了する。
【0070】ステップST42において、前回のインク
吸引処理からの経過時間が1週間以上であれば第3の通
常ヘッド回復処理Bを行う(ステップST45)。前回
のインク吸引処理から1週間以上も経過していれば、イ
ンク流路11の内部には増粘したインクや多量の残留気
泡が存在しているので、インク流路11内にインクを全
体的に排出しないと、記録ヘッド3の内部のインクの状
態を正常な状態に回復させることができない。そこで、
この第3の通常ヘッド回復処理Bでのインク吸引量V4
は、初期充填後ヘッド回復処理Sにおける1回のインク
吸引量V1よりも多い7ccに設定されている。
【0071】また、前回のインク吸引処理からの経過時
間が1週間未満であっても10時間以上であれば、前述
した第1の通常ヘッド回復処理Aを行う(ステップST
44)。
【0072】次に、ステップST41において、カウン
タCoの値が「0」よりも大きければ、初期充填後ヘッ
ド回復処理がまだ3回実施されていないので、ステップ
ST46において、第2の計時手段67によって計数さ
れた前回のインク吸引処理からの経過時間が第2の時間
(前述した1週間)以上であるかを判別する。1週間未
満であれば、初期充填後ヘッド回復処理Sを行い(ステ
ップST48)、カウンタCoの値から「1」を減算す
る(ステップST49)。
【0073】しかるに、1週間以上経過していれば、こ
の代わりに、多量のインクを吸引する第3の通常ヘッド
回復処理Bを行い(ステップST47)、カウンタCo
の値から「1」を減算し、処理を終了する。
【0074】本例のインク吸引制御動作においても、イ
ンク初期充填後には、多量のインクを吸引する初期充填
後ヘッド回復処理を繰り返し実行しているので、インク
流路内の残留気泡を確実に排出できる。
【0075】また、本例の制御では、最後のインク吸引
処理から1週間以上もの間放置された状態においても多
量のインクを吸引して排出する第3の通常ヘッド回復処
理を実行している。従って、長期間に亘り記録ヘッドが
放置された後の印刷時においても、印刷不良を起こすこ
となく、印刷を開始できるという利点がある。
【0076】(さらに別の実施形態)初期充填後、電源
スイッチ109がオフされ、インクジェット記録装置の
電源がオフされたとしても、タイマー106の電源をバ
ックアップ電池107によりバックアップすることによ
り、初期充填後1時間経過後にプリンタがオンされたと
き、初期充填後ヘッド回復処理を行うこともできる。
【0077】初期充填後、1時間経過後に初期充填後ヘ
ッド回復処理を行うのは、インク流路の淀み部にたまっ
た、細かく分断された気泡が1時間以内に凝集し、数個
の大きな気泡にまとまることによる。気泡サイズは、初
期充填後徐々に成長し、1時間経過後、インク流路が気
泡で閉じられてしまい、記録ヘッドにインクが供給され
なくなり、ドット抜けが生じる。(図12参照) ここで、インク供給管の径1.4mmであり、段差部の
最大径は、3.3mmである。下表に示すように、初期
充填後、気泡の径は、徐々に成長する。
【0078】
【表1】
【0079】上の表で、気泡サイズが0.2mm程度の
ときは、気泡が接続部の段差部等に滞留し、インク流路
中に出現しないため、ノズルまたはインク室に気泡が到
達せず、ノズルからインクの吐出ができなくなる(吐出
不良になる)ことはない。また、仮にインク流路中に気
泡が出現しても、気泡サイズが小さいため、気泡はイン
ク流路中に漂い、インク室に到達しない。
【0080】一方、気泡サイズが3.3mm程度で、気
泡の個数が1個のときは、段差部等に滞留していた気泡
がインク流路に出現し、インク供給管の径全体を気泡で
覆ってしまい、流路を閉塞し、インク供給ができなくな
ってしまう。また、このときは、少量のインク吸引処理
により、気泡をインク流路からインク室まで運搬させる
ことができる。しかし、通常のインク吸引処理を行い、
少量のインク量を吸引すると、気泡がインク室にとどま
り、ノズルから外にはでてこないため、圧力室をたわま
せることによりノズルから吐出する方式の本発明のイン
クジェットヘッドでは、吐出できなくなってしまう。
【0081】このため、本実施形態では、図11に示す
処理を行う。 図11は、本発明のさらに別の実施形態
を示すフローチャートである。
【0082】図11のフローチャートのスタートに入る
前、すなわち、工場出荷時、ユーザにインクジェット記
録装置が手に入る前、インク初期充填済みフラグFI
と、インク初期充填後回復処理フラグSCLをリセット
しておく。
【0083】また、インクジェット記録装置全体の電源
をオフしても、タイマー106はカウントし続けるよう
に、タイマー106はバックアップ電池107によりバ
ックアップされている。タイマー106は、初期充填フ
ラグFIがセットされてからカウントを開始する。ま
た、タイマー106は、マニュアルクリーニングや、通
常のインク吸引処理がなされてから別のカウントを開始
する。
【0084】スタートし、ステップST101で、プリ
ンタの電源がオンされることを待つ。プリンタの電源が
オンされたとき(ST101Yes)、ST102でイ
ンクカートリッジが正規な場所に装着されているかどう
か判断する。インクカートリッジが装着されていない場
合(ST102No)、カートリッジ未装着警告を行う
(ST103)。
【0085】また、インクカートリッジが装着されてい
れば(ST102Yes)、インクエンド検出器によ
り、インクタンク内にインクが残っているかどうか判断
する(ST104)。インクがほとんど残っていない場
合(ST104No;インクエンド)、インクエンド警
告を行う(ST105)。
【0086】インクタンクにインクがある場合(ST1
04Yes)、EEPROM108内の初期充填済みフ
ラグがセットされているかどうか判断する(ST10
6)。ステップST106において、インク初期充填済
みフラグFIがセットされていない場合(ST106N
o)、インク初期充填処理に進む(ST110)。ステ
ップST110では、インクカートリッジからノズルま
でインクが初期充填されるのに必要なだけ(本実施形態
では15ml)、インク初期充填を行い、必要な量の初期
充填がなされるまで待つ(ST111)。インクの吸引
量は、インク吸引時間にほぼ比例するため、インクポン
プの作動時間をタイマー設定により決定することによ
り、必要な量のインクを吸引することができる。また、
インクポンプをステップモータにより回転させており、
インク吸引量は、ステップモータのステップ数にほぼ比
例するため、ステップ数を決定することにより、必要な
量のインクを吸引することもできる。従って、ステップ
ST111では、あらかじめ決められたタイマー106
のカウント量またはステップモータのステップ数が所定
の量に達したかどうかにより、初期充填が行われたかど
うかを判断することになる。
【0087】初期充填が終了した場合(ST111Ye
s)、初期充填済みフラグFIをセットし(ST11
2)、初期充填後経過時間を測定するためのタイマー1
06のカウントを開始する(ST113)。
【0088】もし、ここで、タイマー106のカウント
が1時間経過する前に、インクジェット記録装置の電源
スイッチがオフされたとしても(ST114Yes)、
初期充填後経過時間を測定するためのタイマー106の
カウントは中止せず、カウントし続け(ST115)、
に戻りプリンタの電源がオンになるまで待つ(ST1
01)。インク初期充填後回復処理をせず(SCLリセ
ット;ST107No)に、プリンタの電源がオフされ
ている間に1時間経過してしまった場合(ST109Y
es)は、即、インク初期充填後の回復処理CLを行う
ことになる(ST117)。また、プリンタの電源がオ
フされている間に1時間経過しない場合は、1時間経過
を待ち(ST109Yes→No)、同様の処理を行
う。
【0089】一方、初期充填が終了し(ST111Ye
s)た後、インクジェット記録装置の電源がオンのまま
1時間経過した場合(ST116Yes)、インク初期
充填後回復処理CLを行う(ST117)。本実施形態
では、成長した気泡をインクノズルから吸い出すのに十
分な量として3ml吸引する。そして、インク初期充填
後回復処理済みフラグSCLをセットし(ST11
8)、初期充填処理を終了し、通常の印字処理(ST1
19)へ向かう。
【0090】次にプリンタの電源がオンされた場合、初
期設定を行い(ST102,ST104)、インク初期
充填済みフラグFIがセットされているかどうか判断す
る(ST106)。インク初期充填済みフラグFiがセ
ットされているため(ST106Yes)、インク初期
充填後回復処理済みフラグSCLがセットされいるかど
うか判断し(ST107)、SCLがセットされている
ため(ST107Yes)、通常の印字処理に向かう
(ST108)。
【0091】この実施形態では、ノズル31からのイン
ク吸引量は、以下の通りである。
【0092】(1)インク初期充填では、15mlのイ
ンク量をインクタンクからノズルまで充填する。
【0093】(2)インク初期充填後、1時間経過した
場合、初期充填後吸引処理Clとして、3mlのインク
量をノズルから吸引する。
【0094】(3)前回の吸引処理からの経過時間をイ
ンクジェット記録装置の電源がオフされているときもタ
イマー106によりカウントしておき、前回からの経過
時間が1週間以上であるときは、吸引処理Bとして7m
lのインク量をノズルから吸引する。
【0095】(4)同様に、前回からの経過時間が10
時間以上1週間未満の場合、インク吸引処理Aとして
0.1mlのインク量をノズルから吸引する。
【0096】(5)マニュアルクリーニングスイッチ6
4がオンされたときは、タイマー106のそれまでのカ
ウント量に関わらず、インク吸引処理Mとして、1ml
のインク量をノズルから吸引する。
【0097】なお、上記(3)〜(5)のインク吸引処
理B、A、Mは、インク初期充填時の微細気泡形成→気
泡成長、段差部での気泡滞留→気泡が流路に出現といっ
た、本実施形態の課題とは無関係であり、詳細は省略す
る。
【0098】(その他の実施の形態)インク吸引動作と
しては、初期充填後ヘッド回復処理を、インク初期充填
直後に行うと共に、一定の時間経過後に再度行うように
してもよい。
【0099】また、初期充填後ヘッド回復処理における
インク吸引量は、インク流路の容量等に応じて個々具体
的に最適値を設定すべきものである。同様に、インク初
期充填後の経過時間についても、上記の例の1時間に限
定されるものではなく、個々具体的に最適な時間を設定
すべきものである。
【0100】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、インク初期充填後にインク流路内に残存している多
量の気泡を確実に外部に排出できるので、このような残
留気泡に起因した印刷不良を確実に回避できる。
【0101】また、本発明では、インク初期充填処理が
行われてから所定の時間が経過した後に、このような初
期充填後ヘッド回復処理を実行しているので、インク初
期充填時にインク流路中に滞留していた気泡も確実にノ
ズル外部に排出でき、残留気泡に起因した印刷不良をよ
り確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置を示
す斜視図である。
【図2】図1に示す装置の主要部を示す斜視図である。
【図3】図1に示す装置のインク供給機構を示す斜視図
である。
【図4】(A)は図3のX−X線で切断した部分を示す
断面図、(B)は図3のY−Y線で切断した部分を示す
断面図である。
【図5】図1に示す装置のインク吸引制御動作のフロー
チャートである。
【図6】インク吸引制御動作の別の例を示すフローチャ
ートである。
【図7】図6の回復指令受信時のインク吸引処理を示す
フローチャートである。
【図8】図6の所定時間経過時のインク吸引処理を示す
フローチャートである。
【図9】図6の電源ON直後のインク吸引処理を示すフ
ローチャートである。
【図10】本発明のブロック図である。
【図11】本発明の別の実施例を示すフローチャートで
ある。
【図12】気泡のインク流路を閉塞している状態を示す
図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 3 記録ヘッド 6 インク吸引機構 7 インクカートリッジ 8 インク供給管 9 圧力減衰器 10 インク供給機構 11 インク流路 31 インクノズル 61 ポンプ 62 キャップ 63 駆動制御装置 64 マニュアルスイッチ 65 ホストコンピュータ 66 第1の計時手段 67 第2の計時手段 72 インク袋(インクタンク) Co カウンタ FI フラグ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク液滴を吐出するインクノズルを備
    えた記録ヘッドと、 インクを貯留したインクタンクと、 このインクタンクから前記記録ヘッドにインクを供給す
    るためのインク流路と、 前記インクノズルからインクを吸引する少なくともノズ
    ル閉鎖部材とインクポンプとを有するインク吸引ユニッ
    トと、を有するインクジェット記録装置において、 前記インク吸引ユニットは、前記インクタンクの側から
    前記インク流路を介して前記記録ヘッドにインクが初期
    充填された後に、インクを吸引する初期充填後ヘッド回
    復処理をさらに行うことを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記初期充填後ヘッド回復処理のインク吸引量は、通常
    のヘッド回復処理におけるインク吸引量よりも多いこと
    を特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記初期充填後ヘッド回復処理は、インクが初期充填さ
    れた時点から予め定めた経過時間後に行われることを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のうちのいずれかの項
    において、 前記初期充填後ヘッド回復処理を複数回繰り返して行う
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 インクジェット記録装置の記録ヘッドへ
    のインク初期充填方法において、 前記記録ヘッドのインクノズルにインクを供給するイン
    ク流路に対してインクの初期充填を行う工程と、 この初期充填を行った時点から所定の時間経過したかど
    うか判断する工程と、 所定時間経過したとき、前記インクノズルからインクを
    吸引して排出する初期充填後ヘッド回復処理を行う工程
    と、を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置
    のインク初期充填方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記初期充填後ヘッ
    ド回復処理工程におけるインク吸引量は、通常のヘッド
    回復処理工程におけるインク吸引量よりも多いことを特
    徴とするインクジェット記録装置のインク初期充填方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、 前記初期充填後ヘッド回復処理工程を複数回繰り返して
    行うことを特徴とするインクジェット記録装置のインク
    初期充填方法。
  8. 【請求項8】 インクを貯留するインクタンクと、 ノズルからインクを吐出して、被印字媒体に文字を印字
    するインクジェットヘッドと、 前記インクタンクからインクの供給を受け、前記インク
    ジェットヘッドにインクを供給するインク流路と、 前
    記インクタンクから前記ノズルまでインクを初期充填す
    るため、前記ノズルからノズルキャップを介して吸引す
    るインク吸引ユニットと、を備え、 前記インク吸引ユニットは、前記初期充填したとき、前
    記インク流路中に滞留する気泡が、所定のサイズまで成
    長した後、前記ノズルから所定量のインクを吸引するこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記インクタンクと前記ノズルまでの途中のインク流路
    の途中に、インク流路の径がステップ的に変化する段差
    構造を有し、 前記気泡が、前記段差構造部を全面的に覆うサイズまで
    成長した後、前記所定量のインクを吸引することを特徴
    とするインクジェット記録装置。
JP11200873A 1998-07-15 1999-07-14 インクジェット記録装置及びその初期充填方法 Pending JP2000085153A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11200873A JP2000085153A (ja) 1998-07-15 1999-07-14 インクジェット記録装置及びその初期充填方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20101198 1998-07-15
JP10-201011 1998-07-15
JP11200873A JP2000085153A (ja) 1998-07-15 1999-07-14 インクジェット記録装置及びその初期充填方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000085153A true JP2000085153A (ja) 2000-03-28
JP2000085153A5 JP2000085153A5 (ja) 2004-08-12

Family

ID=26512445

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11200873A Pending JP2000085153A (ja) 1998-07-15 1999-07-14 インクジェット記録装置及びその初期充填方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000085153A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283587A (ja) * 2001-02-28 2002-10-03 Tally Computerdrucker Gmbh インク式プリンタのインク供給系の充填方法と装置
JP2006198846A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Seiko Epson Corp 充填方法、及び液体吐出装置
KR100766986B1 (ko) 2005-01-17 2007-10-15 세이코 엡슨 가부시키가이샤 기능 액적 토출 헤드의 초기 충전 방법, 기능 액적 토출 헤드의 초기 충전 장치, 기능 액적 토출 헤드, 기능액 공급 장치, 액적 토출 장치, 전기 광학 장치의 제조 방법, 및 전기 광학 장치
JP2010046806A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2013022886A (ja) * 2011-07-23 2013-02-04 Canon Inc インクジェット記録装置
JP2014240177A (ja) * 2013-03-29 2014-12-25 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
CN105939859A (zh) * 2014-01-31 2016-09-14 惠普发展公司,有限责任合伙企业 供墨源及其准备方法
JP2018099890A (ja) * 2013-03-29 2018-06-28 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05201027A (ja) * 1990-10-12 1993-08-10 Seiko Epson Corp インクジェット記録装置
JPH06238914A (ja) * 1993-02-12 1994-08-30 Canon Inc インクジェット記録装置の吸引動作制御方法およびインクジェット記録装置
JPH0890791A (ja) * 1994-07-28 1996-04-09 Canon Inc インクジェット記録装置、その回復方法及び情報処理システム
JPH08267785A (ja) * 1995-03-31 1996-10-15 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
JPH09327929A (ja) * 1996-06-07 1997-12-22 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
JPH10157119A (ja) * 1996-12-03 1998-06-16 Canon Inc 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05201027A (ja) * 1990-10-12 1993-08-10 Seiko Epson Corp インクジェット記録装置
JPH06238914A (ja) * 1993-02-12 1994-08-30 Canon Inc インクジェット記録装置の吸引動作制御方法およびインクジェット記録装置
JPH0890791A (ja) * 1994-07-28 1996-04-09 Canon Inc インクジェット記録装置、その回復方法及び情報処理システム
JPH08267785A (ja) * 1995-03-31 1996-10-15 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
JPH09327929A (ja) * 1996-06-07 1997-12-22 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置
JPH10157119A (ja) * 1996-12-03 1998-06-16 Canon Inc 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283587A (ja) * 2001-02-28 2002-10-03 Tally Computerdrucker Gmbh インク式プリンタのインク供給系の充填方法と装置
KR100766986B1 (ko) 2005-01-17 2007-10-15 세이코 엡슨 가부시키가이샤 기능 액적 토출 헤드의 초기 충전 방법, 기능 액적 토출 헤드의 초기 충전 장치, 기능 액적 토출 헤드, 기능액 공급 장치, 액적 토출 장치, 전기 광학 장치의 제조 방법, 및 전기 광학 장치
JP2006198846A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Seiko Epson Corp 充填方法、及び液体吐出装置
JP4635618B2 (ja) * 2005-01-19 2011-02-23 セイコーエプソン株式会社 充填方法、及び液体吐出装置
JP2010046806A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2013022886A (ja) * 2011-07-23 2013-02-04 Canon Inc インクジェット記録装置
JP2014240177A (ja) * 2013-03-29 2014-12-25 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2018099890A (ja) * 2013-03-29 2018-06-28 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
CN105939859A (zh) * 2014-01-31 2016-09-14 惠普发展公司,有限责任合伙企业 供墨源及其准备方法
US10076908B2 (en) 2014-01-31 2018-09-18 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink supplies and methods to prepare ink supplies

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2946725B2 (ja) インクジェット式記録装置
US6361138B1 (en) Ink jet printing apparatus and ink cartridge
EP0552472B1 (en) Ink-expelling restoring device and method for ink jet printer
EP0442438A2 (en) Ink jet recording apparatus
JP3601102B2 (ja) インクジェット式印刷記録装置と印字システム
EP0972644B1 (en) Ink jet printer and ink priming method therefor
JP2007050525A (ja) クリーニング処理装置、インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタのクリーニング処理方法
US8070253B2 (en) Head cleaning method for an inkjet printer and an inkjet printer
JP3613313B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2000085153A (ja) インクジェット記録装置及びその初期充填方法
EP0972642A1 (en) Ink jet recording apparatus and method of maintaining it
JP3695502B2 (ja) インクジェット式記録装置および同装置における記録ヘッドのクリーニング制御方法
JP3757627B2 (ja) インクジェット記録装置およびそのインク吸引処理方法
JP3731472B2 (ja) 印刷装置およびその制御方法、ならびにプログラムを記録した記録媒体
JP5471312B2 (ja) 画像形成装置
US6312088B1 (en) Ink jet recording apparatus
JP3888384B2 (ja) インクジェット記録装置及びその回復処理方法
JP4038896B2 (ja) 印刷装置およびそのリセット時における制御方法
JPH10272787A (ja) インクジェット記録装置
JP3794209B2 (ja) インクジェット記録装置及びその回復処理方法
US11491793B2 (en) Liquid ejecting apparatus and maintenance method for liquid ejecting apparatus
JP2002103591A (ja) インク吐出型記録装置及びその記録ヘッドの回復処理動作の制御方法
JPH05169675A (ja) インクジェット記録装置及びその回復方法
JP2005022167A (ja) インクジェット記録装置
JP4000778B2 (ja) インクジェット式記録装置用の報知装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070214

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070620

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070813

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080305

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080331

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080501

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080509

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080627