JP3558475B2 - ダンパー機構 - Google Patents

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0273Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
    • F16H2045/0294Single disk type lock-up clutch, i.e. using a single disc engaged between friction members

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  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力側回転体から出力側回転体にトルクを伝達しつつ振動を減衰するダンパー機構、特にトルクコンバータのロックアップクラッチに含まれるロックアップダンパー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にダンパー機構は、入力側回転体から出力側回転体にトルクを伝達しつつ、入力側回転体から出力側回転体に伝わる振動を吸収・減衰する。このダンパー機構の一例として、トルクコンバータ内部に配置されるロックアップクラッチに含まれるロックアップダンパー機構がある。
【0003】
トルクコンバータは、3種の羽根車(インペラ,タービン,ステータ)を内部に有し、内部の作動油によりトルクを伝達する装置である。インペラはエンジン側のシャフトに連結されたフロントカバーに固定されており、インペラからタービンに流れる作動油によりトルクがタービンに連結されるトランスミッション側のシャフトに伝えられる。
【0004】
ロックアップクラッチは、フロントカバーとタービンとの間に配置されており、フロントカバーとタービンとを機械的に連結してエンジン側からトランスミッション側にトルクを直接伝達するためのものである。
通常、このロックアップクラッチに含まれるロックアップダンパー機構は、フロントカバーに圧接可能なピストン部材と、ピストン部材に固定されるリティニングプレートと、リティニングプレートにスプリングシートを介して支持されるトーションスプリングと、トーションスプリングにより回転方向にピストン部材と弾性的に連結されるドリブン部材とを有している。ドリブン部材は、トランスミッション側のシャフトに連結しているタービンに固定されている。スプリングシートは、トーションスプリングの両端部を支持し、リティニングプレートなどに当接可能であり、トーションスプリングの回転方向の移動を規制している部材である。
【0005】
ロックアップクラッチが作動すると、トルクはフロントカバーからピストン部材に伝達され、トーションスプリングを介してタービンに伝わる。また、ロックアップダンパー機構によって、トーションスプリングがドリブン部材とピストン部材に固定されるリティニングプレートとの間で伸縮を繰り返しながらリティニングプレートと摺動して振動を吸収・減衰する。
【0006】
一方、このようなロックアップダンパー機構の存在はトルクコンバータの軸方向の寸法を増大させる。これに対し、トルクコンバータの軸方向寸法を短くする目的で、従来ロックアップダンパー機構の径方向中間部に配置されていたトーションスプリングをスペースに比較的余裕がある外周部に配置したロックアップダンパー機構を有するトルクコンバータが提供されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような外周部にトーションスプリングを配置したロックアップダンパー機構を採用すると、トルクコンバータの軸方向寸法は小さくなるが、径方向中間部にトーションスプリングを配置する場合に較べて、捩り角特性を確保しにくいという問題が生じる。すなわち、同じ圧縮可能な寸法を有するトーションスプリングを単に中間部から外周部へと移動させた場合、入力側回転体と出力側回転体との相対回転可能な角度が小さくなり、ロックアップダンパー機構の捩り角特性が狭くなる。これにより、特にエンジンの低回転域における振動の吸収性が低下する。
【0008】
このような問題を解決する方法として、2つ以上の弾性部材を中間部材等を介して直列に配置し、弾性部材全体としての圧縮可能な寸法を大きくして、ロックアップダンパー機構に広い捩り角特性を確保することが考えられる。
しかし、単に両弾性部材を連結し得るような中間部材を弾性部材間に配置しただけでは、中間部材を含む弾性部材の連結部分の位置が安定しない。このため、弾性部材の伸縮の繰り返し時に、この連結部分が径方向外側に移動して、あるいはトルクコンバータの軸方向に移動して、他の部材と干渉したり摺動して余分な摩擦抵抗を発生したりする恐れがある。これでは、ロックアップダンパー機構に安定したダンパー特性を期待できない。
【0009】
本発明の課題は、広い捩り角特性の確保のために中間部材を介して直列に連結された2つ以上の弾性部材を外周部に配置したダンパー機構において、中間部材を含む弾性部材の連結部分の移動を規制して、ダンパー特性を安定させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のダンパー機構は、入力側回転体から出力側回転体にトルクを伝達しつつ、入力側回転体から出力側回転体に伝わる振動を減衰するダンパー機構であって、入力側部材と、出力側部材と、直列に配置された少なくとも2つの弾性部材と、中間部材と、軸方向規制部材とを備えている。入力側部材は入力側回転体に連結される。出力側部材は出力側回転体に連結される。弾性部材は、ダンパー機構の外周部に配置されており、回転方向に対して入力側部材と出力側部材とを弾性的に連結する。中間部材は、中間支持部と環状の連結部とを有しており、入力側部材及び出力側部材に対して相対回転可能となっている。中間部材の中間支持部は、隣接する弾性部材間に配置され、隣接する弾性部材の端部を支持する。中間部材の環状の連結部は、中間支持部の径方向外側への移動を規制する。軸方向規制部材は、中間部材がダンパー機構の軸方向に移動することを規制する。さらに中間支持部は、弾性部材の端部に嵌合し、中間支持部に対して弾性部材の径方向および軸方向への移動を規制する挿嵌部を有している。
【0011】
このダンパー機構では、弾性部材がダンパー機構の外周部に配置されているが、2つ以上の弾性部材が中間部材の中間支持部を介して直列に配置されているため、弾性部材全体としては圧縮可能な寸法が大きくなっており、広い捩り角特性が確保されている。
また、中間部材の環状の連結部は、中間支持部を介して、隣接する弾性部材の中間支持部側の端部が径方向外側に移動することを規制する。さらに、この隣接する弾性部材の中間支持部側の端部は、中間部材を介して、軸方向規制部材によってダンパー機構の軸方向の移動が規制される。したがって、隣接する弾性部材の中間支持部側の端部及び中間部材のダンパー機構における位置が安定する。このため、弾性部材の伸縮の繰り返し時に、隣接する弾性部材の中間支持部側の端部や中間部材が遠心力等により径方向外側に移動することあるいはダンパー機構の軸方向に移動することが抑えられる。これにより、隣接する弾性部材の中間支持部側の端部や中間部材が、他の部材と干渉したり、他の部材と摺動して余分な摩擦抵抗を発生したりすることが抑えられ、ダンパー機構の特性が安定する。
【0012】
なお、軸方向規制部材が中間部材の径方向に対する移動をも規制すれば、中間部材のダンパー機構における位置がより安定する。
請求項2に記載のダンパー機構は、請求項1に記載のダンパー機構において、軸方向規制部材は入力側部材あるいは出力側部材に固定されている。
請求項3に記載のダンパー機構は、入力側回転体から出力側回転体にトルクを伝達しつつ、入力側回転体から出力側回転体に伝わる振動を減衰するダンパー機構であって、入力側部材と、出力側部材と、直列に配置された少なくとも2つの弾性部材と、中間部材と、支持部材とを備えている。入力側部材は入力側回転体に連結される。出力側部材は出力側回転体に連結される。弾性部材は、ダンパー機構の外周部に配置されており、回転方向に対して入力側部材と出力側部材とを弾性的に連結する。中間部材は、中間支持部を有しており、入力側部材及び出力側部材に対して相対移動可能となっている。中間部材の中間支持部は、隣接する弾性部材間に配置され、隣接する弾性部材の端部を支持する。支持部材は、中間部材が入力側部材及び出力側部材に対して回転方向に相対移動可能なように中間部材を支持しつつ、中間部材がダンパー機構の軸方向に移動すること及び中間部材が径方向に移動することを規制する。さらに中間支持部は、弾性部材の端部に嵌合し、中間支持部に対して弾性部材の径方向および軸方向への移動を規制する挿嵌部を有している。
【0013】
このダンパー機構では、弾性部材がダンパー機構の外周部に配置されているが、2つ以上の弾性部材が中間部材の中間支持部を介して直列に配置されているため、弾性部材全体としては圧縮可能な寸法が大きくなっており、広い捩り角特性が確保されている。
また、隣接する弾性部材の中間支持部側の端部は、中間部材の中間支持部を介して、ダンパー機構の軸方向の移動及び径方向への移動が規制される。したがって、隣接する弾性部材の中間支持部側の端部のダンパー機構における位置が安定する。このため、弾性部材の伸縮の繰り返し時に、隣接する弾性部材の中間支持部側の端部や中間部材が遠心力等により径方向に移動することあるいはダンパー機構の軸方向に移動することが抑えられる。これにより、隣接する弾性部材の中間支持部側の端部や中間部材が、他の部材と干渉したり、他の部材と摺動して余分な摩擦抵抗を発生したりすることが抑えられ、ダンパー機構の特性が安定する。
【0014】
請求項4に記載のダンパー機構は、請求項3に記載のダンパー機構において、支持部材は入力側部材あるいは前記出力側部材に固定されている。
請求項5に記載のダンパー機構は、請求項1から4のいずれかに記載のダンパー機構において、複数の弾性部材のうち少なくとも1つは他の弾性部材の剛性と異なった剛性を有している。
【0015】
ここでは、直列に配置する弾性部材に剛性の異なるものを採用できる。例えば、それぞれ剛性の異なる2つの弾性部材を直列に配置することにより、2段階のダンパー特性が得られる。また、剛性の異なる2つの弾性部材を直列に配置したものと、剛性の等しい2つの弾性部材を直列に配置したものとを組み合わせてダンパー特性を設定することも可能である。このように、それぞれの弾性部材の剛性を組み合わせたり、それぞれの弾性部材に減衰させる振動領域を振り分けたりすることによって、広い領域にわたる振動を効率的に減衰させることが可能となる。
【0016】
請求項6に記載のダンパー機構は、トルクコンバータのロックアップクラッチに含まれるロックアップダンパー機構であって、請求項1から5のいずれかに記載のダンパー機構において、入力側部材あるいは出力側部材は、外周部に、弾性部材の少なくとも径方向外側への移動を規制する径方向規制部材を有している。ここでは、ダンパー機構がトルクコンバータにおけるロックアップダンパー機構であり、弾性部材をダンパー機構の外周部に配置することによるメリット(トルクコンバータの軸方向寸法減少)が特に大きい。なお、中間部ではなく外周部に弾性部材を配置していることから弾性部材等に作用する遠心力が増大するため、規制部材を設けて弾性部材等の径方向の移動を規制する。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の一実施形態であるロックアップダンパー機構50を、図1〜4に示す。このロックアップダンパー機構50は、トルクコンバータのロックアップクラッチに含まれるダンパー機構である。図1は、ドリブン部材52を除いたロックアップダンパー機構50の一部切欠き平面図である。図2〜図4は、図1の部分断面図である。
【0018】
このロックアップダンパー機構50は、トルクコンバータのフロントカバー3からのトルクを機械的にトルクコンバータのタービン5に伝達するロックアップクラッチにおいて、入力された振動を吸収・減衰するための機構である。ロックアップダンパー機構50は、主として、入力側部材であるピストン部材51と、出力側部材であるドリブン部材52と、大コイルスプリング53a及び小コイルスプリング53bとから成る弾性部材である4組のコイルスプリング53と、径方向規制部材であるリティニングプレート54と、中間部材55と、軸方向規制部材である押さえプレート57とから構成されている。
【0019】
ピストン部材51は、トルクコンバータ本体内の油圧を制御することで、フロントカバー3側に接近あるいはフロントカバー3から離反する部材である。ピストン部材51は円板状の部材であり、外周筒部51aと内周筒部51bとを有している。外周筒部51aと内周筒部51bはトランスミッション側(図2〜4の右側)に延びている。内周筒部51bはタービン5の内周部と固定されているタービンハブ(図示せず)の外周面に相対回転自在にかつ軸方向に移動可能に支持されている。ピストン部材51の外周部の側面には、フロントカバー3の摩擦面に対向する位置に円板状の摩擦フェーシング20が固定されている。
【0020】
リティニングプレート54は、後述する4組のコイルスプリング53をピストン部材51側に保持するための部材である。リティニングプレート54は、ピストン部材51の外周筒部51aより内側に配置されている。リティニングプレート54は、図3に示すような断面弧状の外周曲がり部54aを有している。外周曲がり部54aの外周面は外周筒部51aの内周面に当接している。外周曲がり部54aを円周方向に等間隔で4分割する位置には、内周側に延びる固定部54dが形成されている。これらの4つの固定部54dは、内周部分がそれぞれ2つのリベット59によりピストン部材51に固定されている。また、外周曲がり部54aのトランスミッション側の端部からは内周側に入力側支持部54bが延びており、固定部54dの径方向中間部分からはトランスミッション側に突出する入力側支持部54cが形成されている。
【0021】
ドリブン部材52は環状のプレート部材であり、溶接によりタービン5のシェル外周部分に固定されている。ドリブン部材52からは、4本の出力側支持部52aが図2に示すようにエンジン側に突出している。出力側支持部52aはリティニングプレート54の入力側支持部54b,54cの径方向の間に配置されている。
【0022】
コイルスプリング53は、トルク伝達を行うともに、エンジンの回転変動により生じる微少捩じり振動やクラッチ連結時のショックによる振動などを吸収・減衰するための部材である。ここでは、大小2種類の大コイルスプリング53a,小コイルスプリング53bによりコイルスプリング53を形成しており、2段階のダンパー特性が得られている。大コイルスプリング53aと小コイルスプリング53bとは、後述する中間部材55の中間支持部55aを間に介して直列に配置されている。コイルスプリング53の両端、すなわち大コイルスプリング53aの一端及び小コイルスプリング53bの一端にはシート部材56が装着されており、このコイルスプリング53の両端は、ドリブン部材52の出力側支持部52a及びリティニングプレート54の入力側支持部54b,54cと係止し得る状態に配置される。このように、コイルスプリング53は、リティニングプレート54を介して、ピストン部材51とドリブン部材52とを回転方向に弾性的に連結する。
【0023】
中間部材55は、4組のコイルスプリング53の連結部分を径方向に連結することで、この連結部分が径方向外側に移動するのを規制するための部材である。中間部材55は、図1及び図5に示すように、環状プレート55bと、円周方向4カ所で環状プレート55bから外周側に突出する中間支持部55aと、円周方向8カ所で環状プレート55bに設けられるスプリング内周支持部55cとから構成されている。環状プレート55bは、コイルスプリング53の内周側でリティニングプレート54とタービン5との軸方向間に、リティニングプレート54及びタービン5に対して相対回転自在に配置されている。中間支持部55aには、円周方向に沿って大コイルスプリング53a側に延びる挿嵌部55dと円周方向に沿って小コイルスプリング53b側に延びる挿嵌部55eとが形成されている。そして、挿嵌部55dが大コイルスプリング53aにはまり、挿嵌部55eが小コイルスプリング53bにはまることにより、大コイルスプリング53a及び小53bが直列に連結される。一方、各中間支持部55aは、環状プレート55bにより径方向に連結されている。したがって、中間支持部55a及び中間支持部55aに支持される大コイルスプリング53a及び小コイルスプリング53bの連結部分は、径方向外側への移動が規制される。スプリング内周支持部55cは、図4に示すように、各コイルスプリング53a,53bの内周側の部分に当接し、各コイルスプリング53a,53bの径方向内側への移動を規制している。
【0024】
押さえプレート57は、図1及び図2に示すように、4枚使用されており、中間部材55の環状プレート55bをピストン部材51及びリティニングプレート54に対して相対回転自在となるように押さえつけ、中間部材55の軸方向の移動を規制している。押さえプレート57は、図6及び図7に示すように円弧状の部材で、3カ所の押さえ部57aが形成されており、1つの第1孔57b及び2つの第2孔57cが設けられている。押さえ部57aは、リティニングプレート54との間に中間部材55を保持することによって、中間部材55の軸方向に対する移動を規制する。なお、押さえプレート57は、第1孔57bを貫通するリベット60及び第2孔57cを貫通するリベット59によってピストン部材51に装着されている。リベット59は、リティニングプレート54をピストン部材51に装着するとともに、押さえプレート57をピストン部材51に装着している。
【0025】
次に、動作について説明する。
ロックアップクラッチ連結中に、フロントカバー3に捩じり振動が入力されると、ピストン部材51とドリブン部材52とが周期的に相対回転し、コイルスプリング53が円周方向に伸縮される。このとき、圧縮されているコイルスプリング53は径方向外方に迫り出そうとし、かつ遠心力により径方向外側に移動しようとする。しかし、コイルスプリング53の連結部分は、中間部材55の中間支持部55aに支持され且つこの中間支持部55aが環状プレート55bにより径方向に連結されているため、径方向外側に移動しにくい。その結果、コイルスプリング53の連結部分と外周曲がり部54aとの摺動が抑えられ、コイルスプリング53と外周曲がり部54aとの間に発生する摩擦抵抗が小さくなり、ロックアップダンパー特性、特に微小捩り振動の吸収性が向上する。
【0026】
また、本実施形態のロックアップダンパー機構50では、中間部材55は押さえプレート57及びリティニングプレート54によって軸方向の移動が規制されている。したがって、中間部材55及び中間支持部55aに支持されるコイルスプリング53の連結部分のロックアップダンパー機構50における軸方向の位置が安定する。このため、コイルスプリング53の伸縮の繰り返し時に、中間部材55やコイルスプリング53の連結部分の他の部材との干渉や、中間部材55やコイルスプリング53の連結部分の他の部材との摺動による余分な摩擦抵抗の発生が抑えられる。このように、本実施形態では、ロックアップダンパー機構50の特性が安定している。
【0027】
[第2実施形態]
上記第1実施形態で採用している中間部材55及び押さえプレート57の代わりに、本実施形態では、中間部材65及び支持部材77を採用する。他の部材は第1実施形態と同じものを使用する。
中間部材65は、コイルスプリング53の連結部分が径方向に移動するのを規制するための部材であり、同じものが4つ使用される。中間部材65は、図8に示すように、弧状プレート65bと、弧状プレート65bから外周側に突出する中間支持部65aとから構成されている。弧状プレート65bは、コイルスプリング53の内周側でリティニングプレート54とタービン5との軸方向間に、リティニングプレート54及びタービン5に対して相対回転自在に配置されている。中間支持部65aには、円周方向に沿って大コイルスプリング53a側に延びる挿嵌部65dと円周方向に沿って小コイルスプリング53b側に延びる挿嵌部65eとが形成されている。そして、挿嵌部65dが大コイルスプリング53aにはまり、挿嵌部65eが小コイルスプリング53bにはまることにより、大コイルスプリング53a及び小コイルスプリング53bが直列に連結される。
【0028】
支持部材77は、図8及び図9に示すように、4枚使用されており、中間部材65の弧状プレート65bをピストン部材51及びリティニングプレート54に対してロックアップダンパー機構50の軸に対する相対回転が自在となるように支持し、かつ中間部材65の軸方向及び径方向に対する移動を規制している。支持部材77は、円弧状の部材で、それぞれ2つの支持部77aが形成されており、1つの第1孔77b及び2つの第2孔77cが設けられている。支持部77aは、図9に示すように、軸方向支持部77d及び径方向支持部77e,77fにより構成されている。径方向支持部77e,77fは、中間部材65の弧状プレート65bの内周面及び外周面と当接し、あるいは所定の隙間をあけて対向し、中間部材65の径方向の移動を規制している。軸方向支持部77dは、弧状プレート65bの出力側側面と当接し、あるいは所定の隙間をあけて対向し、中間部材65の軸方向出力側への移動を規制している。一方、中間部材65の弧状プレート65bの入力側の面はリティニングプレート54と当接あるいは対向しており、これにより中間部材65の軸方向入力側への移動が規制されている。なお、支持部材77は、第1孔77bを貫通するリベット60及び第2孔77cを貫通するリベット59によってピストン部材51に装着されている。
【0029】
次に、動作について説明する。
ロックアップクラッチ連結中に、フロントカバー3に捩じり振動が入力されると、ピストン部材51とドリブン部材52とが周期的に相対回転し、コイルスプリング53が円周方向に伸縮される。このとき、圧縮されているコイルスプリング53は径方向外方に迫り出そうとし、かつ遠心力により径方向外側に移動しようとする。しかし、コイルスプリング53の連結部分は、中間部材65の中間支持部65aに支持され且つこの中間支持部65aが支持部材77により径方向の移動を規制されているため、径方向外側に移動しにくい。その結果、コイルスプリング53の連結部分と外周曲がり部54aとの摺動が抑えられ、コイルスプリング53と外周曲がり部54aとの間に発生する摩擦抵抗が小さくなり、ロックアップダンパー特性、特に微小捩り振動の吸収性が向上する。
【0030】
また、本実施形態のロックアップダンパー機構50では、中間部材65は支持部材77及びリティニングプレート54によって軸方向の移動も規制されている。したがって、中間部材65及び中間支持部65aに支持されるコイルスプリング53の連結部分のロックアップダンパー機構50における軸方向の位置が安定する。このため、コイルスプリング53の伸縮の繰り返し時に、中間部材65やコイルスプリング53の連結部分の他の部材との干渉や、中間部材65やコイルスプリング53の連結部分の他の部材との摺動による余分な摩擦抵抗の発生が抑えられる。このように、本実施形態では、ロックアップダンパー機構50の特性が安定している。
【0031】
【発明の効果】
本発明では、広い捩り角特性の確保のために中間部材を介して直列に連結された2つ以上の弾性部材を外周部に配置したダンパー機構において、軸方向規制部材あるいは支持部材を採用したことにより、中間部材を含む弾性部材の連結部分の移動が規制され、ダンパー特性が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのロックアップダンパー機構の一部切欠き平面図。
【図2】図1のII−II矢視部分断面図。
【図3】図1のIII −III 矢視部分断面図。
【図4】図1のIV−IV矢視部分断面図。
【図5】中間部材の平面図。
【図6】押さえプレートの平面図。
【図7】押さえプレートの側面図。
【図8】第2実施形態の中間部材及び支持部材の平面図。
【図9】図8のIX−IX矢視部分断面図。
【符号の説明】
3 フロントカバー(入力側回転体)
5 タービン(出力側回転体)
50 ロックアップダンパー機構
51 ピストン部材(入力側部材)
52 ドリブン部材(出力側部材)
53 コイルスプリング(弾性部材)
53a 大コイルスプリング
53b 小コイルスプリング
54 リティニングプレート(径方向規制部材)
55 ,65 中間部材
55a,65a 中間支持部
55b,65b 連結部
57 押さえプレート(軸方向規制部材)
77 支持部材
77a 支持部

Claims (6)

  1. 入力側回転体から出力側回転体にトルクを伝達しつつ、前記入力側回転体から前記出力側回転体に伝わる振動を減衰するダンパー機構であって、
    前記入力側回転体に連結される入力側部材と、前記出力側回転体に連結される出力側部材と、
    外周部に配置され、回転方向に対して前記入力側部材と前記出力側部材とを弾性的に連結する、直列に配置された少なくとも2つの弾性部材と、
    隣接する前記弾性部材間に配置され隣接する前記弾性部材の端部を支持する中間支持部と、前記中間支持部の径方向外側への移動を規制する環状の連結部とを有し、前記入力側部材及び前記出力側部材に対して相対回転可能な中間部材と、
    前記中間部材が前記ダンパー機構の軸方向に移動することを規制する軸方向規制部材とを備え、
    前記中間支持部は、前記弾性部材の端部に嵌合し、前記中間支持部に対して前記弾性部材の径方向および軸方向への移動を規制する挿嵌部を有する、ダンパー機構。
  2. 前記軸方向規制部材は前記入力側部材あるいは前記出力側部材に固定されている、請求項1に記載のダンパー機構。
  3. 入力側回転体から出力側回転体にトルクを伝達しつつ、前記入力側回転体から前記出力側回転体に伝わる振動を減衰するダンパー機構であって、
    前記入力側回転体に連結される入力側部材と、
    前記出力側回転体に連結される出力側部材と、
    外周部に配置され、回転方向に対して前記入力側部材と前記出力側部材とを弾性的に連結する、直列に配置された少なくとも2つの弾性部材と、
    隣接する前記弾性部材間に配置され隣接する前記弾性部材の端部を支持する中間支持部を有し、前記入力側部材及び前記出力側部材に対して相対移動可能な中間部材と、
    前記中間部材が前記入力側部材及び前記出力側部材に対して回転方向に相対移動可能なように前記中間部材を支持しつつ、前記中間部材が前記ダンパー機構の軸方向に移動すること及び前記中間部材が径方向に移動することを規制する支持部材とを備え、
    前記中間支持部は、前記弾性部材の端部に嵌合し、前記中間支持部に対して前記弾性部材の径方向および軸方向への移動を規制する挿嵌部を有する、ダンパー機構。
  4. 前記支持部材は前記入力側部材あるいは前記出力側部材に固定されている、請求項3に記載のダンパー機構。
  5. 複数の前記弾性部材のうち少なくとも1つは他の前記弾性部材の剛性と異なった剛性を有している、請求項1から4のいずれかに記載のダンパー機構。
  6. 前記ダンパー機構は、トルクコンバータのロックアップクラッチに含まれるロックアップダンパー機構であり、
    前記入力側部材あるいは前記出力側部材は、外周部に、前記弾性部材の少なくとも径方向外側への移動を規制する径方向規制部材を有している、請求項1から5のいずれかに記載のダンパー機構。
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