JPH10238612A - トルクコンバータのロックアップダンパー - Google Patents

トルクコンバータのロックアップダンパー

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JPH10238612A
JPH10238612A JP4105097A JP4105097A JPH10238612A JP H10238612 A JPH10238612 A JP H10238612A JP 4105097 A JP4105097 A JP 4105097A JP 4105097 A JP4105097 A JP 4105097A JP H10238612 A JPH10238612 A JP H10238612A
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elastic
damper
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JP4105097A
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Koji Kajitani
郊二 梶谷
Yuji Mizukami
裕司 水上
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Exedy Corp
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Exedy Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0273Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type characterised by the type of the friction surface of the lock-up clutch
    • F16H2045/0294Single disk type lock-up clutch, i.e. using a single disc engaged between friction members

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 直列に配置された弾性部材を有するトルクコ
ンバータのロックアップダンパーにおいて、弾性部材と
他の部材との間の摩擦抵抗を減らし、また、弾性部材に
かかる負荷を低減する。 【解決手段】 ロックアップダンパーは、ドライブプレ
ート3、ドリブンプレート5、両プレート3,5の間に
配置される第1コイルスプリング7、両プレート3,5
と第1コイルスプリング7との間に配置される第2コイ
ルスプリング8、及び中間支持部21と第1,第2中間
制限部22a,22bとを有するインターミディエイト
プレート4を備える。中間支持部21は、両コイルスプ
リング7,8の間でこれらを円周方向に支持する。第1
及び第2中間制限部22a,22bは、中間支持部21
から第1及び第2コイルスプリング7,8の内部に長く
延び、第1及び第2コイルスプリング7,8の径方向外
側への移動を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルクコンバータ
のロックアップ機構に含まれる、入力側回転体から出力
側回転体に伝わる振動を吸収あるいは減衰するためのロ
ックアップダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にダンパー機構は、入力側回転体か
ら出力側回転体にトルクを伝達しつつ、入力側回転体か
ら出力側回転体に伝わる振動を吸収・減衰する。このダ
ンパー機構の一例として、トルクコンバータ内部に配置
されているロックアップ機構に含まれるダンパー(以
下、ロックアップダンパーと称す。)がある。
【0003】トルクコンバータは、3種の羽根車(イン
ペラ,タービン,ステータ)を内部に有し、内部の作動
油によりトルクを伝達する装置である。インペラはトル
クが入力されるフロントカバーに固定されており、イン
ペラからステータを介してタービンに流れる作動油によ
りインペラからタービンに伝達されるトルクがタービン
に連結されるトランスミッションのメインドライブシャ
フトに伝えられる。
【0004】ロックアップ機構は、フロントカバー(入
力側回転体)とタービン(出力側回転体)との間に配置
されており、フロントカバーとタービンとを機械的に連
結してトルクを作動油を介さずに直接伝達するためのも
のである。通常、このロックアップ機構は、フロントカ
バーに圧接可能なピストン部材と、ピストン部材に固定
されるドライブ部材と、ドライブ部材に支持されるコイ
ルスプリングと、コイルスプリングによって回転方向に
ピストン部材と弾性的に連結されるドリブン部材とを有
している。ドリブン部材はタービンに固定されている。
これらのロックアップ機構を構成する部材はまた、入力
された振動を吸収・減衰するロックアップダンパーを構
成する。
【0005】ロックアップ機構が作動すると、ピストン
部材がフロントカバーと摺動あるいは圧接し、トルクは
フロントカバーからピストン部材に伝達され、コイルス
プリングを介してタービンに伝わる。このとき、ロック
アップ機構は、トルクを伝達するとともにロックアップ
ダンパーによって捩り振動を吸収・減衰する。ここで
は、コイルスプリングがドライブ部材とドリブン部材と
の間で圧縮を繰り返すことによって、捩り振動が吸収・
減衰される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近、トルクコンバー
タの軸方向寸法の低減のために、コイルスプリングをス
ペースに比較的余裕のあるトルクコンバータの外周部に
配置するロックアップダンパーが使われることが多くな
っている。但し、コイルスプリングをトルクコンバータ
の外周部に配置すると、内周部あるいは中間部に配置す
る場合よりもロックアップダンパーの捩り可能な角度が
小さくなってしまう。すなわち同寸法のコイルスプリン
グを単に外周部に移動させると、入力側回転体と出力側
回転体との相対回転可能な角度が小さくなる。この結
果、ロックアップダンパーの捩じり角度が狭くなり、こ
れにより特にエンジンの低回転域における捩じり振動の
吸収性が低下する。この欠点を解消する方法として、中
間部材などを介して2つ以上のコイルスプリングを直列
に配置することが考えられる。これにより、直列に連結
されたコイルスプリングは圧縮可能な寸法が大きくな
り、所定の捩り角度を確保することができる。また、バ
ネ定数の異なる2つの弾性部材を直列に組み合わせれ
ば、ロックアップダンパーの捩り特性を2段階等の特性
を持たせることにより向上させることができる。
【0007】しかし、上記のようにトルクコンバータの
外周部にコイルスプリングを配置すると、コイルスプリ
ングにより大きな遠心力が作用するという現象が生じ
る。すなわち、径方向中間部等に配置されていたときよ
りも大きな遠心力がトルクコンバータ作動時にコイルス
プリングに作用するため、コイルスプリングが径方向外
側に移動し、コイルスプリングとコイルスプリングの径
方向外側に配置される他の部材との間で摩擦抵抗が生じ
たり大きくなったりする。コイルスプリングと他の部材
との間の摩擦抵抗が大きくなると、捩じり振動を十分に
吸収できない。
【0008】また、上記のようなロックアップダンパー
では、ドライブ部材とドリブン部材との所定角度以上の
相対回転を規制するためにストッパー機構を設ける必要
がある。すなわち、ある程度以上のトルクを伝達する時
にはストッパー機構が働き、所定角度以上のドライブ部
材とドリブン部材との相対回転が禁止されるようにしな
ければならない。このストッパー機構として、例えばコ
イルスプリングを密着するまで使用して、密着したコイ
ルスプリングをストッパー機構として兼用することが考
えられる。
【0009】しかし、このようにコイルスプリングをス
トッパー機構として使用すると、伝達される最大のトル
ク負荷に対して十分な耐久強度を有するコイルスプリン
グを採用する必要があり、コイルスプリングの選択の幅
が狭まる。これにより、ダンパー特性が制約されたり、
コイルスプリングのコストが高くなったりする。特に最
近では、ロックアップ機構の耐久性の向上が要望されて
おり、コイルスプリングにかかる負荷を低減する必要が
ある。
【0010】一方、コイルスプリングをストッパー機構
として使わない場合には別個にストッパー機構を設ける
必要があるが、別個にストッパー機構を設けると部品点
数や作業工数が増加して製作コストが上昇したり、ロッ
クアップ機構が大型化したりする。本発明の課題は、直
列に配置された弾性部材を有するトルクコンバータのロ
ックアップダンパーにおいて、弾性部材の径方向外側へ
の移動を制限することで弾性部材と他の部材との間の摩
擦抵抗を減らすことにある。
【0011】本発明の別の課題は、トルクコンバータの
ロックアップダンパーにおいて、製作コストの上昇を抑
えつつ弾性部材にかかる負荷を低減するようなストッパ
ー機構を設け、設計上の弾性部材の選択の幅を広げ、車
両の必要に応じた捩り特性の設定を容易にすることにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のトルク
コンバータのロックアップダンパーは、入力側回転体か
ら出力側回転体に正回転方向へのトルクを機械的に伝達
するトルクコンバータのロックアップ機構に含まれる、
入力側回転体から出力側回転体に伝わる振動を吸収ある
いは減衰するロックアップダンパーであって、入力側部
材と、出力側部材と、第1弾性部材と、第2弾性部材
と、中間部材とを備えている。入力側部材には、入力側
回転体からトルクが入力される。出力側部材は、出力側
回転体にトルクを出力する。第1弾性部材は、コイル状
の部材であって、入力側部材と出力側部材との間に配置
される。第2弾性部材は、コイル状の部材であって、入
力側部材あるいは出力側部材と第1弾性部材との間に配
置される。中間部材は、中間支持部と、中間制限部とを
有している。中間支持部は、第1弾性部材と第2弾性部
材との間に配置され、第1及び第2弾性部材を円周方向
に支持する。中間制限部は、中間支持部から第1及び第
2弾性部材のうち少なくとも一方の弾性部材の内部に長
く延び、この一方の弾性部材の径方向外側への移動を制
限する。
【0013】請求項1に記載のロックアップダンパーに
入力側回転体から捩じり振動が入力されると、入力側部
材と出力側部材とが相対回転し、両部材間で第1弾性部
材と第2弾性部材とが回転方向に圧縮される。ここで
は、第1及び第2弾性部材が中間部材の中間支持部を介
して直列に配置されているため、広い捩じり角特性が確
保できる。また、中間部材に設けられた中間制限部によ
り第1弾性部材及び第2弾性部材のうち少なくとも一方
の径方向外側への移動が制限されている。この結果、回
転方向に圧縮される第1弾性部材及び第2弾性部材のう
ち少なくとも一方は他の部材に干渉し難く、摩擦抵抗の
発生が抑えられ、あるいは摩擦抵抗が減少する。
【0014】請求項2に記載のトルクコンバータのロッ
クアップダンパーは、請求項1に記載のものにおいて、
中間制限部は、中間支持部から、第1弾性部材あるいは
第2弾性部材の少なくとも円周方向中央部まで延びてい
る。ここでは、中間支持部が、第1弾性部材及び第2弾
性部材の少なくとも一方の内部に、第1弾性部材あるい
は第2弾性部材の少なくとも円周方向中央部まで延びて
いる。したがって、弾性部材の端部付近に限られず弾性
部材の中央部付近の部分の径方向外側への移動が制限さ
れる。これにより、弾性部材がより他の部材に干渉し難
くなり、摩擦抵抗もより抑えられる。
【0015】請求項3に記載のトルクコンバータのロッ
クアップダンパーは、請求項1又は2に記載のものにお
いて、中間制限部は、第1弾性部材と第2弾性部材のう
ち剛性の小さな弾性部材の内部に延び、第1弾性部材と
第2弾性部材のうち剛性の小さな弾性部材の許容変形量
以上の変形を抑えるように先端が入力側部材及び出力側
部材と係止し得る。
【0016】ここでは、中間制限部と入力側部材あるい
は出力側部材との係止によって、中間部材と入力側部材
あるいは出力側部材との所定の角度以上の相対回転が規
制され、第1弾性部材と第2弾性部材のうち剛性の小さ
な弾性部材(以下、低弾性部材という。)の許容変形量
以上の変形が抑えられる。すなわち、中間制限部と入力
側部材あるいは出力側部材とがストッパーを形成する。
ここでの許容変形量とは、弾性部材の寿命を確保するた
めに強度的に許される変形量である。
【0017】なお、ここでは、低弾性部材の変形を抑え
て保護しているが、第1弾性部材と第2弾性部材のうち
剛性の大きな弾性部材(以下、高弾性部材という。)に
ついては特に処置していない。したがって、高弾性部材
をも保護しようとする場合に必要となるストッパー構造
に較べて、本請求項の構造は簡易なものである。また、
弾性部材の径方向外側への移動を制限するために設けら
れた中間制限部にストッパーの役割を兼ねさせている。
これらにより、製作コストの上昇を抑えた上記ストッパ
ー機構により耐久性の低い低弾性部材の許容変形量以上
の変形が抑えられ、設計上の低弾性部材の選択の幅が広
がり、車両の必要に応じた捩り特性の設定が容易とな
る。例えば、低弾性部材の剛性をより低く設定し、微少
捩り振動の吸収性を向上させることも可能となる。ま
た、本請求項のロックアップダンパーでは、ストッパー
である中間制限部が従来利用されていなかった空間であ
るコイル状の弾性部材の内部に配置されているので、ロ
ックアップダンパーの大型化を抑えられる。
【0018】請求項4に記載のトルクコンバータのロッ
クアップダンパーは、請求項1又は2に記載のものにお
いて、中間部材は第1中間制限部と第2中間制限部とを
有している。第1中間制限部は、第1弾性部材の内部に
延び、第1弾性部材の許容変形量以上の変形を抑えるよ
うに先端が入力側部材及び出力側部材と係止し得る。第
2中間制限部は、第2弾性部材の内部に延び、第2弾性
部材の許容変形量以上の変形を抑えるように先端が入力
側部材及び出力側部材と係止し得る。
【0019】ここでは、第1中間制限部と入力側部材と
の係止及び第2中間制限部と出力側部材との係止によっ
て、第1中間制限部と入力側部材との及び第2中間制限
部と出力側部材材との所定の角度以上の相対回転が規制
され、第1弾性部材及び第2弾性部材の許容変形量以上
の変形が抑えられる。すなわち、入力側部材、出力側部
材、及び第1及び第2中間制限部がストッパーを形成す
る。ここでの許容変形量とは、第1及び第2弾性部材の
寿命を確保するために強度的に許される変形量である。
【0020】この第1及び第2中間制限部は、弾性部材
の径方向外側への移動を制限する役割と上記ストッパー
としての役割とを兼ねている。したがって、製作コスト
の上昇を抑えた上記ストッパー機構により第1及び第2
弾性部材の許容変形量以上の変形が抑えられ、設計上の
第1及び第2弾性部材の選択の幅が広がり、車両の必要
に応じた捩り特性の設定が容易となる。また、本請求項
のロックアップダンパーでは、ストッパーである中間制
限部が従来利用されていなかった空間であるコイル状の
弾性部材の内部に配置されているので、ロックアップダ
ンパーの大型化を抑えられる。
【0021】請求項5に記載のトルクコンバータのロッ
クアップダンパーは、請求項3又は4に記載のものであ
って、第1弾性部材は第2弾性部材に対して正回転方向
側に配置される。中間支持部は、第1弾性部材の負回転
方向側端と第2弾性部材の正回転方向側端との間に配置
される。入力側部材は、第1弾性部材の正回転方向側端
と第2弾性部材の負回転方向側端とを円周方向に支持す
る入力側支持部を有している。出力側部材は、第1弾性
部材の正回転方向側端と第2弾性部材の負回転方向側端
とを円周方向に支持する出力側支持部を有している。第
1弾性部材の正回転方向側端及び第2弾性部材の負回転
方向側端にはシート部材が装着されている。中間制限部
は、シート部材を介して、入力側支持部及び出力側支持
部と係止する。
【0022】ここでは、各弾性部材が圧縮されていく
と、弾性部材の一端から内部に延びる中間制限部が他端
に装着されたシート部材と当接して、中間制限部及びシ
ート部材が中間支持部と入力側支持部あるいは出力側支
持部との間に挟まれ、中間部材と入力側部材あるいは出
力側部材とがそれ以上円周方向に接近することを規制す
る。これにより、各弾性部材の許容され得る変形量以上
の変形を抑えている。
【0023】請求項6に記載のトルクコンバータのロッ
クアップダンパーは、請求項1から5のいずれかに記載
のものにおいて、第1及び第2弾性部材と中間支持部と
は回転方向に複数設けられいる。中間部材は、複数の中
間支持部同士を連結する連結部を有している。ここで
は、連結部が、各中間支持部を連結することにより、中
間支持部の径方向外側への移動を規制している。したが
って、中間支持部及び中間制限部を介して中間支持部に
径方向の移動が規制される第1及び第2弾性部材が径方
向外側に移動することが規制されるので、これらとこれ
らの外周側に配置される他の部材との干渉が抑えられ、
摩擦抵抗も抑えられる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜図3に、本発明の一実施形
態としてのロックアップダンパーを含むトルクコンバー
タのロックアップ機構1を示す。図2及び図3の左側に
エンジン(図示せず)が配置され、図2及び図3の右側
にトランスミッション(図示せず)が配置されている。
図1は、後述するドリブンプレート5の環状部5aを除
いたロックアップ機構1をトランスミッション側から見
た一部断面図である。また、図1に記載の回転方向にお
いて、回転方向(向き)R1がエンジン及びトルクコン
バータの正回転方向であり、回転方向(向き)R2が負
回転方向である。
【0025】トルクコンバータは一般的な構造であるた
め、ここでは詳細な説明を省略する。図2において、ト
ルクコンバータのフロントカバー50(入力側回転体)
とタービン52(出力側回転体)が図示されている。フ
ロントカバー50はエンジンのクランクシャフトに連結
される部材であり、図示していないインペラとともにト
ルクコンバータの作動油室を形成する。フロントカバー
50の外周側内壁面には、平坦な環状の摩擦面51が形
成されている。タービン52は、図示しないインペラと
軸方向に対向する羽根車であり、主に、タービンシェル
53と、タービンシェル53に固定された複数のタービ
ンブレード54とから構成されている。タービンシェル
の53内周部は、タービンハブを介してトランスミッシ
ョンのメインドライブシャフト(図示せず)に連結され
ている。
【0026】ロックアップ機構1は、フロントカバー5
0からトルクを機械的にタービン52に伝達しつつ、入
力された捩じり振動を吸収・減衰するための機構であ
る。すなわち、ロックアップ機構1は、クラッチ機能と
ダンパー機能(ロックアップダンパー)とを有してい
る。ロックアップ機構1は、図2に示すように、フロン
トカバー50とタービン52との間の空間に配置されて
いる。
【0027】このロックアップ機構1は、主にピストン
2とドライブプレート3とからなる入力側部材と、主に
ドリブンプレート5からなる出力側部材と、入力側部材
と出力側部材との間に配置される第1,第2コイルスプ
リング(第1,第2弾性部材)7,8及びインターミデ
ィエイトプレート(中間部材)4とから構成されてい
る。
【0028】入力側部材は、ピストン2と、ドライブプ
レート3とから構成されている。ピストン2は、トルク
コンバータ本体内の油圧を制御することでフロントカバ
ー50側に接近あるいはフロントカバー50から離反す
るクラッチ部材である。ピストン2は、円板状の部材で
あって、内周突出部11と外周突出部12とを有してい
る。内周突出部11及び外周突出部12はトランスミッ
ション側に突出する筒状部分である。内周突出部11は
タービンハブ(図示せず)の外周面に相対回転自在にか
つ軸方向に移動可能に支持されている。ピストン2のエ
ンジン側の側面には、フロントカバー50の摩擦面51
に対向する円板状の摩擦フェーシング2aが固定されて
いる。
【0029】ドライブプレート3は、ピストン2に固定
され、第1,第2コイルスプリング7,8を回転方向に
支持するための部材である。ドライブプレート3は、ピ
ストン2のエンジン側外周部(外周筒状部12の内周
側)において回転方向に等間隔で4か所に配置されてい
る。図2及び図5に示すように、ドライブプレート3
は、回転方向に延びる固定部13と、固定部13の外周
部からトランスミッション側に延びる内周係合部14
と、内周係合部14から径方向外側に延びるとともにエ
ンジン側に凹んだ凹部15と、凹部15からさらに径方
向外側に延びる外周係合部16とから構成されている。
内周係合部14と凹部15と外周係合部16は、それぞ
れが第1,第2コイルスプリング7,8の端面に装着さ
れる後述する第1,第2スプリングシート30,31の
内周側、径方向中間部、外周側に当接可能な入力側支持
部になっている。固定部13にはリベット10が貫通す
る孔13aが形成されている。ドライブプレート3は、
図2に示すようにリベット10によってピストン2に一
体に固定され、入力側の部材として機能している。入力
側支持部が第1,第2コイルスプリング7,8の端面の
径方向の位置が異なる複数箇所を支持しているため、第
1,第2コイルスプリング7,8の端部の支持が安定す
る。外周係合部16の外周面は、ピストン2の外周突出
部12の内周面に当接している。これにより、ドライブ
プレート3の位置決めが容易になるとともに、ドライブ
プレート3の径方向外側への変形が抑えられる。外周係
合部16の回転方向両側には、回転方向に延びる突起で
ある第1移動制限部17が一体に形成されている。第1
移動制限部17は、後述する第1,第2コイルスプリン
グ7,8の両端を支持することにより径方向外側への移
動を制限する部分である。第1移動制限部17は、図5
に示すように、回転方向遠方にいくにしたがって径方向
の幅が狭くなっており、内周面である誘導面18は突起
先端側から根元側に向かって径方向内側に傾斜する面と
なっている。言い換えると、誘導面18の突起先端側よ
り突起根元側が径方向内側に配置されている。したがっ
て、第1,第2コイルスプリング7,8の誘導面18に
当接している部分は他の部分より径方向内側に配置され
ている。
【0030】第1,第2コイルスプリング7,8は、イ
ンターミディエイトプレート4を介し連結されて1組と
なっており、回転方向に等間隔で4か所に設けられ、4
組の第1,第2コイルスプリング7,8が並列に作用す
るようになっている。第1コイルスプリング7は、第2
コイルスプリング8より剛性が高い。これにより、ロッ
クアップダンパーに2段階の捩り特性が得られている。
各組の第1コイルスプリング7はインターミディエイト
プレート4の中間支持部21を間に挟み第2コイルスプ
リング8に対して正回転方向R1側に配置されている。
第1コイルスプリング7の正回転方向R1側端には第1
スプリングシート30が設けられている。第1スプリン
グシート30は円板状の支持部と、支持部からコイルス
プリング内に延びる係合部とから構成されている。第1
スプリングシート30の支持部の背面は、ドライブプレ
ート3の内周係合部14、凹部15及び外周係合部16
からなる入力側支持部に支持される。第2コイルスプリ
ング8の負回転方向R2側端には第2スプリングシート
31が設けられている。第2スプリングシート31は第
1スプリングシート30と同様の構造を有しており、同
じくドライブプレート3の入力側支持部に支持される。
【0031】インターミディエイトプレート4は、第1
コイルスプリング7と第2コイルスプリング8との間で
動作する中間部材であり、図4に示すように、リング
(連結部)20と、中間支持部21と、第1,第2中間
制限部22a,22bとから構成されている。中間支持
部21は、第1コイルスプリング7の負回転方向R2側
端と第2コイルスプリング8の正回転方向R1側端との
間に配置され、第1,第2コイルスプリング7,8の間
でトルク伝達を可能にする。この中間支持部21は、径
方向内側に向かって回転方向幅が狭くなる三角形状を有
しており、回転方向両側面は傾斜した第1,第2支持面
21a,21bとなっている。このように第1,第2支
持面21a,21bが傾斜しているため、第1,第2支
持面21a,21bと第1,第2コイルスプリング7,
8との偏当たりが抑えられる。したがって、第1,第2
コイルスプリング7,8やインターミディエイトプレー
ト4の寿命が延びる。
【0032】第1、第2中間制限部22a,22bは、
中間支持部21の回転方向両側から回転方向に沿って延
びるように、リング20及び中間支持部21と一体に形
成されている。第1,第2中間制限部22a,22b
は、それぞれ第1,第2支持面21a,21bから円周
方向に延びており、第1コイルスプリング7の内部,第
2コイルスプリング8の内部に挿入される。第1,第2
中間制限部22a,22bの延びる距離は、後述するス
トッパー機能を兼ねていることから第1,第2コイルス
プリング7,8の許容変形量に応じて設定されるが、こ
こでは第1,第2コイルスプリング7,8の中央部分を
超える位まで延びている。また、第1,第2中間制限部
22a,22bは、図3に示すように、各第1,第2コ
イルスプリング7,8の内周面に当接する。4つの中間
支持部21は、連結部として機能するリング20により
互いに連結されている。これにより、各中間支持部21
の径方向外側への移動が制限される。この結果、第1,
第2中間制限部22a,22bを介して1,第2コイル
スプリング7,8の径方向外側への移動が制限される。
【0033】なお、インターミディエイトプレート4は
他の部材に直接支持されていないため、他の部材との摩
擦抵抗が生じにくい。出力側部材は、ドリブンプレート
5とサポートリング6とから構成されている。ドリプン
プレート5はタービン52のタービンシェル53に固定
された部材であり、タービンシェル53に溶接された環
状部5aと、環状部5aからエンジン側に延び1組の第
1,第2コイルスプリング7,8と隣接する他の第1,
第2コイルスプリング7,8の組との間に挿入される4
つの係止部5bとを有している。係止部5bは、ドライ
ブプレート3の凹部15内に延び、回転方向両端が第1
スプリングシート30と第2スプリングシート31とに
当接している。すなわち、係止部5bは出力側支持部と
して機能する。
【0034】サポートリング6は、図6及び図7に示す
ように、円環状の板金製プレート部材であり、主とし
て、筒状部25と、筒状部25のトランスミッション側
端から内周側に延びる円板状部26とから構成されてい
る。円板状部26の内周縁には、回転方向に等間隔で4
か所に切欠き係合部27が形成されている。この切欠き
係合部27内にドリブンプレート5の係止部5bが挿入
され係合している。これにより、サポートリング6はド
リブンプレート5とともに一体回転する。なお、係止部
5bと切欠き係合部27との係合は軸方向には着脱自在
であり、組立性が考慮されている。切欠き係合部27が
形成された部分においては、円板状部26の一部がトラ
ンスミッション側に折り曲げられたスプリング当接部2
8となっている。スプリング当接部28は、図8に示す
ように、第1スプリングシート30と第2スプリングシ
ート31とに当接している。すなわち、スプリング当接
部28は、ドリブンプレート5の係止部5bとともに、
出力側支持部を構成している。スプリング当接部28と
係止部5bが第1,第2コイルスプリング7,8に装着
される第1,第2スプリングシート30,31の径方向
の異なる位置を支持しているため、入力側支持部と同様
に、第1,第2コイルスプリング7,8の端部の支持が
安定する。筒状部25は、外周突出部12の内周側で、
第1,第2コイルスプリング7,8の外周を覆うように
配置されている。筒状部25はピストン2の外周突出部
12に接近しているが、両者の間には隙間が確保されて
いる。筒状部25は第1,第2コイルスプリング7,8
の外周側を覆うことにより、これらの径方向外側への飛
び出し等を防止している。図1及び図8に示すように、
筒状部25と第1,第2コイルスプリング7,8の外周
部との間には径方向に隙間が確保されている。また、筒
状部25とインターミディエイトプレート4の中間支持
部21との間にも径方向に隙間が確保されている。さら
に、筒状部25においてドライブプレート3に対応する
回転方向の4か所には、他の円弧状部分に比べて径方向
内側に位置する直線状の第2移動制限部29が形成され
ている。第2移動制限部29は、ドライブプレート3付
近から回転方向両側に延び第1スプリングシート30と
第1コイルスプリング7の正回転方向R1側端(数巻き
分)と第2スプリングシート31及び第2コイルスプリ
ング8の負回転方向R2側端(数巻き分)の外周側まで
延びている。この結果、第1,第2コイルスプリング
7,8の端部は第2移動制限部29の内周面である誘導
面29aにより径方向外側への移動を制限されている。
第2移動制限部29の誘導面29aは他の円弧部分の内
周面から径方向内側に傾斜している。すなわち、第1,
第2スプリングシート30,31の外周側に対応する部
分では、誘導面29aの回転方向外側部分が回転方向内
側部分より径方向内側に配置されている。したがって第
1,第2コイルスプリング7,8の端部において誘導面
29aに当接している部分は他の部分より径方向内側に
配置される。さらに、第2移動制限部29が形成された
部分及びこの部分から回転方向両側にかけては、筒状部
25に回転方向に角度θ分だけ延びるスリット30が形
成されている(図6及び図7参照)。スリット30内に
は、ドライブプレート3の外周係合部16の外周側部分
が挿入される。このスリット30は、入力側部材と出力
側部材との捩じり角度が大きくなったときに外周係合部
16の第1移動制限部17先端がスリット30の端部に
当接するように設定することにより、入力側部材と出力
側部材との相対回転を停止させるストッパーとしての役
割を果たすこともできる。
【0035】なお、ドリブンプレート5とサポートリン
グ6とが別体の部材で構成されているため、部品点数は
増えるものの個々の部品の構成が簡単になる。そのた
め、1個の部材として構成するより全体の加工が容易と
なっている。次に動作について説明する。エンジン側の
クランクシャフトのトルクは、図示しないフレキシブル
プレートを介してフロントカバー50に入力される。こ
のトルクは、図示しないインペラに伝達される。インペ
ラが回転すると作動油がタービン52側に流れ、タービ
ン52を回転させる。タービン52のトルクは、図示し
ないタービンハブを介してメインドライブシャフトに出
力される。
【0036】トルクコンバータの速度比が上がりメイン
ドライブシャフトが所定の回転速度になると、ピストン
2とフロントカバー50との間の作動油がメインドライ
ブシャフトの内部を通ってドレンされる。この結果、油
圧差によって、ピストン2がフロントカバー50の摩擦
面51に圧接される。これにより、フロントカバー50
のトルクはロックアップ機構1を介してタービン52に
伝達される。つまり、フロントカバー50とタービン5
2とが機械的に連結され、フロントカバー50のトルク
がインペラを介さず直接にメインドライブシャフトに出
力される。
【0037】ロックアップ連結状態では、ドライブプレ
ート3の入力側支持部(内周係合部14、凹部15、外
周係合部16)がインターミディエイトプレート4によ
り連結されている第1,第2コイルスプリング7,8を
正回転方向R1に押し、第1コイルスプリング7がドリ
ブンプレート5の出力側支持部(係止部5b、スプリン
グ当接部28)を押す。これにより、ピストン2からド
リブンプレート5にトルクが伝達される。
【0038】ロックアップ連結状態において、ロックア
ップ機構1は、トルクを伝達するとともにフロントカバ
ー50から入力される捩じり振動を吸収・減衰する。具
体的には、第1コイルスプリング7及び第2コイルスプ
リング8がドライブプレート3とドリブンプレート5と
の間で伸縮することにより、捩じり振動を吸収・減衰す
る。
【0039】ここでは、第1コイルスプリング7と第2
コイルスプリング8とは直列に連結され作用するため
に、入力側部材と出力側部材との相対回転可能な角度が
大きくなり、第1,第2コイルスプリング7,8をトル
クコンバータ及びロックアップ機構1の外周部に配置し
ているにもかかわらず広い捩じり角特性が確保されてい
る。また、第1コイルスプリング7の剛性(ばね定数)
と第2コイルスプリング8の剛性とが異なりロックアッ
プダンパーが2段階の捩り特性を有しているため、入力
される捩じり振動の振幅や周波数に応じて効率良く振動
が吸収・減衰される。
【0040】トルク伝達時にはロックアップ機構1全体
が回転しているため、振動を吸収・減衰するための第
1,第2コイルスプリング7,8は遠心力を受ける。こ
の遠心力により、第1,第2コイルスプリング7,8は
径方向外側に移動しようとする。また、第1,第2コイ
ルスプリング7,8が直列に配置されており、第1コイ
ルスプリング7と第2コイルスプリング8との連結部分
付近は特に径方向外側に迫り出しやすくなっている。し
かし、この実施形態では1組の第1,第2コイルスプリ
ング7,8の回転方向両端(第1コイルスプリング7の
正回転方向R1側端及び第2コイルスプリング8の負回
転方向R2側端)が第1,第2スプリングシート30,
31を介して第1移動制限部17,第2移動制限部29
により支持されるため、第1,第2コイルスプリング
7,8の回転方向両端とサポートリング6の筒状部25
との間で摩擦抵抗が生じにくい。さらに、インターミデ
ィエイトプレート4の第1,第2中間制限部22a,2
2bにより、第1コイルスプリング7の負回転方向R2
側端や回転方向中間部等及び第2コイルスプリング8の
正回転方向R1側端や回転方向中間部等も径方向外側へ
の移動が制限される。この結果、これらと筒状部25と
の間で摩擦抵抗が生じにくい。このように、回転方向に
直列に第1,第2コイルスプリング7,8を設けること
で捩じり角度を広くしたロックアップダンパーにおい
て、常に第1,第2コイルスプリング7,8の回転方向
各部分の径方向外側への移動を制限しているため、第
1,第2コイルスプリング7,8と他の部材(サポート
リング6)との間の摩擦抵抗が抑えられる。なお、第
1,第2中間制限部22a,22bと第1,第2コイル
スプリング7,8の内周面との間に若干の摩擦抵抗が発
生するが、第1,第2コイルスプリング7,8の外周面
が他の部材と摺動する場合に較べ摩擦抵抗は小さくな
る。
【0041】次に、ロックアップクラッチ1の捩じり動
作について、図8を用いてさらに詳細に説明する。な
お、ここではピストン2を図示しない他の部材に固定
し、それに対してドリブンプレート5が捩じれていく動
作として説明する。ドリブンプレート5が図8の中立状
態から負回転方向R2側に捩じれる。その場合は、係止
部5b及びばね係合部28が第1スプリングシート30
を負回転方向R2側に押していく。このとき第1コイル
スプリング7の正回転方向R1側端部と筒状部25はド
リブンプレート5とほぼ同じ速度で移動するため、第1
コイルスプリング7と筒状部25との間で摩擦抵抗は生
じにくい。捩じり角度の小さな範囲では、剛性の低い第
2コイルスプリング8が主に圧縮され、第1コイルスプ
リング7は僅かしか圧縮されない。第2コイルスプリン
グ8と筒状部25との間には速度差があるが、第2コイ
ルスプリング8の負回転方向R2側端はドライブプレー
ト3の第1移動制限部17により支持されているため径
方向外側に移動しにくく、また、第2コイルスプリング
8の回転方向中間部は第2中間制限部22bにより径方
向外側への移動が規制されており、第2コイルスプリン
グ8と筒状部25との間で摩擦抵抗が生じにくい。捩じ
り角度がさらに大きくなると、やがて第2中間制限部2
2bが第2スプリングシート31を介して入力側支持部
(内周係合部14、凹部15、外周係合部16)に当接
し、ピストン2及びドライブプレート3とインターミデ
ィエイトプレート4との相対回転が停止する。そして、
これ以降は第2コイルスプリング8は圧縮されず、第1
コイルスプリング7のみが圧縮されていく。さらに捩り
角度が大きくなると、第1中間制限部22aが第1スプ
リングシート30を介して出力側支持部(係止部5b、
スプリング当接部28)に当接し、インターミディエイ
トプレート4とドリブンプレート5との相対回転が停止
する。これにより、インターミディエイトプレート4を
介してドライブプレート3とドリブンプレート5との相
対回転が停止する。なお、第1,第2中間制限部22
a,22bにより第1,第2コイルスプリング7,8は
所定の変形量以上には変形しないように設定されてお
り、第1,第2コイルスプリング7,8に強度的に許容
されないような過大な圧縮力が作用することはない。し
たがって、第1,第2コイルスプリング7,8は強度的
に十分な寿命が確保される。
【0042】ドリブンプレート5が図8の中立状態から
正回転方向R1側に捩じれる場合も、上記の場合と同様
に、第1,第2中間制限部22a,22bによって第
1,第2コイルスプリング7,8の変形が規制され、第
1,第2コイルスプリング7,8は強度的に十分な寿命
が確保される。ここでは、第1移動制限部17に誘導面
18が形成されているため、圧縮される第2コイルスプ
リング8の負回転方向R2側端の外周部は誘導面18に
より径方向内側に誘導されていく。また、第2移動制限
部29に誘導面29aが設けられているため、第1コイ
ルスプリング7の正回転方向R1側端の外周部は誘導面
29aにより径方向内側に誘導されていく。なお、各誘
導面18,29aは、コイルスプリング7,8が圧縮さ
れた状態から元の方向に延び、第1,第2コイルスプリ
ング7,8の端部が離れていた第1,第2移動制限部1
7,29に当接するときにも第1,第2コイルスプリン
グ7,8の端部がスムーズに元の位置に戻るように径方
向内側に誘導する。したがって、自由状態において第
1,第2コイルスプリングの両端部が第1移動制限部1
7により径方向外側への移動を制限されていない構造
(両端部が入力側部材又は出力側部材の支持部から回転
方向に離れている構造)であっても、誘導面18,29
aは第1,第2コイルスプリング7,8が圧縮される際
に確実に第1,第2コイルスプリング7,8の端部を径
方向内側に誘導し、第1,第2コイルスプリング7,8
と外周側に配置された部材との間に十分なスペースを確
保できる。この結果、捩じり振動吸収時に不要な摩擦抵
抗を発生させにくい。
【0043】第1移動制限部17はドライブプレート3
の外周側に設けた突起であるために、構成が簡単であり
加工が容易である。また、第2移動制限部29は筒状部
25を僅かに変形させただけの簡単な構造である。この
ように、加工の容易な簡単な構造により、1組の第1,
第2コイルスプリング7,8の回転方向両端を支持し不
要な摩擦抵抗を低減している。
【0044】第1移動制限部17及び第2移動制限部2
9は第1コイルスプリング7の正回転方向R1側端と第
2コイルスプリング8の負回転方向R2側端より径方向
外側に配置され、これら端部の外周部に当接することで
両端部の径方向外側への移動を制限している。したがっ
て簡単な構造で優れた効果が得られる。第1,第2中間
制限部22a,22bは、従来利用されていないコイル
スプリングの内部空間に配置され、コイルスプリングの
径方向の移動の規制とコイルスプリングの圧縮変形量の
規制との両方の役割を兼ねている。したがって、ロック
アップ機構1を大型化することなく、余分な摩擦抵抗の
低減及び第1,第2コイルスプリング7,8の寿命確保
が図られている。
【0045】なお、第1,第2コイルスプリング7,8
の外周側を覆う筒状部25は入力側部材又はインターミ
ディエイトプレート4に設けられていてもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明では、直列に配置された弾性部材
を有するトルクコンバータのロックアップダンパーにお
いて、中間部材にコイルスプリングの内部に長く延びる
中間制限部を設けたため弾性部材の径方向外側への移動
が制限され弾性部材と他の部材との間の摩擦抵抗が減少
し、かつ、中間制限部がストッパーとしての役割も兼ね
るため弾性部材にかかる負荷が低減され設計上の弾性部
材の選択の幅が拡がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのトルクコンバータ
のロックアップ機構の一部断面図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図1のIII −III 断面図。
【図4】インターミディエイトプレートの平面図。
【図5】ドライブプレートの平面図。
【図6】サポートリングの平面図。
【図7】図6のVII 矢視図。
【図8】ロックアップ機構の一部を省略した平面図。
【符号の説明】
1 ロックアップ機構 3 ドライブプレート(入力側部材) 4 インターミディエイトプレート(中間部材) 5 ドリブンプレート(出力側部材) 5a 係止部(出力側支持部) 7 第1コイルスプリング(第1弾性部材) 8 第2コイルスプリング(第2弾性部材) 14 内周係合部(入力側支持部) 15 凹部(入力側支持部) 16 外周係合部(入力側支持部) 20 リング(連結部) 21 中間支持部 22a 第1中間制限部 22b 第2中間制限部 28 スプリング当接部(出力側支持部) 30 第1スプリングシート(シート部材) 31 第2スプリングシート(シート部材) 50 フロントカバー(入力側回転体) 52 タービン(出力側回転体)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力側回転体から出力側回転体に正回転方
    向へのトルクを機械的に伝達するトルクコンバータのロ
    ックアップ機構に含まれる、前記入力側回転体から前記
    出力側回転体に伝わる振動を吸収あるいは減衰するトル
    クコンバータのロックアップダンパーであって、 前記入力側回転体からトルクが入力される入力側部材
    と、 前記出力側回転体にトルクを出力する出力側部材と、 前記入力側部材と前記出力側部材との間に配置されるコ
    イル状の第1弾性部材と、 前記入力側部材あるいは前記出力側部材と前記第1弾性
    部材との間に配置されるコイル状の第2弾性部材と、 前記第1弾性部材と前記第2弾性部材との間に配置され
    前記第1及び第2弾性部材を円周方向に支持する中間支
    持部と、前記中間支持部から前記第1及び第2弾性部材
    のうち少なくとも一方の弾性部材の内部に長く延び前記
    一方の弾性部材の径方向外側への移動を制限する中間制
    限部とを有する中間部材と、を備えたトルクコンバータ
    のロックアップダンパー。
  2. 【請求項2】前記中間制限部は、前記中間支持部から、
    前記第1弾性部材あるいは第2弾性部材の少なくとも円
    周方向中央部まで延びている、請求項1に記載のトルク
    コンバータのロックアップダンパー。
  3. 【請求項3】前記中間制限部は、前記第1弾性部材と前
    記第2弾性部材のうち剛性の小さな弾性部材の内部に延
    び、前記第1弾性部材と前記第2弾性部材のうち剛性の
    小さな前記弾性部材の許容変形量以上の変形を抑えるよ
    うに先端が前記入力側部材及び前記出力側部材と係止し
    得る、請求項1又は2に記載のトルクコンバータのロッ
    クアップダンパー。
  4. 【請求項4】前記中間部材は、前記第1弾性部材の内部
    に延び前記第1弾性部材の許容変形量以上の変形を抑え
    るように先端が前記入力側部材及び前記出力側部材と係
    止し得る第1中間制限部と、前記第2弾性部材の内部に
    延び前記第2弾性部材の許容変形量以上の変形を抑える
    ように先端が前記入力側部材及び前記出力側部材と係止
    し得る第2中間制限部とを有する、請求項1又は2に記
    載のトルクコンバータのロックアップダンパー。
  5. 【請求項5】前記第1弾性部材は、前記第2弾性部材に
    対して正回転方向側に配置され、 前記中間支持部は、前記第1弾性部材の負回転方向側端
    と前記第2弾性部材の正回転方向側端との間に配置さ
    れ、 前記入力側部材は、前記第1弾性部材の正回転方向側端
    と前記第2弾性部材の負回転方向側端とを円周方向に支
    持する入力側支持部を有し、 前記出力側部材は、前記第1弾性部材の正回転方向側端
    と前記第2弾性部材の負回転方向側端とを円周方向に支
    持する出力側支持部を有し、 前記第1弾性部材の正回転方向側端及び前記第2弾性部
    材の負回転方向側端にはシート部材が装着されており、 前記中間制限部は、前記入力側支持部及び前記出力側支
    持部と前記シート部材を介して係止する、請求項3又は
    4に記載のトルクコンバータのロックアップダンパー。
  6. 【請求項6】前記第1及び第2弾性部材と前記中間支持
    部とは回転方向に複数設けられ、 前記中間部材は複数の前記中間支持部同士を連結する連
    結部を有している、請求項1から5のいずれかに記載の
    ロックアップダンパー。
JP4105097A 1996-12-06 1997-02-25 トルクコンバータのロックアップダンパー Pending JPH10238612A (ja)

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KR1019970066404A KR19980063853A (ko) 1996-12-06 1997-12-05 토크컨버터용 록업댐퍼
DE19754070A DE19754070C2 (de) 1996-12-06 1997-12-05 Überbrückungsdämpfer für einen Drehmomentwandler
US08/985,778 US5984065A (en) 1996-12-06 1997-12-05 Lockup damper for torque converter

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009079692A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Aisin Aw Co Ltd ダンパ装置
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WO2014084457A1 (ko) * 2012-11-27 2014-06-05 한국파워트레인 주식회사 차량용 토크 컨버터

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