JP3558319B2 - 電気掃除機用車輪 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂などにより形成される電気掃除機用車輪に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気掃除機用の車輪として、タイヤ部と、このタイヤ部から延設されたホイール部とをポリプロピレン等の合成樹脂で一体に形成したものが知られている。
しかしながら、このような車輪は、クッション性がないため床面を傷つけ易いほか、電気掃除機の騒音対策上問題が大きいものであった。
【0003】
すなわち、近年、家庭用の電気掃除機においては、吸込み仕事率を向上させるため1KW程度の強力なモータが使用されているため、このモータの駆動に伴う騒音および振動が増大する傾向がある一方、使用中における掃除機本体の移動や取扱いを容易にするため、掃除機本体の全長を小さくし、その重心ので
きるだけ近傍に従来に比べて直径の大きな車輪を取付けるようにしている。
【0004】
従って、モータの振動がこの大径の車輪を介して床面に伝搬したり、車輪が床面を走行する際に騒音を生じたりして、電気掃除機の騒音問題に占める車輪の重要性は高いものである。
【0005】
そのため、タイヤ部を、軟質ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性エラストマーなどの軟質樹脂で形成した車輪が提案されているが、タイヤ部全体を中実の軟質樹脂で形成するため材料の使用量が多くなり、また、その肉厚を厚くすると長期使用により永久変形を生じる問題がある。
【0006】
また、タイヤ部を中実の軟質発泡体、例えば、発泡したエチレン−酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂発泡体で形成することも提案されているが、合成樹脂発泡体も、長期間の使用により永久変形し易く、円滑な走行を損なう問題がある。
【0007】
さらに、特開平3−253402号公報に記載されているような、タイヤ部をゴム材料で中空状に形成して、クッション性を高めた車輪も提案されているが、タイヤ部がゴム製であるため、車輪の走行に伴って床面が汚染される問題
があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、騒音対策に有効でかつ形状保持性に優れるとともに、走行面を汚染する虞がなく、長期にわたり円滑に走行できる電気掃除機用車輪を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、車輪のホイール部とタイヤ本体部とを硬質樹脂で形成するとともに、両者を別体で非連続で形成したうえ軟質樹脂の緩衝材を介して接合一体化すると、両者相互の間で伝わる振動が減衰されることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、下記の構成を特徴とする電気掃除機用車輪である。
【0011】
(1)硬質樹脂製のホイール部と、このホイール部の外周にホイール部とは別体に形成された硬質樹脂製のタイヤ本体部とが、タイヤ本体部の表面を覆うカバー部を形成する軟質樹脂製の緩衝材を介して接合一体化された車輪であって、上記緩衝材はホイール部外周面とタイヤ本体部内周面の間に形成される円周方向に沿う全空間に充填され、ホイール部およびタイヤ本体部に熱融着していることを特徴とする電気掃除機用車輪。
【0012】
(2)硬質樹脂製のホイール部と、このホイール部の外周にホイール部とは別体に形成された硬質樹脂製のタイヤ本体部とが、タイヤ本体部の表面を覆うカバー部を形成する軟質樹脂製の緩衝材を介して接合一体化された車輪であって、ホイール部外周面とタイヤ本体部内周面の間に形成される円周方向に沿う空間を、緩衝材が充填された接合部と、緩衝材が充填されていない透孔部とに形成し、上記緩衝材はホイール部およびタイヤ本体部に熱融着していることを特徴とする電気掃除機用車輪。
【0013】
(3)ホイール部およびタイヤ本体部は、射出成形用の一次成形型により形成された一次成形用キャビティに硬質樹脂が注入されて形成され、カバー部および緩衝材は、二次成形型により形成された二次成形用キャビティに軟質樹脂が注入されて形成されている(1)または(2)に記載の電気掃除機用車輸。
【0014】
(4)別途成形されたホイール部およびタイヤ本体部が射出成形用金型にインサートされるとともに、この射出成形用金型のキャビティに軟質樹脂が注入されてカバー部および緩衝材が成形されている(1)または(2)に記載の電気掃除機用車輪。
【0015】
本発明においては、ホイール部とタイヤ本体部とが連設されず断絶されており、両者間に介在させる緩衝材(カバー部)にて振動を減衰すると同時に接合一体化を図ることができ、かつ、タイヤは硬質樹脂製の本体部と本体部の表面を覆う軟質樹脂製のカバー部とで構成されるので、形状保持性に優れるとともに適度のクッション性を保有する。
【0016】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。
【0017】
図1および図2において、電気掃除機用車輪1は、硬質樹脂により形成されたホイール部2と、ホイール部2の外周に若干の間隔をおいて硬質樹脂により別体に形成されたタイヤ本体部3と、タイヤ本体部3の表面を被覆する軟質樹脂により形成されたカバー部4とで構成されている。
【0018】
カバー部4を形成する軟質樹脂は、ホイール部2の外周面とタイヤ本体部3の内周面の間に形成される円周方向に沿う全空間に充填され、ホイール部2とタイヤ本体部3を形成する硬質樹脂に熱融着して、両者2,3を緩衝材(軟質樹脂)を介して接合一体化する接合部5を形成している。
【0019】
上記の軟質樹脂と硬質樹脂は、両者の接合一体化を実現するため互いに熱融着可能なポリマーが選択されるが、軟質樹脂としては、緩衝性やクッション性を確保するため、柔軟性に富む樹脂が選択され、例えばオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーが例示され、硬質樹脂としては、機械的強度や剛性を確保するため、例えばポリプロピレン、スチレン系ポリマー、ポリカーボネート等が例示されるが、好ましい例としては、ホイール部2およびタイヤ本体部3をポリプロピレンで形成し、カバー部4をオレフィン系エラストマーで形成することができる。
【0020】
図3および図4は、他の実施例を示し、上記の実施例と異なるところは、カバー部4を形成する軟質樹脂が、ホイール部2の外周面とタイヤ本体部3の内周面の間に形成される円周方向に沿う空間に断続的に充填され、ホイール部2とタイヤ本体部3に熱融着して接合一体化する接合部5と、軟質樹脂が充填されずに空間が元のまま残存する透孔部6とが円周方向に沿って交互に形成されている点である。
【0021】
この実施例によれば、上記空間に充填する軟質樹脂材料の節約を図ることができ、製造コストを低減できるとともに、透孔部6がこの部分においてホイール部2とタイヤ本体部3とを完全遮断することとなり、ホイール部2とタイヤ本体部3間の双方向におけるへの振動の伝搬をより少なくすることができる。
【0022】
図5は、図1および図2に記載の電気掃除機用車輪が成形される好適な工程を示すもので、(A)は、コア金型11とキャビティ金型12とからなる射出成形用の一次成形金型10の型締めにより形成された一次成形用キャビティ15,16に溶融した硬質樹脂がノズル20から射出されて、ホイール部2およびタイヤ本体部3が一次成形される状態を示し、(B)は、一次成形金型10を型開きした後、コア金型11とキャビティ金型13とからなる射出成形用の二次成形金型14の型締めにより形成された二次成形用キャビティ17に溶融した軟質樹脂がノズル20から射出されて、一次成形されたホイール部2およびタイヤ本体部3に熱融着してカバー部が形成される状態を示している。なお、図3および図4に記載の電気掃除機用車輪も上記と同様な工程により成形することができ、二次成形金型において、接合部5と透孔部6が円周方向に沿って交互に形成されるように二次成形用キャビティを構成すればよいものである。
【0023】
本発明においては、上記の成形方法と異なり、ホイール部2およびタイヤ本体部3を予め成形しておき、これを射出成形用の金型に装入してから溶融した軟質樹脂をキャビティに注入するインサート成形法によっても車輪を形成することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の電気掃除機用車輪は、ホイール部とタイヤ本体部とが緩衝材を介して隔絶されているとともに、タイヤの表面のみを軟質樹脂でカバーするようにしたので、振動や騒音の緩和に有効であるほか、形状保持性に優れ、走行面を汚染する虞がなく、長期にわたり円滑に走行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面断面図。
【図2】本発明の一実施例を示す正面図。
【図3】本発明の他の実施例を示す側面断面図。
【図4】本発明の他の実施例を示す正面図。
【図5】本発明の成形工程を示す説明図。
【符号の説明】
1…電気掃除機用車輪
2…ホイール部
3…タイヤ本体部
4…カバー部
5…接合部
6…透孔部
10…一次成形用金型
11…コア金型
12…キャビティ金型(一次成形用)
13…キャビティ金型(二次成形用)
14…二次成形用金型
15,16…キャビティ(一次成形用)
17…キャビティ(二次成形用)
20…ノズル
Claims (4)
- 硬質樹脂製のホイール部と、このホイール部の外周にホイール部とは別体に形成された硬質樹脂製のタイヤ本体部とが、タイヤ本体部の表面を覆うカバー部を形成する軟質樹脂製の緩衝材を介して接合一体化された車輪であって、上記緩衝材はホイール部外周面とタイヤ本体部内周面の間に形成される円周方向に沿う全空間に充填され、ホイール部およびタイヤ本体部に熱融着していることを特徴とする電気掃除機用車輪。
- 硬質樹脂製のホイール部と、このホイール部の外周にホイール部とは別体に形成された硬質樹脂製のタイヤ本体部とが、タイヤ本体部の表面を覆うカバー部を形成する軟質樹脂製の緩衝材を介して接合一体化された車輪であって、ホイール部外周面とタイヤ本体部内周面の間に形成される円周方向に沿う空間を、緩衝材が充填された接合部と、緩衝材が充填されていない透孔部とに形成し、上記緩衝材はホイール部およびタイヤ本体部に熱融着していることを特徴とする電気掃除機用車輪。
- ホイール部およびタイヤ本体部は、射出成形用の一次成形型により形成された一次成形用キャビティに硬質樹脂が注入されて形成され、カバー部および緩衝材は、二次成形型により形成された二次成形用キャビティに軟質樹脂が注入されて形成されている請求項1または2に記載の電気掃除機用車輸。
- 別途成形されたホイール部およびタイヤ本体部が射出成形用金型にインサートされるとともに、この射出成形用金型のキャビティに軟質樹脂が注入されてカバー部および緩衝材が成形されている請求項1または2に記載の電気掃除機用車輪。
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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1996
- 1996-12-10 JP JP35201496A patent/JP3558319B2/ja not_active Expired - Fee Related
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