JP3558234B2 - 組立て机における中央引出しのガイド装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、天板の下方に前後方向にスライドされる中央引出しを備えた組立て机における中央引出しのガイド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、組立て机においては、天板が載置、固定される枠棧が、前上端部において左右方向に長く伸びる前横棧と後上端部において左右方向に長く伸びる後横棧とを備えて、前記天板下方に位置させて、前後方向にスライドされる中央引出しが装備されることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記中央引出しを前後方向にスライド可能にガイドするため、左右一対のガイドレール部材が設けられるが、このガイドレール部材は、天板下面、机側壁を構成する袖部材の内側面等に固定されるが、いずれにしても、ボルト等の固定具を別途利用してその固定を行っているのが実情である。この一方、組立て机においては、いかにして別途固定具を用いることなく組立てられるが問題となり、この点において改善の余地がある。
【0004】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、中央引出しをガイドするためのガイドレール部材を、別途固定具を用いるこなく固定できるようにした組立て机における中央引出しのガイド装置を提供することにある。
【0005】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような構成としてある。すなわち、
天板の取付けられる枠棧が、前上端部において左右方向に長く伸びる前横棧と後上端部において左右方向に長く伸びる後横棧とを備え、
前記天板下方に位置させて、前後方向にスライドされる中央引出しが装備された組立て机において、
机の背面板を構成する幕板が、前記後横棧よりも低い位置となるように設けられ、
前記中央引出しをガイドするための前後方向に伸びるガイドレール部材が、前記前横棧と後横棧との下方に配設され、
前記ガイドレール部材の後端部には、上下方向に伸びると共に下方に開口するレール側切欠開口が形成され、
前記幕板上端部には、上方へ開口して、前記レール側切欠開口が係合される幕板側切欠開口が形成され、
前記前横棧の後面には、係止孔が形成され、
前記ガイドレールの前端部上面には、前方へ向けて伸びて前記係止孔に挿入される係止突起部が形成されている、
ような構成としてある。
【0006】
好ましくは、前記係止突起部を、切り起こしによって前記ガイドレール部材と一体形成することができる。
【0007】
好ましくは、前記ガイドレール部材の上壁部と前記マーク板の上面との間に、コ−ド類が挿通可能な所定間隙を形成することができる。
【0008】
好ましくは、前記幕板の上端部が、前方へ向けて略水平に伸びる上壁部と該上壁部の前端から下方へ伸びる前壁部とを有する閉断面状に形成され、
前記幕板側切欠開口が、前記前壁部に形成された第1切欠開口と、前記上壁部に形成されて該第1切欠開口に連続する第2切欠開口とから構成され、
前記レール側切欠開口を前記第1切欠開口に係合させたとき、該ガイドレール部材のうち該レール側切欠開口よりも後方側部分が前記第2切欠開口に位置されるような構成とすることができる。
【0009】
【作用】
上記構成とされた本発明によれば、ガイドレール部材は、その後端部が、レール側切欠開口を幕板側切欠開口に係合させることにより、当該幕板に対して前後、左右および下方へ変位不能として係合され、上方への変位は後横棧により規制されることになる。また、ガイドレール部材前端部上面に形成された係止突起部を前棧に形成された係止孔に挿入することにより、当該ガイドレール部材の前端部が前横棧によって保持されることになり、かつ上方への変位は前横棧により規制されることになる。
【0010】
【実施例】
以下図面を参照して本発明の実施例につき詳細に説明する。
【0011】
図1、図2は、本発明が適用される組立て机の一例を示し、枠棧1が、上下方向に伸びる脚部2を介して、前後方向に伸びる支台3に支持されている。実施例では、脚部2は支台3の後端部にのみ位置されて、枠棧1は、脚部2によって片持ち式に支持されている。勿論、枠棧1は、その前端部側も脚部によって支持するようにしてもよく、あるいは前後方向に長く伸びる袖部等によって枠棧1の前後方向ほぼ全長に渡って支持する等、従来既知の組立て机において一般的な構造によって支持することが可能である。
【0012】
枠棧1は、互いに一体に連結された4本の棧部材11〜14を有する。11、12は左右一対の縦棧、13、14は前後一対の横棧である。縦棧11、12は、その後端部が、脚部2の上端部に連結、固定されている。前横棧13は、左右一対の縦棧11と12との各前端部同士を連結、固定している。後横棧14は、左右一対の縦棧11と12との各後端部同士を連結、固定している。
【0013】
図3、図4にも示すように、枠棧1には、天板21が着脱自在に取付けられる。天板21は、複数枚のパネル板を組み合わせることにより構成されて、その下面には大きな面積を有する取付凹所22が形成されている。取付凹所22は、枠棧1にほぼがたつきなく嵌合されるような形状とされて、取付凹所22の前面が符合22aで、また後面が符合22bで示される。
【0014】
取付凹所22の前面22aには、左右方向に間隔をあけて複数(実施例では3個)の係止孔23が開口されている。また、取付凹所の後面22bには、切り起こしによって、前方へ伸びる係止突起部24が形成されている。この係止突起部24も、左右方向に間隔をあけて複数(実施例では3個)形成されている。
【0015】
前横棧13は、閉断面状に形成されて、係止機構30が装備されている。この係止機構30は、合成樹脂製のガイド部材31を有する。ガイド部材31は、係止突起部材32を前後方向に摺動自在に案内するためのもので、係止突起部材32の後端部は、前横棧13よりも後方へ延在されている。また、係止突起部材32の前端部は、前後方向の摺動に応じて、前横棧13の前面から出没可能とされている。そして、係止突起部32の前端部上面は、前方へ向うにつれて徐々に低くなるテ−パ面32aとされている。
【0016】
係止突起部材32の後端部は、前横棧13よりも後方へ延在されて、この後端部に、操作部材33が取付けられている。この操作部材33を後方へ変位させたとき、止輪34を介して係止突起部材が32が後方へ変位されるように設定されている。そして、係止突起部材32は、ガイド部材31内に配設したスプリング35によって前方へ向けて付勢されている。そして、外力が作用しない限り、スプリング35によって、係止突起部材32の先端部が所定距離だけ、前横棧13の前面がら突出した状態とされる(係止突起部材32の所定以上の前方動は、操作部材33が前横棧13の後面に当接することにより規制される)。このような係止機構30は、天板21に形成された前記係止孔23に対応して複数設けられ、係止突起部材32の先端部が当該係止孔23内に挿入可能とされている。なお、操作部材33は、左右方向に長いものとされて、各係止機構30(係止突起部材32)共通用とされている。
【0017】
一方、後横棧14も、閉断面状に形成されて、その後面には、前記係止突起部24が挿入可能な係止孔36が形成されている。勿論、この係止孔36も、係止突起部24に対応して、左右方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0018】
天板21を枠棧1に取付けるには、先ず、枠棧1の上方に位置させた天板21を、その前端部が後端部よりも若干高い位置とした状態で、天板21を前方へ若干スライド動させつつ係止突起部24を係止孔36に挿入する。その後、天板21の前端部を下降させることにより、係止突起部材32が係止孔23に挿入され、これにより、天板21の枠棧1に対する取付けが完了する。天板21を枠棧1から取り外すには、操作部材33を後方へ移動させて全ての係止突起部材32を係止孔23から退出させた状態で、天板21の前端部を持ち上げ、その後天板21を後方へスライド動させて係止突起部24を係止孔36から抜き出せばよい。
【0019】
図中41は、組立て机の背面板を構成する幕板で、左右一対の脚部2同志を連結している。この幕板41は、後横棧14よりも若干低い位置に配設されて、固定具としてのボルト42を利用して、左右の脚部2に固定されている。すなわち、幕板41の本体パネル部41aの左右側端部を前方へ直角に折り曲げことにより、脚部2に沿う取付片部41bが形成され、この取付片部41bがボルト42によって脚部2に固定されている。
【0020】
図3、図4に示すように、幕板41の上端部は、本体パネル部41aの上端部を前方へ折返すように加工することにより、閉断面状に形成されている。この閉断面状部分が符合43で示され、当該閉断面状部分43は、本体パネル部41a上端から前方に略水平に伸びる上壁部43aと、上壁部45aの前端から下方へ向けて伸びる前壁部43bと、前壁部43bの下端から伸びて本体パネル41aに接合された接合片部43cとを有する。
【0021】
図中51は中央引出し、52は中央引出し51を前後方向にスライド可能にガイドするためのガイドレール部材である。このガイドレール部材52は、中央引出し51の左右側部を案内するために、左右一対設けられている。以下このガイドレール部材52の取付構造について説明する。
【0022】
先ず、ガイドレール部材52は、断面略コ字状とされて、上下方向に伸びる本体部52aと、本体部52aの上端から略水平に伸びる上壁部52bと、本体部52aの下端から略水平に伸びる下壁部52cとを有し、開口部分が、左右方向内方側を向いている。
【0023】
ガイドレール部材52の後端部には、レール側切欠開口53が形成されている。このレール側切欠開口53は、ガイドレール部材52の本体部52aに形成されて、下方に向けて開口されている。そして、上壁部52bは、レール側切欠開口53よりも後方に存在するが、下壁部52cは、レール側切欠開口53よりも後方側には存在しないものとされている。
【0024】
ガイドレール部材52の前端部には、係止突起部54が形成されている。この係止突起部54は、上壁部52bに形成されて、当該上壁部52bの一部を切り起こすことにより形成されている。この係止突起部54は、上壁部52bに連なる縦部54aと、縦部54aの上端部から前方へ伸びる前方延長部54bとから構成されて、前方延長部54bとガイドレール部材52の上壁部52bとの間には、上下方向の所定間隙が形成される。
【0025】
前横棧13には、前記ガイドレール部材52の係止突起部54に対応して、係止孔55が形成されている。この係止孔55は、係止突起部54の前方延長部54bが挿入される大きさ(形状)とされている。
【0026】
一方、幕板41の閉断面部43には、図5にも示すように、左右方向端部において、所定形状の係合孔61が形成されている。この係合孔61は、幕板側切欠開口となるもので、閉断面部43の前壁部43bに形成された第1切欠開口61aと、上壁部43aに形成された第2切欠開口61bとから構成されている。第1切欠開口61aは、上下方向に伸びて上方へ開口されている。また、第2切欠開口61bは、その左右方向外端部側が開口するように、つまり開口部分が取付片部41bに対抗するように形成されている。そして、第1切欠開口61aと第2切欠開口61bとは、第2切欠開口61bの左右方向外端部側において互いに連続されている。
【0027】
図4、図5に示すように、ガイドレール部材52は、枠棧1の下方に配設される。ガイドレール部材52の係止突起部54(の前方延長部54b)が前横棧13の係止孔55内に挿入され、そのレール側切欠開口53が、幕板41の係合孔61に係合される。すなわち、レール側切欠開口53が係合孔61のうち第1切欠開口61aに合致するように係合されて、この状態で第2切欠開口61bは、ガイドレール部材52のうちレール側切欠開口53よりも後方部分が位置する逃げ空間とされる。
【0028】
後横棧14は、ガイドレール部材52を幕板41、前横棧13に対して組み付けた後に組み付けられて、図4に示す組付完了状態とされる。天板21の取り外しの際には、ガイドレール部材52は何等取り外す必要のないものとなる。
【0029】
図6は本発明の第2実施例を示すものである。本実施例では、ガイドレール部材52の後端部において、その上壁部52bと幕板41の閉断面部43の上壁部43aとの間に、コ−ド類70が十分挿通可能な上下方向の所定間隙Lが形成されている。また、閉断面部43には、その前壁部43bよりも若干下方位置において、当該閉断面部43の内外を連通する開口71が形成されている。これにより、コ−ド類70が、天板21下方の大きな足下空間より、閉断面43内、上記所定間隙Lを通って、机背面側空間へと配設可能とされる。
【0030】
図7は本発明の第3実施例を示すものである。本実施例では、前記実施例におけるガイドレール部材52に形成される係止突起部54を、ガイドレール部材52とは別体に形成された係止突起部材54Aによって構成して、この係止突起部材54Aをガイドレール部材52に溶接等により固定してある。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、ボルト等の固定具を別途用いることなくガイドレール部材の固定を行うことができ、組立て机としてより好ましいものを提供することができる。また、天板は、交換されることが多いが、ガイドレール部材は天板の取付、取外しとは無関係に正規の組付位置を保持できるので、天板交換に際してガイドレール部材の取外しが不要になるという点でも好ましいものとなる。
【0032】
請求項2に記載したような構成とすることにより、係止突起部を、別途専用の部材を用いることなく、ガイドレール部材をそのまま有効に利用して構成することができる。
【0033】
請求項3に記載したような構成とすることにより、コード類を、天板下方の足下空間から机の背面側へと配設するうえで好ましいものとなる。
【0034】
請求項4に記載したような構成とすることにより、幕板上端部を閉断面構造として、ガイドレール部材をしっかりと保持する上で好ましいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される組立て机のうち、脚部と枠棧部分を示す前方斜視図。
【図2】図1の組立て机を、天板を含めて示す後方斜視図。
【図3】組立て机の分解側面図。
【図4】図3の状態から組み立て完了の状態を示す側面断面図。
【図5】本発明の要部を示す分解斜視図。
【図6】本発明の第2実施例を示す要部側面断面図。
【図7】本発明の第3実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
1:枠棧
13:前横棧
14:後横棧
21:天板
41:幕板
43:閉断面部
43a:上壁部
43b:前壁部
51:中央引出し
52:ガイドレール部材
53:レール側切欠開口
54:係止突起部
55:係止孔
61:係合孔(幕板側切欠開口)
61a:第1切欠開口
62:第2切欠開口
70:コ−ド類
Claims (4)
- 天板の取付けられる枠棧が、前上端部において左右方向に長く伸びる前横棧と後上端部において左右方向に長く伸びる後横棧とを備え、
前記天板下方に位置させて、前後方向にスライドされる中央引出しが装備された組立て机において、
机の背面板を構成する幕板が、前記後横棧よりも低い位置となるように設けられ、
前記中央引出しをガイドするための前後方向に伸びるガイドレール部材が、前記前横棧と後横棧との下方に配設され、
前記ガイドレール部材の後端部には、上下方向に伸びると共に下方に開口するレール側切欠開口が形成され、
前記幕板上端部には、上方へ開口して、前記レール側切欠開口が係合される幕板側切欠開口が形成され、
前記前横棧の後面には、係止孔が形成され、
前記ガイドレールの前端部上面には、前方へ向けて伸びて前記係止孔に挿入される係止突起部が形成されている、
ことを特徴とする組立て机における中央引出しのガイド装置。 - 前記係止突起部が、切り起こしによって前記ガイドレール部材と一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載の組立て机における中央引出しのガイド装置。
- 前記ガイドレール部材の上壁部と、前記幕板の上面との間に、コ−ド類が挿通可能な所定間隙が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の組立て机における中央引出しのガイド装置。
- 前記幕板の上端部が、前方へ向けて略水平に伸びる上壁部と該上壁部の前端から下方へ伸びる前壁部とを有する閉断面状に形成され、
前記幕板側切欠開口が、前記前壁部に形成された第1切欠開口と、前記上壁部に形成されて該第1切欠開口に連続する第2切欠開口とから構成され、
前記レール側切欠開口を前記第1切欠開口に係合させたとき、該ガイドレール部材のうち該レール側切欠開口よりも後方側部分が前記第2切欠開口に位置されることを特徴とする請求項1に記載の組立て机における中央引出しのガイド装置。
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JP05874295A Expired - Fee Related JP3558234B2 (ja) | 1995-03-17 | 1995-03-17 | 組立て机における中央引出しのガイド装置 |
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