JP3558138B2 - 液体口腔用組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、エタノールを含まない又はエタノール含有量の少ない液体口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
洗口剤等の液体口腔用組成物には、使用実感の付与や低温固化の問題を回避する目的で通常エタノールが3%(重量%、以下同様)以上配合されているが、幼児が誤飲した場合の安全性の確保や酵素を有効成分として配合した場合の酵素の安定性の確保という点からエタノールを配合しないかエタノール含有量を少なくすることが望まれる。
【0003】
しかしながら、エタノールを使用しない液体口腔用組成物或いはエタノールを少量しか使用しない液体口腔用組成物においては、エタノール不足に基づく防黴力の不足が生じ、経時により黴が発生する場合があり、このためこの点の解決が望まれた。
【0004】
この場合、液体口腔用組成物にはいくつかの種類の殺菌剤が配合され、その中でも安息香酸ナトリウム、パラヒドロキシ安息香酸エステルなどが汎用されている。しかし、これら殺菌剤は、細菌に対する抗菌効果は高いものの黴に対する防黴効果は弱く、このためこれら殺菌剤を配合した液体口腔用組成物は十分な防黴力を得難いものであった。
【0005】
これに対し、塩化セチルピリジニウム(CPC)、4級カチオン塩等の殺菌剤は、強い防黴力を有するが、これら自体の異味が強く、使用感に劣るという問題点を有していた。また、有効成分として酵素を含有する液体口腔用組成物に配合すると、酵素の安定性が損なわれてしまうという欠点を有していた。
【0006】
本発明者は、上記事情に鑑みなされたもので、使用感を損なうことなく、十分なレベルの防黴力を付与することができる液体口腔用組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、下記構造式(1)のシンナミックアルデヒド類、下記構造式(2)のシンナミックアルデヒドのアセタール類、下記構造式(3)の脂肪族アルデヒド類及び下記構造式(4)の脂肪族アルデヒドのアセタール類を、エタノール無配合又はエタノールを少量しか配合しない液体口腔用組成物、具体的にはエタノール含有量が3%以下の液体口腔用組成物に配合することにより、優れた防黴効果が発揮され、エタノールを含まない又はエタノール量が少ないにも拘らず、確実に黴の発生を防止し得ると共に、上記防黴成分は液体口腔用組成物の使用感を損うこともないことを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
【化4】
(上記式中R1〜R5は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基、水素原子、水酸基、メトキシ基、もしくはエトキシ基、又は隣合う2つのRn(n=1〜5)が−O−CH2−O−を形成する基を示す。但し、R1〜R5がすべて水素原子である場合を除く。)
【0009】
【化5】
【0010】
R8−CHO …(3)
(上記式中R8は、炭素数5のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
【0011】
【化6】
(上記式中R6,R7及びR8は上記と同様の意味を示す。)
【0012】
従って、本発明は、エタノール含有量が3重量%以下の液体口腔用組成物に、防黴成分として、上記構造式(1)で示されるシンナミックアルデヒド類、上記構造式(2)で示されるシンナミックアルデヒドのアセタール類、上記構造式(3)で示される脂肪族アルデヒド類及び上記構造式(4)で示される脂肪族アルデヒドのアセタール類から選ばれる1種又は2種以上を配合してなることを特徴とする液体口腔用組成物を提供する。
【0013】
以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明の液体口腔用組成物はエタノール含有量が0〜3%、特に0〜2%のものであり、本発明はこの液体口腔用組成物に防黴成分として下記構造式(1)で示されるシンナミックアルデヒド類、下記構造式(2)で示されるシンナミックアルデヒドのアセタール類、下記構造式(3)で示される脂肪族アルデヒド類及び下記構造式(4)で示される脂肪族アルデヒドのアセタール類から選ばれる1種又は2種以上を配合したものである。
【0014】
【化7】
(上記式中R1〜R5は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜3のアルケニル基、水素原子、水酸基、メトキシ基、もしくはエトキシ基、又は隣合う2つのRn(n=1〜5)が−O−CH2−O−を形成する基を示す。但し、R1〜R5がすべて水素原子である場合を除く。)
【0015】
【化8】
【0016】
R8−CHO …(3)
(上記式中R8は、炭素数5のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
【0017】
【化9】
(上記式中R6,R7及びR8は上記と同様の意味を示す。)
【0018】
ここで、上記式(1)〜(4)の化合物を例示すると、o−メトキシシンナミックアルデヒド、p−メトキシシンナミックアルデヒド、p−エトキシシンナミックアルデヒド、3,4−ジメトキシシンナミックアルデヒド、3,4,5−トリメトキシシンナミックアルデヒド、シンナミックアルデヒド−ジメチルアセタール、シンナミックアルデヒド−ジエチルアセタール、シンナミックアルデヒド−プロピレングリコールアセタール、p−メトキシシンナミックアルデヒド−ジエチルアセタール、p−メトキシシンナミックアルデヒドプロピレングリコールアセタール、p−メトキシシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、ヘキサナール、t−2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセナール、t−2−ヘキセナールジメチルアセタール、t−2−ヘキセナールジエチルアセタール、t−2−ヘキセナールプロピレングリコールアセタール等を挙げることができる。
【0019】
なお、上記シンナミックアルデヒド類の配合量は、組成物全体の0.0001〜0.5%、特に0.001〜0.05%配合することが好ましい。また、シンナミックアルデヒドのアセタール類の配合量は、組成物全体の0.0002〜0.5%とすることが好ましく、より好ましくは0.002〜0.1%である。更に、脂肪族アルデヒド類の配合量は0.00005〜0.1%、特に0.0001〜0.05%、脂肪族アルデヒドのアセタール類の配合量は0.0001〜0.2%、特に0.0002〜0.1%とすることが好ましい。いずれの場合も、配合量が少ないと防黴効果が十分発揮されず、多すぎると使用感を損う場合がある。
【0020】
本発明の液体口腔用組成物は、洗口剤、水歯磨、口中清涼剤等として用いられるが、必要により種々の成分を配合し得る。
【0021】
例えば、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素等の酵素、ソジウムモノフルオロホスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1錫等のフッ化物、クロルヘキシジン塩類、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルリチン塩類、塩化ナトリウム、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、アズレン、ビタミン類などの1種又は2種以上を配合することができる。なお、上記有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0022】
また、本発明の液体口腔用組成物中には、1,8−シネオール、アネトール、オイゲノール、サリチル酸メチル、リナロール、メントール、リモネン等の他の香料成分や精油を本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で配合してもよい。
【0023】
この場合、本発明の液体口腔用組成物には、l−メントールを含有することが好ましく、l−メントールを上記防黴成分とすることにより更に防黴効果が相乗的に増強される。この場合、l−メントールの配合量は組成物全体の0.005〜1%、特に0.01〜0.5%とすることが好ましい。
【0024】
本発明の液体口腔用組成物には、必要に応じ更に種々の成分を配合し得る。具体的には、粘稠剤としてソルビット、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリット、マルチット、ラクチット等の1種又は2種以上を配合し得、粘結剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム、カラゲナン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸及びその塩、ガム類、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどの1種又は2種以上を配合し得る。更に、ソジウムラウリルサルフェート、ラウロイルザルコシネート、α−オレフィンスルホネート、タウレート、ラウリルモノグリセライドサルフェート、ラウリルモノグリセライドスルホネート、N−長鎖アシルアミノ酸塩、石けん等のアニオン活性剤、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリルモノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のノニオン活性剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ベタイン型、アミノ酸型の両性活性剤などの1種又は2種以上の界面活性剤を配合し得る。
【0025】
また更に、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、タウマチン、グリチルリチン、ペリラルチンなどの甘味剤、パラベン、安息香酸ナトリウムなどの防腐剤、その他の成分を配合し得、上記した所望の成分を適量の水と練合することにより製造し得る。この場合、水の含有量は通常50〜95%であり、特に70〜90%である。
【0026】
【発明の効果】
本発明の液体口腔用組成物は、エタノールが含有されておらず又はエタノール含有量が少なくとも優れた防黴性を有し、しかも使用感が良好なものである。
【0027】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0028】
〔実施例1〜3、比較例1〜4〕
表1に示した組成に基づき洗口剤を調製し、これらについて防黴力及び使用感を評価した。
防黴力測定方法
調製した洗口剤1mlに、黴(Paecilomyces variotii)約105を接種し、25℃下4週間培養後の残存菌体数を測定した。
○:残存菌体数が10個/ml以下
△:残存菌体数が10〜1000個/ml
×:残存菌体数が1000個/ml以上
使用感の評価方法
14名の専門パネルにより調製した洗口剤を使用した際の味について5段階評価させ、得られた14名のパネルの評点の平均値を下記基準に適用して使用感を評価した。
<評点>
5点:異味異臭なし
4点:僅かに異味異臭あり
3点:やや異味異臭あり
2点:異味異臭あり
1点:強い異味異臭あり
<評価基準>
○:5点
△:3〜4点
×:2点以下
【0029】
【表1】
*香料:香料中のl−メントールは香料中40%、組成物中0.04%の含有量である。
【0031】
【0032】
【0033】
Claims (2)
- エタノール含有量が3重量%以下の液体口腔用組成物に、防黴成分として、下記構造式(1)で示されるシンナミックアルデヒド類、下記構造式(2)で示されるシンナミックアルデヒドのアセタール類、下記構造式(3)で示される脂肪族アルデヒド類及び下記構造式(4)で示される脂肪族アルデヒドのアセタール類から選ばれる1種又は2種以上を配合してなることを特徴とする液体口腔用組成物。
基を形成する基を示す。)
R8−CHO …(3)
(上記式中R8は、炭素数5のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
- l−メントールを配合した請求項1記載の液体口腔用組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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- 1993-12-24 JP JP34810993A patent/JP3558138B2/ja not_active Expired - Fee Related
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