JP3556216B2 - 髪を染色する方法及びそのキット - Google Patents
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Description
発明の技術分野
本発明はメラニンを発生させ髪を永久的に染色するドパ(dopa)及び/又は選択された置換ドパ化合物の用途に関するものである。より詳しくは、本発明は髪染色方法に関するものであり、この方法では、ドパ種及び酸化剤は水性環境下で反応して、この水性環境下で窒素を含むフェノール系、特にインドール系、のメラニン前駆体の予測できないほどの高濃度を与え、この反応を通して生成されるメラニン前駆体は髪に存在する間にメラニンへのその対応する変換によって髪を永久的に染色するために効果的である。本発明はさらにドパ種と、酸化剤と、一次中間体及びカップラー(coupler)からなる群から選ばれる一種以上の髪染色化合物との反応によるメラニンの形成に関するものである。さらに、本発明は、メラニンがキットの形態で別個にパックされている反応剤固体から使用者によって発生させられる髪染色方法に関するものである。
発明の背景
例えば、プロタ(Prota),Progress in the Chemistry of Melanins and Related Metabolites,Med.Res.Reviews,8:525−56(1988),で報告されている如く、メラニンは髪及び皮膚に存在する色素に自然に生ずる。ヒトにおいては、生体内化学的物質合成がチロシナーゼ含有黒色素細胞(メラノサイト)中で起る。このチロシナーゼ酵素はチロシンのドパへのヒドロキシル化及びドパクロム(dopachrome)へのそのその後の酸化を触媒する。一度ドパクロムが形成されると、ドパクロムはユーメラニン(eumelanin)及びフェーオメラニン(phaeomelanin)の生成で複雑な反応を行う。
メラニンは黒色の及び濃いカッ色の色素を与え、そしてメラノジェニシス(melanogenesis)を介して生合成的に誘導される5,6−ジヒドロキシインドールの酸化重合によって生成される。他方、フェーオメラニンは黄色から赤味かかったカッ色の染色を髪に与え、そして1,4−ベンゾチアジン中間体を介してシステイン−S−イル−ドパの酸化重合によって生成される。
5,6−ジヒドロキシインドール(DHI)の合成は髪及び皮膚染色に使用する先行技術に記載されている。例えば、カール(Charle)の米国特許第2,934,396号明細書は、髪を少なくともpH7のDHIの水溶液と5〜60分間接触させ、次いでDHIの酸化及び/又は重合を引き起すことができる水溶液の適用によって髪を染色する方法を記載している。
ドパ及びドパミンはハーリー(Herlihy)の方法(米国特許第4,746,322号明細書)に髪染色前駆体として記載され、この方法では、水性髪染色組成物は前記前駆体、染料分散を助ける有機化合物及びヨー素酸塩又は過ヨー素酸塩を包含する。ドパ又はドパミン染料前駆体は水性髪染料組成物中に約1〜約100mg/ml、好ましくは約5〜約25mg/ml、の量で存在する。ドパミンはハーリーによるものが好ましい。ヨー素酸塩又は過ヨー素酸塩は組成物中に1〜約50mg/mlの濃度で存在し、これに対して分散剤は約0.1〜30%(wt./vol.)の量で存在する。任意に、カラー調節剤を約0.1〜約10mg/mlの水準でハーリーの水性組成物と併用することができる。pHは緩衝剤の有効量を併用することにより約3〜約7の間に維持することができる。ハーリーによれば、前記水性組成物は「毛幹(hair shaft)の中へほとんどもしくは全く浸透しないで」毛幹上に染料を分散する(2欄、56〜58行)。
この先行技術は出発試薬としてドパを使用することにより髪を効果的に、永久的に染色する商業的に役に立ちそうな方法を提供していない。このことは、以下にさらに詳細に説明する如く、従来の方法では、髪の中へのメラニン前駆体の拡散に適し且つその後の非拡散メラニンへの変換に適する濃度でメラニン前駆体を髪の上で利用できる能力がないことに起因するものと信じられている。
事実、メラニン前駆体による髪の安価な且つさらに効果的な染色方法を提供する能力がないことが髪の商業的染色でのメラノジェネシスの使用を防げている。
しかしながら、髪を染色するメラノジェネシスの興味は非常に高い。何故かならば、合成メラミン色素は著しく自然色に近い濃いカッ色又は黒色を提供するからである。その上に、これらは皮膚に対して刺激がない。そしてまたこれらは突然変異を起こさない。
非常に驚くべきことに、5,6−ジヒドロキシインドールの効果的なメラニン形成髪染色量がドパと酸化剤との反応を介して生成される水性髪染色方法が安価にそして商業的に実行可能な条件下で実施でき、永久的なヘアカラーを達成することができることが明らかにされた。
窒素を含むフェノール系、特にインドール系、のメラニン前駆体のメラニン形成髪染色有効量が選択された置換ドパ化合物と酸化剤との反応によって生成される水性髪染色方法が、安価に且つ商業的に実行可能な条件下で実施でき、この方法により永久的なヘアカラーを達成することができることがまた明らかにされた。便利なことに、本発明の置換ドパの利用は、出発試薬として単に灰色又は黒色の染色を髪に提供できるドパのみの使用に較べて、ある範囲のヘアカラーの色合いの達成の助けとなる。本発明の方法によって染色された髪に対するさらなる着色の変更でさえも、反応混合物中に、ドパ及び/又は置換ドパ化合物と供に、一次中間体及びカッラーかならる群から選ばれる一種以上の酸化髪染料を含むことにより得ることができることを明らかにした。
本発明の概要
本発明の髪染色方法は、ドパ又は下記に定義する選択された置換ドパ化合物をフェリシアン化物又は過マンガン酸塩酸化剤と反応させてメラニン形成髪染色前駆体を生成することによる水性髪染色組成物の製造及びこの水性組成物の髪への適用を意図するものである。この水性組成物に含有されるメラニン前駆体は、髪の中に存在する間にメラニンへのその対応する変換に基づいて髪を永久的に染色する有効量で毛幹の中へ拡散することができる。
水性髪染色組成物は、ドパ種とフェリシアン化物又は過マンガン酸塩の可溶性アンモニウム、アルカリ又はアルカリ土類金属塩、特にナトリウム及びカリウム塩、である無機酸化剤とを、メラニン前駆体を生ずる一連の反応が起こる間反応媒質のpHを約6〜約10に維持するために十分な量の緩衝剤により緩衝された水性反応媒質中で、反応させることにより製造される。
本発明の方法に従って髪の永久的染色を達成するためには、水性髪染料組成物中のメラニン形成髪染料前駆体から髪に色の変更を実現させる量でメラニンを発生させることが臨界的条件である。全体の色の変更は時間をかけて組成物の二、三回の適用で徐々に得られ、又はドパ種の濃度、任意の酸化染料組成物の濃度、適用の持続期間及び使用者の所望に基づいて組成物の一回の適用でも達成できる。髪染料組成物をメラニンの実質的形成前に髪に適用して、それにより反応を通して形成されるメラニン前駆体がメラニン発生前に髪の中に拡散し、次いでメラニンが髪の中で形成されることがさらなる臨界的条件である。ここに記載する髪染色方法は約一時間未満の内に完了することが重要である。
ドパ種がドパ又はその塩である場合には、メラニン前駆体である5,6−ジヒドロキシインドールの形成を生ずる酸化剤との反応はメラニンへのその変換により髪に永久的な黒色を与える。選択される置換ドパ化合物の場合には、メラニンへの変換で置換されたドパ化合物の選択に従ってある範囲の色合いを生ずるメラニン前駆体が得られる。
本発明のさらなる態様は一次中間体及びカップラーからなる群から選ばれる酸化髪染料成分の反応混合物への任意の取り込みである。最初のドパ種・酸化剤反応後に、反応混合物中に存在する一次中間体及び/又はカップラーはメラニン前駆体前に形成される中間体化合物と少くとも部分的に反応し、それにより色彩特性を最終的に得られるメラニンに与えると信じられている。
本発明の他の一つの態様では、5,6−ジヒドロキシインドールのようなインドール系メラニン前駆体の形成は、反応媒質のpHを維持するための要求とは別に、緩衝剤の適当な選択及び量によって促進される。好ましくは、緩衝剤はリン酸塩、炭酸塩又は重炭酸塩であり、代表的には、要求pHを維持するために必要な量よりも実質的に加剰な量で含有される。
本発明のさらなる他の一つの態様では、髪を染色する方法は、メラニン形成を促進する試薬、例えば、金属イオン塩の溶液で髪をトリートメントし、このトリートメントによって最終インドール系前駆体からのメラニン形成を促進させることを意図する。促進剤でのトリートメントはトリートメント前又はトリートメント後であってもよく、またある例では、本発明の髪染料組成物の適用と同時に実施し得る。
本発明の方法はキットの形態でパックされた別個の容器中に反応剤の予め測定された量を与えることにより有利に実施できる。使用者は、髪へのその後の適用時に又は適用と共に反応剤を単純に混ぜ合せ、そして組成物が反応している間その組成物を予め定められた時間の間髪に残留させる。この方法を実施するために特別な熟練は要求されない。従ってこの方法及び生成物は専門家でない者による家庭での使用に適すると同時に専門家によるサロンでの使用にも同じように適することが知られる。好都合には、キット形態の生成物はそれ自体安定であり、従って小売販売に適切であり、そして5,6−ジヒドロキシインドールのようなメラニン形成前駆体に一般に要求される予防手段なしに、例えば好気的条件下での貯蔵に適切である。
本発明の詳細な記載
本発明の髪染色方法は、ドパ又は選択される置換ドパ類似物化合物(以下「ドパ種」として一まとめにして述べる)と無機酸化剤とを任意に一次中間体及びカップラーからなる群から選ばれる酸化髪染料成分の存在下で反応させて水性染料組成物を生成し、髪を該髪染料組成物と約一時間未満の間接触させ、この反応を、メラニン形成髪染料前駆体の量を髪へ与える方法及び条件下でメラニンの髪染色を発生させるために有効な接触期間の間進行させることからなる。前駆体は接触期間を通して髪の中へ拡散し、そして髪の中のその場でメラニンを形成し永久的な着色を与える。好ましくは、髪における髪染色組成物の接触時間は約5〜約45分であり、より好ましくは、約5〜約30分である。
「永久的な(permanent)」は通常の表面活性剤を含有するシャンプー洗いによって除去されない着色を意味する。この永久的なものは分子の大きさにかんがみ毛幹から拡散することに対してメラニンが無力であることに起因する。
「メラニン形成前駆体(melanin−forming procurser)」はドパ種と、フェリシアン化物又は過マンガン酸塩酸化剤及び任意に一次中間体もしくはカップラー髪染料成分との反応生成物を意味する。この反応生成物は重合反応を受けてメラニンを形成する。そのメラニン前駆体は、属的に窒素を含むフェノール系化合物であり、そしてインドール環を形成する環化が、下記に記載する如く、髪染料カップラー及び/又は一次中間体によって生ずる反応のために防げられ得る範囲までを除くインドール系化合物である。
ここで出願人は、本発明の選択されたドパ種の反応に関してここで使用される用語「メラニン(melanin)」及び「メラニン前駆体(melanin precursor)」は、たとえメラニン前駆体(特に一次中間体及び/又はカプラーとの反応により生成されるこれらの前駆体、とりわけ本発明の方法に従って形成されるメラニン)の化学的正体が正確に知られ又は理解されていないとしても、この分野の通常の熟練者によってよく理解されている用語であると信ずる。
本発明の他の一つの態様では、ドパ種及び酸化反応成分は、反応を始める時に使用者が混合するようにキット形態の形で別個にパックされている。使用者の髪で直接に反応成分を混ぜ合せすることは可能であるけれども、反応開始後に髪へのその後の適用のために、混合容器中でこれらを混合することが好ましい。
ドパ種によって得られる着色は反応媒質中に一次中間体及び/又はカップラーを含むことにより著しく改良できることが明らかにされた。この点に関して、用語「メラニン前駆体」及び「メラニン」は、一次中間体及びカップラーとドパ種との、及び酸化剤による酸化によって製造されるドパ種の反応生成物との反応生成物を含むことを意味する。そのようなメラニン前駆体は窒素を含むフェノール系化合物であるけれども、これらの化合物がその化学構造中にインドール環を持つかどうかは知られていない。
髪染色方法は毛幹の中へ拡散し得る一種以上のメラニン前駆体の形成を生ずる一連の反応を含む。
毛幹の内で前駆体は空気によってメラニンに酸化され、このメラニンは毛幹の中へ又は毛幹から拡散ができない。それ故に、メラニン前駆体含有髪染料組成物は実質的にメラニン形成前に髪に適用されなければならない。前駆体は空気との反応によってメラニンへのその変換を始めるであろう故に、実質的なメラニン形成が起る前に、すなわち反応成分の混合時に又は混合後直ちに、反応媒質を髪に適用することが臨界的である。
ここで使用される用語「適用すること(applying)」は髪染料組成物と前述の髪との間の接触を意味する。実質的なメラニン形成後に髪に髪染色組成物を置くことは、不溶性メラニンは髪の中へ拡散しないであろうし、そしてその後のシャンプー洗いを通してほとんどが取り去られるので使用できない。便宜上、この適用中に使用される「約1時間未満」の接触時間は反応剤の混合の着手から測定される。
適切な水性髪染色組成は追加の成分を水性反応媒質に加えることなしに得ることができることをまた理解すべきである。すなわち、その水性反応媒質と水性髪染色組成物とは、例えば、包含される反応が染色されるべき髪の全体的に又は部分的に生ずる場合には、均等物とみなし得る。しかしながら、下記に記載する如く、よりエレガントな生成物を提供するために追加の任意の成分、例えば、濃稠化剤等を含有させることが好ましい。
本発明の方法では、ドパ種は、一種以上のメラニン前駆体の形成を生ずる一連の反応を通して酸化剤によって酸化される。どのような特種な反応スケムとも結びつけられることは望まないけれども、出願人は次の反応が起り、メラニン前駆体の形成が導びかれるもの信ずる:(1)フェリシアン化物及び過マンガン酸塩酸化剤によるドパ種の酸化、次いで環化、さらなる酸化及び二酸化炭素放出による転位、そしてインドールの形成、例えばドパの5,6−ジヒドロキシインドールへの変換をもたらす。(2)ドパ種の酸化、次いで環化、さらなる酸化及び二酸化炭素放出のない転位。及び(3)最初のドパ種酸化生成物がカップラー又は一次中間体によるさらなる反応によって変更される反応、そして非インドール系の窒素を含むフェノール系化合物をもたらす。
ドパの場合、例えば、ドパはドパキノンに酸化され、このドパキノンは自然にシクロドパを形成する。追加の酸化剤がさらにシクロドパと反応してドパクロム(dopachrome)を形成し、このドパクロムはドパクロム種の転位及び二酸化炭素の放出によって5,6−ジヒドロキシインドールへの自然的な転換(中間体ではないけれども)を受ける。類似の反応がまたアルファ−アルキルドパ類について起る。ドパアルキルエステル類はまた二酸化炭素の放出なしに同じように反応する。本発明に従ってドパからメラニンを生成する反応を下記に示す。
本発明の方法で意図されている反応の連続は多くの可能な競合反応を促すことが知られている。二次反応が含まれるように思われるので、望まない競合反応の問題は、本発明の方法の如く、溶液中の出発反応剤の濃度が高い時に特に激しい。
存在すると信じられる第2の困難性は、環化されたインドール系化合物の転位が例えばドパクロムの5,6−ジヒドロキシインドールの転換中に生ずる時、この転位がメラニン前駆体を生成する反応における律速段階であることである。
髪の染色において出発試薬としてのドパ種の商業的用途を弱めるさらなる問題は、空気中で比較的ゆっくり酸化してメラニンを形成するメラニン前駆体が未反応酸化剤によって本質的に且つ直ちに酸化されて髪を永久的に染色するために不適切である副生成物を形成することにある。
これらの困難性を克服するために、本発明は、髪を永久的に染色するために有効なメラニンレベルを生ずる水性髪染色組成物におけるメラニン前駆体濃度を達成し、そして約60分以下で、好ましくは45分以下で、最も好ましくは30分以下で使用者によって実施され得る方法を提供する。
従って、本発明は髪を永久的に着色するために有効な収率及び量でドパ種のメラニン前駆体への変換を意図するものである。最後に、フェリシアン化物又は過マンガン酸塩酸化剤は、それらが反応媒体中でモニターされた量で存在する時、髪を染色するために有効な染色組成物中のメラニン前駆体の濃度の達成を促すことを出願は明らかにした。
それ故に、本発明の方法では、ドパ種に関係して反応媒質中に存在する酸化剤の量は、メラニン前駆体のかなりの量の形成前に酸化剤がほとんど反応されているようになるべきである。
第二の困難性に関しては、前述の転位工程は速度促進濃度で特定の緩衝剤成分を使用することにより促進することができ、これにより方法を約1時間以内で達成することを可能にする。
ドパ種成分
先に指摘した如く、水性髪染色組成物の製造は使用時に反応剤を混ぜる消費者によって行われる。ドパ種又はその適当な塩はメラニンの髪染色量を得るために適切なレベルで初期反応中に存在し、そしてそのメラニン量は順に髪染色組成物と髪との接触の間に達成されるメラニン前駆体レベルに依存する。
反応媒質中で必要な初期ドパ種濃度は、その水における溶解度限界よりもさらに高くてもよい。従って、酸又はアルカリ性水溶液プレミックスを水性反応媒質の調製で使用できる。別法として、さらに溶けやすい酸又は塩基性塩が水性媒質の調製で使用できる。塩の使用もしくは酸又はアルカリ性プレミックスの使用はほかの比較的不溶性ドパ反応剤を溶液にして迅速反応に役に立たせる。
ドパ種の適当な可溶性酸塩の例示は塩酸塩及び硫酸塩である。塩酸塩が好ましい。使用できる適当な塩基性塩の中には、可溶性アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩がある。ナトリウム及びカリウム塩が好ましい。任意の無機又は有機酸又は塩基を、もし使用する試薬が反応に干渉しなければ、ドパ種プレミックス溶液のpHを調整するために使用できる。適当な塩基はアンモニウム及び水酸化ナトリウム及びモノ−、ジ−及びトリアルカノールアミン類、特にエタノールアミン類である。そのような酸は塩酸、リン酸、酒石酸、くえん酸及び乳酸、及びこれらの塩である。水酸化ナトリウム及び塩酸が好ましい。
初期反応媒質のドパ種(又はドパ種塩)の濃度は約2mg/mlから反応媒質中でのドパのほぼ溶解度限界までである。好ましくは、その濃度は初期反応媒質中で約5〜約25mg/mlであり、最も好ましくは約5〜約25mg/mlである。
ドパ種はドパから及び置換又は類似物ドパ化合物から選択される。本発明の方法で適当な置換又は類似物ドパ種(ここでは「置換ドパ」種として記載する)はアルキル基に1〜4の炭素原子、好ましくは1〜2の炭素原子をもつアルファ−アルキルドパ、エプネフリン(アトレナリン)及びアルキル基に1〜6の炭素原子、好ましくは1〜2の炭素原子を持つドパアルキルエステルである。
アルファ−アルキルドパはドパと類似する方法でフェリシアン化物酸化剤で酸化され、好気性の酸化によってメラニンを形成する5,6−ジヒドロキシ−2−アルキルインドールを生成する。
下記の構造を持つエピネフリンはフェリシアン化物酸化剤と反応してアドレノクロム(adrenochrome)を生成する。
アドレノクロムは転位してアドレノルチン及び種々のインドール系及び/又はイソチン系誘導体を生成する。
ドパアルキルエステル類の場合には、酸化が行進して5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸の相応するエステル類を形成する。この反応は脱カルボキシル化、即ち二酸化炭素の放出なしに進行する。5,6−ジヒドロキシ−インドール−2−カルボン酸のこのエステルは次いで好気性酸化によって重合してメラニンになる。
酸化剤成分
フェリシアン化又は過マンガン酸の可溶性アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩(特にアンモニウム、ナトリウム及びカリウム)が本発明で使用される酸化剤として適切である。好都合には、反応後に水溶液中に存在するフェリシアン化物(フェロシアン化物)は減少した状態では水性系のメラニン前駆体とさらに反応しないであろう。そしてそのことによりメラニン前駆体の形成を最大にし、方法全体の効率を増加させる。フェリシアン化物が好ましい酸化剤である。
酸化剤、特にフェリシアン化物酸化剤、は方法を通して反応媒質中に存在するドパ種に対して極めて反応性である。従って、ドパ種と酸化剤との初期反応は本質的に5分以内で、最も好ましくは1分以内に完了し、そしてある場合には瞬時とみなすことさえできる。この理由の故に、仮定された反応スケムにおけるメラニン前駆体の形成をもたらす中間体は反応媒質中での寿命が短く、反応間の間では利用できない。従って、本発明の方法では、望ましくない副反応は防止されるかまたは大いに制限される。
酸化反応剤は、さらに下記に述べる如く、実質的に化学量論当量濃度で初期反応媒質中に存在する。
ドパ種のメラニン前駆体への変換を通して、各々のドパ種分子は4つの電子を失う。従って、もし一つの電子を得る酸化剤が使用されるならば、酸化剤の4モル等量がドパをジヒドロキシインドールに変換させるために要求される。このように、フェリシアン化物の2モル等量はドパをドパキノンへ変換させるために必要とされ、そしてフェリシアン化物の他の一つの2モル等量はシクロドパ(ドパキノンから自然に得られる)をドパクロムへ変換するために必要とされる。過マンガン酸塩の場合には、種々の還元状態が可能であり、すなわち、カマンガン酸塩は最初に3つの電子を失い、そしてその後に酸性条件下で他の2つの電子を失う。
ドパの場合には、ここで使用する「化学量論当量」は1モルのドパを(ジヒドロキシインドールから自然に形成される)1モルのドパクロムに変換するために必要な酸化剤のモル当量の数に等しい。置換ドパ種に関しては、類似の反応が起ると信じられている。従って、アルキルドパ種はアルキルジヒドロキシインドールを生成し、アルキルドパエステルはジヒドロキシインドールカルボン酸エステルを生成し、そしてエピネフリンはアドレノルチンを生成すると信じられている。各々の変換は4つの電子の喪失を生ずる。
加剰量の酸化剤はメラニン前駆体と反応するので、使用されるドパ種に比較して約1化学量論当量より多い量は勧められない。酸化剤に比較して加剰の化学量論当量のドパ種(ドパ又は置換ドパ)は未反応酸化剤が反応後に残留しないことを保証するので好ましい。未反応置換ドパは方法の全体の効率を減少させる傾向があるにもかかわらず、ドパ種の加剰量は方法の実施に影響を与えるとは思われない。一般的に、反応媒質中のドパ種対フェリシアン化物のモル基準による化学量論当量比は約1.25:1〜0.95:1、好ましくは約1.1:1〜1:1、最も好ましくは約1.05:1〜1.01:1である。
酸化髪染色成分が反応混合物中に適宜混合させる時、一次中間体及び/又はカップラー髪染色成分は環化された中間体の転位前に中間反応生成物の一種以上と反応すると信じられている。さらに、反応媒質中に最初に存在するドパ種の一部は完了に反応して5,6−ジヒドロキシインドール又は均等類似体メラニン前駆体を生成すると信じられている。次いで、理論上、任意の酸化髪染色成分が併用される時には、最期反応媒質は、ドパのメラニン前駆体への完全な変転を基準にして、ドパ種に比べて2〜4モル当量の間の、即ち0.5〜1化学量論当量の間の酸化剤を含有すべきである。従って、反応媒質中に最初に存在するドパ種対酸化剤のモル基準に基づく化学量論当量比は通常には約1:1〜2:1、好ましくは約1.2:1〜1.8:1、最も好ましくは約1.3:1〜約1.7:1である。ドパに比べて酸化剤の化学量論当量の量は、酸化剤によるメラニン前駆体の酸化は望ましくないので、メラニン前駆体の形成後に酸化剤の加剰量が存在するほど多く存在すべきではない。
酸化剤は反応を通してゆっくり又は各段階で加えることが可能である。しかしながら、このこと消費者にとって困難であり且つ不便であり、そしてメラニン前駆体が形成される時に酸化剤が不注意に存在することになろう。
緩衝剤成分
反応媒質のpHは反応を通して減少するであろう故に、必要なpHを維持するために反応媒質中に十分な量の緩衝剤を与えることが必要である。本発明の方法では、メラニン前駆体形成中に水溶液媒質のpHを約6〜10に維持することが臨界的である。好ましくは、pHは約6〜約8.5の間にあり、特にアルカリ性〜約8.5の間にある。
反応媒質のpHを前述の限定内に調節するために、本発明の方法で使用される緩衝剤はメラニン前駆体の形成を助けるものと信じられる。従って、反応媒質中の緩衝剤の濃度が増加する時、ドパクロム及びその類似体の転位の速度がまた増加することが観測されている。このように、緩衝剤は転位反応を可能にし、これによりメラニン前駆体の発生時間を減少させ、そして髪染色方法がドパ種酸化剤反応の着手から約1時間以内に完了することを可能にする。典型的には、緩衝剤は反応混合物を緩衝するために必要な量より加剰な量で存在する。好ましくは、予め限定された範囲内に反応混合物のpHを単に維持するために必要とされる量の2〜25倍、特に5〜20倍のこれらの特別の緩衝剤を与えることが望ましい。
本発明で使用するために適当な緩衝剤はリン酸アンモニウム、リン酸アルカリ金属、重炭酸塩、炭酸塩及びより小さい程度まで、ホウ酸塩である。アミン系緩衝剤、例えばN−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N′−[2−エタンスルホルホン酸](HEPES)、N−[2−アセタミド]−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、トリ[ヒドロキシメチル]アミノメタン(TRIZMA)及びN−トリス[ヒドロキシメチル]−メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)が適切である。炭酸アニモニウム、炭酸アルカリ金属、重炭酸アンモニウム及び重炭酸アルカリ金属は、たとえ規定されたpH範囲ではあまり使用されなくても適切である。本発明の実施において使用される好ましい緩衝剤は、酸化剤がフェリシアン化物及び過マンガン酸塩酸化物を持つリン酸塩緩衝剤である時、炭酸ナトリウム及びカリウム、重炭酸ナトリウム及びカリウム、又はリン酸ナトリウム及びカリウムである。反応媒質pHを維持し且つ転位反応を可能にする適切な他の緩衝剤が存在する。これらの緩衝剤は本願明細書の実際例に記載する如く、単純な実験によって決定し得るものである。
方法のパラメーター
必要なメラニン前駆体濃度を得る能力はその収率と変換に用いるドパ種の量とに依存することが理解されるべきである。従って、低いメラニン前駆体収率は、高い初期ドパ種濃度が反応媒質に提供される時に受け入れられ得るであろう。逆に、比較的高いメラニン前駆体収率は、もし低い初期ドパ種濃度が使用されるならば要求されるであろう。
髪を永続的に染色する本発明では、メラニン前駆体は、髪染色組成物が髪と接触している間にその場でメラニンへ変換される。従って、この方法は、メラニンを生ずる種々の反応が同時に進行する動的な方法であると考えられるべきである。それ故に、髪染色組成物中に形成されるドパ種に基づくメラニン前駆体の濃度及び収率は、もしその後のメラニン形成反応が阻止されなければ、直接に測定できない。その時でさえも、収率の測定は反応を競わせる数及び存在する化学種の数にかんがみて複雑である。測定は置換ドパ種、特にエピネフリンに対して、そして反応混合物がさらにカップラー又は一次中間体を含有する時に特に複雑であり且つ困難である。同様に、メラニンの量及び収率は、そのメラニンが髪の中に形成されるので、容易に量的に測定できない。他方、方法の効率は、刈取った髪をこの方法に従って処理した時、ヘアカラーの変化を測ることによって決定し得る。さらに、その評価は毛幹に形成された前駆体の量、すなわち処理を通して毛幹へ拡散している前駆体の量の指標である。試験方法はさらに下記に記載する。発明の成功した実験に対する指標として、出願人は、髪に対する感知できる着色の変化が髪への適用の一時間以内に起ることを明らかにした。適切なメラニン前駆体モル収率は、初期ドパ種濃度が反応媒質中で約2mg/mlからその溶解度限界までの時に典型的に得られる。
反応媒質中にドパのみが含有される場合(すなわち、他の髪染料カップラー及び/又は一次中間体が存在しない場合)、髪に対する感知し得る着色の変化は、髪染色組成物中で得られるピーク5,6−ジヒドロキシインドール(DHI)濃度が少くとも約1.5mg/mlである時に、髪への適用の一時間以内に発生することを出願人は明らかにした。実用最小限としてみなされるこのピークDHI濃度は前述した反応の早い段階を通して典型的に生ずる。通常は反応剤混合の最初の30分以内に、好ましくは最初の20分以内に生ずる。約65%のDHIモル収率と相まって、約3mg/mlの初期ドパ濃度が水性組成物中の実用最小ピークDHIレベルを達成するために適切である。このピークDHI濃度は例えば実施例1〜11に記載する如く、反応媒質に生ずる反応を通して及び髪から単離して測定されることは理解されるべきである。HPLCで測定した時、本発明によるDHIのモル収率は、ドパの変換を基準にして、典型的に約50〜70%であり、副生成物ジヒドロキシインドールカルボン酸を約7〜9%含有する。好ましくは、水性組成物中で得られるピークDHIは2.5mg/ml以上であり、最も好ましくは約4mg/ml以上である。約50%以上のDHIモル収率及び使用されるドパ種の反応媒質中の5mg/mlから溶解度限界までの初期ドパ濃度は、メラニンの髪染色量を発生させるために適切な髪染色組成物中のDHIのレベルを達成するために好ましい。もちろん、反応媒質中の一次中間体及び/又はカップラー髪染色組成物の併用は、容易に量を測定できない他のメラニン前駆体のために、得られる5,6−ジヒドロキシインドールメラニン前駆体の量を減少させるであろう。
置換ドパ化合物に関しては、適切なメラニン前駆体モル収率は、初期置換ドパ濃度が反応媒質中で約2mg/mlからその溶解度限界までの時に典型的に得られる。従って、インビトロ実験によって、2mg/mlのアルファ−メチルドパの初期濃度は約90%モル収率に相当する約1.5mg/mlのα−メチルインドールを生ずることが明らかにされた。同様に、2mg/mlの初期ドパメチルエステル濃度は約95%のモル収率でジヒドロキシインドール−2−カルボン酸メチルエステルを与えることが知られた。初期アルファ−メチルドパ濃度が約8〜9mg/mlであった時にモル収率は約60〜65%であった。
メラニン前駆体モル収率及び初期ドパ濃度が協同的に高いメラニン前駆体濃度を与える系は本発明に従って一度の処理で着色の変化を実施するために適している。これに対して、低いメラニン前駆体濃度を与える系は記載されている方法に従って連続的処理によって髪を徐々に着色するために特に有用である。典型的には、短時間での2〜14連続処理(10分より短時間、特に5分より短時間)が髪を徐々に着色するために使用される。
本発明の実施に際しては、使用者は、約1時間以内の間に髪染料組成物を形成しそしてこの染料組成物を髪に適用するために、反応剤含有溶液の二つ以上の容器及びこの溶液を混ぜるための印刷した指示書を準備する。方法は、特にヘアサロンではヘアドライヤーによって高温度が使用できるけれども、通常では室温で実施される。使用者は染料組成物の染への適用後に髪にキャプをかぶせ、体温をキャプの内に残存させることもできる。接触処置の後に、表面メラニンを含む加剰組成物を髪から除去するために髪をシャンプーする。
髪染色キット製品
本発明のこの態様に従って提供されるキットは充分な量の緩衝液、ドパ種溶液を含有する第1の容器及び酸化剤溶液を含有する第2の容器を包む。緩衝液は第三の容器に別個にパックしてもよいし、第1の容器に存在してもよいし、また第2の容器に存在してもよい。ドパ種溶液がその酸性又は塩基性塩の形態で提供されるか、あるいはpHが酸性であるか又はアルカリ性である時には緩衝液は存在しないであろう。キットはこれらの溶液の調整用の乾燥粉末の量、好ましくは予め測定されている量を含有するパキットを含むことがあるけれども、溶液としてそれらを提供することがより便利である。その上に、構成成分の予め測定されている量を含有する溶液は使用者にこれらの正しい使用を容易にする。
下記に記載する如く、任意の構成成分に関して、1個以上の追加の容器がキット中に提供できる、任意の構成成分は不一致を除いて溶液にまた含有され得る。
使用者は、指示書に従って、キットの成分を適当に水溶液として又は乾燥粉末及び水として混ぜ合せ、水性反応混合物を得る。この混合はキットに備えられている別個の容器又は外用の別個の容器で行ってもよい。あるいはこの混合は混合するために充分な上部空間を提供するように適合させたキットの容器中で起るようにしてもよい。反応剤はまた使用者の髪の上で混ぜ合せてもよい。本質的には、混合によってドパ種の反応は始まるであろう。形成された前駆体はその後空気中で酸化され、メラニンを形成し、そして着色の生成により視覚的に示される。反応混合物は髪に適用され、前駆体(及び/又は部分的に酸化された前駆体)のメラニンが形成される髪への同時拡散と供にメラニン前駆体反応の完了が髪の上で起り、これにより永続的な髪の染色が得られる。所望の髪の状態に、最も好ましくは約30分以内に達した後に、髪に適用した髪染料組成物を、好ましくは通常のシャンプーで除去する。
髪染料組成物は、反応が始まる発端に又は反応が始まった後に直ちに、髪に適用されるので、メラニン形成の反応時と髪への接触時とは本質的に同時である。本発明で意図されるメラニン形成の速度論は、反応が先に記載した予め指定された接触時間の強制内で起るべきであることである。しかしながら、予め指定された接触時間内での髪染色組成物の除去の失敗は、さらなるヘアカラーの変化が起るであろうとは思われないので、重要ではない。
メラニン促進剤
メラニン前駆体からメラニン形成は下記に記載する如くメラニン促進剤又はメラニン促進剤類の適用によって促進させることができる。
従って、ある種の遷移金属及び亜鉛イオン、例えば、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト及び鉄イオン、がメラニン前駆体のメラニンへの変換を促進する。ここで使用される時「遷移金属」は亜鉛を包含するものとする。髪に適用されるこれらのイオンの塩の溶液は髪への本発明の染料組成物と一緒になって得られる着色の深みを生ずる。遷移金属イオンはこれらが使用されない時よりもより速やかに髪への着色変化に効果を与える。典型的には、着色変化は30分未満で得られ、好ましくは15分未満である。形成される前駆体はより充分に使用されるので、より低いメラニン前駆体濃度は一回の処理で有効な染色を得るのに適切である。Cu++塩及び微量のFe++塩が好ましい。
金属塩溶液は、髪染色組成物による処理前又は処理後に、予め決められた時間の間に、典型的には約1〜約10分の間に髪に適用できる。一般的な規則として、髪と髪染料組成物との接触中の金属イオンの適用は、金属イオンがメラニンを毛幹の外側に形成させるので好ましくはない。しかしながら、ある例ではそのような同時適用が有用である。特に、メラニン促進によりゆっくり影響する亜鉛のような金属イオン剤は有用である。
加剰の金属イオンは、髪染料組成物の適用前にリンス又はシャンプーすることにより髪の表面から除かれる。前処理又は後処理の間に金属イオンをシャンプー調剤に組み入れることが適切である。これにより加剰量を除くためには水すすぎで十分であろう。金属イオンは髪の中へ浸透するので、髪染料組成物によるその後の処理に基づいて拡散した前駆体のメラニンへの変換を速やかに促進させるために利用できると信じられている。金属塩溶液は代表的には約0.01〜約1%の金属塩を含有する。また、ヨー化物塩は過酸化水素後処理に先んじて適用される時メラニン形成を促進させるために適切である。ヨー化物塩は塩の0.01〜1%溶液として提供でき、あるいは髪染料組成物中へ直接に組み入れてもよい。溶液として使用される時、その溶液は髪染料組成物による髪の処理前、処理中又は処理後に適用することができる。その後に、過酸化0.1〜6%、好ましくは1〜3%溶液として適用される。
後処理として酸化溶液の有効量を髪へ適用することも本発明の範囲内にある。適当な酸化剤は、例えば0.1〜10%、好ましくは1〜5%の水溶液である亜硝酸塩、過硫酸塩、過沃素酸塩、沃素酸塩、過マンガン酸塩及び過硼酸塩である。
最良の結果を与えるために、試薬は処理で使用される水性媒質に溶解されるべきであり、そしてさらに他の助剤、例えば濃化剤、表面活性剤、及び同様の物、例えば髪染料組成物に関して下記に記載されている如き物を含有してもよい。
従って、第一及び第二プレミックスを含有するキットは促進剤の別個にパックされた溶液をまた包含し得る。5,6−ジヒドロキシインドールによって得られる髪染色を増大させるための金属塩の使用は英国特許第2,132,642号明細書に記載されている。この特許明細書をこの説明のために引用する。ヨー化物/過酸化物の使用は米国特許第4,804,385号明細書に記載され、そして酸化後処理の使用は米国特許第3,194,734号明細書に記載されている。これらの説明のために両特許明細書を引用する。
染色(カラー)
メラニン前駆体5,6−ジヒドロキシインドールを得るための出発反応剤としてのドパのみの使用は髪を黒又は灰色に染色するメラニンを生成するために適切である。すなわち、色彩色を生ずることはできない。置換ドパ化合物が用いられる時、本発明の髪染色方法は出発置換ドパ種の選択に依存して髪を色合いの範囲に便利に染色する。従って、淡いカッ色〜中位のカッ色さらに赤、青、緑及び黄色の色調を持つ黒色までの範囲の染色が、出発物質の選択及び髪染料組成物の髪との接触時間に従って可能である。アルファ−メチルドパは暗カッ色(ダークブラウン)色を与えることが知られた。これに対して中位のカッ色はドパメチルエステルによって得られ、淡いカッ色はエピネフリンによって得られた。
一種以上の通常の髪染料カップラー又は髪染料一次中間体の初期反応混合物への添加は本発明の実施によって得られるメラニンへ色彩色を導入するためのさらなる方法を提供する。従って、淡いカッ色〜中位のカッ色さらに赤、青、緑及び黄色の色調を持つ黒色までの範囲の染色が、出発物質の選択及び髪染料組成物の髪との接触により可能である。
ここで使用に適する種のドパ種は、所望の色彩を達成するために単独であるいは混合して、例えば、単独であるいは一種以上の酸化髪染料組成物と組み合せて使用してもよい。
髪染料成分
本発明は、髪に生成される最終の染色効果を変更する目的で、一種以上の従来の髪染色一次中間体及び/又は髪染色カップラーを反応媒質中に組み入れる。従って、これらの従来の髪染色成分は反応を通して形成される種々の物質と反応し、この反応により、一種々以上の追加の発色団置換基を最終メラニン種に組み入れる。発色基の存在は色彩の広い品ぞろいが使用者に入手できるように色調の変更を提供する。髪染色一次中間体及び/又はカップラーとの反応は環化を防止できるので、窒素を含むフェノール系メラニン前駆体がインドール系メラニン前駆体の代りに得られるであろう。
カップラー及び/又は一次中間体の濃度は約10mg/mlより低く、そして好ましくは約0.01〜約5mg/ml、最も好ましくは約0.05〜約2mg/mlで反応媒質中に存在する。これらの髪染色成分の量はインドール系メラニンの形成を防げるほど多くあるべきではない。すなわち、本発明の方法は介在するドパ種反応生成物のわずかな部分と一次中間体及び/又はカップラー化合物との反応を意図するものである。カップラーは、カップラーがフェリシアン化物酸化物によって酸化されるとはほとんど思われない時に好ましい。フェリシアン化物は一次中間体と反応を競うので、フェリシアン化物濃度及び/又は一次中間体濃度の調整が要求され得る。
一次中間体の広い範囲の種類が本発明で使用できる。例えば、次の式;
(式中、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、水素、C1〜C6低級アルキル基、一つ以上のヒドロキシル基、又はメトキシ、メチルスルホニルアミノ又はアミノカルボニル基で置換されたC1〜C6アルキル基、又はアミノ基で置換されていてもよいフェニル基を表し;R3及びR6は相互に独立して、水素、C1〜C6低級アルコキシ基、ハロゲン原子例えば塩素原子、C1〜C6低級アルキル基、又は一個以上のヒドロキシ基で置換されたC1〜C6低級アルキルを表し;そしてR4及びR5は相互に独立して、水素、C1〜C6低級アルコキシ基、C1〜C6低級アルキル基、又はハロゲン原子例えば塩素を表す)
に相当するパラフェニレンジアミン類、並びにこれらの無機又は有機酸の塩;フェニル基がパラの位置でOH又はC1〜C6アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換されているN,N′−ジフェニルアルキレンジアミン類;アルキレン基によって結合されたアミノ基がC1〜C6アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル又はC1〜C6アミノアルキルで置換されることが可能な化合物;パラ−アミノフェノール類;オルト−アミノフェノール類;オルト−フェニレンジアミン類;及び複素環式酸化塩基を含む。
式(I)の有用な化合物として、p−フェニレンジアミン、2−メチル−パラフェニレンジアミン,2−メトキシ−パラ−フェニレンジアミン、2−クロロ−N−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N−フルフリル−パラ−フェニレンジアミン、3−メトキシ−N′−メチル−パラフェニレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、N−メチル−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、5−クロロ−N′−メチル−p−フェニレンジアミン、5−メチル−N′,N′−ジメチル−p−フェニレンジアミン、5−メチル−N′−エチル−N′−(アミノカルボニル−メチル)−p−フェニレンジアミン、5−メチル−N′−エチル−N′−(エチルスルホニルアミノエチル)−p−フェニレンジアミン、N−(2−メトキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンを記載することができる。N,N′−ジフェニルアルキレンジアミン類は、例えば、N,N′−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−N、N′−ビス(p−アミノフェニル)エチレンジアミンである。これらの酸による塩、例えば、一塩酸塩、二塩酸又は硫酸塩がまた適切である。
本発明によればさらに本質的に使用に便利なp−アミノフェノールとして、p−アミノフェノール、2−メチル−p−アミノフェノール、3−メチル−p−アミノフェノール、2,3−ジメチル−p−アミノフェノール、2,6−ジメチル−p−アミノフェノール、3−メトキシ−p−アミノフェノール、2−クロロ−p−アミノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノール及び3−(メチルチオ)−p−アミノフェノールを記載することができる。これらの中でp−アミノフェノールが好ましい。
オルト塩基の中では、オルト−アミノフェノール、5−クロロ−オルトアミノフェノール及びオルト−フェニレンジアミンが本発明によって選択される。
複素環式塩基の中では、本発明によれば、2,3−ジアミノ−6−メトキシ−ピリジン及び2−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−5−アミノピリジン及びそれらの塩、そして特に、3,6−ジアミノピリジン、2,6−ジメトキシ−3−アミノ−ピリジン、2−メチルアミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2,5−ジアミノ−ピリジン、2−(N−ヒドロキシエチル)アミノ−5−アミノピリジン、及び2−(N,N−ビスヒドロキシエチル)アミノ−5−アミノピリジンを使用することが好ましい。
よりさらに好ましい一次中間体はp−フェニレンジアミン、2−メチル−p−フェニレンジアミン,N−(2−メトキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン及びp−アミノフェノールである。
カップラー又は色彩変更剤として、特に次の式;
(式中、R1は水素又は一個以上のC1〜C6ヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアミノ基を表し;R3及びR5は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、C1〜C6低級ヒドロキシアルキル基又はC1〜C6低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基を表し;そしてR2、R4及びR6は水素原子又はC1〜C6アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基又はC1〜C6低級アルキル基を表し;R3及びR4は一緒になってメチレンジオキシ基を形成することが可能である)
に相当する化合物を記載することができる。
適切なカップラーとして、次の化合物を記載することができる。2−メトキシ−5−アミノフェノール、2−メトキシ−5−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェニル、1,3−ジアミノ−2,6−ジメトキシベンゼン、2−メトキシ−1−(N−メチルアミノ)−4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−アミノ−ベンゼン、1,3−ジアミノ−6−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジメトキシベンゼン、4,6−ジメトキシ−1,3−ビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]ベンゼン、2,6−ジメトキシ−3−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−アミノベンゼン、2,6−ジメトキシ−3−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−アミノベンゼン、2,4−ジメトキシ−3−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェノール、1,3−ビス[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メトキシベンゼン、3−アミノ−4−メトキシフェノール、3,4−メチレンジオキシ−1−アミノベンゼン、2,6−ジメチル−3−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェノール、2,6−ジメチル−3−アミノフェノール、4−エトキシ−1−アミノ−3−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンゼン、(2,4−ジアミノフェノキシ)エタノール、(2−アミノ−N−メチル−4−アミノフェノキシ)−エタノール、1−メトキシ−2−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−アミノベンゼン、3,4−メチレンジオキシ−6−メトキシフェノール、3−アミノ−6−メチルフェノール、3,4−メチレンジオキシ−6−メトキシアミノベンゼン、3−アミノフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−(ヒドロキシエトキシ)−1,3−フェニレンジアミン、4,6−(ジヒドロキシエトキシ)−1,3−フェニレンジアミン、及び1,3−フェニレンジアミン。
他の適当なカップラーは6−アミノベンゾモルフォリン、1−アミノ−7−ナフトール、6−ヒドロキシベンゾモルフォリン、1−ナフトール、1,3−ジヒドロキシナフタレン及び1,2−ジヒドロキシ−ベンゼンである。複素環式カップラーとしては2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2−アミノ−4−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシ−4−アミノ−ピリジン、2−ヒドロキシ−5−アミノピリジン、2−アミノ−6−ヒドロキシピリジン及び類似物を記載することができる。また、一つのアミノ基又は二つのアミノ基のアミノ窒素がC1〜C6アルキル基、例えばメチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ又はsec−ブチル、ペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、t−ブチル、ヘキシル、3−メチルペンチル又は4−メチルペンチル基、によってモノ−又はジ−置換されている2,6−ジアミノアルキルピリジン類のさらなる誘導体が包含される。このアミノ−4−ヒドロキシ−又は2−ヒドロキシ−4−アミノ−ピリジンのどちらかのアミノ基がまた窒素原子上にモノ−又はジ−C1〜C6アルキル化を持つことができる。2,6−アミノ−、又は4−アミノ−2−ヒドロキシ−又は2−アミノ−4−ヒドロキシピリジン窒素は、また2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシフロピル、2−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシペンチル、2−ヒドロキシヘキシル、3−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシペンチル、2−ヒドロキシヘキシル、4−ヒドロキシペンチル及び5−ヒドロキシペンチル基の特定の名前を持つ1〜6炭素鎖のアルコキシ置換基で単独に又は二重に誘導体化され得る。
ベンゼンのトリヒドロキシル化された誘導体としては、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、アルキル基がC1〜C6低級アルキル基である1,2,4−トリヒドロキシ−5−アルキルベンゼン類及び1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、及びこれらの塩を挙げることができる。
ジアミノヒドロキシベンゼン類としては、2,4−ジアミノフェノール及び2,5−ジアミノ−4−メトキシ−1−ヒドロキシベンゼン、及びこれらの塩を挙げることができる。
アミノジヒドロキシベンゼン類としては、2−アミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−2−ジエチルアミノベンゼン及び4−アミノレゾルシノール、及びこれらの塩を挙げることができる。
置換1,2−ジヒドロキシベンゼン類の中では、4−メチル−1,2−ジ−ヒドロキシベンゼン及び3−メトキシ−1,2−ジヒドロキシベンゼンが特に好ましい。
アミノヒドロキシベンゼンは2−アミノ−4−メトキシフェノール、2−アミノフェノール、4,6−ジメトキシ−3−アミノ−a−ヒドロキシベンゼン及び2,6−ジメチル−4−[N−(p−ヒドロキシフェニル)アミノ]−1−ヒドロキシベンゼン、及びこれらの塩から選択される。
トリアミノベンゼンを介して、1,5−ジアミノ−2−メチル−4−[N−(p−ヒドロキシフェニル)アミノ]−ベンゼン及びその塩を挙げることができる。
またカップラーとしてN−アセチルドパが適当である。
下記の表は本発明で使用するために好ましい一次中間体及びカップラーのいくつかのリストである。
好ましい一次中間体及びカップラー
一次中間体:p−フェニレンジアミン
p−アミノフェノール
o−アミノフェノール
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン
2,5−ジアミノピリジン
p−トルエンジアミン
カップラー レゾルシノール
m−アミノフェノールナフトール
5−アミノ−o−クレゾール
2−メチルレゾルシノール
N−アセチルドパ
4,6−ジ(ヒドロキシエトキシ)−m−フェニレンジアミン
m−フェニレンジアミン
任意の助剤(アジュバント)成分
本発明の様々に記載されている態様は髪染料組成物中に一種以上の任意の成分を含有してもよい。この成分は、使用者によって水性反応混合物に混ぜ合せるためのキットの一種以上の容器で提供でき、あるいはもし矛盾がなければ、前述した酸化剤又はドパ種プレミック溶液中に混合できる。
酸化髪染色組成物に一般に使用される周知の通常の添加物、例えば有機溶媒、濃稠化剤、表面活性剤、pH調整剤、抗酸化剤、芳香剤及びキレート剤、を本発明の組成物に包含し得る。
本発明の方法で使用される髪染料組成物は共溶媒として有機溶媒を包含できる。有機溶媒は組成物の成分の溶解性を助けることができ、典型的には約30%までの量で、好ましくは約15%までの量で存在する。適当な溶媒はモノ−及び多価アルコール類、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール等、及び2−ブトキシエタノール、エチレングリコールモノエチル及びジエチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル類である。
本発明の染色組成物で使用される表面活性剤はアニオン性、非イオン性、カチオン性、両性又は両性イオン性であることができる。種々のタイプの表面活性剤の例として、高級アルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩;アルコールのスルホン酸エステル及びポリ塩基酸;タウリン酸塩;脂肪アルコール硫酸塩;分枝鎖又は第二アルコールの硫酸塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;脂肪酸又は脂肪酸混合物の塩;N−オキシアルキル化脂肪酸アルカノールアミン及び類似物を挙げることができる。特定の表面活性剤の例としては、ナトリウムラウリル硫酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエステル;ミリスチルスルホン酸塩;グリセリルモノステアレート;トリエタノールアミンオレート;パルミチン酸メチルタウリンのナトリウム塩;セチルピリジニウムクロライド;ラウリルスルホン酸塩;ミリスチルスルホン酸塩;ラウリン酸ジエタノールアミド;ポリオキシエチレンステアレート;エトキシ化オレオイルジエタノールアミド;水素化獣脂のポリエチレングリコールアミド;ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;p−ドデシルベンゼンスルホン酸のトリエタノールアミン塩;ノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム;N−メチル−N−オレノイルタウリン酸ナトリウム;イソチオン酸ナトリウムのオレイン酸エステル;ドデシル硫酸ナトリウム;3−ジエチルトリテカノール−6−硫酸塩のナトリウム塩及び類似物を挙げることができる。表面活性剤の量は、組成物の重量を基準にして約0.05%〜15%、好ましくは約0.10〜5%の広い範囲で変化し得る。アニオン性及び非イオン性表面活性剤は典型的には乳化剤として使用される。これに対してカチオン性表面活性剤は髪にヘアコンディシニングの利点を髪へ与えるために有用である。アニオン及びカチオン表面活性剤が一緒に混ぜ合せられた時には、配合禁忌の可能性にかんがみ、注意が払われなければならない。
キレート剤及び金属イオン封鎖剤は、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、くえん酸ナトリウム、等を包含し、そして約1%以下の量で存在する。
髪染色に一般に使用されている一種又は数種の濃稠化剤を本発明の染色組成物に併用できる。これらは次のような製品、即ちナトリウムアルジネート又はアラビアガム、例えばメトセル60HG、又はカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、又はヒドロキシエチル−セルロース、例えばセルロサイズQP−40、又はポリアクリル酸ナトリウム塩のようなアクリル酸ポリマー類、又はベントナイトのような無機濃稠化剤によって代表される。この濃稠化剤の量は広範囲にわたって変化し、20%ぐらいであってもよい。一般には、組成物の重量に基づき約0.1〜5%の範囲にあるであろう。組成物の粘度は約1cp〜約100.000cpsの間で変化できる。代表的なローション製剤では、組成物粘度は約100cps〜約10.000cpsの間であり、この粘度ではこの組成物を流動もしくはドリップすることなしに髪に適用できる。
本発明の組成物はまたpH調整剤を包含有し、最期反応媒質pHを前述した範囲内に調整することができる。代表的には、これらの調整剤は先に述べた如く、ドパ種プレミックス中に混ぜ合せ、ドパ種の溶解を確確にする。しかしながら、そのような調整剤はまた酸化剤プレミックスに又は直接水性反応媒質に混ぜ合せることができる。代表的なpH調整剤はドパ種成分と標題した項目にすでに記載した。
アルキル性溶液では、ドパ塩は例えば空気によって多少酸化され易い。従って、小量の抗酸化剤がアルカリ性ドパプレミックス中に含まれてもよい。そのような場合には、酸化プレミックス中の酸化剤の量をドパ及び酸化剤プレミックスの混合物で残留する抗酸化剤を中和するために増加させ得る。
任意の成分のリストは本発明を限定するものではない。髪染料組成物中に含まれる他の適当な助剤は、例えばZviak,The Science of Hair Care(1986)、及びBalsam及びSagarin,Cosmetics:Science and Technology,Vol.2(第2版、1972)に記載されている。
本発明を下記の実施例で説明する。もし別段の指示がなければこの明細書の濃度及び比は全組成物の重量による重量基準に基づく。
実施例 1−9
ドーパを0.1Mの塩酸溶液に溶解することによりドーパの0.1M溶液(pH約1.9)15mlを調製した。また緩衝剤を含んだ0.36Mのフェリシアン化カリウム溶液も調製した。水性反応溶液を調製する為に、同量のドーパと酸化剤−緩衝剤予混合溶液とを大気中にオープンになった容器中で混合した。水性反応溶液中の緩衝剤とその濃度は表Iに示されている。反応溶液の最初のpH値を測定し、表Iに記した。5,6−ジヒドロキシインドールの濃度は、予混合溶液と混合し15分後、この分野では良く知られたHPLC法で測定し、表Iに示した。
表Iのデータは、実施例1−3及び5−9それぞれが15分のちに、DHIを含む毛髪染色組成にとって必要な最小濃度1.5mg/ml以上の濃度になったことを示している。ホウ酸ナトリウム緩衝剤とした実施例4は、0.50M緩衝液濃度(使用した酸化剤予混合物に基ずく)で15分後に1.6mg/ml DHI濃度となった。実施例1、2、8及び9は、DHI濃度は緩衝液濃度の一部であることを示している。それぞれの実施例に用いられた緩衝剤の濃度は、反応混合溶液のpHを6−10の範囲に保のに必要な濃度以上であった。
実施例 10
0.15gのドーパを0.1M塩酸溶液7.5ml中に溶解し、ドーパ予混合溶液を調製した。0.9gのフェリシアン化カリウム、0.75gの重炭酸ナトリウム及び7.5mlの水を含む酸化剤予混合溶液を調製し、素早くドーパ予混合溶液と混合して水性反応溶液を調製した。混合した直後のpHは6.9であった。DHIの濃度は、5分及び25分後に反応溶液の一部をとりHPLCに依って測定した。5分後ではDHIの濃度は1.75mg/mlであり、25分後ではDHIの濃度は6.4mg/mlであった。
実施例 11
ハリフィ(Herlihy)に付与された米国特許第4,746,322号記載に基ずいた、ドーパと過ヨウ素酸を含む水性組成物のDHIを生成する能力を調べた。
ドーパ0.15g、ベンジルアルコール0.3g、及び水10mlよりなるドーパ予混合溶液は、口の開いたビーカー中で約5分間攪拌しながらこれらの成分を混合する操作に依って調製した。それから60mgの過ヨウ素酸ナトリウムを希塩酸でpH5に調整しながら加えた。5分、25分、及び45分後にその溶液の一部を取りHPLC法を用いてDHIの存在を測定した。いずれのフラクションも測定可能な濃度のDHIを含有してはいなかった。(即ち0.1mg/ml以下)。
酸化剤として60mgのヨウ素酸ナトリウムを使用してこの実験を繰り返した。5分、25分、及び45分後にその溶液の一部を取り、HPLC法を用いてDHIを測定したが測定可能な濃度のDHIは認められなかった。
実施例 12
この実施例は酸化剤としてフェリシアン化カリウム、及び緩衝剤としてリン酸ナトリウムを含んだ反応溶液を使用した本発明の工程による毛髪の染色を説明している。
ドーパ0.15gを0.1M塩酸溶液7.5mlに加えてドーパ予混合溶液を調製した。0.9gのフェリシアン化カリウム、1.45gのリン酸ナトリウム(1.15gNa2PO4及び0.3gNa3PO4 12H2O)及び7.5mlの水よりなる酸化剤予混合溶液を調製し、素早くドーパ予混合溶液と混合して水性反応溶液を調製した。このものの最初のpHは7.2であった。
未処理の灰色毛髪の小束を水性反応溶液と30分接触させ、水で濯ぎ、シャンプーし、乾燥した。
未処理の及び処理した毛髪の色彩の様子を同業者にはよく知られた方法であるハンタートリスチムラス法で評価した。このハンターの評価法では、パラメーターa及びbはポジティブ又はネガティブであり、毛髪の多彩な染色状況を表している。a値がよりポジティブであれば毛髪はより赤色であり、又一方値がよりネガティブであれば毛髪はより緑色である。同様にして、ポジティブなb値は黄色を示し、一方ネガティブなb値は青色を示す。更に重要なことはL値は色彩の強度を表し、絶対的な黒である0から絶対的な白である100で表現する。通常、L値が15以下の毛髪は黒色であり、L値が約60の場合は白色であると考えられる。L値の尺度は直線的ではなく寧ろS字状であるということを理解すべきである。ヒトの目ではっきり識別できる0に近い値、又100に近い値の毛髪の色彩の強度は、L値単位の変化による変化は僅かである。L値が約20から約50の間では、毛髪の色彩の強度はL値単位の変化により有意に変化する。この様にヒトの目が色の変化を感知出来る範囲ではハンター値はより敏感である。
処理前後のハンター値の変化を以下に示す:
L a b
染色前(未処理の毛髪) 38.0 −0.4 7.7
染色後 30.4 0.3 5.3
本発明の工程に従って処理したとき、未処理の灰色の毛髪は種々の色合いの黒色に染色されることが判る。
実施例 13
未処理の灰色毛髪束(L=38.0,a=−0.4,b=7.7)を通常の陰イオン界面活性剤及び0.08Mの硫酸銅を含むアルカリシャンプーで5分間最初の前処理をし、よく濯ぎ、上記の水性反応溶液と30分接触させること以外は実施例12の工程を繰り返した。毛髪は黒色に染色された(L=16.5,a=0.6,b=1.3)。
実施例 14
この実施例は酸化剤としてフェリシアン化カリウムを含有し、又緩衝剤として重曹を含有する反応溶液を用いて本発明の工程に従う毛髪染色を説明する。
0.15gのドーパを7.5mlの0.1M HClに加えることによりドーパ予混合物を調製した。0.9gのフェリシアン化カリウム、0.87gの重曹、及び7.5mlの水を含む酸化剤予混合溶液を素早くドーパ予混合溶液に加えた。この様にして調製した水性反応溶液の最初のpHは7.1であった。
未処理の毛髪(実施例12に記載の様に)を30分接触させ、濯ぎ、シャンプーし乾燥した。この方法で染色した毛髪のハンター値はL=25.6,a=0.5,b=3.7であった。
実施例 15
実施例14の工程を繰り返した、但し未処理の灰色毛髪の小束を、実施例14に述べたように銅を含有したシャンプーで最初に5分間処理した。小束は黒色に染色された(L=14.2,a=0.3,b=0.6)。
実施例 16
実施例13の工程を繰り返した、但し毛髪の小束を水性反応溶液とただ10分間接触させた。毛髪は黒色(L=15.6,a=0.6,b=1.1)に染色された。
実施例 17
実施例13の工程を繰り返した。但し緩衝剤として1.4gのリン酸ナトリウム、更にpHを調整する為に1.7gのクエン酸ナトリウムを含有する酸化剤予混合溶液を用いた。最初の反応溶液のpHは9.6であり、毛髪と反応溶液との接触時間は15分であった。毛髪は黒色(L=13.7,a=0.4,b=0.7)に染色された。
実施例 18
緩衝剤が0.6gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである以外は実施例13の工程を繰り返した。最初のpHは7.5であった。毛髪は黒色(L=13.0,a=0.3,b=0.3)に染色された。
実施例 19
ドーパ予混合溶液は、ドーパ0.15gを0.1MのHCl 7.5mlに加えることによって調製した。酸化剤予混合溶液は0.15gの過マンガン酸カリウム、1.1gのリン酸ナトリウム(Na2HPO4 0.8g及びNaHPO4 H2O0.3g)及び水7.5mlよりなる。最初の反応溶液のpHは7.3であった。
未処理の灰色毛髪小束(L=37.9,a=−0.2,b=8.5)は、小束を水性反応溶液に30分間接触させることにより染色した。その小束は種々の色調の黒(L=33.8,a=−0.2,b=6.7)であった。
実施例 20
実施例19の工程を繰り返した、但し銅シャンプーで5分間前処理した。毛髪は黒褐色(L=21.8,a=−0.2,b=2.1)であった。
実施例 21−22
毛髪を以下に記載したように本発明に従って染色した。
毛髪染色組成物は、0.15gのドーパ、0.08gのm−アミノフェノール及び7.5mlの0.1M HClを含有する第一の溶液と、表IIに示した量のフェリシアン化カリウム、7.5mlの水及びリン酸緩衝液(1.15g Na2HPO4;0.3g Na3PO4・12H2O)を含有する第二の溶液とを混合することによって、表IIに示した最初のpHをもつ毛髪染色剤を調製した。pHは第一及び第二の溶液を混合した時に測定した。ハンタートリスチムラス値L=34.5,a=0.1,b=7.0を持つ毛髪束をそれぞれの組成と30分間接触させることにより染色した。毛髪束はそれから濯ぎ、通常のシャンプーでシャンプーしそして乾燥した。染色した毛髪の最初のハンター値は表IIに示されている。
実施例 23−24
前記実施例21−22のそれぞれの毛髪を同様に染色した、但し前処理として毛髪に銅含有シャンプーを使用した。シャンプーには硫酸銅1%が含まれていた。結果は表IIIに示されている。
実施例 25−27
灰色毛髪を、ドーパと以下の表IVに示した量のm−アミノフェノール(m−AP)との混合物を用いて染色した。毛髪染色剤の組成には0.9gのフェリシアン化カリウムが含まれていた。その他の条件は実施例21−22と同様であった。染色される灰色の毛髪の最初のハンター値はL=36.0,a=0.2,b=7.6であった。
実施例 28−30
実施例25−27に記載した灰色毛髪を実施例25−27の方法で染色した。但し実施例23−24のそれぞれについて前処理として銅を含むシャンプーを適用した。結果は以下の通りであった。
実施例 31−35
毛髪染色組成は、0.15gのドーパ、0.15gの表V記載の毛髪染色成分及び7.5mlの0.1M HClよりなる第一の溶液と0.9gのフェリシアン化カリウム、最初のpHを約7にるに十分なリン酸緩衝剤及び7.5mlの水よりなる第二の溶液を混合することによって調製した。ハンター値L=35.0,a=0.2,b=7.3である毛髪束を硫酸銅を含むシャンプーで先ず前処理し、それから表VI記載の組成物を30分間適用することによって染色した。毛髪束はそれから濯ぎ、通常のシャンプーでシャンプーし、乾燥した。それから以下に示すハンター値を持つ毛髪束が得られた。
実施例 36−38
灰色毛髪(L=34.0,a=0.2,b=6.9)を、0.075gのドーパ;0.091gのN−アセチルドーパ;0.9gのフェリシアニド;組成物の最初のpHを7.2にするに十分な量のリン酸緩衝剤及び15mlの水よりなる組成物で染色した。実施例36では追加の処理はしなっかった。実施例37では以前述べた銅の前処理を行った。又実施例38では毛髪染色剤に更に0.69%のヨウ化カリウムを加えた、そして毛髪染色組成による処理につづいて3%H2O2溶液で後処理し、炭酸ナトリウムでpH9.5に調節した。
実施例 39−40
混ざり合った灰色毛髪を、0.15gのドーパ;0.08gのm−AP;0.15gの過マンガン酸カリウム及び、15ml水中に0.1gのNaH2PO4及び0.1gのNa2HPO4を含む緩衝液よりなり、最初のpHが6.8である毛髪染色組成物で染色した。
実施例 41−43
毛髪は以下に記載したように本発明に従って染色した。
毛髪染色組成は、0.15gのドーパと当量の濃度に対応する量の、表IXに示したドーパ種及び7.5mlの0.1M HClを含む第一溶液と0.9gのフェリシアン化カリウム、7.5mlの水及び第一と第二の溶液を混合したときにそのpHが7.2を保に十分な量のリン酸緩衝剤を含む第二の溶液を混合することによって調製した。ハンタートリスチムラス値L=38.2,a=0.2,b=7.8をもつ毛髪束をそれぞれの組成と30分間適用する事によって染色した。毛髪束はそれから濯ぎ、通常のシャンプーでシャンプーし、乾燥した。染色した毛髪束の最終のハンター値は表IXに示されている。
実施例 44−46
実施例41−43のそれぞれの毛髪を染色した。但し前処理として銅含有シャンプーを毛髪に適用した。シャンプーは1%硫酸銅を含んでいた。結果は表Xに示されている。
実施例 47−49
灰色毛髪を以下の表XIに示したドーパ種を用いて染色した。毛髪染色剤は更に0.075gのドーパを含んでいた。ドーパ種はドーパと当量の量であった。それ以外の反応条件は実施例41−43と同じであった。染色される灰色毛髪の始のハンター値はL=34.0,a=0.2,b=6.9であった。
実施例 50−52
実施例47−49に記載された灰色毛髪を実施例47−49の様にドーパ種で染色した。但し実施例4−6に於ける前処理の様に銅含有のシャンプーを適用した。結果は以下のようであった。
実施例 53−55
実施例47−49記載の灰色毛髪束を実施例47−49記載の様にドーパ種−ドーパ混合物で処理した。但し毛髪染色組成に0.69%ヨー化カリウムを加え、処理後過酸化水素で後処理した。後処理溶液には3%H2O2が含まれており、炭酸ナトリウムでpHを9.5に調整した。
結果は表XIIIに示す。
実施例 56−57
毛髪染色組成は、0.15gのドーパと当量濃度の量の表XIV記載のドーパ種、0.25gのm−アミノフェノール及び7.5mlのHClを含む第一の溶液と、0.9gのフェリシアン化カリウム、最初のpHが7.2にするに十分な量のリン酸緩衝剤及び7.5mlの水よりなる第二の溶液を混合する事によって調製した。ハンター値L=38.2,a=0.2,b=7.8である毛髪束にこの組成を30分間適用した。それからこの毛髪束を濯ぎ、通常のシャンプーでシャンプーし、乾燥した。その後に得た毛髪束のハンタートリスチムラス値は以下の様であった。
実施例 58−59
上記の実施例56−57を繰り返した。但し銅を含むシャンプーを前処理として使用した。
実施例 60−63
毛髪染色組成が0.075gのドーパ及び0.075gのドーパと当量濃度の量の表XVI記載のドーパ種を含むこと以外は実施例56−59と同じ操作。実施例62及び63は銅前処理工程が含まれる。結果は表XVIに示す。
実施例 64
15mlの0.16Mのドーパ溶液(pH1.9)は、ドーパを0.16M塩酸溶液に溶解することにより予混合溶液として調製した。緩衝剤としてリン酸カリウムを含む過マンガン酸カリウムの0.21M溶液は酸化剤予混合溶液として調製した。同量のドーパ予混合溶液と酸化剤溶液を混合して水性反応溶液を調製し、その反応溶液の初期のpHは6.8であった。この水性反応溶液は0.428M濃度の該緩衝剤が含まれていた。5分後のDHI濃度は2.1mg/mlであり、15分後の濃度は1.5mg/mlであった。
本発明はメラニンを発生させ髪を永久的に染色するドパ(dopa)及び/又は選択された置換ドパ化合物の用途に関するものである。より詳しくは、本発明は髪染色方法に関するものであり、この方法では、ドパ種及び酸化剤は水性環境下で反応して、この水性環境下で窒素を含むフェノール系、特にインドール系、のメラニン前駆体の予測できないほどの高濃度を与え、この反応を通して生成されるメラニン前駆体は髪に存在する間にメラニンへのその対応する変換によって髪を永久的に染色するために効果的である。本発明はさらにドパ種と、酸化剤と、一次中間体及びカップラー(coupler)からなる群から選ばれる一種以上の髪染色化合物との反応によるメラニンの形成に関するものである。さらに、本発明は、メラニンがキットの形態で別個にパックされている反応剤固体から使用者によって発生させられる髪染色方法に関するものである。
発明の背景
例えば、プロタ(Prota),Progress in the Chemistry of Melanins and Related Metabolites,Med.Res.Reviews,8:525−56(1988),で報告されている如く、メラニンは髪及び皮膚に存在する色素に自然に生ずる。ヒトにおいては、生体内化学的物質合成がチロシナーゼ含有黒色素細胞(メラノサイト)中で起る。このチロシナーゼ酵素はチロシンのドパへのヒドロキシル化及びドパクロム(dopachrome)へのそのその後の酸化を触媒する。一度ドパクロムが形成されると、ドパクロムはユーメラニン(eumelanin)及びフェーオメラニン(phaeomelanin)の生成で複雑な反応を行う。
メラニンは黒色の及び濃いカッ色の色素を与え、そしてメラノジェニシス(melanogenesis)を介して生合成的に誘導される5,6−ジヒドロキシインドールの酸化重合によって生成される。他方、フェーオメラニンは黄色から赤味かかったカッ色の染色を髪に与え、そして1,4−ベンゾチアジン中間体を介してシステイン−S−イル−ドパの酸化重合によって生成される。
5,6−ジヒドロキシインドール(DHI)の合成は髪及び皮膚染色に使用する先行技術に記載されている。例えば、カール(Charle)の米国特許第2,934,396号明細書は、髪を少なくともpH7のDHIの水溶液と5〜60分間接触させ、次いでDHIの酸化及び/又は重合を引き起すことができる水溶液の適用によって髪を染色する方法を記載している。
ドパ及びドパミンはハーリー(Herlihy)の方法(米国特許第4,746,322号明細書)に髪染色前駆体として記載され、この方法では、水性髪染色組成物は前記前駆体、染料分散を助ける有機化合物及びヨー素酸塩又は過ヨー素酸塩を包含する。ドパ又はドパミン染料前駆体は水性髪染料組成物中に約1〜約100mg/ml、好ましくは約5〜約25mg/ml、の量で存在する。ドパミンはハーリーによるものが好ましい。ヨー素酸塩又は過ヨー素酸塩は組成物中に1〜約50mg/mlの濃度で存在し、これに対して分散剤は約0.1〜30%(wt./vol.)の量で存在する。任意に、カラー調節剤を約0.1〜約10mg/mlの水準でハーリーの水性組成物と併用することができる。pHは緩衝剤の有効量を併用することにより約3〜約7の間に維持することができる。ハーリーによれば、前記水性組成物は「毛幹(hair shaft)の中へほとんどもしくは全く浸透しないで」毛幹上に染料を分散する(2欄、56〜58行)。
この先行技術は出発試薬としてドパを使用することにより髪を効果的に、永久的に染色する商業的に役に立ちそうな方法を提供していない。このことは、以下にさらに詳細に説明する如く、従来の方法では、髪の中へのメラニン前駆体の拡散に適し且つその後の非拡散メラニンへの変換に適する濃度でメラニン前駆体を髪の上で利用できる能力がないことに起因するものと信じられている。
事実、メラニン前駆体による髪の安価な且つさらに効果的な染色方法を提供する能力がないことが髪の商業的染色でのメラノジェネシスの使用を防げている。
しかしながら、髪を染色するメラノジェネシスの興味は非常に高い。何故かならば、合成メラミン色素は著しく自然色に近い濃いカッ色又は黒色を提供するからである。その上に、これらは皮膚に対して刺激がない。そしてまたこれらは突然変異を起こさない。
非常に驚くべきことに、5,6−ジヒドロキシインドールの効果的なメラニン形成髪染色量がドパと酸化剤との反応を介して生成される水性髪染色方法が安価にそして商業的に実行可能な条件下で実施でき、永久的なヘアカラーを達成することができることが明らかにされた。
窒素を含むフェノール系、特にインドール系、のメラニン前駆体のメラニン形成髪染色有効量が選択された置換ドパ化合物と酸化剤との反応によって生成される水性髪染色方法が、安価に且つ商業的に実行可能な条件下で実施でき、この方法により永久的なヘアカラーを達成することができることがまた明らかにされた。便利なことに、本発明の置換ドパの利用は、出発試薬として単に灰色又は黒色の染色を髪に提供できるドパのみの使用に較べて、ある範囲のヘアカラーの色合いの達成の助けとなる。本発明の方法によって染色された髪に対するさらなる着色の変更でさえも、反応混合物中に、ドパ及び/又は置換ドパ化合物と供に、一次中間体及びカッラーかならる群から選ばれる一種以上の酸化髪染料を含むことにより得ることができることを明らかにした。
本発明の概要
本発明の髪染色方法は、ドパ又は下記に定義する選択された置換ドパ化合物をフェリシアン化物又は過マンガン酸塩酸化剤と反応させてメラニン形成髪染色前駆体を生成することによる水性髪染色組成物の製造及びこの水性組成物の髪への適用を意図するものである。この水性組成物に含有されるメラニン前駆体は、髪の中に存在する間にメラニンへのその対応する変換に基づいて髪を永久的に染色する有効量で毛幹の中へ拡散することができる。
水性髪染色組成物は、ドパ種とフェリシアン化物又は過マンガン酸塩の可溶性アンモニウム、アルカリ又はアルカリ土類金属塩、特にナトリウム及びカリウム塩、である無機酸化剤とを、メラニン前駆体を生ずる一連の反応が起こる間反応媒質のpHを約6〜約10に維持するために十分な量の緩衝剤により緩衝された水性反応媒質中で、反応させることにより製造される。
本発明の方法に従って髪の永久的染色を達成するためには、水性髪染料組成物中のメラニン形成髪染料前駆体から髪に色の変更を実現させる量でメラニンを発生させることが臨界的条件である。全体の色の変更は時間をかけて組成物の二、三回の適用で徐々に得られ、又はドパ種の濃度、任意の酸化染料組成物の濃度、適用の持続期間及び使用者の所望に基づいて組成物の一回の適用でも達成できる。髪染料組成物をメラニンの実質的形成前に髪に適用して、それにより反応を通して形成されるメラニン前駆体がメラニン発生前に髪の中に拡散し、次いでメラニンが髪の中で形成されることがさらなる臨界的条件である。ここに記載する髪染色方法は約一時間未満の内に完了することが重要である。
ドパ種がドパ又はその塩である場合には、メラニン前駆体である5,6−ジヒドロキシインドールの形成を生ずる酸化剤との反応はメラニンへのその変換により髪に永久的な黒色を与える。選択される置換ドパ化合物の場合には、メラニンへの変換で置換されたドパ化合物の選択に従ってある範囲の色合いを生ずるメラニン前駆体が得られる。
本発明のさらなる態様は一次中間体及びカップラーからなる群から選ばれる酸化髪染料成分の反応混合物への任意の取り込みである。最初のドパ種・酸化剤反応後に、反応混合物中に存在する一次中間体及び/又はカップラーはメラニン前駆体前に形成される中間体化合物と少くとも部分的に反応し、それにより色彩特性を最終的に得られるメラニンに与えると信じられている。
本発明の他の一つの態様では、5,6−ジヒドロキシインドールのようなインドール系メラニン前駆体の形成は、反応媒質のpHを維持するための要求とは別に、緩衝剤の適当な選択及び量によって促進される。好ましくは、緩衝剤はリン酸塩、炭酸塩又は重炭酸塩であり、代表的には、要求pHを維持するために必要な量よりも実質的に加剰な量で含有される。
本発明のさらなる他の一つの態様では、髪を染色する方法は、メラニン形成を促進する試薬、例えば、金属イオン塩の溶液で髪をトリートメントし、このトリートメントによって最終インドール系前駆体からのメラニン形成を促進させることを意図する。促進剤でのトリートメントはトリートメント前又はトリートメント後であってもよく、またある例では、本発明の髪染料組成物の適用と同時に実施し得る。
本発明の方法はキットの形態でパックされた別個の容器中に反応剤の予め測定された量を与えることにより有利に実施できる。使用者は、髪へのその後の適用時に又は適用と共に反応剤を単純に混ぜ合せ、そして組成物が反応している間その組成物を予め定められた時間の間髪に残留させる。この方法を実施するために特別な熟練は要求されない。従ってこの方法及び生成物は専門家でない者による家庭での使用に適すると同時に専門家によるサロンでの使用にも同じように適することが知られる。好都合には、キット形態の生成物はそれ自体安定であり、従って小売販売に適切であり、そして5,6−ジヒドロキシインドールのようなメラニン形成前駆体に一般に要求される予防手段なしに、例えば好気的条件下での貯蔵に適切である。
本発明の詳細な記載
本発明の髪染色方法は、ドパ又は選択される置換ドパ類似物化合物(以下「ドパ種」として一まとめにして述べる)と無機酸化剤とを任意に一次中間体及びカップラーからなる群から選ばれる酸化髪染料成分の存在下で反応させて水性染料組成物を生成し、髪を該髪染料組成物と約一時間未満の間接触させ、この反応を、メラニン形成髪染料前駆体の量を髪へ与える方法及び条件下でメラニンの髪染色を発生させるために有効な接触期間の間進行させることからなる。前駆体は接触期間を通して髪の中へ拡散し、そして髪の中のその場でメラニンを形成し永久的な着色を与える。好ましくは、髪における髪染色組成物の接触時間は約5〜約45分であり、より好ましくは、約5〜約30分である。
「永久的な(permanent)」は通常の表面活性剤を含有するシャンプー洗いによって除去されない着色を意味する。この永久的なものは分子の大きさにかんがみ毛幹から拡散することに対してメラニンが無力であることに起因する。
「メラニン形成前駆体(melanin−forming procurser)」はドパ種と、フェリシアン化物又は過マンガン酸塩酸化剤及び任意に一次中間体もしくはカップラー髪染料成分との反応生成物を意味する。この反応生成物は重合反応を受けてメラニンを形成する。そのメラニン前駆体は、属的に窒素を含むフェノール系化合物であり、そしてインドール環を形成する環化が、下記に記載する如く、髪染料カップラー及び/又は一次中間体によって生ずる反応のために防げられ得る範囲までを除くインドール系化合物である。
ここで出願人は、本発明の選択されたドパ種の反応に関してここで使用される用語「メラニン(melanin)」及び「メラニン前駆体(melanin precursor)」は、たとえメラニン前駆体(特に一次中間体及び/又はカプラーとの反応により生成されるこれらの前駆体、とりわけ本発明の方法に従って形成されるメラニン)の化学的正体が正確に知られ又は理解されていないとしても、この分野の通常の熟練者によってよく理解されている用語であると信ずる。
本発明の他の一つの態様では、ドパ種及び酸化反応成分は、反応を始める時に使用者が混合するようにキット形態の形で別個にパックされている。使用者の髪で直接に反応成分を混ぜ合せすることは可能であるけれども、反応開始後に髪へのその後の適用のために、混合容器中でこれらを混合することが好ましい。
ドパ種によって得られる着色は反応媒質中に一次中間体及び/又はカップラーを含むことにより著しく改良できることが明らかにされた。この点に関して、用語「メラニン前駆体」及び「メラニン」は、一次中間体及びカップラーとドパ種との、及び酸化剤による酸化によって製造されるドパ種の反応生成物との反応生成物を含むことを意味する。そのようなメラニン前駆体は窒素を含むフェノール系化合物であるけれども、これらの化合物がその化学構造中にインドール環を持つかどうかは知られていない。
髪染色方法は毛幹の中へ拡散し得る一種以上のメラニン前駆体の形成を生ずる一連の反応を含む。
毛幹の内で前駆体は空気によってメラニンに酸化され、このメラニンは毛幹の中へ又は毛幹から拡散ができない。それ故に、メラニン前駆体含有髪染料組成物は実質的にメラニン形成前に髪に適用されなければならない。前駆体は空気との反応によってメラニンへのその変換を始めるであろう故に、実質的なメラニン形成が起る前に、すなわち反応成分の混合時に又は混合後直ちに、反応媒質を髪に適用することが臨界的である。
ここで使用される用語「適用すること(applying)」は髪染料組成物と前述の髪との間の接触を意味する。実質的なメラニン形成後に髪に髪染色組成物を置くことは、不溶性メラニンは髪の中へ拡散しないであろうし、そしてその後のシャンプー洗いを通してほとんどが取り去られるので使用できない。便宜上、この適用中に使用される「約1時間未満」の接触時間は反応剤の混合の着手から測定される。
適切な水性髪染色組成は追加の成分を水性反応媒質に加えることなしに得ることができることをまた理解すべきである。すなわち、その水性反応媒質と水性髪染色組成物とは、例えば、包含される反応が染色されるべき髪の全体的に又は部分的に生ずる場合には、均等物とみなし得る。しかしながら、下記に記載する如く、よりエレガントな生成物を提供するために追加の任意の成分、例えば、濃稠化剤等を含有させることが好ましい。
本発明の方法では、ドパ種は、一種以上のメラニン前駆体の形成を生ずる一連の反応を通して酸化剤によって酸化される。どのような特種な反応スケムとも結びつけられることは望まないけれども、出願人は次の反応が起り、メラニン前駆体の形成が導びかれるもの信ずる:(1)フェリシアン化物及び過マンガン酸塩酸化剤によるドパ種の酸化、次いで環化、さらなる酸化及び二酸化炭素放出による転位、そしてインドールの形成、例えばドパの5,6−ジヒドロキシインドールへの変換をもたらす。(2)ドパ種の酸化、次いで環化、さらなる酸化及び二酸化炭素放出のない転位。及び(3)最初のドパ種酸化生成物がカップラー又は一次中間体によるさらなる反応によって変更される反応、そして非インドール系の窒素を含むフェノール系化合物をもたらす。
ドパの場合、例えば、ドパはドパキノンに酸化され、このドパキノンは自然にシクロドパを形成する。追加の酸化剤がさらにシクロドパと反応してドパクロム(dopachrome)を形成し、このドパクロムはドパクロム種の転位及び二酸化炭素の放出によって5,6−ジヒドロキシインドールへの自然的な転換(中間体ではないけれども)を受ける。類似の反応がまたアルファ−アルキルドパ類について起る。ドパアルキルエステル類はまた二酸化炭素の放出なしに同じように反応する。本発明に従ってドパからメラニンを生成する反応を下記に示す。
本発明の方法で意図されている反応の連続は多くの可能な競合反応を促すことが知られている。二次反応が含まれるように思われるので、望まない競合反応の問題は、本発明の方法の如く、溶液中の出発反応剤の濃度が高い時に特に激しい。
存在すると信じられる第2の困難性は、環化されたインドール系化合物の転位が例えばドパクロムの5,6−ジヒドロキシインドールの転換中に生ずる時、この転位がメラニン前駆体を生成する反応における律速段階であることである。
髪の染色において出発試薬としてのドパ種の商業的用途を弱めるさらなる問題は、空気中で比較的ゆっくり酸化してメラニンを形成するメラニン前駆体が未反応酸化剤によって本質的に且つ直ちに酸化されて髪を永久的に染色するために不適切である副生成物を形成することにある。
これらの困難性を克服するために、本発明は、髪を永久的に染色するために有効なメラニンレベルを生ずる水性髪染色組成物におけるメラニン前駆体濃度を達成し、そして約60分以下で、好ましくは45分以下で、最も好ましくは30分以下で使用者によって実施され得る方法を提供する。
従って、本発明は髪を永久的に着色するために有効な収率及び量でドパ種のメラニン前駆体への変換を意図するものである。最後に、フェリシアン化物又は過マンガン酸塩酸化剤は、それらが反応媒体中でモニターされた量で存在する時、髪を染色するために有効な染色組成物中のメラニン前駆体の濃度の達成を促すことを出願は明らかにした。
それ故に、本発明の方法では、ドパ種に関係して反応媒質中に存在する酸化剤の量は、メラニン前駆体のかなりの量の形成前に酸化剤がほとんど反応されているようになるべきである。
第二の困難性に関しては、前述の転位工程は速度促進濃度で特定の緩衝剤成分を使用することにより促進することができ、これにより方法を約1時間以内で達成することを可能にする。
ドパ種成分
先に指摘した如く、水性髪染色組成物の製造は使用時に反応剤を混ぜる消費者によって行われる。ドパ種又はその適当な塩はメラニンの髪染色量を得るために適切なレベルで初期反応中に存在し、そしてそのメラニン量は順に髪染色組成物と髪との接触の間に達成されるメラニン前駆体レベルに依存する。
反応媒質中で必要な初期ドパ種濃度は、その水における溶解度限界よりもさらに高くてもよい。従って、酸又はアルカリ性水溶液プレミックスを水性反応媒質の調製で使用できる。別法として、さらに溶けやすい酸又は塩基性塩が水性媒質の調製で使用できる。塩の使用もしくは酸又はアルカリ性プレミックスの使用はほかの比較的不溶性ドパ反応剤を溶液にして迅速反応に役に立たせる。
ドパ種の適当な可溶性酸塩の例示は塩酸塩及び硫酸塩である。塩酸塩が好ましい。使用できる適当な塩基性塩の中には、可溶性アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩がある。ナトリウム及びカリウム塩が好ましい。任意の無機又は有機酸又は塩基を、もし使用する試薬が反応に干渉しなければ、ドパ種プレミックス溶液のpHを調整するために使用できる。適当な塩基はアンモニウム及び水酸化ナトリウム及びモノ−、ジ−及びトリアルカノールアミン類、特にエタノールアミン類である。そのような酸は塩酸、リン酸、酒石酸、くえん酸及び乳酸、及びこれらの塩である。水酸化ナトリウム及び塩酸が好ましい。
初期反応媒質のドパ種(又はドパ種塩)の濃度は約2mg/mlから反応媒質中でのドパのほぼ溶解度限界までである。好ましくは、その濃度は初期反応媒質中で約5〜約25mg/mlであり、最も好ましくは約5〜約25mg/mlである。
ドパ種はドパから及び置換又は類似物ドパ化合物から選択される。本発明の方法で適当な置換又は類似物ドパ種(ここでは「置換ドパ」種として記載する)はアルキル基に1〜4の炭素原子、好ましくは1〜2の炭素原子をもつアルファ−アルキルドパ、エプネフリン(アトレナリン)及びアルキル基に1〜6の炭素原子、好ましくは1〜2の炭素原子を持つドパアルキルエステルである。
アルファ−アルキルドパはドパと類似する方法でフェリシアン化物酸化剤で酸化され、好気性の酸化によってメラニンを形成する5,6−ジヒドロキシ−2−アルキルインドールを生成する。
下記の構造を持つエピネフリンはフェリシアン化物酸化剤と反応してアドレノクロム(adrenochrome)を生成する。
アドレノクロムは転位してアドレノルチン及び種々のインドール系及び/又はイソチン系誘導体を生成する。
ドパアルキルエステル類の場合には、酸化が行進して5,6−ジヒドロキシインドール−2−カルボン酸の相応するエステル類を形成する。この反応は脱カルボキシル化、即ち二酸化炭素の放出なしに進行する。5,6−ジヒドロキシ−インドール−2−カルボン酸のこのエステルは次いで好気性酸化によって重合してメラニンになる。
酸化剤成分
フェリシアン化又は過マンガン酸の可溶性アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩(特にアンモニウム、ナトリウム及びカリウム)が本発明で使用される酸化剤として適切である。好都合には、反応後に水溶液中に存在するフェリシアン化物(フェロシアン化物)は減少した状態では水性系のメラニン前駆体とさらに反応しないであろう。そしてそのことによりメラニン前駆体の形成を最大にし、方法全体の効率を増加させる。フェリシアン化物が好ましい酸化剤である。
酸化剤、特にフェリシアン化物酸化剤、は方法を通して反応媒質中に存在するドパ種に対して極めて反応性である。従って、ドパ種と酸化剤との初期反応は本質的に5分以内で、最も好ましくは1分以内に完了し、そしてある場合には瞬時とみなすことさえできる。この理由の故に、仮定された反応スケムにおけるメラニン前駆体の形成をもたらす中間体は反応媒質中での寿命が短く、反応間の間では利用できない。従って、本発明の方法では、望ましくない副反応は防止されるかまたは大いに制限される。
酸化反応剤は、さらに下記に述べる如く、実質的に化学量論当量濃度で初期反応媒質中に存在する。
ドパ種のメラニン前駆体への変換を通して、各々のドパ種分子は4つの電子を失う。従って、もし一つの電子を得る酸化剤が使用されるならば、酸化剤の4モル等量がドパをジヒドロキシインドールに変換させるために要求される。このように、フェリシアン化物の2モル等量はドパをドパキノンへ変換させるために必要とされ、そしてフェリシアン化物の他の一つの2モル等量はシクロドパ(ドパキノンから自然に得られる)をドパクロムへ変換するために必要とされる。過マンガン酸塩の場合には、種々の還元状態が可能であり、すなわち、カマンガン酸塩は最初に3つの電子を失い、そしてその後に酸性条件下で他の2つの電子を失う。
ドパの場合には、ここで使用する「化学量論当量」は1モルのドパを(ジヒドロキシインドールから自然に形成される)1モルのドパクロムに変換するために必要な酸化剤のモル当量の数に等しい。置換ドパ種に関しては、類似の反応が起ると信じられている。従って、アルキルドパ種はアルキルジヒドロキシインドールを生成し、アルキルドパエステルはジヒドロキシインドールカルボン酸エステルを生成し、そしてエピネフリンはアドレノルチンを生成すると信じられている。各々の変換は4つの電子の喪失を生ずる。
加剰量の酸化剤はメラニン前駆体と反応するので、使用されるドパ種に比較して約1化学量論当量より多い量は勧められない。酸化剤に比較して加剰の化学量論当量のドパ種(ドパ又は置換ドパ)は未反応酸化剤が反応後に残留しないことを保証するので好ましい。未反応置換ドパは方法の全体の効率を減少させる傾向があるにもかかわらず、ドパ種の加剰量は方法の実施に影響を与えるとは思われない。一般的に、反応媒質中のドパ種対フェリシアン化物のモル基準による化学量論当量比は約1.25:1〜0.95:1、好ましくは約1.1:1〜1:1、最も好ましくは約1.05:1〜1.01:1である。
酸化髪染色成分が反応混合物中に適宜混合させる時、一次中間体及び/又はカップラー髪染色成分は環化された中間体の転位前に中間反応生成物の一種以上と反応すると信じられている。さらに、反応媒質中に最初に存在するドパ種の一部は完了に反応して5,6−ジヒドロキシインドール又は均等類似体メラニン前駆体を生成すると信じられている。次いで、理論上、任意の酸化髪染色成分が併用される時には、最期反応媒質は、ドパのメラニン前駆体への完全な変転を基準にして、ドパ種に比べて2〜4モル当量の間の、即ち0.5〜1化学量論当量の間の酸化剤を含有すべきである。従って、反応媒質中に最初に存在するドパ種対酸化剤のモル基準に基づく化学量論当量比は通常には約1:1〜2:1、好ましくは約1.2:1〜1.8:1、最も好ましくは約1.3:1〜約1.7:1である。ドパに比べて酸化剤の化学量論当量の量は、酸化剤によるメラニン前駆体の酸化は望ましくないので、メラニン前駆体の形成後に酸化剤の加剰量が存在するほど多く存在すべきではない。
酸化剤は反応を通してゆっくり又は各段階で加えることが可能である。しかしながら、このこと消費者にとって困難であり且つ不便であり、そしてメラニン前駆体が形成される時に酸化剤が不注意に存在することになろう。
緩衝剤成分
反応媒質のpHは反応を通して減少するであろう故に、必要なpHを維持するために反応媒質中に十分な量の緩衝剤を与えることが必要である。本発明の方法では、メラニン前駆体形成中に水溶液媒質のpHを約6〜10に維持することが臨界的である。好ましくは、pHは約6〜約8.5の間にあり、特にアルカリ性〜約8.5の間にある。
反応媒質のpHを前述の限定内に調節するために、本発明の方法で使用される緩衝剤はメラニン前駆体の形成を助けるものと信じられる。従って、反応媒質中の緩衝剤の濃度が増加する時、ドパクロム及びその類似体の転位の速度がまた増加することが観測されている。このように、緩衝剤は転位反応を可能にし、これによりメラニン前駆体の発生時間を減少させ、そして髪染色方法がドパ種酸化剤反応の着手から約1時間以内に完了することを可能にする。典型的には、緩衝剤は反応混合物を緩衝するために必要な量より加剰な量で存在する。好ましくは、予め限定された範囲内に反応混合物のpHを単に維持するために必要とされる量の2〜25倍、特に5〜20倍のこれらの特別の緩衝剤を与えることが望ましい。
本発明で使用するために適当な緩衝剤はリン酸アンモニウム、リン酸アルカリ金属、重炭酸塩、炭酸塩及びより小さい程度まで、ホウ酸塩である。アミン系緩衝剤、例えばN−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N′−[2−エタンスルホルホン酸](HEPES)、N−[2−アセタミド]−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、トリ[ヒドロキシメチル]アミノメタン(TRIZMA)及びN−トリス[ヒドロキシメチル]−メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)が適切である。炭酸アニモニウム、炭酸アルカリ金属、重炭酸アンモニウム及び重炭酸アルカリ金属は、たとえ規定されたpH範囲ではあまり使用されなくても適切である。本発明の実施において使用される好ましい緩衝剤は、酸化剤がフェリシアン化物及び過マンガン酸塩酸化物を持つリン酸塩緩衝剤である時、炭酸ナトリウム及びカリウム、重炭酸ナトリウム及びカリウム、又はリン酸ナトリウム及びカリウムである。反応媒質pHを維持し且つ転位反応を可能にする適切な他の緩衝剤が存在する。これらの緩衝剤は本願明細書の実際例に記載する如く、単純な実験によって決定し得るものである。
方法のパラメーター
必要なメラニン前駆体濃度を得る能力はその収率と変換に用いるドパ種の量とに依存することが理解されるべきである。従って、低いメラニン前駆体収率は、高い初期ドパ種濃度が反応媒質に提供される時に受け入れられ得るであろう。逆に、比較的高いメラニン前駆体収率は、もし低い初期ドパ種濃度が使用されるならば要求されるであろう。
髪を永続的に染色する本発明では、メラニン前駆体は、髪染色組成物が髪と接触している間にその場でメラニンへ変換される。従って、この方法は、メラニンを生ずる種々の反応が同時に進行する動的な方法であると考えられるべきである。それ故に、髪染色組成物中に形成されるドパ種に基づくメラニン前駆体の濃度及び収率は、もしその後のメラニン形成反応が阻止されなければ、直接に測定できない。その時でさえも、収率の測定は反応を競わせる数及び存在する化学種の数にかんがみて複雑である。測定は置換ドパ種、特にエピネフリンに対して、そして反応混合物がさらにカップラー又は一次中間体を含有する時に特に複雑であり且つ困難である。同様に、メラニンの量及び収率は、そのメラニンが髪の中に形成されるので、容易に量的に測定できない。他方、方法の効率は、刈取った髪をこの方法に従って処理した時、ヘアカラーの変化を測ることによって決定し得る。さらに、その評価は毛幹に形成された前駆体の量、すなわち処理を通して毛幹へ拡散している前駆体の量の指標である。試験方法はさらに下記に記載する。発明の成功した実験に対する指標として、出願人は、髪に対する感知できる着色の変化が髪への適用の一時間以内に起ることを明らかにした。適切なメラニン前駆体モル収率は、初期ドパ種濃度が反応媒質中で約2mg/mlからその溶解度限界までの時に典型的に得られる。
反応媒質中にドパのみが含有される場合(すなわち、他の髪染料カップラー及び/又は一次中間体が存在しない場合)、髪に対する感知し得る着色の変化は、髪染色組成物中で得られるピーク5,6−ジヒドロキシインドール(DHI)濃度が少くとも約1.5mg/mlである時に、髪への適用の一時間以内に発生することを出願人は明らかにした。実用最小限としてみなされるこのピークDHI濃度は前述した反応の早い段階を通して典型的に生ずる。通常は反応剤混合の最初の30分以内に、好ましくは最初の20分以内に生ずる。約65%のDHIモル収率と相まって、約3mg/mlの初期ドパ濃度が水性組成物中の実用最小ピークDHIレベルを達成するために適切である。このピークDHI濃度は例えば実施例1〜11に記載する如く、反応媒質に生ずる反応を通して及び髪から単離して測定されることは理解されるべきである。HPLCで測定した時、本発明によるDHIのモル収率は、ドパの変換を基準にして、典型的に約50〜70%であり、副生成物ジヒドロキシインドールカルボン酸を約7〜9%含有する。好ましくは、水性組成物中で得られるピークDHIは2.5mg/ml以上であり、最も好ましくは約4mg/ml以上である。約50%以上のDHIモル収率及び使用されるドパ種の反応媒質中の5mg/mlから溶解度限界までの初期ドパ濃度は、メラニンの髪染色量を発生させるために適切な髪染色組成物中のDHIのレベルを達成するために好ましい。もちろん、反応媒質中の一次中間体及び/又はカップラー髪染色組成物の併用は、容易に量を測定できない他のメラニン前駆体のために、得られる5,6−ジヒドロキシインドールメラニン前駆体の量を減少させるであろう。
置換ドパ化合物に関しては、適切なメラニン前駆体モル収率は、初期置換ドパ濃度が反応媒質中で約2mg/mlからその溶解度限界までの時に典型的に得られる。従って、インビトロ実験によって、2mg/mlのアルファ−メチルドパの初期濃度は約90%モル収率に相当する約1.5mg/mlのα−メチルインドールを生ずることが明らかにされた。同様に、2mg/mlの初期ドパメチルエステル濃度は約95%のモル収率でジヒドロキシインドール−2−カルボン酸メチルエステルを与えることが知られた。初期アルファ−メチルドパ濃度が約8〜9mg/mlであった時にモル収率は約60〜65%であった。
メラニン前駆体モル収率及び初期ドパ濃度が協同的に高いメラニン前駆体濃度を与える系は本発明に従って一度の処理で着色の変化を実施するために適している。これに対して、低いメラニン前駆体濃度を与える系は記載されている方法に従って連続的処理によって髪を徐々に着色するために特に有用である。典型的には、短時間での2〜14連続処理(10分より短時間、特に5分より短時間)が髪を徐々に着色するために使用される。
本発明の実施に際しては、使用者は、約1時間以内の間に髪染料組成物を形成しそしてこの染料組成物を髪に適用するために、反応剤含有溶液の二つ以上の容器及びこの溶液を混ぜるための印刷した指示書を準備する。方法は、特にヘアサロンではヘアドライヤーによって高温度が使用できるけれども、通常では室温で実施される。使用者は染料組成物の染への適用後に髪にキャプをかぶせ、体温をキャプの内に残存させることもできる。接触処置の後に、表面メラニンを含む加剰組成物を髪から除去するために髪をシャンプーする。
髪染色キット製品
本発明のこの態様に従って提供されるキットは充分な量の緩衝液、ドパ種溶液を含有する第1の容器及び酸化剤溶液を含有する第2の容器を包む。緩衝液は第三の容器に別個にパックしてもよいし、第1の容器に存在してもよいし、また第2の容器に存在してもよい。ドパ種溶液がその酸性又は塩基性塩の形態で提供されるか、あるいはpHが酸性であるか又はアルカリ性である時には緩衝液は存在しないであろう。キットはこれらの溶液の調整用の乾燥粉末の量、好ましくは予め測定されている量を含有するパキットを含むことがあるけれども、溶液としてそれらを提供することがより便利である。その上に、構成成分の予め測定されている量を含有する溶液は使用者にこれらの正しい使用を容易にする。
下記に記載する如く、任意の構成成分に関して、1個以上の追加の容器がキット中に提供できる、任意の構成成分は不一致を除いて溶液にまた含有され得る。
使用者は、指示書に従って、キットの成分を適当に水溶液として又は乾燥粉末及び水として混ぜ合せ、水性反応混合物を得る。この混合はキットに備えられている別個の容器又は外用の別個の容器で行ってもよい。あるいはこの混合は混合するために充分な上部空間を提供するように適合させたキットの容器中で起るようにしてもよい。反応剤はまた使用者の髪の上で混ぜ合せてもよい。本質的には、混合によってドパ種の反応は始まるであろう。形成された前駆体はその後空気中で酸化され、メラニンを形成し、そして着色の生成により視覚的に示される。反応混合物は髪に適用され、前駆体(及び/又は部分的に酸化された前駆体)のメラニンが形成される髪への同時拡散と供にメラニン前駆体反応の完了が髪の上で起り、これにより永続的な髪の染色が得られる。所望の髪の状態に、最も好ましくは約30分以内に達した後に、髪に適用した髪染料組成物を、好ましくは通常のシャンプーで除去する。
髪染料組成物は、反応が始まる発端に又は反応が始まった後に直ちに、髪に適用されるので、メラニン形成の反応時と髪への接触時とは本質的に同時である。本発明で意図されるメラニン形成の速度論は、反応が先に記載した予め指定された接触時間の強制内で起るべきであることである。しかしながら、予め指定された接触時間内での髪染色組成物の除去の失敗は、さらなるヘアカラーの変化が起るであろうとは思われないので、重要ではない。
メラニン促進剤
メラニン前駆体からメラニン形成は下記に記載する如くメラニン促進剤又はメラニン促進剤類の適用によって促進させることができる。
従って、ある種の遷移金属及び亜鉛イオン、例えば、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト及び鉄イオン、がメラニン前駆体のメラニンへの変換を促進する。ここで使用される時「遷移金属」は亜鉛を包含するものとする。髪に適用されるこれらのイオンの塩の溶液は髪への本発明の染料組成物と一緒になって得られる着色の深みを生ずる。遷移金属イオンはこれらが使用されない時よりもより速やかに髪への着色変化に効果を与える。典型的には、着色変化は30分未満で得られ、好ましくは15分未満である。形成される前駆体はより充分に使用されるので、より低いメラニン前駆体濃度は一回の処理で有効な染色を得るのに適切である。Cu++塩及び微量のFe++塩が好ましい。
金属塩溶液は、髪染色組成物による処理前又は処理後に、予め決められた時間の間に、典型的には約1〜約10分の間に髪に適用できる。一般的な規則として、髪と髪染料組成物との接触中の金属イオンの適用は、金属イオンがメラニンを毛幹の外側に形成させるので好ましくはない。しかしながら、ある例ではそのような同時適用が有用である。特に、メラニン促進によりゆっくり影響する亜鉛のような金属イオン剤は有用である。
加剰の金属イオンは、髪染料組成物の適用前にリンス又はシャンプーすることにより髪の表面から除かれる。前処理又は後処理の間に金属イオンをシャンプー調剤に組み入れることが適切である。これにより加剰量を除くためには水すすぎで十分であろう。金属イオンは髪の中へ浸透するので、髪染料組成物によるその後の処理に基づいて拡散した前駆体のメラニンへの変換を速やかに促進させるために利用できると信じられている。金属塩溶液は代表的には約0.01〜約1%の金属塩を含有する。また、ヨー化物塩は過酸化水素後処理に先んじて適用される時メラニン形成を促進させるために適切である。ヨー化物塩は塩の0.01〜1%溶液として提供でき、あるいは髪染料組成物中へ直接に組み入れてもよい。溶液として使用される時、その溶液は髪染料組成物による髪の処理前、処理中又は処理後に適用することができる。その後に、過酸化0.1〜6%、好ましくは1〜3%溶液として適用される。
後処理として酸化溶液の有効量を髪へ適用することも本発明の範囲内にある。適当な酸化剤は、例えば0.1〜10%、好ましくは1〜5%の水溶液である亜硝酸塩、過硫酸塩、過沃素酸塩、沃素酸塩、過マンガン酸塩及び過硼酸塩である。
最良の結果を与えるために、試薬は処理で使用される水性媒質に溶解されるべきであり、そしてさらに他の助剤、例えば濃化剤、表面活性剤、及び同様の物、例えば髪染料組成物に関して下記に記載されている如き物を含有してもよい。
従って、第一及び第二プレミックスを含有するキットは促進剤の別個にパックされた溶液をまた包含し得る。5,6−ジヒドロキシインドールによって得られる髪染色を増大させるための金属塩の使用は英国特許第2,132,642号明細書に記載されている。この特許明細書をこの説明のために引用する。ヨー化物/過酸化物の使用は米国特許第4,804,385号明細書に記載され、そして酸化後処理の使用は米国特許第3,194,734号明細書に記載されている。これらの説明のために両特許明細書を引用する。
染色(カラー)
メラニン前駆体5,6−ジヒドロキシインドールを得るための出発反応剤としてのドパのみの使用は髪を黒又は灰色に染色するメラニンを生成するために適切である。すなわち、色彩色を生ずることはできない。置換ドパ化合物が用いられる時、本発明の髪染色方法は出発置換ドパ種の選択に依存して髪を色合いの範囲に便利に染色する。従って、淡いカッ色〜中位のカッ色さらに赤、青、緑及び黄色の色調を持つ黒色までの範囲の染色が、出発物質の選択及び髪染料組成物の髪との接触時間に従って可能である。アルファ−メチルドパは暗カッ色(ダークブラウン)色を与えることが知られた。これに対して中位のカッ色はドパメチルエステルによって得られ、淡いカッ色はエピネフリンによって得られた。
一種以上の通常の髪染料カップラー又は髪染料一次中間体の初期反応混合物への添加は本発明の実施によって得られるメラニンへ色彩色を導入するためのさらなる方法を提供する。従って、淡いカッ色〜中位のカッ色さらに赤、青、緑及び黄色の色調を持つ黒色までの範囲の染色が、出発物質の選択及び髪染料組成物の髪との接触により可能である。
ここで使用に適する種のドパ種は、所望の色彩を達成するために単独であるいは混合して、例えば、単独であるいは一種以上の酸化髪染料組成物と組み合せて使用してもよい。
髪染料成分
本発明は、髪に生成される最終の染色効果を変更する目的で、一種以上の従来の髪染色一次中間体及び/又は髪染色カップラーを反応媒質中に組み入れる。従って、これらの従来の髪染色成分は反応を通して形成される種々の物質と反応し、この反応により、一種々以上の追加の発色団置換基を最終メラニン種に組み入れる。発色基の存在は色彩の広い品ぞろいが使用者に入手できるように色調の変更を提供する。髪染色一次中間体及び/又はカップラーとの反応は環化を防止できるので、窒素を含むフェノール系メラニン前駆体がインドール系メラニン前駆体の代りに得られるであろう。
カップラー及び/又は一次中間体の濃度は約10mg/mlより低く、そして好ましくは約0.01〜約5mg/ml、最も好ましくは約0.05〜約2mg/mlで反応媒質中に存在する。これらの髪染色成分の量はインドール系メラニンの形成を防げるほど多くあるべきではない。すなわち、本発明の方法は介在するドパ種反応生成物のわずかな部分と一次中間体及び/又はカップラー化合物との反応を意図するものである。カップラーは、カップラーがフェリシアン化物酸化物によって酸化されるとはほとんど思われない時に好ましい。フェリシアン化物は一次中間体と反応を競うので、フェリシアン化物濃度及び/又は一次中間体濃度の調整が要求され得る。
一次中間体の広い範囲の種類が本発明で使用できる。例えば、次の式;
(式中、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、水素、C1〜C6低級アルキル基、一つ以上のヒドロキシル基、又はメトキシ、メチルスルホニルアミノ又はアミノカルボニル基で置換されたC1〜C6アルキル基、又はアミノ基で置換されていてもよいフェニル基を表し;R3及びR6は相互に独立して、水素、C1〜C6低級アルコキシ基、ハロゲン原子例えば塩素原子、C1〜C6低級アルキル基、又は一個以上のヒドロキシ基で置換されたC1〜C6低級アルキルを表し;そしてR4及びR5は相互に独立して、水素、C1〜C6低級アルコキシ基、C1〜C6低級アルキル基、又はハロゲン原子例えば塩素を表す)
に相当するパラフェニレンジアミン類、並びにこれらの無機又は有機酸の塩;フェニル基がパラの位置でOH又はC1〜C6アルキル基で置換されていてもよいアミノ基で置換されているN,N′−ジフェニルアルキレンジアミン類;アルキレン基によって結合されたアミノ基がC1〜C6アルキル、C1〜C6ヒドロキシアルキル又はC1〜C6アミノアルキルで置換されることが可能な化合物;パラ−アミノフェノール類;オルト−アミノフェノール類;オルト−フェニレンジアミン類;及び複素環式酸化塩基を含む。
式(I)の有用な化合物として、p−フェニレンジアミン、2−メチル−パラフェニレンジアミン,2−メトキシ−パラ−フェニレンジアミン、2−クロロ−N−メチル−パラ−フェニレンジアミン、N−フルフリル−パラ−フェニレンジアミン、3−メトキシ−N′−メチル−パラフェニレンジアミン、2−クロロ−パラ−フェニレンジアミン、N−メチル−パラ−フェニレンジアミン、2,3−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、5−クロロ−N′−メチル−p−フェニレンジアミン、5−メチル−N′,N′−ジメチル−p−フェニレンジアミン、5−メチル−N′−エチル−N′−(アミノカルボニル−メチル)−p−フェニレンジアミン、5−メチル−N′−エチル−N′−(エチルスルホニルアミノエチル)−p−フェニレンジアミン、N−(2−メトキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2,6−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンを記載することができる。N,N′−ジフェニルアルキレンジアミン類は、例えば、N,N′−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−N、N′−ビス(p−アミノフェニル)エチレンジアミンである。これらの酸による塩、例えば、一塩酸塩、二塩酸又は硫酸塩がまた適切である。
本発明によればさらに本質的に使用に便利なp−アミノフェノールとして、p−アミノフェノール、2−メチル−p−アミノフェノール、3−メチル−p−アミノフェノール、2,3−ジメチル−p−アミノフェノール、2,6−ジメチル−p−アミノフェノール、3−メトキシ−p−アミノフェノール、2−クロロ−p−アミノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノール及び3−(メチルチオ)−p−アミノフェノールを記載することができる。これらの中でp−アミノフェノールが好ましい。
オルト塩基の中では、オルト−アミノフェノール、5−クロロ−オルトアミノフェノール及びオルト−フェニレンジアミンが本発明によって選択される。
複素環式塩基の中では、本発明によれば、2,3−ジアミノ−6−メトキシ−ピリジン及び2−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−5−アミノピリジン及びそれらの塩、そして特に、3,6−ジアミノピリジン、2,6−ジメトキシ−3−アミノ−ピリジン、2−メチルアミノ−3−アミノ−6−メトキシピリジン、2,5−ジアミノ−ピリジン、2−(N−ヒドロキシエチル)アミノ−5−アミノピリジン、及び2−(N,N−ビスヒドロキシエチル)アミノ−5−アミノピリジンを使用することが好ましい。
よりさらに好ましい一次中間体はp−フェニレンジアミン、2−メチル−p−フェニレンジアミン,N−(2−メトキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン及びp−アミノフェノールである。
カップラー又は色彩変更剤として、特に次の式;
(式中、R1は水素又は一個以上のC1〜C6ヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアミノ基を表し;R3及びR5は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシ基、C1〜C6低級ヒドロキシアルキル基又はC1〜C6低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基を表し;そしてR2、R4及びR6は水素原子又はC1〜C6アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基又はC1〜C6低級アルキル基を表し;R3及びR4は一緒になってメチレンジオキシ基を形成することが可能である)
に相当する化合物を記載することができる。
適切なカップラーとして、次の化合物を記載することができる。2−メトキシ−5−アミノフェノール、2−メトキシ−5−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェニル、1,3−ジアミノ−2,6−ジメトキシベンゼン、2−メトキシ−1−(N−メチルアミノ)−4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−アミノ−ベンゼン、1,3−ジアミノ−6−メトキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジメトキシベンゼン、4,6−ジメトキシ−1,3−ビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]ベンゼン、2,6−ジメトキシ−3−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−アミノベンゼン、2,6−ジメトキシ−3−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−アミノベンゼン、2,4−ジメトキシ−3−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェノール、1,3−ビス[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メトキシベンゼン、3−アミノ−4−メトキシフェノール、3,4−メチレンジオキシ−1−アミノベンゼン、2,6−ジメチル−3−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェノール、2,6−ジメチル−3−アミノフェノール、4−エトキシ−1−アミノ−3−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンゼン、(2,4−ジアミノフェノキシ)エタノール、(2−アミノ−N−メチル−4−アミノフェノキシ)−エタノール、1−メトキシ−2−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−アミノベンゼン、3,4−メチレンジオキシ−6−メトキシフェノール、3−アミノ−6−メチルフェノール、3,4−メチレンジオキシ−6−メトキシアミノベンゼン、3−アミノフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−(ヒドロキシエトキシ)−1,3−フェニレンジアミン、4,6−(ジヒドロキシエトキシ)−1,3−フェニレンジアミン、及び1,3−フェニレンジアミン。
他の適当なカップラーは6−アミノベンゾモルフォリン、1−アミノ−7−ナフトール、6−ヒドロキシベンゾモルフォリン、1−ナフトール、1,3−ジヒドロキシナフタレン及び1,2−ジヒドロキシ−ベンゼンである。複素環式カップラーとしては2,6−ジヒドロキシピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2−アミノ−4−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシ−4−アミノ−ピリジン、2−ヒドロキシ−5−アミノピリジン、2−アミノ−6−ヒドロキシピリジン及び類似物を記載することができる。また、一つのアミノ基又は二つのアミノ基のアミノ窒素がC1〜C6アルキル基、例えばメチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ又はsec−ブチル、ペンチル、sec−ペンチル、ネオペンチル、t−ブチル、ヘキシル、3−メチルペンチル又は4−メチルペンチル基、によってモノ−又はジ−置換されている2,6−ジアミノアルキルピリジン類のさらなる誘導体が包含される。このアミノ−4−ヒドロキシ−又は2−ヒドロキシ−4−アミノ−ピリジンのどちらかのアミノ基がまた窒素原子上にモノ−又はジ−C1〜C6アルキル化を持つことができる。2,6−アミノ−、又は4−アミノ−2−ヒドロキシ−又は2−アミノ−4−ヒドロキシピリジン窒素は、また2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシフロピル、2−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシペンチル、2−ヒドロキシヘキシル、3−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシペンチル、2−ヒドロキシヘキシル、4−ヒドロキシペンチル及び5−ヒドロキシペンチル基の特定の名前を持つ1〜6炭素鎖のアルコキシ置換基で単独に又は二重に誘導体化され得る。
ベンゼンのトリヒドロキシル化された誘導体としては、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、アルキル基がC1〜C6低級アルキル基である1,2,4−トリヒドロキシ−5−アルキルベンゼン類及び1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、及びこれらの塩を挙げることができる。
ジアミノヒドロキシベンゼン類としては、2,4−ジアミノフェノール及び2,5−ジアミノ−4−メトキシ−1−ヒドロキシベンゼン、及びこれらの塩を挙げることができる。
アミノジヒドロキシベンゼン類としては、2−アミノ−1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−2−ジエチルアミノベンゼン及び4−アミノレゾルシノール、及びこれらの塩を挙げることができる。
置換1,2−ジヒドロキシベンゼン類の中では、4−メチル−1,2−ジ−ヒドロキシベンゼン及び3−メトキシ−1,2−ジヒドロキシベンゼンが特に好ましい。
アミノヒドロキシベンゼンは2−アミノ−4−メトキシフェノール、2−アミノフェノール、4,6−ジメトキシ−3−アミノ−a−ヒドロキシベンゼン及び2,6−ジメチル−4−[N−(p−ヒドロキシフェニル)アミノ]−1−ヒドロキシベンゼン、及びこれらの塩から選択される。
トリアミノベンゼンを介して、1,5−ジアミノ−2−メチル−4−[N−(p−ヒドロキシフェニル)アミノ]−ベンゼン及びその塩を挙げることができる。
またカップラーとしてN−アセチルドパが適当である。
下記の表は本発明で使用するために好ましい一次中間体及びカップラーのいくつかのリストである。
好ましい一次中間体及びカップラー
一次中間体:p−フェニレンジアミン
p−アミノフェノール
o−アミノフェノール
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン
2,5−ジアミノピリジン
p−トルエンジアミン
カップラー レゾルシノール
m−アミノフェノールナフトール
5−アミノ−o−クレゾール
2−メチルレゾルシノール
N−アセチルドパ
4,6−ジ(ヒドロキシエトキシ)−m−フェニレンジアミン
m−フェニレンジアミン
任意の助剤(アジュバント)成分
本発明の様々に記載されている態様は髪染料組成物中に一種以上の任意の成分を含有してもよい。この成分は、使用者によって水性反応混合物に混ぜ合せるためのキットの一種以上の容器で提供でき、あるいはもし矛盾がなければ、前述した酸化剤又はドパ種プレミック溶液中に混合できる。
酸化髪染色組成物に一般に使用される周知の通常の添加物、例えば有機溶媒、濃稠化剤、表面活性剤、pH調整剤、抗酸化剤、芳香剤及びキレート剤、を本発明の組成物に包含し得る。
本発明の方法で使用される髪染料組成物は共溶媒として有機溶媒を包含できる。有機溶媒は組成物の成分の溶解性を助けることができ、典型的には約30%までの量で、好ましくは約15%までの量で存在する。適当な溶媒はモノ−及び多価アルコール類、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール等、及び2−ブトキシエタノール、エチレングリコールモノエチル及びジエチレングリコールモノエチルエーテルのようなグリコールエーテル類である。
本発明の染色組成物で使用される表面活性剤はアニオン性、非イオン性、カチオン性、両性又は両性イオン性であることができる。種々のタイプの表面活性剤の例として、高級アルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩;アルコールのスルホン酸エステル及びポリ塩基酸;タウリン酸塩;脂肪アルコール硫酸塩;分枝鎖又は第二アルコールの硫酸塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;脂肪酸又は脂肪酸混合物の塩;N−オキシアルキル化脂肪酸アルカノールアミン及び類似物を挙げることができる。特定の表面活性剤の例としては、ナトリウムラウリル硫酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエステル;ミリスチルスルホン酸塩;グリセリルモノステアレート;トリエタノールアミンオレート;パルミチン酸メチルタウリンのナトリウム塩;セチルピリジニウムクロライド;ラウリルスルホン酸塩;ミリスチルスルホン酸塩;ラウリン酸ジエタノールアミド;ポリオキシエチレンステアレート;エトキシ化オレオイルジエタノールアミド;水素化獣脂のポリエチレングリコールアミド;ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;p−ドデシルベンゼンスルホン酸のトリエタノールアミン塩;ノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ジオクチルスルホこはく酸ナトリウム;N−メチル−N−オレノイルタウリン酸ナトリウム;イソチオン酸ナトリウムのオレイン酸エステル;ドデシル硫酸ナトリウム;3−ジエチルトリテカノール−6−硫酸塩のナトリウム塩及び類似物を挙げることができる。表面活性剤の量は、組成物の重量を基準にして約0.05%〜15%、好ましくは約0.10〜5%の広い範囲で変化し得る。アニオン性及び非イオン性表面活性剤は典型的には乳化剤として使用される。これに対してカチオン性表面活性剤は髪にヘアコンディシニングの利点を髪へ与えるために有用である。アニオン及びカチオン表面活性剤が一緒に混ぜ合せられた時には、配合禁忌の可能性にかんがみ、注意が払われなければならない。
キレート剤及び金属イオン封鎖剤は、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、くえん酸ナトリウム、等を包含し、そして約1%以下の量で存在する。
髪染色に一般に使用されている一種又は数種の濃稠化剤を本発明の染色組成物に併用できる。これらは次のような製品、即ちナトリウムアルジネート又はアラビアガム、例えばメトセル60HG、又はカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、又はヒドロキシエチル−セルロース、例えばセルロサイズQP−40、又はポリアクリル酸ナトリウム塩のようなアクリル酸ポリマー類、又はベントナイトのような無機濃稠化剤によって代表される。この濃稠化剤の量は広範囲にわたって変化し、20%ぐらいであってもよい。一般には、組成物の重量に基づき約0.1〜5%の範囲にあるであろう。組成物の粘度は約1cp〜約100.000cpsの間で変化できる。代表的なローション製剤では、組成物粘度は約100cps〜約10.000cpsの間であり、この粘度ではこの組成物を流動もしくはドリップすることなしに髪に適用できる。
本発明の組成物はまたpH調整剤を包含有し、最期反応媒質pHを前述した範囲内に調整することができる。代表的には、これらの調整剤は先に述べた如く、ドパ種プレミックス中に混ぜ合せ、ドパ種の溶解を確確にする。しかしながら、そのような調整剤はまた酸化剤プレミックスに又は直接水性反応媒質に混ぜ合せることができる。代表的なpH調整剤はドパ種成分と標題した項目にすでに記載した。
アルキル性溶液では、ドパ塩は例えば空気によって多少酸化され易い。従って、小量の抗酸化剤がアルカリ性ドパプレミックス中に含まれてもよい。そのような場合には、酸化プレミックス中の酸化剤の量をドパ及び酸化剤プレミックスの混合物で残留する抗酸化剤を中和するために増加させ得る。
任意の成分のリストは本発明を限定するものではない。髪染料組成物中に含まれる他の適当な助剤は、例えばZviak,The Science of Hair Care(1986)、及びBalsam及びSagarin,Cosmetics:Science and Technology,Vol.2(第2版、1972)に記載されている。
本発明を下記の実施例で説明する。もし別段の指示がなければこの明細書の濃度及び比は全組成物の重量による重量基準に基づく。
実施例 1−9
ドーパを0.1Mの塩酸溶液に溶解することによりドーパの0.1M溶液(pH約1.9)15mlを調製した。また緩衝剤を含んだ0.36Mのフェリシアン化カリウム溶液も調製した。水性反応溶液を調製する為に、同量のドーパと酸化剤−緩衝剤予混合溶液とを大気中にオープンになった容器中で混合した。水性反応溶液中の緩衝剤とその濃度は表Iに示されている。反応溶液の最初のpH値を測定し、表Iに記した。5,6−ジヒドロキシインドールの濃度は、予混合溶液と混合し15分後、この分野では良く知られたHPLC法で測定し、表Iに示した。
表Iのデータは、実施例1−3及び5−9それぞれが15分のちに、DHIを含む毛髪染色組成にとって必要な最小濃度1.5mg/ml以上の濃度になったことを示している。ホウ酸ナトリウム緩衝剤とした実施例4は、0.50M緩衝液濃度(使用した酸化剤予混合物に基ずく)で15分後に1.6mg/ml DHI濃度となった。実施例1、2、8及び9は、DHI濃度は緩衝液濃度の一部であることを示している。それぞれの実施例に用いられた緩衝剤の濃度は、反応混合溶液のpHを6−10の範囲に保のに必要な濃度以上であった。
実施例 10
0.15gのドーパを0.1M塩酸溶液7.5ml中に溶解し、ドーパ予混合溶液を調製した。0.9gのフェリシアン化カリウム、0.75gの重炭酸ナトリウム及び7.5mlの水を含む酸化剤予混合溶液を調製し、素早くドーパ予混合溶液と混合して水性反応溶液を調製した。混合した直後のpHは6.9であった。DHIの濃度は、5分及び25分後に反応溶液の一部をとりHPLCに依って測定した。5分後ではDHIの濃度は1.75mg/mlであり、25分後ではDHIの濃度は6.4mg/mlであった。
実施例 11
ハリフィ(Herlihy)に付与された米国特許第4,746,322号記載に基ずいた、ドーパと過ヨウ素酸を含む水性組成物のDHIを生成する能力を調べた。
ドーパ0.15g、ベンジルアルコール0.3g、及び水10mlよりなるドーパ予混合溶液は、口の開いたビーカー中で約5分間攪拌しながらこれらの成分を混合する操作に依って調製した。それから60mgの過ヨウ素酸ナトリウムを希塩酸でpH5に調整しながら加えた。5分、25分、及び45分後にその溶液の一部を取りHPLC法を用いてDHIの存在を測定した。いずれのフラクションも測定可能な濃度のDHIを含有してはいなかった。(即ち0.1mg/ml以下)。
酸化剤として60mgのヨウ素酸ナトリウムを使用してこの実験を繰り返した。5分、25分、及び45分後にその溶液の一部を取り、HPLC法を用いてDHIを測定したが測定可能な濃度のDHIは認められなかった。
実施例 12
この実施例は酸化剤としてフェリシアン化カリウム、及び緩衝剤としてリン酸ナトリウムを含んだ反応溶液を使用した本発明の工程による毛髪の染色を説明している。
ドーパ0.15gを0.1M塩酸溶液7.5mlに加えてドーパ予混合溶液を調製した。0.9gのフェリシアン化カリウム、1.45gのリン酸ナトリウム(1.15gNa2PO4及び0.3gNa3PO4 12H2O)及び7.5mlの水よりなる酸化剤予混合溶液を調製し、素早くドーパ予混合溶液と混合して水性反応溶液を調製した。このものの最初のpHは7.2であった。
未処理の灰色毛髪の小束を水性反応溶液と30分接触させ、水で濯ぎ、シャンプーし、乾燥した。
未処理の及び処理した毛髪の色彩の様子を同業者にはよく知られた方法であるハンタートリスチムラス法で評価した。このハンターの評価法では、パラメーターa及びbはポジティブ又はネガティブであり、毛髪の多彩な染色状況を表している。a値がよりポジティブであれば毛髪はより赤色であり、又一方値がよりネガティブであれば毛髪はより緑色である。同様にして、ポジティブなb値は黄色を示し、一方ネガティブなb値は青色を示す。更に重要なことはL値は色彩の強度を表し、絶対的な黒である0から絶対的な白である100で表現する。通常、L値が15以下の毛髪は黒色であり、L値が約60の場合は白色であると考えられる。L値の尺度は直線的ではなく寧ろS字状であるということを理解すべきである。ヒトの目ではっきり識別できる0に近い値、又100に近い値の毛髪の色彩の強度は、L値単位の変化による変化は僅かである。L値が約20から約50の間では、毛髪の色彩の強度はL値単位の変化により有意に変化する。この様にヒトの目が色の変化を感知出来る範囲ではハンター値はより敏感である。
処理前後のハンター値の変化を以下に示す:
L a b
染色前(未処理の毛髪) 38.0 −0.4 7.7
染色後 30.4 0.3 5.3
本発明の工程に従って処理したとき、未処理の灰色の毛髪は種々の色合いの黒色に染色されることが判る。
実施例 13
未処理の灰色毛髪束(L=38.0,a=−0.4,b=7.7)を通常の陰イオン界面活性剤及び0.08Mの硫酸銅を含むアルカリシャンプーで5分間最初の前処理をし、よく濯ぎ、上記の水性反応溶液と30分接触させること以外は実施例12の工程を繰り返した。毛髪は黒色に染色された(L=16.5,a=0.6,b=1.3)。
実施例 14
この実施例は酸化剤としてフェリシアン化カリウムを含有し、又緩衝剤として重曹を含有する反応溶液を用いて本発明の工程に従う毛髪染色を説明する。
0.15gのドーパを7.5mlの0.1M HClに加えることによりドーパ予混合物を調製した。0.9gのフェリシアン化カリウム、0.87gの重曹、及び7.5mlの水を含む酸化剤予混合溶液を素早くドーパ予混合溶液に加えた。この様にして調製した水性反応溶液の最初のpHは7.1であった。
未処理の毛髪(実施例12に記載の様に)を30分接触させ、濯ぎ、シャンプーし乾燥した。この方法で染色した毛髪のハンター値はL=25.6,a=0.5,b=3.7であった。
実施例 15
実施例14の工程を繰り返した、但し未処理の灰色毛髪の小束を、実施例14に述べたように銅を含有したシャンプーで最初に5分間処理した。小束は黒色に染色された(L=14.2,a=0.3,b=0.6)。
実施例 16
実施例13の工程を繰り返した、但し毛髪の小束を水性反応溶液とただ10分間接触させた。毛髪は黒色(L=15.6,a=0.6,b=1.1)に染色された。
実施例 17
実施例13の工程を繰り返した。但し緩衝剤として1.4gのリン酸ナトリウム、更にpHを調整する為に1.7gのクエン酸ナトリウムを含有する酸化剤予混合溶液を用いた。最初の反応溶液のpHは9.6であり、毛髪と反応溶液との接触時間は15分であった。毛髪は黒色(L=13.7,a=0.4,b=0.7)に染色された。
実施例 18
緩衝剤が0.6gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである以外は実施例13の工程を繰り返した。最初のpHは7.5であった。毛髪は黒色(L=13.0,a=0.3,b=0.3)に染色された。
実施例 19
ドーパ予混合溶液は、ドーパ0.15gを0.1MのHCl 7.5mlに加えることによって調製した。酸化剤予混合溶液は0.15gの過マンガン酸カリウム、1.1gのリン酸ナトリウム(Na2HPO4 0.8g及びNaHPO4 H2O0.3g)及び水7.5mlよりなる。最初の反応溶液のpHは7.3であった。
未処理の灰色毛髪小束(L=37.9,a=−0.2,b=8.5)は、小束を水性反応溶液に30分間接触させることにより染色した。その小束は種々の色調の黒(L=33.8,a=−0.2,b=6.7)であった。
実施例 20
実施例19の工程を繰り返した、但し銅シャンプーで5分間前処理した。毛髪は黒褐色(L=21.8,a=−0.2,b=2.1)であった。
実施例 21−22
毛髪を以下に記載したように本発明に従って染色した。
毛髪染色組成物は、0.15gのドーパ、0.08gのm−アミノフェノール及び7.5mlの0.1M HClを含有する第一の溶液と、表IIに示した量のフェリシアン化カリウム、7.5mlの水及びリン酸緩衝液(1.15g Na2HPO4;0.3g Na3PO4・12H2O)を含有する第二の溶液とを混合することによって、表IIに示した最初のpHをもつ毛髪染色剤を調製した。pHは第一及び第二の溶液を混合した時に測定した。ハンタートリスチムラス値L=34.5,a=0.1,b=7.0を持つ毛髪束をそれぞれの組成と30分間接触させることにより染色した。毛髪束はそれから濯ぎ、通常のシャンプーでシャンプーしそして乾燥した。染色した毛髪の最初のハンター値は表IIに示されている。
実施例 23−24
前記実施例21−22のそれぞれの毛髪を同様に染色した、但し前処理として毛髪に銅含有シャンプーを使用した。シャンプーには硫酸銅1%が含まれていた。結果は表IIIに示されている。
実施例 25−27
灰色毛髪を、ドーパと以下の表IVに示した量のm−アミノフェノール(m−AP)との混合物を用いて染色した。毛髪染色剤の組成には0.9gのフェリシアン化カリウムが含まれていた。その他の条件は実施例21−22と同様であった。染色される灰色の毛髪の最初のハンター値はL=36.0,a=0.2,b=7.6であった。
実施例 28−30
実施例25−27に記載した灰色毛髪を実施例25−27の方法で染色した。但し実施例23−24のそれぞれについて前処理として銅を含むシャンプーを適用した。結果は以下の通りであった。
実施例 31−35
毛髪染色組成は、0.15gのドーパ、0.15gの表V記載の毛髪染色成分及び7.5mlの0.1M HClよりなる第一の溶液と0.9gのフェリシアン化カリウム、最初のpHを約7にるに十分なリン酸緩衝剤及び7.5mlの水よりなる第二の溶液を混合することによって調製した。ハンター値L=35.0,a=0.2,b=7.3である毛髪束を硫酸銅を含むシャンプーで先ず前処理し、それから表VI記載の組成物を30分間適用することによって染色した。毛髪束はそれから濯ぎ、通常のシャンプーでシャンプーし、乾燥した。それから以下に示すハンター値を持つ毛髪束が得られた。
実施例 36−38
灰色毛髪(L=34.0,a=0.2,b=6.9)を、0.075gのドーパ;0.091gのN−アセチルドーパ;0.9gのフェリシアニド;組成物の最初のpHを7.2にするに十分な量のリン酸緩衝剤及び15mlの水よりなる組成物で染色した。実施例36では追加の処理はしなっかった。実施例37では以前述べた銅の前処理を行った。又実施例38では毛髪染色剤に更に0.69%のヨウ化カリウムを加えた、そして毛髪染色組成による処理につづいて3%H2O2溶液で後処理し、炭酸ナトリウムでpH9.5に調節した。
実施例 39−40
混ざり合った灰色毛髪を、0.15gのドーパ;0.08gのm−AP;0.15gの過マンガン酸カリウム及び、15ml水中に0.1gのNaH2PO4及び0.1gのNa2HPO4を含む緩衝液よりなり、最初のpHが6.8である毛髪染色組成物で染色した。
実施例 41−43
毛髪は以下に記載したように本発明に従って染色した。
毛髪染色組成は、0.15gのドーパと当量の濃度に対応する量の、表IXに示したドーパ種及び7.5mlの0.1M HClを含む第一溶液と0.9gのフェリシアン化カリウム、7.5mlの水及び第一と第二の溶液を混合したときにそのpHが7.2を保に十分な量のリン酸緩衝剤を含む第二の溶液を混合することによって調製した。ハンタートリスチムラス値L=38.2,a=0.2,b=7.8をもつ毛髪束をそれぞれの組成と30分間適用する事によって染色した。毛髪束はそれから濯ぎ、通常のシャンプーでシャンプーし、乾燥した。染色した毛髪束の最終のハンター値は表IXに示されている。
実施例 44−46
実施例41−43のそれぞれの毛髪を染色した。但し前処理として銅含有シャンプーを毛髪に適用した。シャンプーは1%硫酸銅を含んでいた。結果は表Xに示されている。
実施例 47−49
灰色毛髪を以下の表XIに示したドーパ種を用いて染色した。毛髪染色剤は更に0.075gのドーパを含んでいた。ドーパ種はドーパと当量の量であった。それ以外の反応条件は実施例41−43と同じであった。染色される灰色毛髪の始のハンター値はL=34.0,a=0.2,b=6.9であった。
実施例 50−52
実施例47−49に記載された灰色毛髪を実施例47−49の様にドーパ種で染色した。但し実施例4−6に於ける前処理の様に銅含有のシャンプーを適用した。結果は以下のようであった。
実施例 53−55
実施例47−49記載の灰色毛髪束を実施例47−49記載の様にドーパ種−ドーパ混合物で処理した。但し毛髪染色組成に0.69%ヨー化カリウムを加え、処理後過酸化水素で後処理した。後処理溶液には3%H2O2が含まれており、炭酸ナトリウムでpHを9.5に調整した。
結果は表XIIIに示す。
実施例 56−57
毛髪染色組成は、0.15gのドーパと当量濃度の量の表XIV記載のドーパ種、0.25gのm−アミノフェノール及び7.5mlのHClを含む第一の溶液と、0.9gのフェリシアン化カリウム、最初のpHが7.2にするに十分な量のリン酸緩衝剤及び7.5mlの水よりなる第二の溶液を混合する事によって調製した。ハンター値L=38.2,a=0.2,b=7.8である毛髪束にこの組成を30分間適用した。それからこの毛髪束を濯ぎ、通常のシャンプーでシャンプーし、乾燥した。その後に得た毛髪束のハンタートリスチムラス値は以下の様であった。
実施例 58−59
上記の実施例56−57を繰り返した。但し銅を含むシャンプーを前処理として使用した。
実施例 60−63
毛髪染色組成が0.075gのドーパ及び0.075gのドーパと当量濃度の量の表XVI記載のドーパ種を含むこと以外は実施例56−59と同じ操作。実施例62及び63は銅前処理工程が含まれる。結果は表XVIに示す。
実施例 64
15mlの0.16Mのドーパ溶液(pH1.9)は、ドーパを0.16M塩酸溶液に溶解することにより予混合溶液として調製した。緩衝剤としてリン酸カリウムを含む過マンガン酸カリウムの0.21M溶液は酸化剤予混合溶液として調製した。同量のドーパ予混合溶液と酸化剤溶液を混合して水性反応溶液を調製し、その反応溶液の初期のpHは6.8であった。この水性反応溶液は0.428M濃度の該緩衝剤が含まれていた。5分後のDHI濃度は2.1mg/mlであり、15分後の濃度は1.5mg/mlであった。
Claims (30)
- (a)ドパ、アルキル基に1〜4炭素原子を持つα−アルキルドパ及びアルキル基に1〜6炭素原子を持つドパアルキルエステル、又はこれらの酸性もしくは塩基性塩からなる群から選ばれる少なくとも一つのドパ種を、緩衝剤を含む水性反応媒質中で、可溶性のフェリシアン酸又は過マンガン酸のアンモニウム、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる酸化剤と反応させてインドール系メラニン前駆体を形成し、ここで該反応において反応媒質中に最初に存在するドパ種対酸化剤の化学量論当量比を2:1〜0.95:1の範囲とし且つ該緩衝剤をpHを6〜10の間に維持するに十分な量で反応媒体中の存在させ、
(b)次いで該形成した水性反応媒質を髪と接触させ、メラニンの髪染色量を生ずるために充分な量で該メラニン前駆体を髪の中に拡散させ、そして
(c)髪に存在する該メラニン前駆体をメラニンに変換させることにより髪を永久的に染色する、各工程を含むメラニンで髪を永久的に染色する方法。 - ドパ種が2〜15mg/mlの濃度で最初に反応媒質中に存在する請求項1記載の方法。
- ドパ種−酸化剤反応の着手の約一時間以内に過剰の水性反応媒質を髪から除去する工程をさらに含む請求項1又は請求項2記載の方法。
- 緩衝剤はリン酸のアンモニウム、ナトリウム及びカリウム塩、炭酸塩、重炭酸塩及びほう酸塩、及びアミノ系緩衝剤からなる群から選ばれ、そして酸化剤はフェリシアン化アルカリ金属塩である請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 緩衝剤が反応媒質のpHを6〜10の間に維持するために必要とされる最少量の2〜25倍の量で存在し、そしてドパ種が5〜15mg/mlの濃度で最初に水性反応媒質中に存在する請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- ドパ種がドパ、α−メチルドパ、ドパメチルエステル及びそれらの混合物から選ばれる請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
- メラニン形成を促進するための試薬の有効量を髪に適用する工程をさらに含む請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
- 試薬が(a)銅、亜鉛、ニッケル及び鉄イオンからなる群から選ばれる金属イオンの0.001〜1%溶液、(b)過酸化水素溶液による処理に先んじて髪に適用するヨー化物塩溶液、及び(c)後処理として髪に適用される酸化溶液から選ばれる請求項7記載の方法。
- 金属イオンがCu+2である請求項8記載の方法。
- 酸化剤がフェリシアン酸のアルカリ金属塩である請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
- ドパ種対酸化剤の化学量論当量比が1.25:1〜0.95:1である請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
- 水性反応媒質が一次中間体及びカップラーからなる群から選ばれる少なくとも一つの髪染色剤を追加的に含有する請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
- 追加的な髪染色剤がp−フェニレンジアミノ、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミノ、2,5−ジアミノピリジン及びp−トルエンジアミンから選ばれる請求項12記載の方法。
- 追加的な髪染色剤がカップラーであり且つレゾルシノール、m−アミノフェノール、α−ナフトール、5−アミノ−o−クレゾール、2−メチルレゾルシノール、N−アセチルドパ、4,6−ジ(ヒドロキシエトキシ)−m−フェニレンジアミン及びm−フェニレンジアミンからなる群から選ばれる請求項12記載の方法。
- 初期反応媒質中のドパ種対酸化剤の化学量論当量比が2:1〜1:1である請求項12〜14のいずれか1項記載の方法。
- メラニン前駆体が(i)ドパ種と酸化剤及び(ii)ドパ種と髪染色剤と酸化剤との反応生成物の混合物である請求項15記載の方法。
- 初期反応媒質中のドパ種対フェリシアン化物の化学量論当量比が1.8:1〜1.2:1である請求項12〜16のいずれか1項記載の方法。
- ドパ種を髪上で酸化剤と接触させる請求項1〜17のいずれか1項記載の方法。
- 単一のパッケージの中に複数の容器を包含し、インドール系メラニン前駆体から形成されるメラニンで髪を永久的に染色するための髪染色キットであり、該キットは、(a)ドパ、アルキル基に1〜4炭素原子を持つα−アルキルドパ、エピネフリン及びアルキル基に1〜6炭素原子を持つドパアルキルエステル、又はこれらの酸性もしくはアルカリ性塩からなる群から選ばれるドパ種の水溶液含有する第一容器;(b)フェリシアン化又は過マンガン酸のアンモニウム、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる水溶性酸化剤を含有する第二容器、ここで第一容器に含有されているドパ種に対し第二容器に含有されている酸化剤の量がドパ種対酸化剤の化学量論当量比が2:1〜0.95:1であって該複数の容器の内容物が合体したときに反応媒体中にインドール系メラニン前駆体の髪染色濃縮物を形成するに有効な量である;及び(c)リン酸、炭酸、重炭酸及びほう酸のアンモニウム塩及びアルカリ金属、及びアミン系緩衝剤からなる群から選ばれる緩衝剤、ここでキットに含有される緩衝剤の量は第一及び第二容器の内容物と混ぜ合わされる時6〜10のpHを与えるために充分な量であるからなる、髪を永久的に染色するための髪染色キット。
- 緩衝剤が反応媒質のpHを6〜10の間に維持するために必要とされる最少量の2〜20倍の量で存在する請求項19記載の髪染色キット。
- キットがさらにメラニン形成を促進する試薬を含有する請求項19又は20記載の髪染色キット。
- 酸化剤がフェリシアン酸アルカリ金属塩である請求項19〜21のいずれか1項記載の髪染色キット。
- ドパ種及び酸化剤成分が1.25:1〜0.95:1のドパ種対酸化剤の化学量論当量比でキット中に存在する請求項19〜22のいずれか1項記載の髪染色キット。
- さらに(d)髪染料一次中間体及び髪染料カップラーからなる群から選ばれる少なくとも一つの髪染色剤を含み、キット中のドパ種及び酸化剤成分が2:1〜1:1のドパ種対酸化剤の化学量論当量比で存在する請求項20〜23のいずれか1項記載の髪染色キット。
- ドパ種及び酸化剤溶液の混合物を緩衝液で生成して水性反応媒質を得、該反応媒質を髪に適用し、そして該反応媒質で髪を永久的に染色させることを含む請求項19〜24のいずれか1項記載のキットを使用する髪を永久的に染色する方法。
- 緩衝剤が反応媒質を緩衝するために必要とされる量の少なくとも2倍の量で存在する請求項25記載の方法。
- メラニン形成を促進する試薬を含有するアルカリ性溶液を髪に適用する工程をさらに含む請求項25又は26記載の方法。
- ドパ種及び酸化剤溶液の混合物を緩衝液及び少なくとも一つの髪染色剤によって形成し、ドパ種/酸化剤反応生成物及びドパ種/髪染料剤/酸化剤反応生成物の混合物を含有する水性反応媒質を得、該反応媒質を髪に適用し、そして該反応媒質で髪を永久的に染色させることを含む請求項24のキットを使用する髪を永久的に染色する方法。
- ドパ種及び酸化剤成分が1.8:1〜1.2:1のドパ種対酸化剤の化学量論当量比でキット中に存在し、酸化剤がフェリシアン酸のアルカリ金属塩である請求項28記載の方法。
- 水性反応媒質の髪への適用後一時間以内に髪を水ですすぐ請求項25〜29のいずれか1項記載の方法。
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