JP3635117B2 - ヒドロキシル置換ベンゾチアジンを利用する酸化性毛染方法、組成物及びキット - Google Patents
ヒドロキシル置換ベンゾチアジンを利用する酸化性毛染方法、組成物及びキット Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、毛を染めるための組成物、方法及びキットに関する。さらに特に、本発明は、或る置換1、4−ジヒドロベンゾチアジンを酸化して、ヒトの毛を着色するためのフェオメラミン(phaeomelanin)、トリコクロム(trichochrome)を生成させる、毛を染める方法に関する。本発明は、又毛染の方法を行うための組成物、並びにキットの形で売られる包装された反応物に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の毛染は、1950年代のその初めから今日まで進歩してきており、それは、シャンプー及びコンディショナーの次に、毛のカテゴリーにおいて三番目の大きな製品のタイプである。
広い範囲の毛染又は着色料が開発されており、その多くは、酸化剤例えば過酸化水素による選択された有機化合物又は化合物の組合せの酸化を含む。かかる化合物と使用される他の周知の酸化剤は、過硼酸塩、過硫酸塩、及び過ハロゲン酸塩(perhalate)、特に過ヨウ素酸塩を含む。これらの酸化剤は、一般にアンモニウム塩として又はアルカリ金属の塩として使用される。この開発の途中で、1種又はそれ以上の酸化可能な基体への酸化剤の適用性は、同じ又は表面的に同様な酸化剤が、ヒトの毛に所望の色の変化を達成するために、他の酸化可能な基体に有用であろうという予想を許さないことを学んだ。
開発されてきた多数の毛染組成物及び方法にかかわらず、当業者は、毛染方法の能率を改善し、必要な時間を短縮し、毛に所望の色合い及び色調を与え、そして毛に又はそれが接触する皮膚に損傷を与えるかもしれない過酸化水素の使用を避ける方法及び組成物を常に探している。
【0003】
【発明の概要】
約2−11のpHでの選択されたヒドロキシ置換1、4−ジヒドロベンゾチアジンの水性の毛染方法が、ヒトの毛に非常に望ましい永久的な色合い及び色調を達成するように実施できることが、見出された。
本発明の実施により達成される重要な利点の中で、最も顕著なものの一つは、酸化が過酸化酸素の使用なしに達成され、それによりこの酸化剤の周知の不利な点を避けることである。他のものは、本発明の基体の酸化は、ヒトのメラニン発生と類似したルートに従うように見えることである。その方法は、そのため、毒性学的に許容可能であり、そして天然の色調を生成することが予想される。さらに、他の利点は、酸化反応の最終生成物の少なくとも或るものが、天然の赤及び黄のピグメントであるトリコクロム又はフェオメラニンと同じ又は密接に関係していることが予想されることである。従って、本発明の実施により、今まで当業者に見出されなかった天然にみえる赤及び黄の毛の色調を達成できる。
【0004】
米国特許第3690810及び3817995号は、毛染ピグメントを生成するために、従来の一次中間物例えばp−トルエンジアミン又は2、5−ジアミノ−4−メチルアニソールによる或る予め形成された5−又は7−ヒドロキシ−1、4−ベンゾチアジンの酸化的カップリングにより、毛が染められる毛染のやり方を記述している。この毛染技術は、1、4−ジヒドロベンゾチアジンの使用を必要としている。特に記載され説明されている唯一の酸化剤は、過酸化水素である。
本発明の毛染方法は、約2−11のpHで水性媒体中で選択されたヒドロキシ置換1、4−ジヒドロベンゾチアジン及び無機酸化剤を酸化することによる、水性毛染組成物の製造を含む。組成物は、次に着色に有効な量の毛染トリコクロム、フェオメラニン又は同様なピグメントをもたらすに十分な酸化が毛に生じて毛を永久的に染めるやり方で、毛に適用される。組成物は、ピグメントの殆どが毛に形成されそして毛がそれにより永久的に染められる速度で、接触時間中毛中に拡散する。毛上の毛染組成物の全接触時間は、通常、1時間以下、概して約5−50分間、好ましくは5−30分間である。
【0005】
「永久」により、従来の界面活性剤含有シャンプーによる洗髪により除かれない色を意味し、永久性は、それらの分子のサイズからみて毛の軸から形成されたピグメントが拡散できないことをに起因する。
「適用」により、毛の色の変化を行うのに十分な量で、毛の上又は毛と接触する直前に形成される本発明の組成物と染められるべき毛との接触を意味する。
トリコクロムは、一般に黄又は赤として特徴付けられる多環ピグメントである。それらの数種は周知であり、そしてアルカリ性条件下で赤の毛及び羽毛から抽出されている。
フェオメラニンは、フェオメラニン形成細胞に見出される赤褐色の窒素及び硫黄を含む高分子のピグメントである。それらは、チロシンのチロシナーゼ酸化そして次のシステインとの反応に由来する。
トリコクロム、フェオメラニン及び同様な化合物は、本発明の最終生成ピグメントである。これらの用語及びそれらの意味は、たとえ生成物特に本発明に従って直接染料、一次中間物及び/又はカプラーと酸化工程中に形成される中間物との反応により形成されるものの或るものの正確な化学的同等性が、精密に知られていないか又は理解されていないとしても、当業者により十分に理解されていると思われる。
本発明の実施に使用されるジヒドロベンゾチアジンは、式(1)により示される。式中、R1及びR2は、水素、C1−C6アルキル又はヒドロキシルであって但し、R1及びR2の少なくとも一つは、ヒドロキシルでなければならず、R3は、水素、C1−C6アルキル又はヒドロキシルであり、R4は、H、C1−C6アルキル又はCOOR5であり、さらにR5は、H又はC1−C6アルキルである。
【0006】
化合物は、周知であるか、又は当業者に周知のやり方により製造できる。例えば、Hoら、J.Medicinal Chem.1981、24(6)巻、673−677;Protaら、Gazz.Chim.Ital.98、495(1968)及びProtaら、J.Heterocyclic Chem.7、555(1970)参照。
化合物6−メチル−8−ヒドロキシ−1、4−ジヒドロベンゾチアジンは、例えば、2−アミノ−エチルチオールの存在下フェリシアニドによる3、4−ジヒドロキシトルエンの酸化により製造される。4−ヒドロキシ基に隣接する位置におけるアミノエタンチオ基の置換、次に自発的な閉環は、所望の化合物を生成する。
2−アミノ−エチルチオールとベンゾキノンとの反応次に空気酸化は、6−ヒドロキシ−ジヒドロ−1、4−ベンゾチアジンを生ずる。
2−カルボキシ−6−ヒドロキシ−ジヒドロ−1、4−ベンゾチアジンは、ベンゾキノン上のシステニル部分の置換、次に過ヨウ素酸塩酸化により製造されて対応する2H−1、4−ベンゾチアジンを形成し、次に還元されて所望の化合物を形成する。
着色に有効である置換ジヒドロベンゾヂアジンの量は、経験又は二三の簡単なテストの何れかから当業者により容易に評価できる多くのファクターに依存する。これらのファクターは、例えば、所望の色、選択された1種以上の着色剤、処理されるべき毛の初めの色、pH、使用される補助的着色剤などを含む。概して、しかし、本発明の組成物は、約0.1−10重量%、好ましくは0.1−2%の着色剤即ち置換ジヒドロベンゾチアジンを含むだろう。
本明細書で規定された重量%は、すべて組成物の全重量に基づく重量%である。
【0007】
本発明で使用される酸化剤は、アンモニウム塩及びアルカリ金属好ましくはナトリウム又はカリウムを含む過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、フェリシアニド又は過硫酸塩の酸化剤から選択できる。本発明で好ましい酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ナトリウム塩は、それらが容易に入手可能でありそして容易に水に可溶なため、好ましい。
選択された酸化剤は、有用な量の毛染剤を生ずるに十分な量で使用されるだろう。概して、それは、大体の化学量論的当量から適度なモル過剰に変化するだろう。量は、厳密を要することなく、そしてもちろん選択された酸化剤に依存する。
反応媒体のpHが、反応中に変化する限り、必要なpHを維持するために十分な量のpHコントロール剤を反応媒体中に提供することが望ましい。本発明の方法では、好ましいpHは、選択された酸化剤、及び染めるやり方(1段階の染め又は2段階の染め)に依存する。過硫酸塩は通常アルカリ性pHで最適であるが、過ヨウ素塩及びヨウ素塩は、広いpH範囲(pH2−11)で使用できる。過ヨウ素塩酸化剤では、好ましいpH範囲は、pH5−8である。フェリシアニドは、pH6−11、好ましくは7−9で使用される。
本発明の組成物におけるpHのコントロールのための試薬は、無機塩例えば炭酸塩及び重炭酸塩に基づくものを含む種々の従来の緩衝剤を含む。pHコントロール剤は、又所望のpHを維持するために毛染組成物に広く使用される有機化合物を含む。これらは、例えばアミン例えばアンモニア、2−アミノ−2−メチルプロパノール及びモノエタノールアミンと組み合わさった脂肪酸特に長鎖モノカルボン酸又はジカルボン酸例えば二量体酸、リノレン酸又はステアリン酸を含む。両方のタイプの試薬は、pHコントロール剤として本発明で使用される。
【0008】
本発明の毛染方法では、選択された置換ベンゾチアジンは、選択された酸化剤の存在下選択されたpHで水性組成物中で毛に適用され、そして着色に有効な量のピグメントが形成されるのに十分な時間毛と接触して維持される。前述したように、着色に有効なピグメントの殆どは、それが永久的な色の変化を明らかにするように、毛中で形成されねばならない。置換ジヒドロキシベンゼン分子は、それが酸化剤及び水性担体とともに毛の房中に拡がるに十分なほど小さいと考えられる。しかし、形成するトリコクロム及びフェオメラニン及び同様な化合物は、それらが毛の房内に捕らえられるようになり、それにより永久的な色を与えるほど大きな分子である。かなりの量の酸化が生じた後毛染組成物を毛に適用することは、ピグメントが毛中に拡散せずそして次の洗髪中に大部分はぎ取られるので、好適ではない。
「接触時間」は、その用語がここで使用されるとき、反応体の混合から毛からの除去の期間である。
【0009】
所望の結果を達成するために使用できる本発明のやり方に多数の変化が存在する。これらは、例えば、1段階及び2段階の方法、並びに後酸化後方法を含む。1段階又は同時のやり方では、選択されたpHにおける水性媒体中の毛染剤及び酸化剤の混合物は、所望の結果を行うに十分な酸化生成物が形成されるまで、処理されるべき毛との接触して維持される。毛は、次にリンスされ乾燥される。2段階又は連続する方法では、選択されたpHにおける水性媒体中の着色剤は、毛に適用され、そして約1−30分間好ましくは10−20分間放置されてピグメントプレカーサーを毛の房中に拡がらせる。酸化剤の希釈された水溶液は、次に所望の着色が得られるまで、さらに1−20分間好ましくは2−10分間毛と接触させられる。毛は次にリンスされ乾燥される。
後酸化のやり方は、高度の染めが望まれるとき、使用される。それは、1段階方法の次に使用できる。好ましい酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムであるが、他の酸化剤も使用できる。やり方の本質は、1段階の方法の適用後、毛は、好ましくはリンス後、再び酸化剤により処理される。酸化後処理の目的は、最初の処理中に毛の房中に拡がったが、永久的な着色ピグメントに転化されない全てのピグメントプレカーサーの有用なピグメントへの転化を完了させることである。
本発明のヒドロキシ置換ベンゾチアジンが有用なピグメントに転化される正確な機構は、知られていない。
【0010】
本発明の他の局面は、1種又はそれ以上の直接染料、一次中間物、カプラー、システイン及びこれらの混合物からなる群から選ばれる毛の色調節剤の酸化混合物への任意の配合である。好ましい調節剤は、特にもし酸化剤がフェリシアニドであるならば、ジヒドロキシフェニルアラニン(ドーパ)又は他のドーパ種を含む。これらの成分は、存在するとき、ピグメントの生成中形成される中間化合物と少なくとも一部反応し、それにより最終的に得られるピグメントに追加の着色の特徴を与えると思われる。これらの色調節剤が使用されるとき、反応混合物中の酸化剤の量は、これらの混合物の酸化に提供されるために増加する。それは、それらの或るものが、主要な反応のシーケンスの中間物と反応するよりむしろ通常のやり方で直接酸化されるからであろう。これらの補助的な着色剤の使用により、広い範囲の色合い、色調及び色彩が達成できることは、当業者に明らかであろう。
【0011】
用語「ドーパ種」は、ドーパそれ自体、並びにドーパの同族体、類似体及び誘導体を含む。それは、例えば、システニルドーパ、アルキル基中に1−4個、好ましくは1−2個の炭素原子を有するアルファアルキルドーパ、エピネフリン及びアルキル基中に1−6個、好ましくは1−2個の炭素原子を有するドーパアルキルエステルを含む。
毛の色調節剤の濃度は、通常、約10mg/mLより少なく、そして好ましくは約0.01−約5mg/mL、最も好ましくは約0.05−約2mg/mLで反応媒体中に存在する。これらの成分の量は、主要なピグメントの形成を妨げるほど多くあってはならない。即ち、本発明の方法は、毛の色調節剤による中間反応生成物の一部のみの反応を考慮している。
広い範囲の直接染料、一次中間物及びカプラーは、当業者にとり周知であり、そして本発明で使用できる。
本発明で好ましい一次中間体及びカプラーは、以下のものを含む。
一次中間体:p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、N、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン。
カプラー:2、5−ジアミノピリジン、p−トルエンジアミン、レゾルシノール、m−アミノフェノ−ル、1−ナフトール、5−アミノ−o−クレゾール、2−メチルレゾルシノール、N−アセチルドーパ、4、6−ジ(ヒドロキシエトキシ)−m−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン。
好適な直接染料は、例えば、ニトロ染料、アゾ染料及びアンスラキノン染料を含む。
本発明の方法で使用できる他の任意の調節剤は、アミノ酸システインである。それは、所望の毛の色を達成するために、他の調節剤と実質的に同じ濃度で使用される。システインが操作する正確な機構は不明である。それは、恐らくチオ基を経てベンゼン環上で置換するだろう。
【0012】
本発明に従って形成されるピグメントは、上記の米国特許第3690810及び3817995号のやり方に従って形成されるものとは完全に異なることは、理解されるだろう。これらの特許では、やり方は、選択された5−又は7−ジヒドロキシベンゾテンゼンが一次中間体とカップリングし、カップルした生成物は酸化されるやり方である。本発明の方法では、色調節剤例えばカプラー又は一次中間体が使用されるとき、選択されたヒドロキシ置換ベンゾチアジンが酸化され、そして形成された生成物(中間体又はフェオメラニンプレカーサー)は色調節剤と反応してトリコクロム又はフェオメラニン様ピクメントを形成する。
本発明の種々の記載された態様は、又毛染組成物中に、1種又はそれ以上の成分を含み、それらは、使用者により水性の反応混合物中に混合されるための以下にさらに詳しく記述されるキットの1個又はそれ以上の追加の容器に提供されるか、又はもし互いに混和できなるならば、上記の酸化剤又は着色剤プレミックス溶液中に配合される。
これら成分は、酸化性毛染組成物に通常使用される周知の従来の添加物例えば有機溶媒、シックナー、毛のシャフトの浸透を助ける界面活性剤、pH調節剤、抗酸化剤、香料及びキレート化剤を含む。
本発明の方法で使用される毛染組成物は、共溶媒として有機溶媒を含むことができる。有機溶媒は、組成物の成分の溶解を助け、そして概して約30%まで、好ましくは約15%までの量で存在する。所望の範囲は、約0.1−約1.5%、最も好ましくは約1−10%である。好適な溶媒は、一価及び多価のアルコール例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコールなど、そしてグリコールエーテル例えば2−ブトキシエタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールモノエチルエーテルである。
【0013】
本発明の毛染組成物で使用される界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性又は双性イオン性である。種々のタイプの界面活性剤の例示として、以下のものが挙げられる。高級アルキルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、アルコール及び多塩基酸のスルホン化エステル、タウレート、脂肪族アルコール硫酸エステル、枝分れ鎖又は二級アルコールの硫酸エステル、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、脂肪酸又は脂肪酸混合物の塩、N−オキシアルキル化脂肪酸アルカノールアミドなど。特定の界面活性剤の例として以下のものが挙げられる。ナトリウムラウリルスルフェート、ポリオキシエチレンラルリルエステル、ミリスチルスルフェート、グリセリルモノステアレート、トリエタノールアミンオレエート、パルミチンメチルタウリンのナトリウム塩、セチルピリジニウムクロリド、ラウリルスルホネート、ミリスチルスルホネート、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアレート、エトキシル化オレイルジエタノールアミド、水素化タローのポリエチレングリコールアミド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ドデシルベンゼンナトリウムスルホネート、p−ドデシルベンゼンスルホネートのトリエタノールアミン塩、ノニルナフタレンナトリウムスルホネート、ジオクチルナトリウムスルホサクシネート、ナトリウムN−メチル−N−オレオイルタウレート、ナトリウムイソチオネートのオレイン酸エステル、ナトリウムドデシルサルフェート、3−ジエチルトリデカノール−6−サルフェートのナトリウム塩など。界面活性剤の量は、広い範囲、例えば組成物の重量の約0.05−15%そして好ましくは0.10−5%にわたって変化できる。アニオン性及び非イオン性界面活性剤は、概して乳化剤として使用されるが、カチオン性界面活性剤は、毛に毛のコンディショニングの利益を与えるのに有用である。アニオン性及びカチオン性の界面活性剤がともに配合されるときには、ともに混和されない可能性からみて、注意が必要である。
キレート剤及び金属イオン封鎖剤は、例えばエチレンジアミン四酢酸、クエン酸ナトリウムなどを含み、そしてもし使用されるならば、約1%以下の量で存在できる。
【0014】
濃厚化剤は、又本発明の毛染組成物に配合でき、それは、毛染に通常使用されるものの1種又は数種である。これらは、アルギン酸ナトリウム又はアラビアガム、又はセルロース誘導体例えばメチルセルロース例えばMethocel 60HG、又はカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、又はヒドロキシエチルセルロース例えばCellosize QP−40又はアクリル酸重合体例えばポリアクリル酸ナトリウム塩、又は無機のシックナー例えばベントナイトのような製品により例示される。この濃厚化剤の量は、又広い範囲例えば20%のような多さでも変化できる。元来、それは組成物の重量の約0.1−5%に及ぶだろう。組成物の粘度は、約1−約100000cpと変化することができる。代表的なローション処方では、組成物の粘度は、約100−約10000cpであり、その粘度で組成物は流下又は滴下することなく毛に適用できる。
任意の成分のリストは、制限することを目的とするものではない。毛染組成物に含まれる他の好適な助剤は、Zviak、The Science of Hair Care(1986)及びBalsam及びSagarin、Cosmetics:Science and Technology、2巻(2版、1972)に記載されている。
本発明の方法は、キットの形で包装された別々の容器に予め計測された反応体を入れることにより、好都合に実施できる。使用者は、本発明の選択されたやり方に従って毛に適用されるための反応体を混合するだけでよい。方法を実施するのに特別な経験は必要とせず、従って製品及び方法は、素人による家庭内の使用、並びに専門家によるサロンの使用に等しく適していることは明らかであろう。有利なことには、キットの形の製品は、貯蔵に安定であり、そのため、或る毛染組成物に要求される配慮例えば嫌気条件下の貯蔵なしに、小売に適している。
【0015】
本発明のこの局面に従って提供されるキットは、酸化可能な着色剤を含む第一の容器、並びに酸化剤を含む第二の容器を含む。緩衝剤は、第三の容器に個々に包装されるか、又はそれは、第一又は第二の容器に存在できる。選択された調節剤は、本発明の基本的な毛染剤と混合されるか、又は別の容器に存在する。
キットは、これらの溶液の製造のための或る量好ましくは予め計量された量の乾燥粉末を含む一群を含むが、それらを溶液として提供するのがより好都合である。その上、予め計量された量の成分を含む溶液は、消費者によるそれらの正確な使用を助ける。
任意の成分を含む1個又はそれ以上の追加の容器は、キットで提供できる。任意の成分は、又何等かの不混和性がないならば、上記の容器の溶液内に含まれる。
消費者は、記述された指令に従って、好適には水溶液として、又は乾燥粉末及び水として、キットの成分を混合して水性の反応混合物を得る。混合は、キットとともに又はキット以外に供給される別の容器で行われるか、又は混合のために十分な上部空き高をもたらすように適合されたキットの容器で行うことができる。反応体は、又使用者の毛で混合できる。反応は、混合により始まる。毛染剤は、次にここに記載したように酸化し、それにより永久的な毛の色が得られる。所望の毛の色合いに達した後、最も好ましくは約30分以内であるが、毛に適用された毛染組成物は、好ましくは従来のシャンプーにより除かれる。
【0016】
本発明により達成される毛染の効果は、標準のHunter Tristimulus値を利用して評価される。Hunterの方法では、パラメータa及びbは、正又は負であり、毛の着色の条件を規定する。従って、a値が正になればなるほど、毛の赤みは大きくなり、一方a値が負ではa値は緑を示す。同様に、正のb値は、黄色を示し、一方負のb値は、青を表す。Lパラメータは、色の強度の目安であり、そして絶対の黒の0から絶対の白の100の値を有する。一般に、約15以下のL値を有する毛は、黒と考えられ、一方約60のL値は白である。L値のスケールは、線状ではなく、むしろS字状である。ヒトの目に明らかな0に近いそして100に近い毛の色の強度は、L値における単位の変化により最小限変化する。約20から約50の値の間で、毛の色の強度は、L値における単位の変化により顕著に変化する。従って、Hunter値は、ヒトの目が色の変化を認めることができる領域で、より敏感である。
【0017】
【実施例】
以下の本発明を制限しない実施例は、説明のためにのみ示される。
実施例 1
20mgの8−ヒドロキシ−1、4−ジヒドロベンゾチアジン及び8mgの重炭酸ナトリウムを、1mLのジエチレングリコールモノエチルエーテル及び4mLの水に溶解した。溶液のpHは、約7.0であった。白色の毛を、溶液に10分間曝した。2分間過ヨウ素酸ナトリウムの2%水溶液に曝す前に、毛をリンスした。
毛を水によりリンスし、ヘアドライヤーにより乾燥した。毛は金色がかったブロンド色を有した。
Hunter Tr.値、前:L67.1、a−0.6、b18.5
Hunter Tr.値、後:L40.0、a 5.5、b15.1
【0018】
実施例 2
20mgの8−ヒドロキシ−1、4−ジヒドロベンゾチアジン及び8mgの重炭酸ナトリウムを、1mLのジエチレングリコールモノエチルエーテル及び4mLの水に溶解した。溶液のpHは、約7.0であった。白色の毛を、溶液に10分間曝した。2分間ヨウ素酸ナトリウムの2%水溶液(クエン酸によりpHを4.2に調節)に曝す前に、毛をリンスした。
毛を水によりリンスし、ヘアドライヤーにより乾燥した。毛は銀色がかったブロンド色を有した。
Hunter Tr.値、前:L67.1、a−0.6、b18.5
Hunter Tr.値、後:L42.5、a 2.3、b10.7
【0019】
実施例 3
20mgの6−ヒドロキシ−1、4−ジヒドロベンゾチアジン及び36mgのヨウ素酸ナトリウムを、1mLのジエチレングリコールモノエチルエーテル及び4mLの水に溶解した。溶液のpHは、約5であった。白色の毛を、溶液に10分間曝した。毛を水によりリンスし、ヘアドライヤーにより乾燥した。
毛の色は青紫がかった褐色であった。
Hunter Tr.値、前:L67.1、a−0.6、b18.5
Hunter Tr.値、後:L24.3、a 4.7、b1.3
【0020】
実施例 4
白色の毛を、10分間実施例3の毛染溶液に曝した。水によりリンスした後、毛を2分間過ヨウ素酸ナトリウムの2%水溶液に曝した。毛を水によりリンスし、ヘアドライヤーにより乾燥した。毛の色は、濃い灰色がかった青紫色であった°
Hunter Tr.値、前:L67.1、a−0.6、b18.5
Hunter Tr.値、後:L20.7、a 3.5、b0.0
【0021】
実施例 5
20mgの2−カルボキシ−6−ヒドロキシ−1、4−ジヒドロベンゾチアジン、8mgの重炭酸ナトリウム及び36mgのヨウ素酸ナトリウムを、2mLのメタノール及び3mLの水に溶解した。溶液のpHは、約7.2であった。白色の毛を10分間溶液に曝し、水によりリンスし、そして乾燥した。毛は、赤みがかった褐色の色に染まった。
Hunter Tr.値、前:L67.1、a−0.6、b18.5
Hunter Tr.値、後:L41.5、a 7.0、b14.8
【0022】
実施例 6
50mgの6−ヒドロキシ−1、4−ジヒドロベンゾチアジンを、2mLのメタノール及び3mLの水に溶解した。溶液のpHを、重炭酸ナトリウムの添加により10.0に調節した。白色の毛を20分間この溶液に曝した。毛を水によりリンスし、そして5分間過ヨウ素酸ナトリウムの1%水溶液により処理した。毛を水によりリンスし、乾燥した。毛は濃褐色の色に染まった。
Hunter Tr.値、前:L67.1、a−0.6、b18.5
Hunter Tr.値、後:L19.9、a 1.4、b2.8
【0023】
実施例 7
灰色の毛を実施例6に記載されたように処理した。毛は中間の褐色に染まった。
Hunter Tr.値、前:L36.0、a0.6、b5.2
Hunter Tr.値、後:L25.3、a1.1、b3.9
Claims (12)
- 2−11のpHで、さらに過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、フェリシアニド又は過硫酸塩の酸化剤とともに着色に有効な量の式
- 組成物は、さらに、直接染料、一次中間物、カプラー、システイン、並びにドーパ種、並びにこれらの混合物からなる群から選ばれる色調節剤を含む請求項1の方法。
- 酸化組成物は、毛染化合物及び酸化剤の逐次添加により毛に形成される請求項1の方法。
- 酸化組成物は、毛染化合物及び酸化剤の同時添加により毛に形成される請求項1の方法。
- 酸化剤による後酸化段階をさらに含む請求項4の方法。
- ドーパ種は、ドーパである請求項2の方法。
- 直接染料、一次中間物、カプラー、システイン、並びにドーパ種、並びにこれらの混合物からなる群から選ばれる色調節剤をさらに含む請求項7の組成物。
- ドーパ種はドーパである請求項7又は8の組成物。
- 複数の容器を単一のパッケージに含む毛を永久的に染めるための毛染キットにおいて、キットは、(a)式
- 酸化剤を含む容器以外の第一又は別の容器中に、直接染料、一次中間物、カプラー、システイン、並びにドーパ種、並びにこれらの混合物からなる群から選ばれる色調節剤をさらに含む請求項10の毛染キット。
- ドーパ種は、ドーパである請求項10の毛染キット。
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