JP3699499B2 - ジヒドロキシベンゼン及びアミノエタンチオールによる酸化性毛染法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、毛を染めるための組成物、方法及びキットに関する。さらに特に、本発明は、或るジヒドロキシベンゼン及びアミノエタンチオールの混合物を酸化して、ヒトの毛を着色するためのフェオメラミン(phaeomelanin)、フェオメラニン様、トリコクロム(trichochrome)及びトリコクロム様ピグメントを生成させる、毛を染める方法に関する。本発明は、又毛染の方法を行うための組成物、並びにキットの形で売られている包装された反応物に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の毛染は、1950年代のその初めから今日まで進歩してきており、それは、シャンプー及びコンティショナーの次に、毛のカテゴリーにおいて三番目の大きな製品のタイプである。
広い範囲の毛染又は着色料か開発されており、その多くは、酸化剤例えば過酸化水素による選択された有機化合物又は化合物の組合せの酸化を含む。かかる化合物と使用される他の周知の酸化剤は、過硼酸塩、過硫酸塩、及び過ハロゲン酸塩(perhalite)、特に過ヨウ素酸塩を含む。これらの酸化剤は、一般にアンモニウム塩として又はアルカリ金属の塩として使用される。この開発の途中で、1種又はそれ以上の酸化可能な基体への酸化剤の適用性は、同じ又は表面的に同様な酸化剤が、ヒトの毛に所望の色の変化を達成するために、他の酸化可能な基体に有用であろうという予想を許さないことを学んだ。
開発されてきた多数の毛染組成物及び方法にかかわらず、当業者は、毛染方法の能率を改善し、必要な時間を短縮し、毛に所望の色合い及び色調を与え、そして毛又は皮膚に損傷を与えるかもしれない過酸化水素の使用を避ける方法及び組成物を常に探している。
Herlihyの米国特許第4746322号は、毛染のやり方を記述しており、その際、毛は、選択された分散剤の存在下ヨウ素酸塩又は過ヨウ素酸塩(恐らく過硫酸塩との混合)による3、4−ジヒドロキシフェニルアラニン(ドーパ)又はその誘導体の酸化により着色される。
【0003】
【発明の概要】
本発明の方法では、ヒトの毛は、1種以上の水性組成物に含まれる過硫酸塩及びフェリシアニドからなる群から選ばれる酸化剤とともに選択されたアミノエタンチオール及び選択されたジヒドロキシベンゼンを毛に適用することにより、望ましい永久的な色合い及び色調を達成するように染められる。毛は、約2−約11、好ましくは約5−約9のpHで染められる。本発明で使用されるジヒドロキシベンゼンは、o−及びp−ジヒドロキシベンゼンであり、それは、下記のようにさらに置換できる。
本発明の実施により達成される重要な利点の中には、色の酸化的顕色が過酸化酸素の使用なしに達成され、それによりこの酸化剤の周知の不利な点を避けることがある。他の利点は、酸化反応の最終生成物の少なくとも或るものが、毛に存在する天然の赤及び黄のピグメントであるトリコクロム又はフェオメラニンと同じ又は密接に関係していることが予想されることである。従って、本発明の実施により、今まで当業者に見出されなかった天然にみえる赤及び黄の毛の色調を達成できる。
本発明で使用される反応体は、全て周知であるか、又は周知のやり方により製造できる。
【0004】
本発明は、約2〜約11、好ましくは約5〜約9の範囲にわたるpH内で、フェリシアニド酸化剤と共にアミノエタンチオールをジヒドロキシベンゼンと反応させる目的で1種以上の水性組成物を含む水性系を毛に適用することからなる毛染方法を提供する。毛への適用は、着色に有効な量の毛染ピグメントをもたらすに十分な酸化が毛の幹(シャフト)内に生じて毛を永久的に染める方法にある。さらに詳説すれば、本発明は、着色に有効な量の(a)(i)構造式
【化13】
又は
【化14】
をもつジヒドロキシベンゼン、
(ii)式
【化15】
をもつアミノエタンチオール、及び
(iii)フェリシアニド酸化剤
(式中、Rdは
【化16】
であり、
R1はH又はCOOR7であり、R2、R3、R4及びR5は同一でも又は異なっていてもよく、H、C1〜C6アルキル又はC1〜C6ヒドロキシアルキルであり、R6及びR7は同一でも又は異なっていてもよく、アルカリ金属、H又はC1〜C6アルキルであり、そしてnは1である)
からなる水性系を2〜11のpHで毛に適用する工程、ここで該フェリシアニド酸化剤はジヒドロキシベンゼン(i)に関して少なくとも化学量論的当量で該水性組成物中に存在し、及び
(b)所望の色を達成するために十分な時間該水性系を毛と接触させて該毛を永久的に着色する工程からなることを特徴とする所望の色に毛を永久的に着色する方法を提供する。これらのピグメントは、以下に説明するように、天然のフェオメラニン及びトリコクロムピグメントに関係があると考えられる。この方法で得られるメラニン及びメラニン様ピグメントの中間体は、毛の上よりもむしろ毛の幹(シャフト)中に生ずるピグメントの形成によって、接触期間を通して毛の幹中に分散すると信じられる。その結果、毛は永久的に染められ、洗髪の繰返しによっても洗い流されない。組成物が適用されそして毛と接触されたままにされるこの方法の全時間は、通常1時間以内、典型的には約5〜50分、好ましくは5〜20分である。
【0005】
「毛染組成物」は、本発明の方法により毛を着色するために着色に有効な濃度でアミノエタンチオール及びジヒドロキシベンゼンを含む水性組成物を意味する。以下の「1段階」法において、毛染組成物は、下記のキノン形成反応を行う量の一次酸化剤をさらに含む。「2段階」法において、全て又は一部の一次酸化剤は、毛染組成物による毛の処理後、毛への適用のために別の水性組成物に提供される。
「一次酸化剤」は、フェリシアニド及び過硫酸塩の酸化剤を意味する。
「後処理組成物」は、1段階法における毛染組成物の適用後又は2段階法における第二段階の酸化性処理後、毛に任意に適用される酸化剤を含む水性組成物を意味する。後処理段階で使用される酸化剤は、一次酸化剤であるか、又は以下に示されるように他の酸化剤であってもよい。
「永久」により、従来の界面活性剤含有シャンプーによる洗髪により除かれない色を意味し、永久性は、それらの分子のサイズからみて毛のシャフトから形成されたピグメントが拡散できないことをに起因する。
「適用」により、後処理組成物に含まれる全ての酸化剤を含む一次酸化剤とともに毛染組成物と染められるべき毛との接触を意味する。従って、一次酸化剤は、毛の色の変化を行うのに十分な量で、毛染組成物により適用できるか、又は1種以上の別々の処理組成物として適用できる。毛染組成物は、毛と接触する直前に製造されるか、又は毛上に形成される。
トリコクロムは、一般に黄又は赤として特徴付けられる多環ピグメントである。それらの数種は周知であり、そしてアルカリ性条件下で赤の毛及び羽毛から抽出されている。
フェオメラニンは、フェオメラニン形成細胞に見出される赤みがかった褐色の窒素及び硫黄を含む高分子のピグメントである。それらは、チロシンのチロシナーゼ酸化そして次のシステインとの反応に由来する。
本明細書で規定された重量%はすべて組成物の全重量に基づく重量%である。
【0006】
フェオメラニン、トリコクロム及び関連ピグメントの形成に導かれる方法及び組成物を提供するのが本発明の目的である。生ずると思われる反応は、複雑であり、多くの反応が、生合成の経路の外で生じている。これらの反応は、生合成的に生成されるフェオメラニン及びトリコクロムのピグメントに類似の化合物を生成すると考えられ、それらは、以下フェオメラニン様及びトリコクロム様のピグメントと呼ばれる。その上、これらの規定は、本発明の実施に存在している酸化性条件の下、ジヒドロキシベンゼン又はその反応中間物と直接染料、一次中間物又はカプラーとの反応により形成されるような全ての反応生成物を含むことを目指している。これらの用語及びそれらの意味は、たとえ生成物の或るもの、特に本発明に従って直接染料、一次中間物及び/又はカプラーと酸化工程中に形成される中間物との反応により形成されるものの或るものの正確な化学的同等性が、精密に知られていないか又は理解されていないとしても、当業者により十分に理解されているものと思われる。
【0007】
本発明の実施に有用なジヒドロキシベンゼンは、式(1)及び(2)で示され、ここで使用されるアミノエタンチオールは、式(3)により表される。式中R1はH又はCOOR7であり、R2、R3、R4及びR5は、同一か又は異なってもよく、H、C1−C6アルキル又はC1−C6ヒドロキシアルキルであり、R6及びR7は、同一か又は異なってもよく、アルカリ金属、H又はC1−C6アルキルであり、nは1である。ジヒドロキシベンゼン及びアミノエタンチオールの着色に有効である量は、経験又は二三の簡単なテストの何れかから当業者により容易に評価できる多くのファクターに依存する。これらのファクターは、例えば、所望の色、選択された1種以上の着色剤、処理されるべき毛の初めの色、pH、使用される補助的着色剤などを含む。概して、しかし、本発明の毛染組成物は、約0.1−10重量%、好ましくは0.1−2%のジヒドロキシベンゼン及びアミノエタンチオール化合物のそれぞれを含むだろう。RdがCH2C(R3)(NH2)COOR6(即ちn=1)のとき、ジヒドロキシベンゼンがカテコールならば、他の発色化合物例えばインドールの形成に導く競合反応に関する可能性が存在する。しかし、これらの反応は、ジヒドロキシベンゼンに関してモル過剰のアミノエタンチオールを使用することにより抑制されることが分った。この場合、約4まで:1のアミノエタンチオール対ジヒドロキシベンゼンのモル比が可能であり、2まで:1の比が好ましい。しかし、或る場合では、本発明のピグメントとともに、これら発色化合物(例えばジヒドロキシインドール及び得られるユウメラニン)を形成することか望ましい。これらの場合、アミノエタンチオール対ジヒドロキシベンゼンのモル比は、1:2のように低くてもよい。従って、アミノエタンチオール対ジヒドロキシベンゼンのモル比は、約1:2−4:1、特に約1:1−約2:1に変化できる。或る場合には、他の反応体例えばカプラーが、ジヒドロキシベンゼン反応体と反応できる。好ましいジヒドロキシベンゼンは、これらの化合物が生合成メラニン経路を最も密に真似していると思われるので、ドーパ種即ち式(1)でn=1の化合物である。ドーパ種は、ドーパ、アルキル基中に1−4個、好ましくは1−2個の炭素を有するアルファアルキルドーパ、エピネフリン及びアルキル基中に1−6個、好ましくは1−2個の炭素を有するドーパアルキルエステルである。ドーパが特に好ましい。アミノエタンチオール類の中で、システイン及びアミノエタンチオールが特に好ましい。
【0008】
本発明で使用される酸化剤はフェリシアニドの酸化剤から選択できる。本発明で好ましい酸化剤は、容易に溶解するカリウムフェリシアニドの塩である。フェリシアニドの酸化剤が、本発明のフェオメラニン、フェオメラニン様、トリコクロム及びトリコクロム様のピグメントに導かれる中間物の形成及び次の反応を独特に可能にするのが、本発明の発見である。従って、本発明は、ジヒドロキシベンゼンは先ず酸化されてキノンを形成し、キノンは次にアミノエタンチオールによる求核付加により置換され、次にさらに酸化されて対応するチオ置換キノンを得る毛染法を提供する。フェニル核上のアミノエタンチオールの最初の置換後生ずると思われる閉環反応は、以下の通りである。
【0009】
【化14】
【0010】
閉環は、本発明の着色ピグメントへの得られる1、4−ジヒドロベンゾチアジンの酸化転化を伴う。しかし、提示された反応のシーケンスは、1個より多いアミノエタンチオール置換基がベンゼン環に付加されそして次の酸化が異なる経路を通る可能性を排除しない。従って、唯一のアミノエタンチオール基のみの置換に基づくアミノエタンチオールの僅かなモル過剰が、通常使用される。
三つの酸化段階が、本発明の毛染ピグメントの形成に導かれる反応のシーケンスで生ずることが分る。最後の酸化段階、即ちピグメントへのベンゾチアジンの転化は、大気中の酸素を使用して徐々に生ずるが、好ましくは酸化剤を使用することにより加速されるだろう。この転化では、種々の酸化剤が好適である。毛染の技術で有用であると一般に見なされるフェリシアニド及び過硫酸塩の一次酸化剤、並びに亜塩素酸塩、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、過マンガン酸塩、酸性亜硝酸塩、重クロム酸塩及び他の酸化剤を挙げることができる。低い濃度の過酸化水素も、約7−約8.5のpHを有する溶液で使用できる。使用できるが、高い濃度及び高いpHの過酸化物は、過剰に強力な酸化剤であり、そして染まった毛を漂白し勝ちである。もちろん、高い濃度の過酸化物の溶液は、染まった毛を明るくする後処理として有用である。一般に、フェリシアニドは、酸化剤後処理として有用でないことが分った。
初めの二つの酸化、即ちキノン形成反応を行うのに、一次酸化剤が使用される。この目的のためのこの酸化剤の量は、一般に化学量論的当量であろう。それぞれのキノン形成反応が二つの電子移動を含みそしてフェリシアニドが唯1個の電子を移動するので、2モルのフェリシアニドが、それぞれのキノン形成反応についてジヒドロキシベンゼン1モル当りに必要とされるか、又はその化学量論的当量である合計で4モルのフェリシアンドを必要とされる。過硫酸塩の場合、2個の電子が移動できる。従って、2モルの過硫酸塩が、その化学量論的当量としてジヒドロキシベンゼン1モル当り必要とされる。しかし、反応の動力学からみて、一次酸化剤が、特に過硫酸塩の場合に、前記の理論的量より過剰で存在できる。概して、本発明の実施で使用されるフェリシアニド又は過硫酸塩の酸化剤の量は、そのそれぞれの化学量論的当量より50%過剰の量より少ない。
一次酸化剤は、過硫酸塩の場合には、約0.5−約30、好ましくは約1−約15%の濃度で、そしてフェリシアニドの場合には、約0.5−約15%、好ましくは約1−約10%の濃度で、毛染組成物中又は第二段階の処理組成物中に存在する。過硫酸塩及びフェリシアニドの酸化剤は、個々に使用されるか又は混合されるか、又は方法の別々の段階において使用できる。
【0011】
反応媒体のpHが、反応中に変化する限り、約2−11、好ましくは約5−約9の間のpHを維持するために十分な量のpHコントロール剤を反応媒体中に提供することが望ましい。本発明の方法では、好ましいpHは、使用される一次酸化剤、及び染めるやり方(1段階の染め又は2段階の染め)に依存する。従って、過硫酸塩は通常アルカリ性pHで最適であり、フェリシアニドは、好ましくはpH6−11、最も好ましくは7−9で使用される。2段階工程の第一の段階は、毛中への毛染成分の浸透を最大にするために高いpHで好ましくは行われる。本発明の組成物におけるpHのコントロールのための試薬は、無機塩例えば炭酸塩及び重炭酸塩並びにアミン性緩衝剤例えばTRISに基づくものを含む種々の従来の緩衝剤を含む。pHコントロール剤は、又所望のpHを維持するために毛染組成物に広く使用される有機化合物を含む。これらは、例えばアミン例えばアンモニア、2−アミノ−2−メチルプロパノール及びモノエタノールアミンと組み合わさった脂肪酸特に長鎖モノカルボン酸又はジカルボン酸例えば二量体酸、リノレン酸又はステアリン酸を含む。両方のタイプの試薬は、pHコントロール剤として本発明で使用される。
【0012】
本発明の毛染方法では、アミノエタンチオール及びジヒドロキシベンゼンの反応体は、選択された一次酸化剤の存在下水性毛染組成物で毛に適用され、そして着色に有効な量のピグメントが形成されるのに十分な時間毛と接触して維持される。「接触時間]は、その用語がここで使用されるとき、反応体の混合から毛からの除去の期間である。
ピグメントは、それが永久的な色の変化を明らかにするように、毛のシャフト中で形成されねばならない。ジヒドロキシベンゼン及びアミノエタンチオールの分子及び酸化的シーケンスの間に形成される中間物は、それらが酸化剤及び水性担体とともに毛の房中に拡がるに十分なほど小さいと考えられる。しかし、毛のシャフト内に形成するトリコクロム及びフェオメラニン及び同様な化合物は、それらが毛の房内に捕らえられるようになり、それにより永久的な色を与えるほど大きな分子である。かなりの量の酸化が生じた後毛染組成物を毛に適用することは、ピグメントが毛中に拡散せずそして次の洗髪中に大部分はぎ取られるので、好適ではないことは明らかであろう。
本発明の方法は、所望の結果を達成するために、二三の態様で実施できる。
「1段階」又は「同時」のやり方では、水性毛染組成物は、選択されたpHにおけるアミノエタンチオール、及び水性ジヒドロキシベンゼン反応体並びに一次酸化剤を含む。この毛染組成物は、毛に適用され、そして所望の結果を行うために、着色に有効なピグメントが形成されるまで、処理されるべき毛と接触して維持される。本発明のピグメントへのベンゾチアジン中間物の酸化は、酸化剤として大気中の酸素を使用することにより徐々に達成できるか、又は最も好ましくは下記の後酸化段階により実施できる。
フェリシアニドが、1段階法における唯一の一次酸化剤であるとき、それは、おおよそ化学量論的当量、又は僅かに過剰、通常その量より15%以下過剰で毛染組成物中に存在し、さらにフェリシアニド酸化剤とは異なる酸化剤が毛に適用されて本発明のピグメントへのベンゾチアジンの転化を行う、後処理を行うことが望ましい。過硫酸塩が唯一の一次酸化剤であるとき、その化学量論的当量より過剰の過硫酸塩は、好ましくは上記のように配合される。その上、十分な過剰が、ベンゾチアジン酸化の要件を満足するように毛染組成物に配合できる。別に、後酸化段階が使用できる。
【0013】
「2段階」又は「連続」する方法では、水性毛染組成物は、アミノエタンチオール及びジヒドロキシベンゼンを含み、その組成物は、約1−約30分間毛に適用されてこれらの反応体を毛の房中に拡がらせる。一次酸化剤を含む水溶液は、次に所望の着色が得られるまで、さらに1−20分間好ましくは2−10分間毛と接触させられる。毛は次にリンスされ乾燥される。一次酸化剤は、前記の濃度で水溶液に存在する。一次酸化剤の化学量論的量の要件は、1段階法に似ており、ベンゾチアジン中間物は、酸化性後処理組成物により、又は水溶液に過剰に存在する一次酸化剤を使用して、大気の酸化を経て本発明のピグメントに転化される。一次酸化剤溶液は、選択された一次酸化剤のみが、着色に有効なピグメント濃度を発生するのに十分な量でキノンの形成を行うために、酸化性後処理組成物から異なることを注意する必要がある。
この2段階法の変法では、毛染組成物は、一部の化学量論的当量の一次酸化剤とともにアミノエタンチオール及びジヒドロキシベンゼン反応体を含む。この毛染組成物は、毛に適用され、そして或る酸化が生ずるように毛と接触しつつ維持され、反応生成物は、初めの反応体とともに毛の房中に拡がる。これらの反応生成物の酸化並びに残存する未反応反応体の転化は、第二の段階で完了するだろう。第一の段階のために選択される一次酸化剤は、第二の段階で同じ又は異なることができる。
2段階法の一つの態様では、フェリシアニドは、その化学量論的当量の約半分(one−half)の量で毛染組成物に配合される。フェリシアニドが特にジヒドロキシベンゼンに対して反応性である限り、キノンへのジヒドロキシベンゼンの転化次にアミノエタンチオールの求核付加は、急速でありそして実質的に完了する。第二の段階では、過硫酸塩は、その化学量論的当量の約半分プラス上記の所望の過剰の量で水性酸化剤溶液に配合される。第二の段階は、ベンゾチアジンへの転化を完了し、さらに過硫酸塩の半分の化学量論的当量の過剰の量に応じて、ピグメントへの酸化を完了するだろう。毛染組成物及び酸化剤溶液中の一次酸化剤の濃度は、前記と同じである。もちろん、一次酸化剤の量は、キノンの形成を行うのに十分な酸化剤を使用するならば、所望に応じて毛染組成物と酸化剤溶液との間に割り当てられる。
【0014】
上記にように、1段階又は2段階の方法で処理された毛は、酸化剤溶液による後処理にかけることができる。この後処理組成物は、通常、特に1段階のやり方で使用される一次酸化剤がフェリシアニドのとき、1段階のやり方後に使用される。酸化性後処理の目的は、特にベンゾチアジン並びに他の直接的なメラニンプレカーサーを含む工程中のこの段階の水性反応媒体に存在する種々の中間化学種の本発明のピグメントへの転化を完了されることにある。完了が要求される度合は、上記のように、1段階又は2段階の工程の実施に使用される化学量論的当量の過剰の一次酸化剤の量に依存する。従って、酸化性後処理は、ピグメントへのベンゾチアジンの転化の本質的に全てを行うのに使用できるか、又は本発明の有用なピグメントへの残存ピグメントブレカーサーの転化を単に完了させるのに使用できる。この点に関して、本発明の方法により得られるフェオメラニン、トリコクロム及び類似のピグメントは、ベンゾチアジンから得られる二量体、三量体、及び高級オリゴマー反応性生成物である。酸化性後処理の利点は、より高度に着色されしかも高分子量のピグメント種への転化を助け、より濃い色を生じさせることにある。一般的に、酸化性後処理組成物は、1段階又は2段階の方法の完了後のリンス後の毛に適用される。
前述のように、酸化性毛染工程で一般に使用される任意の従来の酸化剤は、酸化性後処理工程において酸化剤として使用できる。この段階のための好適な酸化剤は、例えば、フェリシアニドのアルカリ金属及びアンモニウムの塩、過硫酸塩、過硼酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、酸性亜硝酸塩、希釈過酸化水素、亜塩素酸塩並びにこれらのともに使用可能な混合物である。過硫酸塩及び過ヨウ素酸塩が好ましい。過ヨウ素酸塩が特に好ましい。フェリシアニドは、好ましくない。
酸化性後処理に使用される酸化剤溶液は、概して約0.1−約30重量%の酸化剤を含み、そしてピグメントの高い収量を確実にするのに十分な量で毛に適用される。溶液は、一般に実質的な過剰で提供され、そして約1−30分間好ましくは2−15分間毛と接触したまま維持される。溶液のpHは、概して約4−約10好ましくは約6−約9である。
【0015】
本発明の他の局面は、直接染料、一次中間物、又はカプラー及びこれらの混合物からなる群から選ばれる毛の色調節剤の反応混合物への任意の配合である。これらの成分は、反応混合物中に存在するとき、ピグメントの生成に導かれる反応のシーケンス中に形成される中間化合物と少なくとも一部反応し、それにより最終的に得られるピグメントに追加の着色の特徴を与えるトリコクロム様及びフェオメラニン様の化合物をもたらすものと思われる。これらの酸化可能な色調節剤が使用されるとき、反応混合物中の一次酸化剤の量は、これらの混合物の酸化に提供されるために増加する。それは、それらの或るものが、一次反応シーケンス中間物と反応するよりむしろ通常のやり方で直接酸化されるからであろう。これらの補助的な着色剤の使用により、広い範囲の色合い、色調及び色彩が達成できることは、当業者にとり明らかであろう。上記のように、ドーパ種は、或る条件下では、ジヒドロキシインドールへの酸化か、十分な一次酸化剤がアミノエタンチオールの不足とともに存在するとき、生ずることで、色調節剤であると考えられる。ジヒドロキシインドールは、それらがユウメラニンをもたらすので有用であり、そして最終の毛の色に所望の色彩をもたらすことができる。
毛の色調節剤の濃度は、通常、約10mg/mLより少なく、そして好ましくは約0.01−約5mg/mL、最も好ましくは約0.05−約2mg/mLで反応媒体中に存在する。これらの成分の量は、主要なピグメントの形成を妨げるほど多くあってはならない。即ち、本発明の方法は、毛の色調節剤による中間反応生成物の一部のみの反応を考慮している。
広い範囲の直接染料、一次中間物及びカプラーは、当業者にとり周知であり、そして本発明で使用できる。
本発明で好ましい一次中間物及びカプラーは、以下のものを含む。
一次中間物:p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、N、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン。カプラー:2、5−ジアミノビリジン、p−トルエンジアミン、レゾルシノール、m−アミノフェノール、1−ナフトール、5−アミノ−o−クレゾール、2−メチルレゾルシノール、N−アセチルドーバ、4、6−ジ(ヒドロキシエトキシ)−m−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン。
好適な直接染料は、例えば、ニトロ染料、アゾ染料及びアンスラキノン染料を含む。
【0016】
本発明の種々の記載された態様は、又毛染組成物中に、又は後処理溶液を含む酸化剤含有溶液の任意のもの中に、1種又はそれ以上の成分を含む。それらの成分は、酸化性毛染組成物に通常使用される周知の従来の添加物例えば有機溶媒、濃厚化剤、毛のシャフトの浸透を助ける界面活性剤、pH調節剤、抗酸化剤、香料及びキレート化剤を含む。
本発明の毛染組成物で使用される界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性又は双性イオン性である。種々のタイプの界面活性剤の例示として、以下のものが挙げられる。高級アルキルベンゼンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、アルコール及び多塩基酸のスルホン化エステル、タウレート、脂肪族アルコール硫酸エステル、枝分れ鎖又は二級アルコールの硫酸エステル、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、脂肪酸又は脂肪酸混合物の塩、N−オキシアルキル化脂肪酸アルカノールアミドなど。特定の界面活性剤の例として以下のものが挙げられる。ナトリウムラウリルスルフェート、ポリオキシエチレンラルリルエステル、ミリスチルスルフェート、グリセリルモノステアレート、トリエタノールアミンオレエート、パルミチンメチルタウリンのナトリウム塩、セチルピリジニウムクロリド、ラウリルスルホネート、ミリスチルスルホネート、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンステアレート、エトキシル化オレイルジエタノールアミド、水素化タローのポリエチレングリコールアミド、ステアリルジメチルベンソルアンモニウムクロリド、ドデシルベンゼンナトリウムスルホネート、p−ドデシルベンゼンスルホネートのトリエタノールアミン塩、ノニルナフタレンナトリウムスルホネート、ジオクチルナトリウムスルホサクシネート、ナトリウムN−メチル−N−オレオイルタウレート、ナトリウムイソチオネートのオレイン酸エステル、ナトリウムドデシルサルフェート、3−ジエチルトリデカノール−6−サルフェートのナトリウム塩など。界面活性剤の量は、広い範囲、例えば組成物の重量の約0.05−15%そして好ましくは0.10−5%にわたって変化できる。アニオン性及び非イオン性界面活性剤は、概して乳化剤として使用されるが、カチオン性界面活性剤は、毛に毛のコンディショニングの利益を与えるのに有用である。アニオン性及びカチオン性の界面活性剤がともに配合されるときには、ともに混和されない可能性からみて、注意が必要である。
キレート剤及び金属イオン封鎖剤は、例えばエチレンジアミン四酢酸、クエン酸ナトリウムなどを含み、そしてもし使用されるならば、約1%以下の量で存在できる。
【0017】
濃厚化剤は、又本発明の毛染組成物に配合でき、それは、毛染に通常使用されるものの1種又は数種である。これらは、アルギン酸ナトリウム又はアラビアガム、又はセルロース誘導体例えばメチルセルロース(例えばMethocel60HG)、又はカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、又はヒドロキシエチルセルロース(例えばCellosize QP−40)又はアクリル酸重合体例えばポリアクリル酸ナトリウム塩、又は無機のシックナー例えばベントナイトのような製品により例示される。この濃厚化剤の量は、又広い範囲例えば20%のような多さでも変化できる。元来、それは組成物の重量の約0.1−5%に及ぶだろう。組成物の粘度は、約1−約100000cpと変化することができる。代表的なローション処方では、組成物の粘度は、約100−約10000cpであり、その粘度で組成物は流下又は滴下することなく毛に適用できる。
任意の成分のリストは、制限することを目的とするものではない。毛染組成物に含まれる他の好適な助剤は、Zviak、The Science of Hair Care(1986)及びBalSam及びSagarin、Cosmetics:Science and Technology、2巻(2版、1972)に記載されている。
【0018】
本発明の方法は、キットの形で包装された別々の容器に予め計測された反応体を入れることにより、好都合に実施できる。使用者は、本発明の選択されたやり方に従って毛に適用されるための反応体を混合するだけでよい。方法を実施するのに特別な経験は必要とせず、従って製品及び方法は、素人による家庭内の使用、並びに専門家によるサロンの使用に等しく適していることは明らかであろう。有利なことには、キットの形の製品は、貯蔵に安定であり、そのため、或る毛染組成物に要求される配慮例えば嫌気条件下の貯蔵なしに、小売に適している。
本発明のこの局面に従って提供されるキットは、毛染プレカーサー、酸化可能な着色剤を含む第一の容器、並びに酸化剤を含む第二の容器を含む。緩衝剤は、第三の容器に個別に包装されるか、又はそれは、第一又は第二の容器に存在できる。選択された調節剤は、本発明の基本的な毛染剤と混合されるか、又は別の容器に存在する。もちろん、ジヒドロキシベンゼン及びアミノエタンチオールは、別々の容器中に存在できるが、しかしそれらが同じ容器にあることが本発明では好ましい。
キットは、これらの溶液の製造のための或る量好ましくは予め計量された量の乾燥粉末を含む一群を含むが、それらを溶液として提供するのがより好都合である。その上、予め計量された量の成分を含む溶液は、消費者によるそれらの正確な使用を助ける。
任意の成分を含む1個又はそれ以上の追加の容器は、キットで提供できる。任意の成分は、又何等かの不混和性がないならば、上記の容器の溶液内に含まれる。
消費者は、記述された指令に従って、好適には水溶液として、又は乾燥粉末及び水として、キットの成分を混合して水性の反応混合物を得る。混合は、キットとともに又はキット以外に供給される別の容器で行われるか、又は混合のために十分な上部空き高をもたらすように適合されたキットの容器で行うことができる。反応体は、又使用者の毛の上で混合できる。反応は、酸化剤とデヒドロキシベンゼン及びアミノエタンチオールとの混合により始まる。毛染成分は、次にここに記載したように酸化し、それにより永久的な毛の色が得られる。所望の毛の色彩に達した後、最も好ましくは約30分以内であるが、毛に適用された毛染組成物は、好ましくは従来のシャンプーにより除かれる。
【0019】
【実施例】
以下の参考例及び実施例では、色は、標準のHunter Tristimulus値を利用して評価される。Hunterの方法では、パラメータa及びbは、正又は負であり、毛の着色の条件を規定する。従って、a値が正になればなるほど、毛の赤みは大きくなり、一方a値が負ではa値は緑を示す。同様に、正のb値は、黄色を示し、一方負のb値は、青を表す。Lパラメータは、色の強度の目安であり、そして絶対の黒の0から絶対の白の100の値を有する。一般に、約15以下のL値を有する毛は、黒と考えられ、一方約60のL値は白である。L値のスケールは、線状ではなく、むしろS字状である。ヒトの目に明らかな0に近いそして100に近い毛の色の強度は、L値における単位の変化により最小限変化する。約20から約50の値の間で、毛の色の強度は、L値における単位の変化により顕著に変化する。従って、Hunter値は、ヒトの目が色の変化を認めることができる領域で、より敏感である。
【0020】
参考例 1
100mgのドーバ(0.5mモル)及び61mgのシステイン(0.5mモル)を、10mLのTRIS緩衝剤の水溶液(850mgのTRIS、10mL中の3.5mLの1NHCl)に溶解した。228mgの過硫酸アンモニウム(1.0mモル)を加え、可能な限り早く溶解した(振とうにより)。溶液(pH約8.2)を一房の白色の毛に適用し、20分間放置した。毛を水により手早くリンスし、洗髪しそして乾燥した。Hunterの測定は、染めた毛について行われ、以下のように染めていない毛と比較した。
未処理毛:L 62.6、a 0.2、b 18.3
処理した毛:L 41.5、a −0.9、b 8.3
【0021】
参考例 2
一房の白色の毛を参考例1におけるように処理した。水によるリンス後、毛を約10%の(NH4)2S2O8を含む水性処方に4分間曝した。その後、毛を水でリンスし、洗髪しそして乾燥した。Hunter値は、以下の通りであった。
末処理毛:L 62.6、a 0.2、b 18.3
処理した毛:L 29.2、a 3.7、b 10.9
【0022】
参考例 3
100mgのドーパ(0.5mモル)及び121mgのシステイン(1.0mモル)を、10mLのTRIS緩衝剤の水溶液(640mgのTRIS、10mL中の2.6mLの1NHCl)に溶解した。342mgの過硫酸アンモニウム(1.5mモル)を加え、可能な限り早く溶解した(振とうにより)。溶液(pH約8.0)を一房の白色の毛に適用し、20分間放置した。毛を水により手早くリンスし、洗髪しそして乾燥した。Hunter値は以下の通りであつた。
未処理毛:L 62.6、a 0.2、b 18.3
処理した毛:L 38.4、a −0.9、b 6.7
【0023】
実施例 1
100mgのドーパ(0.5mモル)及び61mgのシステイン(0.5mモル)を、10mLのTRIS緩衝剤の水溶液(640mgのTRIS、10mL中の2.6mLの1NHCl)に溶解した。659mgのカリウムフェリシアニド(2.0mモル)を加え、可能な限り早く溶解した(振とうにより)。溶液(pH約7.5)を一房の白色の毛に適用し、20分間放置した。水によりリンスした後、毛を約10%の(NH4)2S2O8を含む水性処方に4分間曝した。その後、毛を水でリンスし、洗髪しそして乾燥した。Hunter値は、以下の通りであった。
未処理毛:L 62.6、a 0.2、b 18.3
処理した毛:L 14.5、a 0.6、b 1.3
【0024】
実施例 2
100mgのドーバ(0.5mモル)及び121mgのシステイン(1.0mモル)を、10mLのTRIS緩衝剤の水溶液(640mgのTRIS、10mL中の2.6mLの1NHCl)に溶解した。659mgのカリウムフェリシアニド(2.0mモル)を加え、可能な限り早く溶解した(振とうにより)。溶液(pH約7.5)を一房の白色の毛に適用し、20分間放置した。水によりリンスした後、毛を約10%の(NH4)2S2O8を含む水性処方に4分間曝した。その後、毛を水でリンスし、洗髪しそして乾燥した。Hunter値は、以下の通りであった。
未処理毛:L 62.6、a 0.2、b 18.3
処埋した毛:L 27.3、a 2.4、b 9.4
Claims (37)
- 着色に有効な量の(a)(i)構造式
(ii)式
(iii)フェリシアニド酸化剤
(式中、Rdは
R1はH又はCOOR7であり、R2、R3、R4及びR5は同一でも又は異なっていてもよく、H、C1〜C6アルキル又はC1〜C6ヒドロキシアルキルであり、R6及びR7は同一でも又は異なっていてもよく、アルカリ金属、H又はC1〜C6アルキルであり、そしてnは1である)
からなる水性系を2〜11のpHで毛に適用する工程、ここで該フェリシアニド酸化剤はジヒドロキシベンゼン(i)に関して少なくとも化学量論的当量で該水性系中に存在し、及び
(b)所望の色を達成するために十分な時間該水性系を毛と接触させて該毛を永久的に着色する工程からなることを特徴とする所望の色に毛を永久的に着色する方法。 - ジヒドロキシベンゼン及びアミノエタンチオールが両者を含有する水性毛染組成物の状態にあり、これらのそれぞれは該毛染組成物の0.1〜10重量%の濃度で存在する請求項1記載の方法。
- 水性毛染組成物がフェリシアニド酸化剤を含有し、該酸化剤は0.1〜15重量%の濃度で該毛染組成物中に存在し、該酸化剤は該化学量論的当量で該毛染組成物中に存在する請求項2記載の方法。
- フェリシアニド酸化剤がその化学量論的当量より15%過剰より少ない量で毛染組成物中に存在するカリウムフェリシアニドである請求項3記載の方法。
- フェリシアニド酸化剤の少なくとも一部が該毛染組成物とは別の水溶液の状態にあり、該水溶液は該毛染組成物を毛に適用した後に毛に適用される請求項2記載の方法。
- フェリシアニド酸化剤が化学量論的当量から該当量より50%過剰までの量で水性系中に存在する請求項5記載の方法。
- 水溶液中に含有されないフェリシアニド酸化剤の一部が毛染組成物中に存在する請求項6記載の方法。
- アミノエタンチオール対ジヒドロキシベンゼンのモル比が1:2〜4:1である請求項1、3又は6記載の方法。
- モル比が1:1〜2:1である請求項8記載の方法。
- nが1であり、R1がH又はCOOHであり、R2及びR3がそれぞれHであり、R4及びR5がれぞれH又はC1〜C4アルキルであり、そしてR6がH又はC1〜C2アルキルである請求項8記載の方法。
- ジヒドロキシベンゼンが式(1)の構造式をもつ請求項10記載の方法。
- R1がCOOHであり、R4、R5及びR6がそれぞれHである請求項11記載の方法。
- (c)毛に水性系を適用した後に、酸化剤を含有する水性後処理組成物を毛に適用する工程をさらに含む請求項1、3、5又は7記載の方法。
- 後処理酸化剤が過ヨウ酸塩、ヨウ酸塩、亜塩素酸塩、酸性亜硝酸塩、及び過硫酸塩からなる群から選ばれ、該酸化剤は後処理組成物の0.1〜30重量%の濃度で存在する請求項13記載の方法。
- 酸化剤は過硫酸ナトリウム及び過ヨウ素酸ナトリウムの群から選ばれる請求項14記載の方法。
- 水性系は直接染料、一次中間体、カプラー及びこれらの混合物からなる群から選ばれる色調節剤をさらに含む請求項1、3又は6記載の方法。
- 着色に有効な量の(a)構造式
(b)式
(c)フェリシアニド酸化剤
(式中、Rdは
R1はH又はCOOR7であり、R2、R3、R4及びR5は同一でも又は異なっていてもよく、H、C1〜C6アルキル又はC1〜C6ヒドロキシアルキルであり、R6及びR7は同一でも又は異なっていてもよく、アルカリ金属、H又はC1〜C6アルキルであり、そしてnは1である)
からなる水性系であり、該系は2〜11のpHをもち、ジヒドロキシベンゼン及びアミノエタンチオールが両者を含有する水性毛染組成物の状態にあり、これらのそれぞれは該毛染組成物の0.1〜10重量%の濃度で存在し、該フェリシアニド酸化剤がジヒドロキシベンゼン成分(a)に関して少なくとも化学量論的当量で該系に存在することを特徴とする所望の色に毛を永久的着色するための水性系毛染剤。 - ジヒドロキシベンゼン及びアミノエタンチオールが両者を含有する水性毛染組成物の状態にあり、ジヒドロキシベンゼン(a)対アミノエタンチオール(b)のモル比が2:1〜1:4である請求項17記載の毛染剤。
- フェリシアニド酸化剤が0.1〜15重量%の濃度で該毛染組成物中に含有される請求項18記載の毛染剤。
- フェリシアニド酸化剤が化学量論的当量から該当量より50%過剰までの量で毛染組成物中に含有される請求項19記載の毛染剤。
- フェリシアニド酸化剤の少なくとも一部が該毛染組成物とは別の水溶液の状態にあり、フェリシアニド酸化剤が0.1〜15重量%の濃度で該水溶液中に含有される請求項18記載の毛染剤。
- フェリシアニド酸化剤が化学量論的当量から該当量より50%過剰までの量で水溶液中に含有される請求項21記載の毛染剤。
- 該毛染組成物がフェリシアニド酸化剤の一部を含有し、そして残りが水溶液中に存在する請求項18記載の毛染剤。
- 毛染組成物がフェリシアニド酸化剤の化学量論的当量の1/2を含有し、そして水溶液が化学量論的当量の1/2から全化学量論的当量より50%過剰の量までの量でフェリシアニド酸化剤を含有し、該毛染組成物及び水溶液のそれぞれのフェリシアニド酸化剤の濃度が0.1〜15重量%である請求項23記載の毛染剤。
- ジヒドロキシベンゼン(a)対アミノエタンチオール(b)のモル比が1:1〜1:2である請求項20、22又は24記載の毛染剤。
- 毛染組成物のpHが5〜9である請求項20又は24記載の毛染剤。
- 水溶液のpHが5〜9である請求項22又は24記載の毛染剤。
- nが1であり、R 1 がH又はCOOHであり、R 2 及びR 3 がそれぞれHであり、R 4 及びR 5 がそれぞれH又はC 1 〜C 4 アルキルであり、そしてR 6 がH又はC 1 〜C 2 アルキルである請求項17記載の毛染剤。
- ジヒドロキシベンゼンが式(1)の構造式をもつ請求項28記載の毛染剤。
- R 1 がCOOHであり、そしてR 4 、R 5 及びR 6 がそれぞれHである請求項29記載の毛染剤。
- 直接染料、一次中間体、カプラー及びこれらの混合物からなる群から選ばれる色調節剤をさらに含む請求項17記載の毛染剤。
- 複数の容器を単一のパッケージに保持する毛を永久的に染めるための毛染用キットであり、(a)(i)構造式
式
(式中、R d は
R 1 はH又はCOOR 7 であり、R 2 、R 3 、R 4 及びR 5 は同一でも又は異なっていてもよく、H、C 1 〜C 6 アルキル又はC 1 〜C 6 ヒドロキシアルキルであり、R 6 及びR 7 は同一でも又は異なっていてもよく、アルカリ金属、H又はC 1 〜C 6 アルキルであり、そしてnは1である)
を含む水性毛染組成物を含有する第一の容器、及び
(b)フェリシアニド酸化剤を含む水溶液を含有する第二の容器からなり、
pH調節剤が該第一の容器又は第二の容器のいずれか、又は第三の容器に存在し、該キットに含有される該pH調節剤の量は、該第一及び第二の容器の内容物、又は該第一、第二及び第三の容器の内容物が合わされて水性系が形成されるとき、2〜11のpHを与えるために十分であり、そしてキット中のアミノエタンチオール、ジヒドロキシベンゼン及びフェリシアニド酸化剤の量は、容器の内容物が合わされて水性系が形成され且つ毛に適用されるとき、毛の永久的染色を行なうために十分な量であり、フェリシアニド酸化剤はジヒドロキシベンゼン成分(i)に関して少なくとも化学量論的当量で該系中に存在することを特徴とする所望の色に毛を永久的に染めるための毛染用キット。 - フェリシアニド酸化剤を含む該容器以外の容器中に、直接染料、フェリシアニド中間体、カプラー及びこれらの混合物からなる群から選ばれる色調節剤をさらに含む請求項32記載のキット。
- 水性系のpHが5〜9の間にある請求項32記載のキット。
- 後処理酸化剤を含む水性後処理組成物の容器をさらに含む請求項32記載のキット。
- 後処理酸化剤が過硫酸塩、過ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、亜塩素酸塩及び酸性亜硝酸塩からなる群から選ばれ、該酸化剤は後処理組成物の0.1〜30重量%の濃度で存在する請求項35記載のキット。
- 酸化剤が過硫酸ナトリウム又は過ヨウ素酸ナトリウムである請求項36記載のキット。
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