JP3556171B2 - 高分子電解質型燃料電池及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は低加湿運転が可能な高分子電解質型燃料電池及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油資源の枯渇化と地球温暖化等の環境問題の深刻化により、クリーンな電動機用電力源として燃料電池が注目され、広範に開発されているとともに、一部実用化もされている。特に燃料電池を自動車等に搭載する場合には、軽量化の目的で高分子電解質膜型燃料電池を使用するのが好ましい。
【0003】
高分子電解質型燃料電池では、イオン伝導性の低下を抑制するために高分子電解質膜及び電極の触媒層は水分を含んだ状態になっている必要がある。そのために、一般に十分に加湿した燃料を燃料極に供給する手法が採られている。しかしながら、燃料電池の小型化を考慮すると、燃料の低加湿化又は無加湿化が望ましい。
【0004】
高分子電解質型燃料電池においては、高分子電解質膜中を燃料極から酸素極に向かってプロトンが同伴水とともに移動する。そのため、燃料極は乾燥しやすく、プロトン伝導性が低下する恐れがある。一方、酸素極では電極反応による生成水が過剰になると、フラッディング現象(触媒層が濡れてガスの拡散経路が閉塞される現象)が起こる。このため、燃料極では水分を補給するとともに、酸素極では水分を除去する必要がある。
【0005】
このような水分の管理のために、(イ) 縒り糸状の繊維を高分子電解質膜に挟み込むサンドイッチ構造にすることにより、繊維を介して高分子電解質膜を加湿する方法、又は(ロ) 水吸着剤を電極に添加する方法(特開平10−334922号)が提案されている。しかしながら、(イ) の方法には、繊維を挟む分だけ高分子電解質膜の厚さが増大し、イオン伝導性が低下するという問題があり、また(ロ) の方法には、水吸着剤の添加により電極のイオン交換容量が低下するという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、膜厚を増大させることなく、またイオン交換容量等を低下させずに低加湿運転が可能な高分子電解質型燃料電池、及びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決する手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、高分子電解質膜の両面に電極触媒層が接合された高分子電解質型燃料電池において、電極触媒層が高分子電解質膜に侵入した構造にすることにより自己加湿機能が得られ、もって低加湿運転が可能な高分子電解質型燃料電池が得られることを発見し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、本発明の高分子電解質型燃料電池は、触媒層を有する一対の対向する電極と、これらに挟持された高分子電解質膜とからなり、前記触媒層は触媒粒子とイオン伝導性バインダーとを含有し、前記触媒層の一部が前記高分子電解質膜に侵入しており、前記触媒層の侵入深さが 0.5 μ m 以上5μ m 未満であることを特徴とする。
【0009】
前記高分子電解質膜と前記触媒層との界面における任意の2点間の直線距離(10μm以上)に対してその2点間の界面長さが平均で15%以上長いのが好ましい。
【0010】
このような構成の高分子電解質型燃料電池において、前記電極及び前記高分子電解質膜により構成された電極構造体のインピーダンス測定による厚さ方向の直流抵抗値が、触媒層の一部が高分子電解質膜に侵入していない電極構造体の直流抵抗値の90%以下になるように設計するのが好ましい。前記触媒層は前記触媒粒子を分散させた触媒スラリーの塗布により形成されているのが好ましい。
【0011】
また、高分子電解質膜の両面に一対の対向する電極の触媒層を設けることにより高分子電解質型燃料電池を製造する本発明の方法は、(1) 一方の電極の触媒層上に高分子電解質の有機溶剤溶液を塗布し、前記触媒層に前記有機溶剤溶液の一部を侵入させ、(2) 得られた高分子電解質膜中の有機溶剤の残存量が5〜20重量%である状態で、他方の電極の触媒スラリーを塗布し、前記電解質膜に前記触媒スラリーの一部を侵入させ、(3) 前記高分子電解質膜を両電極で挟持した状態でホットプレスすることにより前記触媒層の一部を前記高分子電解質膜に侵入させることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
[1] 電極構造体
高分子電解質型燃料電池は、一般に図1に示す電極構造体が複数積層された構造を有する。各電極構造体は、高分子電解質膜1と、その両側の燃料極2及び酸素極3と、それらの両側のセパレータ4,4とからなる。燃料極2及び酸素極3の電極はそれぞれ、拡散層21,31と触媒層22,32とからなる。
【0013】
(A) 高分子電解質膜
本発明の高分子電解質膜はプロトン(イオン)交換樹脂からなり、イオン交換樹脂としてはスルホン化パーフルオロカーボンのみならず、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、スルホン化フェノキシベンゾフェノン−ベンゾフェノン共重合体等の非フッ素系のスルホン化樹脂も使用可能である。なお高分子電解質膜の平均膜厚は下記図2に示す方法により求める。
【0014】
(B) 電極
各電極(燃料極2及び酸素極3)の拡散層21,31は、電子を電極触媒層22,32とセパレータ4,4との間で伝達する機能とともに、燃料ガス(水素)及び酸化剤ガス(空気)を拡散して電極触媒層22,32に供給する機能を有する。そのため拡散層21,31は導電性及び多孔性の両方を具備する必要がある。具体的には拡散層21,31は、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等の支持層に、カーボンブラックが分散したイオン伝導性バインダー(上記高分子電解質と同じで良い)のスラリーを塗布することにより下地層を形成したものが好ましい。
【0015】
また触媒層22,32は、カーボンブラック粒子に白金粒子等を担持させてなる触媒粒子をイオン伝導性バインダーの有機溶剤溶液に均一に分散させることにより得られた触媒スラリーを、電極拡散層21,31に塗布することにより得られる。
【0016】
(C) 触媒層の侵入
本発明の特徴は、図2に例示するように、高分子電解質膜1とその両側の電極触媒層22,32との界面11,12が波形状になっているために、電極触媒層22,32が高分子電解質膜1に侵入した状態になっていることである。電極触媒層22,32の侵入により、本来の電極触媒としての機能の他に、高分子電解質膜1中をクロスリークしてきた酸素ガスと水素ガスとが反応して水を生成するという機能を発揮する。すなわち、低加湿状態において電極/膜の界面でクロスリークにより生成された水と、電極反応により生成された水とが効率的に高分子電解質膜1中に拡散することになるので、低加湿運転が可能となる。
【0017】
触媒層の高分子電解質膜への侵入の度合いは、触媒層の平均侵入深さ及び平均界面長さで表すことができる。図3は触媒層22の高分子電解質膜1への平均侵入深さdを示す。両者の界面11の頂部11aと谷部11bとを任意に選択してそれらの高さの差を求め、この差をn箇所(通常7箇所)以上で平均化したものを平均侵入深さdと定義する。本発明では、平均侵入深さdは0.5μm以上5μm未満であるのが好ましい。平均侵入深さdが0.5μm未満であると、触媒層と高分子電解質膜との十分な接触が得られないのみならず、クロスリーク(従って自己加湿機能)も不十分である。また平均侵入深さdが5μm以上であると、クロスリークが過剰になる。より好ましい侵入深さdは0.5〜3μmである。
【0018】
図4は高分子電解質膜1と触媒層22との界面11の長さを表す。界面11の長さはマップメータ等により計測することができる。界面11における任意の2点A,B間の直線距離(10μm以上)に対して、その2点A,B間の界面11に沿った距離(単に界面長さという)は平均で15%以上長いのが好ましい。平均界面長さ比(界面長さ/直線距離の比)も、任意のn箇所(通常7箇所)以上で平均化したものを使用する。平均界面長さ比が15%未満であると、界面11の凹凸が不十分であるので、触媒層と高分子電解質膜との十分な接触が得られないのみならず、クロスリークも不十分である。
【0019】
また高分子電解質膜1への触媒層22,32の侵入度は、高分子電解質膜1の直流抵抗値によっても表すことができる。電極構造体のインピーダンス測定による厚さ方向の直流抵抗値は電極2,3間の平均距離に比例するので、直流抵抗値が小さいことは触媒層22,32の侵入度が大きいことを意味する。触媒層22,32の侵入度が大きいと、高分子電解質膜1の物理的な平均膜厚はほとんど変わらないので強度及び耐久性を保ちながら、触媒層22,32の侵入効果により電気化学的な電極間距離が短縮し、高分子電解質膜1に対する生成水等の逆拡散効果が向上する。
【0020】
本発明では、触媒層22,32の一部が高分子電解質膜1に侵入していない場合の電極構造体の直流抵抗値(実質的に高分子電解質膜1の直流抵抗値に相当する。)をR0とすると、触媒層22,32の一部が高分子電解質膜1に侵入している場合の電極構造体の直流抵抗値RはR0の90%以下であるのが好ましい。直流抵抗値比(R/R0の比)が90%超であると、触媒層22,32の侵入度が十分でないので、自己加湿機能も十分でない。
【0021】
なお図2に示すように、高分子電解質膜1に触媒層22,32が侵入しているので、高分子電解質膜1の平均膜厚tは以下の方法により求める。まず断面写真において、任意の位置aにおける膜厚taを測定し、同様に他の位置bにおける膜厚tbも測定する。このような測定を多数(好ましくは7箇所以上)の位置で行い、得られた膜厚の平均を求める。得られた平均値を平均膜厚とする。
【0022】
(D) セパレータ
各セパレータ4は少なくとも片面(通常は両面)にガス流路用の多数の溝41が設けられた金属板であり、各電極構造体を分離するとともに、電極構造体を積層した時に固定部材として作用する。
【0023】
[2] 高分子電解質型燃料電池の製造方法
(A) 電極の形成
(1) 触媒スラリーの作製
白金触媒を例にとって、以下電極の形成方法を説明する。まずカーボンブラック粒子に白金粒子を担持させて、触媒粒子を形成する。イオン伝導性バインダー(上記高分子電解質と同じで良い)の有機溶剤溶液中に前記触媒粒子を均一に混合し、触媒スラリーを作製する。有機溶剤としては、ジメチルアセトアミド(沸点:165.5℃)、ジメチルホルムアミド(沸点:153℃)、ジメチルスルホキシド(沸点:189℃)、トリエチルホスフェート(沸点:115℃)、N−メチルピロリドン(沸点:202℃)等を使用することができる。なお触媒スラリー中の触媒粒子/高分子電解質の重量比は1/2〜3/1であるのが好ましい。
【0024】
(2) 拡散層の作製
重量比で1/3〜5/1のカーボンブラック粒子とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の粒子とをエチレングリコール等の溶媒に均一に分散させてなるスラリーをカーボンペーパー等の支持層の片面に塗布し、乾燥させて下地層を形成し、支持層と下地層からなる拡散層を作製する。下地層の膜厚は1〜3 mg/cm2程度で良い。
【0025】
(3) 触媒層の形成
拡散層の下地層上に、上記(1) で得た触媒スラリーを白金量が0.3〜0.5 mg/cm2となるようにコートし、乾燥して、電極の触媒層を作製する。
【0026】
(B) 高分子電解質膜の形成及び電極との積層
高分子電解質膜上に電極触媒層を形成する際、高分子電解質膜中の有機溶剤の残存量が5〜20重量%である状態にする必要がある。従って、一方の電極の触媒層上に高分子電解質の有機溶剤溶液を塗布し、高分子電解質膜中の有機溶剤の残存量が5〜20重量%となった状態で他方の電極用の触媒スラリーを塗布し、他方の電極用拡散層を接合する。
【0027】
具体的には、まず一方の電極の触媒層上に高分子電解質の有機溶剤溶液を塗布する。一方の電極の触媒層中の有機溶剤残存量は5〜20重量%程度であるのが好ましく、5〜15重量%程度であるのがより好ましい。また高分子電解質溶液の濃度は一般に5〜30重量%が好ましく、10〜15重量%がより好ましい。高分子電解質溶液の濃度が5重量%未満であると、触媒層の侵入深さが大きくなりすぎるだけでなく、所望の膜厚を得るのに要する塗布量が多くなりすぎる。また30重量%超であると粘度が高すぎて、塗布が困難である。
【0028】
得られた高分子電解質膜を有機溶剤の残存量が5〜20重量%になるまで乾燥させた後で、他方の電極の触媒スラリーを塗布する。高分子電解質膜中の有機溶剤の残存量が5重量%未満であると、触媒層の侵入が不十分であり、また20重量%超であると触媒層の侵入深さが大きくなりすぎる。有機溶剤の好ましい残存量は5〜15重量%である。
【0029】
また高分子電解質膜上に塗布する触媒スラリーの固形分濃度は3〜10重量%と比較的薄めにするのが好ましい。触媒スラリーの固形分濃度が3重量%未満であると触媒層の侵入深さが大きくなりすぎ、また10重量%超であると触媒層の侵入が不十分である。
【0030】
高分子電解質膜と触媒層の界面は、(イ) 触媒スラリーの粘度、溶剤の種類及び乾燥時間等を調整したり、(ロ) 触媒層上に溶剤をスプレーしたり、(ハ) 触媒層上に塗布する高分子電解質溶液の粘度及びキャスト圧等を調整することにより、所望の波形にすることができる。
【0031】
(C) ホットプレス
触媒層を乾燥した後で、他方の電極用の拡散層を積層し、ホットプレスする。ホットプレス条件は、一般に60〜200℃の温度及び1〜10 MPaの圧力で1〜3分間であるのが好ましい。またホットプレスを2回に分けて行い、一次ホットプレスの条件を60〜100℃の温度及び1〜10 MPaの圧力で1〜3分間とし、二次ホットプレスの条件を120〜200℃の温度及び1〜10 MPaの圧力で1〜3分間としても良い。
【0032】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0033】
実施例1
(1) 触媒スラリーの作製
カーボンブラック(ファーネスブラック)粒子に白金粒子を白金/カーボンの重量比が1:1になるように担持させて、触媒粒子とした。またポリエーテルエーテルケトン(アルドリッチ社製)を発煙硫酸中に入れて、イオン交換容量(1g当たりのスルホン酸基のミリ当量)が2.4 meq/gになるまでスルホン化し、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンを得た。スルホン化ポリエーテルエーテルケトンをN−メチルピロドリン(アルドリッチ社製)に還流溶解し、濃度12重量%のスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを生成した。このスルホン化ポリエーテルエーテルケトン溶液に触媒粒子を混合し、触媒粒子/スルホン化ポリエーテルエーテルケトンの重量比が1:2の触媒スラリーを作製した。
【0034】
(2) 拡散層の作製
重量比で1:1.5のカーボンブラック粒子及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子をエチレングリコールに均一に分散させてなるスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布し、乾燥させて下地層を形成し、カーボンペーパーと下地層からなる拡散層を作製した。
【0035】
(3) 一方の電極の作製
拡散層の下地層上に、上記(1) で得た触媒スラリーを白金量が0.3 mg/cm2となるように塗布し、60℃、10分間の乾燥及び120℃の減圧乾燥を行って、触媒層を有する一方の電極を作製した。この触媒層中の有機溶剤の残存量は5.0重量%であった。
【0036】
(4) 高分子電解質溶液の作製
上記工程(1) で得たスルホン化ポリエーテルエーテルケトンをN−メチルピロドリンに還流溶解し、粘度7000 cps の高分子電解質溶液を作製した。
【0037】
(5) 電極構造体の作製
工程(3) で得た一方の電極の触媒層上に工程(4) で得た高分子電解質溶液を、乾燥平均膜厚が50μmとなるように塗布した。膜中の残存溶剤量が5.0重量%となるように乾燥した後、工程(1) で得た触媒スラリーを塗布し、80℃、5MPa、2分間の条件で一次ホットプレスを行い、次いで160℃、4MPa、1分間の条件で二次ホットプレスを行って、電極構造体を作製した。
【0038】
(6) 特性の評価
(a) 侵入深さの測定
図3に示す方法に従って、触媒層の高分子電解質膜への侵入深さを測定し、9箇所の測定値から平均侵入深さを求めた。結果を表1に示す。
【0039】
(b) 界面長さの測定
図4に示す方法に従って、触媒層と高分子電解質膜との界面長さを測定し、9箇所の測定値から平均界面長さを求めた。結果を表1に示す。
【0040】
(c) 直流抵抗値比の測定
図5に示すように、高分子電解質膜1と一対の電極2,3とからなる電極構造体を一対のセパレータ4,4で挟持し、それを集電板6,6で挟持し、集電板6,6をインピーダンスアナライザー10と接続した。両セパレータ4,4に乾燥窒素ガスを流して高分子電解質膜1を乾燥した後、膜厚方向の直流抵抗値Rを測定した。同様の方法により、触媒層の侵入がない電極構造体に対して膜厚方向の直流抵抗値R0を測定した。これから直流抵抗値比(R/R0の比)を求めた。結果を表1に示す。
【0041】
(d) セル抵抗の測定
図5に示す装置を使用し、一方の電極4に空気を流し、他方の電極4に純水素ガスを流して、発電させた。発電条件は、両電極ともガス圧100 kPa、利用率50%、及び露点80℃であった。セル圧力は大気圧とした。また加湿はカソードガスによる間接加湿であった。この条件下で電流密度1A/cm2時のセル抵抗(Ω/cm2)を測定した。結果を表1に示す。
【0042】
(e) 発電性能の評価
図5に示す装置を使用し、一方の電極4に空気を流し、他方の電極4に純水素ガスを流して、発電させた。発電条件は、両電極ともガス圧100 kPa、利用率50%、及び露点80℃であった。セル圧力は大気圧とした。また加湿はカソードガスによる間接加湿であった。この条件下で電流密度1A/cm2時のセル電位を測定した。結果を表1に示す。
【0043】
実施例2
触媒層上に塗布する高分子電解質溶液の粘度を7000 cpsとし、高分子電解質膜中の残存溶剤量が10.6重量%となるように乾燥した後で触媒スラリーを塗布した以外、実施例1と同じ条件で電極構造体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1、図6〜図7に示す。
【0044】
実施例3
触媒層上に塗布する高分子電解質溶液の粘度を7000 cpsとし、高分子電解質膜中の残存溶剤量が14.4重量%となるように乾燥した後で触媒スラリーを塗布した以外、実施例1と同じ条件で電極構造体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1、図6〜図7に示す。
【0045】
実施例4
触媒層上に塗布する高分子電解質溶液の粘度を7000 cpsとし、高分子電解質膜中の残存溶剤量が20.0重量%となるように乾燥した後で触媒スラリーを塗布した以外、実施例1と同じ条件で電極構造体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1、図6〜図7に示す。
【0046】
実施例5
触媒層上に塗布する高分子電解質溶液の粘度を7000 cpsとし、高分子電解質膜中の残存溶剤量が10.6重量%となるように乾燥した後で触媒スラリーを塗布した以外、実施例1と同じ条件で電極構造体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1、図6〜図7に示す。
【0047】
実施例6
触媒層上に塗布する高分子電解質溶液の粘度を7000 cpsとし、高分子電解質膜中の残存溶剤量が10.6重量%となるように乾燥した後で触媒スラリーを塗布した以外、実施例1と同じ条件で電極構造体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1、図6〜図7に示す。
【0048】
実施例7
触媒層上に塗布する高分子電解質溶液の粘度を7000 cpsとし、高分子電解質膜中の残存溶剤量が10.6重量%となるように乾燥した後で触媒スラリーを塗布した以外、実施例1と同じ条件で電極構造体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1、図6〜図7に示す。
【0049】
比較例1
高分子電解質溶液のキャストにより高分子電解質膜を形成し、残存溶剤量が2.2重量%となるように乾燥した後で、両面に触媒スラリーを白金量が0.3 mg/cm2となるように塗布した以外、実施例1と同じ条件で電極構造体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1、図6〜図7に示す。
【0050】
比較例2
触媒層上に塗布する高分子電解質溶液の粘度を7000 cpsとし、高分子電解質膜中の残存溶剤量が4.1重量%となるように乾燥した後で触媒スラリーを塗布した以外、実施例1と同じ条件で電極構造体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1、図6〜図7に示す。
【0051】
比較例3
触媒層上に触媒スラリーをスプレーし、表面粗さを調整した後、この触媒層上に粘度7000 cpsの高分子電解質溶液(乾燥平均膜厚が50μmになる量)を塗布し、高分子電解質膜中の残存溶剤量が22.0重量%となるように乾燥した後で触媒スラリーを塗布した以外、実施例1と同じ条件で電極構造体を作製し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表1、図6〜図7に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
図6は平均侵入深さとセル抵抗及び発電性能(セル電位)との関係を示す。平均侵入深さが0.5μm以上になるとセル抵抗の急激な低下が認められた。しかし平均侵入深さが3μmを超えた時点でセル抵抗はほぼ一定になり、平均侵入深さの影響は飽和したことが分かる。また発電性能に関しては、平均侵入深さが2μm付近でピークとなり、それ以降は向上効果は低減した。これから平均侵入深さは0.5μm以上5μm未満が好ましく、特に0.5〜3μmが好ましいことが分かる。
【0054】
図7は平均界面長さ比と発電性能(セル電位)との関係を示す。平均界面長さ比が約1.15付近で発電性能の急激な上昇が認められた。また平均界面長さ比が約1.25に達すると発電性能の向上効果は飽和した。これから、平均界面長さ比は約1.15以上が好ましく、特に1.15〜1.25が好ましいことが分かる。
【0055】
図8は直流抵抗値比とセル抵抗との関係を示す。直流抵抗値比が90%以下になるとセル抵抗が非常に低下することが認められた。また直流抵抗値比が約50%に達するとセル抵抗の低下効果はほぼ飽和した。これから、直流抵抗値比は90%以下が好ましいことが分かる。
【0056】
【発明の効果】
上記の通り、本発明の高分子電解質型燃料電池は、高分子電解質膜内に両側の触媒層が侵入した構造を有し、触媒層が触媒粒子とイオン伝導性バインダーとを含有するので、優れた自己加湿機能を有する。そのため発電性能を低下させることなく低加湿運転が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子電解質型燃料電池を構成する電極構造体の構造を示す概略図である。
【図2】本発明の高分子電解質型燃料電池内の高分子電解質膜に両側の触媒層の一部が侵入した状態を示す概略断面図である。
【図3】高分子電解質膜への触媒層の侵入深さを示す概略断面図である。
【図4】高分子電解質膜と触媒層との界面長さを示す概略断面図である。
【図5】電極構造体のインピーダンス測定を行う装置を示す概略断面図である。
【図6】平均侵入深さとセル抵抗及び発電性能(セル電位)との関係を示すグラフである。
【図7】平均界面長さ比と発電性能(セル電位)との関係を示すグラフである。
【図8】直流抵抗値比とセル抵抗との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・高分子電解質膜
11,12・・・界面
2・・・燃料極
21・・・燃料極の拡散層
22・・・燃料極の触媒層
3・・・酸素極
31・・・酸素極の拡散層
32・・・酸素極の触媒層
4・・・セパレータ
Claims (4)
- 触媒層を有する一対の対向する電極と、これらに挟持された高分子電解質膜とからなる高分子電解質型燃料電池において、前記触媒層は触媒粒子とイオン伝導性バインダーとを含有し、前記触媒層の一部が前記高分子電解質膜に侵入しており、前記触媒層の侵入深さが 0.5 μ m 以上5μ m 未満であることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
- 請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池において、前記高分子電解質膜と前記触媒層との界面における任意の2点間の直線距離(10μm以上)に対してその2点間の界面長さが平均で15%以上長いことを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
- 請求項1又は2に記載の高分子電解質型燃料電池において、前記電極及び前記高分子電解質膜により構成された電極構造体のインピーダンス測定による厚さ方向の直流抵抗値が、触媒層の一部が高分子電解質膜に侵入していない電極構造体の直流抵抗値の90%以下であり、前記触媒層は前記触媒粒子を分散させた触媒スラリーの塗布により形成されていることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
- 高分子電解質膜の両面に一対の対向する電極の触媒層を設けることにより高分子電解質型燃料電池を製造する方法において、(1) 一方の電極の触媒層上に高分子電解質の有機溶剤溶液を塗布し、前記触媒層に前記有機溶剤溶液の一部を侵入させ、(2) 得られた高分子電解質膜中の有機溶剤の残存量が電解質膜に対する重量比として5〜20重量%である状態で、他方の電極の触媒スラリーを塗布し、前記電解質膜に前記触媒スラリーの一部を侵入させ、(3) 前記高分子電解質膜を両電極で挟持した状態でホットプレスすることにより前記触媒層の一部を前記高分子電解質膜に侵入させることを特徴とする高分子電解質型燃料電池の製造方法。
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