JP3555726B2 - パルス発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)の位置制御ユニット等に設けられるパルス発生装置に関し、特に、パルスのレベルがハイレベルからローレベルあるいはローレベルからハイレベルになるまで待つことなく1つのパルスの途中のどこででも該パルスの周波数を変更することができるようにしたパルス発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のパルス発生装置は、カウンタを用いて構成されており、このカウンタを用いた従来のパルス発生装置としては図6に示す構成が知られている。
【0003】
図6において、この従来のパルス発生装置は、発生されるパルスの周波数を変更したいタイミングで、所望の周波数に対応した設定値Aが書込まれる分周比設定用レジスタ(Reg)1、所定周波数のクロックCLKが入力され、該クロックCLKの立上がりに同期して出力されるカウントアップ出力aにより上記分周比設定用レジスタ1に書込まれた設定値Aをプリセットするとともに、該プリセットされた設定値を初期値として上記クロックCLKをダウンカウントするダウンカウンタ(Cnt)2、上記ダウンカウンタ2から出力されるカウントアップ出力aが入力されるたびにその出力を反転させて、制御パルス出力bを出力するフリップフロップ(F/F)3を具備して構成される。
【0004】
この図6に示す構成において、分周比設定用レジスタ1に書込まれた設定値Aがダウンカウンタ2の動作に反映されるのは、ダウンカウンタ2からカウントアップ出力aが出力されたときのみであるので、この図6に示したパルス発生装置においては、周波数を変更したいタイミングから実際にこのパルス発生装置から発生されるパルスの周波数が変更されるまでに遅れが生じる。
【0005】
すなわち、図8に示すように、このパルス発生装置から発生されるパルスの周波数に変更がないときのパルスが図8(a)であり、図8(b)の矢印で示すタイミングで、分周比設定用レジスタ1に書込まれた設定値Aが変更されたとすると、この設定値Aの変更がこのパルス発生装置から発生されるパルスの周波数に反映されるのは、ダウンカウンタ2から次のカウントアップ出力aが出力されるまで、すなわち、このパルス発生装置から発生されるパルスが立ち下がるタイミングの後であり、この結果、この図6に示したパルス発生装置においては、周波数を変更したい矢印で示したタイミングから実際にこのパルス発生装置から発生されるパルスの周波数が変更されるまでには時間taだけ遅れが生じる。
【0006】
また、この種のカウンタを用いた従来のパルス発生装置としては図7に示す構成も知られている。
【0007】
この図7に示す従来のパルス発生装置は、発生されるパルスの周波数を変更したいタイミングで発生される書込み信号bに同期して所望の周波数に対応した設定値Aが書込まれる分周比設定用レジスタ(Reg)1、所定周波数のクロックCLKが入力され、該クロックCLKの立上がりに同期して出力されるカウントアップ出力aおよび上記書込み信号bの論理和をとるオア装置4の出力cにより上記分周比設定用レジスタ1に書込まれた設定値Aをプリセットするとともに、該プリセットされた設定値を初期値として上記クロックCLKをダウンカウントするダウンカウンタ(Cnt)2、上記オア装置4の出力cが入力されるたびにその出力を反転させて、制御パルス出力dを出力するフリップフロップ(F/F)3を具備して構成される。
【0008】
この図7に示す構成においては、分周比設定用レジスタ1に設定値Aが書込まれたタイミングでフリップフロップ3から出力される制御パルス出力dが反転するので、この分周比設定用レジスタ1に書込まれた設定値Aは、即座にダウンカウンタ2の動作に反映される。
【0009】
しかし、図7の構成において、フリップフロップ3から出力される制御パルス出力dが反転して直ぐに分周比設定用レジスタ1に新しい設定値Aが書込まれると、制御パルス出力dに幅の狭いパルスが生じることになる。
【0010】
すなわち、図8に示すように、このパルス発生装置から発生されるパルスの周波数に変更がないときのパルスが図8(a)であり、図8(c)の矢印のタイミングで、分周比設定用レジスタ1に書込まれた設定値Aが変更されたとすると、この矢印のタイミングでフリップフロップ3から出力される制御パルス出力dが反転して、フリップフロップ3から出力される制御パルス出力dの周波数は、即座に、この変更された設定値Aに対応する周波数になるが、ここで、時間tdが変更後に必要なパルス幅であるとすると、このパルス幅より小さい時間teのパルスが発生する。
【0011】
ところで、この種のパルス発生装置は、PLCの位置制御ユニット等に設けられる。
【0012】
図9は、図6または図7に示すパルス発生装置を採用して構成したPLCシステムの一例を示したものである。
【0013】
図9において、このPLCシステムは、センサなどの入力を取り込む入力ユニット101、図6または図7に示すパルス発生装置が設けられた位置制御ユニット102を含むPLC100、PLC100の位置制御ユニット102に設けられたパルス発生装置から発生されたパルス信号を入力し、ステッピングモータあるいはサーボモータからなるモータ300を駆動制御するステッピングモータドライバあるいはサーボモータドライバからなるドライバ200を具備して構成される。
【0014】
ここで、PLC100は、所定のシーケンスプログラムを実行することにより位置制御ユニット102に含まれるパルス発生装置を制御し、このパルス発生装置から発生されるパルス信号をドライバ200に加え、これによりモータ300の位置および速度をオープンループで駆動制御する。
【0015】
上記構成において、センサなどの入力の取り込みからモータ300の速度(パルス発生装置から発生されるパルス信号の周波数)の変更、PLCのシーケンスプログラムからのモータ300の速度の変更、上記モータ300が複数存在する場合等を考慮すると、位置制御ユニット102に含まれるパルス発生装置としては、そのレスポンスの速さが要求される。
【0016】
また、上記オープン制御の場合、位置制御ユニット102はパルスを出力するだけでモータ300がどれだけ動いたかは検知しない。このため、位置制御ユニット102が出力したと認識しているパルスの量とドライバ200が受け取ったと認識したパルスの量とが異なると、モータ300による位置制御が不可能な状況になる。そこで、この場合は、オープンループ制御での位置制御ユニット102に含まれるパルス発生装置からのパルス伝達の正確さが要求される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図6または図7に示す従来のパルス発生装置を採用した場合は、以下に示すような問題点がある。
【0018】
1)図6に示したパルス発生装置では、発生されるパルスの周波数の変更に際して、カウンタがカウントアップするまで待つ必要があるので、所望のタイミングでパルスの周波数を変更することができず、このため制御系のレスポンスが悪くなる。
【0019】
2)図7に示したパルス発生装置では、発生されるパルスの周波数の変更に際して、所望のタイミングでパルスの周波数を即座に変更することができるが、幅の狭いパルスが発生することがあり、この幅の狭いパルスが制御対象で確実に受け取られるか不明となるため、パルス伝達を正確に行うことができない場合がある。
【0020】
そこで、この発明は、パルス周波数の変更を高レスポンスで行うことができるとともに、正確なパルス伝達を可能にしたパルス発生装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
所望の周波数に対応する設定値が書込まれるレジスタ手段と、
所定周波数のクロックパルスをアップカウントして計数値を出力するカウンタ手段と、
上記レジスタ手段の設定値と上記カウンタ手段の計数値とを比較し、上記計数値が上記設定値に達したタイミングで比較結果を出力する比較手段と、
上記比較手段の比較結果の出力に同期してパルスを反転して出力することにより、上記所望の周波数に対応するパルス幅のパルスを発生するパルス発生手段と、
からなり、
上記レジスタ手段の設定値が、変更したいタイミングにおいて変更されること、および上記比較手段が、上記レジスタ手段の変更タイミングにおいて変更後の設定値と上記カウンタ手段の計数値とを比較することによって、
発生させるパルスの周波数を低くなるように設定値を変更した場合、上記パルス発生手段の変更したいタイミングを含むパルスのパルス幅を、変更後の周波数に対応するパルス幅と同一とし、かつ、
発生させるパルスの周波数を高くなるように設定値を変更した場合であって、上記パルス発生手段の変更したいタイミングを含むパルスの開始から変更したいタイミングまでの時間が、変更後の周波数に対応するパルス幅より短いときは、上記パルス発生手段の変更したいタイミングを含むパルスのパルス幅を、変更後の周波数に対応するパルス幅と同一とする、
ことを特徴とする。
【0022】
また、請求項2記載の発明は、請求項1のパルス発生装置において、
上記レジスタ手段の設定値が、変更したいタイミングにおいて変更されること、および上記比較手段が、上記レジスタ手段の変更タイミングにおいて変更後の設定値と上記カウンタ手段の計数値とを比較することによって、さらに、
発生させるパルスの周波数を高くなるように設定値を変更した場合であって、上記パルス発生手段の変更したいタイミングを含むパルスのパルス幅が変更後の周波数に対応するパルス幅より長いときは、上記パルス発生手段の変更したいタイミングを含むパルスを直ちに反転すること、
ことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係るパルス発生装置の一実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、この発明に係るパルス発生装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【0026】
図1において、このパルス発生装置は、分周比設定用レジスタ(Reg)10、比較器(Cmp)20、アップカウンタ(Cnt)30、フリップフロップ(F/F)40を具備して構成される。
【0027】
ここで、分周比設定用レジスタ10は、このパルス発生装置から発生されるパルスの周波数に対応した設定値Aを保持するもので、このパルス発生装置から発生されるパルスの周波数の変更の際には、この分周比設定用レジスタ10に該変更に係る周波数に対応する新たな設定値Aが書込まれ、分周比設定用レジスタ10に保持されている設定値Aはこの新たな設定値Aで更新される。
【0028】
また、アップカウンタ30には、所定の周波数のクロックCLKが加えられており、このアップカウンタ30は、該クロックCLKをアップカウントし、その計数値Bを出力する。
【0029】
比較器20は、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aとアップカウンタ30から出力されるアップカウンタ30の計数値Bとを比較する。
【0030】
そして、上記比較により、アップカウンタ30の計数値Bが分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aに達すると、すなわち、比較器20の比較において、A≦Bが成立すると、出力aを出力する。
【0031】
この比較器20から出力される出力aは、アップカウンタ30のゼロクリア端子に加えられ、これによりアップカウンタ30の計数値Bはゼロにゼロクリアされる。
【0032】
すなわち、アップカウンタ30は、初期値をゼロとして、クロックCLKをアップカウントし、その計数値Bが、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aに達すると、その初期値ゼロにゼロクリアされ、再びこの初期値からクロックCLKをアップカウントし、その動作を繰り返す。
【0033】
また、この比較器20から出力される出力aは、フリップフロップ40に加えられる。
【0034】
フリップフロップ40は、この比較器20から出力される出力aに同期してその出力を反転し、制御パルスbを出力する。
【0035】
なお、上記構成において、分周比設定用レジスタ10に書込まれる設定値Aは、クロックCLKの周期をt、このパルス発生装置から発生される所望のパルスの周期をTとするとき、T/2tで算出される値である。すなわち、設定値はパルス発生装置から発生される所望のパルスの周期をクロックパルスの周期で除した値であるが、ここで用いるアップカウンタ30はクロックパルスを2ずつカウントするカウンタであるため、2で割ってT/2tが設定値としてある。
【0036】
次に、図1に示したパルス発生装置の発生パルス周波数の変更動作を図2乃至図5を参照して説明する。
【0037】
図2は、図1に示したパルス発生装置において、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aを周波数が低くなる値に変更した場合の動作を説明するタイミングチャートである。
【0038】
図2において、(a)は、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aを示す。この図2においては、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aが、矢印で示されるタイミングPにおいて、値C(A)から値N(A)(ここで、C(A)<N(A)である)に変更された場合を示している。
【0039】
また、図2の(b )は、この場合の、アップカウンタ30計数値Bを示し、図2の(c)は、比較器20から出力される出力aを示し、図2の(d)は、フリップフロップ40から出力される制御パルスbを示している。
【0040】
この場合、タイミングPの前において、アップカウンタ30は、初期値をゼロとして、クロックCLKをアップカウントし、その計数値Bが、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値C(A)に達すると、その初期値ゼロにゼロクリアし、再びこの初期値からクロックCLKをアップカウントし、その動作を繰り返している。
【0041】
すなわち、アップカウンタ30の計数値Bが値C(A)に達する毎に、比較器20から出力aが出力され、フリップフロップ40から出力される制御パルスbの周波数は、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値C(A)に対応して制御されている。
【0042】
タイミングPにおいて、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aが、値C(A)から値N(A)に更新されたとすると、アップカウンタ30計数値Bが値C(A)に達しても、比較器20における比較でA≦Bは成立せず、アップカウンタ30計数値Bが値N(A)に達したタイミングで、比較器20における比較でA≦Bが成立し、このタイミングで比較器20から出力aが出力され、アップカウンタ30の計数値Bがゼロクリアされ、フリップフロップ40から出力される制御パルスbが反転される。
【0043】
したがって、図1に示したパルス発生装置から出力されるパルスのパルス幅は長くなり、その周波数は、タイミングPにおいて、値C(A)に対応する周波数から値N(A)に対応する低い周波数に変更されたことになる。
【0044】
図3は、図1に示したパルス発生装置において、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aを周波数が高くなる値に変更し、かつ、この変更タイミングにおいて変更後の設定値がそのときのアップカウンタ30の計数値Bより小さい場合の動作を説明するタイミングチャートである。
【0045】
図3において、(a)は、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aを示す。この図3においては、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aが、矢印で示されるタイミングPにおいて、値C(A)から値N(A)(ここで、C(A)>N(A)である)に変更され、かつ、このタイミングPにおいて、変更後の設定値N(A)がそのときのアップカウンタ30の計数値C(B)より小さい場合、すなわちN(A)≦C(B)の場合を示している。
【0046】
また、図3の(b)は、この場合の、アップカウンタ30計数値Bを示し、図3の(c)は、比較器20から出力される出力aを示し、図3の(d)は、フリップフロップ40から出力される制御パルスbを示している。
【0047】
この場合においても、タイミングPの前において、アップカウンタ30は、初期値をゼロとして、クロックCLKをアップカウントし、その計数値Bが、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値C(A)に達すると、その初期値ゼロにゼロクリアし、再びこの初期値からクロックCLKをアップカウントし、その動作を繰り返している。
【0048】
すなわち、アップカウンタ30の計数値Bが値C(A)に達する毎に、比較器20から出力aが出力され、フリップフロップ40から出力される制御パルスbの周波数は、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値C(A)に対応して制御されている。
【0049】
タイミングPにおいて、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aが、値C(A)から値N(A)に更新されたとすると、このときのアップカウンタ30の計数値C(B)は、分周比設定用レジスタ10の更新後の設定値N(A)より大きくなるので、直ちに比較器20における比較でA≦Bが成立し、このタイミングPで比較器20から出力aが出力され、アップカウンタ30の計数値Bがゼロクリアされ、フリップフロップ40から出力される制御パルスbが反転される。
【0050】
したがって、図1に示したパルス発生装置から出力されるパルスのパルス幅は短くなり、その周波数は、タイミングPにおいて、値C(A)に対応する周波数から値N(A)に対応する高い周波数に変更されたことになる。
【0051】
図4は、図1に示したパルス発生装置において、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aを周波数が高くなる値に変更し、かつ、この変更タイミングにおいて変更後の設定値がそのときのアップカウンタ30の計数値Bより大きい場合の動作を説明するタイミングチャートである。
【0052】
図4において、(a)は、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aを示す。この図4においては、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aが、矢印で示されるタイミングPにおいて、値C(A)から値N(A)(ここで、C(A)>N(A)である)に変更され、かつ、このタイミングPにおいて、変更後の設定値N(A)がそのときのアップカウンタ30の計数値C(B)より大きい場合、すなわちN(A)>C(B)の場合を示している。
【0053】
また、図4の(b )は、この場合の、アップカウンタ30計数値Bを示し、図4の(c)は、比較器20から出力される出力aを示し、図4の(d)は、フリップフロップ40から出力される制御パルスbを示している。
【0054】
この場合においても、タイミングPの前において、アップカウンタ30は、初期値をゼロとして、クロックCLKをアップカウントし、その計数値Bが、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値C(A)に達すると、その初期値ゼロにゼロクリアし、再びこの初期値からクロックCLKをアップカウントし、その動作を繰り返している。
【0055】
すなわち、アップカウンタ30の計数値Bが値C(A)に達する毎に、比較器20から出力aが出力され、フリップフロップ40から出力される制御パルスbの周波数は、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値C(A)に対応して制御されている。
【0056】
タイミングPにおいて、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aが、値C(A)から値N(A)に更新されたとすると、このときのアップカウンタ30の計数値C(B)は、分周比設定用レジスタ10の更新後の設定値N(A)より小さいので、アップカウンタ30はクロックCLKのアップカウントを続け、アップカウンタ30の計数値Bが分周比設定用レジスタ10の更新後の設定値N(A)に達したタイミングで、比較器20における比較でA≦Bが成立し、このタイミングで比較器20から出力aが出力され、アップカウンタ30の計数値Bがゼロクリアされ、フリップフロップ40から出力される制御パルスbが反転される。
【0057】
したがって、この場合も、図1に示したパルス発生装置から出力されるパルスのパルス幅は短くなり、その周波数は、タイミングPにおいて、値C(A)に対応する周波数から値N(A)に対応する高い周波数に変更されたことになる。
【0058】
図5は、図1に示したパルス発生装置において、その発生パルスの周波数の変更がない場合とある場合の出力波形を示すタイミングチャートである。
【0059】
図5において、(a)は、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aが変更されず図1に示したパルス発生装置の発生パルスの周波数に変更がない場合の出力波形を示す。
【0060】
また、図5の(b)は、矢印のタイミングでその発生パルスの周波数が低くなるように変更された場合、すなわち図2に示した場合の出力波形を示す。
【0061】
この場合、矢印で示す周波数変更タイミングを含むパルスのパルス幅は、変更後のパルスのパルス幅と同一になる。
【0062】
また、図5の(c)は、矢印のタイミングでその発生パルスの周波数が高くなるように変更され、かつ、このときのアップカウンタ30の計数値Bが分周比設定用レジスタ10の設定値Aより大きい場合、すなわち図3に示した場合の出力波形を示す。
【0063】
この場合、矢印で示す周波数変更タイミングの直前のパルスのパルス幅tcは、変更後のパルスのパルス幅tbより長くなる場合もあるが、変更前のパルスのパルス幅taより長くはならない。
【0064】
また、図5の(d)は、矢印のタイミングでその発生パルスの周波数が高くなるように変更され、かつ、このときのアップカウンタ30の計数値Bが分周比設定用レジスタ10の設定値Aより小さい場合、すなわち図4に示した場合の出力波形を示す。
【0065】
この場合、矢印で示す周波数変更タイミングを含むパルスのパルス幅tdは、変更後のパルスのパルス幅tbと同一になり、変更前のパルスのパルス幅taより長くなったり、変更後のパルスのパルス幅tbより小さくなったりしない。
【0066】
このように、この実施の形態のパルス発生装置によれば、分周比設定用レジスタ10に保持された設定値Aを更新するタイミングでその出力パルスの周波数を変更できるので、制御系に適用した場合でも、制御系のレスポンスを速くすることができ、また、変更時のパルス幅が充分大きな幅を得ることができるので、パルス伝達も正確に行うことができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、発生されるパルスの周波数の変更タイミングで該変更される周波数に対応する設定値が書込まれるレジスタ手段と、所定周波数のクロックパルスをアップカウントするカウンタ手段と、上記レジスタ手段に書込まれた設定値と上記カウンタ手段の計数値とを比較する比較手段と、上記比較手段の比較により上記カウンタ手段の計数値が上記レジスタ手段に書込まれた設定値に達したタイミングで上記カウンタ手段の計数値を初期値にクリアするクリア手段と、上記比較手段の比較により上記カウンタ手段の計数値が上記レジスタ手段に書込まれた設定値に達したタイミングで反転するパルスを発生するパルス発生手段と、を具備して構成したので、以下に示す効果を奏する。
【0068】
1)位置、速度制御系に適用した場合、所望のタイミングで時間遅れなくパルスの周波数の変更ができるので、制御系のレスポンスを早くすることができる。2)オープン制御系に適用した場合、周波数の変更時のパルス幅が充分であるため、パルス伝達が正確な制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るパルス発生装置の一実施の形態を示すブロック図。
【図2】図1に示したパルス発生装置において、分周比設定用レジスタに保持された設定値を周波数が低くなる値に変更した場合の動作を説明するタイミングチャート。
【図3】図1に示したパルス発生装置において、分周比設定用レジスタに保持された設定値を周波数が高くなる値に変更し、かつ、この変更タイミングにおいて変更後の設定値がそのときのアップカウンタの計数値より小さい場合の動作を説明するタイミングチャート。
【図4】図1に示したパルス発生装置において、分周比設定用レジスタに保持された設定値を周波数が高くなる値に変更し、かつ、この変更タイミングにおいて変更後の設定値がそのときのアップカウンタの計数値より大きい場合の動作を説明するタイミングチャート。
【図5】図1に示したパルス発生装置において、その発生パルスの周波数の変更がない場合とある場合の出力波形を示すタイミングチャート。
【図6】従来のパルス発生装置の一例を示すブロック図。
【図7】従来のパルス発生装置の他の例を示すブロック図。
【図8】図6および図7に示した従来のパルス発生装置の動作を説明する図。
【図9】パルス発生装置を採用して構成したPLCシステムの一例を示したブロック図。
【符号の説明】
1 分周比設定用レジスタ
2 ダウンカウンタ
3 フリップフロップ
4 オア回路
10 分周比設定用レジスタ
20 比較器
30 アップカウンタ
40 フリップフロップ
Claims (2)
- 所望の周波数に対応する設定値が書込まれるレジスタ手段と、
所定周波数のクロックパルスをアップカウントして計数値を出力するカウンタ手段と、
上記レジスタ手段の設定値と上記カウンタ手段の計数値とを比較し、上記計数値が上記設定値に達したタイミングで比較結果を出力する比較手段と、
上記比較手段の比較結果の出力に同期してパルスを反転して出力することにより、上記所望の周波数に対応するパルス幅のパルスを発生するパルス発生手段と、
からなり、
上記レジスタ手段の設定値が、変更したいタイミングにおいて変更されること、および上記比較手段が、上記レジスタ手段の変更タイミングにおいて変更後の設定値と上記カウンタ手段の計数値とを比較することによって、
発生させるパルスの周波数を低くなるように設定値を変更した場合、上記パルス発生手段の変更したいタイミングを含むパルスのパルス幅を、変更後の周波数に対応するパルス幅と同一とし、かつ、
発生させるパルスの周波数を高くなるように設定値を変更した場合であって、上記パルス発生手段の変更したいタイミングを含むパルスの開始から変更したいタイミングまでの時間が、変更後の周波数に対応するパルス幅より短いときは、上記パルス発生手段の変更したいタイミングを含むパルスのパルス幅を、変更後の周波数に対応するパルス幅と同一とする、
ことを特徴とするパルス発生装置。 - 請求項1のパルス発生装置において、
上記レジスタ手段の設定値が、変更したいタイミングにおいて変更されること、および上記比較手段が、上記レジスタ手段の変更タイミングにおいて変更後の設定値と上記カウンタ手段の計数値とを比較することによって、さらに、
発生させるパルスの周波数を高くなるように設定値を変更した場合であって、上記パルス発生手段の変更したいタイミングを含むパルスのパルス幅が変更後の周波数に対応するパルス幅より長いときは、上記パルス発生手段の変更したいタイミングを含むパルスを直ちに反転すること、
ことを特徴とするパルス発生装置。
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1997
- 1997-09-30 JP JP26556797A patent/JP3555726B2/ja not_active Expired - Fee Related
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