JP3554045B2 - 補助記憶装置の記録内容復元装置および記録復元装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、パーソナルコンピュータなどに備えられたハードディスクの記録内容を復元するハードディスク復元装置に関するものである。
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ等の普及に伴い、様々な利用者がパーソナルコンピュータを利用するようになってきている。これに伴って、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアを予めハードディスク装置にインストールした状態で出荷するプレインストールモデルのパーソナルコンピュータが、広く市販されるようになっている。
【0003】
このようなプレインストールモデルのパーソナルコンピュータを利用する場合には、利用者は、ソフトウェアのインストールという煩わしい作業を行う必要がないため、コンピュータに関する知識が少ない利用者でも、購入後、直ぐに使うことができる。
【0004】
このようにして、パーソナルコンピュータの利用者のすそ野が広がる一方で、利用者の不注意などによってハードディスク装置の記録内容が破壊されるといった事故が多発するようになっており、このような事故に利用者が簡単に対応できるようにする技法が要望されている。
【0005】
【従来の技術】
図6に、ハードディスク装置の記録内容の構成例を示す。
図6に示すように、ハードディスク装置の記録媒体は、N個のブロックから構成されており、第1ブロックにはイニシャルプログラムロード(IPL)が格納されている。また、上述したN個のブロックは、例えば、図6に示すように、m個の区画に振り分けられており、これらのm個の区画をそれぞれ独立した記録媒体として扱えるようになっている。これらのm個の区画の区切りに関する区画情報は、第2ブロックに記録されており、第3ブロックには、ハードディスクユニットに関するデバイス情報が記録されている。このデバイス情報としては、ユニットの最大論理ブロック数およびブロック長が記録されている。
【0006】
したがって、ハードディスク装置の記録内容を復元するためには、上述したm個の区画のそれぞれの内容をその位置を含めて復元するとともに、第1〜第3ブロックに記録されたIPLや区画情報を復元する必要がある。
【0007】
また、図7に、従来のファイル制御部の構成例を示す。
図7において、ハードディスク装置401,402は、それぞれディスク駆動部403,404を介してファイル制御部410に接続されており、このファイル制御部410のブロックアクセス処理部4111 ,4112 が、ファイルアクセス処理部4121 ,4122 からの指示に応じて、それぞれ対応するディスク駆動部403,404によるブロック単位のアクセス動作を制御する構成となっている。
【0008】
また、ファイル制御部410のセクタライト処理部413は、CD−ROMライタ405に対応して設けられたファイル書込処理部414からの指示に応じて、CD−ROMライタ405によるセクタ単位の書き込み動作を制御する構成となっており、セクタリード処理部415は、CD−ROMリーダ406に対応して設けられたファイル読出処理部416からの指示に応じて、CD−ROMリーダ406によるセクタ単位の読み出し動作を制御する構成となっている。
【0009】
また、ファイル制御部410には、ファイル転送処理部417が設けられており、通常は、利用者やアプリケーションソフトウェアからの指示を受け付けるコマンド処理部418からの指示に応じて、上述したファイルアクセス処理部4121 ,4122 ,ファイル書込処理部414およびファイル読出処理部416を介して、ハードディスク装置やCD−ROMドライブといった補助記憶装置相互間での情報の授受をファイル単位で実現する構成となっている。
【0010】
このような従来のファイル制御部410において、上述したファイル転送処理部417やファイルアクセス処理部4121 ,4122 ,ファイル書込処理部414およびファイル読出処理部416の機能は、オペレーティングシステムによって提供されており、一方、ブロックアクセス処理部4111 ,4112 やセクタライト処理部413,セクタリード処理部415の機能は、BIOS(Basic I/O System)又はデバイスドライバによって提供されている。
【0011】
また、図7において、ブロック転送処理部419は、利用者からの指示に応じて、上述したブロックアクセス処理部4111 ,4112 によるブロック毎のアクセス動作を制御して、指定されたハードディスク装置の記録内容全体あるいは指定した区画全体の記録内容を読みだし、そのまま複写先として指定されたハードディスク装置の記録媒体に転送して書き込むことにより、ハードディスク装置401,402間でブロック単位の複写を実現している。
【0012】
このブロック転送処理部419の機能は、ハードディスク装置同士であれば、ブロックのサイズや記録方式といったハードウェアの条件が同一であることを利用したものであり、保守作業用のユーティリティソフトウェアによって提供されている。
【0013】
従来は、ハードディスク装置の記録内容が破壊された際には、利用者がメーカーのサービス店舗にハードディスク装置を持ち込んで、上述したユーティリティソフトウェアを利用して、サービス店舗に備えられたハードディスク装置の全てのブロックの記録内容を順次に複写することにより、ハードディスク装置の記録内容を復元していた。
【0014】
また、パーソナルコンピュータに添付されたフロッピーディスクから、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアを再びインストールすることも可能ではある。
【0015】
この場合は、利用者が、起動させているオペレーティングシステムごとに、そのオペレーティングシステムで提供されている複写コマンドを利用して、フロッピーディスクのアプリケーションソフトウェアなどをファイル単位でハードディスクに複写することにより、ハードディスク装置の記録内容を再構築していけばよい。
【0016】
但し、オペレーティングシステムが提供する複写コマンドは、そのコマンドが動作しているオペレーティングシステムが管理しているファイルのみを複写元の対象としているから、例えば、MS−DOSの複写コマンドでは、OS−2のファイルを複写することはできない。また、各々のファイルを複写する際に、ファイルのディレクトリの階層構造などを再構築していく必要がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、利用者がハードディスク装置をメーカーのサービス店舗に持ち込む場合は、復元作業はメーカー側の保守作業者が行うので、利用者がファイルシステムなど人する詳細な知識を持っている必要がない。しかし、ハードディスク装置をサービス店舗に持ち込むことは、利用者にとって大きな負担となっていた。
【0018】
一方、利用者が、ソフトウェアが記録されたフロッピーディスクなどからハードディスク装置の記録内容を再構築する場合には、ハードディスク装置を運搬する必要はない。しかし、利用者自身が、ハードディスク装置やファイルシステムなどに関して詳細な知識を持っている必要がある。
【0019】
また一方、出荷時の記録内容を保存したバックアップのハードディスク装置が利用者の手元にあれば、上述したユーティリティソフトウェアを利用して、利用者自身が自宅などでハードディスク装置の記録内容の復元を行うことが可能ではある。
【0020】
しかしながら、この場合は、通常利用するハードディスク装置のほかに、バックアップのためだけにもう1台のハードディスク装置を持っている必要があり、コストが大幅に上昇してしまう上に、資源の無駄である。
【0021】
本発明は、復元作業に利用する補助記憶装置の種類にかかわらず、利用者が簡単に補助記憶装置の記録内容を復元することが可能な補助記憶装置の記録内容復元装置および復元作業に利用する記憶装置の種類にかかわらず、利用者が簡単に記憶装置の記録内容を復元することが可能な記録復元装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
図1に、請求項1の発明にかかわる補助記憶装置の記録内容復元装置の原理ブロック図である。
【0023】
請求項1の発明は、第1の補助記憶装置101の記録内容を復元する補助記憶装置の記録内容復元システムにおいて、補助記憶装置101の特定の記録位置に記録された情報を保持する区画情報ファイルと少なくとも1つの区画に対応し、該区画に属するすべての情報を保持する少なくとも1つの区画ファイルとを備えた第2の補助記憶装置111と、復元指示の入力に応じて、第2の補助記憶装置111から区画情報ファイルを読み出して、その内容を第1の補助記憶装置101の特定の位置に記録する区画情報復元手段112と、区画情報復元手段112から区画情報ファイルの内容として得られる区画情報を用いて、第2の補助記憶装置111から少なくとも1つの区画ファイルを読み出し、その内容を区画情報で示された補助記憶装置101の記録位置に記録する区画復元手段113とを備えたことを特徴とする。
【0024】
更に、請求項1に記載の補助記憶装置の記録内容復元装置において、第1の補助記憶装置101と同一のデータ記録方式が適用されており、第1の補助記憶装置101に復元されるべき区画情報および少なくとも1つの区画の内容を記録している第3の補助記憶装置121と、第1の補助記憶装置101と同一のデータ記録方式が適用されており、第1の補助記憶装置101に復元されるべき記録内容と同等以上の記憶容量を有する第4の補助記憶装置122と、第3の補助記憶装置121の特定の記録位置から区画情報を読み出して、この区画情報を含む区画情報ファイルを作成し、第4の補助記憶装置122に格納する区画情報ファイル作成手段123と、区画情報ファイル作成手段123によって読み出された区画情報に基づいて、第3の補助記憶装置121の少なくとも1つの区画の内容をそれぞれ読み出して、各区画の内容を含む少なくとも1つの区画ファイルを作成し、第4の補助記憶装置122に格納する区画ファイル作成手段124と、第4の補助記憶装置122に格納された区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルを第2の補助記憶装置111にそれぞれ転送して記録する第1のファイル転送手段125とを備えて構成することもできる。
【0025】
請求項2の発明は、請求項1に記載の補助記憶装置の記録内容復元装置において、第2の補助記憶装置111に保持された区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルの内容は、第1の補助記憶装置101に復元すべき区画情報および少なくとも1つの区画の内容を所定の方法でそれぞれ圧縮したものであり、区画情報復元手段112は、第2の補助記憶装置111から読み出した区画情報ファイルの内容を所定の方法で伸長して圧縮前の区画情報を再現する第1の伸長手段131を備えた構成であり、区画復元手段113は、第2の補助記憶装置111から読み出した区画ファイルの内容を所定の方法で伸長して圧縮前の区画の内容を再現する第2の伸長手段132を備えた構成であることを特徴とする。
【0026】
更に、請求項2に記載の補助記憶装置の記録内容復元装置において、第1の補助記憶装置101と同一のデータ記録方式が適用されており、第1の補助記憶装置101に復元されるべき区画情報および少なくとも1つの区画の内容を記録している第3の補助記憶装置121と、第1の補助記憶装置101と同一のデータ記録方式が適用されており、第1の補助記憶装置101に復元されるべき記録内容と同等以上の記憶容量を有する第4の補助記憶装置122と、第3の補助記憶装置121の特定の記録位置から区画情報を読み出して、この区画情報を含む区画情報ファイルを作成し、第4の補助記憶装置122に格納する区画情報ファイル作成手段123と、区画情報作成手段123によって読み出された区画情報に基づいて、第3の補助記憶装置121の少なくとも1つの区画の内容をそれぞれ読み出して、各区画の内容を含む少なくとも1つの区画ファイルを作成し、第4の補助記憶装置122に格納する区画ファイル作成手段124と、第4の補助記憶装置122に格納された区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルを読み出して、その内容を所定の圧縮方法を用いてそれぞれ圧縮する圧縮手段141と、区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルに対応して、圧縮手段141で得られた圧縮結果をそれぞれ区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルとして、第2の補助記憶装置111にそれぞれ転送して記録する第2のファイル転送手段142とを備えて構成することもできる。
【0027】
請求項3の発明は、請求項1に記載の補助記憶装置の記録内容復元装置において、第2の補助記憶装置111は、CD−ROMを記録媒体として利用する構成であることを特徴とする。
【0028】
請求項4の発明は、複数のファイルを格納するための区画であって区画を1又は複数格納する為の第1の記憶装置と、第1の記憶装置の特定の位置に記録すべき情報を保持する区画情報ファイルと、少なくとも1つの区画に対応し、それぞれの区画に属するすべてのファイルを記録した区画ファイルとを備えた第2の記憶装置と、第2の記憶装置から区画情報ファイルを読み出して、その内容を第1の記憶装置の特定の位置に記憶する区画情報復元手段と、復元指示の入力に応じて、区画情報ファイルの内容として得られる区画情報を用いて、第2の記憶装置から少なくとも1つの区画ファイルを読み出し、その内容を区画情報で示された位置に記録する区画復元手段とを有することを特徴とする。
【0030】
【作用】
請求項1の発明は、第2の補助記憶装置111に保存された区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルに基づいて、区画情報復元手段112および区画復元手段113が、第1の補助記憶装置101の特定の記録位置に区画情報を復元するとともに、この区画情報で示される少なくとも1つの区画のそれぞれの記録内容を復元するものである。
【0031】
ここで、区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルのそれぞれは、ハードウェアに依存しない論理的な情報単位であるから、区画情報ファイルおよび各区画ファイルに保持された情報の第1の補助記憶装置における記録位置に関係なく、第2の補助記憶装置111のいかなる記録位置にも保存することができる。その一方、これらのファイルにおいては、第1の補助記憶装置101における記録単位の連続性を保持した状態で情報が連鎖している。したがって、区画情報復元手段112が、第2の補助記憶装置111から読み出した区画情報ファイルの内容を第1の補助記憶装置101の特定の記録位置に書き込むことにより、区画情報をその位置を含めて復元することができ、また、区画復元手段113が、この区画情報に基づいて、各区画ファイルの内容を該当する記録位置から順次に書き込むことにより、それぞれの区画をその位置を含めて完全に復元することができる。
【0032】
更に、第3の補助記憶装置121と第4の補助記憶装置122とを備えた構成では、第3の補助記憶装置121と第4の補助記憶装置122とは同一のデータ記録形式に従っているから、区画情報ファイル作成手段123および区画ファイル作成手段124は、ハードウェアの共通性を利用して、第3の補助記憶装置121の記録内容から区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルを作成することができる。また、この第4の補助記憶装置122に作成された区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルは、ハードウェアに依存しない論理的な情報単位であるから、第1のファイル転送手段125は、ハードウェアの違いを意識することなく、第4の補助記憶装置122から第2の補助記憶装置111に区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルを転送することができる。
【0033】
請求項2の発明は、第2の補助記憶装置111の区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルに区画情報および少なくとも1つの区画の記録内容をそれぞれ保存しておき、復元処理の際に、第1の伸長手段131および第2の伸長手段132によって伸長処理をそれぞれ施すことにより、第1の補助記憶装置101よりも記憶容量の少ない第2の記憶装置111を利用して、第1の補助記憶装置101の記録内容を復元することが可能となる。
【0034】
また、第3の補助記憶装置121と第4の補助記憶装置122とを備えた構成では、ハードウェアに依存しない論理的な情報単位として、区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルが形成されているから、圧縮手段141および第2のファイル転送手段142は、ハードウェアの違いを意識することなく、それぞれ圧縮処理および転送処理を行うことができる。
【0035】
請求項3の発明は、第2の補助記憶装置111の記録媒体としてCD−ROMを利用することにより、CD−ROMの携帯性や記録の不可逆性を利用することができる。
【0036】
請求項4の発明は、第2の記憶装置に備えられた区画情報ファイルの内容を区画情報復元手段が第1の記憶装置の特定の位置に記録し、区画復元手段が、少なくとも1つの区画ファイルの内容を区画情報で示される位置に記録することにより、第1の記憶装置の記録内容を復元することができる。
【0038】
【実施例】
本発明の実施形態の説明に先立って、補助記憶装置の記録内容を別の補助記憶装置に複写するための装置の原理構成について説明する 。
図1に示した補助記憶装置の記録内容複写装置は、それぞれ独立なファイル編成を有する少なくとも1つの区画を備える記録媒体であって、少なくとも1つの区画の記録媒体における位置に関する区画情報を記録媒体の特定の位置に記録する記憶装置と、記録媒体を複写する為の補助記憶装置と、記憶装置から区画情報を読み出し、情報を含む区画情報ファイルを作成し、補助記憶装置に格納する手段と、複写元の区画の内容を読み出して、区画毎に区画全ての情報を含む1つのファイルを作成し、補助記憶装置に格納する手段を有する。
このような構成の補助記憶装置の記録内容複写装置は、記憶装置から区画情報を読み出して区画情報ファイルを作成し、この区画情報ファイルを補助記憶装置に記録するとともに、記憶装置の各区画の内容を読み出してそれぞれ1つの区画ファイルを作成し、これらの区画ファイルを補助記憶装置に記録することにより、記憶装置の記録内容を完全に補助記憶装置に複写することができる。
このようにして、補助記憶装置の記憶内容を複写して作成された区画情報ファイル及び区画ファイルは、ハードウェアに依存しない論理的な情報単位であるから、補助記憶装置の種類に関わらず、他の補助記憶装置に対し完全に、短時間に複写することが出来る。
以下、図面に基づいて本発明の実施例について、ハードディスク装置の記録内容をCD−ROMを利用して復元する場合を例として詳細に説明する。
【0039】
図3に、本発明を適用したハードディスク装置の記録内容復元システムを実現するファイル制御部を備えたコンピュータシステムの実施例構成図を示す。
図3において、本発明のファイル制御部210は、図7に示したファイル制御部410に、区画ファイル保存処理部211と区画ファイル復元処理部212とコマンド検出部213およびコマンド判定部214を付加した構成となっている。
【0040】
また、ハードディスク装置(HD)401は第3の補助記憶装置121に相当するものであり、ソフトウェアのインストール済となっており、ハードディスク装置(HD)402は第4の補助記憶装置122に相当するものであり、ハードディスク装置401の全ての記録内容を記録するために十分な容量を持っている。一方、ハードディスク装置(HD)201は復元対象となる第1の補助記憶装置101であり、ハードディスク装置401と同じ容量を持ち、上述したハードディスク装置401,402と同様に、ディスク駆動部202を介してファイル制御部210に接続されており、その記録内容はイニシャライズされている。また、CD−ROM203は第2の補助記憶装置111に相当するものであり、初期状態においては、その記録内容はイニシャライズされている。
【0041】
図3に示したファイル制御部210において、コマンド検出部213は、利用者が入力した指示を入力制御部(図示せず)を介して受け取り、所定の複写コマンドを検出したときに、該当する複写コマンドをコマンド判定部214に送出す構成となっている。なお、このコマンド検出部213は、入力された他のコマンドをコマンド処理部418に送出し、このコマンド処理部418による通常のファイル制御用のコマンドの処理に供する構成となっている。
【0042】
また、コマンド判定部214は、上述したコマンド検出部213から受け取った複写コマンドで複写元として指定された補助記憶装置の種類に応じて、区画ファイル保存処理部211あるいは区画ファイル復元処理部212を起動する構成となっている。
【0043】
このコマンド判定部214は、複写元として上述したハードディスク装置401が指定された場合には、ハードディスク装置の記録内容の保存が指示されたと判定して区画ファイル保存処理部211を起動し、一方、CD−ROM203が指定された場合には、ハードディスク装置の記録内容の復元が指示されたと判定して区画ファイル復元処理部212を起動すればよい。
【0044】
この区画ファイル保存処理部211と区画ファイル復元処理部212とは、後述するようにして、上述したファイル制御部410の各部をそれぞれ制御して、ハードディスク装置401の記録内容を複数の区画ファイルに分けてCD−ROM203に記録する処理とこのCD−ROM203に記録された複数の区画ファイルからハードディスク装置401の記録内容を再生してハードディスク装置201に復元する処理を行う構成となっている。
【0045】
図4に、本発明を適用したファイル制御部210の動作を表す流れ図を示す。ステップ301において、利用者あるいはアプリケーションプログラムから補助記憶装置に対するファイル制御用のコマンドが入力されると、まず、コマンド検出部213により、入力されたコマンドが所定の複写コマンドであるか否かが判定される(ステップ302)。
【0046】
このステップ302における否定判定の場合は、上述した入力コマンドは、コマンド検出部213を介してコマンド処理部418に入力され、このコマンド処理部418が、入力コマンドに応じて、ファイルアクセス処理部4121 ,4122 ,ファイル書込処理部414,ファイル読出処理部416およびファイル転送処理部417を制御することにより、通常のファイル制御処理が実行される(ステップ303)。
【0047】
一方、上述したステップ302の肯定判定の場合は、コマンド判定部214により、入力された複写コマンドで指定された複写元の補助記憶装置の種類に基づいて、記録内容の保存が指示されたのか否かを判定する(ステップ304)。
【0048】
複写元の補助記憶装置として、ハードディスク装置401が指定されていた場合は、上述したステップ304の肯定判定となり、この判定結果に応じて、区画ファイル保存処理部211が動作を開始する。
【0049】
区画ファイル保存処理部211は、まず、ハードディスク装置402に対応するファイルアクセス処理部4122 を介して、区画情報ファイルとして例えば3ブロック分のファイルをオープンする(ステップ305)。
【0050】
次に、区画ファイル保存処理部211は、ブロック転送処理部419を介して、ハードディスク装置401の区画情報を含む領域(例えば、第1ブロックから第3ブロックまでの領域)に記録された情報をハードディスク装置402にオープンした区画情報ファイルに転送し(ステップ306)、その後、ファイルアクセス処理部4122 を介して、この区画情報ファイルをクローズする(ステップ307)。
【0051】
このように、区画ファイル保存処理部211が、ファイルアクセス処理部4122およびブロック転送処理部419との動作を制御することにより、図1に示した区画情報ファイル作成手段123の機能を実現することができる。
【0052】
また、このとき、区画ファイル保存処理部211は、ハードディスク装置401の区画情報をブロック転送処理部419から受け取り、自身の内部に備えた区画情報保持部215に保持しておき、以降は、この区画情報に基づいて、ハードディスク装置401の各区画の記録内容をそれぞれ1つの区画ファイルとしてハードディスク装置402に保存する。
【0053】
ここで、上述した区画情報は、ハードディスク装置401の各区画の開始位置およびその区画に含まれるブロック数に関する情報を含んでいるから、この区画情報に基づいて、区画ファイル保存処理部211は、各区画の記録内容を保存するために必要なファイルの大きさを知ることができる。
【0054】
まず、区画ファイル保存処理部211は、区画情報保持部215を参照することにより、i番目の区画の開始位置Pi とブロック数ni とを得て(ステップ308)、ファイルアクセス処理部4122 を介して、このブロック数ni に対応する容量を持つ区画ファイルをハードディスク装置402にオープンする(ステップ309)。
【0055】
次に、区画ファイル保存処理部211は、ブロック転送処理部419にi番目の区画の開始位置Pi とブロック数ni とを通知して転送処理を指示することにより、このブロック転送処理部419を介して、ハードディスク装置401の該当する区画に含まれる全てのブロックの記録内容をステップ309でオープンしたハードディスク装置402の区画ファイルに順次に転送し(ステップ310)、その後、ファイルアクセス処理部4122 を介して、この区画ファイルをクローズする(ステップ311)。
【0056】
このようにして、区画ファイル保存処理部211が、ファイルアクセス処理部4122およびブロック転送処理部419を介して、ブロックアクセス処理部4111 ,4112 の動作を制御することにより、図1に示した区画ファイル作成手段124の機能を実現し、ハードディスク装置401のi番目の区画に含まれる全てのブロックの記録内容を、ハードディスク装置402の対応する区画ファイルに複写することができる。
【0057】
このとき、ファイルアクセス処理部4122 により、i番目の区画ファイルは、現在動作中のオペレーティングシステム(例えば、MS−DOS)のファイルとしてオープン/クローズされるが、この区画ファイルに記録される情報は、BIOS又はデバイスドライバによって提供されているブロックアクセス処理部4111 ,4112 の機能を利用して転送されている。したがって、ハードディスク装置401のi番目の区画が、現在動作中のオペレーティングシステムで管理している区画であるか否かにかかわらず、この区画の記録内容を対応する区画ファイルに複写することができる。つまり、MS−DOSを動作させた状態で上述した複写コマンドを実行すれば、ハードディスク装置401のOS2のファイルからなる区画に対応する区画ファイルもMS−DOSのファイルとして保存されるのである。
【0058】
その後、ステップ312において、第1区画から最終の第m区画までの全ての区画に対応する区画ファイルを作成したか否かを判定し、否定判定に応じてステップ308に戻って、次の区画を対象として上述した区画ファイルの作成処理を繰り返せば、ハードディスク装置401の全ての区画の記録内容をハードディスク装置402の対応する区画ファイルに保存することができる。
【0059】
なお、区画ファイル保存処理部211が、上述したステップ305〜ステップ312の処理を行うことにより、上述した補助記憶装置の記録内容複写装置を構成する各手段の機能が実現されている。即ち、この区画ファイル保存処理部211が、ブロック転送部418およびブロックアクセス処理部411を介してハードディスク装置401,402の動作を制御することで、上述した補助記憶装置の記録内容複写装置を実現することが出来、ハードディスク装置401の記録内容をハードディスク装置402に完全に複写することが可能となる。
【0060】
このようにして、ハードディスク装置401のすべての区画に対応する区画ファイルの作成が終了したときに、ステップ312の肯定判定となり、区画ファイル保存処理部211は、ファイル転送処理部417を介して、ハードディスク装置402の区画情報ファイルおよびすべての区画ファイルを順次にCD−ROM203に複写して(ステップ313)、処理を終了すればよい。
【0061】
ここで、上述したようにして作成した区画情報ファイルおよび区画ファイルのそれぞれは、現在動作中のオペレーティングシステムが提供するファイルシステムを利用して管理することができる。すなわち、区画ファイル保存処理部211からの指示に応じて、ファイル転送処理部417が、通常のファイル転送手順に従って、ファイルアクセス処理部4122 を介してブロックアクセス処理部4112 およびディスク駆動部404の動作を制御するとともに、ファイル書込処理部414を介して、セクタライト処理部413およびCD−ROMライタ405の動作を制御することにより、第1のファイル転送手段125の機能を実現し、ハードディスク装置402に保存された区画情報ファイルおよび区画ファイルをCD−ROM203に複写することができる。
【0062】
また、一方、上述したステップ301で入力された複写コマンドの複写元としてこのCD−ROM203が指定されていた場合は、上述したステップ304における否定判定となり、これに応じて、区画ファイル復元処理部212が動作を開始する。
【0063】
この区画ファイル復元処理部212は、ファイル読出処理部416を介してセクタリード処理部415およびCD−ROMリーダ407の動作を制御して、まず、CD−ROM203に格納されている区画情報ファイルを読み出して(ステップ314)、自身の内部に設けた区画情報保持部216に上述した区画情報ファイルに含まれているハードディスク装置401の区画情報を保持する。
【0064】
次に、区画ファイル復元処理部212は、ハードディスク装置201に対応するブロックアクセス処理部4113 に上述した区画情報ファイルの内容を直接に送出し、このブロックアクセス処理部4113 を介してディスク駆動部202の動作を制御することにより、ハードディスク装置201の記録媒体の第1ブロックから第3ブロックに、上述した区画情報ファイルの内容を順次に書き込む(ステップ315)。
【0065】
これにより、ハードディスク装置201の第1ブロックから第3ブロックに、ハードディスク装置401の第1ブロックから第3ブロックの記録内容を再現することができる。すなわち、区画ファイル復元処理部212が上述したステップ314およびステップ315で述べた各部の制御処理を実行することにより、図1に示した区画情報復元手段112の機能を実現することができる。
【0066】
上述したようにして、ハードディスク装置201の区画情報を再現した後に、区画ファイル復元処理部212は、上述した区画情報保持部216に保持した区画情報に基づいて、各区画の再現処理を順次に行う。
【0067】
まず、区画ファイル復元処理部212は、区画情報保持部216を参照してi番目の区画の開始位置を示すブロック番号Pi およびブロック数ni を得る(ステップ316)。
【0068】
次に、ファイル読出処理部416を介してCD−ROM203からi番目の区画に対応する区画ファイルを読み出して(ステップ317)、その内容をブロックアクセス処理部4113 に送出し、書き込み開始位置として上述した開始位置Pi を指定することにより、このブロックアクセス処理部4113 を介して上述した区画ファイルの内容をハードディスク装置201に書き込む(ステップ318)。
【0069】
これにより、ハードディスク装置201の第Piブロックから始まるni 個のブロックからなる記録領域に、ハードディスク装置401のi番目の区画の記録内容を再現することができる。すなわち、区画ファイル復元処理部212が上述したステップ316およびステップ318で述べた各部の制御処理を実行することにより、図1に示した区画復元手段113の機能を実現することができる。
【0070】
その後、ステップ319において、第1区画から最終の第m区画までの全ての区画に対応する区画を復元したか否かを判定し、否定判定に応じてステップ316に戻って、次の区画ファイルから該当する区画の復元する処理を繰り返せば、ハードディスク装置401の全ての区画の記録内容をハードディスク装置201に再現することができる。
【0071】
このようにして、CD−ROM203に保存された全ての区画ファイルに対応した復元処理が終了したときに、ステップ319の肯定判定となり、区画ファイル復元処理部212は、ハードディスク装置201のすべての区画の復元が終了したと判断して、処理を終了すればよい。
【0072】
ここで、例えば、上述した区画情報ファイルの内容は、ハードディスク装置401の第1ブロックから第3ブロックの記録内容そのものであり、ハードディスク装置401におけるデータ記録の特徴をも含む完全な複写となっている。このハードディスク装置401とハードディスク装置201とは同一の規格に従ってアクセスできる同種の補助記憶装置であるから、上述した区画情報ファイルの内容をそのままブロックアクセス処理部2113 に送出し、直接的にハードディスク装置201の記録領域に書き込むことができる。
【0073】
つまり、上述したようにして、復元対象の補助記憶装置と同種の補助記憶装置(すなわち、ハードディスク装置)を媒介にして区画情報ファイルおよび区画ファイルを作成する構成としたことにより、区画情報ファイルおよび区画ファイルを保存しておく記録媒体の種類にかかわらず、区画情報ファイルおよび区画ファイルの内容をそのまま復元対象の補助記憶装置に適合したデータとして扱うことが可能となる。
【0074】
したがって、この場合は、CD−ROM203に格納されたファイルを読み出すためのファイル読出処理部416およびハードディスク装置201の記録媒体の指定したブロックにデータを書き込むためのブロックアクセス処理部4113 といった既存のソフトウェア資源で提供される機能をそのまま利用して、上述した区画情報復元手段112および区画復元手段113の機能を実現することができる。
【0075】
また、区画情報ファイルおよび区画ファイルの記録媒体としてCD−ROMを利用する場合は、CD−ROMが不可逆的な記録媒体であり、また、携帯に便利でしかも大量に複製することが可能であることから様々な利点が得られる。
【0076】
例えば、図3に示したパーソナルコンピュータシステムを利用して、ソフトウェアが既にインストールされたハードディスク装置の区画情報および各区画に対応する区画情報ファイルおよび区画ファイルをCD−ROM203に記録し、このCD−ROM203を大量に複製して、パーソナルコンピュータにCD−ROM203の複製(以下、CD−ROM208と称する)を添付して販売することができる。
【0077】
この場合は、パーソナルコンピュータの販売後に、そのパーソナルコンピュータに備えられたハードディスク装置の記録内容が誤って消去されてしまったときは、利用者は、上述した所定の複写コマンドを実行可能なオペレーティングシステムを何らかの方法で起動し、上述したCD−ROM208を複写元としてこの複写コマンドを入力すればよい。
【0078】
これに応じて、区画ファイル復元処理部212が動作し、上述した復元処理を実行することにより、このCD−ROM208に記録された区画情報ファイルおよび区画ファイルに基づいて、ハードディスク装置の記録内容を出荷時の状態に復元することができる。
【0079】
ここで、CD−ROMは、不可逆的な記録媒体であるから、通常の状態ではこのCD−ROM208に記録された情報が消去されることはないから、このようなバックアップ情報の保存に適している。更に、CD−ROMの記憶容量は数百メガバイトであり、通常のパーソナルコンピュータに備えられたハードディスク装置の記憶内容を保存するために十分な容量を持っている。
【0080】
したがって、本発明によれば、販売時に1枚のCD−ROM208を添付することにより、利用者は、必要なときに、簡単かつ確実にハードディスク装置の復元を行うことができる。また、利用者からの要求に応じて、CD−ROM208を配達するといった応用も考えられる。
【0081】
また、区画情報ファイルおよび区画ファイルをそれぞれ圧縮してCD−ROM203に記録し、復元処理の際に伸長すれば、通常のCD−ROMの記憶容量よりも大きな容量を持つ補助記憶装置の復元にも適用することができる。
【0082】
例えば、図5に示すように、図3に示したファイル制御部210に、圧縮処理部221とファイル保持部222とを付加し、区画ファイル保存処理部211が、ハードディスク装置402に保存した区画情報ファイルおよび区画ファイルをこの圧縮処理部221およびファイル保持部222を介してCD−ROM203に転送する構成とすればよい。
【0083】
この場合に、区画ファイル保存処理部211は、ファイルアクセス処理部4122 を介して、区画情報ファイルおよびm個の区画ファイルを順次に読み出して圧縮処理部221に送出し、各ファイルに対応する圧縮結果が得られる毎に、その圧縮結果をファイル保持部222にいったん保持し、このファイル保持部222の内容をファイル転送処理部417の機能を使って、CD−ROM203に書き込めばよい。
【0084】
このようにして、図2に示した圧縮手段141および第2のファイル転送手段142の機能を実現し、ハードディスク装置401の区画情報およびm個の区画の記録内容に対応する区画情報ファイルおよびm個の区画ファイルをそれぞれ圧縮して、CD−ROM203に記録することができる。
【0085】
なお、圧縮処理部221で使用する圧縮方式としては、ランレングス法やLZ(Ziv−Lempel) 法,ハフマン法などのような通常のファイル圧縮方式を使用すればよい。
【0086】
また、図5において、区画ファイル復元処理部212は、上述した圧縮処理部221による圧縮処理に適合する伸長処理を行う伸長処理部223を備えて構成されている。
【0087】
この場合に、区画ファイル復元処理部212は、まず、ファイル読出処理部416を介して圧縮された区画情報ファイルを読み出して、その内容を伸長処理部223に入力することにより区画情報を再生し、得られた区画情報をブロックアクセス処理部4113 に送出するとともに、この区画情報を区画情報保持部216に保持し、m個の区画の記録内容の復元処理に供する。
【0088】
次に、区画ファイル復元処理部212は、ファイル読出処理部416を介して圧縮されたm個の区画ファイルを順次に読み出して、その内容を伸長処理部223に入力し、再生された各区画の記録内容をブロックアクセス処理部4113 に送出すればよい。
【0089】
このようにして圧縮された区画情報ファイルおよびm個の区画ファイルの情報に、上述した伸長処理部223による伸長処理を施すことにより、図2に示した第1の伸長手段131および第2の伸長手段132の機能を実現し、元の区画情報およびm個の区画それぞれの記録内容を再生することができる。
【0090】
このように、区画情報ファイルおよび区画ファイルを圧縮してCD−ROM203に記録する場合は、ハードディスク装置401の記憶容量がCD−ROM203の容量を上回っている場合においても、一枚のCD−ROM203にその記録内容に関する情報を保存し、必要に応じて復元することが可能である。
【0091】
これにより、通常のハードディスク装置を遙かに上回る容量を持つ大容量の補助記憶装置のバックアップシステムとしても、本発明のシステムを適用することが可能となる。
【0092】
また、ミニディスクは、CD−ROMよりも容量が小さい記録媒体であるが、上述した区画ファイルの圧縮技法を適用すれば、ハードディスク装置の記録内容をこのミニディスクの容量程度の大きさに圧縮することが可能であるから、ミニディスクを圧縮された区画情報ファイルおよび区画ファイルを格納する記録媒体として利用して、ハードディスク装置の記録内容の復元を行うことも可能である。もちろん、ハードディスク装置401の容量がミニディスクの記録容量よりも小さい場合は、ミニディスクを区画情報ファイルおよび区画ファイルを格納する記録媒体として利用することができる。
【0093】
ここで、ミニディスクを記録媒体として利用した場合には、ミニディスク用のドライブをパーソナルコンピュータに備える必要があり、また、ミニディスクは可逆的な記録媒体であることから、不慮の事故などによって記録内容が破壊される可能性がある。
【0094】
しかし、ミニディスクなどの可逆的な記録媒体を利用した場合は、利用者がパーソナルコンピュータの購入後に、ハードディスク装置の記録内容の保存を行うことができ、任意の時点でのバックアップを保存しておくことができる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1及び請求項4の発明は、異なる種類の補助記憶装置にファイルとして保存された区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルに基づいて、復元対象となる補助記憶装置の記録内容を復元することができるから、プレインストールモデルのパーソナルコンピュータに備えられたハードディスク装置などの記録内容が不慮の事故などで破壊された場合に、出荷時の記録内容を簡単かつ正確に復元することが可能である。これにより、このような事故が発生した場合の利用者の作業負担を大幅に軽減し、利用者に対するサービス性を向上することができる。
【0096】
更に、復元対象の補助記憶装置と同種の2台の補助記憶装置を利用して区画情報ファイルおよび区画ファイルを作成する場合は、同種の補助記憶装置間のハードウェアの共通性を利用することができるから、既存のソフトウェアで提供される機能を組み合わせて必要な機能を実現することが可能であり、ソフトウェア資源の有効利用を図ることができる。
【0097】
また、請求項2の発明は、それぞれ圧縮された区画情報ファイルおよび複数の区画ファイルの内容を伸長してから復元対象の補助記憶装置に書き込むことにより、復元対象の補助記憶装置に備えられた記録媒体よりも記憶容量の少ない記録媒体を備えた異なる種類の補助記憶装置を利用して、復元対象の補助記憶装置の記録内容を復元することができる。
【0098】
また、復元対象の補助記憶装置と同種の2台の補助記憶装置を利用して区画情報ファイルおよび区画ファイルを作成する場合は、区画情報ファイルおよび区画ファイルがハードウェアに依存しない論理的な情報単位であることを利用して、これらのファイルを圧縮し、第2の補助記憶装置に転送することができるから、通常のファイル圧縮手法を利用して、区画情報および各区画の記録内容の圧縮を行うことができる。
【0099】
更に、請求項3で述べたように、不可逆的な記録媒体であるCD−ROMを区画情報ファイルおよび複数の区画ファイルの記録媒体とすれば、これらのファイルが不慮の事故などで破壊されることを確実に防止できるから、ハードディスク装置などにおいて出荷時の記録内容を復元する用途に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1にかかわる補助記憶装置の記録内容復元装置の原理ブロック図である。
【図2】請求項2にかかわる補助記憶装置の記録内容復元装置の原理ブロック図である。
【図3】本発明にかかわる補助記憶装置の記録内容復元装置の実施形態を示す図である。
【図4】ファイル制御部の動作を表す流れ図である。
【図5】本発明にかかわる補助記憶装置の記録内容復元装置の別実施形態を示す図である。
【図6】ハードディスク装置の記録内容の構成例を示す図である。
【図7】従来のファイル制御部の構成例を示す図である。
Claims (4)
- 第1の補助記憶装置の記録内容を復元する補助記憶装置の記録内容復元装置において、
補助記憶装置の特定の記録位置に記録された情報であって、前記補助記憶装置の記憶領域に形成された少なくとも一つの区画の記録位置に関する情報を含む区画情報を保持する区画情報ファイルと、前記少なくとも1つの区画に対応し、該区画に属するすべての情報を保持する少なくとも1つの区画ファイルとを備えた第2の補助記憶装置と、
復元指示の入力に応じて、前記第2の補助記憶装置から前記区画情報ファイルを読み出して、その内容を前記第1の補助記憶装置の前記特定の位置に記録する区画情報復元手段と、
前記区画情報復元手段から前記区画情報ファイルの内容として得られる区画情報を用いて、前記第2の補助記憶装置から前記少なくとも1つの区画ファイルを読み出し、その内容を前記区画情報で示された前記第1の補助記憶装置の記録位置に記録する区画復元手段と
を備えたことを特徴とする補助記憶装置の記録内容復元装置。 - 請求項1に記載の補助記憶装置の記録内容復元装置において、
第2の補助記憶装置に保持された区画情報ファイルおよび少なくとも1つの区画ファイルの内容は、第1の補助記憶装置に復元すべき区画情報および少なくとも1つの区画の内容を所定の方法でそれぞれ圧縮したものであり、
前記区画情報復元手段は、前記第2の補助記憶装置から読み出した区画情報ファイルの内容を所定の方法で伸長して圧縮前の区画情報を再現する第1の伸長手段を備えた構成であり、
前記区画復元手段は、前記第2の補助記憶装置から読み出した区画ファイルの内容を前記所定の方法で伸長して圧縮前の区画の内容を再現する第2の伸長手段を備えた構成である
ことを特徴とする補助記憶装置の記録内容復元装置。 - 請求項1に記載の補助記憶装置の記録内容復元装置において、
第2の補助記憶装置は、CD−ROMを記録媒体として利用する構成である
ことを特徴とする補助記憶装置の記録内容復元装置。 - 複数のファイルを格納するための区画であって前記区画を1又は複数格納する為の第1の記憶装置と、
前記第1の記憶装置の特定の位置に記録すべき情報であって、前記1又は複数の区画の記録位置に関する情報を含む区画情報を保持する区画情報ファイルと、前記少なくとも1つの区画に対応し、それぞれの区画に属するすべてのファイルを記録した区画ファイルとを備えた第2の記憶装置と、
前記第2の記憶装置から前記区画情報ファイルを読み出して、その内容を前記第1の記憶装置の前記特定の位置に記憶する区画情報復元手段と、
復元指示の入力に応じて、前記区画情報ファイルの内容として得られる区画情報を用いて、前記第2の記憶装置から前記少なくとも1つの区画ファイルを読み出し、その内容を前記区画情報で示された位置に記録する区画復元手段とを有することを特徴とする記録復元装置。
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