JP3552820B2 - ポリアリレートの製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアリレートの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジニアリングプラスチックスとしてポリアリレートは、その高い機械的特性、良好な成形性に加え、溶融重合法をはじめとする各種重合法で重合でき、様々な優れた特性(耐熱性、難燃性、耐衝撃性、曲げ回復性、紫外線バリヤー性、耐薬品性、電気的性質など)を発現することから、多くの工業分野において幅広く用いられている。
このポリアリレートの製造法としては、芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩とジカルボン酸ジクロリドとの界面重縮合法、芳香族ジヒドロキシ化合物の二酢酸塩とジカルボン酸の脱酢酸重縮合(溶融法)やジカルボン酸のジフェニルエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との脱フェノール重縮合(溶融法)等の方法が知られている。
【0003】
しかしながら、界面重縮合法では塩化メチレンなどの溶媒を多量に使用し、また反応により生成する塩の洗浄・除去を行わなければならず、溶媒などの不純物がポリマー中に残留するという問題がある。
また溶融重縮合法では、高温で反応を行うため、漏れ込み酸素などの影響により着色したり、重合末期にポリマーの溶融粘度が極めて高くなり、水やモノカルボン酸類やフェノール類などの反応副生物を効率よく系外に抜き出すことが困難となるため、所望の分子量まで高めるための重縮合反応を短時間で完結することが難しい等の問題がある。これらの問題を解決するため、短時間で重縮合を完結するための方法が種々
提案されている。
【0004】
従来、ポリアリレートを製造するに当たっては、種々の重合器が考案されている。撹拌機を備えた槽型の重合器を用いる方法は、一般に広く知られている。しかしながら、撹拌槽型の重合器は容積効率が高く、シンプルであるという利点を有する一方、小スケールでは効率的に重合を進められるものの、工業的規模で用いた場合、上述したように重合の進行と共に副生するモノカルボン酸類やフェノール類を効率的に系外に抜き出す事が困難となり、重合度を上げにくくなるという問題を有している。
すなわち、大スケールの撹拌槽型の重合器は、通常、蒸発面積に対する液容量の比率が小スケールの場合に比べて大きくなり、いわゆる液深が大きな状態となる。この場合、重合度を高めていくために真空度を高めていっても、撹拌槽の下部は差圧により実質上高い圧力で重合される事になり、モノカルボン酸類やフェノール類は効率的に抜けにくくなるのである。
【0005】
この問題を解決するため、高粘度状態のポリマーからモノカルボン酸やフェノール等を抜き出すための工夫が種々なされており、例えばドイツ予備出願特許2232877号明細書ではぬぐい膜式反応器が、特開昭57−149327号公報ではぬぐい膜式反応器と5個の排気口を有する2軸スクリュー水平押し出し機との組み合わせを用いて連続的に重合を行う方法などが開示されている。撹拌槽型も含め、これらの重合器が共通して有する欠点は、重合器本体に回転駆動部分があり、高真空下で重合が実施される場合には、この駆動部分を完全にシールする事ができないため微量の酸素の漏れ込みを防止できず、製品の着色が避けられない事であった。酸素の漏れ込みを防ぐ為にシール液を使用する場合には、シール液の混入が避けられず、やはり製品品質の低下は避けられなかった。また、運転当初のシール性が高い場合でも、長時間運転を続ける間にシール性は低下するなど、メンテナンス上の問題も深刻であった。
【0006】
ところで、本体に回転駆動部分を有せず、多孔板から落下させながら重合させる方式については、ポリアリレート以外の樹脂を対象として知られている。例えば米国特許第3110547号明細書では、ポリエチレンテレフタレート類を真空中へ糸条に落下させて、所望の分子量のポリエチレンテレフタレート類を製造する方法が開示されている。該明細書では、落下させた糸を再び循環させるとポリエチレンテレフタレートの品質を低下させるため、循環させずにワンパスで重合を完了させている。しかしながら、この様な方法に関しては、多くの欠点が指摘されており、必ずしも好ましい方法とは言えない。例えば特公昭48−8355号公報には、紡糸口金から真空中に紡糸しながら重縮合する方法に関し次の記載がある。繊維形成能が充分大きいものを供給しないと反応器中で重合中の糸条が切断し易く、重縮合物の品質変動が激しくなる事、糸条から飛散する低分子量の縮合物が口金面を汚染し、糸条が口金から真下に射出する事が困難となり、接触して切れたり集束して太い繊維状に流下して反応を妨害する事、監視窓がくもり易く、監視が困難となり、そのため口金の交換時期を失し易い事等が記載されている。なお、該公報では、反応容器内に垂直に配置した多孔質物体に沿ってポリマーを流下させながら重合させる方法が好ましいことがポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類とポリアミド類を対象に記載されているが、ポリアリレートについては全く記載されていない。
【0007】
また、重合ではないが重合生成物に残存するモノマーを除去する方法として、ラクタム重合成生物を多孔板から糸条に落下せしめる方法が米国特許第2719776号明細書に記載されている。しかしながら、この方法にも多くの欠点が指摘されている。例えば、特開昭53−17569号公報では、米国特許第2719776号明細書の方法について、揮発分の蒸発が少ない場合は糸条物を形成させる事ができても、蒸発が多い場合は、糸条物が発泡するようになり、順調な運転は難しい事、糸条物を形成させるためには比較的狭い範囲の特定の粘度を有する物質にしか適用できない事、系内に不活性ガス等を導入する場合、気流の乱れによって近隣の糸条物同士が接触集合する等の不都合がある事等が記載されている。なお、特開昭53−17569号公報では、これらの不都合を解決するために、縦方向に線状支持体をもうけ、これに沿わせて高粘度物を流下させる方法を、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートの様なポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66の様なポリアミド類を対象に提案しているが、ポリアリレートについては記載されていない。
【0008】
また、特公平4−14127号公報ではポリエチレンテレフタレートの連続重縮合法について記載されているが、落下させながら重縮合を行う二つの方法、すなわち、紡糸口金から紡糸する方法、スリットから膜状にして押し出しながら重合させる方法のいずれもが重縮合を進行させ難い事が記載され、スリット状供給口から少なくとも2本のワイヤ間に薄膜状に保持して、縦方向にワンパスで移動させることにより連続重縮合させる方法が提案されている。該公報においてももちろん、ポリアリレートに関しては全く記載されていない。
以上述べたように、多孔板から落下させながら重合させる方式は、ポリエチレンテレフタレート類やポリアミド類を対象としては知られているもののポリアリレートでは全く知られていない。また、ポリエチレンテレフタレート類やポリアミド類の場合、多孔板から落下させながら重合させる方式は、孔の閉塞や最終製品の着色など多くの欠点が指摘されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、溶融重縮合法によりポリアリレートプレポリマーからポリアリレートを製造するに際し、高真空下でのシール性に優れ、かつメンテナンスも容易な装置で、長期間安定に、着色のない高品質のポリアリレートを高い重合速度で製造する方法を提供する事を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を進めた結果、特定の製造法を使って重合を行う事によりその目的を達成できる事を見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0011】
(1) 下記化学式(1)に示す、芳香族エステルの基本構造を有するポリアリレートプレポリマーを、溶融状態で多孔板から自由に落下させながら重合させ、落下させた重合体の一部または全部を循環させて該多孔板から再び自由に落下させながら重合させる事を特徴とするポリアリレートの製造法。
【化3】
Figure 0003552820
(式中、Arは2価の芳香族基を表す。Ar1 、Ar2 は2価の炭素環式または複素環式芳香族基を表す。iは1以上の整数、jは0以上の整数を表し、それぞれ独立の値をとることができる。また、各基本構造ごとに、i、jは異なる値であってもよい。)
【0012】
(2) 下記化学式(1)に示す、芳香族エステルの基本構造を有するポリアリレートプレポリマーを、連続的に供給し、溶融状態で多孔板から自由に落下させながら重合させ、落下させた重合体の一部を循環させて上記多孔板から再び自由に落下させながら重合させ、ポリアリレートを連続的に抜き出す事を特徴とするポリアリレートの製造法。
【化4】
Figure 0003552820
(式中、Arは2価の芳香族基を表す。Ar1 、Ar2 は2価の炭素環式または複素環式芳香族基を表す。iは1以上の整数、jは0以上の整数を表し、それぞれ独立の値をとることができる。また、各基本構造ごとに、i、jは異なる値であってもよい。)
【0013】
(3) ポリアリレートプレポリマーの数平均分子量が、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で400〜30000の範囲である(1)または(2)に記載のポリアリレートの製造法。
(4) 多孔板から自由に落下させる高さが、0.3m以上である(1)、(2)または(3)に記載のポリアリレートの製造法。
【0014】
前記したように、本体に回転駆動部分を有しないタイプの重合器は、ポリアリレート以外の樹脂を重合するための重合器としては種々知られているが、ポリアリレートの溶融重縮合反応は、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類やポリアミド類の溶融重縮合反応とは大きく異なるので、ポリアミドやポリエステルの製造のための高粘度用の重合器をポリアリレートの製造法に適用することは難しい。
ポリアミド、ポリエステルとポリアリレートの大きな相違は次の通りである。第一に、溶融重縮合の重合器設計において重要な因子となる溶融粘度がポリアリレートの場合極端に高い。すなわち、ポリアミド、ポリエステルにおける重合後期の溶融粘度が重合温度条件下で通常数百から数千ポイズであり、3000ポイズを越えることはほとんどないのに対し、ポリアリレートの重合後期の溶融粘度は数万ポイズにまで達する。第二に、ポリアミド、ポリエステル、ポリアリレートの溶融重縮合はいずれも平衡反応であるが、平衡定数がそれぞれ大きく異なっている。通常、ポリアミドの平衡定数が102 オーダー、ポリエステルの平衡定数が約1であるのに対し、ポリアリレートの平衡定数は10-1オーダーであり、同じ重縮合反応であってもポリアリレートの場合平衡定数が極めて小さい。平衡定数が小さいという事は、副生成分を系外により効率的に抜かないと重合が進行しなくなる事を意味する。したがって、ポリアリレートの反応は、ポリエステルやポリアミドの反応よりはるかに効率的に副生成分を系外に抜き出す必要があり、溶融粘度が高いポリアリレートではこのことは極めて困難である。
【0015】
ところが、本発明によれば驚くべき事に、従来のポリエステルやポリアミド類の紡糸等落下させながら重合する方法の問題点を全く生じさせずにポリアリレートを重合できる事が明らかとなった。すなわち、糸条の切断による品質のばらつきは全くないので、高品質のポリアリレートが安定に製造できる。その上、低分子量の縮合物による口金の汚染も全く生じないため、糸条が真下に射出するのを阻害することもなく、口金の交換等のための運転停止をする事もない。したがって、非常に長期間安定に運転する事ができる。
ポリアリレートの反応における現象と、ポリエステルやポリアミドの反応における現象とのこれらの明かな相違の理由については明確ではない。ただし、口金の汚染が全く起こらない事については、おそらく、ポリアリレートの反応においては副生するフェノール類により低分子量の縮合物が効果的に洗浄され、水や、エチレングリコール等を副生するポリアミドやポリエステルの反応とは根本的に異なるためではないかと推察されるが、かかる効果はポリエステルやポリアミドの重合反応からは全く予見され得ないものであった。
【0016】
つまり、本発明の、多孔板から自由に落下させながら重合させる方法は、重合器の気相部に回転駆動部を持つ必要がなく、高真空下でのシール性に優れており、メンテナンスも容易であり、しかも無色透明の高品質なポリアリレートを製造できることが明らかになった。すなわち、本発明の製造法を用いる事によって、従来ポリアリレートの溶融重縮合を行う際に生じた、先に述べた如き問題点は全て解決できるのである。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のポリアリレートプレポリマーは、通常、下記化学式(1)に示す基本構造からなっている。
【0017】
【化5】
Figure 0003552820
(式中、Arは2価の芳香族基を表す。Ar1 およびAr2 は、2価の炭素環式または複素環式芳香族基を表す。iは1以上の整数、jは0以上の整数を表し、それぞれ独立の値を取ることができる。また、各基本構造ごとに、i、jは異なる値であってもよい。)
本発明のポリアリレートプレポリマーにおいて、Arは単一種類のものからなるものであってもよいし、2種類以上のものからなるものであってもよい。
【0018】
芳香族基Arは、好ましくは例えば、次式で表されるものである。
−Ar3−Y−Ar4
(式中、Ar3 およびAr4 は、各々独立にそれぞれ炭素数5〜70を有する2価の炭素環式または複素環式芳香族基を表し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルカン基を表す。)
2価の芳香族基Ar3 、Ar4 において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであってもよい。
【0019】
複素環式芳香族基の好ましい具体例としては、1ないし複数の環形成窒素原子、酸素原子または硫黄原子を有する芳香族基を挙げる事ができる。2価の芳香族基Ar3 、Ar4 は、例えば、置換または非置換のフェニレン、置換または非置換のビフェニレン、置換または非置換のピリジレンなどの基を表す。ここでの置換基は前述のとおりである。
2価のアルカン基Yは、例えば、下記化学式(2)で示される有機基である。
【0020】
【化6】
Figure 0003552820
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は、各々独立に水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素数6〜10の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜11の整数を表し、R5 およびR6 は、各Xについて個々に選択され、お互いに独立に、水素または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素を表す。また、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 において、一つ以上の水素原子が反応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えばハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されたものであってもよい。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記化学式(3)で示されるものが挙げられる。
【0021】
【化7】
Figure 0003552820
(式中、R7 、R8 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基またはフェニル基であって、mおよびnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R7 はそれぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4の場合には各R8 はそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。)
【0022】
さらに、2価の芳香族基Arは、次式で示されるものであってもよい。
−Ar3 −Z−Ar4
(式中、Ar3 ,Ar4 は前述の通りで、Zは単結合、または−O−、−CO−、−S−、−SO2 −、−SO−、−COO−、−CON(R1 )−などの2価の基を表す。ただし、R1 は前述のとおりである。)
このような2価の芳香族基としては、例えば、下記化学式(4)で示されるものが挙げられる。
【0023】
【化8】
Figure 0003552820
(式中、R7 、R8 、mおよびnは、前述のとおりである。)
さらに、2価の芳香族基Arの具体例としては、置換または非置換のフェニレン、置換または非置換のナフチレン、置換または非置換のピリジレン等が挙げられる。置換基としては、反応に悪影響を及ぼさない、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などが挙げられる。
本発明のポリアリレートプレポリマーにおいて特に好ましいのは、ビスフェノールAおよび置換ビスフェノールAの残基である下記化学式(5)で示される基がAr全体の85〜100モル%含んでいる場合である。
【0024】
【化9】
Figure 0003552820
(式中、R7 、R8 、mおよびnは、前述のとおりである。)
【0025】
なお、本発明のプレポリマーは、Ar全体に対して約0.01〜3モル%の範囲内で、3価の芳香族基を含んでいてもよい。
また、前記基本構造におけるAr1 は2価の炭素環式または複素環式芳香族基を表すが、このAr1 において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであってもよい。
2価の芳香族基Ar1 の代表例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基を挙げる事ができる。これらは、上述の1種以上の置換基で置換されたものでもよい。好ましいAr1 としては、例えば、下記化学式(6)などが挙げられる。
【0026】
【化10】
Figure 0003552820
(式中、R9 は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基またはフェニル基であって、pは1〜4の整数で、pが2〜4の場合には各R9はそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。)
【0027】
さらに、前記基本構造におけるAr2 は、2価の炭素環式または複素環式芳香族基を表すが、前記Ar1 と同様1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであってもよい。この芳香族基Ar2は、前記Ar1と同一でもまた異なっていてもよい。
本発明で用いられるポリアリレートプレポリマーは、数平均分子量が通常、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で400〜30000のものである。
【0028】
本発明のポリアリレートプレポリマーの合成法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。。
このような製造法としては、例えば次のような方法が挙げられる。
(i) 芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族ジカルボン酸のジアリールエステルとの溶融重縮合法を用いる方法。
(ii) 芳香族ジヒドロキシ化合物のモノカルボン酸エステルと芳香族ジカルボン酸との溶融重縮合法を用いる方法。
(iii) アルカリおよび分子量調節剤の存在下に、芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族ジカルボン酸クロリドを互いに相溶しない2種類の溶媒を使って、芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族ジカルボン酸クロリドとの界面重縮合法を用いる方法。
(iv) 芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族ジカルボン酸クロリドを有機溶媒中で反応させる溶液重合法を用いる方法。
【0029】
(iii)、(iv)の界面重縮合法および溶液重合法の際、別途分子量調節剤を存在させる事も可能である。
前記(i)、(ii)の方法によって、ポリアリレートプレポリマーを製造した場合には、これらのプレポリマー中には、実質的に塩素化合物を含まないようにすることは容易であり、このようなプレポリマーから得られたポリアリレートは、実質的に塩素化合物を含まない高品質なものとできる。
また、前記(iii)、(iv)の方法のように、芳香族ジカルボン酸クロリド等を使用した場合であっても、本発明に使用するポリアリレートプレポリマーやポリアリレートオリゴマーが、比較的低分子量の時は、塩素化合物を分解除去するのは容易であるので、これらのプレポリマーやオリゴマー中には塩素化合物を実質的に含まない高純度のものにすることができる。したがって、これらの方法を用いても、得られるポリアリレートは、実質的に塩素化合物を含まない高品質なものとすることができる。
【0030】
なお、ポリアリレートプレポリマーの原料として用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物とは、次式で表されるものである。
HO−Ar−OH
(式中、Arは前記の通りである。)
前記(ii)の方法の溶融重縮合法に好適な芳香族ジヒドロキシ化合物のモノカルボン酸エステルとは、該芳香族ジヒドロキシ化合物と炭素数1〜8の酸から誘導された酸無水物とを、通常のエステル化条件下で反応させることにより製造される。その中の代表例としては、酢酸エステル、プロピオン酸エステルなどが挙げられるが、これらに限定され事はない。また、この誘導体は単一種類でも2種類以上を混合して用いてもかまわない。また、本発明の芳香族ジヒドロキシ化合物とそのモノカルボン酸エステルを混合して用いる場合、その混合割合は重縮合反応に支障をきたさない範囲で自由に選択することができる。
また、芳香族ジカルボン酸とは、下記化学式(7)で表されるものである。
【0031】
【化11】
Figure 0003552820
(式中、Ar1 は前記の通りである。)
芳香族ジカルボン酸の代表的な例としては、下記化学式(8)で表される置換または非置換のフタル酸類やナルチル酸類を挙げることができる。
【0032】
【化12】
Figure 0003552820
(式中のR10およびR11は、各々独立に水素原子、ハロゲン原始、炭素数1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜10を有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基またはフェニル基を示し、qおよびrは1〜4の整数で、qが2以上の場合には各R10はそれぞれ異なるものであってもよいし、rが2以上の場合には各R11はそれぞれ異なるものであってもよい。)
【0033】
この芳香族ジカルボン酸の中でも、特にフタル酸類が好ましく、例えばテレフタル酸やイソフタル酸が好適に用いられる。
これらの芳香族ジカルボン酸類は単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。特に最終製品ポリマーの非晶性を出すためには、モル分率で10%以上のイソフタル酸を含むテレフタル酸が好適に用いられる。また、本発明に用いられる芳香族ジカルボン酸は、本発明におけるポリアリレートの特性を損なわない範囲で、一部をその他のカルボン酸で置き換えることができる。例えば、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸などの脂環式あるいは脂肪族ジカルボン酸およびこれらのハロゲン化物等が挙げられる。
【0034】
前記(i)の方法の溶融重縮合法に好適なジカルボン酸のジアリールエステルとは、該ジカルボン酸と芳香族モノヒドロキシ化合物とを反応させて得られるジカルボン酸ジエステルである。このとき反応させることのできる芳香族モノヒドロキシ化合物とは、例えばフェノール、o、m、p−クレゾール、2,6−キシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール(オクチル基は各種)などを用いることができる。この中で、通常フェノールが最も好ましい。また、重縮合反応に支障をきたさない範囲で芳香族ジカルボン酸を芳香族ジカルボン酸のジアリールエステルに一部混合して使用しても構わない。
本発明において、第3成分として芳香族基Ar2 を基本構造の中に組み込むことができる。この芳香族基Ar2 を組み込むために、使用することができる原料としてはヒドロキシ芳香族モノカルボン酸およびその誘導体が挙げられる。本発明に用いることができるヒドロキシ芳香族モノカルボン酸とは、下記化学式(9)で表される。
【0035】
【化13】
Figure 0003552820
(式中のR12およびR13は、各々独立に水素原子、ハロゲン原始、炭素数1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜10を有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基またはフェニル基を示し、sおよびtは1〜4の整数で、sが2以上の場合には各R12はそれぞれ異なるものであってもよいし、tが2以上の場合には各R13はそれぞれ異なるものであってもよい。)
【0036】
このようなヒドロキシ芳香族モノカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸や2−ヒドロキシナフタレン−6−カルボン酸などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、該ヒドロキシ芳香族モノカルボン酸は単一種類で用いてもよければ、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明におけるヒドロキシ芳香族モノカルボン酸の誘導体を該ヒドロキシ芳香族モノカルボン酸と混合して使用してもよい。ヒドロキシ芳香族モノカルボン酸とは、ヒドロキシル基を、炭素数1〜8の酸から誘導された酸無水物と、通常のエステル化条件下で反応させることにより製造されたもの、カルボキシル基を前述の芳香族モノヒドロキシ化合物と反応させたもの、およびヒドロキシル基、カルボキシル基ともに前述の方法で反応させたもののことである。この誘導体は、単一種類で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。さらに、本発明のヒドロキシ芳香族モノカルボン酸とその誘導体を混合して用いる場合、その混合割合は重縮合反応に支障をきたさない範囲で自由に選択することができる。
【0037】
本発明でポリアリレートプレポリマーを製造するに当たり、基本構造の構成要素となる原料の(A)成分:芳香族ジヒドロキシ化合物または/およびそのモノカルボン酸エステル、(B)成分:芳香族ジカルボン酸または/およびそのジアリールエステル、(C)成分:ヒドロキシ芳香族モノカルボン酸または/およびその誘導体の各使用割合は、モル比に基づいて次の式を満たすように決めることができる。
つまり、A:B=1:(0.8〜1.2)
および、
(A+B):C=1:(0〜2.5)である。
【0038】
前記(iii)および(iv)の界面重縮合法および溶液重合法において、分子量を調整するのに際し、公知の方法を用いることができる。最も一般的な方法は一価の反応性官能基を有する化合物を一定量加えて重合する方法である。この目的で使用できる化合物として、一価のアルコール類、一価のカルボン酸類およびフェノール類が挙げられる。一価のカルボン酸を用いる場合は、酸ハロゲン化物の形で重合系に加えるのが一般的である。
【0039】
本発明の分子量調節剤として用いられる一価のアルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、1−ブタノール、n−ペンタノール、ネオペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどを挙げることができる。また、一価のカルボン酸類としては、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸などを挙げることができる。更に、フェノール類として、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、2,6−キシレノール、2,6−ジクロロフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、イソオクチルフェノール、p−メトキシフェノール等を挙げることができる。但し、分子量調節剤としてこれらのものに限定されることなく、その他のものも同様に使用することができる。
【0040】
ポリアリレートプレポリマーの末端は、溶融重縮合法では、通常ヒドロキシル基(−OH)やカルボキシル基(−COOH)やメチル基(−CH3 )であり、使用原料の仕込み割合によりそれぞれの割合は任意に決めることができるが、界面重縮合法や溶液重合法と同様、分子量調整剤を使用することにより、様々な末端とすることができる。
本発明の方法で得られるポリアリレートの数平均分子量(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算)は、通常800〜100000の範囲である。本発明では、芳香族エステルの基本構造を有するポリアリレートプレポリマーを、溶融状態で多孔板から自由に落下させながら重合させ、ポリアリレートを製造する。
【0041】
本発明おいて「自由に落下させる」とは、ガイドや壁など落下抵抗となるものに接触させずに落下させる状態を意味する。自由に落下させる際の該芳香族ポリカーボネートプレポリマー溶融物の形状は、フィルム状、糸状、液滴状、霧状等である。自由に落下させる間に、重縮合反応により生成したフェノールなどが抜き出される。
本発明における多孔板において孔の形状に特に制限はなく、通常、円状、長円状、三角形状、スリット状、多角形状、星形状などの形状から選ばれる。孔の断面積は、通常0.01〜100cm2 であり、好ましくは0.05〜10cm2であり、特に好ましくは0.1〜5cm2 の範囲である。孔と孔との間隔は、孔の中心と中心の距離で通常1〜500mmであり、好ましくは5〜100mmである。
【0042】
この多孔板を通じてポリアリレートプレポリマーをを自由に落下させる方法としては、液ヘッドまたは自重で落下させる方法、またはポンプなどを使って加圧にすることにより、多孔板から該プレポリマーを押し出す等の方法が挙げられる。孔の数に特に制限はなく、反応温度や圧力などの条件、触媒の量、重合させる分子量の範囲等によっても異なるが、通常ポリマーを例えば100kg/hr製造する際、10〜105個の孔が必要である。
孔を通過した後、自由に落下させる高さは、好ましくは0.3〜50mであり、さらに好ましくは0.5〜20mである。孔を通過させる流量は、ポリアリレートの分子量によっても異なるが通常、孔1個当たり、10-4〜104 リットル/hr、好ましくは10-2〜102 リットル/hr、特に好ましくは、0.1〜50リットル/hrの範囲である。
【0043】
自由に落下させるのに要する時間に特に制限はないが、通常0.01秒〜10時間の範囲である。
本発明において、自由に落下させた後の重合物は、そのまま液溜部に落下させてもよく、また巻き取り器等で強制的に液溜部に取り込んでもよい。落下させた重合体を循環させて、再び自由に落下させながら重合させるのが好ましい。この場合、自由に落下させた後の液溜部や循環ライン等で重縮合反応に必要な反応時間に応じて滞留時間を長くすることができる。また、自由に落下させながら循環を行うことにより単位時間に形成し得る新規な液表面積が大きく取れるため、所望の分子量まで充分重合を進行させる事が容易となる。
【0044】
本発明の好ましい態様として、ポリアリレートプレポリマーを連続的に供給し、溶融状態で多孔板から自由に落下させながら重合させ、落下させた重合体の一部は循環させて再び自由に落下させながら重合させ、ポリアリレートを連続的に抜き出す方法が挙げられる。この際、多孔板が低縮合物等で汚染されず長期間安定に運転できる事が本発明の大きな利点の一つである。
【0045】
本発明において、ポリアリレートプレポリマーを反応させてポリアリレートを製造するに当たり、反応の温度は、通常50〜350℃、好ましくは100〜330℃の温度の範囲で選ばれる。反応の進行にともなって、芳香族モノヒドロキシ化合物やモノカルボン酸が生成してくるが、これを反応系外へ除去する事によって反応速度が高められる。したがって、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素や低級炭化水素ガスなど反応に悪影響を及ぼさない不活性なガスを導入して、生成してくる該芳香族モノヒドロキシ化合物やモノカルボン酸をこれらのガスに同伴させて除去する方法や、減圧下に反応を行う方法などが好ましく用いられる。
【0046】
好ましい反応圧力は、製造するポリアリレートの分子量によっても異なり、数平均分子量が1000以下の範囲では、50mmHg〜常圧の範囲が好ましく、数平均分子量が1000〜2000の範囲では、3mmHg〜80mmHgの範囲が好ましく、数平均分子量が2000以上の範囲では、10mmHg以下、特に5mmHg以下が好ましい。
特に好ましい方法は、減圧下で、かつ前述した不活性ガスを導入しながら反応を行う方法である。この方法により、気流の乱れによって近隣の糸条物同士が接触集合する等の不都合もなく、効率的に重合度を高める事ができるのである。溶融重縮合反応は、触媒を加えずに実施する事ができるが、重合速度を高めるため、必要に応じて触媒の存在下で行われる。
【0047】
重合触媒としては、この分野で用いられているものであれば特に制限はないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウムなどのホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水素化合物類;リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カルシウムメトキシドなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルコキシド類;リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウムフェノキシド、LiO−Ar−OLi、NaO−Ar−ONa(Arはアリール基)などのアルカリ金属およびアルカリ土類金属のアリーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシドなどの亜鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、(R1 R2 R3 R4)NB(R1R2 R3 R4)または(R1 R2 R3 R4)PB(R1R2 R3 R4)で表されるアンモニウムボレート類またははホスホニウムボレート類(R1、R2、R3、R4は前記化3の説明通り)などのホウ素の化合物類;酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリールケイ素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素などのケイ素の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノキシドなどのゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズカルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリブトキシドなどのアルコキシ基またはアリーロキシ基と結合したスズ化合物、有機スズ化合物などのスズの化合物類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸塩、鉛および有機鉛のアルコキシドまたはアリーロキシドなどの鉛の化合物;第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩などのオニウム化合物類;酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモンの化合物類;酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガンなどのマンガンの化合物類;酸化チタン、チタンのアルコキシドまたはアリーロキシドなどのチタンの化合物類;酢酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムのアルコキシドまたはアリーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトンなどのジルコニウムの化合物類などの触媒を挙げる事ができる。
【0048】
触媒を用いる場合、これらの触媒は1種だけで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの触媒の使用量は、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常10-8〜1重量%、好ましくは10-7〜10-1重量%の範囲で選ばれる。本発明で用いる好ましい重合器の一例を、図に基づき説明する。
【0049】
図1および図2は重合器の具体例である。図1では、ポリアリレートプレポリマーは、原料供給口1より供給され、多孔板3を通って重合器内部に導入されフィルム状、糸状、液滴状、霧状の重合体4になる。重合器内部は、所定の圧力にコントロールされており、重合体から留出した芳香族モノヒドロキシ化合物などや、必要に応じてガス供給口5より導入される窒素等の不活性ガスなどはベント口6より排出される。重合体は、排出ポンプ8により排出口9から排出される。重合器本体10などはヒーターまたはジャケットにより加熱され、かつ保温されている。
【0050】
図2では、ポリアリレートプレポリマーは、原料供給口1より循環ライン2に供給され、多孔板3を通って重合器内部に導入されフィルム状、糸状、液滴状、霧状の重合体4になる。重合器内部は、所定の圧力にコントロールされており、重合体から留出した芳香族モノヒドロキシ化合物などや、必要に応じてガス供給口5より導入される窒素等の不活性ガスなどはベント口6より排出される。フィルム状、糸状、液滴状、霧状で重合器ボトムに達した重合体は循環ポンプ7を備えた循環ライン2を通じて、多孔板3から再び重合器内部に供給される。所定の分子量に達した重合体は、排出ポンプ8により排出口9から排出される。重合器本体10や循環ライン2などはヒーターまたはジャケットにより加熱され、かつ保温されている。
【0051】
図2の重合器をバッチ式に用いる場合には、ポリアリレートプレポリマーを原料供給口1から全て供給した後重合を行い、所定の重合度に達した後排出口9より抜き出される。連続式に用いる場合には、ポリアリレートプレポリマーを原料供給口1から連続的に供給し、重合器内の重合体量を一定に保つようにコントロールしながら、所定の分子量に達したポリマーを排出口9より連続的に抜き出す。
本発明の方法に用いる重合器は、重合器ボトムに撹拌器などを備えることも可能であるが特に必要ではない。したがって、重合器本体での回転駆動部をなくす事が可能であり、高真空下でも良好にシールされた条件で重合させる事が可能である。循環ラインに備えられた循環ポンプの回転駆動部のシール性は、液ヘッドがあるため重合器本体に回転駆動部がある場合に比べ良好である。
【0052】
本発明の方法は、重合器1基で行う事も可能であるが、2基以上で行ってもかまわない。また、1基の重合基を竪型または横型に仕切って、多段の重合器とする事も可能である。本発明において、ポリアリレートプレポリマーからポリアリレートまで分子量を高めていく工程を、全て多孔板から自由に落下させながら重合させる方法で行う事も可能であるが、他の重合方法と組み合わせて行う事も可能である。例えば、自由に落下させながら重合させる方式と、撹拌槽型重合器、薄膜式重合器、スクリュー型重合器、横型撹拌重合器、固相重合基等を使って重合させる方法等を組み合わせてポリアリレートを製造することも可能である。
【0053】
本発明の方法を達成する重合器の材質に特に制限はなく、通常ステンレススチールやニッケル、グラスライニング等から選ばれる。重合器内側面にスケールが付着するのを防止するため、循環するポリマーの一部で重合器内壁面に濡れ壁を形成させるのも本発明の好ましい実施態様の一つである。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例を挙げて説明する。なお、分子量は、東ソー製ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)システムで、プレポリマーおよびポリマーをジクロロメタン0.5%溶液とし、ポリスチレン標準サンプルを使って校正した検量線を元に測定した、ポリスチレン換算の数平均分子量(以下、Mnと略す。)である。カラーは、CIELAB法により試験片厚み3.2mmで測定し、黄色度をb* 値で示した。
【0055】
【参考例1】
(1)ポリアリレートプレポリマーの製造
ビスフェノールA42.1kgとイソフタル酸ジフェニル44.0kg、テレフタル酸ジフェニル14.6kg、KBH4フェノール溶液100cc(KBH40.0922 モル)を、ガス導入口、ガス排出口を備えたグラスライニング製の200リットル重合器に仕込み、200℃まで昇温して溶融し、減圧下で脱気した後、2時間かけて260℃に昇温した。昇温中はN2 を流し、留出フェノールを系外に除去した。その後、N2フローを停止し、段階的に減圧し、2時間後に1mmHg圧に到達するようにした。この間副生してくるフェノールは系外へ連続的に除去した。さらに、1mmHg圧の減圧下で2時間反応させて、数平均分子量が5200のポリアリレートプレポリマーを得た。
【0056】
(2)ポリアリレートの製造
図1に示すような重合器を用いて反応を行った。この重合器は、孔径7.5mmの
孔を50個有する多孔板を備えており、自由に落下させる高さは4mである。この重合器に、(1)で製造したポリアリレートプレポリマーを5リットル/hrで供給しながら、反応温度320℃、反応圧力0.8mmHg、窒素ガス流量2リットル/hrの条件で、反応を行った。その結果、Mn6800の無色透明なポリアリレート(b*値 3.4)が得られた。
【0057】
【実施例1】
(1)ポリアリレートプレポリマーの製造
ビスフェノールA42.0kgとイソフタル酸23.0kg、テレフタル酸7.64kg、酢酸コバルト70.8gおよび無水酢酸20.6kgを、ガス導入口、ガス排出口を備えたグラスライニング製の200リットル重合器に仕込み、撹拌して反応後200℃まで昇温して溶融し、減圧下で脱気した後、2時間かけて270℃に昇温した。昇温中はN2を流し、留出フェノールを系外に除去した。その後、N2フローを停止し、段階的に減圧し、2時間後に1mmHg圧に到達するようにした。この間副生してくる酢酸は系外へ連続的に除去した。さらに、1mmHg圧の減圧下で2時間反応させて、数平均分子量が5000のポリアリレートプレポリマーを得た。
【0058】
(2)ポリアリレートの製造
図2に示すような重合器を用いて反応を行った。この重合器は、孔径7.5mmの孔を50個有する多孔板を備えており、自由に落下させる高さは4mである。この重合器に、本実施例の(1)で製造したポリアリレートプレポリマーを15ットル仕込み、反応温度320℃、反応圧力0.8mmHg、循環流量30リットル/hr、窒素ガス流量1リットル/hrの条件で3時間バッチ反応を行った。その結果、Mn13100の無色透明なポリアリレート(b* 値 3.5)が得られた。
【0059】
【実施例2】
実施例1と同一の装置を用いて、参考例1で製造したのと同様のポリアリレートプレポリマーを15リットルあらかじめ仕込み、この仕込んだものと同様のポリアリレートプレポリマーを4リットル/hrで供給し、液レベルを一定に保ちながら、反応温度320℃、反応圧力0.5mmHg、循環流量30リットル/hr、窒素ガス流量2リットル/hrの条件で、500時間連続で重合反応を行った。結果をまとめて表1に示す。重合終了後、多孔板への低重合物等の付着は全く見られなかった。
【0060】
【実施例3〜6】
実施例2と同様な方法で、重合条件を種々変化させて重合を行った。結果をまとめて、表1に示す。いずれも、重合終了後、多孔板への低重合物等の付着は全く見られなかった。
【0061】
【実施例7〜11】
自由に落下させる高さを0.2m、0.5m、1m、2m、8mに変えた以外は実施例1と全く同様の装置を用いて、実施例4と全て同一の条件で500時間連続で重合反応を行った。結果を表2に示す。いずれの場合も重合終了後、多孔板への低重合物の付着は全く見られなかった。
【0062】
【実施例12】
多孔板が孔径4.4mmの孔を110個有している以外は、実施例1と全く同様の装置を用いて、実施例4と全て同一の条件で重合反応を行った。100時間後、200時間後、300時間後、400時間後および500時間後に、重合器から連続的に抜き出して得られたポリアリレートはいずれも無色透明であり(b*値 3.6)、Mnはそれぞれ20000、20500、20000、20500、20500で安定であった。重合終了後、多孔板への低重合物等の付着は全く見られなかった。
【0063】
【実施例13】
多孔板が幅4mm長さ10mmの長方形型の孔を50個有している以外は、実施例1と全く同様の装置を用いて、実施例4と全て同一の条件で重合反応を行った。100時間後、200時間後、300時間後、400時間後および500時間後に、重合器から連続的に抜き出して得られたポリアリレートはいずれも無色透明であり(b* 値 3.5)、Mnはそれぞれ17000、17300、17100、16800、16800で安定であった。重合終了後、多孔板への低重合物等の付着は全く見られなかった。
【0064】
【実施例14】
(1)ポリアリレートプレポリマーの製造
水酸化ナトリウム31.6kgを水800kgに溶解した水溶液に、ビスフェノールA54.7kg、ハイドロサルファイトナトリウム400g、テトラメチルアンモニウムクロライド215g、p−tert−ブチルフェノール356gを溶解した。それとは別にジクロロメタン400リットルに、テレフタル酸クロリド24.4kg、イソフタル酸クロリド24.4kgを溶解した。これらを混合して乳濁状とし、10〜20℃でかき混ぜながら4時間かけて反応させた。その後、この反応液を水相とポリアリレートプレポリマーを含む有機相とに速やかに分液し、有機相を大量の水で洗浄した後、メタノール中に投下して、ポリマーを析出させ単離した。このプレポリマーを、120℃、16時間かけて真空乾燥し、数平均分子量9000のポリアリレートプレポリマーを得た。また、このプレポリマーの塩素分析(電位差滴定法および原子吸光法)を行ったが、塩素化合物は検出できなかった。
【0065】
(2)ポリアリレートの製造
本実施例(1)で製造したポリアリレートプレポリマーを用いる以外は、実施例6と全く同様にして重合反応を行った結果、500時間後に重合器から抜き出して得られたポリアリレートは無色透明であり(b* 値 3.5)、Mnは8200であった。
【0066】
【比較例1】
多孔板型重合器の代わりに、横型二軸撹拌型重合器を用いて実施例6と全く同様にポリアリレートを製造した。但し、横型二軸撹拌型重合器は、内容積は30リットル、L/D=6で、回転直径140mmの二軸の撹拌羽根を有しており、反応温度250℃、反応圧力0.3mmHg、内容量10リットル、ポリアリレートプレポリマーの供給流量は2リットル/hrの条件とした。この運転条件で500時間連続で重合反応を
行った結果、100時間後、200時間後、300時間後、400時間後および500時間後に、重合器から連続に抜き出して得られたポリアリレートのb* 値はそれぞれ3.8、3.8、3.7、3.9、4.0であり、Mnはそれぞれ11200、11000、11000、11300、11200であった。このときの分子量上昇速度は、実施例7の約1/2であった。
【0067】
【表1】
Figure 0003552820
【0068】
【表2】
Figure 0003552820
【0069】
【発明の効果】
高真空下でのシール性に優れ、メンテナンスも容易な装置で、長期間安定に、リサイクル使用時に着色のない高品質のポリアリレートを高い重合速度で製造する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】重合機の一例を示す模式図である。
【図2】本発明に用いる重合機の一例を示す模式図である。

Claims (4)

  1. 下記化学式(1)に示す、芳香族エステルの基本構造を有するポリアリレートプレポリマーを、溶融状態で多孔板から自由に落下させながら重合させ、落下させた重合体の一部または全部を循環させて該多孔板から再び自由に落下させながら重合させる事を特徴とするポリアリレートの製造法。
    Figure 0003552820
    (式中、Arは2価の芳香族基を表す。Ar1 、Ar2 は2価の炭素環式または複素環式芳香族基を表す。iは1以上の整数、jは0以上の整数を表し、それぞれ独立の値をとることができる。また、各基本構造ごとに、i、jは異なる値であってもよい。)
  2. 下記化学式(1)に示す、芳香族エステルの基本構造を有するポリアリレートプレポリマーを、連続的に供給し、溶融状態で多孔板から自由に落下させながら重合させ、落下させた重合体の一部を循環させて上記多孔板から再び自由に落下させながら重合させ、ポリアリレートを連続的に抜き出す事を特徴とするポリアリレートの製造法。
    Figure 0003552820
    (式中、Arは2価の芳香族基を表す。Ar1 、Ar2 は2価の炭素環式または複素環式芳香族基を表す。iは1以上の整数、jは0以上の整数を表し、それぞれ独立の値をとることができる。また、各基本構造ごとに、i、jは異なる値であってもよい。)
  3. ポリアリレートプレポリマーの数平均分子量が、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で400〜30000の範囲である請求項1または2記載のポリアリレートの製造法。
  4. 多孔板から自由に落下させる高さが、0.3m以上である請求項1、2または3記載のポリアリレートの製造法。
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