JP3552637B2 - 指定席券検札システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交通機関等の座席予約を行う際に発行される指定席券の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗車する列車が予め定められてなく、乗車区間、クラス(グリーン車または普通車)だけが定められた指定席回数券を用いた指定席券発券装置の例は、特公平4−37469号公報で述べられている。
【0003】
また、特許第2668462号公報には、発行された切符の指定席変更やキャンセルを行う自動券売機に関する技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、座席指定を受けた所定の列車よりも早い時刻の列車に乗車した場合、車内検札等で、車掌はそれを検知することはできるが、予約状況を管理するコンピュータはその乗客が指定を受けた所定の列車の座席をキャンセルすることはできず、空席のまま発車していた。そのため、その列車の座席指定を受けたくても満席のため、遅い列車の指定席券を購入したり、自由席で立ったまま乗車せざるをえない乗客がいた。また、鉄道会社も販売できるはずの指定席券が販売できない、という機会損失があった。
【0005】
本発明の目的は、車内で乗客が所有する指定席券を読み取り、所定の列車よりも早い時刻に乗車していれば、所定の列車の座席をキャンセルし、他の乗客からの座席指定を受け付け、指定席券を有効に販売することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、指定席券を読み取り、指定された所定の列車に乗っているかを判断し、所定の列車よりも早い時刻に乗車していれば、所定の列車の座席の予約をキャンセルする。
【0007】
回数券を用いた指定席券発券装置で、キャンセルする場合、乗客はキャンセルという項目を、入力手段から入力し、以前発券された指定席券を入力する。該装置は、その指定席券の記憶部分を読み取り、現在時刻より後に発車する列車であることを確認する。現在時刻より後の列車であれば、キャンセルを認め、該装置が接続されているコンピュータに報告し、座席を管理しているファイルにアクセスし、他の乗客からの予約を受け付けられる状態にする。キャンセルが終了すれば、該装置内部に蓄えた新規の回数券を乗客に発券する。
【0008】
また、車内検札では、乗客の指定席券の記憶部分を読み取り、所定の列車より、早い時刻の列車に乗車している乗客を検知し、車内から座席予約を管理しているコンピュータへ、該乗客の所定の座席をキャンセルするように報告する。該コンピュータは、車内からの報告に基づいてキャンセルし、その座席を他の乗客からの予約を受け付けられる状態にする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施例を説明する。図1に回数券を取り扱える装置を用いて、回数券によって発券された指定席券をキャンセルする方法の手順を示す。以下、各ステップの説明を行う。
【0010】
ステップ101:該装置は、操作者(切符を売る人または乗客)が命令を入力するのを待つ。
【0011】
ステップ102:入力された命令が、キャンセルであるか否か、判断する。キャンセルであれば、ステップ104へ、そうでなければステップ103へ進む。この場合、キャン
セルでなければ、発券することだけを考える。
【0012】
ステップ103:通常の発券処理(指定席券、乗車券等)を行う。
【0013】
ステップ104:キャンセルしたい指定席券を該装置に入力する。
【0014】
ステップ105:該装置は、該指定席券の磁気部を読み、乗車年月日、発車時刻を現在の日付、時刻と比較する。現在の日付より後、または現在の日付でも、発車時刻が現在時
刻よりも遅い列車の指定席券ならば、キャンセル可能、と判断し、ステップ106へ進む。そうでなければ、キャンセルができないことを該装置の表示部に表示し、入力された指定席券を返却し、ステップ101へ進む。
【0015】
ステップ106:キャンセルがあったことをホストコンピュータに報告し、座席の予約を管理しているホストコンピュータのファイルを更新し、その座席を他の乗客が予約でき
るようにする。
【0016】
ステップ107:キャンセルをした乗客が、再び予約できるように、該装置は回数券を発券する。必要なら、手数料を請求しても良い。
【0017】
ステップ108:まだ、他の処理を受け付けるのであれば、ステップ101へ進む。処理を終了し、該装置が、もう入力を受け付けないのであれば、この処理フローを終了する。
【0018】
ここで、回数券を取り扱える装置とは、駅員や旅行センタの係員が操作する装置や特公平4−37469で述べられている乗客が操作する装置に、キャンセル機能を設けた装置のことである。また、ステップ107で発券する回数券は、新たな回数券でも良いし、該装置に入力された指定席券を再び予約できる状態にして、返却しても良い。
【0019】
第1の実施例は、回数券によって購入された指定席券をキャンセルする方法を述べた。第2の実施例では、回数券、現金、各種クレジットカードによって購入された指定席券をキャンセルする方法について述べる。図2にその処理フローを示し、以下に各ステップ(ステップ201以降)の説明を行う。図中ステップ101からステップ105は図1のそれと等しい。
【0020】
ステップ201:入力された指定席券が回数券によって購入された切符かどうか判断する。回数券によって購入された切符であれば、図1のステップ105へ、そうでなければ、ステップ202へ進む。
【0021】
ステップ202:指定列車または座席の変更(これを乗車変更と言う)であるかどうか、判断する。乗車変更であれば、図1の103へ進み、予約、発券の処理を行う。乗車変更でなければ、ステップ203へ進み、キャンセルの処理を行う。
【0022】
ステップ203:入力された切符が、現金によって購入された切符か、クレジットカードによって購入された切符であるかを判断する。現金によって購入された切符であれば、ステップ204へ進み、クレジットカードによって購入された切符であれば、ステップ205へ進む。
【0023】
ステップ204:所定の手数料を引いて、返金する。
【0024】
ステップ205:クレジットカードによる購入であるので、現金での返金は行わず、手数料を引いて返金分をホストコンピュータに報告し、後日、乗客の口座に振り込む。
【0025】
ステップ206:まだ、他の処理を受け付けるのであれば、図1のステップ101へ進む。処理を終了し、該装置が、もう入力を受け付けないのであれば、この処理フローを終了する。
【0026】
以上をまとめると、回数券によって購入された指定席券をキャンセルする時は、新たな回数券(または再び指定席券を購入できる機能を持った同等のもの)を発券し、現金によって購入したものであれば、手数料を引いて、現金で返金し、クレジットカードで購入したものであれば、手数料を引いて、返金分は後日乗客の口座に振り込むようにする。
【0027】
本実施例は指定席券のキャンセルを例に述べたが、自由席券や航空券その他交通機関の切符や、定員が限られている入場券にも活用できることは言うまでもない。自由席券の場合で定員を無視して良い場合は、図1ステップ106のキャンセル処理が省略できる。
【0028】
本実施例によれば、キャンセルの処理も、すべて自動化できるので、窓口の係員の負荷が軽減する。また、乗客が操作する顧客操作型の端末でこれを実現すれば、キャンセル・乗車変更する乗客は有人の窓口へ並ぶ必要が無く、窓口が閉まっていても、キャンセル・乗車変更ができるし、窓口へ並ぶ人数が減るので、キャンセル・乗車変更以外の乗客の待ち時間が減少する、という効果がある。
【0029】
図3に指定席券を購入、キャンセルすることができる装置の機能ブロック図を示す。表示部319には、指定席券を購入するのか、キャンセルするのか等の命令が表示され、この装置の操作者(駅員、旅行会社の係員、乗客等)は、タッチパネル320を用いて、選択する。どの命令が選択されたのかをCPU300は解析する。
【0030】
購入の場合、表示部319には、クレジットカード(以下カード)、回数券、現金のどれで購入するか?というガイダンスを表示し、操作者はタッチパネル320から購入方法を入力する。カードで購入する場合、カード入力部302からカードを入力し、カード読み取り部303はカードのID番号を読み取る。カードの所有者(多くの場合は乗客)はタッチパネル320から暗証番号を入力し、通信制御部301は、ホストコンピュータに問い合わせ、本人確認を行う。本人確認が終わった後、または切符を発券した後に、カード出力部304からカードを返却する。この装置の操作者が、乗客でなければ、暗証番号を入力する代わりに、伝票にサインをしてもらってもよい。回数券で購入する場合、回数券入力部307から回数券を入力し、種別・真偽判別部306が回数券の磁気から、乗車区間、設備(普通、グリーン)、回数券の有効期限等を読み取る。有効な回数券であれば、タッチパネル320を用いて乗車日、列車名等を入力して、通信制御部301を介してホストコンピュータにアクセスし、座席指定を受ける。座席が確定すれば、指定席券スタッカ314に蓄積された指定席券に、印字部313で印字をして切符出力部310から出力する。一方、投入された回数券は、回数券回収部309に回収する。この方法以外には、投入された回数券に直接印字して、出力する、という方法でも良い。現金で購入する場合、カードを入力する代わりに、切符の発券の前に、入金部315から現金を投入してもらい、金種・真偽判別部316で金種と本物であるかを判別し、おつりがある場合は、出金部318から返金する。現金管理部317は売上げ金の合計、最初におつりのために準備した現金の額、入力された金額、出金した金額を管理する。切符の磁気部には、乗車日、乗車区間、列車番号、座席番号等の他、発券日、発券端末ID、何(カード、回数券、現金)によって購入されたかを記憶させておく。
【0031】
キャンセルの場合、切符を切符入力部305から入力し、種別・真偽判別部306で、切符の磁気部を読み、キャンセルできる切符であるかどうかCPU300は判断する。これは、ステップ105で述べた。キャンセル可能な切符であれば、ステップ104以下の処理を実行する。キャンセルの処理が終われば、入力された切符は、切符回収部308に回収する。回数券で購入した切符の場合は、回収した回数券の代りに、回数券スタッカ312に蓄積されている新しい回数券を回数券出力部311から切符出力部310に発券する。メモリ321は、ホストコンピュータと通信する時に、予約するための情報(乗車日、列車名、枚数等)を記憶するために用いる。
【0032】
指定席回数券を使って座席指定を受ける場合、「繁忙期には回数券が使えない」という制限があっても、従来の装置では、乗客の希望する乗車日(以下乗車日)が、回数券の使用可能な時期であるか否かを判断することができなかった。第3の実施例では、指定席券を発券する場合、発券する装置が上記判断をする実現方法を述べる。表1に回数券使用不可能期間テーブルを示す。
【0033】
【表1】
【0034】
この例では、4月28日から5月6日、7月21日から8月20日、12月28日から1月6日の3期間は回数券が使用できないことを示している。プログラム作成の都合上、年末年始を分割して、記憶している。指定席券を発券する装置にこのテーブルを記憶させ、乗車日がこの期間に入っていれば、回数券使用不可能、この期間に入っていなければ使用可能、と判断する。また、表2のように1年間の日付と、その日が回数券使用可能か不可能かを示すフラグを設けても良い。
【0035】
【表2】
【0036】
この例では、フラグ0は使用可能、フラグ1は使用不可能を示している。指定席券を発券する装置は、このテーブルを参照し、乗車日のフラグを見てその日が、回数券使用可能か不可能を判断する。
【0037】
本実施例に近い公知例として、定期券の自動改札機がある。定期券に記憶させた使用開始日、使用終了日を自動改札機で現在の日と比較している。本公知例は、1期間だけの比較であり、「現在の日が使用開始日より後(開始日を含む)」、「現在の日が使用終了日より前(終了日を含む)」の2つだけを比較すればよく、単純な方法で実現できる。
【0038】
これに対して、本発明は、回数券の有効期限と現在の日を比較するところは、公知例と同じであるが、回数券の使用不可能期間は1年間に複数期間存在し、乗車日がすべての期間内に入っているか否かを調査しなければならず、図4に示したように複雑な処理が必要になる。また、定期券の自動改札機の場合は、定期券発行時に設定した使用開始日、使用終了日は変更されることはないが、本発明では回数券の使用不可能期間を変更可能とする。さらに、自動改札機は、定期券その物の有効・無効を判断することを目的としているが、本発明の本実施例では、回数券その物の有効・無効を判断することが目的ではなく、従来駅員が判断していた「乗車日によって回数券が利用可能であるか否か」を装置に判断させることを目的としている。
【0039】
図4に表1を用いて、回数券使用可能か不可能かを判断する方法を述べる。以下、各ステップの説明を行う。なお、乗車日をfm月fd日とする。
【0040】
ステップ401:制御変数iを初期化する。
【0041】
ステップ402:制御変数iをインクリメントする。
【0042】
ステップ403:使用不可能期間は4期間なので、すべてチェックしたかどうか確かめる。i=4以下ならステップ404へ、i=5になれば乗車日はすべての回数券使用不可能期間に入らなかったので、使用可能である、と判断する。
【0043】
ステップ404:fm月がsm(i)よりも小さいか否か比較する。小さければこの期間(制御変数=iの時)には入らないので、次の期間の調査をするためステップ402へ進み、fm≧sm(i)ならばステップ405へ進み、この期間内に入っているかどうか調べる。
【0044】
ステップ405:fm=sm(i)ならば、その期間内の可能性があるのでステップ407以降で詳細に調べる。fm>sm(i)ならばem(i)との大小関係を調べるため、ステップ406へ進む。
【0045】
ステップ406:fm≦em(i)ならば、ステップ408以降でさらに調べる。fm>em(i)ならば、この期間より後なので、ステップ402へ進む。
【0046】
ステップ407:fd<sd(i)ならば、この期間より前なので、ステップ402へ進む。fd≧sd(i)ならば、この期間に入っている可能性が有るので、ステップ40
9へ進む。
【0047】
ステップ408:fm<em(i)ならば、この期間に入っているので、使用不可と判断する。fm≧em(i)ならばステップ410で、日付けを調べる。
【0048】
ステップ409:fm>em(i)ならば、この期間より後なので、ステップ402へ進む。fm≦em(i)ならば、ステップ411でさらに詳細に調べる。
【0049】
ステップ410:fd≦ed(i)ならば、この期間に入っているので、使用不可と判断する。fd>ed(i)ならば、この期間より後なので、ステップ402へ進む。
【0050】
ステップ411:fm<em(i)ならば、この期間内に入っているので、使用不可と判断する。fm=em(i)ならば、ステップ412へ進み、日付けを調べる。
【0051】
ステップ412:fd≦ed(i)ならば、この期間内に入っているので、使用不可と判断する。そうでなければ、この期間より後なので、ステップ402へ進む。
【0052】
表1、表2のテーブルは該装置でなく、該装置が接続されているホストコンピュータに記憶させても良い。
【0053】
回数券の使用不可能期間は、その年のカレンダーによって変更することもできる。例えば、表1では、「1月1日から1月6日」と記したが、1月7日が日曜日の場合には、その期間を「1月1日から1月7日」と変更できるようにする。その実現方式は、表1、表2のテーブルに変更があった場合は、該装置に該テーブルを記憶している場合は、ホストコンピュータで新しいテーブルを作成し、装置からのダウンロード要求を契機にしてダウンロードしたり、装置に電源が入れられたら、ホストコンピュータから強制的に該テーブルをダウンロードすればよい。該テーブルがホストコンピュータに存在する場合は、該装置からアクセスを禁止した時間に、該テーブルをアップデートすれば良い。
【0054】
自動改札機を用いて、定期券の有効期限を読み取る公知例では、1度発行した定期券の有効期限を変更できないので、有効期限を変更するためには、また別の定期券を発行しなければならない。これに対して本発明の本実施例では、自由に使用不可能期間を変更できる、という公知例にはない効果がある。
【0055】
第4の実施例では、座席予約をキャンセルした後、他の乗客が予約をできるようにする方法を述べる。
【0056】
図5に列車ファイル、図6(a)、(b)に座席管理ファイルの一例を示す。図5はある列車の16号車の例である。座席番号1Aから20Eまでの各座席の予約状況を、それぞれpxxというポインタで図6(a)、(b)の座席管理ファイルとリンクさせる。図6(a)、(b)は、ある座席の管理ファイルの一例である。博多から東京までどの区間が空席かを示している。図中、aからjまでは、駅である。図中○の区間は空席、×の区間は予約済み、であることを示している。−は始発駅(博多)を示す。この例では、キャンセル前は、新大阪から名古屋までが予約されていた。この乗客がキャンセルすると、図3で述べた指定席券を発券する装置は、切符を読み列車番号、座席番号を知り、図5の列車ファイルにアクセスする。そこでポインタから図6(a)、(b)の座席管理ファイルにアクセスし、乗車区間(新大阪−名古屋)を×から〇に変更する。これで、この座席は博多から東京まで、予約を受け付けることが可能となる。
【0057】
第5の実施例では、指定席券を2度販売する方法を述べる。指定席券を持っている乗客が、予定より早い列車に乗車した場合、それを検知して、該指定席券を他の乗客に販売する。図7にそれを実現するためのハードウェア構成図を示す。ホストコンピュータ70と車両700内に設置した車上コンピュータ72が通信できるように接続する。その手段は、架線や架線に平行して張った専用回線701で駅サーバー71と車上コンピュータ72を接続し、ホストコンピュータ70と駅サーバー71は従来の通り接続する。車上コンピュータ72の中には通信制御部73、CPU74、主メモリ75から構成する。車上コンピュータ72に接続する機器は、キーボード76、切符リーダ77、ディスプレイ78がある。これらは、すべて乗務員室に設置しても良いし、キーボード76、切符リーダ77、ディスプレイ78は一体化して、通信部(図示せず)を設けて、車掌用の端末として車内で持ち運び可能で且つ車上コンピュータ72に接続できるものとしても良い。切符リーダ77で乗車券や指定席券を読み取り、切符の正当性を自動的に検証する。また、財団法人鉄道総合技術研究所の報告などによると、車内の座席で切符を読み取り検札を省略できる公知例があるので、上記で述べた車掌用端末の代わりに、これを用いても良い。
【0058】
図8に、指定された列車よりも早い時刻の列車に乗った乗客を検知し、その乗客が指定を受けていた座席を他の乗客に販売する処理方法を示す。ここでの指定席券に関する規則は下記のようであると仮定する。
【0059】
(1)指定された日の指定された列車の指定された座席に座れる。
【0060】
(2)指定された日なら、指定を受けていない列車に乗れるが、自由席にしか乗車できない(全席指定席の列車なら座れない)。
【0061】
(3)指定された日以外は、乗車できない。
【0062】
以下、各ステップの説明を行う。
【0063】
ステップ801:車掌用端末または座席備付けの切符リーダによって指定席券を読み、日付が本日の日付と一致しているかを調べる。一致していれば、ステップ803へ、一致していなければステップ802へ進む。
【0064】
ステップ802:「この切符では乗車できません」というメッセージ1を座席のディスプレイに示して乗客に知らせたり、車掌室のディスプレイ78に表示して、車掌に、違法乗車を教える。
【0065】
ステップ803:指定された列車名種別、列車番号(列車名+番号、ひかり100号など)とその列車の列車名種別、列車番号が一致しているかどうか調べる。一致していればステップ804へ、一致していなければステップ806へ進む。
【0066】
ステップ804:切符に記憶してある座席番号(車両番号も含む)と、その乗客が着席している座席番号が一致しているかどうか調べる。一致していれば、正常な乗車とみなし、処理は終了する。一致していなければ、ステップ805へ進む。
【0067】
ステップ805:「座席が違います」というメッセージ2を乗客や車掌室のディスプレイ78表示して、処理は終了する。
【0068】
ステップ806:指定された列車の乗車駅の発車時刻より、現在乗車している列車の該乗車駅の発車時刻が早い(以下、前乗りという)かどうか時刻表データベースで調べて判断する(判断する方法については後述)。前乗りならば、ステップ807へ進み、そうでなければステップ808に進む。
【0069】
ステップ807:乗客が指定を受けていた座席をキャンセルする。詳細は図5、図6を用いて、説明をしたので、ここでは省略する。
【0070】
ステップ808:乗り遅れた乗客であるので、その座席が指定席であれば、「指定席には座れません。自由席に移って下さい」や「所定の座席指定料金が必要です」というメッセージ3を座席や車掌室のディスプレイに表示する。
【0071】
座席毎に上記のチェックを行うので、車掌室では、車両毎全座席を1画面に表示し、正常な乗車、上記メッセージ1、2、3をそれぞれに対応した色で表示し、一目で違法な乗車を検知することが可能となる。車掌の人員が少ない時は、緊急を要する違法乗車(例えばメッセージ1や自由席切符で指定席に着席している乗客)から対応し、その座席へ行って追加料金を徴収する、等の効率的な運営が可能となる。
【0072】
また、自動販売機や顧客操作型の端末で用いられている接近センサを座席に設置すると、車掌室では、乗客が座っているのに切符がリーダに挿入されていない、という状況を知ることができる。従って、切符を持たずに乗車している乗客を、効率よく検知することが可能となる。
【0073】
切符リーダに挿入された指定席券は、一度読み取れば、乗客がポケット等にしまっても、その指定区間の間は記憶しておく。例えば、「東京から名古屋まで」の指定席券を切符リーダに一旦挿入すると、その座席に座っている乗客は、名古屋までの指定席券を有していることを車上コンピュータ72に記憶させておく。名古屋に到着すると、該情報をリセットし、新たな乗客の切符の挿入を待つ。名古屋以西までの切符を有している乗客の座席に対しては、名古屋ではリセットしない。列車が発車すれば、全座席、または名古屋で乗車した可能性のある座席に対して、図8の処理を行う。
【0074】
図9に指定席券のフォーマットを示す。列車名種別と列車番号を合わせて、列車番号として管理しても良い。また、ここでは、座席番号の中に、車両番号と座席番号の両方を含んで記憶させる事にする。
【0075】
前乗りかどうかを判断する方法を述べる。表3に時刻表データベースを示す。
【0076】
【表3】
【0077】
指定された列車の乗車駅の発車時刻より、現在乗車している列車の該乗車駅の発車時刻が早ければ、前乗りである。例えば、ひかり10号の博多から新大阪までの座席指定を受けた乗客が、ひかり01号に乗車した場合、(乗車日は指定日通り)ひかり10号の博多発車時刻6時20分より、ひかり01号の博多発車時刻(6時00分)は早いので、前乗りと判断する。比較する両者の時刻は、その列車の始発駅の発車時刻ではない。例えば、こだま01号の岡山から新大阪までの座席指定を受けた乗客が、岡山からひかり01号に乗車した場合、こだま01号の始発駅広島の発車時刻はひかり01号よりこだま01号の方が早いが、岡山駅の発車時刻は、ひかり01号の方が早い。この場合、乗車駅(岡山)の発車時刻を比較して、前乗りと判断する。
【0078】
この実施例では、鉄道会社は同一の座席から2回指定席料を徴収できる。また、座席指定を受けたい、という乗客の要望が実現する可能性が、今よりも高くなる。
【0079】
第6の実施例では、座席の空席情報を知る方法を述べる。図10にディスプレイの表示例を示す。キーボード等の入力手段から乗車年月日、列車名種別、列車番号、乗車区間、号車番号を入力すると、各座席の情報を表示する。図中、〇は空席、×は空席でない、を意味する。これを実現する端末を駅構内や旅行会社に設置する場合は、予約を管理するホストコンピュータ70と直接接続したり、駅サーバー71と接続すれば良い。また、この端末を車中に設置することもできる。図7の説明で述べたように、車上コンピュータ72の通信制御部73から専用回線701、駅サーバー71を介して、ホストコンピュータ70にアクセスする。ホストコンピュータ70は、図5の列車ファイルから、各座席の座席管理ファイルへのポインタを知り、図6の座席管理ファイルで、該当区間がすべて〇なら空席、1つでも×なら空席でない、と判断する。該当列車の特定された号車のすべての座席を調べたらその結果を、図10のように表示する。この実施例では、乗客が好きな座席を選ぶことが出来るので、サービス向上になる。また、車内で最新の予約状況を知ることができるので、車内で指定席券を購入することが可能となる。その時は、ホストコンピュータ70に報告するので、他の乗客にその座席を販売することがない。本実施例は鉄道だけでなく、飛行機の座席指定にも可能である。
【0080】
なお、本発明は種々の形で実施できるが、以下その例を示す。
【0081】
(1)鉄道、飛行機等の交通機関の切符をキャンセルする場合、発券済みの切符を読み取り、キャンセル可能な切符であるか否かを判断し、キャンセル可能な切符であれば、キャンセルをして、別の切符または回数券を発行する予約またはキャンセル方法。
【0082】
(2)鉄道、飛行機等の交通機関の切符をキャンセルする場合、発券済みの切符を読み取り、キャンセル可能な切符であるか否かを判断し、キャンセル可能な切符であれば、キャンセルをして、手数料を引いて、返金する予約またはキャンセル方法。
【0083】
(3)鉄道、飛行機等の交通機関の回数券を用いて発券した切符をキャンセルする場合、発券済みの切符を読み取り、キャンセル可能な切符であるか否かを判断し、キャンセル可能な切符であれば、キャンセルをして、再び予約可能な回数券を発券する予約またはキャンセル方法。
【0084】
(4)鉄道、飛行機等の交通機関の切符をキャンセルする場合、発券済みの切符を読み取り、キャンセル可能な切符であるか否かを判断し、キャンセル可能な切符であれば、キャンセルをして、該切符が回数券によって発券した指定席券か、現金によって購入した指定席券であるかを判別し、前者の場合は指定席券を購入することができる回数券を発券し、後者の場合は返金か別の予約をするかが選択可能である予約またはキャンセル方法。
【0085】
(5)鉄道、飛行機等の交通機関の切符をキャンセルする場合、発券済みの切符を読み取り、キャンセル可能な切符であるか否かを判断し、キャンセル可能な切符であれば、キャンセルをして、該切符が回数券によって発券した指定席券か、現金またはクレジットカードによって購入した指定席券であるかを判別し、前者の場合は指定席券を購入することができる回数券を発券し、後者の内、現金で購入の場合は、返金か別の予約をするかを選択でき、クレジットカードで購入の場合は、後日カード保有者の口座へ返金するか別の予約をするかが選択可能である予約またはキャンセル方法。
【0086】
(6)鉄道、飛行機等の交通機関の切符を回数券を入力して発券する時、乗客が希望する乗車日が回数券の使用可能期間であるか否かを判別し、使用可能であれば予約を試み、使用不可能であれば、該乗車日には回数券が使えないことを表示手段に示す予約またはキャンセル方法。
【0087】
(7)前記(6)において、使用可能期間であるか否かを判別する方法は、発券装置に使用可能期間または使用不可能期間を示すデータを記憶させ、乗車日がこの期間の中に含まれるか否かを該装置内で判断する予約またはキャンセル方法。
【0088】
(8)前記(6)において、使用可能期間であるか否かを判別する方法は、発券装置と接続したコンピュータに使用可能期間または使用不可能期間を示すデータを記憶させ、乗車日がこの期間の中に含まれるか否かを該コンピュータ内で判断する予約またはキャンセル方法。
【0089】
(9)前記(7)において、該装置に記憶させた使用可能期間または使用不可能期間を示すデータに変更があった場合、該装置と接続したコンピュータから書き替える予約またはキャンセル方法。
【0090】
(10)前記(6)において、使用可能期間であるか否かを判別する方法は、該装置に1年間の日付とその日が使用可能であるか否かを示すデータを記憶させ、乗客が希望する乗車日が、使用可能であるか否かを該装置内で判断する予約またはキャンセル方法。
【0091】
(11)前記(6)において、使用可能期間であるか否かを判別する方法は、該装置と接続したコンピュータに、1年間の日付とその日が使用可能であるか否かを示すデータを記憶させ、乗客が希望する乗車日が、使用可能であるか否かを該コンピュータ内で判断する予約またはキャンセル方法。
【0092】
(12)前記(10)において、該装置に記憶させた1年間の日付とその日が使用可能であるか否かを示すデータに変更があった場合、該装置と接続したコンピュータから書き替える予約またはキャンセル方法。
【0093】
(13)予約をキャンセルした後は、予約を管理しているファイルにアクセスし、予約状況をキャンセルして、他の乗客が予約できるようにする前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)のいずれかにおける、予約またはキャンセル方法。
【0094】
(14)列車の座席指定席券を有する乗客に対して、乗客が所有する座席指定席券を車内検札または下車時に座席指定席券を読み取る手段で読み取り、所定の列車よりも早い時刻の列車に乗車した場合それを検知し、該乗客が予約していた列車の座席をキャンセルし、他の乗客が予約できるようにする予約またはキャンセル方法。
【0095】
(15)列車の座席で、乗客の乗車券、指定席券、左記機能を果たす媒体、の少なくとも1つを読み取る方法において、座席にセンサを設けて乗客が着席しているか否かを検知し、乗車券、指定席券の機能を果たす媒体、の少なくとも1つを読み取っていないのに、着席している乗客を見つける予約またはキャンセル方法。
【0096】
(16)列車の座席で、乗客の乗車券、指定席券、左記機能を果たす媒体、の少なくとも1つを読み取る方法において、座席にセンサを設けて乗客が着席しているか否かを検知し、乗車券、指定席券の機能を果たす媒体、の少なくとも1つを読み取っていないのに、着席している乗客を検知し、乗車券、指定席券、左記機能を果たす媒体、の少なくとも1つを読み取る手段に入力を要請するメッセージを、座席に設置した表示装置に表示する予約またはキャンセル方法。
【0097】
(17)列車の座席で、乗客の乗車券、指定席券、左記機能を果たす媒体、の少なくとも1つを読み取る方法において、所定の列車に乗っているか、所定の座席に着席しているかを調べ、所定の乗車と異なる乗車をしている乗客を検知し、異なる乗車の種類(乗車日が違う、列車が違う、座席が違う等)が分かるように、座席で乗車券、指定席券、左記機能を果たす媒体、の少なくとも1つを読み取る手段と接続した管理用端末の表示装置に表示する予約またはキャンセル方法。
【0098】
(18)列車の座席で、乗客の乗車券、指定席券、左記機能を果たす媒体、の少なくとも1つを読み取る方法において、読み取った情報は第1の停車駅に到着するまで記憶しておき、第1の停車駅までで有効性がなくなる乗車券、指定席券、左記機能を果たす媒体、の少なくとも1つを読み取った座席に対しては、該情報をリセットし、そうでない座席に対しては、記憶し続け、第1の停車駅を出発後、その駅から乗車した可能性がある座席、または全座席に対して、乗客の乗車券、指定席券、左記機能を果たす媒体、の少なくとも1つを読み取り、以下第2の停車駅から終着駅まで、前記処理を繰り返す予約またはキャンセル方法。
【0099】
(19)回数券、現金、カード(クレジットカード、プリペイドカード等の各種カード)の中の少なくとも2つ以上が使用可能で、指定席券を発券する予約またはキャンセル装置。
【0100】
(20)回数券、現金、カード(クレジットカード、プリペイドカード等の各種カード)の中の少なくとも2つ以上が使用可能で、指定席券を発券することができ、発券した切符に対しては、キャンセルすることもできる予約またはキャンセル装置。
【0101】
(21)鉄道、飛行機等の交通機関の切符を発券する装置において、発券済みの切符を該装置に入力してキャンセル可能な切符であるか否かを判断し、キャンセル可能な切符であれば、別の切符または回数券を発行する予約またはキャンセル装置。
【0102】
(22)鉄道、飛行機等の交通機関の切符を発券する装置において、発券済みの切符を該装置で読み取り、キャンセル可能な切符であるか否かを判断し、キャンセル可能な切符であれば、キャンセルをし、手数料を引いて、返金する予約またはキャンセル装置。
【0103】
(23)鉄道、飛行機等の交通機関の回数券を入力して、予約を受付、発券する装置において、該切符を入力してキャンセルをし、再び予約可能な回数券を発券する予約またはキャンセル装置。
【0104】
(24)鉄道、飛行機等の交通機関の切符を発券する装置において、発券済みの切符を該装置に入力してキャンセルする時に、該切符が回数券によって発券した指定席券か、現金によって購入した指定席券であるかを判別し、前者の場合は指定席券を購入することができる回数券を発券し、後者の場合は返金か別の予約をするかを装置の操作者に選択させる予約またはキャンセル装置。
【0105】
(25)鉄道、飛行機等の交通機関の切符を発券する装置において、発券済みの切符を該装置に入力してキャンセルする時に、該切符が回数券によって発券した指定席券か、現金またはクレジットカードによって購入した指定席券であるかを判別し、前者の場合は指定席券を購入することができる回数券を発券し、後者の内、現金で購入の場合は、返金か別の予約をするかを装置の操作者に選択させ、クレジットカードで購入の場合は、後日カード保有者の口座へ返金するか別の予約をするかを装置の操作者に選択させる予約またはキャンセル装置。
【0106】
(26)所定の列車を特定する情報、乗車駅、下車駅を入力すれば、1画面に複数座席を表示し、該座席ごとに空席か否かを示す予約またはキャンセル装置。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、乗客が所定の列車よりも早い時刻に乗車している場合は、所定の列車の座席をキャンセルし、他の乗客からの座席指定を受け付け、指定席券を有効に販売することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】指定席付回数券で座席指定を受けた切符をキャンセルする時の処理フローの例。
【図2】指定席付回数券で座席指定を受けた切符と、現金、クレジットカードで購入した切符を、キャンセルする時の処理フローの例。
【図3】指定席付回数券を用いて、座席を予約またはキャンセルし、現金、クレジットカードを用いて、切符を販売、キャンセルすることもできる装置の機能ブロック図。
【図4】回数券使用可能、不可能を判定する処理フローの例。
【図5】各座席の座席管理ファイルへのポインタを表す列車ファイルの例。
【図6】乗車区間ごとに座席が空席か否かを示す座席管理ファイルの例で(a)はキャンセル前、(b)はキャンセル後の状態の例。。
【図7】車上コンピュータとホストコンピュータのシステム構成の例。
【図8】前乗りか否かを示す処理フローの例。
【図9】指定席券の記憶フォーマットの例。
【図10】空席表示画面の例。
【符号の説明】
70・・・ホストコンピュータ、71・・・駅サーバー、72・・・車上コンピュータ、73・・・通信制御部、74・・・CPU、75・・・主メモリ、76・・・キーボード、77・・・切符リーダ、78・・・ディスプレイ、700・・・車両、701・・・専用回線。
Claims (2)
- 第1列車番号の第1の列車上で指定席券を検札する指定席券検札システムであって、
前記第1の列車上にあって指定席券に記憶されている第2の列車の第2列車番号と乗車駅と座席番号とを読み取る切符リーダと、
前記切符リーダが読み取った前記第2列車番号と前記乗車駅と前記座席番号を受信して、前記第2の列車番号が前記第1列車番号と一致するかを判断し、前記第1列車番号と前記第2列車番号とが一致しないときには、前記乗車駅における前記第1の列車の第1発車時刻を前記第1列車番号に基づいてデータベースで調べ、前記乗車駅における前記第2の列車の第2発車時刻との比較処理を実行する制御手段と、
前記制御手段の比較処理の結果、前記第1発車時刻が前記第2発車時刻よりも早いとの判断結果に応じて、前記第2列車番号及び前記座席番号とそれらによって指定される指定席のキャンセル情報とを回線を介してサーバ又はホストコンピュータに自動的に送信する通信制御部とを有することを特徴とする指定席券検札システム。 - 請求項1記載の指定席券検札システムであってさらに、
前記制御手段の比較処理の結果、前記第1発車時刻が前記第2発車時刻よりも遅いとの判断結果に応じて、指定席には座れないこと又は座席指定料金がいることをディスプレイに表示する表示手段を有することを特徴とする指定席券検札システム。
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