JP3552574B2 - 導電性ボールの搭載装置および搭載方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェハ状態の半導体基板に作り込まれた複数の電子部品に導電性ボールを搭載する導電性ボールの搭載装置および搭載方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フリップチップやCSP(Chip Size Package)などの電子部品の製造工程においては、突出電極であるバンプ形成のために半田ボールなどの導電性ボールが搭載される。この導電性ボールの搭載は、ウェハ等の半導体基板から個片に切り出された電子部品に対して行われているが、近年、電子部品製造の生産性向上ののために、電子部品が個片に切り出される前のウェハ状態でのバンプ形成を行うことが検討されている。この方法では、ウェハ等の半導体基板に対して直接導電性ボールが搭載されるため、円板状のウェハを直接ハンドリングする必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、薄いシリコン円板であるウェハは、本来ベルト搬送やグリップ搬送など、従来のプリント基板の搬送に用いられていた方法には適さない。このためウェハのハンドリングには従来ウェハを保持する専用治具を使用する方法が採用されていた。しかしながら、専用治具を用いる方法は多数の治具を製作するための費用を要してコストアップを招くとともに、ウェハごとに治具への装着・取り外しを必要とするなど取り扱いに手間を要する。このように従来の導電性ボールの搭載装置では、ウェハ状態の電子部品への導電性ボールの搭載を効率よく行うことが困難であるという問題点があった。
【0004】
そこで本発明は、1枚のウェハに複数個作り込まれた電子部品に、効率よく導電性ボールを搭載することができる導電性ボールの搭載装置および搭載方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の導電性ボールの搭載装置は、1枚のウェハに複数個作り込まれた電子部品に導電性ボールを搭載する導電性ボールの搭載装置であって、ウェハ供給部のウェハを下方から保持部により吸着保持して搬送する搬送手段と、ウェハに導電性ボールを搭載するボール搭載手段とを備え、前記保持部はウェハ供給部からのウェハの取出しからウェハ収納部へのウェハ収納に至る全工程を通じてウェハを吸着保持する。
【0006】
請求項2記載の導電性ボールの搭載装置は、請求項1記載の導電性ボールの搭載装置であって、前記ボール搭載手段による導電性ボールの搭載位置において、ウェハを保持した前記保持部を支持する支持手段を備えた。
【0007】
請求項3記載の導電性ボールの搭載装置は、請求項1または2記載の導電性ボールの搭載装置であって、導電性ボールの搭載に先立って、前記ウェハ上に接合材料を供給する接合材料供給手段を備えた。
【0008】
請求項4記載の導電性ボールの搭載方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の導電性ボールの搭載装置を用いて電子部品に導電性ボールを搭載する導電性ボールの搭載方法であって、ウェハを搬送手段の保持部により下方から吸着保持して搬送し、このウェハを前記保持部により保持した状態で導電性ボールの搭載を行うようにした。
【0009】
請求項5記載の導電性ボールの搭載方法は、請求項4記載の導電性ボールの搭載方法であって、前記導電性ボールの搭載位置において、前記保持部を支持手段により支持した状態で導電性ボールの搭載を行うようにした。
【0010】
本発明によれば、ウェハを下方から保持部により吸着支持して搬送し、さらに好ましくは導電性ボールの搭載位置において支持手段により保持部を支持した状態で導電性ボールを搭載することにより、ウェハに精度よくかつ効率的に導電性ボールの搭載を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載装置の平面図、図2は同導電性ボールの搭載装置のボール搭載部の側面図、図3は同導電性ボールの搭載装置のフラックス供給部の側面図、図4(a),(b),(c),(d)は同導電性ボールの搭載方法の工程説明図である。
【0012】
まず図1を参照して導電性ボールの搭載装置の構成を説明する。図1において、導電性ボールの搭載装置は、ウェハ供給部1およびウェハ収納部3、ボール搭載部2、フラックス供給部4および中央に配置された搬送手段としてのロボット5より構成されている。ウェハ供給部1はマガジン1a内に格納されたウェハ6を供給する。ウェハ収納部3は導電性ボールの搭載後のウェハ6をマガジン3a内に収納する。ウェハ6の取り出し・収納、フラックス塗布および導電性ボール搭載の各工程におけるハンドリングは、ロボット5によって行われる。ロボット5は多関節ロボットであり、ロボット5のアーム5aは先端部に真空吸着または静電吸着によりウェハを下付から吸着保持する保持部5bを備えている。
【0013】
次に図1、図2を参照してボール搭載部2について説明する。図1において基台10上の両側端部には2つのX軸テーブル11が並設されており、X軸テーブル11上にはY軸テーブル12が架設されている。Y軸テーブル12には搭載ヘッド13が装着されており、X軸テーブル11およびY軸テーブル12を駆動することにより搭載ヘッド13は水平移動する。図2に示すように、基台10上には支持テーブル16を昇降させる昇降機構15が配設されており、支持テーブル16は上昇位置においてウェハ6を下方から吸着保持したアーム5aの保持部5bを支持する。したがって支持テーブル16はアーム5aの保持部5bを支持する支持手段となっている。
【0014】
支持テーブル16の側方には導電性ボール7を貯溜するボール供給部14が配設されている。搭載ヘッド13をボール供給部14上に移動させ、搭載ヘッド13の下端部に設けられた吸着ツール13aをボール供給部14内の導電性ボール7に対して上下動させることにより、吸着ツール13aは導電性ボール7を吸着してピックアップする。この搭載ヘッド13をウェハ6上に移動させ、そこで上下動を行わせることにより、吸着ツール13aに吸着された導電性ボール7はウェハ6に形成された各半導体素子6a(図1参照)上に搭載される。したがって、搭載ヘッド13はボール搭載手段となっている。
【0015】
次に図1、図3を参照してフラックス供給部4について説明する。フラックス供給部4は、導電性ボール7の搭載に先立って導電性ボール7を半田接合する接合材料であるフラックスをウェハ6上面に塗布するものである。図3において、基台20上にはマスク昇降部30が設けられており、マスク昇降部30は昇降プレート21を昇降させる。昇降プレート21上にはスクリーンマスク22およびスキージ部25よりなるスクリーン印刷機構が配設されている。
【0016】
スキージ部25は上下動する2つのスキージ26を備えており、昇降プレート21上に配設された移動テーブル24を駆動することにより、スキージ部25はY方向に移動する。マスク昇降部30を駆動することにより、昇降プレート21は下降しマスクプレート23の下面は基板6に当接する。この状態で、2つのスキージ26のいずれか一方をマスクプレート23を当接させ、スキージ26を水平移動させてマスクプレート23上に供給されたフラックス27をスキージ26で掻き寄せることにより、ウェハ6の上面の所定部位にはマスクプレート23に設けられたパターン孔を介してフラックス27が印刷される。すなわち、スキージ26およびマスクプレート23は接合材料であるフラックス27を、印刷によりウェハ6に供給する接合材料供給手段となっている。
【0017】
この印刷過程において、支持テーブル29は昇降機構28により上昇して、ウェハ6を吸着保持したアーム5aの保持部5bを下方から支持する位置にある。これにより、スクリーン印刷時にスキージ26をマスクプレート23に押圧する印圧荷重は、支持テーブル29によって支持される。
【0018】
この導電性ボールの搭載装置は上記のように構成されており、以下導電性ボールの搭載方法について図4を参照して説明する。まず図4(a)に示すように、ロボット5のアーム5aをウェハ供給部1に対して移動させ、アーム5aによってマガジン1aに多段積みされたウェハ6のうちの1枚を下方からすくい取り、保持部5bに吸着保持した状態でマガジン1aから取り出す。
【0019】
次いでウェハ6を保持したアーム5aをフラックス供給部4に対して移動させ、ウェハ6をスクリーンマスク22の印刷位置に位置させる。次いで昇降プレート21を下降させて、マスクプレート23の下面を保持部5bで保持されたウェハ6の上面に当接させる。このとき、支持テーブル29は上昇位置にあって保持部5bは支持テーブル29によって支持されている。そしてマスクプレート23上に供給されたフラックス27をスキージ26を移動させて掻き寄せることにより、パターン孔を介してウェハ6上にフラックス27が印刷される。上述のように、印刷過程ではウェハ6を保持する保持部5bは支持テーブル29によって支持されているため、印刷時の印圧によってアーム5aに荷重が負荷されて保持部5bの位置が不安定になることなく良好な印刷が行われる。
【0020】
次に、スクリーン印刷によるフラックス塗布が終り、上面にフラックス膜が形成されたウェハ6は、ロボット5のアーム5aによってボール搭載部2に搬送される。ここでは吸着ツール13aによってボール供給部14から導電性ボール7を吸着した搭載ヘッド13が支持テーブル16上で待機状態にある。図5(c)に示すようにアーム5aによってウェハ6がボール搭載位置に位置すると、支持テーブル16が上昇して保持部5bを下方から支持する。そしてこの状態のウェハ6に対して搭載ヘッド13を下降させ、導電性ボールの吸着を解除することにより、導電性ボール7がウェハ6のフラックス膜27上に搭載される。このボール搭載過程においてもフラックス印刷過程と同様に、保持部5bは支持テーブル16によって支持されているため、ボール搭載時の押圧荷重によって保持部5bの位置が不安定となり、搭載精度が低下するといったことも生じることがない。このようにして導電性ボール7が搭載されたウェハ6は、アーム5aによってウェハ収納部3に搬送され、マガジン3a内に多段収納される。
【0021】
上記説明したように本実施の形態では、ウェハ6の取り出しからフラックス塗布、ボール搭載を経てウェハ収納に至る全工程を通じてウェハ6はロボット5のアーム5aに設けられた保持部5bによって吸着保持された状態にある。このため、ウェハ6は上記工程を通じて常に安定した姿勢が保たれる。そしてフラックス塗布やボール搭載など、作業時に荷重が作用する工程においては、アーム5aの保持部5bを荷重に抗する方向から直接支持するようにしているため、本来アーム5aの直交方向から荷重を負荷するのには適さない多関節型のロボットを、上記作業におけるウェハ6のハンドリングに使用することが可能となる。
【0022】
この結果、安定した方法でウェハを確実に保持して、効率の良いフレキシブルなハンドリング動作を行わせることができる。したがって、コンベア搬送やグリップ搬送などの従来の搬送方法に不適な薄くて大径円板状であるウェハ6を安定した状態でハンドリングしながら、フラックスの塗布や導電性ボールの搭載などの作業を効率よく行うことができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、ウェハを下方から保持部により吸着支持して搬送し、導電性ボールの搭載位置において支持手段により保持部を支持した状態で導電性ボールを搭載するようにしたので、ウェハにダメージを与えることなく効率よく導電性ボールの搭載を行うことができる。また保持部はウェハ供給部からのウェハの取り出しからウェハ収納部へのウェハ収納に至る全工程を通じてウェハを吸着保持するようにしたので、ウェハは各工程を通じて常に安定した姿勢が保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載装置のボール搭載部の側面図
【図3】本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載装置のフラックス供給部の側面図
【図4】(a)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載方法の工程説明図
(b)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載方法の工程説明図
(c)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載方法の工程説明図
(d)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載方法の工程説明図
【符号の説明】
2 ボール搭載部
4 フラックス供給部
5 ロボット
5a アーム
5b 保持部
6 ウェハ
6a 半導体素子
16 支持テーブル
23 マスクプレート
26 スキージ
27 フラックス
29 支持テーブル
Claims (5)
- 1枚のウェハに複数個作り込まれた電子部品に導電性ボールを搭載する導電性ボールの搭載装置であって、ウェハ供給部のウェハを下方から保持部により吸着保持して搬送する搬送手段と、ウェハに導電性ボールを搭載するボール搭載手段とを備え、前記保持部はウェハ供給部からのウェハの取り出しからウェハ収納部へのウェハ収納に至る全工程を通じてウェハを吸着保持することを特徴とする導電性ボールの搭載装置。
- 前記ボール搭載手段による導電性ボールの搭載位置において、ウェハを保持した前記保持部を支持する支持手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の導電性ボールの搭載装置。
- 導電性ボールの搭載に先立って、前記ウェハに接合材料を供給する接合材料供給手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の導電性ボールの搭載装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の導電性ボールの搭載装置を用いて電子部品に導電性ボールを搭載する導電性ボールの搭載方法であって、ウェハを搬送手段の保持部により下方から吸着保持して搬送し、このウェハを前記保持部により保持した状態で導電性ボールの搭載を行うことを特徴とする導電性ボールの搭載方法。
- 前記導電性ボールの搭載位置において、前記保持部を支持手段により支持した状態で導電性ボールの搭載を行うことを特徴とする請求項4記載の導電性ボールの搭載方法。
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