JP3478133B2 - 導電性ボールの移載装置 - Google Patents

導電性ボールの移載装置

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JP3478133B2
JP3478133B2 JP20740898A JP20740898A JP3478133B2 JP 3478133 B2 JP3478133 B2 JP 3478133B2 JP 20740898 A JP20740898 A JP 20740898A JP 20740898 A JP20740898 A JP 20740898A JP 3478133 B2 JP3478133 B2 JP 3478133B2
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  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性ボールを基
板や電子部品などのワークに移載する導電性ボールの移
載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板や電子部品の電極に金属バンプを形
成する方法として、半田ボールなどの導電性ボールを電
極上に移載して半田接合する方法が知られている。導電
性ボールの移載には、吸着ヘッドにより導電性ボールを
真空吸着する方法が広く用いられている。この方法は、
吸着ヘッドの下面に設けられた多数の吸着孔に導電性ボ
ールを吸着させてこの吸着ヘッドをワーク上に移動さ
せ、真空吸着を解除することにより導電性ボールをワー
クに移載するものである。そして、導電性ボールとワー
クの電極との半田接合性を向上させるため、ワークへの
移載に先立って導電性ボールにはフラックスが塗布され
る。この塗布は導電性ボールを保持した吸着ヘッドをフ
ラックスが所定厚さに印刷された塗膜上に下降させ、導
電性ボールの下端部を膜状のフラックスに接触させて転
写することにより行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、導電性ボ
ールの移載においては、導電性ボールの真空吸着による
ピックアップ、導電性ボールへのフラックス転写、およ
びワークへの移載の工程を必要とするが、従来の導電性
ボールの移載方法には以下に述べるような問題点があっ
た。まず、前述の真空吸着によるピックアップ、導電性
ボールへのフラックス転写、およびワークへの移載の各
工程には所定の時間を必要とし、これらの個々の工程を
高速化することには限度があることから、導電性ボール
移載のタクトタイムを従来以上に大幅に短縮することは
実際上困難であった。
【0004】また、導電性ボールのサイズが微小化する
に伴って、フラックス転写時に吸着ヘッドの下面にフラ
ックスが付着し易くなり、以下に述べるような不具合を
生じていた。まず、フラックスが付着した吸着ヘッドを
ボール供給部内の導電性ボール層に沈入させると、吸着
ヘッドに付着したフラックスは導電性ボールに付着して
汚染する。フラックスにより汚染された導電性ボールは
フラックスの粘着力によって相互に付着し、ピックアッ
プ時に吸着ヘッドの吸着孔への正常な吸着が妨げられ、
吸着ヘッドの下面に余分な導電性ボールが付着するエキ
ストラボールの原因となる。そしてフラックスによって
汚染された導電性ボールを洗浄して汚染を除去すること
は実際上不可能に近く、フラックスが付着した導電性ボ
ールは廃棄するしか処置の方法がなく、導電性ボールの
歩留り低下を招く要因となっていた。
【0005】このように、従来の導電性ボールの移載方
法は、タクトタイムの短縮が難しく、またフラックス転
写時の吸着ヘッドへのフラックス付着に起因して導電性
ボールの吸着不良や導電性ボールの歩留り低下を招くと
いう問題点があった。
【0006】 そこで本発明は、タクトタイムを短縮す
ることができ、またフラックスなどの粘着性接合材料の
塗布を併せて行う場合においては、粘着性接合材料の付
着に起因する不具合を防止することができる導電性ボー
ルの移載装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の導電性ボ
ールの移載装置は、導電性ボールを供給するボール供給
部と、下面に複数の吸着孔が設けられこのボール供給部
から真空吸着により導電性ボールをピックアップする第
1の吸着ヘッドと、下面に複数の吸着孔が設けられこの
第1の吸着ヘッドから導電性ボールを受け取る第2の吸
着ヘッドと、前記第2の吸着ヘッドを移動させる移動手
段と、前記第2の吸着ヘッドをワークに対して相対的に
昇降させることにより、第2の吸着ヘッドに保持された
導電性ボールを前記ワークに搭載する昇降手段とを備
、前記第1の吸着ヘッドに設けられた吸着孔のテーパ
面を有するボール導入部の深さは、前記第2の吸着ヘッ
ドに設けられた吸着孔のテーパ面を有するボール導入部
の深さより深い
【0008】請求項2記載の導電性ボールの移載装置
は、請求項1記載の導電性ボールの移載装置であって、
前記第2の吸着ヘッドに保持された導電性ボールに粘着
性接合材料を塗布する塗布手段を備えた。
【0009】請求項3記載の導電性ボールの移載装置
は、請求項1記載の導電性ボールの移載装置であって、
前記第1の吸着ヘッドと第2の吸着ヘッドは、少なくと
も一部分に同一の吸着孔配置を有する。
【0010】請求項4記載の導電性ボールの移載装置
は、請求項1記載の導電性ボールの移載装置であって、
前記第1の吸着ヘッドに設けられた吸着孔のボール導入
部のテーパ角度は、前記第2の吸着ヘッドに設けられた
吸着孔のボール導入部のテーパ角度よりも小さい。
【0011】
【0012】 請求項記載の導電性ボールの移載装置
は、請求項1記載の導電性ボールの移載装置であって、
前記第1の吸着ヘッドの下面の材質のヤング率は、前記
第2の吸着ヘッドの下面の材質のヤング率よりも大き
い。
【0013】
【0014】
【0015】各請求項記載の発明によれば、導電性ボー
ルをボール供給部から真空吸着によりピックアップする
第1の吸着ヘッドと、導電性ボールのワークへの搭載を
行う第2の吸着ヘッドの2つの専用の吸着ヘッドを備え
ることにより、ピックアップミスや搭載ミスを減少させ
ることができるとともに、タクトタイムを短縮すること
ができる。また粘着性接合材料の塗布を併せて行う場合
においては、ピックアップ用と粘着性接合材料の転写用
の吸着ヘッドを別個のものとすることにより、ピックア
ップ用の吸着ヘッドの下面への粘着性接合材料の付着を
防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の導電
性ボールの移載装置の正面図、図2(a)、(b)は同
導電性ボールの移載装置の吸着ヘッドの断面図、図3
(a)、(b)、(c)は同導電性ボールの移載装置の
吸着ヘッドの拡大断面図、図4(a)、(b)、図5
(a)、(b)、(c)、図6(a)、(b)、
(c)、(d)は同導電性ボールの移載方法の工程説明
図である。
【0017】まず図1を参照して導電性ボールの移載装
置について説明する。図1において、ボール供給部1は
容器2より成り、容器2には多数の導電性ボール3が貯
溜されている。容器2の上方には、第1の吸着ヘッド4
が配設されている。第1の吸着ヘッド4は図外の昇降手
段により容器2の導電性ボール3に対して昇降し、第1
の吸着ヘッド4の下面が導電性ボール3の表層に沈入し
た状態で第1の吸着ヘッド4の内部を真空吸引すること
により、下面に設けられた吸着孔4a(図2参照)に導
電性ボール3を真空吸着する。そして第1の吸着ヘッド
4は容器2から上昇した後、図外の反転手段によって上
下反転し、吸着孔4aに保持した導電性ボール3は上向
きの状態となる(鎖線で示す第1の吸着ヘッド4参
照)。
【0018】ボール供給部1の上方には、X軸モータ6
を備えた移動手段であるX軸テーブル5が水平方向に配
設されている。X軸テーブル5には、Z軸モータ7を備
えた昇降手段であるZ軸テーブル8が装着されている。
Z軸テーブル8には第2の吸着ヘッド9が装着されてい
る。X軸テーブル5を駆動して、第2の吸着ヘッド9
を、反転された状態の第1の吸着ヘッド4の上方に移動
させ、Z軸テーブル8を駆動させて第2の吸着ヘッド9
を第1の吸着ヘッド4に対して下降させることにより、
第2の吸着ヘッド9は導電性ボール3を受け取る。
【0019】ボール供給部1の側方には、粘着性接合材
料であるフラックスの塗布手段としてのフラックス塗布
部11が配設されている。フラックス塗布部11は、フ
ラックス13が膜状に塗布された容器12を備えてい
る。導電性ボール3を下面の吸着孔9aに真空吸着して
保持した第2の吸着ヘッド9を容器12に対して昇降さ
せることにより、導電性ボール3の下端部にフラックス
13を転写して塗布する。
【0020】フラックス塗布部11の側方には、ワーク
の位置決め部14が配設されている。位置決め部14は
移動テーブル15を備えており、移動テーブル15を駆
動することにより、移動テーブル15のホルダに保持さ
れたワーク16を水平方向に移動して位置決めする。
【0021】次に、図2を参照して、第1の吸着ヘッド
4および第2の吸着ヘッド9について説明する。図2
(a)は、第1の吸着ヘッド4を吸着面を上向きに反転
した状態で、第2の吸着ヘッド9と相対して位置させた
状態を示している。吸着孔4aの配列ピッチ、および吸
着孔9aの配列ピッチは、ともに同一のピッチpに設定
されており、第1の吸着ヘッド4および第2の吸着ヘッ
ド9の吸着孔配置は同一となっている。なお、本実施の
形態では、第1の吸着ヘッド4および第2の吸着ヘッド
9は図2(a)に示すように、ヘッド外形寸法を含め同
一形状、同一吸着孔配置となっているが、これに限定さ
れず、少なくとも一部分に同一吸着孔配置の部分を有す
る限りにおいて、図2(b)に示すように、第2の吸着
ヘッド9の吸着面サイズが、第1の吸着ヘッド4’の吸
着面サイズの整数分の1(図2(b)の例では1/2)
となるような組み合わせであってもよい。
【0022】このような場合には、第1の吸着ヘッド
4’が1回のピックアップ動作で吸着した導電性ボール
を、複数回に分けて第2の吸着ヘッド9に受け渡すこと
になる。したがって、ピックアップ動作に比較的長時間
を必要とするような導電性ボールを対象とする場合に、
このような吸着ヘッドの組み合わせを採用することによ
り、全体としてのタクトタイムを短縮する効果を得るこ
とができる。
【0023】次に、吸着孔4a、9aの形状の詳細につ
いて説明する。図3(a),(b)はそれぞれ第1の吸
着ヘッド4および第2の吸着ヘッド9の下面に設けられ
た吸着孔4a,9aを示している。吸着孔4a,9aの
第1の吸着ヘッド4、第2の吸着ヘッド9のそれぞれの
下面に開口する部分は、テーパ面を有するボール導入部
となっており、真空吸着時に導電性ボールの保持に適し
た形状となっている。以下、ボール導入部の形状につい
て、吸着孔4a、9aの2つを対比して説明する。
【0024】図3(a),(b)に示すように、導電性
ボール3のピックアップのみに用いられる第1の吸着ヘ
ッド4のボール導入部を、フラックス転写および導電性
ボール3のワーク16への搭載に用いられる第2の吸着
ヘッド9のボール導入部と比較すると、第1の吸着ヘッ
ド4のボール導入部のテーパ角度θ1は、第2の吸着ヘ
ッド9のボール導入部のテーパ角度θ2よりも小さく設
定されている。また、第1の吸着ヘッド4のボール導入
部の深さd1は、第2の吸着ヘッド9のボール導入部の
深さd2より深く設定されている。さらに、第1の吸着
ヘッド4の材質のヤング率(縦弾性係数)は、第2の吸
着ヘッド9の材質のヤング率よりも大きくなるよう、材
質が選定されており、本実施の形態では、第1の吸着ヘ
ッド4はステンレスなどの金属またはセラミック、第2
の吸着ヘッド9は樹脂となっている。
【0025】このように、第1の吸着ヘッド4と第2の
吸着ヘッド9のボール導入部の形状や材質に差異を設け
ることは、以下に述べるような意義を有する。まず、容
器内にランダムに貯溜された導電性ボールを安定して真
空吸着するためには、1つの吸着孔に対して1つの導電
性ボールを確実に対応させることが必要である。吸着孔
が完全に塞がれていない状態で真空吸引すると、吸着孔
の周囲の複数の導電性ボールを同時に吸引する吸着不良
の原因となるからである。すなわち、ボール導入部の深
さが深く、テーパ角度が小さい程導電性ボールを吸着孔
の直下に安定して位置させることができるため、導電性
ボールのピックアップ動作のみを行う場合には、このよ
うな形状が適している。
【0026】しかしながら、このような形状のボール導
入部の吸着ヘッドを用いると、導電性ボールを保持した
状態での、吸着ヘッドの下面から導電性ボールの下端部
までの高さ(図3(a)に示すh1参照)は必然的に小
さくなる。そして、このような状態で保持された導電性
ボールに転写によってフラックス塗布を行うと、フラッ
クスは導電性ボールのみならず吸着ヘッドの下面にも付
着しやすい。したがって、フラックス転写に用いられる
吸着ヘッドは、導電性ボールを保持したときに、吸着ヘ
ッドの下面から導電性ボールの下端部までの高さを極力
大きくできるような形状、すなわちボール導入部の深さ
が小さいものが適している。
【0027】次に、導電性ボールのワークへの搭載に用
いられる吸着ヘッドの要件について述べる。導電性ボー
ルをワークの電極上に搭載する際には、導電性ボールの
高さのばらつきやボール導入部の加工のばらつきのた
め、導電性ボールの下端部と電極との当接具合は一定で
なく、部分的な片当りが避けられない。このため、吸着
ヘッドに保持された導電性ボールの一部は電極に押圧さ
れ、押圧された導電性ボールはボール導入部に押し込ま
れる。このとき、ボール導入部のテーパ角度が小さいと
導電性ボールは押し込まれ易くなり、押し込まれた後に
はテーパ面から挟み込まれて真空吸引解除後にも吸着ヘ
ッドから離脱せずに残留する移載ミスを生じる原因とな
る。更に、この押圧時に一部の導電性ボールに押圧荷重
が集中して負荷されることを防止するため、吸着ヘッド
の材質としては、荷重に対してより弾性変形を起こしや
すいもの、すなわちヤング率(縦弾性係数)が小さいも
のが適している。
【0028】以上まとめると、導電性ボールを真空吸着
によりピックアップする吸着ヘッドとしては、形状的に
はボール導入部の深さが大きく、テーパ角度が小さいも
のが望ましい。また材質的には、ヤング率が小さいこと
は特に必要とされないことから、加工がより容易な金属
などの材質が望ましい。
【0029】これに対して、フラックス転写とワークへ
の搭載に用いられる吸着ヘッドには、形状的にはボール
導入部の深さが小さく、かつテーパ角度が大きく、材質
的にはヤング率が小さいものが望ましい。本実施の形態
では、前述のように、これら上記の条件を全て満たすよ
う、第1の吸着ヘッド4および第2の吸着ヘッド9の材
質およびボール導入部の形状が設定される。
【0030】更に、第1の吸着ヘッド4でピックアップ
した導電性ボール3を第2の吸着ヘッド9に受け渡す際
に、図3(c)に示すように第1の吸着ヘッド4と第2
の吸着ヘッド9の間に適正なクリアランスcが確保され
るよう、導電性ボール3の直径Dと、ボール導入部深さ
d1,d2が設定される。
【0031】この導電性ボールの移載装置は上記のよう
に構成されており、以下導電性ボールの移載方法につい
て、図4、図5、図6を参照して説明する。なお図4
(a),(b)、図5(a),(b),(c)、図6
(a),(b),(c),(d)は、導電性ボールの搭
載方法を工程順に示すものである。
【0032】まず図4(a)に示すように、第1の吸着
ヘッド4を容器2に対して下降させ、第1の吸着ヘッド
4の下面を導電性ボール3の表層より幾分下に沈入させ
る。そして第1の吸着ヘッド4の内部を真空吸引するこ
とにより、吸着孔4aに導電性ボール3を真空吸着させ
る。このとき、吸着孔4aのボール導入部は、テーパ部
のテーパ角度が小さく、深さが大きい形状となっている
ため、各吸着孔4aには速かに1個の導電性ボール3が
吸着され、したがって吸着孔4aの周囲に多数個の導電
性ボール3が吸引されて付着する吸着不良が発生しな
い。
【0033】この後第1の吸着ヘッド4は図4(b)に
示すように容器2から上昇し、矢印方向に回転すること
により上下反転する。これにより、第1の吸着ヘッド4
は、導電性ボール3を上向きに保持した状態となる。
【0034】次に、X軸テーブル5を駆動して第2の吸
着ヘッド9を第1の吸着ヘッド4上に移動させ、図5
(a)に示すように第1の吸着ヘッド4に対して下降さ
せる。そして、図5(b)に示すように、第2の吸着ヘ
ッド9の下面は、第1の吸着ヘッド4に保持された導電
性ボール3に接近する。この状態で第1の吸着ヘッド4
の真空吸引を解除し、第2の吸着ヘッド9の真空吸引を
開始すると、導電性ボール3は第2の吸着ヘッド9の吸
着孔9aの真空吸引力に捕捉されて、吸着孔9aに真空
吸着される。これにより、導電性ボール3は第1の吸着
ヘッド4から第2の吸着ヘッド9に受け渡される。
【0035】この後、第2の吸着ヘッド9をフラックス
塗布部11の上方へ移動させ、図6(a)に示すように
第2の吸着ヘッド9を容器12に対して下降させ、保持
した導電性ボール3の下端部を容器12の底面に当接さ
せる。これにより、容器12の底面に予め所定膜厚で塗
布されたフラックス13は導電性ボール3に転写され、
この後第2の吸着ヘッド9を上昇させることにより、図
6(b)に示すように導電性ボール3の下端部には所定
量のフラックス13が塗布される。このとき、第2の吸
着ヘッド9の吸着孔9aのボール導入部の深さが小さく
設定されているため、第2の吸着ヘッド9の下面と導電
性ボール3の下端部までの高さが確保され、フラックス
が第2の吸着ヘッド9の下面に付着することがない。
【0036】この後、第2の吸着ヘッド9はワークの位
置決め部14上に移動し、図6(c)に示すようにワー
ク16に対して下降する。そして、フラックス13が塗
布された導電性ボール3をワーク16の電極16a上に
当接させ、この状態で真空吸引を解除することにより、
図6(d)に示すように、導電性ボール3はワーク16
に移載される。
【0037】このとき、第2の吸着ヘッド9の吸着孔9
aのボール導入部のテーパ角度は大きく設定されている
ため、第2の吸着ヘッド9によって導電性ボール3をワ
ーク16に押圧した際に導電性ボール3が吸着孔9a内
に押し込まれて喰い込むことがなく、したがって真空吸
引解除後にも導電性ボール3が吸着孔9a内に残留する
移載ミスが発生しない。また、第2の吸着ヘッド9はヤ
ング率が小さい材質となっているため、導電性ボール3
をワーク16に押圧した際に吸着孔9aのテーパ面が押
圧荷重によって容易に変形する。したがって、一部の導
電性ボール3に押圧荷重が集中して作用することがな
い。
【0038】以上説明した導電性ボールの移載工程にお
いて、第2の吸着ヘッド9への導電性ボール3の受け渡
しを終えた後には、第1の吸着ヘッド4は直ちに次の導
電性ボール3のピックアップ動作に移ることができる。
すなわち、単一の吸着ヘッドによって導電性ボールのピ
ックアップ、フラックス転写およびワークへの搭載の全
てのステップを行う従来の導電性ボールの移載方法と比
較して、本実施の形態によればタクトタイムを略半分の
時間に短縮することができる。
【0039】このように、2つの吸着ヘッドを備え、そ
れぞれの吸着ヘッドの吸着孔の形状や材質を、対応する
動作・機能によって求められる特性に応じたものとする
ことにより、従来方法では解決が困難であった吸着ミス
や移載ミス、吸着ヘッドにフラックスが付着することに
よる導電性ボールの汚染などの問題点を解消できるとと
もに、タクトタイムを短縮して生産性を大幅に向上させ
ることができる。
【0040】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、例えば上記実施の形態では粘着性接合
材料としてフラックスを塗布する例を示しているが、こ
れ以外にも、実装工法に応じてクリーム半田、導電性ペ
ーストなど異なる種類の粘着性接合材料を導電性ボール
に塗布する場合にも本発明を適用できる。さらに、導電
性ボールへの粘着性接合材料の塗布を行わず、単にピッ
クアップおよび搭載のみを行う場合においても、導電性
ボールのピックアップ動作とワークへの搭載動作に対し
てそれぞれ別個の専用の吸着ツールを用いることによ
り、ピックアップミスや搭載ミスを減少させるとともに
タクトタイムを短縮して生産性を向上させるという効果
が得られる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、導電性ボールをボール
供給部から真空吸着によりピックアップする第1の吸着
ヘッドと、導電性ボールのワークへの搭載を行う第2の
吸着ヘッドの2つの専用の吸着ヘッドを備えるようにし
たので、各吸着ヘッドの形状や材質を対応する動作・機
能によって求められる特性に適応したものとすることが
でき、ピックアップミスや搭載ミスを減少させることが
できるとともに、タクトタイムを短縮することができ
る。
【0042】また導電性ボールへの粘着性接合材料の塗
布を併せて行う場合においては、ピックアップ用と粘着
性接合材料の転写用の吸着ヘッドを別個のものとするこ
とにより、ピックアップ用の吸着ヘッドの下面への粘着
性接合材料の付着を防止することができ、粘着性接合材
料の付着に起因するピックアップミスや搭載ミスを減少
させるとともに、導電性ボールの使用歩留まりを向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の導電性ボールの移載装
置の正面図
【図2】(a)本発明の一実施の形態の導電性ボールの
移載装置の吸着ヘッドの断面図 (b)本発明の一実施の形態の導電性ボールの移載装置
の吸着ヘッドの断面図
【図3】(a)本発明の一実施の形態の導電性ボールの
移載装置の吸着ヘッドの拡大断面図 (b)本発明の一実施の形態の導電性ボールの移載装置
の吸着ヘッドの拡大断面図 (c)本発明の一実施の形態の導電性ボールの移載装置
の吸着ヘッドの拡大断面図
【図4】(a)本発明の一実施の形態の導電性ボールの
移載方法の工程説明図 (b)本発明の一実施の形態の導電性ボールの移載方法
の工程説明図
【図5】(a)本発明の一実施の形態の導電性ボールの
移載方法の工程説明図 (b)本発明の一実施の形態の導電性ボールの移載方法
の工程説明図 (c)本発明の一実施の形態の導電性ボールの移載方法
の工程説明図
【図6】(a)本発明の一実施の形態の導電性ボールの
移載方法の工程説明図 (b)本発明の一実施の形態の導電性ボールの移載方法
の工程説明図 (c)本発明の一実施の形態の導電性ボールの移載方法
の工程説明図 (d)本発明の一実施の形態の導電性ボールの移載方法
の工程説明図
【符号の説明】
1 ボール供給部 2 容器 3 導電性ボール 4 第1の吸着ヘッド 4a 吸着孔 5 X軸テーブル 8 Z軸テーブル 9 第2の吸着ヘッド 9a 吸着孔 11 フラックス塗布部 13 フラックス 14 位置決め部 16 ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/60 H01L 23/12 H01L 23/50

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性ボールを供給するボール供給部と、
    下面に複数の吸着孔が設けられこのボール供給部から真
    空吸着により導電性ボールをピックアップする第1の吸
    着ヘッドと、下面に複数の吸着孔が設けられこの第1の
    吸着ヘッドから導電性ボールを受け取る第2の吸着ヘッ
    ドと、前記第2の吸着ヘッドを移動させる移動手段と、
    前記第2の吸着ヘッドをワークに対して相対的に昇降さ
    せることにより第2の吸着ヘッドに保持された導電性ボ
    ールを前記ワークに搭載する昇降手段とを備え、前記第
    1の吸着ヘッドに設けられた吸着孔のテーパ面を有する
    ボール導入部の深さは、前記第2の吸着ヘッドに設けら
    れた吸着孔のテーパ面を有するボール導入部の深さより
    深いことを特徴とする導電性ボールの移載装置。
  2. 【請求項2】前記第2の吸着ヘッドに保持された導電性
    ボールに粘着性接合材料を塗布する塗布手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の導電性ボールの移載装
    置。
  3. 【請求項3】前記第1の吸着ヘッドと第2の吸着ヘッド
    は、少なくとも一部分に同一の吸着孔配置を有すること
    を特徴とする請求項1記載の導電性ボールの移載装置。
  4. 【請求項4】前記第1の吸着ヘッドに設けられた吸着孔
    のボール導入部のテーパ角度は、前記第2の吸着ヘッド
    に設けられた吸着孔のボール導入部のテーパ角度よりも
    小さいことを特徴とする請求項1記載の導電性ボールの
    移載装置。
  5. 【請求項5】前記第1の吸着ヘッドの下面の材質のヤン
    グ率は、前記第2の吸着ヘッドの下面の材質のヤング率
    よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の導電性ボ
    ールの移載装置。
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