JP3552357B2 - 食物洗浄装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は食物に付着している汚染物質を除去する洗浄装置に関し、特に野菜や果物などの食物に付着している農薬、細菌、害虫などの人体に有害な汚染物質を除去する食物洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、日本国内では輸入食物の増加に伴い、果物や野菜などに使用されるポストハーベスト農薬の残留問題がクローズアップされている。これに対し無農薬栽培や有機農法栽培による農作物も年々増加しているが、これらの農作物は有害な細菌などの付着が考えられ、決して安全であるとは言えない。したがって食物の安全、衛生の確保のために洗浄が必要となる。
【0003】
しかしながら一般家庭において食物の洗浄装置はなく、流水浸漬や手洗いによる方法で洗浄されている。
【0004】
従来、微細気泡を発生させる装置としては特公平4−46149号公報に開示されている気泡発生浴槽がある。図5にその概略を示す。気泡発生浴槽は浴槽1内の湯をリターン管2にて取り込み、ポンプ3を介して吐出管4から浴槽1に湯を吐出する循環式の構成であり、微細気泡と通常気泡の発生は電動三方弁6によって切り替えられる。微細気泡は空気吸引管5からリターン管2内に空気を巻き込み、ポンプ3によって加圧して空気を湯に溶解させた後、減圧ノズル7で湯を減圧し、再び空気を湯の中に析出させることによって発生させている。微細気泡は入浴者の体感温度の低下促進し、かつ急激な血圧の上昇防止効果を得られるとしている。
【0005】
また野菜や果物ではないが、食器の洗浄を目的としたもので実開平5−26051号公報に開示されているアルカリ水と酸性水を生成する装置を備えた食器洗浄器がある。図6にその概要を示す。食器洗浄器本体8の内部には洗浄槽9と、洗浄槽9の内底部に位置し、洗浄用ポンプ11に回転自在に取り付けられた洗浄液を噴射する噴射体10と、アルカリ水と酸性水を生成する創水装置12が吸水管13の下流側に配設された構成となっている。創水装置12で水の電気分解によってアルカリ水と酸性水が生成され、前記アルカリ水が噴射体10から噴射され、洗浄槽9に収納されている食器が洗浄される。前記アルカリ水は食器に付着している汚れ物質との反応が活発であるため、こげや口紅などの洗い落とし難い汚れであっても、効果的に洗浄除去することができる。またアルカリ水による洗浄後、酸性水を洗浄槽9に供給することによって食器を殺菌することができるようになっている。
【0006】
また従来この種の洗浄に用いられる洗浄液を得る装置として、特開平4−330986号公報に開示されている遊離塩素水製造装置がある。図7にその概略を示す。対抗した陽極15と陰極16を有する電解槽14は食塩水18が入れられた食塩水タンク19と導入管20とポンプよりなる食塩水供給手段17と、電解槽14の出口には水道水が流れる供給管22と吐出管24と継手23が接続されている排出管21とが接続された構成となっている。食塩水18が食塩水タンク19から導入管20を通りポンプを介して電解槽14内へ供給されると食塩水18の電気分解処理を開始し、所定濃度の遊離塩素水が生成される。この遊離塩素水は排出管21を通り供給管22を流れる水道水と継ぎ手23で混合され、吐出管24より濃度調整される。この遊離塩素水は次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンの成分からなり、これら成分が化学的酸化力による殺菌作用を有するので、種々の殺菌利用系、例えばおしぼりの洗浄殺菌水、食品機械の洗浄殺菌、食品材料の洗浄殺菌などに使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の気泡発生浴槽で適用される微細気泡は入浴者の体感温度の低下促進し、かつ急激な血圧の上昇防止する効果があるとされているが、食物などの洗浄に適用した例はなく、付着している農薬や細菌などの汚染物質を除去できるかどうかは不明であった。
【0008】
また従来のアルカリ水、酸性水の創水装置を備えた食器洗浄器において、農薬や細菌などの汚染物質が食器のように微細な凹凸が少ない表面に付着している場合は、前記アルカリ水、酸性水による分解除去が可能であるが、野菜や果物の表面は微細な凹部が多く、前記食器洗浄器のようにアルカリ水、酸性水の洗浄水を噴射体から噴射させるだけの構成では、野菜や果物表面の微細な凹部に付着している汚染物資を完全に分解除去できないという課題があった。一方pHが3以下の強酸性水もしくはpH11以上の強アルカリ水は、前記汚染物質を短時間で分解できるが、それらの水を生成させるのに時間を要し、洗浄行程全体の時間で判断すると短時間洗浄は期待できない。
【0009】
また従来の遊離塩素水製造装置において、製造される遊離塩素水はその成分である次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンの化学的酸化力によって野菜や果物などに付着している農薬や細菌などの汚染物質を分解することができる。しかしながら野菜や果物などを洗浄する場合、前記遊離塩素水製造装置に加えて洗浄槽を備えた洗浄装置を付加する必要があり、装置自身が大きく、かつ複雑になるという課題があった。
【0010】
また手洗いによる洗浄は、人の感覚に頼った方法であるので洗い方が一定せず、常に安定した洗浄ができないという課題があった。
【0011】
本発明は上記課題を解決するもので、野菜や果物などに付着している農薬、細菌、害虫などの汚染物質を短時間で、かつ優れた除去性能を実現できる食物洗浄装置の提供を目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は食物を洗浄する洗浄液を収納する洗浄槽と、前記洗浄液に微細気泡を発生させる気泡発生手段と、食物に付着している汚染物質を溶出させる液体改質手段と、食物に付着している汚染物質および前記洗浄液に溶出された汚染物質を分解する遊離塩素生成装置、イオン水生成装置、オゾン発生装置の少なくとも一つの汚染物質分解手段を備えた構成としている。
【0013】
【作用】
本発明の構成では、気泡発生手段によって洗浄液中に発生させた微細気泡を食物表面に付着させることにより、食物表面に付着している汚染物質を前記微細気泡に移行させることができ、食物表面から除去することができる。
【0014】
また、液体改質手段によって食物の凹部に付着している前記汚染物質を溶出することができるとともに、食物表面に付着している前記汚染物質も前記気泡発生手段によって発生させた微細気泡により洗浄液に移行させることができる。
【0015】
また、洗浄液に移行した汚染物質および食物表面に化学的に付着している汚染物質を汚染物質分解手段の酸化分解、加水分解作用によって化学的に分解し、無害な物質に変換することができる。
【0016】
また、旋回流発生手段によって食物を洗浄する洗浄液に旋回流を発生させているので、前記旋回流の機械的エネルギによって食物表面に強固に付着している汚染物質を除去することができ、除去性能を向上させることができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
【0018】
(実施例1)
図1は本発明の気泡発生手段の実施例を示す食物洗浄装置である。図において、25は食物を洗浄する洗浄液が収納される洗浄槽、26は食物を洗浄する洗浄液である。洗浄液26は通常水道水が使用され、洗浄槽25の側壁には洗浄液26を供給する供給管36、洗浄槽25の底部には洗浄液26を排出する排出管37が接続されている。また供給管36と排出管37には洗浄液26の供給と排出を制御する電磁弁38、39が設けられている。
【0019】
27は洗浄液26に微細気泡を発生させる気泡発生手段であり、微細気泡をとなる気体(通常は空気)を吸引する吸引管31が設けられたエジェクター30と、洗浄液26を搬送させるとともに洗浄液26を加圧して前記気体を溶解させるための流体ポンプ28と、溶解した気体を減圧して析出させ洗浄槽25内へ微細気泡を含む洗浄液26を噴出させる減圧ノズル34と、過剰な洗浄液26再びエジェクター30に戻す分岐部33で構成されている。洗浄槽25とエジェクター30およびエジェクター30と流体ポンプ28は洗浄液26を搬送する搬送管29、流体ポンプ28と分岐部33は吐出管32、分岐部33とエジェクター30は戻し管35がそれぞれ接続されている。
【0020】
上記構成において、制御部(図示せず)から洗浄開始の信号が発せられると電磁弁38が作動(開)し、食物を洗浄する洗浄液26(通常は水道水)が供給管36から洗浄槽25に供給される。洗浄液26が所定の量になると電磁弁38が作動(閉)し、供給が停止される。次に流体ポンプ28が作動し、洗浄液26は搬送管29を通りエジェクター30に搬送され、エジェクター30に設けられている吸引管31から吸引された空気を巻き込む。洗浄液26に巻き込まれた空気は流体ポンプ28によって2〜4kg/cm2に加圧された洗浄液26に溶解し、吐出管32を通り減圧ノズル34に搬送される。空気を溶解した洗浄液26は減圧ノズル34で減圧され、溶解していた空気の析出により50μm以下の微細気泡が発生した状態で洗浄槽25内に噴出される。一方減圧ノズル34では加圧された洗浄液26を減圧させるために圧損を高くし噴出流量を少なくしているので、過剰の洗浄液26は戻し管35に導かれ、気泡発生手段27を循環する。洗浄槽25に入れられた野菜や果物などの食物は、前記微細気泡を含む洗浄液26によって洗浄される。
【0021】
任意に設定された洗浄時間が経過すると、前記制御部から洗浄終了の信号が発せられ、流体ポンプ28が停止する。その後、排出管37に設けられた電磁弁39が作動(開)し、洗浄液26が食物洗浄装置から排出される。
【0022】
野菜や果物などの食物の表面は微細な凹凸から構成され、複雑な形状を有している。農薬や細菌などの汚染物質はそのほとんどが食物の表面に付着している。本発明では気泡発生手段27によって気体による微細気泡を含む洗浄液26を食物に噴出させている。前記微細気泡は食物の表面に接触すると表面張力の作用によりその表面に付着する。食物表面に前記汚染物質が付着している場合、前記微細気泡は食物だけでなく、前記汚染物質にも付着することになる。洗浄槽25の中の洗浄液26は減圧ノズル34からの噴出力、搬送管29への吸引力によって水流が発生しており、この水流の作用によって前述の食物表面もしくは汚染物質に付着した微細気泡が再び洗浄液26に分散される。このとき、前記汚染物質が付着した状態で脱離、すなわち前記汚染物質が微細気泡に移行させることができ、食物に物理的に付着している汚染物質を除去することができる。
【0023】
前記微細気泡は時間とともに消滅するが、気泡発生手段27により新しく生成されるので上記除去効果は洗浄の間持続させることができる。
【0024】
洗浄槽25に入れられた食物は、洗浄液26に浮遊し水流によって移動回転するので食物全表面の汚染物質に対し有効に作用する。
【0025】
なお除去された前記汚染物質は洗浄液26に分散されたままにあるので、洗浄終了後、洗浄液26とともに排出される。
【0026】
本発明の気泡発生手段27を構成している減圧ノズル34は1個用いているが、その個数は特に限定されるものではなく、洗浄槽25の大きさ、形状や流体ポンプ28の性能などによって、適宜選択されるものである。したがって流体ポンプ28の能力が高い場合は、減圧ノズル34の個数を増やすことにより、短時間での洗浄が可能となる。
【0027】
また本実施例では洗浄液26を循環しながら洗浄しているが、排出しながら常にきれいな洗浄液を供給することも可能である。この構成では前記汚染物質の食物への再付着が防止されるのでより優れた除去性能を得ることができる。
【0028】
本発明の気泡発生手段27によって発生する水流は弱いので食物を水流で傷つけることなく洗浄できる。例えばイチゴなどのように柔らかい食物の洗浄に適した構成となっている。
【0029】
(実施例2)
図2は本発明の液体改質手段の実施例を示す食物洗浄装置である。本実施例における気泡発生手段は、実施例1と同一の手段、機能を適用しており、図1と同一手段、同一部材は同一番号で示している。図2において、40は食物に付着している汚染物質を溶出させる液体改質手段であり、容器にシクロケイ酸塩化合物を主成分とする鉱物を充填して構成される(図示せず)。この液体改質手段40は気泡発生手段27を構成している流体ポンプ28と分岐部33の間に設けられ、洗浄液26はこの液体改質手段40を構成するシクロケイ酸塩化合物と接触することにより、汚染物質を溶出させる洗浄液として改質している。
【0030】
上記構成において、制御部(図示せず)から洗浄開始の信号が発せられると電磁弁38が作動(開)し、食物を洗浄する洗浄液26(通常は水道水)が供給管36から洗浄槽25に供給される。洗浄液26が所定の量になると電磁弁38が作動(閉)し、供給が停止される。次に流体ポンプ28が作動し、洗浄液26は搬送管29を通りエジェクター30に搬送され、エジェクター30に設けられている吸引管31から吸引された空気を巻き込む。洗浄液26に巻き込まれた空気は流体ポンプ28によって加圧された洗浄液26に溶解し、吐出管32を通り液体改質手段40に搬送される。洗浄液26はこの液体改質手段40によって活性化され、減圧ノズル34に搬送される。洗浄液26は減圧ノズル34で減圧され、溶解していた空気の析出により微細気泡が発生した状態で洗浄槽25内に噴出される。一方減圧ノズル34では加圧された洗浄液26を減圧させるために圧損を高くし噴出流量を少なくしているので、過剰の洗浄液26は戻し管35に導かれ、気泡発生手段27を循環する。洗浄槽25に入れられた野菜や果物などの食物は、前記微細気泡を含む洗浄液26によって洗浄される。
【0031】
任意に設定された洗浄時間が経過すると、前記制御部から洗浄終了の信号が発せられ、流体ポンプ28が停止する。その後、排出管37に設けられた電磁弁39が作動(開)し、洗浄液26が食物洗浄装置から排出される。
【0032】
前述したように、野菜や果物などの食物の表面は微細な凹凸から構成され、複雑な形状を有している。気泡発生手段27によって生成される微細気泡は数μm〜数十μmレベルであるので食物表面の微細な凹部への侵入は不可能である。本発明では液体改質手段40によって洗浄液26を活性化し、食物への浸透性、濡れ性を向上させている。この作用によって前述の食物凹部へ洗浄液26が浸透し、そこに物理的に付着している汚染物質を溶出させることができる。食物表面に溶出してきた前記汚染物質は水流と微細気泡により食物表面から除去され、実施例1よりも優れた洗浄性能を得ることができる。
【0033】
なお微細気泡作用は実施例1で述べた通りであるので説明を省略する。
【0034】
液体改質手段40として適用しているシクロケイ酸塩化合物の鉱物によって水が活性化される理由は明確ではないが、洗浄液26である水の分子の水素結合で集団化されるクラスターの大きさが、処理しない水よりも小さいことに起因していると考えられる。
【0035】
またシクロケイ酸塩化合物の鉱物の成分は、化学的に安定で洗浄液26中に溶出せず水道水基準を満足しているので洗浄液としての安全性が確保できる。
【0036】
また本発明の実施例では液体改質手段40を気泡発生手段27の中に組み込んでいるが、独立の水回路で構成してもよい。
【0037】
(実施例3)
図3は本発明の汚染物質分解手段の実施例を示す食物洗浄装置である。本実施例における気泡発生手段は、実施例1と同一の手段、機能を適用しており、図1と同一手段、同一部材は同一番号で示している。図3において、41は汚染物質分解手段であり、洗浄液26のpHを制御するイオン水生成装置42で構成している。イオン水生成装置42は対抗する電極43と酸性水、アルカリ水を分離する隔膜44からなる電解槽からなり、水道水を供給する供給管36に流量調節弁45を介して連結され、洗浄槽25とはイオン水供給管46で接続されている。またイオン水生成装置42から食物の洗浄に使用されないイオン水を排出するために、イオン水排出管47が排出管37に接続されている。
【0038】
次に、食物を洗浄するイオン水として、酸性水を用いた場合の動作について説明する。
【0039】
上記構成において、制御部(図示せず)から洗浄開始の信号が発せられると、洗浄液供給側の流量調節弁45が作動(開)し、水道水が供給管36を通り、イオン水生成装置42に供給される。次に制御部からの信号により、隔膜を挟んで対抗する電極43に直流電流を流し、水の電気分解が開始される。この電気分解によって、水道水中の水素イオンは隔膜を通過して−電極側に移動し、水酸イオンは隔膜を通過して+電極側に移動する。これらのイオンの移動によって、−電極側に酸性水、+電極側にアルカリ水が生成する。生成した酸性水はイオン水供給管46を通り、洗浄槽25に供給される。一方+電極側で生成したアルカリ水はイオン水排出管47から排出される。洗浄槽25に必要量の酸性水が供給されると、流量調節弁45が閉じられ、酸性水の供給および水の電気分解が停止される。水の電気分解が終了すると流体ポンプ28が作動し、酸性水の洗浄液26は搬送管29を通りエジェクター30に搬送され、エジェクター30に設けられている吸引管31から吸引された空気を巻き込む。酸性水の洗浄液26に巻き込まれた空気は流体ポンプ28によって加圧された酸性水の洗浄液26に溶解し、減圧ノズル34に搬送される。酸性水の洗浄液26は減圧ノズル34で減圧され、溶解していた空気の析出により微細気泡が発生した状態で洗浄槽25内に噴出される。一方減圧ノズル34では加圧された酸性水の洗浄液26を減圧させるために圧損を高くし噴出流量を少なくしているので、過剰の酸性水の洗浄液26は戻し管35に導かれ、気泡発生手段27を循環する。洗浄槽25に入れられた野菜や果物などの食物は前記微細気泡を含む酸性水の洗浄液26によって洗浄される。
【0040】
任意に設定された洗浄時間が経過すると、前記制御部から洗浄終了の信号が発せられ、流体ポンプ28が停止する。その後、排出管37に設けられた電磁弁39が作動(開)し、酸性水の洗浄液26が食物洗浄装置から排出される。
【0041】
汚染物質の食物表面での付着形態は物理的付着と化学的付着の2種類がある。食物に物理的に付着している汚染物質は実施例1および実施例2で述べたように、気泡発生手段27で発生する微細気泡と水流によって除去することができるが、食物に化学的に付着している汚染物質は除去できない。しかしながら、本実施例の食物の洗浄に用いている酸性水の洗浄液26は有機物などの化合物を分解する能力を有している。この酸性水の洗浄液26を洗浄槽25に供給し、野菜や果物などの食物と接触させると、食物表面に化学的に付着している農薬などの汚染物質は酸性水の酸化作用によって分解され、食物表面から除去される。
【0042】
また気泡発生手段27と水流によって食物から除去され、洗浄液26に分散している汚染物質は洗浄液26である酸性水の酸化分解作用により分解することができるので洗浄中に食物への汚染物質の再付着が防止され、優れた除去性能を実現し、より安全な食物を得ることができる。
【0043】
また洗浄液26に前記汚染物質が残留しないことから、食物洗浄装置への付着が防止され、安全で衛生的な食物洗浄装置を得ることができるとともに、前記汚染物質による下水道の汚染を防止することができる。
【0044】
また前記酸性水は食物を腐敗させる細菌を死滅させることができるので洗浄後の食物の保存期間を長くすることができる。
【0045】
また前記酸性水は薬品の添加でなく、水道水の電気分解によって生成しているので、人体に対する液体自身の安全性が高い。
【0046】
なお前記酸性水の水素イオン濃度は高いほど酸化分解能力が高くなるが、電気分解による酸性水の生成量の関係から、pHは3〜5の範囲が実用的である。
【0047】
一方洗浄液としてアルカリ水を適用する場合も、図3に示した酸性水を洗浄液とする食物洗浄装置とほぼ同一の構成となる。基本的に異なる点はる電極43の極性が逆になること、洗浄槽25に供給される洗浄液26がアルカリ水であること、イオン水生成装置42から排出されるイオン水が酸性水であることである。
【0048】
前記アルカリ水は有機物などの化合物を加水分解できるので食物表面に付着している汚染物質を分解することができるとともに、食物への浸透性が高いので食物表面の凹部に付着している汚染物質を溶出、あるいは分解することができ、汚染物質の除去性能を大幅に向上させることができる。
【0049】
また前記アルカリ水は食物を腐敗させる細菌を死滅させることができるので洗浄後の食物の保存期間を長くすることができる。
【0050】
また前記アルカリ水は薬品の添加でなく、水道水の電気分解によって生成しているので人体に対する液体自身の安全性が高い。
【0051】
なお前記アルカリ水の水素イオン濃度は低いほど還解能力が高くなるが、電気分解によるアルカリ水の生成量の関係から、pHは8〜10の範囲が実用的である。
【0052】
本実施例では食物洗浄装置に酸性水、アルカリ水を生成するイオン水生成手段を設けているが、市販されているイオン水生成器を連結しても同じ効果が得られる。
【0053】
なお本実施例では汚染物質分解手段41としてイオン水生成装置42を用いたが、前述の汚染物質は遊離塩素やオゾンによっても化学的に分解することができるので遊離塩素生成装置、オゾン発生装置の適用も可能である。
【0054】
(実施例4)
図4は本発明の他の実施例を示す食物洗浄装置である。本実施例では汚染物質分解手段としてオゾン発生装置を用いている。また本実施例における気泡発生手段は実施例1と同一の手段、機能および液体改質手段は実施例2と同一の手段、機能を適用しており、図1、図2と同一手段、同一部材は同一番号で示している。図4において、48は汚染物質分解手段であり、オゾンを発生させるオゾン発生装置49と、発生したオゾンを洗浄槽25に供給する気体ポンプ50と、前記オゾンの供給と洗浄液26の流入を防止するための電磁弁51で構成されている。オゾン発生装置49は、高圧放電を利用してオゾンを発生させるものが適用される。
【0055】
上記構成において、制御部(図示せず)から洗浄開始の信号が発せられると電磁弁38が作動(開)し、食物を洗浄する洗浄液26(通常は水道水)が供給管36から洗浄槽25に供給される。洗浄液26が所定の量になると電磁弁38が作動(閉)し、供給が停止される。次に流体ポンプ28が作動し、洗浄液26は搬送管29を通りエジェクター30に搬送され、エジェクター30に設けられている吸引管31から吸引された空気を巻き込む。洗浄液26に巻き込まれた空気は流体ポンプ28によって加圧された洗浄液26に溶解し、吐出管32を通り液体改質手段40に搬送される。洗浄液26は液体改質手段40によって活性化され、減圧ノズル34に搬送される。洗浄液26は減圧ノズル34で減圧され、溶解していた空気の析出により微細気泡が発生した状態で洗浄槽25内に噴出される。減圧ノズル34では加圧された洗浄液26を減圧させるために圧損を高くし噴出流量を少なくしているので、過剰の洗浄液26は戻し管35に導かれ、気泡発生手段27を循環する。一方流体ポンプ28の作動と同時に、オゾン発生装置49、気体ポンプ50、電磁弁51が作動し、オゾンが洗浄槽25内の洗浄液26に供給される。洗浄槽25に入れられた野菜や果物などの食物はこの洗浄液26によって洗浄される。
【0056】
任意に設定された洗浄時間が経過すると、前記制御部から洗浄終了の信号が発せられ、気泡発生手段27、汚染物質分解手段48が停止する。その後、排出管37に設けられた電磁弁39が作動(開)し、洗浄液26が食物洗浄装置から排出される。
【0057】
前述したように、本発明では液体改質手段40によって洗浄液26を活性化し、食物への浸透性、濡れ性を向上させているので食物凹部へ洗浄液26が浸透し、物理的に付着している汚染物質を溶出させることができる。食物表面に溶出してきた汚染物質および食物の平滑部、凸部に物理的に付着している汚染物質は、気泡発生手段27で発生させた微細気泡と水流により食物表面から除去される。
【0058】
一方食物表面に化学的に付着している汚染物質は、前述の気泡発生手段27、液体改質手段40では除去されない。本実施例で適用しているオゾンは洗浄液26に供給するとオゾン分子が酸素分子と活性酸素に分解する。前記活性酸素は酸化作用が強く、有機物などの化合物を酸化分解できるので前記活性酸素によって食物表面に化学的に付着している汚染物質の分解が可能となる。したがって本実施例では前記汚染物質の優れた除去性能を短時間で実現することができるので食物の組織破壊などのダメージを防止することができ、食物の品質を維持することができる。
【0059】
また前述の気泡発生手段27、液体改質手段40により食物から除去され、洗浄液26に分散している汚染物質もオゾンの酸化分解作用によって分解することができるので洗浄中の食物への汚染物質の再付着が防止され、より安全な食物を得ることができる。
【0060】
また洗浄液26にオゾンを供給すると、オゾン分子は酸素分子と活性酸素に分解し、洗浄液12中の溶存酸素濃度が高くなる。その結果、食物の細胞の中に取り込まれる酸素量が多くなり、食物の細胞はこの取り込んだ酸素によって活性化され、水の吸収能力が高まる。したがって洗浄前の食物が萎びた(水分がない)状態にあった場合、オゾンの作用によって食物の細胞に水分が補給され、新鮮さを蘇生させることができる。
【0061】
また洗浄液26に前記汚染物質が残留しないことから、食物洗浄装置への付着が防止され、安全で衛生的な食物洗浄装置を得ることができるとともに、前記汚染物質による下水道の汚染を防止することができる。
【0062】
またオゾンは食物を腐敗させる細菌を分解できるので、洗浄後の食物の保存期間を長くすることができる。
【0063】
なお本実施例のオゾンによる汚染物質分解手段48は、気泡発生手段27を構成する吸引管31に接続し、空気とともにオゾンを吸引させてもよい。この構成ではオゾン発生装置49のみで汚染物質分解手段48が構成され、気体ポンプ50、電磁弁51は不要となり構成が簡素化される。
【0064】
以上のように、本発明は気泡発生手段27、液体改質手段40、汚染物質分解手段48の相乗作用により、食物に物理的、化学的に付着している汚染物質を分解除去することができ、優れた洗浄能力を実現することができる。
【0065】
本発明の構成に食物を洗浄する洗浄液に旋回流を発生させる旋回流発生手段を設けることにより、強固に付着している汚染物質を物理的に脱離させることができ、一層洗浄能力を向上させることができる。
【0066】
なお本実施例では、食物に付着している汚染物質の除去について説明したが、食物だけに限定されものでなく、食器や調理器具などの洗浄にも適用できる。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の食物洗浄装置は、食物を洗浄する洗浄液に微細気泡を発生させる気泡発生手段と、食物に付着している汚染物質を溶出させる液体改質手段と、食物に付着している汚染物質および前記洗浄液に溶出された汚染物質を分解する遊離塩素生成装置、イオン水生成装置、オゾン発生装置の少なくとも一つの汚染物質分解手段を備えた構成としているので、微細気泡発生手段によって発生させた微細気泡を食物に付着させることにより、食物に物理的に付着している農薬などの汚染物質を微細気泡に移行させること ができるとともに、液体改質手段によって洗浄液の食物への浸透性、濡れ性を向上させているので食物凹部へ洗浄液が浸透し、そこに物理的に付着している汚染物質を容易に溶出させることができ、微細気泡への汚染物質の移行を促進することができ、食物表面から除去されるので優れた洗浄性能を得ることができる。
【0068】
また、汚染物質を分解する汚染物質分解手段によって物理的な手段では除去されない食物表面に化学的に付着している汚染物質を分解することができるので洗浄性能を大幅に向上させることができる。また気泡発生手段と液体改質手段によって食物から除去され、洗浄液に分散している汚染物質をも汚染物質分解手段によって分解することができるので洗浄中に食物への汚染物質の再付着が防止され、より安全な食物を得ることができる。また洗浄液に前記汚染物質が残留しないことから、食物洗浄装置への付着が防止され、安全で衛生的な食物洗浄装置を得ることができるとともに、前記汚染物質による下水道の汚染を防止することができる。また食物を腐敗させる細菌を死滅させることができるので洗浄後の食物の保存期間を長くすることができる。また汚染物質を短時間で除去することができるので食物の組織破壊などのダメージを防止することができ、食物の品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気泡発生手段の実施例を示す食物洗浄装置の構成図
【図2】本発明の液体改質手段の実施例を示す食物洗浄装置の構成図
【図3】本発明の汚染物質分解手段の実施例を示す食物洗浄装置の構成図
【図4】本発明の他の実施例を示す食物洗浄装置の構成図
【図5】従来の気泡発生浴槽の構成図
【図6】従来の食器洗浄器の構成図
【図7】従来の遊離塩素水製造装置の構成図
【符号の説明】
25 洗浄槽
26 洗浄液
27 気泡発生手段
40、48 液体改質手段
41 汚染物質分解手段
42 イオン水生成装置
49 オゾン発生装置
Claims (1)
- 食物を洗浄する洗浄液を収納する洗浄槽と、前記洗浄液に微細気泡を発生させる気泡発生手段と、食物に付着している汚染物質を溶出させる液体改質手段と、食物に付着している汚染物質および前記洗浄液に溶出された汚染物質を分解する遊離塩素生成装置、イオン水生成装置、オゾン発生装置の少なくとも一つの汚染物質分解手段で構成した食物洗浄装置。
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