JP3552373B2 - 食物洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は野菜や果物などの食物に付着している農薬、細菌、害虫などの有害な汚染物質や加工食品に用いられている添加物を除去する洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、日本国内では輸入食物の増加に伴い、果物や野菜などに使用されるポストハーベスト農薬の残留問題がクローズアップされている。これに対し無農薬栽培や有機農法栽培による農作物も年々増加しているが、これらの農作物は有害な細菌などの付着が考えられ、決して安全であるとは言えない。一方、加工食品においては見栄え、保存を目的に添加物が使用されているが、この添加物に対する不安の声も多くなっている。
【0003】
しかしながら一般家庭において前記汚染物質や添加物を除去する食物の洗浄装置はなく、流水浸漬や手洗い、湯通しによる方法で洗浄されている。
【0004】
従来類似の装置としては業務用を目的とした特開昭64−70376号公報に開示されている生鮮食品ケースがある。図4にその概略を示す。図に示すように、生鮮食品を収納する食品ケース1の枠にオゾン、水霧を吹き出す複数の吹出孔2とそれらを吸引する複数の吸引孔3が形成されている。一方、前述のオゾンと水霧は架台4とタンク5とカバー6の内部で発生させており、吹出管7を介して吹出孔2から食品ケース1内に噴出される構成となっている。食品ケース1に収納される野菜、肉などの生鮮食品は吹出孔2からのオゾンによって殺菌されるとともに、水霧によって加湿されているので鮮度が保持される。
【0005】
また野菜や果物ではないが、食器の洗浄を目的としたもので実開平5−26051号公報に開示されているアルカリ水と酸性水を生成する装置を備えた食器洗浄器がある。図5にその概要を示す。食器洗浄器本体8の内部には洗浄槽9と、洗浄槽9の内底部に位置し、洗浄用ポンプ11に回転自在に取り付けられた洗浄液を噴射する噴射体10と、アルカリ水と酸性水を生成する創水装置12が吸水管13の下流側に配設された構成となっている。創水装置12で水の電気分解によってアルカリ水と酸性水が生成され、前記アルカリ水が噴射体10から噴射され、洗浄槽9に収納されている食器が洗浄される。前記アルカリ水は食器に付着している汚れ物質との反応が活発であるため、こげや口紅などの洗い落とし難い汚れであっても、効果的に洗浄除去することができる。またアルカリ水による洗浄後、酸性水を洗浄槽9に供給することによって食器を殺菌することができるようになっている。
【0006】
また食物の安全性の確保、風呂水の浄化を目的に紫外線を照射する方法、装置があるが、これらはいずれも有害な菌を分解して死滅させるものである。
【0007】
また加工食品に添加されている添加物は湯で洗浄することで除去できるということが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の生鮮食品ケースはオゾンガスによって殺菌処理し、食物の鮮度を保持する効果があるとされているが、食物などの洗浄に適用した例はなく、かつ付着している農薬や細菌などの汚染物質を分解、除去できるかどうかは不明であった。さらに、生鮮食品ケースには洗浄機能がないので汚染物質が分解されてもそのまま食物に残留するという課題があった。
【0009】
また従来のアルカリ水、酸性水の創水装置を備えた食器洗浄器において、農薬や細菌などの汚染物質が食器のように微細な凹凸が少ない表面に付着している場合は、前記アルカリ水、酸性水による分解除去が可能であるが、野菜や果物の表面は微細な凹部が多く、前記食器洗浄器のようにアルカリ水、酸性水の洗浄水を噴射体から噴射させるだけの構成では、野菜や果物表面の微細な凹部に付着している汚染物資を完全に分解、除去できないという課題があった。
【0010】
また手洗いによる洗浄は、人の感覚に頼った方法であるので洗い方が一定せず、常に安定した洗浄ができないという課題があった。
【0011】
また食物に紫外線を照射する方法も殺菌が目的であり、農薬などの汚染物質まで分解、除去する洗浄装置として適用した例はなかった。
【0012】
また食物に添加されている添加物を除去する洗浄装置はなく、人の経験と感覚で湯通しする方法しかなく、常に安定した洗浄ができないという課題があった。
【0013】
本発明はこのような従来の課題を解決するもので、オゾンガスと紫外線の照射によって野菜や果物などの生鮮食品からなる食物に付着している農薬、細菌、害虫などの汚染物質を分解するとともに、食物を洗浄する洗浄液の改質と洗浄液に発生させた旋回流によって食物に付着している分解物や分解していない汚染物質の洗浄液への移行を促進させ、食物から汚染物質を除去することができる食物洗浄装置を提供することを第1の目的とする。
【0014】
また第2の目的は、「あく抜き」や「湯どうし」など加熱調理される生鮮食品や煮物に用いられる加工食品からなる食物の洗浄を対象とするもので、予め洗浄槽に入れられた前記食物をマイクロ波で加熱することによって、食物に付着している前記汚染物質や食物に添加されている食品添加物を前記食物に含まれる水分とともに前記食物から溶出させるとともに、加熱後供給される洗浄液によって溶出物を除去することができる食物洗浄装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は食物を洗浄する洗浄液を収納する洗浄槽と、前記洗浄槽内にオゾンガスを供給するオゾン発生手段と、記洗浄槽内に収納される食物に照射される紫外線発生手段と、前記洗浄液を旋回させる旋回流発生手段と、食物に付着している汚染物質や汚染物質の分解物を溶出させる液体改質手段を備えた構成としている。
【0016】
オゾンと紫外線の二つの作用により、生鮮食品からなる食物に付着している農薬などの汚染物質を短時間で酸化分解することができる。またこの後、液体改質手段で食物への浸透性を向上させた洗浄液に食物を浸漬し、さらに洗浄液に旋回流を発生させることにより、食物に付着している汚染物質やその分解物を食物から容易に除去することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は食物を洗浄する洗浄液を収納する洗浄槽と、前記洗浄槽内にオゾンガスを供給するオゾン発生手段と、前記洗浄槽内に収納される食物に照射される紫外線発生手段と、前記洗浄液を旋回させる旋回流発生手段と、食物に付着している汚染物質や汚染物質の分解物を溶出させる液体改質手段を備えたものである。
【0018】
本発明の請求項2に記載の発明は食物を洗浄する洗浄液を収納する洗浄槽と、前記食物を加熱するマイクロ波発生手段と、前記洗浄液を旋回させる旋回流発生手段を備えたものである。
【0019】
本発明は上記した構成によって、生鮮食品からなる食物を洗浄槽に収納した後、オゾン発生手段によってオゾンガスを前記洗浄槽に供給するとともに紫外線発生手段よって紫外線を照射しているので前記食物に付着している農薬などの汚染物質を酸化分解することができる。また液体改質手段によって食物への浸透性を向上させた洗浄液を洗浄槽に供給し、これに食物を浸漬させた後、旋回流発生手段によって洗浄液に旋回流を発生させることにより、食物に付着している汚染物質やその分解物を食物から容易に除去することができる。本発明では前記汚染物質の分解にオゾンガスと紫外線を用いているので短時間で優れた分解性能を得ることができる。
【0020】
また、加熱調理される生鮮食品や加工食品からなる食物を洗浄槽に収納した後、マイクロ波加熱手段によって前記食物を直接加熱しているので前記食物に含まれる食品添加物や農薬などの汚染物質を溶出させることができ、前記洗浄槽に食物を洗浄する洗浄液が供給された後、旋回流発生手段によって前記洗浄液に旋回流を発生させているので前記旋回流の機械的エネルギにより食物表面に溶出した前記汚染物質を除去することができる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態1を図1、図2を参照して説明する。
【0022】
図1は食物洗浄装置の構成図である。図において、14は生鮮食品からなる食物を洗浄する洗浄液が収納される洗浄槽であり、洗浄槽14の側壁には食物を洗浄する洗浄液(通常は水道水)を供給する供給管15、洗浄槽14の底部には洗浄液を排出する排出管16が接続され、洗浄槽14は開閉可能な蓋17が設けられている。また供給管15と排出管16には洗浄液の供給と排出を制御する電磁弁18、19が設けられている。
【0023】
20は高圧放電を利用してオゾンガスを発生させオゾン発生装置で構成されるオゾン発生手段、21はオゾン発生手段20で発生した過剰のオゾンガスを分解する触媒で構成されるオゾン分解手段、22はオゾン発生手段20で発生したオゾンガスを洗浄槽14内へ供給し洗浄槽14内の過剰なオゾンガスを吸引するための気体ポンプであり、オゾン発生手段20と洗浄槽14はオゾン供給管23が電磁弁24を介して接続され、オゾン分解手段21と洗浄槽14はオゾン吸引管25で接続されている。26は紫外線発生手段であり、紫外線ランプ27と、ランプカバー28、電源(図示せず)から構成されている。紫外線発生手段26は洗浄槽14の壁面に取り付けられ、紫外線ランプ27と洗浄槽14に供給される洗浄液とはランプカバー28によって電気的に絶縁されている。
【0024】
29は洗浄槽14内の洗浄液に旋回流を発生させる旋回流発生手段であり、洗浄槽14内へ洗浄液を噴射させる噴射体30、前記洗浄液を搬送する流体ポンプ31、洗浄槽14の底部から流体ポンプ31を介して噴射体30に前記洗浄液を搬送する搬送管32から構成され、噴射体30は洗浄槽14に入れられた洗浄液の液面よりも下方に位置するように洗浄槽14の内壁に設けられている。
【0025】
33は食物に付着している汚染物質を溶出させる液体改質手段であり、容器にシクロケイ酸塩化合物を主成分とする鉱物を充填して構成される(図示せず)。この液体改質手段33は旋回流発生手段29を構成している流体ポンプ31と噴射体30の間の搬送管32 に設けられ、食物を洗浄する洗浄液はこの液体改質手段33を構成するシクロケイ酸塩化合物と接触することにより、汚染物質を溶出させる洗浄液として改質される。
【0026】
図2は噴射体30の具体的な配設位置を示す平面図であり、噴射体30が洗浄槽14の対抗する壁面にお互いの噴射方向が直線上とならない位置に2個設けられている。
【0027】
この食物洗浄装置の洗浄は、先ずオゾンガスと紫外線によって食物に付着している農薬や細菌などの汚染物質を分解し、次に洗浄液によって前記汚染物質の分解物を洗浄除去する工程で行われる。
【0028】
上記構成において、制御部(図示せず)から洗浄開始の信号が発せられると電磁弁24、オゾン発生手段20、気体ポンプ22が作動する。オゾン発生手段20で発生したオゾンガスは気体ポンプ22の吐出圧によってオゾン供給管23を通り、洗浄槽14に供給されと同時に、紫外線発生手段26が作動することによって紫外線ランプ27が点灯し、予め野菜や果物などの生鮮食品からなる食物が入れられ蓋17によって密閉空間となっている洗浄槽14に紫外線が照射される。このオゾンガスと紫外線によって前記食物に付着している前記汚染物質が分解される。過剰なオゾンガスは空気とともに吸引管を通り、オゾン分解手段21で分解されて元の酸素に戻される。所定の時間が経過すると前記制御部からの信号により、オゾン発生手段20、紫外線発生手段26、気体ポンプ22が止められ、電磁弁24が作動(閉)する。
【0029】
次に電磁弁24が作動(開)し、食物を洗浄する洗浄液(通常は水道水)が供給管15から洗浄槽14に供給される。前記洗浄液が所定の量になると電磁弁24が作動(閉)し、供給が停止される。次に流体ポンプ31が作動し、洗浄液は搬送管32を流れ、液体改質手段33に搬送される。洗浄液はこの液体改質手段33によって活性化され、流体ポンプ31の吐出圧によって噴射体30から洗浄槽14内へ噴射される。洗浄液は噴射体30が図2に示すような位置に配設されているので、同図矢印で示すように洗浄槽14の垂直方向を軸とした旋回流が発生し、洗浄槽14に入れられている食物の洗浄が開始される。
【0030】
任意に設定された洗浄時間が経過すると前記制御部から洗浄終了の信号が発せられ、流体ポンプ31が停止する。その後、電磁弁19が作動(開)し、洗浄液が排出管16を通り、食物洗浄装置から排出される。
【0031】
野菜や果物などの食物の表面は、微細な凹凸から構成され、複雑な形状を有している。農薬や細菌などの汚染物質は、そのほとんどが食物表面に付着しており、付着形態としては、物理的付着(吸着)と化学的付着(吸着)の2種類に分類される。食物表面の凹部に付着している汚染物質や食物表面に化学的に付着している汚染物質を水流による物理的手段だけで洗浄除去することは難しい。本発明では、先ずオゾンガスと紫外線を用いて前記汚染物質を分解している。オゾンは時間の経過とともに酸素分子と活性酸素に分解し、この活性酸素の酸化作用が強いため有機物などの化合物を酸化分解できるとともに、紫外線もそのエネルギによってオゾンと同様に有機物などの化合物を酸化分解することができるので、食物表面に付着している汚染物質の分解が可能となる。また本発明ではオゾンを気体の状態で用いているのでオゾンを食物表面の凹部へ拡散させることができるとともに、紫外線の波長が0.3μm以下の短波長であるので食物表面の凹部への紫外線の照射が可能となり、そこに付着している汚染物質を効率的に分解することができる。
【0032】
また、オゾンは気体の状態では酸素分子と活性酸素に分解する速度が遅く、長い処理時間を必要とし、一方紫外線はオゾンガスに比べ、前記汚染物質の分解が速いが、指向性が強いため、食物全表面に対する照射が不可能であるという欠点を有するが、本実施形態では食物に付着している汚染物質の分解をオゾンと紫外線の両手段で行うことにより、相乗効果が発揮され、前述の両手段の欠点を補うことが可能となる。したがって食物に付着している汚染物質を短時間で分解できるとともに、食物全表面に対し前記汚染物質の分解作用が働くので分解性能を向上させることができる。
【0033】
一方オゾンは高濃度になると人体に対して有害であるとされているが、本発明では前記汚染物質の分解で消費されなかったオゾンガスをオゾン分解手段21によって分解して元の酸素に戻し、安全性を向上させている。オゾン分解手段21はマンガン、チタンの酸化物を主成分とする触媒が適用され、この触媒で気体の通過できる連通孔を有する成形体で構成される。なお、発生させるオゾンガスが人体に悪影響を及ぼす濃度以下である場合、オゾン分解手段21は必ずしも必要としない。
【0034】
オゾンと紫外線による食物に付着している汚染物質の分解処理後、洗浄液を用いて食物が洗浄されるが、本発明では液体改質手段33によって洗浄液を前記汚染物質が食物から溶出しやすいように改質している。前述したように、野菜や果物などの食物の表面は微細な凹凸から構成され、複雑な形状を有している。本発明では液体改質手38によって食物を洗浄する洗浄液を活性化し、食物への浸透性、濡れ性を向上させている。この作用によって前述の食物凹部への洗浄液が浸透し、そこに物理的に付着している汚染物質やオゾンや紫外線によって分解された汚染物質の分解物を溶出させることができる。
【0035】
液体改質手段33として適用しているシクロケイ酸塩化合物の鉱物によって水が活性化される理由は明確ではないが、洗浄液である水の分子の水素結合で集団化されるクラスターの大きさが、処理しない水よりも小さいことに起因していると考えられる。
【0036】
またシクロケイ酸塩化合物の鉱物の成分は、化学的に安定で洗浄液中に溶出せず、水道水基準を満足するので洗浄液としての安全性が確保できる。
【0037】
また本発明の実施形態では液体改質手段33を旋回流発生手段29の中に組み込んで構成しているが、独立の水回路で構成してもよい。また本実施形態では紫外線発生手段26を用いていないが、紫外線発生手段26を付加すればさらに洗浄性能を向上することはいうまでもない。
【0038】
一方、食物表面に溶出してきた汚染物質およびその分解物を除去するために旋回流発生手段29によって旋回流発生させているが、洗浄液に洗浄槽14の水平方向を軸とした旋回流を発生させた場合、食物は液面に浮遊したまま洗浄槽14の側壁など流れの弱い部分に移動するため、旋回流による物理的エネルギが有効に作用せず、前記汚染物質の分解物および前記汚染物質が効率的に除去されない。本発明では、旋回流発生手段29を構成する噴射体30と流体ポンプ31の噴射力によって洗浄液に洗浄槽14の垂直方向を軸とした旋回流を発生させている。したがって食物は前記旋回流によって液面に浮遊したまま回転しようとするため、食物に対し前記旋回流による物理的エネルギが有効に作用し、汚染物質や汚染物質の分解物を容易に脱離させ、除去することができる。
【0039】
また汚染物質や汚染物質の分解物は、前述の液体改質手段33によって食物から溶出し易い状態にあり、食物との付着力が弱くなっているので旋回流による除去性能を大幅に向上させることができ、より安全な食物を得ることができる。
【0040】
また洗浄液に浮遊している食物は、旋回流の流れに乗って回転または移動するため、洗浄槽14の壁面への衝突が抑制され、食物自身の傷つきを防止することができる。
【0041】
また洗浄後の洗浄液は汚染物質の分解物が主体となり有害な汚染物質が少ない状態にあるので食物への有害物質の再付着や食物洗浄装置への付着が低減され、安全な食物が得られるとともに、食物洗浄装置の洗浄槽内の衛生も確保でき、かつ下水道の汚染を防止することができる。
【0042】
本発明で適用される噴射体30は、洗浄液を洗浄槽14内に勢いよく噴射させる必要性から噴射口を絞った構成が適しており、実用的には噴射ノズルが用いられる。また本発明の実施例では噴射体30を2個使用して旋回流を発生させているが、噴射体30の個数は特に限定されるものではなく、洗浄槽14の大きさ、形状や流体ポンプ31の能力などによって適宜選択されるものである。例えば、洗浄槽14が円柱状である場合、洗浄液の噴射を円周方向となるようにすれば噴射体30は1個でもよい。
【0043】
この実施形態では流体ポンプ31によって洗浄液を噴射体30から噴射させ、旋回流を発生させているが、洗浄液に気体(通常は空気)を噴射させ、前記旋回流を発生させる構成としても上記実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0044】
また、この実施形態では紫外線発生手段26を洗浄槽14の側壁に設けているがこの場所に限定されるものではなく、蓋17内面と洗浄槽14の内壁に設けてもよい。また紫外線ランプ27の本数も限定されるものではない。本数が多いほど前記汚染物質の分解性能が向上し、短時間での処理が可能となる。また洗浄槽14の内壁および蓋17の内面は食物の全表面に対し紫外線を照射するために、照射紫外線を良好に反射する金属で構成することが好ましい。
【0045】
次に本発明の実施の形態2を図3を用いて説明する。同図において、図1と同一手段、同一部材は同一番号で示し、その部分の説明は省略する。この実施形態では食物を直接加熱するマイクロ波発生手段を設けているのが特徴である。
【0046】
また、この実施形態における洗浄の対象となる食物は、「あく抜き」や「湯どうし」などの加熱調理される生鮮食品(例えばほうれんそう)や加工食品(例えば蒲鉾)等である。34は食物を加熱するマイクロ波発生手段であり、マイクロ波を発生するマグネトロン35と、マイクロ波を洗浄槽14へ電送する導波管36と、マイクロ波に対しては開放状態であるが洗浄槽14に供給される洗浄液の導波管36への進入を防止する遮蔽板37で構成される。
【0047】
本実施形態の食物洗浄装置の洗浄は、先ずマイクロ波で食物に含まれる水分を加熱し、食物に付着している農薬や細菌などの汚染物質や食物添加を水分とともに溶出させ、次に洗浄液によって溶出した前記汚染物質を洗浄除去する工程で行われる。
【0048】
上記構成において、制御部(図示せず)から洗浄開始の信号が発せられるとマイクロ波発生手段34が作動し、マグネトロン35がマイクロ波を発生させる。このマイクロ波は導波管36を介して蓋17によって密閉空間となっている洗浄槽14に電送される。前記マイクロ波によって予め洗浄槽14に入れられている野菜などの生鮮食品や加工食品からなる食物が加熱され、前記食物に付着している農薬などの汚染物質や加工食品の食品添加物が食物表面に加熱された水とともに溶出する。所定の時間が経過すると前記制御部からの信号により、マイクロ波発生手段34が作動を停止する。
【0049】
次に電磁弁24が作動(開)し、食物を洗浄する洗浄液(通常は水道水)が供給管15から洗浄槽14に供給される。前記洗浄液が所定の量になると電磁弁18が作動(閉)し、供給が停止される。次に流体ポンプ31が作動し、洗浄液は搬送管32を流れ、流体ポンプ31の吐出圧によって噴射体30から洗浄槽14内へ噴射される。洗浄液は噴射体30が図2に示すような位置に配設されているので、同図矢印で示すように洗浄槽14の垂直方向を軸とした旋回流が発生し、洗浄槽14に入れられている食物の洗浄が開始される。
【0050】
任意に設定された洗浄時間が経過すると前記制御部から洗浄終了の信号が発せられ、流体ポンプ31が停止する。その後、電磁弁19が作動(開)し、洗浄液が排出管16を通り、食物洗浄装置から排出される。
【0051】
本実施形態では食物に含まれる水分をマイクロ波発生手段34によって加熱している。食物に含まれる水分が加熱されると加熱された水分は前記汚染物質や前記食品添加物を溶解し、表面に溶出してくる。さらに本実施形態では、前記マイクロ波による加熱処理後、洗浄槽14に供給した洗浄液に旋回流発生手段29によって旋回流を発生させているので前記汚染物質や食品添加物の溶出が促進され、洗浄液中に除去され、安全な食物を得ることができる。
【0052】
前述したようにマイクロ波は食物に含まれる水分を選択的に加熱する。したがって前記汚染物質や食品添加物の溶出を短時間で行うことができるとともに、その後の洗浄においても前記旋回流によって容易に食物から除去できるのでトータルとしての洗浄時間を短縮することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の食物洗浄装置は、オゾンガスを供給するオゾン発生手段と、食物に照射される紫外線発生手段と、食物を洗浄する洗浄液に旋回流を発生させる旋回流発生手段と、食物に付着している汚染物質や汚染物質の分解物を溶出させる液体改質手段を備えた構成としているので、以下の効果を有する。
【0054】
オゾン発生手段で発生させるオゾンは気体の状態で用いているので食物凹部へのオゾンの拡散が可能となり、そこに付着している汚染物質も分解することができ、優れた分解性能を実現することができる。また紫外線の波長が0.3μm以下の短波長であるので食物表面の凹部への紫外線の照射が可能となり、そこに付着している汚染物質を効率的に分解することができる。
【0055】
一方、オゾンと紫外線による汚染物質の分解処理後、洗浄液を洗浄槽に供給し、これに食物が浸漬されるが、液体改質手段により洗浄液の食物への浸透性、濡れ性が向上し、食物表面の凹部に物理的に付着している汚染物質やオゾンなどの分解作用によって分解された汚染物質の分解物を容易に溶出させることができるとともに、洗浄液に旋回流を発生させることにより、食物に付着している汚染物質やその分解物を食物から容易に除去することができるので安全な食物を得ることができる。
【0056】
また洗浄後の洗浄液は、有害な汚染物質が少ない状態にあるので食物への有害物質の再付着や食物洗浄装置への付着が防止され、安全な食物が得られるとともに、食物洗浄装置の洗浄槽内の衛生が確保でき、かつ下水道の汚染を防止することができる。また前記オゾン発生手段で発生するオゾンと紫外線発生手段により照射される紫外線の相乗効果により優れた汚染物質の分解性能を実現することができるので、前記汚染物質の分解時間を短縮することができ、洗浄時間を短縮することができる。
【0057】
また、食物を加熱するマイクロ波発生手段と、前記洗浄液に旋回流を発生させる旋回流発生手段を備えた構成としているので、前記マイクロ波発生手段により加熱された食物に含まれる水分が前記汚染物質や前記食品添加物を溶解するとともに、食物表面に水とともに溶出させることができる。またマイクロ波による加熱処理後、洗浄槽に供給された洗浄液に旋回流発生手段によって旋回流を発生させているので前記汚染物質や食品添加物の溶出が更に促進され、洗浄液中に速やかに除去され、より安全な食物を得ることができる。
【0058】
またマイクロ波は食物含まれる水分を選択的に加熱することができるので前記汚染物質や食品添加物の溶出を短時間で行うことができるとともに、その後の洗浄においても前記旋回流によって容易に食物から除去できるので洗浄時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における食物洗浄装置の構成図
【図2】同実施の形態の旋回流発生手段を構成する噴射体の配設位置と旋回流を示す平面図
【図3】 本発明の実施の形態2における食物洗浄装置の構成図
【図4】 従来の生鮮食品ケースの構成図
【図5】 従来の食器洗浄器の構成図
【符号の説明】
14 洗浄槽
20 オゾン発生手段
26 紫外線発生手段
29 旋回流発生手段
33 液体改質手段
34 マイクロ波発生手段
Claims (2)
- 食物を洗浄する洗浄液を収納する洗浄槽と、前記洗浄槽内にオゾンガスを供給するオゾン発生手段と、前記洗浄槽内に収納される食物に照射される紫外線発生手段と、前記洗浄液を旋回させる旋回流発生手段と、食物に付着している汚染物質や汚染物質の分解物を溶出させる液体改質手段で構成した食物洗浄装置。
- 食物を洗浄する洗浄液を収納する洗浄槽と、前記食物を加熱するマイクロ波発生手段と、前記洗浄液を旋回させる旋回流発生手段で構成した食物洗浄装置。
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