JP3552258B2 - 分散計算機システム及びその情報管理方法 - Google Patents

分散計算機システム及びその情報管理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複数の処理装置をネットワークを介して接続した分散計算機システム及びその情報管理方法に係り、特に、制御業務や情報処理業務など、互いに異なる質の情報を扱う業務が混在した分散計算機システム及びその情報管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の処理装置を共通伝送媒体を介して接続した分散計算機システムでは、処理装置間、あるいは、処理装置内のプログラムモジュール間での情報の伝送方法として、例えば、特開昭56−111353号公報に記載される技術が知られている。特開昭56−111353号公報に開示される技術では、情報の送出側となる処理装置において、共通伝送媒体上に送出する情報に、その情報の内容に対応し、その内容を表わす内容コードと呼ばれる機能コードを付し、受信すべき相手方を指定することなくその情報を共通伝送媒体上に送出する。他の処理装置では、共通伝送媒体上に送出された情報に付された内容コードを参照し、自処理装置での処理に必要であると判断した場合に、その情報を受信する。このような伝送方法によれば、システム内の各処理装置は、システム構成、あるいは、互いに他の処理装置の状態を意識することなく情報の送受信を行なうことを可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、計算機システム、例えば、交通、FAなどの分野において用いられる計算機システムでは、リアルタイム制御業務と情報サービス業務といったように、互いに全く異種/異質の情報を用いて行なわれる業務を一つの計算機システム内で混在させることが要求されるようになってきている。ところが、上述したような従来技術では、共通伝送媒体を介して伝送される情報は、同種の業務内容に関するものであり、互いに全く異種/異質の情報を単一のシステム内で扱うことについては何ら考慮されていない。このため、上述した従来技術により単一のシステム内で複数種の情報の伝送を行なおうとすると、ある属性の情報が、他の属性の情報の処理を行なっている処理装置に流れ込み、その処理の実行の障害になるといった事態が生じる恐れがある。従って、異種の業務を一つの計算機システムの中で混在させ、それぞれの特徴を活かした処理を行なうためにはシステム内の各異種業務の処理を行なう実体であるプログラムモジュールと異種の業務が生成する情報の属性を如何に管理し、如何にしてそれらの情報を互いに分離、あるいは、統合させるかが問題となる。
【0004】
本発明の目的は、従来技術における上記技術課題を解決し、システム内のデータをその属性ごとに分類して管理し、システムに分散して存在するプログラムモジュールの自律的な送受信データ管理を行なうことのできる分散計算機システム、及び、情報管理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の情報管理方法は、それぞれ与えられた処理を行なうプログラムモジュールを備えた複数の処理装置と、処理装置相互の間を接続する共通伝送媒体とを有し、共通伝送媒体を介してプログラムモジュール間で互いに質の異なる複数種の情報の伝送を行なうことが可能な分散計算機システムの情報管理方法であって、プログラムモジュールから共通伝送媒体に送出すべき情報が出力された第1の処理装置で、送信すべき情報の質を認識し、この情報に、認識された質に対応する情報属性識別子を付して共通伝送媒体に送出する。他の処理装置の各々では、共通媒体上に送信された情報が、自処理装置内のプログラムモジュールが受信することが可能な情報であるか否か判断し、この判断結果に基づいて共通伝送媒体から選択的に情報を取り込み、取り込んだ情報に付された情報属性識別子に基づいて、取り込んだ情報が自処理装置内のプログラムモジュールへの受信が許された質の情報であるか否か判定し、判定の結果が肯定的である場合に、その情報を前記プログラムモジュールに受信させ、判定の結果が否定的である場合には、その情報を廃棄する。好ましくは、受信可能か否かの判断には、共通伝送媒体を伝送されてきたデータに付され、その内容に対応した内容コードが用いられる。
【0006】
【作用】
上述した構成により、共通伝送媒体上を伝送されてくるデータの質を、それに付された情報属性識別子により認識することが可能となり、分散計算機システムにおける情報の流れを、その情報を利用しようとする受信側の処理装置においてその属性ごとに自律して管理することが可能となる。このため、ある属性の情報が、他の特定の属性を有する情報のグループに流れ込むのを抑止したり、あるいは、複数の属性の情報を一つに統合したりすることができるようになる。この結果として、異なる質の情報を扱う業務間での情報の属性の保護、あるいは業務間で連携した処理を容易に実現することが可能となる。
【0007】
また、共通伝送媒体上を流れるデータを取り込むか否かの判断のために内容コードを用いた通信プロトコルを利用することにより、各処理装置で行われる処理に柔軟性を持たせることができるようになり、より顕著な効果を期待することができる。
【0008】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0009】
図1は本実施例における分散計算機システムの全体構成を示すブロック図である。図1において、31、32、33は処理装置であり、それぞれシステム内で行なわれるべき各種の業務を分散して実行するものである。1は処理装置31、32、33の間を結び、それらの間での情報の伝達を行なうための共通伝送媒体。21、22、23は共通伝送媒体1と各処理装置31、32、33との間に設けられ、処理装置間でのデータの授受を制御する伝送制御装置。なお、本実施例において、伝送制御装置21、22、23は処理装置31、32、33とは独立して設けられているが、処理装置内に組み込まれた形であってもよい。41、42、43は、それぞれ処理装置31、32、33に接続され、各処理装置での処理に必要なデータやプログラムを格納する記憶装置である。記憶装置41、42、43としては、ディスク装置などの外部記憶装置ならびにメモリなどの内部記憶装置といった記憶媒体が用いられる。51はオペレータからの指示入力、処理結果データの表示等を行なうべく処理装置31に接続された端末装置である。また、61はセンサーなど外部からのイベント信号を入力したりコントローラへの制御信号を出力したりするために処理装置33に接続された入出力装置である。
【0010】
本実施例における分散計算機システムでは、処理装置31、32、33で実行される複数の業務プログラムが、互いに共通伝送媒体1を介してシステム内に混在する異種情報のデータを授受することによって連携を取り処理を行なうものとする。ここで、異種情報とは、それぞれ情報量、発生頻度、あるいは処理装置での処理のされ方やシステムのユーザによる使われ方の異なる情報を指す。例えば、OA業務で用いるような個人情報は、音声や画像情報までも含む場合があり個々の情報の量は他の種類の情報と比較して多い。このような個人情報は、ユーザがその情報を必要としたとき、あるいは作りだしたときに発生し、その発生の仕方は不規則である。しかし、このような個人情報は、外界の何らかの事象によりユーザが一斉にそれを利用する、といったピーク発生が起きることが多い。また、この種の情報の処理は、そのリアルタイム性よりも確実性が第一に要求され、一度に行なわれる処理時間は比較的長い場合が多い。またユーザの再入力による再処理も可能である。一方、例えば、プラントの制御処理を行なう業務などで用られる制御プラント情報についてみると、個々の情報はセンサー等により取得された量的には比較的少ない情報である。しかし、これらは、周期性を持ち頻繁に発生する情報であることが多い。制御プラント情報に関しては、制御プラントの特性によって決まるリアルタイム性を保証する処理が第1に求められる。この種の情報は、1回の処理量は少ないが頻繁にかつ高速に処理が行なわれる必要がある。また、この種の情報は失われた場合には再入力が困難であることが多い。
【0011】
図1に示す分散計算機システムでは、例えば、記憶装置41、42あるいは43に蓄えた情報を端末51を用いて検索し、処理装置31、32、33のいずれかによりその情報に対して行なわれる処理(EDP処理)、あるいは端末から新たな情報を記憶装置41、42あるいは43に格納する処理等のOA業務処理が行なわれる。また、これと並行して、入出力装置61から得られる時々刻々のデータを記憶装置41、42、あるいは43に格納し、そのデータに基づいてプラントへの制御信号を処理装置により算出するプラント制御処理が行なわれる。これらの処理を行なうのに必要な、前述したように互いに異質の情報が、共通伝送媒体1を介して処理装置31、32、33相互の間で送受信される。送受信される情報は後述する方式を用いてその情報の種別毎に管理され、それらの情報を必要とする処理装置、あるいは処理装置内で実行されるプログラムモジュール(図示せず)に伝達される。
【0012】
図2は、本実施例で共通伝送媒体1を介して処理装置31、32、33の間で授受されるメッセージのフォーマット図である。500は、一般にプロトコルヘッダ(PH)と呼ばれ、共通伝送媒体1を介したメッセージの伝達に必要とされる制御情報・管理情報を記述した部分である。502は、当該メッセージにより伝達される情報の実態となるデータである。503は、伝達の誤りチェック等に用いられ、一般にトレイラと呼ばれる制御情報(CRC)である。501は、本実施例において新たに設けられ、データ502の種別(質)を表す情報属性識別子(ID)である。情報属性識別子501としては、先に例を挙げて説明したように、例えば、データ502の発生頻度、情報量、重要度、あるいは使われ方などの質に応じて定められるコードが用いられる。情報属性識別子501として用いるコードは、データ転送を始めるに先立って予め定めておくほか、共通伝送媒体1上を流れるデータをモニタしてその都度定めるようにしてもよい。また、このコードは、データ発生時に後述する管理プログラムによって付加される。
【0013】
図3は、メッセージフォーマットの別の一例であり、図2に示すメッセージフォーマットのプロトコルヘッダ500として、データ502の内容を表す内容コード(CC)600を用いたものである。内容コード600はデータ502の内容を表すものであり、データの質(属性)を表すものではない。したがって異なる内容コード600を持つ別のメッセージであっても、同一の情報属性識別子501を有する場合がある。
【0014】
図4は、本実施例において各処理装置31、32、33で実行されるプログラムモジュール間で行なわれるデータの授受の様子の一例を示すシステムフロー図である。図4において、510、520、530は、各処理装置31、32、33が共通伝送媒体1を介して授受を行なう異種情報の管理処理を行なう管理プログラムである。610、620、630は各管理プログラム510、520、530が情報管理を行なうための必要なデータを格納した管理テーブルである。710、720、730はそれぞれ処理装置31、32、33により実行されるプログラムモジュール(アプリケーションプログラムモジュール)である。管理プログラム510、520、530はそれぞれ、後述する方法により、プログラムモジュール710、720、730の処理結果であるデータを共通伝送媒体1に送信したり、共通伝送媒体1からデータを受信し、受信したデータの質に従って、プログラムモジュールを起動し、あるいは、プログラムモジュールへ受信データを渡したりする。なお、図4において、図1と共通する構成部分については、図1と同一の参照番号が付されている。また、共通伝送媒体1を流れるメッセージのプロトコルヘッダとトレイラについては、図示を省略している。
【0015】
プログラムモジュール730は、入出力装置61、62から時々刻々送られてくるデータ信号701を受け取り、データ信号701に従ってリアルタイム処理を行なう。プログラムモジュール730の処理結果として出力されるデータ(data1)は、リアルタイム性を有し、かつサイクリック(周期的)に発生するものである。管理プログラム530は、管理テーブル630を参照して、プログラムモジュール730から出力された処理結果である“data1”に、そのデータがリアルタイムでのサイクリックな質を有することを示す情報属性識別子“IDa”を付して伝送制御装置23に渡す。また、プログラムモジュール720は、オペレータにより端末装置52から入力されたデータ702を受け取り、それに基づく対話処理を行なう。プログラムモジュール720の処理結果として出力されるデータ(data2)は、オンデマンドで間欠的に発生する。管理プログラム520は、プログラムモジュール720における処理結果である“data2”を受け取り、管理テーブル620を参照して、“data2”に、オンデマンドで、間歇的な質のデータであることを示す情報属性識別子“IDb”を付して、伝送制御装置22に渡す。伝送制御装置22、23は、処理装置32、33から受け取ったデータを共通伝送媒体1に送り出す。
【0016】
処理装置31内のプログラムモジュール710は、共通伝送媒体1上を流れるデータを受信して、システムの状況を監視し、異常の発生等を端末装置51に出力してオペレータに通知する。管理プログラム510は、受信したデータのうち、情報属性識別子から判断して処理装置31で受信してもよいメッセージ以外を廃棄し、その他のメッセージで、処理装置31内のプログラムモジュールが必要としているものをそのプログラムモジュールに渡す。情報属性識別子に基づく受信要否の判断は、管理テーブル610を参照して行なわれる。ここでは、管理テーブル610には、情報属性識別子として“IDa”が付されたデータはプログラムモジュール710に渡すべきことを示し、“IDb”が付されたデータは、プログラムモジュール710に渡すべきでないことを示す情報が格納されている。従って、本実施例では、処理装置33から共通伝送媒体1上に送り出されたデータ“data1”は、管理プログラム510によりプログラムモジュール710に渡され、処理装置32から送出されたデータ“data2”は、プログラムモジュール710には渡されない。
【0017】
以上のような処理により、処理装置32に接続された端末装置52に対し、オペレータから誤って入力されたデータが、監視モニタ用である端末装置51に出力されたり、あるいは、プログラムモジュール710での処理のリアルタイム性を損なったりすることを防ぐことができる。
【0018】
図5は、本実施例においてプログラムモジュール間で行われるデータの授受の他の一例を示すシステムフロー図である。図5では、プログラムモジュール720が送信した“data3”を含むメッセージをプログラムモジュール730が受信し、受信した“data3”に基づいて処理を行なう。処理の結果発生したデータである“data3′”は、プログラムモジュール730から送信され、プログラムモジュール710が受信している。プログラムモジュール710は、“data3′”を処理し、その結果として“data4”を出力し、共通伝送媒体1上に送出する。プログラムモジュール730が受信できる情報の情報属性識別子と送信する情報の情報属性識別子が異なっている。なお、図5において、共通伝送媒体1上のメッセージに付されている情報属性識別子“IDa”、“IDb”は、図4の場合と同様の意味を有している。
【0019】
図6は、本実施例における処理装置31内のハードウェア構成を示すブロック図である。図6において、3101は、伝送制御装置21との間での信号の授受を制御するLANインターフェースユニット、3102は、管理プログラム、アプリケーションプログラム等の各種プログラム、データ、あるいは、管理テーブル等の情報を格納するメモリユニット、3103は、メモリユニット3103に格納された各種プログラムに従って各種の処理を実行するプロセサユニット、3104は、端末装置51に接続し、端末装置から入力されたデータを受け取り、または、端末装置51へのデータの出力を行なう端末インタフェースユニット、3105は、ディスク装置などの外部記憶装置41との間でデータの転送を制御するディスクインターフェースユニット、3106は、内部クロック(タイマー)を管理するタイマ管理ユニットである。これらの各ユニットは処理装置31内のバス3107を介して相互に接続されている。なお、図6には、処理装置31を例に図示しているが、他の処理装置についても、ほぼ同様の構成を有している。
【0020】
図7は、管理プログラムとプログラムモジュールとの間での情報の流れを示すブロック図である。図7において、71、72、73は、プログラムモジュール、5510は、管理プログラム、81は、共通伝送媒体上へのデータの送出、及び共通伝送媒体からのデータの取り込みを行なう通信ドライバプログラムである。102は、プログラムモジュールからの出力データ1003を一時的に保持するバッファ、101は、管理プログラム5510からプログラムモジュールに渡されるデータを一時的に保持するバッファである。また、1200は、共通伝送路上へ送出するデータを保持する送信バッファ、1210は、共通伝送媒体上から取り込んだデータを保持する受信バッファである。5610は、受信バッファ1100に保持されたデータをプログラムモジュールに渡すべきか否かを示す情報を格納した管理テーブルである。なお、図7では、管理プログラム5510、及び管理テーブル5610からなる部分を管理モジュール5000として示している。管理モジュール5000及び、プログラムモジュール71〜73は、図6で説明したような外部記憶装置に格納されており、処理装置の立ち上げ時、あるいは、プログラム実行時に外部記憶装置から処理装置内のメモリーユニット上にローディングされる。
【0021】
管理テーブル5610は、各プログラムモジュールに対応するエントリを有しており、各プログラムモジュールに対応するエントリに、対応するプログラムモジュールから出力されたデータに付加すべき送信内容コード(送信CC)、そのプログラムモジュールが必要とする受信データの内容コード(受信CC)、送信データに付加すべき送信情報属性識別子、及び受信させてもよい受信情報属性識別子が登録されている。なお、受信情報属性識別子のエントリには、受信を許可する情報属性識別子を登録する代わりに、受信が許されない情報属性識別子を登録する様にしてもよい。この場合には、受信情報属性識別子のエントリに登録された以外の情報属性識別子を付加されたデータがプログラムモジュールに渡されることになる。
【0022】
図8は、管理プログラム5510による処理の流れを示す処理フロー図である。以下、図7、8を参照して管理プログラム5510により実行される処理について説明する。管理プログラム5510は、一度起動し処理を開始すると、送信バッファ1200、受信バッファ1210、及び、自処理装置内のプログラムモジュール71、72、73からの出力データの有無を監視する。管理プログラム5510は、処理装置の立ち挙げ時、または、通信ドライバプログラムからの受信通知があったとき、最初に起動され、継続的に動作する。
【0023】
管理プログラム5510は、まず受信バッファ1210を見て、そこに共通伝送媒体から取り込んだ受信メッセージが有るかどうかをチェックする(ステップ1101)。受信バッファ1210にメッセージが格納されていれば、受信バッファ1210の先頭位置からメッセージを取り出し(ステップ1102)、管理テーブル5610の受信CCエリアを検索して、受信メッセージに付加されている内容コードと合致する受信CCを有するプログラムモジュールを特定する(ステップ1103)。図7に示す例では、受信メッセージ1001には、内容コード“CC1”が付されており、このメッセージを必要としているプログラムモジュールとして、プログラムモジュール“A”71、プログラムモジュール“C”73が特定される。
次に、メッセージに付加されている情報属性識別子と特定したアプリケーションプログラムモジュールに関する管理テーブル上の受信情報属性識別子とを比較し、両者が合致するかどうかをチェックする(ステップ1104)。両者が合致した場合には、その受信メッセージをプログラムモジュールに受信させてもよいと判断して、そのメッセージのデータ部分を該当するプログラムモジュールに渡して、ステップ1107の処理に移る(ステップ1105)。両者が合致しなかった場合には、そのデータを廃棄してステップ1107に進む(ステップ1106)。図7に示す例では、メッセージに付された情報属性識別子“IDy”は、管理テーブル5610のプログラムモジュール“C”の受信情報属性識別子と一致し、プログラムモジュール“A”の受信情報属性識別子とは一致していないため、メッセージ1001のデータ1002は、プログラムモジュール“C”のみに渡される。
受信バッファ1210にメッセージがない場合、あるいは、受信メッセージに対する処理を終了した後、管理プログラム5510は、管理テーブル5610によって管理しているプログラムモジュールからの送信データが中間バッファ102に有るかどうかをチェックする。もしどの中間バッファ102にもデータが存在しない場合はステップ1101に戻る(ステップ1107)。中間バッファ102にデータがあれば、管理テーブル5610を検索し、そのデータを出力したプログラムモジュールに対応するエントリから、送信情報属性識別子ならびに内容コードを捜し出し(ステップ1108)、それらをデータに付加して送信メッセージを形成し送信バッファ1200に格納する(ステップ1109)。例えば、図7に示す例では、中間バッファ102にプログラムモジュール“B”の出力データ1003があり、このデータに内容コード“CC2”、及び情報属性識別子“IDz”が付されて送信メッセージ1004が形成される。以上のようにして送信データに対する処理を終えると、ステップ1101に戻り、処理を継続して実行する。
【0024】
以上説明した実施例では、各プログラムモジュールから出力されるデータ、及び各プログラムモジュールが必要とするデータの数が、それぞれ1つであることを想定して説明してきたが、各プログラムモジュールが出力、あるいは、必要とするデータ数を複数にすることもできる。この場合には、管理テーブル5610を図9に示すように、出力、または、必要とするデータに対応して内容コード、情報属性識別子を登録する送信管理エリア、受信管理エリアを設ける。また、同一の内容コードが付されたデータに関して、複数の情報属性(データの質)が許される場合には、複数の情報属性に応じて送信/受信管理エリアを設ける。図9に示すデータ格納領域は、受信バッファから取り出したデータを一旦格納するためのもので、プログラムモジュールを、そのプログラムモジュールが必要とするデータ全てが揃った時点で起動する場合に、必要なデータを待ち合わせてプログラムモジュールに渡すために用いられる。
【0025】
また、以上説明した実施例において、送受信するデータの情報属性識別子を動的に変更しながら処理を進めることも可能である。この場合には、管理テーブルに、情報属性識別子を時事刻々の状況に応じて管理プログラムが設定変更するための領域(情報属性管理エリアと呼ぶ)を設け、例えば、データ格納領域に格納したデータのデータ長や、あるいはデータの発生頻度を監視して、対応する情報属性識別子を設定する。発生頻度については、内部クロックを用いてデータの送受信間隔を監視することにより決定すればよい。
【0026】
図10は、情報属性識別子の設定処理の一例を示すフローチャートである。情報属性識別子を動的に設定する場合には、図8に示すステップ1102とステップ1103の間で、受信情報属性識別子の変更を、また、ステップ1107とステップ1108の間で送信情報属性識別子の変更を以下の処理手順により実行する。なお、図10、及び以下の説明では、受信情報属性識別子の設定について主に説明し、送信情報属性識別子に関する説明を括弧書きで示す。
【0027】
まず、受信バッファ(送信情報属性識別子を設定する場合は、中間バッファ)から取り出したデータの受信時刻(送信時刻)とそのデータ長を測定する(ステップ1301)。次に、管理テーブル上に記憶させた過去の対応する受信データ(送信データ)についてのそれらの値を参照して(ステップ1302)、受信(送信)の平均時間間隔、ならびに平均データ長を算出する(ステップ1303)。これら算出した平均値と、予めこれらについて与えられている所定の値とを比較し(ステップ1304)、比較結果に基づいてそのデータの情報属性識別子を何にするか決定し、管理テーブル上に設定する(ステップ1305)。
【0028】
図10に示す情報属性識別子の設定方法は、平均的なデータの発生頻度とデータの長さに着目したものである。この方法によって、例えば、リアルタイム制御用のプログラムモジュールにはデータ長の短く、かつ、発生頻度の高いデータのみを受け取らせるようにし、他の質を持ったデータを廃棄してしまう仕掛けを動的に持つことが出来る。これにより、システムの拡張字や保守時などでも、そのプログラムモジュールのリアルタイム性が損なわれることを防ぐことができる。ここでは、発生頻度とデータ長の平均的な算出についてのみ示したが、データの発生する挙動を長時間にわたって計測してその変動のパターンから情報属性識別子を設定する方法など、対象とするシステムのアプリケーションの性質に基づく他の方法を用いてもよい。
【0029】
図11は、本発明の他の実施例のシステム構成図である。本実施例は、各処理装置31、32、33が複数の共通伝送媒体11、12により接続される点で図1に示した実施例と異なる。本実施例では、各処理装置間で伝達される情報の質毎に、その伝達に用いる共通伝送媒体を区別する。これにより、例えば、リアルタイム性を要求される情報の伝達が、他の質の情報との混在した伝送によって伝送媒体の伝送能力上の制約から妨げられるようなことを防ぐことができる。なお、共通伝送媒体は2つ以上いくつあってもよい、また、伝送制御装置は各伝送媒体毎に設ける形であってもよい。
【0030】
図12に、本実施例におけるデータの流れを示すシステムフロー図を示す。図12において、“data1”は、リアルタイム性を有し、かつ、サイクリックに発生するデータであり、共通伝送媒体12がこのような質のデータを伝達するために用いられ、“data2”、“data3”は、オンデマンドで間歇的に発生するデータであり、共通伝送媒体11がこのような質のデータを伝達するために用いられるものとする。各処理装置の構成、及び、プログラムモジュールと、管理プログラムとの間の情報の流れは、先の実施例とほぼ同様であるが、送信バッファ、及び受信バッファが、各伝送媒体に対応して複数設けられる点で、先の実施例とは相違している。図12では、処理装置32内の管理プログラム520は、管理テーブル620を参照して、プログラムモジュール720によって出力された“data2”を共通伝送媒体11に対応する送信バッファに格納し、伝送制御装置22は、送信バッファから取り出した“data2”を共通伝送媒体11に送出する。処理装置33内の管理プログラム530は、同様にして、プログラムモジュール740の出力データである“data3”を共通伝送媒体11に対応する送信バッファに格納する。また、管理プログラムモジュール530は、処理装置33内の他のプログラムモジュール730から出力されたデータは、リアルタイム性を有し、かつサイクリックなデータであることを管理テーブル630を見て認識し、“data1”を共通伝送媒体12に対応する送信バッファに格納する。伝送制御装置23は、共通伝送媒体11に対応する送信バッファに格納された“data3”は、共通伝送媒体12に送出し、共通伝送媒体12に対応する送信バッファに格納され“data1”は、共通伝送媒体12に送出する。なお、本実施例では、先に説明した実施例のように、メッセージに情報属性識別子を付加しなくてもよい。また、データの送出先となる共通伝送媒体をバッファにより区別せずに、処理装置から伝送制御装置にメッセージを渡す際に、処理装置からそのメッセージを送出すべき共通伝送媒体を指定するようにしてもよい。
【0031】
一方、処理装置31内の管理プログラムは、これらのデータを取り込む際、そのデータをいずれの共通伝送媒体から取り込んだか認識してそのデータの質を判断する。このために、伝送制御装置21は、取り込んだメッセージとともに、そのメッセージをいずれの共通伝送媒体から受信したか処理装置31に通知する。処理装置31の管理プログラム510は、管理テーブル610を参照し、取り込んだデータの質を基にそのデータをプログラムモジュールに渡すか否か判断する。図12では、プログラム710に対し、共通伝送媒体12上のデータのみを渡し、共通伝送媒体11を介して伝送されてきたデータは、プログラムモジュール710には渡されない。なお、処理装置において、受信したデータの質を識別するために、伝送制御装置を共通伝送媒体ごとに設け、どの伝送制御装置から渡されたデータであるかを認識することにより共通伝送媒体から受信したかを判断するようにすることもできる。
【0032】
本実施例において、管理プログラムにより行われる処理は、一部の処理を除いて先の実施例と同様に行われる。本実施例では、図8に示すステップ1109において、ステップ1108で得た送信情報属性識別子に対応する共通伝送媒体用の送信バッファに、送信データが格納され、送信情報属性識別子に対応する共通伝送媒体にデータが送出される。
【0033】
図13は、本発明のさらに他の実施例のシステム構成図である。本実施例は、図11のシステムと同様に、伝送されるデータの質に応じて異なる共通伝送媒体を用いてデータが伝達される。図13において、処理装置31、32は、例えば、端末装置51、52を用いた人を介しての対話処理を主に行なう処理装置であり、オンデマンドで間歇的なデータのみを扱う処理装置である。また、処理装置33、34は、センサー61やコントローラ62を用いてのリアルタイム処理を主に行なう処理装置である。本実施例では、処理装置35は、伝送制御装置25、26により2つの共通伝送媒体11と12に接続されており、処理装置35のみが、処理装置31、32により実行される処理、及び、処理装置33、34により実行される処理の双方に関連して処理を行なうことができる。本実施例では、共通伝送媒体11のみに接続されている処理装置33、34と、共通伝送媒体12のみに接続されている処理装置31、32との間では、処理装置35を介してデータが伝達される。
【0034】
本実施例の如き構成は、システム内で行なわれる複数の一連の処理の各々が、主に一つの質を持つ情報のみを用いることが多く、他の質の情報を用いることが少ない場合には、適用することができる。
【0035】
以上、説明した実施例では、処理装置間での通信のプロトコルとして、内容コードを用いているが、内容コードを用いらプロトコルによらず、例えば、1対1通信方式にて処理装置の宛先を指定してメッセージを送信するような他の通信プロトコルを用いても同様に本発明を実現することができる。しかし、通信プロトコルとして内容コードを用いることにより、送信側でメッセージを受信する相手を意識する必要がなくなり、共通伝送媒体から受け取ったメッセージの扱いを受信側の判断に任せることができ、柔軟なシステムを構成することができる。情報が有している質を各処理装置での処理にどのように反映させるかは、システムとして一律に決められるものではなく個々の処理装置あるいは個々のアプリケーションモジュールによって異なる。従って、本発明に内容コードを用いたプロトコルを適用することにより、こうした判断を受信側にて柔軟に、かつ自律的に行なわせることができ、その効果を更に顕著とすることが出来る。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、一つの分散システム内に異種の業務が存在したり、その異種業務により扱われる異種の情報が存在する場合に、それらの業務や情報をその属性ごとに管理することが可能となる。これにより、システム内で異なる属性の情報が混在し、ある属性の情報に基づく業務の実行が、他の属性の情報により悪影響を受ける恐れがある場合などに、それらの情報を分離したり、関連する属性の情報間で同期をとって業務を実行したりすることが容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による分散計算機システムの構成を示すブロック図である。
【図2】処理装置間で授受されるメッセージの一例を示すフォーマット図である。
【図3】処理装置間で授受されるメッセージの他の一例を示すフォーマット図である。
【図4】第1の実施例におけるプログラムモジュール間でのデータ授受の一例を示すシステムフロー図である。
【図5】第1の実施例におけるプログラムモジュール間でのデータ授受の他の一例を示すシステムフロー図である。
【図6】処理装置内のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】管理プログラムとプログラムモジュールとの間の情報の流れを示すブロック図である。
【図8】管理プログラムにより実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】管理テーブルの他の構成例を示す構成図である。
【図10】情報属性識別子を動的に設定するための処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施例による分散計算機システムの構成を示すブロック図である。
【図12】第1の実施例におけるプログラムモジュール間でのデータ授受の一例を示すシステムフロー図である。
【図13】本発明の第2の実施例による分散計算機システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、11、12:共通伝送媒体、21、22、23:伝送制御装置、31、32、33:処理装置、41、42、43:記憶媒体、51、52:端末装置、61、62、63、64:入出力制御装置、510、520、530:管理プログラム、610、620、630:管理テーブル、710、720、730:プログラムモジュール。

Claims (4)

  1. 複数の処理装置と、該複数の処理装置相互の間を接続する共通伝送媒体とを有し、前記共通伝送媒体を介して前記処理装置間で互いに質の異なる複数種の情報の伝送が可能な分散計算機システムにおいて、
    前記処理装置の各々は、所定の処理を行なうプログラムモジュールと、該プログラムモジュールが出力した情報に、当該情報の質を識別可能な状態で前記共通伝送媒体上に送出する手段と、前記共通伝送媒体上から自処理装置内の前記プログラムモジュールが受信することが可能な情報を選択的に取り込む手段と、該取り込んだ情報の質を識別する手段と、該識別手段における識別結果に基づいて、当該受信した情報を自処理装置内のプログラムモジュールに受信させるか否かを判定する手段と、該判定手段における判定結果に基づいて前記受信した情報を前記プログラムモジュールに受信させる手段とを有し、
    前記共通伝送媒体は、前記情報の質のそれぞれに対応して対応する質を有する情報を伝送する複数の共通伝送媒体であり、
    前記送出手段は、前記出力された情報の質を識別する手段と、該識別手段での識別結果に応じて前記情報の質に対応した共通伝送媒体上に前記情報を送出する手段とを有することを特徴とする分散計算機システム。
  2. 前記処理装置は、自処理装置内のプログラムモジュールが送受信することを許された質を有する情報に対応する共通伝送媒体に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の分散計算機システム。
  3. 前記送出手段は、前記情報に当該情報の内容に対応して予め定められている内容コードを付した情報を前記共通伝送媒体上に送出することを特徴とする請求項1に記載の分散計算機システム。
  4. 前記共通伝送媒体の中の第1の共通伝送媒体に接続されない第1の処理装置と前記共通伝送媒体の中の第2の共通伝送媒体に接続されない第2の処理装置との間の情報の伝達を前記第1及び第2の共通伝送媒体の双方に接続された第3の処理装置を介して行なうことを特徴とする請求項1に記載の分散計算機システム。
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