JP3551703B2 - 電気接続箱の排水構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載する電気接続箱の排水構造に関し、詳しくは、電気接続箱のケース内に侵入した水を外部に排水するためにケース底壁に排水口を設ける一方、該排水口を通して外部からケース内に水が侵入することがないようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車に搭載する電気接続箱のケース内は、高圧洗浄水によるエンジンルーム内の洗浄等によって浸水が生じることがあり、該水を外部に排出するべく、ケース底壁に排水口を設けられている。
【0003】
この種の電気接続箱として、図5に示すようにケース底壁10に正方形状の排出穴11を設け、該排出穴の一方向の対向する周縁からケース内側に突出して上記排出穴11を覆う排水口壁12を設けることで、該排出穴11の他方向に開口する排出口13を形成したものがある(実開昭63−172215号参照)。
【0004】
また、図6に示すようにケース底壁21に複数の矩形状の排出穴22を設け、該排出穴22の短辺側の両周縁からケース内側あるいはケース外側に突出して上記排出穴22を覆う排水口壁23a,23bを設けることで、該排出穴22の長辺側に開口する排出口24a,24bを形成したものがある(実開昭63−131519号参照)。
【0005】
上記電気接続箱は、いずれもケース内に侵入した水を排出口13,24a,24bから外部に排出するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電気接続箱の排出構造では、排出口13,24a,24bあるいは該排出口13,24a,24bに連通する排出穴11,22が外部に対して直接に開口しているため、ケース内の侵水を外部に排出する機能を備えている一方、容易に外部から排出口13,24a,24bを介してケース内に水を侵入(矢印P)させてしまう可能性があり、排出口13,24a,24bの開口により、かえってケース内の浸水を招く可能性があるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、排水口からケース内に水が侵入することがない電気接続箱の排出構造を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、自動車に搭載する電気接続箱のケース底壁の最下端部に排水穴を設けると共に、該排水穴を囲む周縁に対向して周壁を突設し、これら周壁の間を排水口とすると共に周壁の先端に上記排水穴と間隔をあけて該排水穴と略同一の大きさとした閉鎖壁を設け、該閉鎖壁で上記排水穴を覆い、かつ、上記排水口の少なくとも対向した位置に、該排水口を外部に対して直接に開口させないと共に該排水口と間隔をあけて、下端開口の外側壁部を上記ケース底壁より突設し、該外側壁部の下方突出量は上記閉鎖壁以上としていることを特徴とする電気接続箱の排水構造を提供している。
【0009】
上記構成によれば、上記排水口と間隔をあけて下端開口の外側壁部を上記ケース底壁より突設したことにより、ケース内の浸水は排水穴を通り排出口から外側壁部の下端開口へと外部に排出される一方、排出口は外部に対して直接に開口することなく外側壁部が障壁となるため、外部から排出口に水が到達することを防止でき、上記排出口を通ってケース内に水が侵入することを防止することができる。
【0010】
上記外側壁部は上記排水口を囲む全周に設けていることが好ましい(請求項2)。これにより、外部から上記排出口を通ってケース内に侵入しようとする水に対する上記障壁性を高めることができる。
【0011】
さらに、上記外側壁部の下端部に排水口側への内方折り返し部を設けても良い(請求項3)。これにより、上記外側壁部の下端開口の面積を小さくすることができるため、上記外側壁部の下端開口側から回り込んで上記排出口に到達しケース内に侵入しようとする水をも防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1に示す第1実施形態では、自動車に搭載する電気接続箱のケース底壁1の最下端部に矩形状の排水穴2を設け、該排水穴2の短辺側の周縁に対向して周壁3をケース外側に突設し、これら周壁3の先端に排水穴2を間隔をあけて覆う閉鎖壁4を設けている。
【0013】
周壁2の間の開口を排水口5とし、該排水口5と間隔をあけて対向した位置に下端開口の外側壁部6を突設している。これにより、排出口5は外部に対して直接に開口することない。
【0014】
このような電気接続箱では、エンジンルーム内の洗浄等によって、ケース内に生じた浸水は、排水穴2を通り排出口5から外側壁部6の下端開口へと外部に排出される。一方、外側壁部6が障壁となり、外部から排出口5に水が到達することなく、したがって外部から排出口5を通ってケース内に水が侵入することを防止することができる。
【0015】
図2は第2実施形態を示し、上記第1実施形態と異なる点は、外側壁部6の下端部に排水口5側への内方折り返し部6aを設けている点である。このように内方折り返し部6aを設けることで、外部の水の勢いが強く外側壁部6の下端開口側から回り込んで排出口5に到達しようとする水をも防止でき、確実に外部から排出口5を通ってケース内に水が侵入することを防止することができる。
【0016】
また、図3は上記第2実施形態の変形例を示し、外側壁部6の下端部に排水口5側への内方折り返し部6bを互い違いに延設させたものである。このように内方折り返し部6bを設けることで、外側壁部6の下端開口の面積を小さくすることができ、より確実に外部から排出口5を通ってケース内に水が侵入することを防止することができる。
【0017】
図4は第3実施形態を示し、上記第1実施形態と異なる点は、ケース底壁1の最下端部に正方形状の排水穴7を設けている点と、排水口5aを囲む全周に下端開口の外側壁部9を設けている点である。なお、3aは周壁、4aは閉鎖壁、5aは排出口を示す。
【0018】
このように排水口5aの全周を囲む下端開口の外側壁部9は、外部から排出口5aに到達しようとする水を確実に遮断でき、障壁性が高ものとなる。
【0019】
なお、上記実施形態では、排水穴2,7の形状を矩形あるいは正方形としたが、これに限らず、円形としても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0020】
また、第3実施形態に示した外側壁部9の下端部に排水口5a側への内方折り返し部を設けても良い。これにより外側壁部の下端開口の面積を小さくすることができ、勢いが強く外側壁部の下端開口側から回り込んで排出口に到達しようとする水をも防止できる。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明の電気接続箱の排水構造によれば、排水口と間隔をあけてケース底壁より突設した下端開口の外側壁部は、外部から排出口に到達しようとする水に対して障壁となるため、上記排出口を通ってケース内に水が侵入することを防止することができる。
【0022】
また、上記外側壁部を上記排水口を囲む全周に設けることで上記障壁性は高くなる。
【0023】
さらに、上記外側壁部の下端部に排水口側への内方折り返し部を設けることで、上記外側壁部の下端開口の面積を小さくすることができるため、上記外側壁部の下端開口側から回り込んで上記排出口を通ってケース内に侵入しようとする水をも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態の変形例を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態を示し、(A)は断面図、(B)は(A)のII−II線断面図、(C)はケース内側から見た斜視図である。
【図5】従来例を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)のX−X線断面図である。
【図6】従来例を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)のB−B線断面図、(C)は排水口壁23bをケース外側に設けた場合を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ケース底壁
2,7 排水穴
3,3a 周壁
4,4a 閉鎖壁
5, 5a 排水口
6,9 外側壁部
6a,6b 内方折り返し部
Claims (3)
- 自動車に搭載する電気接続箱のケース底壁の最下端部に排水穴を設けると共に、該排水穴を囲む周縁に対向して周壁を突設し、これら周壁の間を排水口とすると共に周壁の先端に上記排水穴と間隔をあけて該排水穴と略同一の大きさとした閉鎖壁を設け、該閉鎖壁で上記排水穴を覆い、かつ、上記排水口の少なくとも対向した位置に、該排水口を外部に対して直接に開口させないと共に該排水口と間隔をあけて、下端開口の外側壁部を上記ケース底壁より突設し、該外側壁部の下方突出量は上記閉鎖壁以上としていることを特徴とする電気接続箱の排水構造。
- 上記外側壁部は上記排水口を囲む全周に設けている請求項1に記載の電気接続箱の排水構造。
- 上記外側壁部の下端部に排水口側への内方折り返し部を設けている請求項1または請求項2に記載の電気接続箱の排水構造。
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