JP3548503B2 - 磁気止め具 - Google Patents

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    • A45C13/10Arrangement of fasteners
    • A45C13/1069Arrangement of fasteners magnetic

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気止め具に係わり、特に、磁石の性質を利用して閉じた状態を自動的にロックすることができる簡易磁気止め具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ハンドバックやカバン、ランドセル、リュックサック、ベルト、シガレット、アタッシュケースのような各ケースの蓋を閉じた状態に保つために、様々な止め具が考案されている。磁力を利用した磁気止め具もその中の1つである。
【0003】
このような磁気止め具の一例が、本願出願人自身によって出願された特許公報第2944643号(特願平10−194638号)号に開示されている。この磁気止め具は、第1組立体と第2組立体から成り、例えばハンドバックの蓋と本体にそれぞれ固定して用いられる。これらの組立体は、磁気の作用によってそれらが互いに組み合わされたときに、蓋と本体を閉じた状態とすることができるとともに、閉じた状態を自動的にロックすることができるようにしたものである。
【0004】
更に詳しく言えば、これらの組立体は、磁気の作用によって、第1組立体の前面に設けた突出部を第2組立体の前面に設けた穴に通しつつ、それらの前面にて互いに吸着され組み合わされるとともに、磁気の作用を利用して、第2組立体に設けた係止部材を第1組立体の突出部中間に吸着させることにより、第1組立体と第2組立体を引き離そうとした場合には、第1組立体の突出部先端に設けた突起が突出部中間に吸着された第2組立体の係止部材と衝突するようにして、その組み合わせをロックすることができるようにしたものである。
【0005】
一般に、組立体の材質としては金属が適当であると考えられるが、製造コストを抑えるためには、それらの金属を、例えば、安価な薄い金属板を打ち抜き、絞り又は、折り曲げ等によって加工するのが望ましい。しかしながら、このような薄い金属板を用いる場合は、その強度が大きな問題となってくる。特に問題になる場合として、例えば、組立体の固定作業を挙げることができる。前述したように、組立体はハンドバック等に固定して用いられるが、この固定作業には、ハンマー等でたたくことによって金属板の一部を折り曲げる作業も含まれる。組立体の強度が弱ければ、組立体はこの作業によって容易に破壊され、或いは、変形されてしまう。したがって、組立体の強度の強化が強く望まれるのである。尚、金属以外の部材、例えば、プラスチック等で組立体を形成することも勿論可能である。
【0006】
また、前述したように、第1組立体と第2組立体が組み合わされる際、第1組立体の突出部を第2組立体の穴に通すことになるが、第1組立体と第2組立体が組み合わされる際、或いは、その後に、組み合わせ方向(以下、この方向を上下方向と考える)と交差する方向(横方向と考える)にずれが生じてしまうことがある。このずれは、磁気止め具の良好な働きを妨げるものとなる。例えば、このずれによって、第1組立体の突出部先端に設けた突起が、第2組立体の穴から交差方向にずれが生じてしまった場合、このずれを正さない限りは、突起が第2組立体の一部に衝突してしまうために、これらを引き離すことが困難、或いは、不可能とされる。
【0007】
上に挙げた本願出願人による特許公報第2944643号に開示した磁気止め具では、このようなずれを防止するために、第2組立体の前面から前側に突出する環状突出部を設け、第1組立体と第2組立体の組み合わせの際、或いは、その後に、この環状突出部内に第1組立体の前面を受け入れるようにしていた。しかしながら、このような環状突出部を設けると、環状突出部が厚くなって蓋を開けた時に邪魔になり、デザイン上も好ましくなく、また、装置を厚く見せてしまうといった欠点もある。ずれ防止のための手段を設けることは不可欠であるが、このために外観を損なうのは望ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、本願出願人自身が開発した磁気止め具を更に改良するためになされたものであり、組立体の強度を強化するとともに、外観を損なうことなく、第1組立体と第2組立体の間のずれを防止した磁気止め具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの観点によれば、互いに対して止められるべき一対の部材のうちの一方の部材に取り付けられる第1組立体と、他方の部材に取り付けられる第2組立体とから成る磁気止め具において、前記第1組立体と第2組立体は、それらのいずれか一方又は両方の組立体に設けた磁石の作用によって、それらの吸着面にて互いに吸着され組み合わされるものであり、前記第1組立体は、自身の吸着面から前記第2組立体との組み合わせ方向に向かって外部に突出された係止手段を有しており、前記第2組立体は、自身の吸着面から前記第1組立体との組み合わせ方向とは逆方向に向かって第2組立体の内部に延出されたガイド手段を有しており、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされるとき、前記係止手段は前記ガイド手段の内部を案内されるようになっており、前記第2組立体は更に、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、前記係止手段に対するロック位置へ移動されて前記第1組立体と第2組立体の組み合わせをロックする対応係止手段と、このロックを解除する解除手段とを有しており、前記第2組立体の対応係止手段は磁性体で形成されており、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされたとき、前記第2組立体の対応係止手段は前記第1組立体の係止手段に対するロック位置へ前記第1組立体の係止手段の磁気の作用によって移動されて前記第1組立体と第2組立体の組み合わせをロックするようになっており、前記第2組立体のガイド手段の一部に、前記対応係止手段を前記第1組立体の係止手段に吸着させるための切り欠きが設けられていることを特徴としている。
【0012】
本発明の更に別の実施形態によれば、前記ガイド手段は磁性体で形成されている。
【0013】
本発明の更に別の実施形態によれば、前記第2組立体は、更に、前記吸着面を一方の面に有するフレームと、該フレームの一方の面とは反対側の面との間に前記対応係止手段を収容する収容部材と、を有しており、前記ガイド手段は、前記フレームにのみ設けられたガイド手段によって、或いは、前記収容部材にのみ設けられたガイド手段によって、或いは、前記フレームのガイド手段と前記収容部材のガイド手段とを組合せることによって形成されている。
【0014】
本発明の更に別の実施形態によれば、前記フレームは、薄板の打ち抜き、折り曲げ、絞り加工によって形成されている。
【0015】
本発明の更に別の実施形態によれば、前記フレームの一方の面とは反対側の面に補強プレートを設け、前記補強プレートと前記収容部材との間に前記対応係止手段を位置付けられている。
【0016】
本発明の更に別の実施形態によれば、前記補強プレートに、前記ガイド手段の周囲を覆って前記ガイド手段を補強する補強ガイド手段を設けている。
【0017】
本発明の別の観点によれば、互いに対して止められるべき一対の部材のうちの一方の部材に取り付けられる第1組立体と、他方の部材に取り付けられる第2組立体とから成る磁気止め具において、前記第1組立体と第2組立体は、それらのいずれか一方又は両方の組立体に設けた磁石の作用によって、それらの吸着面にて互いに吸着され組み合わされるものであり、前記第1組立体は、自身の吸着面から前記第2組立体との組み合わせ方向に向かって係止手段を有しており、前記第2組立体は、自身の吸着面に穴を有しており、更に、前記第1組立体若しくは第2組立体のいずれか一方の吸着面の側面に、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、他方の組立体の吸着面の側面の少なくとも一部を外側から覆うように、前記組み合わせ方向に向かって外部に延出された縁状ガイド手段が設けられており、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされるとき、前記第1組立体の係止手段は前記第2組立体の穴へ案内され、前記第1組立体若しくは第2組立体のいずれか一方に設けた縁状ガイド手段は他方の組立体の吸着面の側面に沿って案内されるようになっており、前記第2組立体は、更に、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、前記第1組立体の係止手段に対するロック位置へ移動されて前記第1組立体と第2組立体の組み合わせをロックする対応係止手段と、このロックを解除する解除手段とを有することを特徴とする。
【0018】
本発明の更に別の観点によれば、互いに対して止められるべき一対の部材のうちの一方の部材に取り付けられる第1組立体と、他方の部材に取り付けられる第2組立体とから成る磁気止め具において、前記第1組立体と第2組立体は、それらのいずれか一方又は両方の組立体に設けた磁石の作用によって、それらの吸着面にて互いに吸着され組み合わされるものであり、前記第1組立体は、自身の吸着面から前記第2組立体との組み合わせ方向に向かって係止手段を有しており、前記第2組立体との組み合わせ方向における前記係止手段の後端側の前記組み合わせ方向との交差方向における外径が、前記係止手段の先端側の前記組み合わせ方向との交差方向における最も大きな外径と、実質的に同じか若しくはそれより大きく設定されており、前記第2組立体は、自身の吸着面に穴を有しており、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされるときに、前記第1組立体の係止手段は前記第2組立体の穴に沿って案内されるようになっており、前記第2組立体は、更に、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、前記第1組立体の係止手段に対するロック位置へ移動されて前記第1組立体と第2組立体の組み合わせをロックする対応係止手段と、このロックを解除する解除手段とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明の一つの実施形態によれば、前記第2組立体の穴に、該第2組立体の吸着面から前記第1組立体との組み合わせ方向とは逆方向に向かって少なくとも前記組み合わせ方向における前記係止手段の長さと実質的に同じ長さまで第2組立体の内部に延出されたガイド手段を設け、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされるとき、前記係止手段が前記ガイド手段の内部を案内されるようにしている。
【0020】
本発明の更に別の観点によれば、互いに対して止められるべき一対の部材の一方の部材に取り付けられる第1組立体と、他方の部材に取り付けられる第2組立体とから成る磁気止め具において、前記第1組立体は、固定板と、該固定板に設けられた係止部とを少なくとも備えており、前記第2組立体は、前記係止部に対するロック位置へと移動され得る磁性体からなる係止材と、該係止材に作用して前記ロック位置からロック解除位置へと移動させるための解除手段とを少なくとも備えており、更に、前記第1組立体若しくは第2組立体のいずれか一方又は両方に、前記第1組立体と第2組立体が組み合わせられたときに前記固定板と前記係止材との間に位置付けられる磁石と、この磁石と前記係止材との間に位置づけられる磁気ギャップが設けられており、前記係止材は前記磁石の作用によって前記係止部に対するロック位置へと移動され得るようにしていることを特徴とする。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、前記磁気ギャップを非磁性材又は非磁性材から成るメッキで形成している。
【0022】
本発明の更に別の実施形態によれば、前記固定板を設けずに、前記磁石を第1組立体に設け且つ該磁石に前記係止部を設けている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好例の実施形態を説明する。
【0024】
図1に、本発明による磁気止め具の組立斜視図を示す。この図に示されるように、本発明による磁気止め具は、第1組立体1と第2組立体2の対から成る。これらの各組立体は、後述するように、磁気止め具を使用すべき対象物(例えば、ハンドバック)の一対の対応部材(例えば、ハンドバックの本体と蓋)のいずれか一方に、それぞれ、図に示す向きで固定される。これらの組立体は、第1組立体に設けられた磁石の働きによって第1組立体と第2組立体の組み合わせ方向(図1の矢印イ、ロ方向)に、それらの吸着面31、67(後述する図3によく表されている)にて互いに吸着され組み合わされ、この組み合わせを通じて、対象物の対応部材を閉じた状態に保つことができる。この磁気止め具では、第1組立体と第2組立体の組み合わせが、磁石の働きによってなされると同時に自動的にロックされる。このロックは、第2組立体を操作することによって簡単に解除することができる。
【0025】
図2に、これらの各組立体の分解斜視図を示し、更に、図3に、これらの組立体が組み合わされたときの本発明の磁気止め具の中心線断面図を示す。これらの図によって、各組立体を構成する構成部品の詳細が明らかにされている。以下、主に図2を参照して各構成部品の詳細を説明する。
【0026】
先ず、第1組立体について説明する。
【0027】
図2の左側に示されているように、第1組立体は、環状プレート10と、環状プレート10に固定される留め金14と、環状プレート10に磁着されるリング状の磁石22と円筒スリーブ26と、磁石22と環状プレート10を覆うカバー30と、更に、第1組立体の中心を貫通して設けられる係止ピン34から成る。但し、後述するように、環状プレート10は省略することもできる。
【0028】
環状プレート10は、磁性体、例えば強磁性体の鉄でできている。従って、環状プレートは磁石による影響を受ける。以下に述べる構成部品についても同様であるが、環状プレートのように、その材質として鉄が使用されている場合には、一般には、サビ防止と装飾のためのメッキが施される。環状プレート10の中心部に設けられた穴12は、後に、係止ピン34を貫通させるための穴である。
【0029】
留め金14は、環状プレート10の一方の面に固定される。固定方法として、例えば、スポット溶接、はんだ付け、ろう付け等の溶接、かしめ、その他の適当な方法を使用することができる。本実施形態では、留め金14をより確実に固定することができるようにスポット溶接と、かしめを採用した。図面中の点線で示した4つの点15は、スポット溶接によって生じた溶融部分を示している。これらの溶融部分の位置は、留め金に力が均等に加わるようほぼ同一円周上で等間隔づつ離間されている。尚、本実施形態のように、留め金14と環状プレート10を別体とせず、それらを一体成形することもできる。留め金の材質は特に問わないが、留め金を環状プレートと一体成形するのであれば、当然に環状プレートと同じ材質となる。尚、留め金14に環状プレート10としての効果を持たせてもよい。磁石22をプラスチック磁石としたときには、環状プレート10又は留金14のいづれか一方を、または、その両方をプラスチック磁石と一体成型してもよいし、その他の部材と一体成形してもよい。そして、その他の部材にネジやカシメ、溶接、その他の方法で様々な部材を取付けてもよい。更に、このプラスチック磁石にメッキを施してもよい。
【0030】
留め金14は、環状部分16と、この環状部分16の両側から下方に向かって延びる2本の固定部分18から成る。環状部分16は環状プレート10に固定するために使用され、一方、固定部分18は、第1組立体を対象物に固定するために使用される。環状部分16の中心部には、環状プレート10とほぼ同じ大きさの穴20が設けられている。留め金14と環状プレート10が互いに整列されたとき、この環状部分16の穴20と環状プレート10の穴12が互いに整列され、これにより、係止ピン34を貫通させるための整列穴が形成される。
【0031】
リング状の磁石22は、留め金14の取り付け側とは反対側の環状プレート10の表面に取り付けられる。尚、磁石22の外径は、後述する理由から、環状プレート10の外径よりも小さくされているのが好ましい。この磁石22は、表裏面にN極又はS極のいずれか一方の極を持つ永久磁石である。従って、磁石22は、自身の磁力によって環状プレート10に磁着され得る。磁石22が環状プレート10に磁着されたとき、環状プレートは磁石によって磁気を帯び、この結果、環状プレート自身も磁力を発生させる。環状プレートのこの磁力は、特に、円筒スリーブ26を吸着させるために重要な役割を持つ。尚、磁石22はネオジム磁石でもよいし、その他の磁石でもよい。そして、磁石の厚みは0.5mm〜10mmを有してもよいが、その厚みの設計は自由であり、又、それらの磁石にメッキを施してもよい。
【0032】
円筒スリーブ26は、磁石22と同じ側の環状プレート10の表面に取り付けられる。本実施形態では、円筒スリーブ26は環状プレート10の中心部付近に配置されているが、円筒スリーブ26を環状プレート10の中心部からずらして配置することもできる。円筒スリーブ26が環状プレート10の中心部付近に配置されたとき、円筒スリーブ26は、磁石22の中空部24から離間された状態で、環状プレート10の上に直接的に配置される。但し、円筒スリーブ26は、必ずしも磁石22から離間されている必要はなく、磁石22と接触していてもよい。更に言えば、環状プレート10を設けずに、円筒スリーブ26を、磁石22のリング穴に接触させた状態で、そこに直接嵌め込むようにしてもよい。この場合には、環状プレート10を省略することもできる。そして磁石22をプラスチック磁石としたときには、円筒スリーブ26と一体成形としてもよい。そして、円筒スリーブ26にネジや、カシメ、その他の方法で環状プレート10又は留金14を、そして、その両方を取付けてもよいし、その他の部材を取付けてもよい。
【0033】
円筒スリーブ26は、環状プレート10と同様に、磁性体で形成される。従って、円筒スリーブ26は、磁気を帯びた環状プレート10に磁着され得る。明らかなように、円筒スリーブ26が環状プレート10に磁着されたとき、円筒スリーブ26は環状プレート10と同様に磁気を帯び、この結果、円筒スリーブ26自身も磁力を発生させる。円筒スリーブ26のこの磁力は、後述する係止材56を吸着させるために重要な役割を持つ。尚、円筒スリーブ26と環状プレート10は一体成形されてもよい。
【0034】
円筒スリーブ26が環状プレート10に磁着されたとき、円筒スリーブ26の先端付近は磁石22の上部に突出し得る。更に言えば、円筒スリーブ26は、第1組立体の吸着面(31)から第2組立体との組み合わせ方向(図1の矢印イ方向)に向かって外部に突出されている。この円筒スリーブ26にも、その長さ方向に沿って、留め金14の穴20や環状プレート10の穴12とほぼ同じ大きさの貫通穴28が設けられている。円筒スリーブ26と、環状プレート10、及び留め金14が全て整列されたとき、これらの各穴によって、係止ピン34を貫通させるための整列穴が形成される。
【0035】
カバー30は、磁石22と環状プレート10に対して取り付けられる。カバー30の形状はリング形状である。また、その大きさは、磁石22の底部を除くほぼ全面と環状プレート10の側面とを覆うのにちょうどよい大きさである。前述したように、本実施形態のように、磁石22の外径を環状プレート10の外径よりも小さく設定している場合には、カバーの縁を角張らせる必要がなく、したがって、その縁に美しい滑らかな曲面を形成することができる。カバー30を磁石22と環状プレート10に覆い被せたとき、このカバー30の底側円周部にわたって形成された下方に伸びる5本の固定片32が環状プレート10の底面より下側に突出し得る。これらの固定片32を環状プレート10の底面に沿って内側に折り曲げることにより、磁石22と環状プレート10を一体とした状態で、それらに対してカバー30を固定することができる。カバーの材質は特に限定されないが、ここでは、非磁性材、例えば真ちゅうとされている。このようなカバー30を設けるのは、磁石22や環状プレート10を防護し、また、これらの間の結合をより強固にするためであるが、これを省略することもできる。また、磁石22の外径は、環状プレート10の外径より小さくしてもよいし、大きくしてもよい。更に、磁石22の形状も問わない。但し、カバー30を設けないときは、磁石22と環状プレート10の間の結合をより強固にするために、それらを接着材及びその他の方法で固定することが好ましい。カバー30が設けられている場合、第2組立体の吸着面67(図1、図3参照)との吸着面は、このカバー30の前側31となる。一方、カバー30を設けていない場合、第2組立体との吸着面は、カバー30の下に位置する磁石22の前側21となる。尚、カバー30を設けた場合にも、円筒スリーブ26は、第1組立体の吸着面(31)から第2組立体との組み合わせ方向(図1の矢印イ方向)に向かって外部に突出されることになる。
【0036】
係止ピン34は、円筒スリーブ26や環状プレート10、及び留め金14の各穴によって形成された整列穴に挿入された状態で設けられる。係止ピン34は、支柱36と、この支柱36の上部に設けられたヘッド38から成る。整列穴には、係止ピン34の支柱36の部分のみが通され、ヘッド38の部分はこの整列穴には通されない。
【0037】
この係止ピン34の支柱36の長さは、円筒スリーブ26等の穴によって形成された整列穴の総長よりも長い。従って、係止ピン34の支柱36が整列穴に貫通されたとき、この整列穴の最も底側を形成する留め金14の穴20から、支柱36の先端部付近が突出し得る。この支柱36の突出部(図示されていない)を、留め金14の底面に対してかしめることにより、又は、この支柱36の突出部を溶接、螺子止め、その他適当な方法で留め金14に対して固定することにより、係止ピン34を、環状プレート10や円筒スリーブ26に対しても固定することができる。尚、係止ピン34がこれらに固定されたとき、係止ピン34の支柱36の先端部付近は、留め金14の底面に対して平らにされることもあるし、また、この底面から多少突出するようにされることもある。
【0038】
係止ピン34が整列穴に貫通されたとき、円筒スリーブ26の上部からは、係止ピン34のヘッド38が外部に露出される。少なくとも、このヘッド38の部分は非磁性材で形成されており、従って、磁石の影響を受けることはない。後述するように、第1組立体と第2組立体が組み合わされるとき、このヘッド38は第2組立体の中心部を貫通することになるが、上に述べたように、このヘッドは磁石の影響を受けることはないから、ヘッドが第2組立体のいずれかの部分に磁着されることによって、第1組立体と第2組立体の組み合わせ作業が妨害されることはない。尚、ヘッド以外の部分、即ち、支柱36は、磁性体としてもよいし或いは非磁性体としてもよい。係止ピン34のヘッド38に傾斜面を設けているのは、ヘッド38がスライダー56の係止片65と接触した場合であっても、それらの間に生じる摩擦抵抗を少なくすることによって係止片65をスムーズに移動させることにより、ヘッド38が第2組立体の整列穴に挿入しやすくするためである。
【0039】
次に第2組立体について説明する。
【0040】
図2の右側に示されているように、第2組立体は、環状フレーム66、環状フレーム66に収容される補強プレート80、補強プレート80との間に収容空間を形成する収容部材40、補強プレート80と収容部材40によって形成された収容空間内に遊動的に狭持されるスライダー56、及び収容部材40に固定される留め金48から成る。
【0041】
環状フレーム66は、好ましくは、鉄のような強磁性体(磁性体)で形成される。磁性体で形成することによって、次に挙げるような優れた効果を得ることができる。第一に、第1組立体と第2組立体の組み合わせ時に、第1組立体からの磁力を環状フレーム66に及ぼすことができる。更に言えば、第1組立体の磁力を、スライダー56のみならず環状フレーム66にも及ぼすことで、第1組立体と第2組立体の間により強い吸着力を発生させることができる。第二に、第1組立体と第2組立体の組み合わせ時に、環状フレーム66をヨークとして機能させ、スライダー56の動きをスムーズにすることができる。尚、環状フレーム66が、プラスチック、真鍮、その他の非磁性体で形成されている場合にも、上に述べた後者の効果を得ることができる場合がある。この点については後述する。
【0042】
環状フレーム66は、比較的薄い平らな金属板を打ち抜き、折り曲げ、絞り等することによって一体成形されている。このような製法を用いることにより、製造コストを安価にできる。但し、必ずしも一体成形する必要はないし、その他の製法でもよい。例えば、円筒状のガイド69を環状フレーム66やその他の部分とは別体で設けて、これを後付けするようにしてもよい。また、環状フレーム66にガイド69を設ける代わりに、収容部材40の側にガイド69に相当する部材を形成してもよい。更に、環状フレーム66と収容部材40の双方にガイド69(或いはガイドに相当する部材)の一部を設けてそれらを組合せることによって完全なガイドを形成するようにしてもよい。もちろん、環状フレーム66の材質や製法は設計者の自由である。
【0043】
環状フレーム66は、外壁部分68、内壁部分、即ち、ガイド69、および前壁部分70の三方で取り囲まれたフレーム(枠)として形成されている。図面からは明らかではないが、環状フレーム66の前面(吸着面)、即ち、前壁部分70の前面には、従来技術で述べたような環状突出部は形成されおらず、平坦な状態とされている。この前面(図に表れている面とは反対側(紙面側)の面)は、第1組立体の吸着面31と吸着される吸着面67として用いられる。
【0044】
内壁部分、即ち、ガイド69を設けている点に注目してもらいたい。ガイド69は、略一定の内径を有した実質的に円筒形状とされており、また、吸着面67(図1、図3参照)から第1組立体との組み合わせ方向(図1の矢印ロ方向)とは逆方向に向かって第2組立体の内部の穴に延出されている。ガイド69を設けることには主に3つの意義がある。1つは、第1組立体と第2組立体の間の横方向ずれを防止することである。第1組立体と第2組立体が組み合わせられる際に、或いは、それらが組み合わされた後に、それらの間に横方向のずれを全く生じないか、或いは、わずかなずれしか生じないのであれば、このようなガイド69をわざわざ設ける必要はない。しかしながら、実際には、比較的大きなずれが生じてしまうのが常であり、このようなずれは、磁気止め具の良好な働きを妨げる。
【0045】
ガイド69を設ける第1の意義は、この問題を解決することにある。即ち、第1組立体と第2組立体が組み合わされる際、或いは、それらが組み合わされた後に、それら第1組立体と第2組立体の間に横方向ずれが生じることを防止することである。図3を参照して、更に具体的に述べれば、第2組立体にガイド69を設けることによって、第1組立体の係止ピンのヘッド38がガイド69の内側に形成された穴71に沿って第2組立体の内部へ案内されるようにすること、また、それが案内された後はヘッドが第2組立体の内部で横方向にずれてしまうのを防止すること、一例を挙げれば、スライダー56を押してロック解除しようとしたときにその力で環状フレーム66が横方向に押されて穴71がヘッド38からずれてしまうのを防止することである。
【0046】
ガイド69を設ける第二の意義は、環状フレーム66の上下方向における強度を強化することにある。後述するように、第2組立体は、ハンドバック等の対象物に、収容部材40に固定された留め金48の固定部分54をそれぞれ折り曲げ、そしてハンマー等で打ち付け固定されるのであるが、この固定作業中に、留め金48付近、換言すれば、収容部材40と環状フレーム66の中心付近に、上下方向にわたって相当に大きな力が加わることになる。この力は、収容部材40と環状フレーム66(したがって、第2組立体自体)を破壊、或いは、変形するに十分大きな力である。取り分け、本実施形態のように、環状フレーム66を比較的強度の弱い薄板から形成している場合には、環状フレーム66(第2組立体自体)はこの作業中に容易に破壊され、或いは、変形されてしまい、収容されているスライダー56が遊動出来なくなる。そこで、本発明では、環状フレーム66の中心付近にガイド69を設けて、更には、この環状フレームを補強する補強プレート80の補強ガイド82とあいまって、その強度を強化することにより、この問題を解決することとしている。
【0047】
ガイド69を設ける第三の意義は、ガイド69の一部に設けられた切り欠き部72に関係する。この切り欠き部72は、スライダー56、特にその係止部65が、ガイド69の内側、更に言えば、ガイド69の内側に配置される第1組立体の磁気を帯びた円筒スリーブ26に、接近し、吸着することができるようにするためのものである。この切り欠き部は、係止部65を通すのに必要且つ十分な大きさとされている。逆に、ガイド69は、切り欠き部72以外の部分については連続した状態で設けられている。ガイド69を設けた第三の意義は、切り欠き部72以外の部分では、スライダー56に磁気を及ぼさないようにすること、換言すれば、ガイド69をスライダー56の係止部65以外の部分に対する磁気シールドとして機能させることである。
【0048】
これらの三つの意義を十分果たすことができるよう、ガイド69は、少なくとも180度より大きな角度範囲、例えば、本実施形態では、約240度の角度範囲にわたって設けられている。この角度範囲は、スライダー56の係止部65に及ぼした磁気作用によってスライダー56を第1組立体に吸着させるのに十分であるとともに、第1組立体と第2組立体が組み合わされる際、或いは、それらが組み合わされた後に、それらの間に横方向のずれが生じることを防止し、且つ、環状フレーム66の上下方向における強度を強化するのに十分である。これを、例えば、180度以下の角度範囲とすれば、ガイド69から係止ピン34のヘッド38がはみ出てガイド69としての意義を持たなくなるし、また、不十分な強度しか有しないものとなる。勿論、それにもかかわらず、180度以下の角度範囲とすることは設計者の自由である。また、ガイド69の長さは、第1組立体と第2組立体の組み合わせ方向において円筒スリーブ26とヘッド38によって形成される長さと実質的に同じとされている。更にその内径は、ヘッド38の外径よりも若干大きくされている。尚、ガイド69の長さと、内径の設計は自由である。
【0049】
補強プレート80は、環状フレーム66を補強する役割を持つ。逆に言えば、補強プレート80は単に環状フレーム66を補強するためだけに設けられるものであるから、省略することもできる。補強プレート80は、図示の向きで、環状フレーム66の開放された後部からその内部に収容される。
【0050】
補強プレート80は、環状フレーム66と同様に、薄い金属平板を打ち抜き、絞り、折り曲げ等することによって一体成形されているが、一体成形する必要はないし、また、他の製法で同様の形状を形成してもよい。使用する板金は、環状フレーム66と同じものでもよく、また、環状フレーム66とほぼ同様の工程で形成することができる。この場合には、製造コストは非常に安くすむ。ただし、環状フレーム66と同様に、必ずしも一体成形する必要はなく、また、これを非磁性体で形成してもよい。
【0051】
補強プレート80は、環状フレーム66の、特に、前壁部分70と、内壁部分、即ちガイド69の強度を強化するような形状および大きさを有する。即ち、補強プレート80は、環状フレーム66の前壁部分70に対応してほぼドーナツ形状を有する本体部分81と、環状フレーム66のガイド69に対応して本体部から上下方向に延びる補強ガイド部分82を有する。
【0052】
補強プレート80が環状フレーム66内に収容されたとき、補強プレート80の本体部分81は、環状フレーム66の前壁部分70の内側のほぼ全体、即ち、環状フレーム66の吸着面とは反対側の面を覆う。本体部分81の外周に設けた突出部83は、補強プレート80を環状フレーム66に収容させたときに、環状フレーム66の外壁部分68に対応的に設けられた切り欠き部73に嵌め込まれる。これら突出部83と切り欠き部73の嵌合により、補強プレート80は環状フレーム66内に所定の向きで収容され、また、補強プレート80が環状フレーム66内に収容された後は、補強プレート80を環状フレーム66に対して所定の向きのまま保持することができる。
【0053】
補強ガイド82は、環状フレーム66のガイド69よりも小さな角度範囲、例えば、約180度にわたって設けられているが、ガイド69と同じ角度でもよい。また、補強ガイド82の高さは、補強プレート80が環状フレーム66に収容されたときに、環状フレーム66のガイド69の高さより低くなるように、或いは、同じになるように設定されている。但し、低くなるように設定した場合には、ガイド69との関係で段差84(図3参照)を形成することになる。これについては後述する。補強ガイド82の角度範囲と環状フレーム66のガイド69の角度範囲の関係から明らかなように、補強ガイド82は環状フレーム66のガイド69の全周を包囲するわけではないが、環状フレーム66を補強する役割は十分果たす。尚、環状フレーム66のガイド69の全周、更には、それより大きな角度範囲にわたるものであってもよいが、この場合には、スライダー56の係止部65のための切り欠き部を確保しておかなければならない。一方、補強ガイド82の高さと環状フレーム66のガイド69の高さの関係から明らかなように、補強プレート80が環状フレーム66に収容されたとき、これらのガイド69、82によって、図3によく示されているような、上下方向の段差84が形成される。2つのガイドによって形成されたこの段差84は、収容部材40に設けられた段差47と相補形状を成す。後述するように、これらの段差84、47を対応付けして配置することによって、実質的に隙間のない整列穴が形成されるとともに、ガイド69によって形成される穴を実質的に延長することもできるし、また、その強度を高めることもできる。
【0054】
補強プレート80を鉄のような強磁性体(磁性体)とすることにより、環状フレーム66との関連で述べた様々な効果を得ることができる。もし環状フレーム66の強度を増すためだけに補強プレート80を設けるのなら、これを非磁性体で形成しても目的は十分達成される。しかしながら、補強プレート80によって、環状フレーム66の被吸着機能やヨークの機能をも補強したいのであれば、補強プレート80は磁性体で形成してもよい。即ち、補強プレート80を磁性体で形成することにより、第1組立体と第2組立体の組み合わせ時に、第1組立体の磁力を、スライダー56や環状フレーム66のみならず、補強プレート80にも及ぼして、第1組立体と第2組立体の間により強い吸着力を発生させることができ、また、環状フレーム66に加えて補強プレート80をも第1組立体からの磁気に対するヨークとして機能させることによって、スライダー56の動きを更にスムーズにすることができる。尚、これらの効果は、後述するように、補強プレート80や環状フレーム66が非磁性体で形成されている場合にも得られるが、環状フレーム66と補強プレート80の双方が磁性体で形成されている場合には、より大きな効果が得ることができる。
【0055】
スライダー56は、第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、それらの間を自動的にロックするために使用される。更に言えば、第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、第1組立体、特にその円筒スリーブ26からの磁気作用によって第1組立体に引き付けられ、そこに吸着される。この吸着作用が、即ち、第1組立体と第2組立体の間のロック作用である。
【0056】
製造コスト削減のため、本実施形態では、スライダー56を打ち抜き、折り曲げ、絞り等によって一体成形することとしているが、必ずしも一体成形する必要はないし、その他の製法でもよい。この点は、環状フレーム66や補強プレート80と同様である。最終的に、スライダー56は、ほぼ左右対称の略カギ形状(他の形状でもよい)を有するものとされる。その中心付近に設けられた穴64には、第1組立体と第2組立体が組み合わせられたときに、第1組立体の係止ピン34およびこの係止ピンの周囲に設けた円筒スリーブ26が貫通され、位置付けられることになる。
【0057】
スライダー56には、本体部分61とレバー部分60が設けてある。本体部分61には、更に、内側に向かって突出された係止部65が設けられている。係止部65は、第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、第1組立体の係止ピン34の周囲に配置された円筒スリーブ26に吸着されて、それらの組立体を自動ロックするための重要な働きを持つ。この係止部65は全体として略三日月形状(その他の形状でもよい)を有し、また、その端部には、第1組立体の係止ピン34のヘッド38を薄くしたことに対応して先薄の傾斜面が形成されているが、もちろん、形成されていなくてもよい。係止部65の形状と係止ピン34の形状を対応させることにより、第1組立体と第2組立体が組み合わされる際に、係止部65と係止ピンのヘッド38が接触したときでも、それらの間の摩擦抵抗を小さくすることができる。尚、円筒スリーブ26に対する吸着は、係止部65の傾斜面の先端付近でなされる。一方、レバー部分60は、円筒スリーブ26に吸着された係止部65を第1組立体から引き離して、ロックを解除するため等に使用される。
【0058】
スライダー56は、環状フレーム66内に収容された補強プレート80の上に配置され、その本体部分61は上側から収容部材40によって覆われる。図3に現れているように、収容部材40にはスライダー56を収容するための空間49が形成されており、スライダー56の本体部分61は、この空間49内に収められる。一方、スライダー56のレバー部分60は、収容部材40の外壁部分に設けられた切り出し部42を通じて外部に露出される。収容部材40は、後に、環状フレーム66内に収容されることになるが、ここでもまた補強プレート80の場合と同様に、収容部材40から突出された切り出し部42を、環状フレーム66の外壁部分68に対応的に設けられた切り欠き部73に嵌め込むことによって、収容部材40を環状フレーム66内に所定の向きで収容することができ、また、収容部材40が環状フレーム66内に収容された後は、収容部材40を環状フレーム66に対して所定の向きのまま保持することができる。収容部材40が環状フレーム66内に収容されたとき、収容部材40と補強プレート80によって形成された収容空間、及び、収容部材40と環状フレーム66それぞれの切り出し部42と、そして切り欠き部73からは、スライダー56のレバー部分60のみが露出され、係止部65を有する本体部分61は収容空間内に遊動的に収容される。尚、スライダー56の遊動方向は、収容部材40の切り出し部42やスライダー56の形状などからも明らかなように、収容部材40や環状フレーム66の外壁部分68に設けた切り欠き部73に直交する方向、換言すれば、スライダー56の長手方向(図3の矢印「B」方向)である。
【0059】
収容部材40が、環状フレーム66内に収容された後、環状フレーム66の外壁部分68から突出している6つの固定片74は、収容部材40の対応する切断部41に向かってそれぞれ折り曲げられる。これによって、収容部材40を環状フレーム66に固定することができる。
【0060】
収容空間内のスライダー56、特にその係止部65は、レバー60を操作することによってその位置を自由に動かすことができる。したがって、係止部65が収容空間内で膠着状態のままになるおそれはなく、たとえそのような状態に陥ったとしても、レバー部分60を動かすことによってそのような状態を簡単に解除することができる。レバー部分60の動きに応答して、スライダー56の係止部65は、環状フレーム66のガイド69に設けた切り欠き部72を通じて、このガイド69の内側、更に言えば、ガイド69の内側に配置され得る磁気を帯びた第1組立体の円筒スリーブ26に、接近、又は、衝突し、或いは、そこから遠ざけられる。ただし、円筒スリーブ26に対する接近、吸着は、円筒スリーブ26の磁気作用によって自然に成されるものであるから、レバー部分60を設けた本来の意味は、この円筒スリーブ26から係止部65を遠ざけることにある。このスライダー56の操作を容易にするため、レバー60の先端は折り曲げや絞りによってツマミ部62が形成されている。
【0061】
第1組立体の磁気を作用させるため、スライダー56は、磁性体や非磁性体で形成してもよい。第2組立体の構成部材のうち、磁性体で形成しなければならないのはこのスライダー56の係止部65だけである。スライダー56を非磁性体で一体成形したときは、係止部65に磁性体メッキをし、又は係止部65を磁性材でおおい、そしてその他の方法で係止部65を実質的に磁性体にしてもよい。スライダー56を一体成形しない場合は、必ずしもその全体を磁性体とする必要はなく、第1組立体に吸着させる係止部65だけを磁性体で形成すればよいし、その他を非磁性体である別体でもよい。尚、設計によっては、係止部65又は本体部分61のいずれか一方に、または、それらの双方に、レバー部を設けて、このレバー部の移動によって、係止部を押したり引いたりして、円筒スリーブ26から係止部65を遠ざけるようにしてもよい。どのような設計とするかは、設計者の自由である。ここで、スライダー56の全体を磁性体で形成する場合には、いささか注意が必要である。なぜなら、その全体が磁性体で形成されたスライダー56は、係止部以外の全ての部分が、第1組立体に引きつけられてしまうからである。係止部以外の部分が引き付けられてしまったのでは、係止部によるロックは不可能となるか、或いは、スムーズに動作し得ない。故に、係止部65をより確実に円筒スリーブ26に吸着させるための工夫が必要である。ここでは、スライダー56の中心に設けた穴において、スライダー56の係止部65を、第1組立体の円筒スリーブ26が配置される側、換言すれば、穴に接近する方向に突出させるとともに、係止部以外の部分、特に、係止部65の対抗側の部分を、第1組立体の円筒スリーブ26から遠ざかる側、即ち、穴から遠ざかる方向に向かってスライダー56をより深く切り込んでいる。前述したように、スライダー56はほぼ左右対称に形成されており、また、その長手方向にのみ移動することから、このような形状とすることによって、係止部65に作用する磁気を係止部65以外の部分に作用する磁気より大きくすることができる。この係止部65の構造とともに、前述した環状フレーム66のガイド69による磁気シールド作用によって、係止部65を第1組立体の円筒スリーブ26に確実に吸着させることができる。ただし、スライダー56における切り込みは、常に必要とされるわけではなく、場合によっては、ガイド69による磁気シールド作用だけでも係止部65を円筒スリーブ26に確実に吸着させることができる。尚、係止部やレバー部やスライダーの設計は自由である。
【0062】
留め金48は、収容部材40に固定され、また、その形状は、環状プレート10に固定される留め金14とほぼ同様である。即ち、留め金48は、環状部分52と、この環状部分52の両側から上方に向かって延びる2本の固定部分54から成る。環状部分52は収容部材40に固定するために使用され、固定部分54は、第2組立体をハンドバック等の対象物に固定するために使用される。更に、留め金48は、環状プレート10に固定される留め金14と同様に、収容部材40と一体成形されてもよい。ただし、収容部材40に固定される留め金48の穴50は、環状プレート10に固定される留め金14の穴20とはその大きさが異なる。尚、収容部材40に固定される留め金48の穴50は、必ずしも必要なものではなく、省略することもできるが、この穴を設けた場合には、後に係止ピン34、特にそのヘッド38の部分を、そこに受け入れるようにして、第1組立体と第2組立体が組み合わされた際の厚みをより薄くすることができるという利点がある。
【0063】
収容部材40の働きは、既に上に述べた通りである。その材質は、磁性体、非磁性体を問わない。いずれであっても、収容部材40としての機能は達成することができる。この収容部材40には、外部に向かって環状の突出部43が設けられており、更に、この突出部43の周囲に環状の窪み45が設けられている。これらの突出部43と窪み45は、留め金48を収容部材40の所定の位置に位置決めし、また、留め金48の固定を容易にするためのものである。即ち、図1乃至図3から明らかなように、留め金48を収容部材40に固定する際、留め金48の穴50を収容部材40の突出部43に挿入するようにし、かつ、留め金48の環状部分52を、この環状部分52に対応する形状で設けられた収容部材40の窪み45に沈めるようにし、そして、突出部43を収容部材40の穴50の外側へかしめることによって、留め金48を確実に収容部材40の所定位置に固定することができる。
【0064】
収容部材40には、既に述べたように、環状フレーム66のガイド69によって形成された段差84に対応して環状の段差47が設けられている。これらの段差84、47は、ほぼ相補形状とされており、互いにかみ合わされることにより、上下方向の強度が高められている。更に、これらをかみ合わせることにより、収容部材40の穴46と環状フレーム66のガイド69の内側に形成された穴71を確実に整列させることもできる。これらの穴が整列されたとき、それらの間に隙間はほとんど形成されず、したがって、第1組立体と第2組立体が組み合わされる際に、第1組立体の特に係止ピン34のヘッド38が引っかかることはなく、それらの組立体はスムーズに組み合わされる。
【0065】
次に、主に図3を参照して、第1組立体と第2組立体の組み合わせ時におけるロックの動作を説明する。
【0066】
第1組立体と第2組立体の組み合わせは、第1組立体と第2組立体の複数の部品の間の磁気的作用によって達成される。第1組立体と第2組立体が互いに接近し、ある程度距離が縮まったとき、スライダー56と第1組立体との間の磁気作用によって、或いは、環状フレーム66や補強プレート80が磁性体で形成されている場合には、スライダー56、環状フレーム66、および補強プレート80と、第1組立体と、の間の磁気作用によって、これらの組立体は瞬時にパチンと組み合わされる。
【0067】
第1組立体と第2組立体が組み合わされたとき、第1組立体のカバーの前面31(カバーを設けていない場合は磁石の前面21)が第2組立体の環状フレーム66の前面と吸着するとともに、第1組立体の上部に突出した係止ピン34と円筒スリーブ26が、第2組立体の整列穴の内部に挿入される。これと同時に、係止ピン34のヘッド38の円周部が、第2組立体の環状フレーム66のガイド69の先端付近に達し、また、円筒スリーブ26の先端部が、収容部材40と環状フレーム66の間の閉じた収容空間をほぼ完全に貫通する。
【0068】
この磁気止め具では、第1組立体と第2組立体が組み合わされると同時に、これら組立体の組み合わせを自動的にロックすることができる。自動ロックは、正確に言えば、磁石22、円筒スリーブ26、及び環状フレーム66と、係止部65との間の協働磁気作用によるものであるが、主には、円筒スリーブ26と係止部65の間の磁気作用によるものである。円筒スリーブ26には、磁石22によって発生された磁気が環状プレート10を介して発生される。この結果、円筒スリーブ26の近傍に位置するスライダー56、特にその係止部65が、磁気を帯びた円筒スリーブ26の外周に吸着されることになる。円筒スリーブ26にスライダー56の係止部65が吸着されたとき、第2組立体の整列穴は、この係止部65によって狭められ、この結果、第1組立体と第2組立体の結合を外そうとしても、係止部65と係止ピン34、特に、そのヘッド38の裏面とが互いに衝突し合って、この結合を解除することができなくなる。つまり、第1組立体と第2組立体は自動ロックされることになる。尚、この点については、図4を参照して更に詳しく説明する。
【0069】
ここで、環状フレーム66や補強プレート80が磁性体で形成されている場合にのみ発揮される、それらのヨークとしての機能について説明を加えておく。上に述べた磁気作用によって、第1組立体と第2組立体を組み合わされた場合には、明らかなように、第2組立体の環状フレーム66や補強プレート80に第1組立体の磁石22による磁気が発生し、スライダー56は円筒スリーブ26のみならず環状フレーム66や補強プレート80にも引きつけられることになるから、結果として、スライダー56の係止部65は円筒スリーブ26にスムーズに吸着されないのではないかとの疑問もわく。しかしながら、環状フレーム66や補強プレート80を鉄等の強磁性体(磁性体)で形成することによって、換言すれば、これらをヨークとして機能させることによって、この問題は克服することができる。
【0070】
この原理は、大体、次のように考えることができる。説明の都合上、ここでは、磁石22の環状プレート10側における磁極をS極、その反対側における磁極をN極と仮定する(逆極性の場合は同様に考えることができる)。明らかなように、S極からの磁気はヨークとして機能する環状プレート10と円筒スリーブ26の働きによって円筒スリーブ26の先端部付近に集められ、この先端部付近において最も強い磁力を発生する。これに対して、N極からの磁気は、ヨークとして機能する環状フレーム66や補強プレート80によって、これらの部材の外周部付近に集められ、この外周部付近からS極に向けて磁気の流れが発生する。したがって、環状フレーム66の外周部以外の部分、即ち、スライダー56が配置されている部分を含んだ、環状フレーム66の外周部以外の部分では、外周部へ流れ出た分だけ磁気が弱くなっており、したがってスライダー56を引きつける磁気も弱くなっている。この結果、磁気をほぼ一点に集めた円筒スリーブ26の先端部付近における磁力の方が、磁気の流れが発生した分だけ磁力が減少している環状フレーム66における磁力よりも大きくなるため、係止部65は、環状フレーム66に引きつけられるにもかかわらず、より大きな磁力を有する円筒スリーブ26にスムーズに吸着されることになる。尚、以上のことは、環状フレーム66や補強プレート80が必ず磁性体で形成されなければならないことまで意味するわけではないが、それらを磁性体で形成した場合の一つの有効な効果として考えることができる。
【0071】
他の構造を用いてスライダー56を円筒スリーブ26にスムーズに吸着させることもできる。スライダー56(特に、その係止部65)と磁石22との間に、非磁性材で形成された磁気ギャップ部材を設けるのも一つの方法である。例えば、磁石の強さやその大きさ、円筒スリーブに対する係止部65の形状や面積、そして、移動距離や、その他の部材との協働磁気作用にもよるが、0.01mm〜10mmの厚みを有した非磁性材から成る磁気ギャップ部材を、スライダー56の係止部65と磁石22の間に位置付けることによって、スライダー56を円筒スリーブ26にスムーズに吸着させることができる。このことは、本発明者の実験によって実証済みである。また、磁気ギャップ部材を設ける代わりに、スライダー56自身や、磁石22自身、そしてこのスライダー56(特にその係止部65)と磁石22の間のいずれかの部材に非磁性材のメッキをすることによっても、同様の効果を得ることができる。メッキの厚みは、メッキ液に浸す時間によって様々な厚みに調節可能であり、従って、スライダー56に適当な厚みのメッキを施せば、上と同様の効果を得ることができる。尚、従来、このような非磁性の磁気ギャップ部材を設けたものは存在しない。例えば、本願出願人自身による特開昭50−112170号に開示されているように、磁石を保護するために設けた非磁性材から成る磁石カバーが、結果的に磁石22とスライダー56との間に位置付けられて、あたかも磁気ギャップ部材のようにみえるものはあるが、これらの従来例では、この非磁性材である磁石カバーをスライダー56をスムーズに動かすための道具として積極的に利用することを意図したものではない。さらに言えば、上に挙げた特開昭50−112170号の出願当時は、例えばフェライト磁石のような脆く欠けやすい磁石しかなかったため、磁石を保護する目的で磁石カバーを設ける必要があっただけである。特開昭50−112170号に開示された磁石カバーも、このような目的で設けられているものであって、本発明のように、スライダー56をスムーズに動かすための道具として利用することを意図したものではない。本願出願人は、今回初めて、このような非磁性材であっても、その厚み次第ではスライダー56をスムーズに動かすための磁気ギャップ部材として利用できることを実験によって確かめた。尚、この非磁性の磁気ギャップ部材を磁性体や磁性体メッキと組合せることもできる。また、その他の非磁性の磁気ギャップ部材として、塗装やプラスチック部材、そして、その他も考えられる。尚、磁気ギャップ部材の替わりに空隙を利用してもよい。これらの設計は自由である。
【0072】
前述した原理に関連して、この磁気止め具では、第1組立体と第2組立体を組み合わせる前にスライダー56の位置をロック解除位置にするといった作業は不要である。即ち、この磁気止め具では、第1組立体と第2組立体を組み合わせる際に、スライダー56の係止部65が第2組立体の整列穴を塞いでしまうような位置、即ちロック位置に存在している場合でも、上に述べた原理によって環状フレーム66や補強プレート80や磁石22にスライダー56が引きつけられる力が小さくされていることから、また、前述したように係止部65と係止ピンのヘッド38の間の摩擦抵抗が小さくされていることから、スライダー56は、第1組立体の、特に、その係止ピン34のヘッド38の部分と係止部65との衝突を通じてロック位置から自然に且つ容易にずれる。この場合、係止部65は、一旦そのような位置からずらされた後に、再び自動的に円筒スリーブ26に吸着され、ロックを自動的に完了させることができる。従って、この磁気止め具では、組み合わせを行なう前にスライダー56の位置を所定位置、即ち、ロック解除位置にするような作業は不要である。
【0073】
図4に、図3のA−A線断面図を示す。この図は、ロック位置、及び、ロック解除位置におけるスライダー56とその周辺部品の位置関係を明らかにしたものである。図4の(a)は、ロック位置における位置関係を、図4の(b)は、ロック解除位置における位置関係をそれぞれ示している。
【0074】
図4の(a)から明らかなように、ロック位置では、スライダー56の係止部65は円筒スリーブ26の外周面に吸着された位置にある。この結果、第1組立体と第2組立体の組み合わせを解除しようとしても(つまり、図において係止ピン34等を紙面垂直下方に移動させようとしても)、二点鎖線で示した係止ピン34のヘッド38が、スライダー56の係止部65と衝突してしまうため、このロックを解除することはできない。
【0075】
このロックを解除するには、(b)に示すように、係止部65を少なくとも係止ピン34のヘッド38の外周よりも外側へ移動させなければならない。係止部65は、スライダー56を図の矢印方向に動かすことによって移動させることができる。スライダー56を矢印方向に移動させることにより、係止部65はヘッド38の外周よりも外側へと押しやられ、この結果、係止ピン34と係止部65の衝突が解除される。つまり、ロックは解除される。尚、ロックの解除前後にわたって、第1組立体からの磁気は、実質的に、スライダーの係止部65に働いている。これは、前述した、スライダー56の形状および環状フレーム66のガイド69の磁気シールド機能によるものである。
【0076】
次に、図5を参照して、本発明の磁気止め具の使用例を説明する。本発明の磁気止め具は、ハンドバックやカバン、ベルト、ランドセル、リュックサック、シガレット、アタッシュケースのような各ケース、ドア、その他様々な対象物に使用することができる。ここでは、代表例として、ハンドバックを例に挙げて説明する。図5に、ハンドバックに固定された第1組立体と第2組立体を、ハンドバックの部分拡大図とともに横側面図で示している。
【0077】
本実施形態によれば、第1組立体及び第2組立体は、ハンドバックの本体4の表側及び蓋3の裏側に、それぞれ固定される。但し、これとは逆に、第1組立体をハンドバックの蓋3に、第2組立体をハンドバックの本体4に、それぞれ固定することもできる。
【0078】
これらの組立体は、各組立体に設けられた留め具18、54によって所定位置に固定される。前述したように、これらの留め具は2本の固定部分18、54(図1、図2によく示されている)を有しているが、これらの固定部分に対応して、本体4と蓋3のそれぞれに、固定部分を貫通させるための1組の穴(図示されていない)が設けられている。これらの穴に各固定部分18、54を完全に押し込んだ後、これらの各固定部分を外側(若しくは内側)に向かってハンマー等で打ち付けて、折り曲げることにより、第1組立体と第2組立体をそれぞれ、本体4や蓋3に固定することができる。既に述べたように、第2組立体はフレーム66のガイド69によって上下方向における強度が強化されていることから、この固定作業によって、破壊され、或いは、変形されることはない。
【0079】
尚、一般には、これらの固定がより確実に行われるよう、固定部分18と本体4の間、及び、固定部分54と蓋3の間に、それぞれ、座金6、5が配置される。これらの座金6、5には、本体4や蓋3に設けられた穴に対応して同様の穴が設けられている。座金を使用する場合には、留め具の各固定部分18、54を、それぞれ、本体4と座金6の穴、或いは、蓋3と座金5の穴に、それぞれ、この順番で貫通させた後に折り曲げればよい。また、第1組立体と第2組立体をハンドバック等に固定する方法としては、留め金14、48を利用する以外にカシメ止め、ネジ止め、その他の方法でもよい。
【0080】
本体4と蓋3にそれぞれ固定された第1組立体と第2組立体が組み合わされたとき、即ち、ハンドバックの蓋がロックされたとき、第1組立体や第2組立体は、ハンドバックの本体4と蓋3の間に位置付けられ、そして外部からはほとんど見えないようにするのが好ましい。これら第1組立体と第2組立体のロックの解除は、本体4と蓋3との隙間に指を入れ、第2組立体のスライダーのツマミ部62を押すことによって行うことができる。この操作が容易になるように、第2組立体のツマミ部62は図示のように蓋3の縁7の付近又は同位置に固定しておくのが好ましいがもちろん、縁7より出してもよい。また、他の解除方法として、第2組立体のレバーをハンドバッグに固定しておき、レバーが固定されたハンドバッグ部分を押すといった方法も考えることができる。尚、図面には表されていないが、本体4や蓋3は少なくとも2枚の皮や布等を重ねるようにしてぬいあわされて形成されており、各固定部分18、54の折り曲げ部分は、丁度これらの2枚の部材間に位置付けられる。従って、これらの固定部分は外部からは見えない。また、ツマミ部62が蓋3の縁7と同位置のとき、ツマミ部62がじゃまになり、ミシン等で縫い会わすことが出来ない。それを解決するには、固定部分54が蓋3の所定位置に固定された時に第2組立体のみを、即ちレバー部60やツマミ部62も含めて、右か左へ実質的に90度位回すことのできる構造(図示されていない。)にすれば、ミシン等で縫いあわすことが出来る。そして、その後、ツマミ部62を含めた第2組立体を所定位置へ戻せばよい。
【0081】
以上の固定方法によれば、第1組立体と第2組立体が組み合わされたとき、これらの組立体は実質的に外部に露出し得ないことから、この磁気止め具は、ハンドバックの好きな部分にユーザの好みに応じて様々な装飾品(図示されていない)を施すことができる。したがって、止め具によって、デザインが決定されてしまったり、ユーザの好みを十分に反映させることはできないといった問題は生じない。
【0082】
ハンドバックを例に挙げて本発明の磁気止め具の使用例を説明してきたが、本発明の磁気止め具は、ハンドバックに限らず、ランドセルやカバン、ベルト、リュックサック、シガレット、アタッシュケースのような各ケース、ドアのノブ等、ロックを必要とする様々な対象物に利用することができる。従って、本発明の磁気止め具を使用する対象物については限定されるものではない。
【0083】
尚、上の各実施形態において、部品を非磁性材で形成する場合には、例えば磁性材で形成されたそれらの部品に非磁性材のメッキを施すことにより、非磁性材で形成した部品と同様の効果を発揮させることもできる。従って、各実施形態において、非磁性材で形成すべき部材を、非磁性材のメッキが施された磁性部材や非磁性材で覆った磁性部材と置き換えることもできる。また、非磁性材に磁性材のメッキを施し、または磁性材でおおい、そして、磁性材としての効果を発揮させることもできる。このように、メッキには、さび止め、装飾の他、各部品の一部及び全体の表面を非磁性体や磁性体とするためにも利用することができる。特に、この利用法は、部材の一部、例えば、スライダーの係止部65だけを磁性体とする場合等に有効と考えられる。また、上の実施形態において、磁石は、必ずしも、第1組立体に設ける必要はなく、第2組立体に設けてもよい。例えば、磁石を、第2組立体の環状フレームと補強プレートの間に位置付ける方法があり、また、環状フレーム66を省いて、スライダー56と環状プレート10との間に磁石22を位置付けてもよい。そして、磁石22は、プラスチック磁石や、その他の磁石でもよいし、それらの磁石にメッキを施してもよい。そしてその他の方法も考えられる。更に、本発明の磁気止め具は、全体としてほぼ円筒形状を有するが、必ずしも円筒形状とする必要はなく、全体として、例えば矩形の筒状、楕円、その他様々な形状とすることもできる。その他様々な変更が当業者には明らかであろう。
【0084】
また、環状プレート10は、前述したように磁性体で形成されている必要はなく、非磁性体で形成されていてもよい。明らかなように、環状プレート10が非磁性体で形成されている場合には、磁石22の磁気作用によっては、磁石や円筒スリーブ26を環状プレート10に対して固定することはできないが、それらを溶接、接着材、かしめ、ネジ止め、その他様々な方法で固定すれば十分である。尚、磁石に留め金14を取付ける場合も同様である。
【0085】
更に、ヘッド38は、前述したように非磁性体で形成するのが好ましいのであるが、必ずしも非磁性体で形成する必要はなく、磁性体で形成してもよい。
【0086】
更にまた、第1組立体の円筒スリーブ26は、第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、収容部材40と環状フレーム66の間の閉じた収容空間を必ずしも貫通する必要はなく、スライダー56の近傍に到達すれば十分である。この場合でも、円筒スリーブ26からの磁気作用によって、スライダー56はロック位置へと移動され得るからである。
【0087】
尚、従来技術で述べたように、第2組立体に環状突出部を設けると外観は損なわれるが、ガイド69に加えてこれを設けることにより、第1組立体と第2組立体の間の横ずれをより効果的に防止することもできる。
【0088】
例えば、図3に示された第2組立体の環状フレーム66の円縁、換言すれば、吸着面67の側面に、第1組立体との組合せ方向に向かって外部に延出された(突出する)環状突出部、即ち、縁状ガイドを設けて、第1組立体と第2組立体が組み合わされるときに、この縁状突出部によって第1組立体の円縁(実施形態の例で言えば、カバー30または、カバー30を設けていないときは磁石22の円縁)を外部から覆うような方法でそれらを組み合わせるようにすることによって、第1組立体と第2組立体の間の横方向のずれを防止することができる。
【0089】
更に言えば、ガイド69を設ける代わりに、このような縁状突出部だけを設けて、第1組立体と第2組立体の間の横ずれを防止することも可能である。例えば、第2組立体における縁状突出部の高さ、即ち、第2組立体(実施形態の例で言えば、環状フレーム66)の前面との直交方向(第1組立体と第2組立体の組合せ方向)における縁状突出部の突出の高さを、第1組立体における係止ピンの高さ、即ち、直交方向(第1組立体と第2組立体の組合せ方向)における第1組立体(実施形態の例で言えば、カバー30または、カバー30を設けていないときは磁石22)の前面からの係止ピンの突出の高さと、実質的に等しいか、或いは、それより大きく設定しておけば、第1組立体と第2組立体が組み合わされている間は第2組立体の縁状突出部によって第1組立体の位置が規定されていることになるから、ガイド69を設けずとも、第1組立体と第2組立体の間の横ずれを防止することが可能である。但し、この縁状突出部の高さは設計によって自由に設定することができる。
【0090】
以下、図6乃至図8を参照して、このような縁状突出部をより具体的に説明する。これらの各図は、磁気止め具を図3と同様の中心線断面図で示した図であり、また、図中の番号は図1乃至図5に示した番号が示す部材と同じか、或いは、それに相当する部材を示している。但し、これらの図6乃至図8に、上に説明したガイド(図2、図3の69)は示されていない。
【0091】
図6の実施形態は、第1組立体に縁状突出部33を、同じく第1組立体に磁石22を設けた例を示す。なお、この実施形態では、縁状突出部33は、カバー30に形成されている。第1組立体と第2組立体が組み合わされる際、第1組立体の吸着面31の側面に設けた縁状突出部33は、その内側に第2組立体の吸着面67を内包した状態で第2組立体の吸着面67の側面66aに沿って案内される。また、第1組立体と第2組立体が組み合わされた後、第1組立体の縁状突出部33は、第2組立体の吸着面67の側面66aの少なくとも一部を外側から覆う。この構成により、第1組立体と第2組立体を組合せる際、或いは、それらを組合せた後に、第1組立体と第2組立体の間の横方向ずれを有効に防止することができる。尚、図示の例では、縁状突出部33は磁石カバー30を打ち抜き、そして絞ることによって形成されたものとしているが、必ずしもそのようにする必要はない。例えば、磁石カバー(図示されていない)を設けずに、磁石22の本体に縁状突出部(図示されていない)を設けてもよいし、その他の方法でもよい。また、磁石22はプラスチック磁石でもよいし、更にこのプラスチック磁石にメッキをしてもよい。
【0092】
特に、図6に示した実施形態のように、磁石22と縁状突出部33を同じ組立体に設けた場合には、それらを同じ組立体に設けていない場合には得ることができない効果を得ることができる。この効果を明らかにするため、第1組立体と第2組立体が組み合わされていない場合を想定する。このような状態で、特に磁石を設けた側の組立体に、例えば、クレジットカードや、電車の切符のような磁気カードを近づけてしまった場合、通常、この磁気カードは組立体に設けた磁石の磁気作用によって破壊されてしまう。しかしながら、組立体に縁状突出部33を設けておくことにより、磁気カードが縁状突出部33と衝突した場合には、それ以上磁石22に接近することがないから、磁気カードの破壊を予防または防止することが可能である。尚、一般に、よく知られているように磁気の作用は離間距離の2乗に反比例して減少することから、このような小さな距離でも十分に大きな効果が得られる。
【0093】
図7の実施形態は、上とは逆に、第2組立体に縁状突出部75と磁石22を設けた例を示す。但しこの実施形態では、図6のそれと異なり、カバーではなく、環状フレーム66に縁状突出部75が設けられている。ここでも、磁石22と縁状突出部75が同じ組立体に設けられていることから、図6の実施形態と同様に、磁気カードの破壊を有効に予防または防止することができる。また、図6の実施形態と同様に、この実施形態においても第1組立体と第2組立体が組み合わされる際、第2組立体の吸着面67の側面に設けた縁状突出部75は、その内側に第1組立体の吸着面11を内包した状態で第1組立体の吸着面11の側面10aに沿って案内され、また、第1組立体と第2組立体が組み合わされた後、第2組立体の縁状突出部75は、第1組立体の吸着面11の側面10aの少なくとも一部を外側から覆う。したがって、第1組立体と第2組立体を組合せる際、或いは、それらを組合せた後に、第1組立体と第2組立体の間の横方向ずれを有効に防止することができる。特に図示の例では、縁状突出部75は環状フレーム66を打ち抜き絞ることによって形成されたものとしているが、必ずしもそのようにする必要はなく、他の方法でそのような縁状突出部を設けてもよい。尚、図7中、参照番号13で示した部材は磁気ギャップ部材である。
【0094】
この図7の実施形態では、縁状突出部75を設けることにより、横ずれ防止の他に、次のような効果を得ることもできる。即ち、第1組立体と第2組立体が組み合わされる際に、これらの組立体が多少ずれた状態で接近し(図5を参照して説明したように、本発明の磁気止め具をハンドバックの本体と蓋に使用したような場合等に、このような状態が発生してしまうことが多い)、第1組立体の係止ピン34のヘッド38が環状フレーム66の穴71にうまく入らず、環状フレーム66の前面(吸着面67)と衝突してしまうことがあるが、このような場合でも、本発明では、縁状突出部75が設けられているために、第1組立体の係止ピン34のヘッド38がこの縁状突出部75の内側に取り込まれてさえいれば、その後に組立体同士(ハンドバックの本体と蓋同士)を多少ずらしてやるだけで、容易に係止ピン34のヘッド38を環状フレーム66の穴71に案内させることができる。したがって、縁状突出部75には、第1組立体と第2組立体の組合せを容易にするという効果がある。
【0095】
図8の実施形態は、図6の実施形態と図7の実施形態を組合せたものに相当する。即ち、第2組立体に縁状突出部75を設け、一方、第1組立体に磁石22を設けた例である。この場合には、図6や図7とは異なり、磁気カードの破壊を予防または防止するという利点はないが、第1組立体と第2組立体の間の横方向ずれを有効に防止することができる。また、この図8の実施形態は、図7の実施形態と同様に、環状突出部75によって第1組立体と第2組立体の組合せを容易にするという利点を有する。
【0096】
この図8の実施形態では、環状フレーム66を特に磁性体で形成した場合、縁状突出部75を設けることによって、第1組立体と第2組立体の吸着力をより高めるという効果を得ることができる。これを説明するため、図8の磁石22の上側にN極、下側にS極が、それぞれ配置されているものと仮定する(逆に配置した場合も同様に考えることができる)。この場合、上側のN極側からの磁気は、図示矢印ハで示されているように環状フレーム66を通じてS極側に導かれることになる。このとき、本発明では、縁状突出部75を設けていることから、このN極側から磁気は縁状突出部75の頂上部75aにまで導かれ、この頂上部75aから空気中を伝播して外側且つ下方に向かって降下し、第1組立体の環状プレート10を通過して、S極側に至る。このように、縁状突出部75を設けることによって、N極側からの磁気の流れを第1組立体と第2組立体の双方を効果的に通ずるものとすることができ、それらの間により強力な磁力を発生させることができる。よって、縁状突出部75を設けることによって、第1組立体と第2組立体の間の吸着力をより高めることができるという効果が得られる。
【0097】
更に、この縁状突出部75には、環状フレーム66をより堅牢にするという効果もある。即ち、縁状突出部75を設けることによって、環状フレーム66の強度、特に、ひねりに対する強度を高めることができる。環状フレーム66は比較的薄い板で製造することとしているから、この効果は非常に重要であるということができる。以上述べたように、縁状突出部75を設けることには、相当の効果が存在し、多少見た目は悪くなるものの、それを補って余りある効果があるということができる。
【0098】
図9の実施形態は、図8の実施形態とは逆に、縁状突出部33aを第1組立体に、また、磁石22を第2組立体に、設けた例である。この場合にも、上と同様の効果を得ることができる。尚、前に挙げた部材と同一のまたはこれに相当する部材には、前の番号と同一の番号を付している。
【0099】
図10に、第1組立体と第2組立体の横方向ずれを防止するための他の実施形態を図6乃至図9と同様の方法で示す。
【0100】
図10の実施形態は、第1組立体、特にその円筒スリーブ26の下側に、環状の拡張ガイド部27を設けた例である。拡張ガイド部27の外径、更に言えば、第1組立体と第2組立体の組み合わせ方向との直交(交差)方向における外径は、先端の係止ヘッド38の外径と実質的に同じ大きさであって、また、円筒スリーブ26の部分の外径よりも大きく設定されている。拡張ガイド部27に対応して、第2組立体の穴の外径、特に、その入り口付近における外径は、係止ヘッド38や拡張ガイド部27の外径よりも実質的に若干大きくされている。第1組立体と第2組立体が組み合わされる際、或いは、それらが組み合わされた後に、第1組立体の拡張ガイド部27は、第2組立体の穴の入り口付近に嵌まり、それら組立体の間の横ずれを有効に防止する。尚、円筒スリーブ26の下側の外径は、係止ヘッド38の外径と必ずしも実質的に同じにされている必要はなく、係止ヘッド38の外径よりも大きく設定されていれば、同様の効果を得ることができる。例えば、特に図示しないが、円筒スリーブ26を円錐状とし、その最も大きな底面の外径を、係止ヘッド38の外径と実質的に同じか、または、それよりも大きく設定したような場合にも、上と同様の効果を得ることができる。また、拡張ガイド部27は、必ずしも環状とする必要はなく、矩形、棒状その他どのような形状でもあってもよい。
【0101】
最後に、図11を参照して、本発明のスライダー56の他の実施形態について説明する。図11に示したスライダー56aと、図1乃至図5を参照して上に説明したスライダー56は、そのレバー部分60aの形状のみが異なり、他の部分の形状は全く同様である。更に言えば、この実施形態のスライダー56aのレバー部分60aには、ツマミ部が設けられておらず、代わりに、延長部材86を取り付けるための穴87が形成されている。
【0102】
スライダー56aに延長部材86を取り付けることにより、スライダー56aのレバー部分60aを実質的に延長することができる。延長部材86は、例えば、組立体、特に第2組立体がハンドバック等の本体と蓋の隙間であって、蓋3の縁7より奥深い位置に取り付けられている場合に必要となる。前述したように、第1組立体と第2組立体のロックの解除は、これら本体と蓋との隙間に指を入れ、第2組立体のレバー部分を押すことによって行われるのであるが、第2組立体の位置があまりに奥深いと、解除が不可能になってしまうからである。
【0103】
延長部材86は、二枚の板金、即ち、内板88と外板89から形成されている。これらの板金は、薄い金属板を打ち抜き、絞り、折り曲げなどすることによってそれぞれ形成され、その後に、図示のように互いに固定される。これらの間の固定は、内板88の中心穴93に、外板の内側に向かう突出部94を貫通させ、そこでかしめる。その他、半田付けやろう付けや、スポット溶接、または、その他の方法を用いても勿論よい。尚、外板の先端部は内側に向かって多少円弧状95に切断されているが、これはデザイン上、環状フレーム66の外周に合わせたのであって、その他の形状でもよい。
【0104】
特に、スライダー56aとの接続部にあたる先端部付近に着目してほしい。この部分では、スライダー56aのレバー部分60aを受け入れるための開口90が形成されている。開口90の大きさは、スライダー56aのレバー部分を受け入れるのに十分な大きさである。スライダー56aはこの開口90に、レバー部分60aを押し込むことによってそこに取り付けられ、また、この開口90から、レバー部分60aを引き抜くことによってそこから取り外すことができる。ただし、一旦取付けられた後は、そこから取り外すことができないようにしてもよい。
【0105】
開口90の一部を形成する、内板88の先端中央付近に、外部からの押圧によって形成された突起が内側に向かって設けられている(ただし、図面では、突起ではなく窪み91として現れている)。スライダー56aに延長部材86を取り付ける際、この突起91はスライダー56aの対応部分に設けられた穴87と係合する。
【0106】
突起(91)を設けた内板88の先端中心部分は、両側に切り込み92を設けることによって弾性変位可能とされている。この変位作用によって、内板88の突起(91)はスライダー56aの穴87に所定の力で取り付けられるとともに、そこから自由に取り外すことができる。延長部材86の着脱作用をより有効に発揮させるため、特に内板88は、リン青銅で形成するとよい。ただし、これに限らず鉄その他の金属やプラスチック等の非金属を用いることもできる。外板89の材質も特に限定されるものではないが、強度を考慮すれば、内板88、外板89ともに金属(真鍮や鉄およびその他)で形成するのが好ましい。
【0107】
尚、当業者であれば、本明細書に記載された様々な実施形態の組合せを容易に思い付くであろうが、本願は勿論、これらの構成をも含む。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、組立体の強度が強化され、また、第1組立体と第2組立体の間のずれを防止することができる磁気止め具が提供される。更に、本発明によれば、磁石の上で係止材をスムーズに移動させるための構成が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気止め具の組立斜視図。
【図2】本発明による磁気止め具の第1組立体と第2組立体のそれぞれの分解斜視図。
【図3】第1組立体と第2組立体の組み合わせ時におけるロックの動作機構を説明する図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】本発明の磁気止め具の使用例を説明する図。
【図6】本発明の縁状ガイドの一実施形態を示す図。
【図7】本発明の縁状ガイドの別の実施形態を示す図。
【図8】本発明の縁状ガイドの更に別の実施形態を示す図。
【図9】本発明の縁状ガイドの更に別の実施形態を示す図。
【図10】本発明の拡張ガイド部の一実施形態を示す図。
【図11】本発明のスライダーの他の実施形態を示す図。
【符号の簡単な説明】
1 第1組立体
2 第2組立体
10 環状プレート
10a 側面
11 吸着面
14 留め金
22 磁石
26 円筒スリーブ
27 拡張ガイド部
30 カバー
31 吸着面
30a 側面
33 縁状突出部
34 係止ピン
36 係止ピンの支柱
40 収容部材
48 留め金
56 スライダー
65 スライダーの係止部
66 環状フレーム
66a 側面
67 吸着面
69 環状フレームのガイド
75 縁状突出部
80 補強プレート

Claims (12)

  1. 互いに対して止められるべき一対の部材のうちの一方の部材に取り付けられる第1組立体と、他方の部材に取り付けられる第2組立体とから成る磁気止め具において、前記第1組立体と第2組立体は、それらのいずれか一方又は両方の組立体に設けた磁石の作用によって、それらの吸着面にて互いに吸着され組み合わされるものであり、前記第1組立体は、自身の吸着面から前記第2組立体との組み合わせ方向に向かって外部に突出された係止手段を有しており、前記第2組立体は、自身の吸着面から前記第1組立体との組み合わせ方向とは逆方向に向かって第2組立体の内部に延出されたガイド手段を有しており、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされるとき、前記係止手段は前記ガイド手段の内部を案内されるようになっており、前記第2組立体は更に、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、前記係止手段に対するロック位置へ移動されて前記第1組立体と第2組立体の組み合わせをロックする対応係止手段と、このロックを解除する解除手段とを有しており、
    前記第2組立体の対応係止手段は磁性体で形成されており、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされたとき、前記第2組立体の対応係止手段は前記第1組立体の係止手段に対するロック位置へ前記第1組立体の係止手段の磁気の作用によって移動されて前記第1組立体と第2組立体の組み合わせをロックするようになっており、
    前記第2組立体のガイド手段の一部に、前記対応係止手段を前記第1組立体の係止手段に吸着させるための切り欠きが設けられていることを特徴とする磁気止め具。
  2. 前記ガイド手段は磁性体で形成されている請求項1に記載の磁気止め具。
  3. 前記第2組立体は、更に、前記吸着面を一方の面に有するフレームと、該フレームの一方の面とは反対側の面との間に前記対応係止手段を収容する収容部材と、を有しており、前記ガイド手段は、前記フレームにのみ設けられたガイド手段によって、或いは、前記収容部材にのみ設けられたガイド手段によって、或いは、前記フレームのガイド手段と前記収容部材のガイド手段とを組合せることによって形成されている請求項1に記載の磁気止め具。
  4. 前記フレームは、薄板の打ち抜き、折り曲げ、絞り加工によって形成されている請求項3に記載の磁気止め具。
  5. 前記フレームの一方の面とは反対側の面に補強プレートを設け、前記補強プレートと前記収容部材との間に前記対応係止手段を位置付ける請求項3または4に記載の磁気止め具。
  6. 前記補強プレートに、前記ガイド手段の周囲を覆って前記ガイド手段を補強する補強ガイド手段を設けている請求項5に記載の磁気止め具。
  7. 互いに対して止められるべき一対の部材のうちの一方の部材に取り付けられる第1組立体と、他方の部材に取り付けられる第2組立体とから成る磁気止め具において、前記第1組立体と第2組立体は、それらのいずれか一方又は両方の組立体に設けた磁石の作用によって、それらの吸着面にて互いに吸着され組み合わされるものであり、前記第1組立体は、自身の吸着面から前記第2組立体との組み合わせ方向に向かって係止手段を有しており、前記第2組立体は、自身の吸着面に穴を有しており、更に、前記第1組立体若しくは第2組立体のいずれか一方の吸着面の側面に、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、他方の組立体の吸着面の側面の少なくとも一部を外側から覆うように、前記組み合わせ方向に向かって外部に延出された縁状ガイド手段が設けられており、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされるとき、前記第1組立体の係止手段は前記第2組立体の穴へ案内され、前記第1組立体若しくは第2組立体のいずれか一方に設けた縁状ガイド手段は他方の組立体の吸着面の側面に沿って案内されるようになっており、前記第2組立体は、更に、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、前記第1組立体の係止手段に対するロック位置へ移動されて前記第1組立体と第2組立体の組み合わせをロックする対応係止手段と、このロックを解除する解除手段とを有することを特徴とする磁気止め具。
  8. 互いに対して止められるべき一対の部材のうちの一方の部材に取り付けられる第1組立体と、他方の部材に取り付けられる第2組立体とから成る磁気止め具において、前記第1組立体と第2組立体は、それらのいずれか一方又は両方の組立体に設けた磁石の作用によって、それらの吸着面にて互いに吸着され組み合わされるものであり、前記第1組立体は、自身の吸着面から前記第2組立体との組み合わせ方向に向かって係止手段を有しており、前記第2組立体との組み合わせ方向における前記係止手段の後端側の前記組み合わせ方向との交差方向における外径が、前記係止手段の先端側の前記組み合わせ方向との交差方向における最も大きな外径と、実質的に同じか若しくはそれより大きく設定されており、前記第2組立体は、自身の吸着面に穴を有しており、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされるときに、前記第1組立体の係止手段は前記第2組立体の穴に沿って案内されるようになっており、前記第2組立体は、更に、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされたときに、前記第1組立体の係止手段に対するロック位置へ移動されて前記第1組立体と第2組立体の組み合わせをロックする対応係止手段と、このロックを解除する解除手段とを有することを特徴とする磁気止め具。
  9. 前記第2組立体の穴に、該第2組立体の吸着面から前記第1組立体との組み合わせ方向とは逆方向に向かって少なくとも前記組み合わせ方向における前記係止手段の長さと実質的に同じ長さまで第2組立体の内部に延出されたガイド手段を設け、前記第1組立体と第2組立体が組み合わされるとき、前記係止手段が前記ガイド手段の内部を案内されるようにしている請求項7または8に記載の磁気止め具。
  10. 互いに対して止められるべき一対の部材の一方の部材に取り付けられる第1組立体と、他方の部材に取り付けられる第2組立体とから成る磁気止め具において、前記第1組立体は、固定板と、該固定板に設けられた係止部とを少なくとも備えており、前記第2組立体は、前記係止部に対するロック位置へと移動され得る磁性体からなる係止材と、該係止材に作用して前記ロック位置からロック解除位置へと移動させるための解除手段とを少なくとも備えており、更に、前記第1組立体若しくは第2組立体のいずれか一方又は両方に、前記第1組立体と第2組立体が組み合わせられたときに前記固定板と前記係止材との間に位置付けられる磁石と、この磁石と前記係止材との間に位置づけられる磁気ギャップが設けられており、前記係止材は前記磁石の作用によって前記係止部に対するロック位置へと移動され得るようにしていることを特徴とする磁気止め具。
  11. 前記磁気ギャップを非磁性材又は非磁性材から成るメッキで形成している請求項10に記載の磁気止め具。
  12. 前記固定板を設けずに、前記磁石を第1組立体に設け且つ該磁石に前記係止部を設けている請求項10または11に記載の磁気止め具。
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