JP3548292B2 - ピント調節付き画像入力装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピント調整付き画像入力装置、詳しくは、写真フィルム等の透過原稿の画像を透過照明によって読み取る画像入力装置のピント調整機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像入力装置は、透過原稿である写真フィルムを照明する照明手段と、該写真フィルムを保持するフィルム保持手段と、該写真フィルムの透過光をリニアCCDであるラインセンサ上に結像させて画像データを読み取る読み取り部により構成されている。
【0003】
なお、上記従来の画像入力装置では、上記フィルム保持手段側を固定し、読み取り部をスキャニングする構成が一般的である。また、上記画像入力装置には、フィルム等の平面性にバラツキがあるためにピント調整を必要とし、そのピント調整用としてフォーカス調整機構が組み込まれている。
【0004】
上記従来の画像入力装置としては、特開平6−311279号公報に開示された画像入力装置が挙げられるが、この公報では特に該装置のフォーカス調整機構について詳細に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開平6−311279号公報に開示された画像入力装置においては、調整用ダイヤルにより機械的にフォーカス調整が行われるようになっているが、スキャニング中に上記調整用ダイヤルが回されたりすると、機械的に調整機構が直接連結されているため、ピントが一部ずれた状態て、スキャンされる可能性があった。したがって、ピント調整をしたにもかかわらずフィルム等の読み取った画像の一部がぼけるなどで、鮮明な画像を取り込むことが難しかった。
【0006】
本発明は、上述の不具合を解決するためになされたものであって、ピント調整のずれが生じにくいピント調整機構を内蔵するピント調整付き画像入力装置を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するため手段】
本発明の第1のピント調整付き画像入力装置は、透過原稿へ光を照射する照射手段と、上記透過原稿を保持する保持手段と、上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とで構成され、上記保持手段と上記読取手段との一方を他方に対し移動走査して画像を入力する画像入力装置において、上記読取手段と連結することで、上記読取手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動し、結像調整を可能とするピント調整手段と、非調整時は、上記調整手段と上記読取手段との連結を解除した状態に維持する解除保持手段とを有する。
上記ピント調整付き画像入力装置においては、ピント調整がピント調整手段により行われるが、上記ピント調整を行わない非調整時には、上記ピント調整手段は、上記読み取り手段との連結が解除された状態に保持されている。
【0009】
本発明の第2のピント調整付き画像入力装置は、透過原稿へ光を照射する照射手段と、上記透過原稿を保持する保持手段と、上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段と、上記保持手段と上記読取手段との一方を他方に対し移動走査する走査手段とを具備する画像を入力する画像入力装置において、ピント調整操作部材を回動させ、連動機構を介して連結された上記読取手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動させて結像調整を行なうように構成されている。
上記ピント調整付き画像入力装置においては、上記ピント調整操作部材が上記読取手段と連結解除可能であって、上記読取手段との連結を解除された状態では上記ピント調整操作部材は回動が阻止されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのピント調節付き画像入力装置の機構を示す斜視図である。また、図2は、上記画像入力装置のピント調整機構部周りの拡大斜視図を示している。
【0011】
図1に示すように上記第1の形態のピント調整付き画像入力装置は、透過原稿の保持手段であるフィルムホルダ2に透過原稿である現像済み写真フィルム1が保持されており、照射手段である光源部と撮像光学系を有する読み取り手段を構成するキャリッジ部3を駆動部4により水平走査方向に駆動することによって、上記写真フィルム1の画面を走査し、該写真フィルムの画像を取り込む装置である。そして、上記撮像光学系のピント位置は、ピント調整手段であるピント調整機構部をマニュアル操作することにより調整される。
【0012】
上記駆動部4は、本体11に支持されており、ピニオン13を持つ駆動モータ12と、ピニオン13に噛合するギヤ14と、ギヤ14が固着され、本体11に回転自在に支持された後述する撮像光軸Oと直交する方向の送り軸15と、本体11に送り軸15と平行に支持される送りガイド軸16とで構成されている。
【0013】
上記キャリッジ部3は、送り軸15に螺合し、送りガイド軸16に摺動自在に支持されているキャリッジ本体21と、キャリッジ本体21に取り付けられたリニア型撮像素子であるリニアCCD25aを内蔵するCCDユニット25と、撮影レンズ鏡筒23と、光源22とで構成されている。なお、上記撮影レンズ鏡筒23には、撮影レンズ24aを保持する光軸O方向に進退自在なレンズホルダ24が内蔵されている。
【0014】
なお、送り軸15の軸方向に対して、上記光源22と撮影レンズ24aとCCD25aを結ぶ光軸Oの方向は直交している。そして、光源22の軸長手方向とリニアCCD25aの主走査方向は、互いに平行で対向して配置され、送り軸15の軸方向に対して直交している。
したがって、上記光源22,撮影レンズ24a,リニアCCD25aが取り付けられたキャリッジ部3が上記主走査方向に直交する送り軸方向、すなわち、副走査方向に沿って駆動されると、光源22からの透過光がフィルムホルダ2に装着された写真フィルム1の画面を走査することになる。
【0015】
上記ピント調整機構部は、ピント駆動部5Aとピント調整操作部5Bとで構成される。
上記ピント駆動部5Aは、本体11に回転自在に送り軸15と平行な状態で装着された角軸形状のガイド部材であって、フォロワギヤ27が固着されているガイド軸28と、その軸穴形状がガイド軸28と同一形状であり、該ガイド軸28に対して一体的に回転可能で且つ摺動自在の状態で嵌入されたギヤ列の初段ギヤ29と、ギヤ列を構成する中間ギヤ30、および、終段ギヤ31と、上記ギヤ29,30,31を回転自在に支持するアーム32とで構成されている。なお、ギヤ31を支持するアーム32の支持軸33は、レンズ鏡筒23側に固定支持されている。
【0016】
したがって、撮影レンズ鏡筒23がキャリッジ本体21とともに送り軸15に沿って移動すると、アーム32とギヤ列を構成するギヤ29,30,31が共にガイド軸28に沿って移動する。その移動中、ガイド軸28が回転しなければ、初段ギヤ29も回転することなく移動する。
【0017】
また、上記ギヤ31にはカム溝31aが設けられ、そのカム溝31aにはレンズホルダ24に配設されているカムフォロワ24bが嵌入している。したがって、フォロワギヤ27が回転駆動され、その回転がガイド軸28から上記ギヤ列を介して終段ギヤ31に伝達されると、撮影レンズホルダ24が光軸O方向に進退することになる。
【0018】
上記、ピント調整操作部5Bは、フォロワギヤ27に噛合可能なギヤで構成されるピント調整用操作部材のピント調整ダイヤル41と、一端部で上記ピント調整ダイヤル41を回転自在に支持し、他端部が本体11の支持軸43に回動自在に支持されるレバー部材であるダイヤル支持レバー42と、該レバー42を反時計回り(図1)に付勢し、本体のストッパ45とレバー42のストッパ42aとにその端部が懸架されている解除保持手段としての付勢手段であるトーションバネ44とから構成されている。
なお、ピント調整ダイヤル41にはその回動位置を示す調整位置指標である調整位置マーク41aが外周の一部に付されている。
【0019】
また、ダイヤル支持レバーが反時計回りに回動した通常の位置にある解放状態、すなわち、後述するピント非調整時の状態では、ピント調整ダイヤル41は、Db方向に移動し、フォロワギヤ27と離間した連結解除位置にあり、そのときは装置の外装体51に設けられたロック手段である爪51aにピント調整ダイヤル41のギヤの歯部が係止された状態になっている。
【0020】
操作者がピント調整ダイヤル41を上記付勢力に抗してDa方向に押圧すると、該ダイヤル41のギヤがフォロワギヤ27と噛合する。この状態でピント調整ダイヤル41を回動操作すると、フォロワギヤ27を介してガイド軸28が回動し、ギヤ列を介して終段ギヤ31が駆動され、撮影レンズホルダ24が進退駆動される。
【0021】
以上のように構成された本形態のピント調整付き画像入力装置において、ピント調整を行うには、ピント調整ダイヤル41を押圧し、フォロワギヤ27と噛合した状態として、該ピント調整ダイヤル41を所望の方向に回動させる。そのときの該ダイヤル41の回動量、または、回動位置は、調整位置マーク41aの移動位置により認識することができる。
【0022】
上記回動動作によりガイド軸28が回動され、ギヤ列のギヤ29,30を介して終段ギヤ31が回動し、カムフォロワ24bにより撮影レンズホルダ24が進退駆動され、リニアCCD25a上の結像のピント調整が行われる。
【0023】
ピント調整後、ピント調整ダイヤル41の押圧を解放し、Db方向に戻すと、該ダイヤル41は、歯部が外装体の爪51aで係止され、調整回動位置に保持される。
そして、駆動モータ12によりギヤを介して送り軸15を回転させ、キャリッジ本体21を副走査方向に駆動する。このキャリッジ本体21の移動により、ギヤ29,30,31もキャリッジ本体21と一体的に副走査方向に移動するが、ギヤ29はガイド軸28上を摺動するだけで回動はしない。したがって、ピント状態が変化することがない。
【0024】
上記キャリッジ本体21の移動によって、光源22からの光が写真フィルム1の画面を副方向に走査しながら透過し、撮影レンズ24aを介して、主走査方向毎の画像がリニアCCD25aの光電変換面上に結像し、片ぼけのない1コマ分の画像情報が取り込まれる。
但し、写真フィルム1面とキャリッジ本体の移動方向である副走査方向との平行度は所定の精度に保たれていることは、当然のことである。
【0025】
以上の説明したように、本形態のピント調整付き画像入力装置においては、ピント調整を行わないとき、すなわち、非調整時には、ピント調整ダイヤル41を解放して、Db方向に移動させ、外装体51の爪51aに係止させ、そのときの回動位置をロックするので、該ダイヤル41の現調整位置を示す調整位置マーク41aのずれが防止できる。
【0026】
また、同じく非調整時には、ピント調整ダイヤル41とフォロワギヤ27とを非噛合状態として、ピント駆動部5Aとの連結を解除しておき、キャリッジ走査中に不用意にピント調整ダイヤル41に触れたとしても、レンズホルダ24は移動することがなく、ピント状態が変化しないようになっている。
【0027】
また、ピント調整時には、ピント調整ダイヤル41を押し下げてフォロワギヤ27と噛合させ、該ダイヤル41を回動することによって容易にピント調整を行うことができ、写真フィルム1の反り、または、写真フィルムの種類等によるピントずれを調整することができる。
【0028】
上述の写真フィルムの種類やフィルムメーカーによるピント位置の差異、例えば、135型のネガフィルムを用いたストリップフィルムと135型のスライドフィルム(枠つき)とのピント位置がフィルムの癖の影響も含めて差異が生じるが、その差異と調整位置マーク41aの位置との関係が予めデータとして明らかになっていれば、該当する位置に調整位置マーク41aを合わせるだけで略ピント調整ができるなど使用者にとって非常に有用となる。
【0029】
なお、上記ガイド軸28としては角軸形状のものを適用したが、その軸の形状は、角軸に限らず断面が小判形状の軸でもよく、キー溝付き軸やスプライン軸であってもよい。
【0030】
また、上記第1の形態のピント調整付き画像入力装置は、ピント調整を撮影レンズホルダ24の進退移動によって行うように構成されたものであるが、リニアCCD25a側、あるいは、写真フィルムホルダ2側を進退駆動して、上述と同様なピント調整を行うように構成してもよい。
【0031】
次に、上記第1の形態のピント調整付き画像入力装置におけるピント調整機構部を構成するピント駆動部の変形例について、図3のピント駆動部のレンズホルダ周りの側面図によって説明する。
この変形例を適用する画像入力装置では、ピント駆動部60Aのレンズホルダ駆動部周り以外、前記第1の形態のピント調整付き画像入力装置と同一の構成とし、同一の符号を用いて説明する。
【0032】
本変形例のピント駆動部60Aにおいて、アーム32に支持されるギア列の終段ギヤ61には駆動ピン61aが固着されており、該駆動ピン61aは、撮影レンズホルダ62に設けられたガイド溝62bに嵌入している。したがって、終段ギヤ61が回動すると駆動ピン61aを介して撮影レンズホルダ62が進退駆動される。
【0033】
この変形例を適用したピント調整付き画像入力装置でピント調整を行う場合、前記ピント調整操作部5Bを操作してガイド軸28を回動させると、終段ギヤ61が回動し、撮影レンズホルダ62が光軸Oに沿って進退駆動され、平行シフトの片ぼけのないピント調整が行われる。
本変形例のピント駆動部60Aによると、終段ギヤ61にカム溝を設ける必要がなく、ピント駆動部の構造が簡単になる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態であるピント調整付き画像入力装置について、図4のピント調整駆動機構部の斜視図によって説明する。
図4に示すように本形態のピント調整付き画像入力装置においては、上記ピント調整駆動機構部のうちピント駆動部70A以外の構成は、前記第1の形態のピント調整付き画像入力装置と同一であり、同一の符号を用いて説明する。
【0035】
ピント調整付き画像入力装置において、キャリッジの送り軸15と平行に支持されるガイド軸28の平行度および心間距離を高精度に維持することは、構成部品のコスト上不利となる。そこで、本形態の画像入力装置のピント駆動部70Aは、送り軸15に対するガイド軸28の平行度が多少悪かったとしてもピント駆動部70Aのギヤ列構成部に無理な力が作用せず、スムーズな駆動が可能である構造を採用している。
【0036】
すなわち、上記ピント駆動部70Aにおいては、撮影レンズホルダ72のピント調整駆動を行うギヤ列として、互いに噛合する初段ギヤ73と中間ギヤ74と終段ギヤ75で構成されるが、ギヤを支持するアームを分割した構造を採用している。
【0037】
すなわち、該アームは、連結手段である第1アーム76と第2アーム77で構成され、第1アーム76は初段ギヤ73と中間ギヤ74を、第2アーム77は中間ギヤ74と終段ギヤ75をそれぞれ回転自在に支持している。第1アーム76と第2アーム77は、中間ギヤ74を支持している支持軸78により回動自在に連結され、支持されている。
【0038】
また、終段ギヤ75を支持する支持軸79は、第2アーム77を回動自在に支持し、撮影レンズ鏡筒80に固定されている。そして、初段ギヤ73と第1アーム76は、キャリッジ本体71に設けられたギヤアーム挟持用突起部71a,71bによって、軸方向に挟持されており、支持軸79と協働してギヤ列73,74,75と、第1,第2アーム76,77とをキャリッジ本体と一体的に送り軸方向に駆動させる。
【0039】
また、第1アーム76,第2アーム77をそれぞれ支持する初段ギヤ73のボス部を支持するガイド軸28と、支持軸78と、支持軸79と各軸心は、直線上に配置されておらず、ある角度をなして配置されている。したがって、支持軸79の軸心とガイド軸28の軸心の軸間距離に精度上の寸法差が生じた場合でも、その軸間距離の変化に応じて第1アーム76と第2アーム77が支持軸78中心にわずか回動して、位置の変化を吸収し、ガイド軸28に沿った第1アーム76と第2アーム77の移動による軸支持部のつまりやギヤ列の噛合状態の変化を防止し、スムーズなキャリッジ,ギヤ列の移動が実現される。
【0040】
上記終段ギヤ75には駆動ピン75aが固着されており、該駆動ピン75aは、撮影レンズホルダ72に設けられたガイド溝72aに嵌入している。したがって、終段ギヤ75が回動すると駆動ピン75aを介して撮影レンズホルダ72が光軸方向に進退駆動される。
【0041】
以上のように構成された本形態のピント調整付き画像入力装置によりピント調整を行う場合、第1の形態の画像入力装置の場合と同様にピント調整操作部5Bを操作してガイド軸28を回動駆動させると、ギヤ列を介して終段ギヤ75が回動し、撮影レンズホルダ72が光軸Oに沿って進退駆動され、平行シフトの片ぼけのないピント調整が行われる。
【0042】
そして、写真フィルムの画像を取り込む場合は、キャリッジ71を送り軸15に沿う副走査方向に駆動させながらリニアCCDより画像データを取り込む。その場合、本形態の装置においては、ガイド軸28の送り軸15に対する平行度、または、心間距離の精度が悪かったとしても、上記第1,第2アーム76,77の回動運動により心間距離の変化を吸収することができ、スムーズな副走査方向の移動が得られる。
【0043】
以上、説明した各実施の形態のピント調整付き画像入力装置のピント駆動部5A,60A,70Aに対する変形例として、該機構での振動にともなう撮影レンズホルダの微少移動や終段ギヤの回動発生等を防止できる構造をもつピント駆動部を提案できる。
図5は、その変形例のピント駆動部のレンズ鏡筒取り付け部周りの断面図である。なお、本図は、前記第1,2,3の形態を示す画像入力装置に対応するものとして、各形態の装置の部材の符号を併記しているが、第1の形態に対する構成と作用についての説明のみ行い、他の形態の装置の場合も同様とする。
【0044】
上記図5に示すように、本変形例においては鏡筒23に固着された軸33に回動自在に支持された終段ギヤ31とアーム32間に、軸方向に弾性変形が可能であって、摺動面にフリクションを与えるフリクションバネ91が挿入されている。したがって、終段ギヤ31とアーム32間の相対回動動作にフリクション力が作用することになり、キャリッジ本体21の副走査駆動時に微振動等が発生したとしても、終段ギヤ31は振動、および、回動しにくい状態にあり、上述したように撮影レンズホルダの光軸方向の微少移動の発生も少なくなる。
【0045】
(付記)
以上、説明した実施の形態により、次のような構成を有するピント調整付き画像入力装置を提案できる。すなわち、
(1) 透過原稿へ光を照射する照射手段と、
上記透過原稿を保持する保持手段と、
上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とから構成され、
上記保持手段と上記読取手段の一方を走査して画像を入力する画像入力装置において、
上記読取手段と連結することで、上記読取手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動し、結像調整を可能とするピント調整手段と、
非調整時は、上記ピント調整手段と上記読取手段との連結を解除状態に維持する解除保持手段と、
非調整時、上記ピント調整手段を係止するロック手段と、
を有することを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0046】
(2) 透過原稿へ光を照射する照射手段と、
上記透過原稿を保持する保持手段と、
上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とから構成され、
上記保持手段と上記読取手段との一方を他方に対し移動走査して画像を入力する画像入力装置において、
上記保持手段と上記読取手段とのうち上記走査される一方の手段に設けられ、該手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動し、結像調整を可能とするピント調整手段と、
非調整時は、上記調整手段と上記読取手段との連結を解除状態に維持する解除保持手段と、
上記ピント調整手段を上記走査方向と平行に摺動可能に保持するガイド部材を有し、該ガイド部材を回動させることで上記ピント調整手段を駆動するガイド手段と、
を有することを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0047】
(3) 付記(1)において、
上記ピント調整手段は、ピント調整用操作部材と、該ピント調整用操作部材を配設し、回動可能に軸支されたレバー部材と、上記レバー部材を一方向に回動付勢する付勢手段と、
を具備していることを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0048】
(4) 透過原稿へ光を照射する照射手段と、
上記透過原稿を保持する保持手段と、
上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とから構成され、
上記保持手段と上記読取手段との一方を他方の対し移動走査して画像を入力する画像入力装置において、
上記保持手段と上記読取手段とのうち上記走査される一方の手段に設けられ、該手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動しは、結像調整を可能とするピント調整手段と、
上記ピント調整手段を上記走査方向と平行に摺動可能に保持するガイド手段と、
を有することを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0049】
(5) 付記(4)において、
上記ガイド手段は、上記ピント調整手段を上記走査方向と平行に摺動可能に保持するガイドシャフトであって、さらに、このガイドシャフトの回転により上記ピント調整手段を結像調整移動させるよう連動することを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0050】
(6) 透過原稿へ光を照射する照射手段と、
上記透過原稿を保持する保持手段と、
上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とから構成され、
上記保持手段と上記読取手段との一方を他方に対し移動走査して画像を入力する画像入力装置において、
上記保持手段と上記読取手段とのうち上記走査される一方の手段に設けられ、該手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動し、結像調整を可能とするピント調整手段と、
上記走査の際は、上記ピント調整手段を上記走査方向に摺動移動可能にし、ピント調整の際は回動するガイド手段と、
上記ガイド手段の回動を上記ピント調整手段へ伝達する連結手段と、
を有し、上記連結手段は、上記走査の際における走査方向と上記ガイド手段のガイド方向との変動に対応して変位し、吸収するように構成されていることを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0051】
(7) 付記(6)において、
上記連結手段は、遊星ギヤ列を有した伝達ギヤ列からなることを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0052】
(8) 付記(6)において、上記連結手段にフリクションバネを付加したことを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0053】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1に記載のピント調整付き画像入力装置によると、画像入力時の移動走査中にピント調整手段が不用意に移動したとしても、調整手段と読み取り手段の連結が解除されていることからピント調整位置のずれの発生が防止できる。
【0055】
本発明の請求項2に記載のピント調整付き画像入力装置によると、非ピント調整時に、ピント調整操作部材を読み取り手段に対して連結を解除し、該操作部材の回動を阻止された状態を保持するようにして、画像読み取り動作時に、ピント調整位置が変化することを防止し、さらに、ピント調整操作部材の位置ずれの発生も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すピント調整付き画像入力装置の機構部の斜視図。
【図2】図1のピント調整付き画像入力装置におけるピント調整機構部の拡大斜視図。
【図3】第1の実施の形態のピント調整付き画像入力装置におけるピント調整機構部のうち、変形例のピント駆動部の側面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示すピント調整付き画像入力装置の機構部の要部斜視図。
【図5】本発明の第1、または、第2の実施の形態のピント調整付き画像入力装置のピント駆動部の変形例のレンズ鏡筒取り付け部周りの断面図
【符号の説明】
1 ……写真フィルム(透過原稿)
2 ……フィルムホルダ(保持手段)
5 ……ピント調整機構部(ピント調整手段)
5A ……ピント駆動部(ピント調整手段)
5B ……ピント調整操作部(ピント調整手段)
22 ……光源(照射手段)
24 ……撮影レンズホルダ(読み取り手段)
25a……リニアCCD(読み取り手段)
28 ……ガイド軸(ガイド部材)
41 ……ピント調整ダイヤル
(ピント調整操作部材)
44 ……トーションバネ(解除保持手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピント調整付き画像入力装置、詳しくは、写真フィルム等の透過原稿の画像を透過照明によって読み取る画像入力装置のピント調整機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像入力装置は、透過原稿である写真フィルムを照明する照明手段と、該写真フィルムを保持するフィルム保持手段と、該写真フィルムの透過光をリニアCCDであるラインセンサ上に結像させて画像データを読み取る読み取り部により構成されている。
【0003】
なお、上記従来の画像入力装置では、上記フィルム保持手段側を固定し、読み取り部をスキャニングする構成が一般的である。また、上記画像入力装置には、フィルム等の平面性にバラツキがあるためにピント調整を必要とし、そのピント調整用としてフォーカス調整機構が組み込まれている。
【0004】
上記従来の画像入力装置としては、特開平6−311279号公報に開示された画像入力装置が挙げられるが、この公報では特に該装置のフォーカス調整機構について詳細に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開平6−311279号公報に開示された画像入力装置においては、調整用ダイヤルにより機械的にフォーカス調整が行われるようになっているが、スキャニング中に上記調整用ダイヤルが回されたりすると、機械的に調整機構が直接連結されているため、ピントが一部ずれた状態て、スキャンされる可能性があった。したがって、ピント調整をしたにもかかわらずフィルム等の読み取った画像の一部がぼけるなどで、鮮明な画像を取り込むことが難しかった。
【0006】
本発明は、上述の不具合を解決するためになされたものであって、ピント調整のずれが生じにくいピント調整機構を内蔵するピント調整付き画像入力装置を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するため手段】
本発明の第1のピント調整付き画像入力装置は、透過原稿へ光を照射する照射手段と、上記透過原稿を保持する保持手段と、上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とで構成され、上記保持手段と上記読取手段との一方を他方に対し移動走査して画像を入力する画像入力装置において、上記読取手段と連結することで、上記読取手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動し、結像調整を可能とするピント調整手段と、非調整時は、上記調整手段と上記読取手段との連結を解除した状態に維持する解除保持手段とを有する。
上記ピント調整付き画像入力装置においては、ピント調整がピント調整手段により行われるが、上記ピント調整を行わない非調整時には、上記ピント調整手段は、上記読み取り手段との連結が解除された状態に保持されている。
【0009】
本発明の第2のピント調整付き画像入力装置は、透過原稿へ光を照射する照射手段と、上記透過原稿を保持する保持手段と、上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段と、上記保持手段と上記読取手段との一方を他方に対し移動走査する走査手段とを具備する画像を入力する画像入力装置において、ピント調整操作部材を回動させ、連動機構を介して連結された上記読取手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動させて結像調整を行なうように構成されている。
上記ピント調整付き画像入力装置においては、上記ピント調整操作部材が上記読取手段と連結解除可能であって、上記読取手段との連結を解除された状態では上記ピント調整操作部材は回動が阻止されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのピント調節付き画像入力装置の機構を示す斜視図である。また、図2は、上記画像入力装置のピント調整機構部周りの拡大斜視図を示している。
【0011】
図1に示すように上記第1の形態のピント調整付き画像入力装置は、透過原稿の保持手段であるフィルムホルダ2に透過原稿である現像済み写真フィルム1が保持されており、照射手段である光源部と撮像光学系を有する読み取り手段を構成するキャリッジ部3を駆動部4により水平走査方向に駆動することによって、上記写真フィルム1の画面を走査し、該写真フィルムの画像を取り込む装置である。そして、上記撮像光学系のピント位置は、ピント調整手段であるピント調整機構部をマニュアル操作することにより調整される。
【0012】
上記駆動部4は、本体11に支持されており、ピニオン13を持つ駆動モータ12と、ピニオン13に噛合するギヤ14と、ギヤ14が固着され、本体11に回転自在に支持された後述する撮像光軸Oと直交する方向の送り軸15と、本体11に送り軸15と平行に支持される送りガイド軸16とで構成されている。
【0013】
上記キャリッジ部3は、送り軸15に螺合し、送りガイド軸16に摺動自在に支持されているキャリッジ本体21と、キャリッジ本体21に取り付けられたリニア型撮像素子であるリニアCCD25aを内蔵するCCDユニット25と、撮影レンズ鏡筒23と、光源22とで構成されている。なお、上記撮影レンズ鏡筒23には、撮影レンズ24aを保持する光軸O方向に進退自在なレンズホルダ24が内蔵されている。
【0014】
なお、送り軸15の軸方向に対して、上記光源22と撮影レンズ24aとCCD25aを結ぶ光軸Oの方向は直交している。そして、光源22の軸長手方向とリニアCCD25aの主走査方向は、互いに平行で対向して配置され、送り軸15の軸方向に対して直交している。
したがって、上記光源22,撮影レンズ24a,リニアCCD25aが取り付けられたキャリッジ部3が上記主走査方向に直交する送り軸方向、すなわち、副走査方向に沿って駆動されると、光源22からの透過光がフィルムホルダ2に装着された写真フィルム1の画面を走査することになる。
【0015】
上記ピント調整機構部は、ピント駆動部5Aとピント調整操作部5Bとで構成される。
上記ピント駆動部5Aは、本体11に回転自在に送り軸15と平行な状態で装着された角軸形状のガイド部材であって、フォロワギヤ27が固着されているガイド軸28と、その軸穴形状がガイド軸28と同一形状であり、該ガイド軸28に対して一体的に回転可能で且つ摺動自在の状態で嵌入されたギヤ列の初段ギヤ29と、ギヤ列を構成する中間ギヤ30、および、終段ギヤ31と、上記ギヤ29,30,31を回転自在に支持するアーム32とで構成されている。なお、ギヤ31を支持するアーム32の支持軸33は、レンズ鏡筒23側に固定支持されている。
【0016】
したがって、撮影レンズ鏡筒23がキャリッジ本体21とともに送り軸15に沿って移動すると、アーム32とギヤ列を構成するギヤ29,30,31が共にガイド軸28に沿って移動する。その移動中、ガイド軸28が回転しなければ、初段ギヤ29も回転することなく移動する。
【0017】
また、上記ギヤ31にはカム溝31aが設けられ、そのカム溝31aにはレンズホルダ24に配設されているカムフォロワ24bが嵌入している。したがって、フォロワギヤ27が回転駆動され、その回転がガイド軸28から上記ギヤ列を介して終段ギヤ31に伝達されると、撮影レンズホルダ24が光軸O方向に進退することになる。
【0018】
上記、ピント調整操作部5Bは、フォロワギヤ27に噛合可能なギヤで構成されるピント調整用操作部材のピント調整ダイヤル41と、一端部で上記ピント調整ダイヤル41を回転自在に支持し、他端部が本体11の支持軸43に回動自在に支持されるレバー部材であるダイヤル支持レバー42と、該レバー42を反時計回り(図1)に付勢し、本体のストッパ45とレバー42のストッパ42aとにその端部が懸架されている解除保持手段としての付勢手段であるトーションバネ44とから構成されている。
なお、ピント調整ダイヤル41にはその回動位置を示す調整位置指標である調整位置マーク41aが外周の一部に付されている。
【0019】
また、ダイヤル支持レバーが反時計回りに回動した通常の位置にある解放状態、すなわち、後述するピント非調整時の状態では、ピント調整ダイヤル41は、Db方向に移動し、フォロワギヤ27と離間した連結解除位置にあり、そのときは装置の外装体51に設けられたロック手段である爪51aにピント調整ダイヤル41のギヤの歯部が係止された状態になっている。
【0020】
操作者がピント調整ダイヤル41を上記付勢力に抗してDa方向に押圧すると、該ダイヤル41のギヤがフォロワギヤ27と噛合する。この状態でピント調整ダイヤル41を回動操作すると、フォロワギヤ27を介してガイド軸28が回動し、ギヤ列を介して終段ギヤ31が駆動され、撮影レンズホルダ24が進退駆動される。
【0021】
以上のように構成された本形態のピント調整付き画像入力装置において、ピント調整を行うには、ピント調整ダイヤル41を押圧し、フォロワギヤ27と噛合した状態として、該ピント調整ダイヤル41を所望の方向に回動させる。そのときの該ダイヤル41の回動量、または、回動位置は、調整位置マーク41aの移動位置により認識することができる。
【0022】
上記回動動作によりガイド軸28が回動され、ギヤ列のギヤ29,30を介して終段ギヤ31が回動し、カムフォロワ24bにより撮影レンズホルダ24が進退駆動され、リニアCCD25a上の結像のピント調整が行われる。
【0023】
ピント調整後、ピント調整ダイヤル41の押圧を解放し、Db方向に戻すと、該ダイヤル41は、歯部が外装体の爪51aで係止され、調整回動位置に保持される。
そして、駆動モータ12によりギヤを介して送り軸15を回転させ、キャリッジ本体21を副走査方向に駆動する。このキャリッジ本体21の移動により、ギヤ29,30,31もキャリッジ本体21と一体的に副走査方向に移動するが、ギヤ29はガイド軸28上を摺動するだけで回動はしない。したがって、ピント状態が変化することがない。
【0024】
上記キャリッジ本体21の移動によって、光源22からの光が写真フィルム1の画面を副方向に走査しながら透過し、撮影レンズ24aを介して、主走査方向毎の画像がリニアCCD25aの光電変換面上に結像し、片ぼけのない1コマ分の画像情報が取り込まれる。
但し、写真フィルム1面とキャリッジ本体の移動方向である副走査方向との平行度は所定の精度に保たれていることは、当然のことである。
【0025】
以上の説明したように、本形態のピント調整付き画像入力装置においては、ピント調整を行わないとき、すなわち、非調整時には、ピント調整ダイヤル41を解放して、Db方向に移動させ、外装体51の爪51aに係止させ、そのときの回動位置をロックするので、該ダイヤル41の現調整位置を示す調整位置マーク41aのずれが防止できる。
【0026】
また、同じく非調整時には、ピント調整ダイヤル41とフォロワギヤ27とを非噛合状態として、ピント駆動部5Aとの連結を解除しておき、キャリッジ走査中に不用意にピント調整ダイヤル41に触れたとしても、レンズホルダ24は移動することがなく、ピント状態が変化しないようになっている。
【0027】
また、ピント調整時には、ピント調整ダイヤル41を押し下げてフォロワギヤ27と噛合させ、該ダイヤル41を回動することによって容易にピント調整を行うことができ、写真フィルム1の反り、または、写真フィルムの種類等によるピントずれを調整することができる。
【0028】
上述の写真フィルムの種類やフィルムメーカーによるピント位置の差異、例えば、135型のネガフィルムを用いたストリップフィルムと135型のスライドフィルム(枠つき)とのピント位置がフィルムの癖の影響も含めて差異が生じるが、その差異と調整位置マーク41aの位置との関係が予めデータとして明らかになっていれば、該当する位置に調整位置マーク41aを合わせるだけで略ピント調整ができるなど使用者にとって非常に有用となる。
【0029】
なお、上記ガイド軸28としては角軸形状のものを適用したが、その軸の形状は、角軸に限らず断面が小判形状の軸でもよく、キー溝付き軸やスプライン軸であってもよい。
【0030】
また、上記第1の形態のピント調整付き画像入力装置は、ピント調整を撮影レンズホルダ24の進退移動によって行うように構成されたものであるが、リニアCCD25a側、あるいは、写真フィルムホルダ2側を進退駆動して、上述と同様なピント調整を行うように構成してもよい。
【0031】
次に、上記第1の形態のピント調整付き画像入力装置におけるピント調整機構部を構成するピント駆動部の変形例について、図3のピント駆動部のレンズホルダ周りの側面図によって説明する。
この変形例を適用する画像入力装置では、ピント駆動部60Aのレンズホルダ駆動部周り以外、前記第1の形態のピント調整付き画像入力装置と同一の構成とし、同一の符号を用いて説明する。
【0032】
本変形例のピント駆動部60Aにおいて、アーム32に支持されるギア列の終段ギヤ61には駆動ピン61aが固着されており、該駆動ピン61aは、撮影レンズホルダ62に設けられたガイド溝62bに嵌入している。したがって、終段ギヤ61が回動すると駆動ピン61aを介して撮影レンズホルダ62が進退駆動される。
【0033】
この変形例を適用したピント調整付き画像入力装置でピント調整を行う場合、前記ピント調整操作部5Bを操作してガイド軸28を回動させると、終段ギヤ61が回動し、撮影レンズホルダ62が光軸Oに沿って進退駆動され、平行シフトの片ぼけのないピント調整が行われる。
本変形例のピント駆動部60Aによると、終段ギヤ61にカム溝を設ける必要がなく、ピント駆動部の構造が簡単になる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態であるピント調整付き画像入力装置について、図4のピント調整駆動機構部の斜視図によって説明する。
図4に示すように本形態のピント調整付き画像入力装置においては、上記ピント調整駆動機構部のうちピント駆動部70A以外の構成は、前記第1の形態のピント調整付き画像入力装置と同一であり、同一の符号を用いて説明する。
【0035】
ピント調整付き画像入力装置において、キャリッジの送り軸15と平行に支持されるガイド軸28の平行度および心間距離を高精度に維持することは、構成部品のコスト上不利となる。そこで、本形態の画像入力装置のピント駆動部70Aは、送り軸15に対するガイド軸28の平行度が多少悪かったとしてもピント駆動部70Aのギヤ列構成部に無理な力が作用せず、スムーズな駆動が可能である構造を採用している。
【0036】
すなわち、上記ピント駆動部70Aにおいては、撮影レンズホルダ72のピント調整駆動を行うギヤ列として、互いに噛合する初段ギヤ73と中間ギヤ74と終段ギヤ75で構成されるが、ギヤを支持するアームを分割した構造を採用している。
【0037】
すなわち、該アームは、連結手段である第1アーム76と第2アーム77で構成され、第1アーム76は初段ギヤ73と中間ギヤ74を、第2アーム77は中間ギヤ74と終段ギヤ75をそれぞれ回転自在に支持している。第1アーム76と第2アーム77は、中間ギヤ74を支持している支持軸78により回動自在に連結され、支持されている。
【0038】
また、終段ギヤ75を支持する支持軸79は、第2アーム77を回動自在に支持し、撮影レンズ鏡筒80に固定されている。そして、初段ギヤ73と第1アーム76は、キャリッジ本体71に設けられたギヤアーム挟持用突起部71a,71bによって、軸方向に挟持されており、支持軸79と協働してギヤ列73,74,75と、第1,第2アーム76,77とをキャリッジ本体と一体的に送り軸方向に駆動させる。
【0039】
また、第1アーム76,第2アーム77をそれぞれ支持する初段ギヤ73のボス部を支持するガイド軸28と、支持軸78と、支持軸79と各軸心は、直線上に配置されておらず、ある角度をなして配置されている。したがって、支持軸79の軸心とガイド軸28の軸心の軸間距離に精度上の寸法差が生じた場合でも、その軸間距離の変化に応じて第1アーム76と第2アーム77が支持軸78中心にわずか回動して、位置の変化を吸収し、ガイド軸28に沿った第1アーム76と第2アーム77の移動による軸支持部のつまりやギヤ列の噛合状態の変化を防止し、スムーズなキャリッジ,ギヤ列の移動が実現される。
【0040】
上記終段ギヤ75には駆動ピン75aが固着されており、該駆動ピン75aは、撮影レンズホルダ72に設けられたガイド溝72aに嵌入している。したがって、終段ギヤ75が回動すると駆動ピン75aを介して撮影レンズホルダ72が光軸方向に進退駆動される。
【0041】
以上のように構成された本形態のピント調整付き画像入力装置によりピント調整を行う場合、第1の形態の画像入力装置の場合と同様にピント調整操作部5Bを操作してガイド軸28を回動駆動させると、ギヤ列を介して終段ギヤ75が回動し、撮影レンズホルダ72が光軸Oに沿って進退駆動され、平行シフトの片ぼけのないピント調整が行われる。
【0042】
そして、写真フィルムの画像を取り込む場合は、キャリッジ71を送り軸15に沿う副走査方向に駆動させながらリニアCCDより画像データを取り込む。その場合、本形態の装置においては、ガイド軸28の送り軸15に対する平行度、または、心間距離の精度が悪かったとしても、上記第1,第2アーム76,77の回動運動により心間距離の変化を吸収することができ、スムーズな副走査方向の移動が得られる。
【0043】
以上、説明した各実施の形態のピント調整付き画像入力装置のピント駆動部5A,60A,70Aに対する変形例として、該機構での振動にともなう撮影レンズホルダの微少移動や終段ギヤの回動発生等を防止できる構造をもつピント駆動部を提案できる。
図5は、その変形例のピント駆動部のレンズ鏡筒取り付け部周りの断面図である。なお、本図は、前記第1,2,3の形態を示す画像入力装置に対応するものとして、各形態の装置の部材の符号を併記しているが、第1の形態に対する構成と作用についての説明のみ行い、他の形態の装置の場合も同様とする。
【0044】
上記図5に示すように、本変形例においては鏡筒23に固着された軸33に回動自在に支持された終段ギヤ31とアーム32間に、軸方向に弾性変形が可能であって、摺動面にフリクションを与えるフリクションバネ91が挿入されている。したがって、終段ギヤ31とアーム32間の相対回動動作にフリクション力が作用することになり、キャリッジ本体21の副走査駆動時に微振動等が発生したとしても、終段ギヤ31は振動、および、回動しにくい状態にあり、上述したように撮影レンズホルダの光軸方向の微少移動の発生も少なくなる。
【0045】
(付記)
以上、説明した実施の形態により、次のような構成を有するピント調整付き画像入力装置を提案できる。すなわち、
(1) 透過原稿へ光を照射する照射手段と、
上記透過原稿を保持する保持手段と、
上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とから構成され、
上記保持手段と上記読取手段の一方を走査して画像を入力する画像入力装置において、
上記読取手段と連結することで、上記読取手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動し、結像調整を可能とするピント調整手段と、
非調整時は、上記ピント調整手段と上記読取手段との連結を解除状態に維持する解除保持手段と、
非調整時、上記ピント調整手段を係止するロック手段と、
を有することを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0046】
(2) 透過原稿へ光を照射する照射手段と、
上記透過原稿を保持する保持手段と、
上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とから構成され、
上記保持手段と上記読取手段との一方を他方に対し移動走査して画像を入力する画像入力装置において、
上記保持手段と上記読取手段とのうち上記走査される一方の手段に設けられ、該手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動し、結像調整を可能とするピント調整手段と、
非調整時は、上記調整手段と上記読取手段との連結を解除状態に維持する解除保持手段と、
上記ピント調整手段を上記走査方向と平行に摺動可能に保持するガイド部材を有し、該ガイド部材を回動させることで上記ピント調整手段を駆動するガイド手段と、
を有することを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0047】
(3) 付記(1)において、
上記ピント調整手段は、ピント調整用操作部材と、該ピント調整用操作部材を配設し、回動可能に軸支されたレバー部材と、上記レバー部材を一方向に回動付勢する付勢手段と、
を具備していることを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0048】
(4) 透過原稿へ光を照射する照射手段と、
上記透過原稿を保持する保持手段と、
上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とから構成され、
上記保持手段と上記読取手段との一方を他方の対し移動走査して画像を入力する画像入力装置において、
上記保持手段と上記読取手段とのうち上記走査される一方の手段に設けられ、該手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動しは、結像調整を可能とするピント調整手段と、
上記ピント調整手段を上記走査方向と平行に摺動可能に保持するガイド手段と、
を有することを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0049】
(5) 付記(4)において、
上記ガイド手段は、上記ピント調整手段を上記走査方向と平行に摺動可能に保持するガイドシャフトであって、さらに、このガイドシャフトの回転により上記ピント調整手段を結像調整移動させるよう連動することを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0050】
(6) 透過原稿へ光を照射する照射手段と、
上記透過原稿を保持する保持手段と、
上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とから構成され、
上記保持手段と上記読取手段との一方を他方に対し移動走査して画像を入力する画像入力装置において、
上記保持手段と上記読取手段とのうち上記走査される一方の手段に設けられ、該手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動し、結像調整を可能とするピント調整手段と、
上記走査の際は、上記ピント調整手段を上記走査方向に摺動移動可能にし、ピント調整の際は回動するガイド手段と、
上記ガイド手段の回動を上記ピント調整手段へ伝達する連結手段と、
を有し、上記連結手段は、上記走査の際における走査方向と上記ガイド手段のガイド方向との変動に対応して変位し、吸収するように構成されていることを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0051】
(7) 付記(6)において、
上記連結手段は、遊星ギヤ列を有した伝達ギヤ列からなることを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0052】
(8) 付記(6)において、上記連結手段にフリクションバネを付加したことを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
【0053】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1に記載のピント調整付き画像入力装置によると、画像入力時の移動走査中にピント調整手段が不用意に移動したとしても、調整手段と読み取り手段の連結が解除されていることからピント調整位置のずれの発生が防止できる。
【0055】
本発明の請求項2に記載のピント調整付き画像入力装置によると、非ピント調整時に、ピント調整操作部材を読み取り手段に対して連結を解除し、該操作部材の回動を阻止された状態を保持するようにして、画像読み取り動作時に、ピント調整位置が変化することを防止し、さらに、ピント調整操作部材の位置ずれの発生も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すピント調整付き画像入力装置の機構部の斜視図。
【図2】図1のピント調整付き画像入力装置におけるピント調整機構部の拡大斜視図。
【図3】第1の実施の形態のピント調整付き画像入力装置におけるピント調整機構部のうち、変形例のピント駆動部の側面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示すピント調整付き画像入力装置の機構部の要部斜視図。
【図5】本発明の第1、または、第2の実施の形態のピント調整付き画像入力装置のピント駆動部の変形例のレンズ鏡筒取り付け部周りの断面図
【符号の説明】
1 ……写真フィルム(透過原稿)
2 ……フィルムホルダ(保持手段)
5 ……ピント調整機構部(ピント調整手段)
5A ……ピント駆動部(ピント調整手段)
5B ……ピント調整操作部(ピント調整手段)
22 ……光源(照射手段)
24 ……撮影レンズホルダ(読み取り手段)
25a……リニアCCD(読み取り手段)
28 ……ガイド軸(ガイド部材)
41 ……ピント調整ダイヤル
(ピント調整操作部材)
44 ……トーションバネ(解除保持手段)
Claims (2)
- 透過原稿へ光を照射する照射手段と、
上記透過原稿を保持する保持手段と、
上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段とから構成され、
上記保持手段と上記読取手段との一方を他方に対し移動走査して画像を入力する画像入力装置において、
上記読取手段と連結することで、上記読取手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動し、結像調整を可能とするピント調整手段と、
非調整時は、上記調整手段と上記読取手段との連結を解除した状態に維持する解除保持手段と、
を有することを特徴とするピント調整付き画像入力装置。 - 透過原稿へ光を照射する照射手段と、
上記透過原稿を保持する保持手段と、
上記透過原稿を透過する透過光を結像して読み取る読取手段と、
上記保持手段と上記読取手段との一方を他方に対し移動走査する走査手段とを具備する画像を入力する画像入力装置において、
ピント調整操作部材を回動させ、連動機構を介して連結された上記読取手段を上記透過原稿を透過する上記透過光の光軸方向に移動させて結像調整を行なうように構成され、上記ピント調整操作部材は、上記読取手段との連結解除が可能であって、上記読取手段との連結を解除された状態では上記ピント調整操作部材は回動が阻止されることを特徴とするピント調整付き画像入力装置。
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