JP3634188B2 - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3634188B2
JP3634188B2 JP13214999A JP13214999A JP3634188B2 JP 3634188 B2 JP3634188 B2 JP 3634188B2 JP 13214999 A JP13214999 A JP 13214999A JP 13214999 A JP13214999 A JP 13214999A JP 3634188 B2 JP3634188 B2 JP 3634188B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
original
document
image
transparent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13214999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000324306A (ja
Inventor
健二 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP13214999A priority Critical patent/JP3634188B2/ja
Publication of JP2000324306A publication Critical patent/JP2000324306A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3634188B2 publication Critical patent/JP3634188B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像を読取るための読取装置にかかり、特に原稿を透明の載置台(原稿台)に載置した状態で原稿を画像を読取る時に、透過原稿をも合わせて読取り可能にしてなる画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置は、入力されてくる画像データを目視できる状態に可視像化し、これをハードコピーとして出力するよにしている。この画像形成装置は、例えばデジタル複写機によれば、主にガラスで構成される透明な原稿台面上に置かれた原稿に対して、これを光源から発せられる光で光走査し、得られた反射光を読取素子であるCCD等の光電変換素子の受光部に撮像し、それぞれの素子により光電変換された画像データを入力し、これを感光体上に可視像化のために再生し、最終的にシート等に転写し、ハードコピーを出力するようにしている。
【0003】
また、画像形成装置としては、上述したようにデジタル複写機に限られることなく、例えばパーソナルコンピュータや、ワードプロセッサ等の情報処理装置にて作成された画像データを目視できるように再生し、これをハードコピーとして出力するプリンタ、例えばレーザプリンタや、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ等が存在する。
【0004】
上述したように画像形成装置は、ユーザが所望する再生画像を提供できるように構成されている。これに対して、画像形成装置等に画像データを入力するための装置としては、上述したように透明なガラス等にて形成された載置台、つまり原稿台に原稿を載置し、この載置された原稿の画像を読取手段を介して読取り、この読取データを、画像形成装置にて再生できるように画像処理を行い、これを画像データとして出力するようにした画像読取装置、通称スキャナがある。
【0005】
このスキャナは、デジタル複写機、ファクシミリ等に常設されており、またパーソナルコンピュータ等に接続され、パーソナルコンピュータ側で所望の画像を編集処理されるようになっている。
【0006】
以上のような役割を担う画像読取装置(スキャナ)は、通常反射原稿による画像の読取りを行うようにしたものが主流である。そこで、反射原稿だけでなく、必要に応じて透過原稿を任意に読取りができるようにしたものが提案され、実施に供されるようになった。
【0007】
例えば、特開平9−191368号公報には、反射原稿の画像を読取るための透明な原稿台とは別に、透過原稿を読取るための透明なフィルム載置台を設けている。上記原稿台の下部には載置される反射原稿からの反射光を読取ユニットを構成するCCDへと結像する走査光学系が配置されいる。そして、上記フィルム載置台上の透過原稿を読取走査を行う場合には、上記走査光学系の走査を停止した状態で、該走査光学系の光路の一部に、所定の速度で移動させて、同一光学系を用いて透過原稿の画像を読取るようにしている。
【0008】
また、特開平6−315067号公報には、反射原稿を読取るために設けられた原稿台に隣接して、別構成の透過原稿をセットし投影し読取るようにしてなるプロジェクタを配置する構成の画像読取装置が開示されている。この画像読取装置によれば、反射原稿に対して光学的に走査する走査光学系を上記プロジェクタとは別に設け、読取ユニットを構成するCCDに結像して画像を読取る。そして、プロジェクタにて投影される位置に、上記CCDを走行させるようにして走査し、これにより透過原稿の画像を読取るようにしている。この装置においては、CCDを透過原稿及び反射原稿の読取用に兼用したもので、CCDに像を結像させるための光学系を別々に設けるようにしている。
【0009】
さらに、特開平6−86020号公報には、反射原稿及び透過原稿を載置する共用の原稿台及び原稿を光照射する光源を共通に利用して画像を読取装置が開示されている。この装置によれば、原稿台を界にして、原稿台上部に透過原稿の読取ユニットを、原稿台下部に反射原稿の読取ユニットを個別に設けるようにしている。従って、それぞれの読取ユニットにはそれぞれにCCDが設けられている。従って、上述したような公報に記載の画像読取装置とは、同一のCCDを用いる点で相違するものの、同一の原稿台を用いて画像読取りを行える。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来による反射原稿及び透過原稿を可能にした画像読取装置によれば、画像を読取るための光学系の一部を共用する点が示唆されている。しかし、反射原稿及び透過原稿を異なる位置に配置して読取る場合、それぞれの原稿を載置(セット)する個別の領域を設ける必要がある。この場合、セット状態を間違えれば、正常な画像読取を行えなくなる。そのため、特開平6−86020号公報によれば、同一原稿台に反射原稿又は透過原稿を載置するようにしているため、載置位置を間違えることはなくなる。
【0011】
しかし、読取位置がそれぞれの原稿に対して異なるため、原稿に対して拡散板又は反射板を取り換えて使用する必要がある。このような取り換え作業は非常に面倒であり、その時に間違えて取り付ける危険性も残る。
【0012】
一方、特開平6−315067号公報記載の読取装置によれば、上述したように透過原稿を所定の位置に結像させるためのプロジェクタを設けており、その結像位置をCCDが横切るように走査させることで、透過原稿の画像を読取るようにしている。そのため、画像読取装置全体が非常に大きくなる。またプロジェクタを含む反射原稿の画像を読取るための光学系が非常に大掛かりなものとなり、コスト高にもなる。つまり、透過原稿と反射原稿の結像用のレンズ及び反射ミラー等を別途設ける必要があり、走査光学系のコストが高くなる。
【0013】
この点、特開平9−191368号公報記載の画像読取装置によれば、反射原稿を読取る光路中に反射原稿を横切るように搬送するようにしている。そのため、反射原稿の走査光学系の一部を利用できる点で、走査光学系におけるコストが高くなるのを押させることができる。しかし、透過原稿を載置するフィルム載置部を備え、該載置部を上記光学系の光路へと搬送する必要があり、そのための機構が複雑になる。またフィルム載置部上に透過原稿が載置されるだけで、透過原稿のフィルムを保持する構成でないため、落下やずれ等の問題が残る。
【0014】
また、特開平6−86020号公報記載の画像読取装置によれば、透過原稿及び反射原稿を光学的に走査する位置に共通に載置できるため、原稿を載置する面倒な操作が解消させることは説明した通りである。しかし、透過及び反射原稿を読取るためのCCDを含む読取ユニットが2個必要となり、その点でのコストが高くなる。また、2個の個別の読取ユニットを設けるため、装置全体が大きくなる。特に、原稿台を挟んで読取ユニットを配置する必要性から、上下方向の嵩がどうしても高く、装置の小型化を望めない。
【0015】
以上のように従来の透過及び反射原稿の画像を読取るための装置は、いずれにしても画像読取装置全体がどうしても大きくなる。また、画像読取装置を薄型化することもできない。また、画像の読取走査を行う走査光学系を全て共用していないため、上述したように装置の小型化が行えず、コスト的にもどうしても高くなっている。
【0016】
そこで、読取ユニットを共用し、同一面側で反射又は透過原稿の読取走査を行う場合には、特開平8−191368号公報や、特開平6−315067号公報に記載しているように、同一CCDの受光面にそれぞれの像を結像するための走査光学系に工夫をこらす必要がある。その手段として、例えば、特開平9−321957号公報記載の読取装置が提案されている。
【0017】
この公報記載の画像読取装置は、反射原稿及び透過原稿を読取るために、同一の原稿台を用い、かつ同一光源、同一走査光学系、同一読取ユニットを設けて行えるように構成されており、上述した各種の不具合を解消し、装置全体の小型化及びコスト低減を可能にしている。
【0018】
この公報記載の装置は、反射及び透過原稿の上部(背面)を反射板を設けたカバーを覆うように構成し、原稿台の下部に設けられた露光ランプからの光を原稿台側へと照射する。そして、反射原稿の場合には、その原稿からの反射光を、CCDに結像され、透過原稿の場合には、一度透過原稿を通過させ、背面の反射板にて反射させ、再度透過原稿を通過させて上記CCDへと結像させる。そのために、反射原稿又は透過原稿からの光を上記CCDへと結像されるために、一つの入射鏡(反射ミラー)を反射原稿又は透過原稿に応じた位置へと移動制御するようにしている。
【0019】
従って、同一原稿台上に反射又は透過原稿を載置でき、同一光源、同一読取ユニットにて画像の読取りを可能にできるため、上述したように小型化、コスト低減を図ることができる。合わせて同一原稿台上にそれぞれの原稿を載置できるため、載置間違い等による不具合を解消できる。
【0020】
しかし、透過原稿の読取りにおいて、透過原稿を2度も光が通過することでCCD上に結像させる必要があるため、読取精度を向上できず、解像度等の問題が残る。つまり、2度通過する時の透過原稿の通過位置がそれぞれ異なるため、2重に画像の読取りを行うことが考えられる。
【0021】
本発明は、小型化及びコスト低減を可能にしてなる画像読取装置を提供するものでもある。
【0022】
特に、本発明の第1の目的は、透過原稿及び反射原稿を同一原稿台上で光学的に走査でるようにし、装置の小型化を可能にすることにある。
【0023】
また、本発明の目的は、透過原稿の読取りにおいて、反射原稿と同一の走査光学系を用い、かつ同一読取ユニットを用い、かつ同一面側で読取りを可能にし、さらに反射原稿による読取りにおいて、本来の透過原稿の読取りによる背面からの光照射を可能にすると同時に、その時の生じる光量不足等を補い、良好なる読取りを可能にしてなる画像読取装置、つまりスキャナを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するための本発明による第1の画像読取装置は、透明な原稿台上に載置された原稿を、上部より原稿台へと押圧するために開閉可能に設けられた原稿カバーを備え、上記原稿台上の原稿の画像を光学的に走査し、読取素子に結像することで、画像を読取るようにしてなる画像読取装置において、上記原稿台に反射原稿を載置する領域と透過原稿を載置する領域を設け、上記原稿カバーにおける、上記原稿台に載置される透過原稿と対応した位置に拡散板を設け、上記反射原稿の読取走査時に、上記原稿の画像を読取走査するための走査光学系を上記原稿台に沿って一定速度で走査し、透過原稿の領域を走査する時に、上記走査光学系側に設けられた露光ランプを停止させ、該露光ランプからの光を上記拡散板に入射させる反射部材を上記原稿カバー側に配置してなり、上記拡散板に入射した光を透過原稿の背面より照射できるようにし、上記走査光学系による透過原稿の読取走査時に、その走査速度を、走査方向に徐々に遅くするように制御する構成である。
【0025】
このような構成とすることで、露光ランプを透過原稿の走査開始により停止させ、他の走査光学系を透過原稿に沿って光学的に走査する時に、その走査速度を徐々に遅くするようにしている。これは、露光ランプを停止することで、露光ランプより離れるに従って光量が低下することを考慮し、その低下を補うために、読取素子への受光の蓄積時間を長くするようにしている。
【0026】
また、この読取素子、例えばCCD素子への蓄積時間は、露光ランプの点灯時間、またシャッター機能付きCCDにおいては、シャッターの駆動時間を制御することで簡単に行える。そのため、1ライン走査に要する時間が徐々に長くなる分、CCDへの透過原稿からの光像の蓄積時間を走査方向に沿って、徐々に長くでき、光量不足を補い、良好なる読取りを可能にできる。
【0027】
上述した作用効果に合わせて、透過原稿は反射原稿と同一の原稿台上に載置でき、同一光源、同一走査光学系、同一読取系にて画像の読取を行え、装置全体の小型化、及びコスト上昇を抑えることができる。
【0028】
また、上述した目的を達成するための本発明の第2の画像形成装置は、透明な原稿台上に載置された原稿を、上部より原稿台へと押圧するために開閉可能に設けられた原稿カバーを備え、上記原稿台上の原稿の画像を光学的に走査し、読取素子に結像することで、画像を読取るようにしてなる画像読取装置において、上記原稿台に反射原稿を載置する領域と透過原稿を載置する領域を設け、上記原稿カバーにおける、上記原稿台に載置される透過原稿と対応した位置に拡散板を設け、上記反射原稿の読取走査時に、上記原稿の画像を読取走査するための走査光学系を上記原稿台に沿って一定速度で走査し、透過原稿の領域を走査する時に、上記走査光学系側に設けられた露光ランプを停止させ、該露光ランプからの光を上記拡散板に入射させる反射部材を上記原稿カバー側に配置してなり、上記拡散板に入射した光を透過原稿の背面より照射できるようにし、上記走査光学系による透過原稿の読取走査時に、その走査速度を、上記反射原稿を走査する時の走査速度より遅く制御し、遅く制御したことによる上記読取素子への光の蓄積時間を上記反射原稿による蓄積時間より長く設定したことを特徴とする。
【0029】
つまり、この構成において、反射原稿による光学系の走査速度より遅い速度で、透過原稿の走査速度を設定して走査する。これにより1ラインに走査にようする読取周期の時間が長くなる。その長くなる分を利用して、読取素子への透過原稿からの光像による蓄積時間を長く設定できる。そのため、透過原稿を読取走査を行う時の光量不足を補い、良好なる読取りを行える。このような画像読取装置においても、上述した第1の画像読取装置同様に、小型化、及びコスト上昇を抑制できる。
【0030】
さらに、上述した第1及び第2の画像形成装置の構成において、上記透過原稿の読取走査に伴って、露光ランプの輝度を上げるために、供給電流を多くするか、2本の露光ランプを設け、該2本の露光ランプを点灯制御するように構成しておけば、透過原稿を読取走査を行う時の絶対的な光量不足を簡単に補うことができる。そのために、透過原稿の走査開始前の検出光量に応じて、露光ランプの輝度、2本ランプの駆動制御を行える。
【0031】
また、上述した目的を達成するための本発明による第3の画像形成装置は、透明な原稿台上に載置された原稿を、上部より原稿台へと押圧するために開閉可能に設けられた原稿カバーを備え、上記原稿台上の原稿の画像を光学的に走査して読取素子へと結像することで読取るようにしてなる画像読取装置において、上記原稿台に反射原稿を載置する領域と透過原稿を載置する領域を設け、上記原稿カバーにおける、上記原稿台に載置される透過原稿と対応した位置に拡散板を設け、上記反射原稿の読取走査時に、上記原稿の画像を読取走査するための走査光学系を上記原稿台に沿って一定速度で走査し、透過原稿の領域を走査する時に、上記走査光学系側に設けられた露光ランプを停止させ、該露光ランプからの光を上記拡散板に入射させる反射部材を上記原稿カバー側に配置してなり、上記拡散板に入射した光を透過原稿の背面より照射できるようにし、上記拡散板に透過原稿の走査方向に沿って徐々に反射率が高くなる反射板を設けたことを特徴とする。
【0032】
このような構成とすることで、透過原稿を背面から露光する時の光量を走査方向全体で均一な分布状態にすることが可能になる。そのため、透過原稿を走査する時に、走査方向での光量低下を補うために、走査速度を徐々に遅くしたり、読取素子への光像の蓄積時間を徐々に長くするような走査を必要とせず、一定速度、一定周期で蓄積時間の制御を行える。そのため、制御回路の負担を軽減でき、コスト低減を可能にできる。
【0033】
また、上述した第1及び第3の画像読取装置の構成において、上記透過原稿の走査開始部分と走査終了部分での読取走査における光量を検出し、その検出結果に応じて走査光学系による透過原稿の走査速度を制御する構成としておくことで、走査開始時点と走査終了時点での光量低下を簡単に認識できる。そして、その認識結果による走査光学系の走査速度を制御するようにすれば、さらに良好なる画像の読取りを可能にできる。
【0034】
以上説明したように、上述した構成の画像読取装置においては、同一の原稿台上には、反射原稿及び透過原稿を載置でき、その載置ミスを無くすことができ、同一走査系、同一読取系にて画像読取りを可能にしているため、装置全体を小型化、コスト低減が可能になることは勿論である。また、透過原稿を走査して読取る時に、露光走査における光量不足、低下等を補い、良好なる読取りを可能にできる。
【0035】
【本発明の実施の形態】
本発明の実施形態について以下に図面を参照に詳細に説明する。図1は本発明における画像読取装置であるスキャナの内部構造を示す構成図である。また、図2は本発明にかかる反射及び透過原稿の読取走査のための走査光学系を構成する光源(露光ランプ)の駆動制御、及び読取素子であるCCDの制御を説明するためのブロック図、図3は図2のタイミングチャートの一例を示している示している。
【0036】
上記図1に示すスキャナ、つまり画像形成装置は、スキャナ単体で示している。このスキャナはデジタル複写機によれば、複写機本体の上部に常設されており、例えば下部には画像形成装置本体が装備されている。またファクシミリ装置においても同様に常設されている。また、パーソナルコンピュータにおいては、通信ケーブル等を介して接続され、読取指令に基づいてスキャナ側では原稿の画像の読取りを行い、その読取った画像データをパーソナルコンピュータへと送るようになっている。
【0037】
まず、図1に基づいて、本発明にかかる画像読取装置の全体の構成を簡単に説明し、その後に本発明の実施形態を説明することにする。
【0038】
画像読取装置であるスキャナ1本体は、上部に開閉可能に原稿カバー2が設けられている。この原稿カバー2は、スキャナ1上部の透明ガラス等からなる原稿の載置部を構成する原稿台3に対応して開閉されるもので、その一側端部4が、スキャナ1上部本体側に軸支されている。
【0039】
原稿カバー2は、樹脂等にて形成された外装に、原稿台3と対向する面側に白色の押圧シートを設けており、該白色押圧シートは、例えばスポンジ部材からなる押圧部材21上に貼り付けられている。従って、原稿カバー2を閉じることで、原稿台3上に載置された原稿を原稿台3面へと押圧部材21の作用により押圧し、密着させることができる。
【0040】
上記原稿台3は、反射原稿5及び透過原稿6を区別して載置できる領域を有するように一体化されている。つまり原稿台3は1枚ものの透明なガラス板から構成されており、スキャナ1本体の上部に保持されている。この原稿台3の画像走査方向における左側の領域は、反射原稿5を載置する領域であり、その左先端部分には、原稿5を載置する基準端縁3aを有している。この基準端縁3aの下部の原稿台3面上には、シェーディング補正用のホワイトバランス板7が設けられている。
【0041】
また、原稿台3の画像走査方向の右側は、透過原稿6の載置領域を構成しており、その領域の左側には透過原稿6の一端を揃える基準端縁3bを構成すると共に、透過原稿のシェーディング補正用のホワイトバランス板8が貼り付けられている。従って、原稿台3は画像を以下に説明する走査光学系による走査方向に沿って、それぞれ区別するように反射原稿の載置領域と透過原稿の載置領域とに区分されている。
【0042】
この原稿台3に対応し開閉可能な原稿カバー2は、上述したように反射原稿5を上部より押圧し、原稿台3面へと密着させるためのスポンジ構造の押圧部材21が設けられている。この押圧部材21の原稿台3との対向面には白色シートが貼り付けられている。押圧部材21は、最大読取可能サイズの反射原稿5、例えばA4サイズの長手方向より多少大きく形成されている。また、透過原稿6に対応する領域には、透過原稿6の背面、つまり原稿台3と対向する面と反対側の面より光照射するための拡散板22が、原稿カバー2に固定されて設けられている。そして、この拡散板22に対応して後に説明するが光源からの光を拡散板22の一つの側面より入射させるための反射部材を構成する反射ミラー23が合わせて原稿カバー2側に固定配置されている。
【0043】
原稿カバー2は、上述したようにスキャナ1本体の一側端部4に軸支されているため、その位置を中心として、図1において右上方向に回動され、開放される。この状態で、原稿台3が露出し、透過原稿6を読取る場合には、その原稿6の一側端を基準端縁3bに揃うように載置する。また、反射原稿5の画像読取りを行う時には、その原稿5の一側端を基準端縁3aに揃えるように載置する。載置後、原稿カバー2を閉成すれば、それぞれの原稿5,6が原稿台3に密着されることになる。
【0044】
一方、原稿台3の下部のスキャナ1本体内には、載置された原稿5又は6の画像を読取るための走査光学系9が設けられている。この走査光学系9は、周知の通りであり原稿に光照射する露光ランプ90、原稿からの反射光を読取ユニット10を構成する1ラインイメージセンサであるCCD11への光路を構成するために反射する複数の反射ミラー91,92,93を備えている。
【0045】
上記走査光学系9は、第1走査部材94と第2走査部材95とを個別に備えて構成されている。そして、第1走査部材94の走査速度Vに対して、第2走査部材95の走査速度は、V/2に設定されてそれぞれが駆動走査される。
【0046】
上記第1走査部材94には、上述したように露光ランプ90及び原稿からの反射光又は透過光を必要な光路、特に読取ユニット10のCCD11の受光面へと導く第1反射ミラー91が保持されている。そして、第2走査部材95には上記第1反射ミラー91からの反射光をCCD11への受光面へと反射する1組の第2及び第3反射ミラー92,93が保持されている。
【0047】
上記第1及び第2走査部材94,95は、例えば図1においてホームポジション位置の左側から右側に走査させるために、図示しない例えば2本の平行配置されたスライド軸に移動可能に支持されている。スライド軸は、図1において左右方向に配置されている。そして、第1及び第2支持部材94,95には、ワイヤ、タイミングベルト等の走行駆動する走行部材96が連結されている。
【0048】
ここで、第1走査部材94及び第2走査部材95を走行駆動するための走行部材96を駆動する機構は、従来より周知の機構をそのまま用いられる。その機構そのものは本発明には直接関係なく、詳細は省略する。上述したように第1走査部材94が、速度Vで走行部材96を介して走行される時に、第2走査部材95は、上記速度Vに対してV/2の速度で走行部材96を介して走行されるように、走行部材96を張架され、走行部材96の一部が第1及び第2走査部材94,95に取り付けられている。
【0049】
また読取ユニット10は、上述したように1ラインイメージセンサであるCCD11、上述した走査光学系9による原稿5又は6からの光像をCCD11の受光面に結像させるための結像レンズ12、CCD11を固定し電気的に配線してなる基板13とを備えている。基板13上には、CCD11からの読取った光量に応じた画素毎のアナログ信号を、必要に応じてデジタル信号に変換して画像データとして出力する回路を含めて配線されている。
【0050】
上述したように反射原稿5は、その一端が原稿台3の基準位置3aに揃えられて載置されれば、原稿カバー2が閉じられ、原稿台3へと密着される。その状態が図1に示されている。そこで、スキャナ1本体は、パーソナルコンピュータからの読取指令、又はスキャナ1本体側の操作パネル上の読取開始スイッチを操作することで読取動作が開始する。この時、走査光学系9による読取走査が開始される。そのため、露光ランプ90が点灯駆動制御され、反射原稿5に沿って光学的に走査されることで、原稿5の画像が順次読取ユニット10のCCD11に結像される。つまり、第1支持部材94が例えば速度Vで走行部材96を介して走行される。そして、第2支持部材95が同一方向に速度V/2で走行部材96を介して走行される。
【0051】
これにより、露光ランプ90による光照射にて反射原稿5からの反射光が、走査光学系9の各反射ミラー91,92,93を介してCCD11に結像レンズ12にて結像されていく。これにより、反射原稿5の全域の画像が順次光学的に走査され、CCD11にて読取られる。
【0052】
(本発明の第1の実施形態)
上述したように図1において反射原稿5が順次読取られる走査は従来と同様である。そこで、透過原稿6においても、反射原稿5と同様に、同一の走査光学系9を走査することで読取りを行う構成について以下に説明する。
【0053】
図1において、走査光学系9を構成する第1走査部材94は、露光ランプ90を支持する第1支持部であるランプキャリッジ94aと、反射ミラー91を支持する第2支持部であるミラーキャリッジ94bとから構成されている。このランプキャリッジラ及びミラーキャリッジ94a,94bは、互いに分離可能であり、連結部材15にて通常は連結され、一体化された状態となっている。
【0054】
連結部材15は、図5に示すように両端部に対応して設けられた連結棒16の一端がランプキャリッジ94bに固定されており、この連結棒16に対してミラーキャリッジ94bが移動可能に設けられている。また連結棒15の他端、つまりランプキャリッジ94bの固定端とは反対側の端部には、フランジ17が固定されており、このフランジ17とミラーキャリッジ94bの間に圧縮スプリング18が介在されている。従って、圧縮スプリング18の付勢力により、ミラーキャリッジ94bがランプキャリッジ94aに密着される。そのため、ミラーキャリッジ94b側に走行部材96の一部が固着されているため、ランプキャリッジ及びミラーキャリッジ94a,94bが一体となって同一方向に同一速度で図示しないスライド軸上を走行されることになる。
【0055】
また、ランプキャリッジ94a側には、両端の露光領域外の位置にランプキャリッジ94aを停止保持させるための係止突起19が固定されている。この係止突起19に対応して、スキャナ1本体側には図1に示すようにストッパ20が設けられている。
【0056】
従って、第1走査部材94が走行部材96を介してスライド軸上を走行されれば、第1走査部材94を構成するランプキャリッジ94aに設けられた係止突起19が、スキャナ1本体側に設けられたストッパ20に当接する。この係止状態において、第1支持部94aに設けられた露光ランプ90が、原稿カバー2に設けられた反射ミラー23と対向する。また、第1走査部材94がさらに右方向へと走査部材96を介して走行駆動されると、ランプキャリッジ94aがその移動を係止突起19とストッパ20との当接で阻止されるため、ミラーキャリッジ94bがスプリング18の付勢力に抗してさらに右方向に走行される。そのため、原稿台3上に載置された透過原稿7からの透過光を反射ミラー91にて反射し、光学的な走査を行える。
【0057】
ここで、上記走査光学系9による走行駆動のための構造の一例を図6を参照して簡単に説明する。走査部材96は、ワイヤ、タイミングベルト等の部材から構成されており、図示しない駆動源であるモータにて駆動される。そのため、モータにてワイヤ等の走行部材96を移動させるようにしているが、これは走行部材96が第1及び第2走査部材94,95に連結されている。そのため、従来周知の方法にて走行部材96であるワイヤを第1及び第2走査部材94,95に複数のプーリを介して張架することで、第1走査部材94をモータにて走行させれば、第2走査部材95が1/2の速度で走行される。
【0058】
例えば図6に示すように走行部材96であるタイミングベルトを、第1走査部材94を移動可能に支持してなるスライド軸に平行に両端を固定して張架する。このタイミングベルト96に噛合う駆動ギア及び、この駆動ギアを駆動するモータをミラーキャリッジ94b側に設け、駆動モーラの回転速度に応じて第1走査部材94を決められた速度で走行できる。そして、第1支持部94b側に一端を固定して第2走査部材95に設けたプーリ97を介して他端をスキャナ1本体側に固定したワイヤ98を張架するようにしても、同様に第1走査部材94の走行速度に対して、第2走査部材95は1/2の速度で駆動される。なお、第2走査部材95は、図示しないがスプリング等にて図6において左方向に付勢手段、例えばスプリング等にて常時付勢されている。これにより、第1走査部材94の復帰(復動)動作(左方向の移動)により、第2走査部材95も同様にスプリングにて復帰される。
【0059】
このようにして、ランプキャリッジ及びミラーキャリッジ94a,94bを分離可能に連結部材15にて一体的に構成しても、同様にして走行駆動できる。ここで、タイミングベルト96は、ワイヤにて構成してもよく、またワイヤ98はタイミングベルトにて構成してもよい。また、上記連結部材15の連結棒16は、透過原稿6を光学的に走査できる長さに設定されていることは勿論である。
【0060】
以上のような構成のスキャナ1において、1つの原稿台3の同一面上に、反射原稿及び透過原稿を載置できるようにしており、載置の際に異なる位置にそれぞれの原稿を区別して配置する手間はなくなる。しかも、同一の走査光学系9を駆動走査することで、反射原稿5及び透過原稿6の画像を走査して、読取ることができるため、スキャナ1の高さ方向の嵩を押さえ、小型化、かつ薄型化が可能になる。また、同一の走査光学系9及び読取ユニット10にて画像を読取ることができるため、機構が簡単になり、部品点数を押さえ、小型化に加えてコスト低下が可能になる。
【0061】
そこで、上述ような構成によるスキャナ1において、以下にその理解を深めるためにも反射原稿5、透過原稿6の画像の読取作用について説明する。
【0062】
まず、反射原稿5の画像読取を行う場合について説明する。
【0063】
原稿カバー2を開放し、反射原稿5の一端部を原稿台3の基準端縁3aに一致させて載置する。載置後、上部より原稿カバー2を閉じる。この状態で読取走査の開始を指令する。この指令は、スキャナ1本体の操作パネル上の開始スイッチであり、あるいはパーソナルコンピュータからの開始指令であり、またはデジタル複写機においてはコピー開始スイッチである。この指令を図示しない制御手段(CPU)が受けると、走査光学系9が駆動される。
【0064】
そのため、走行部材96が駆動され、第1及び第2走査部材94,95が決められた速度で走行される。この時、第1及び第2走査部材94,95は予め決められたホムポジション位置から走行し、一定距離走行させることで、反射原稿5の画像先端より読取走査が開始される。そして、反射原稿5の画像読取走査を開始する前には、ホワイトバランス板7が先に光学的に走査される。この走査により、読取ユニット10のCCD11の個々の出力状態が確認され、これを記憶される。
【0065】
このホワイトバランス板7を事前に読取るのは、CCD11の各読取セル毎の感度ムラや、露光ランプ90の光量ムラ、さらにレンズ12のムラ等を補正するためであって、所謂シェーディング補正に用いる。このホワイトバランス板7による読取結果は、図示しないRAM等の記憶部に一時的に記憶される。
【0066】
そして、基準端縁3aの位置の走査を開始することで、反射原稿5の画像読取走査が開始される。この読取結果は、読取ユニット10のCCD11を介して出力される画像データを逐次、基板13上に配置されたメモリ等に記憶されていく。この場合、説明が前後することになるが、第1走査部材94は、第1及び第2支持部であるランプキャリッジ及びミラーキャリッジ94a,94bが分離可能に設けられているが、連結部材15にてそれぞれが密着されているため、一体となって走行される。
【0067】
このような走査が継続し、反射原稿5の後端の走査を完了すれば、反射原稿5の1頁分の読取画像データが記憶され、必要に応じて外部装置へと出力処理される。この反射原稿5の後端は、予め載置された反射原稿5のサイズが判別されておれば、第1走査部材94の走行距離が決まり、その距離を走行した時点で走査光学系9の走査を停止させる。そして、走査光学系9は、元のホームポジション位置へと逆方向に復帰走行される。この時の速度は、読取時の速度より通常速く設定されている。
【0068】
上述したCCD11より出力される読取データは、各読取セル毎のむらや光量むらを補正するシェーディング補正を行うために、先に説明したようにホワイトバランス板7の読取時の補正用の記憶データと除算処理され、鮮明な画像データとして出力処理される。この処理は、1頁分の画像データが記憶された後に、他の外部装置等へ出力処理する場合、シェーディング補正を行って出力される。または、CCD11による1ライン分の読取データに対して、その都度シェーディング補正処理を行い、それをメモリ等に記憶させる。
【0069】
以上のようにして反射原稿5の画像読取走査が完了する。次に、透過原稿6の画像読取走査について説明する。そこで、透過原稿6を原稿台3上の透過原稿の載置領域に載置する。そのため、原稿カバー2を開き、透過原稿6の一端部をホライトバランス板8にて兼用されている端部の基準端縁3bに揃えて載置する。載置後、原稿カバー2を閉じる。
【0070】
この状態で読取走査の開始を指令する。この指令は、先に説明した通りであり、スキャナ1本体の操作パネル上の開始スイッチであり、あるいはパーソナルコンピュータからの開始指令であり、またはデジタル複写機においてはコピー開始スイッチである。この指令を図示しない制御手段(CPU)が受けると、走査光学系9を走行させる。この走査光学系9の走行駆動は、反射原稿5の読取走査の駆動と同様となるが、反射原稿5の画像読取を行わないために、反射原稿の載置領域についてはその移動走行を高速駆動する。
【0071】
そして、走査光学系9が透過原稿6の走査領域に近づけば、透過原稿6を走査する走行速度に制御される。これにより、透過原稿6の読取時間を短縮できる。そのため、走査光学系9の移動距離は駆動系、例えばモータ等の回転角度、つまり速度エンコーダからの出力パスルをカウントすることで正確に把握できる。そして、走査光学系9の特に第1走査部材94が透過原稿6の走査を開始する前の一定距離に達した状態で速度を走査速度に制御する。また、図示しないマイクロスイッチ等を透過原稿6の読取走査領域の手前に配置しておき、このマイクロスイッチの検知信号を利用し、走査光学系9の第1走査部材94を、透過原稿の読取走査速度に制御する。
【0072】
このようにして、走査光学系9が走行駆動され、透過原稿6の読取走査を開始する状態においては、図1に示すように第1走査部材94を構成するランプキャリッジ94aの係止突起19が、ストッパ20に当接する。この時、ランプキャリッジ94aのこれ以上の移動が阻止され、その位置に停止保持される。そして、ランプキャリッジ94aに支持された露光ランプ90が、原稿カバー2側に設けられた反射ミラー23に対向した状態で停止している。そのため、露光ランプ90の光は反射ミラー23にて反射され拡散板22へと導かれる。
【0073】
拡散板22は、従来より周知の通り、入射した光を例えば透過原稿6の載置面より全域で均一に照射するようになしたものである。そのため、ホワイトバランス板8を含む透過原稿6を背面から均一に光照射する。
【0074】
これにより、ランプキャリッジ94aがストッパ20にて停止されている位置において、ミラーキャリッジ94bによる第1反射ミラー91は、上記のホワイトバランス板8からの透過光を反射し、読取ユニット10のCCD11の受光面に結像する位置にある。そのため、ホワイトバランス板8によるCCD11の出力をシェーディング補正のための補正データとして記憶しておく。
【0075】
その後、ミラーキャリッジ94bが走行部材96を介して右方向にさらに移動走査されると、ランプキャリッジ94aより分離して連結棒16に沿い、圧縮スプリング18に抗して走行される。これにより、透過原稿6が拡散板22を介して光照射されるる状態において、その透過光が第1反射ミラー91にて順次反射される。その透過光は第2走査部材95に保持された第2及び第3反射ミラー92,93にて反射され、結像レンズ12を介して読取ユニット10のCCD11上に結像される。この場合、第2走査部材95は、ミラーキャリッジ94bが走行駆動されるため、同方向に1/2の速度で走行される。
【0076】
上述したCCD11に結像されることで、CCD11より光像に応じた出力がなされる。この出力される読取データは、CCD11の各読取セル毎のむらや光量むらを補正するシェーディング補正を行うために、先に説明したようにホワイトバランス板8による補正データとの除算処理等が行われた後に出力処理される。この処理は、1枚の透過原稿6の画像データが記憶された後、他の外部装置等へ出力処理する場合、上述したシェーディング補正を行って出力される。あるいは、CCD11による1ライン分の読取データに対してその都度シェーディング補正処理を行い、それがメモリ等に記憶される。
【0077】
このようにして透過原稿6の読取走査を完了すれば、反射原稿5の読取走査の終了時に同様に復帰駆動が行われる。この復帰駆動においては、反射原稿5と同様であり読取走査による駆動速度より速く復帰駆動走行が行われる。この場合、ミラーキャリッジ94bは圧縮スプリング18の作用により復帰方向に付勢付勢され、ランプキャリッジ94aと密着した状態でランプキャリッジ94aを合わせた第1走査部材94として復帰される。
【0078】
以上のように、反射及び透過原稿5,6による画像読取りのための光学的な走査は、同一走査光学系9及び読取ユニット10にて行える。ここで、反射原稿5と透過原稿6とを読取走査する時、その読取モード、つまり反射原稿の読取モードと、透過原稿の読取モードとを切換えて設定するようにしている。そのモードの切換は、走査前に事前に設定される。また、通常は反射原稿5の読取モードを設定しておき、透過原稿6の読取りを行う時には走査光学系9が透過原稿6の載置領域まで移動されることは上述した通りである。
【0079】
そのため、第1走査部材94を構成するランプキャリッジ94aがストッパ20の位置まで移動し、係止突起19が当接し、その移動が阻止された時点を検知する。そのため、ストッパ20に位置に検知センサ等を配置しておく。そのため、係止突起19にて検知センサが動作し、検知信号が出力される。その検知信号を用いて、透過原稿の読取モードに自動的に切換設定することができる。従って、オペレータはモードを切換設定を行う必要がなくなる。
【0080】
しかも、原稿台3に載置される原稿は、通常載置されている状態が検知される。このような従来周知の原稿検知手段を設けておけば、その検知に応じたモードを自動的に切換設定できる。つまり、透過原稿6を原稿台3に載置すれば、それを原稿検知手段が検知する。この検知に応じて、走査光学系9は透過原稿6の走査領域まで走査される。そして、ストッパ20の位置で検知された時点で、透過原稿の読取モードに切換制御できる。
【0081】
上述の原稿の画像読取走査においては、反射原稿5又は透過原稿6を別々に読取走査を行うようにしている。そこで、反射原稿5及び透過原稿6を合わせて読取る必要が生じた時には、それぞれの領域に反射原稿5と透過原稿6を原稿台3上に載置する。そして原稿カバー2を閉じ、開始指令がなされると走査光学系9に読取走査が開始される。
【0082】
まず、反射原稿5の画像読取走査を行う前に、反射原稿用のホワイトバランス板7によるシェーディング補正のための補正データが読取られ記憶され、反射原稿5の画像の読取によりシェーディング補正が施され、この読取画像データが出力される。これに引き続いて、透過原稿6の画像読取走査が開始される。その前に、同様にしてシェーディング補正のために透過原稿用のホワイトバランス板8による読取りが行われ補正データが記憶された後、透過原稿6の読取走査が開始される。この時、走査光学系9の第1走査部材94を構成するランプキャリッジ94aの走行がストッパ20にて阻止された時点で、これが検知され反射原稿の読取モードから透過原稿の読取モードに自動的に切換えられる。
【0083】
そして、透過原稿6の画像の読取走査が行われ、先に読取ったシェーディング補正データを基に、シェーディング補正された読取画像データが出力される。このようにして、反射原稿5及び透過原稿6の走査光学系9による1度の走査により、連続して異なる原稿の画像を読取ることができる。
【0084】
このように、反射原稿5と透過原稿6を1回の読取走査で連続して行えるため、その読取走査の前に、反射原稿5及び透過原稿6毎に、白黒2値モード、カラーモード、グレイモード(中間調/写真)等の設定、解像度、明るさ、読取範囲等を設定しておく。これにより、反射原稿5又は透過原稿6の読取走査において、設定されたモードでの画像の読取を行える。また、これらの切換は、上述したように反射原稿5と透過原稿6の走査領域において決定し、それにより切換が行われる。その結果、反射原稿5と透過原稿6を別々の走査により、その都度、モード設定するような手間が少なくてすみ、トータル的な読取走査の時間が大幅に短縮できる。
【0085】
図1に示す画像読取装置の構成によれば、透過原稿6の画像を読取走査するために、反射ミラー23を別に設けるようにしている。この反射ミラー23にて、第1走査部材94を構成するランプキャリッジ94aに支持された露光ランプ90からの光を透過原稿6の照明用に利用している。そのため、透過原稿6を照明するための特別な露光ランプを必要としなくなる。よって、スキャナ1本体の小型化及び薄型化を可能にしている。
【0086】
このような形態とは別に、反射ミラー23の反射機能を拡散板22に同時に持たせることで、反射ミラー23を設けない場合の態様を図7(a)に示している。つまり、拡散板22と一体成型された反射部材として機能を果たす反射板22aを形成している。反射板22aを拡散板22に一体成型することで、一つの部材にて反射機能と、拡散機能を備えることができる。
【0087】
よって、1つの部材にて、上述した両機能を果たせるため、拡散板22への露光ランプ90からの光の入射角度等の精度を向上できる。つまり、反射ミラー23を別に原稿カバー2に取り付け固定する時の位置決め精度等が要求されるが、そのような精度が不要となるため、精度が向上する。これにより、透過原稿6の読取走査時の読取品位も合わせて向上する。なお、反射板22aの反射面には反射シート等を貼り付けることもできる。
【0088】
また、図7(b)は上述したように拡散板22へと露光ランプ90の光を入射させるための反射ミラー23を個別に設けることなく、原稿カバー2を構成する反射原稿5を原稿台3へと押圧する押圧部材21にて兼用させるようにしたものである。つまり、反射原稿5を原稿台3へと押圧するために押圧部材21が設けられている。この押圧部材21には、露光ランプ90からの光を反射する白色シートが設けられている。この白色シートの反射を利用して露光ランプ90からの光を拡散板22へと入射させることができる。
【0089】
そのため、押圧部材21は、図7に示すように、最大サイズ領域を外れた部分が、例えば湾曲形状に形成された反射部21aを一体的に設ける。この反射部21aの反射面は、白色シートの反射効率より高い反射シートを別途貼り付けるようにしてもよい。また、反射部21aは、湾曲形状に形成されているが、これは露光ランプ90からの光を効率よく拡散板22へと入射させるためでもあり、集光するようにしている。また、十分な入射光量を確保できる場合には、傾斜状態に形成してもよい。
【0090】
この反射部21aを設けることで、高価な反射ミラー23を必要とせず、低コストで露光ランプ90の光を拡散板22へと入射させることができる。
【0091】
以上説明したような構成において、反射原稿5及び透過原稿6の画像の読取りを、同一原稿台3上で、かつ同一走査光学系及び読取系にて行えるように構成している。ここで、透過原稿6の読取りを行う場合、露光ランプ90からの光を透過原稿6の背面から照射させるように拡散板22を介して行うようにしている。そのため、透過原稿6による読取り走査においては、透過原稿6を透過する光をCCD11にそのまま忠実に結像できるため、解像度やそのための問題を解消して、良好なる読取りを可能にできる。
【0092】
ここで、問題となるのは、露光ランプ90を固定して、走査光学系9の一部、ここでは反射ミラー91のみを透過原稿6に対して走査するように構成している。そのため、露光ランプ90からの光は、拡散板22を介して透過原稿6全体を背面から露光することになる。従って、反射原稿5を走査するために露光ランプ90が反射ミラー91と同時に移動するような場合と比べて絶対光量が不足することになる。
【0093】
本発明はそのような光量不足をも同時に解消すべく、反射原稿5の走査を行う場合の光量と同程度の光量を確保して読取走査を行えるように考慮している。
【0094】
そこで、図2は本発明にかかる露光ランプ90の光量制御を行うための制御回路を示すブロック図である。この図において、露光ランプ90は、点灯制御回路25を介して駆動制御されており、露光ランプ90の点灯時間やその時の光量に応じた駆動電流等が制御される。点灯制御回路25は、例えば画像読取を行うCCD11からの受光量に応じた信号を入力し、これにより露光ランプ90の光量制御のための駆動電流等を調整制御する。
【0095】
つまり、CCD11は通常、原稿からの光を受光し、その受光量に応じたアナルグ信号を出力する。このアナルグ信号は、A/D変換回路へと送られデジタル化される。
【0096】
そこで、アナルグ信号が、A/D変換回路へと送られる際に、その入力電圧(信号レベル)が小さければ、S/Nが悪くなり、入力された画像データの劣化が生じる。また、大きければ、CCD11がサチュレーションをおこし、CCD11から精度のよい信号出力が行えず、画像の劣化を生じる。故に、A/D変換回路に入力される入力電圧を調べ、その入力電圧が低くA/D変換するに値しない電圧であれば、受光量不足として、露光ランプ90の輝度を上げるべく、ランプに供給する電流を大きく制御する。これとは逆に、大きい場合には、露光ランプ90の輝度を上げるべく、ランプに供給する電流を小さくなるように制御する。
【0097】
この場合、反射原稿5の読取り時において、ホワイトバランス板(基準白板)7の光量検出をCCD11を介して上述したように同時に読取っており、この出力値から上述した制御を事前に行える。また、透過原稿6においてもホワイトバランス板8を走査開始前に設けており、そのホワイトバランス板8を介して得れるCCD11からの出力により露光ランプ90の輝度制御が合わせて行われる。この透過原稿6の読取りにおいては、どうしても光量不足であるとして、露光ランプ90による輝度を、反射原稿5の読取りの場合に比べて上げるように制御される。
【0098】
また、図3に示すように、露光ランプ90は、点灯制御回路25にて、原稿の画像を読取る1ライン毎に点灯制御される。つまり、図3(c)に示すように1ラインの読取り周期cにおいて、露光ライン90の点灯時間a又はbが制御される。この場合、反射原稿5による点灯時間aに対して、透過原稿6による点灯時間bは、図3(a)及び(b)に示すようにa<bに設定される。従って、点灯制御回路25は、その反射原稿5の読取りを行う場合には、1ラインの読取周期c内で、露光ライン90の点灯時間aで制御され、透過原稿6の読取りにおいて、露光ライン90の点灯時間bで制御する。
【0099】
これにより、CCD11に結像される1ラインに相当する原稿の走査領域による電荷の蓄積時間が、上記露光ランプ90の点灯時間a又はbにおいて決まってくる。つまり、透過原稿6の読取走査を行う時のCCD11の蓄積時間は、点灯時間bにて決まり、絶対的な光量不足を補うことができる。そのため、露光ランプ90による輝度を上げて光量不足を解消できない場合、図3に示すように透過原稿6の読取走査において、CCD11の蓄積時間を長くすることで、絶対的光量を上げて、その不足を補うことが可能となる。
【0100】
また、図3に示すように露光ランプ90を反射原稿5と透過原稿6とで、1ライン分の読取走査における点灯時間を制御するようにしているが、露光ランプ90を常時点灯させておき、CCD11側で1ライン毎の光量の蓄積時間を制御することができるシャッター機能付きCCD11を用いる場合も考えられる。
【0101】
このようなシャッター機能付きCCD11によれば、第1走査部材94の走行に応じて、1ライン周期cに応じて、図4に示すように露光ランプ90を読取走査の開始時点(又はその前)で点灯(ON)し、読取りのためのCCD11のシャッターを開き(OFF)、決められたCCD11への蓄積期間後にシャッター閉じ(ON)、CCD11への光を遮蔽する。そのため、反射原稿5においては、CCD11のシャッターをOFFからONに切り換える蓄積期間Xを短く、透過原稿6においては、シャッターをOFFからONに切り換える蓄積時間Yを長く(X<Y)に設定する。
【0102】
このCCD11のシャッター駆動制御においても、図2にて説明したように点灯制御回路25にて、上述したシャッターの駆動時間、つまり蓄積時間X,Yをそれぞれ制御するようになっている。このような構成のものにおいても、当然先に説明た図3における露光ランプ90による点灯時間a又はbの制御と全く同一であり、その奏する効果も同一である。
【0103】
このように制御することで、露光ランプ90による反射原稿5と透過原稿6による輝度を同一にした場合においても、光量不足を解消し、CCD11への1ラインに相当する蓄積時間を制御することで、良好なる読取を制御できる。
【0104】
以上に説明においては、露光ランプ90からの光が拡散板22を介して透過原稿6の背面を均一な状態で露光している場合である。これによる露光不足のために、露光ランプ90の輝度を反射原稿5に対して上げる制御、又は読取ライン毎の点灯時間、あるいはCCD11のシャッター時間の制御によりCCD11への蓄積時間を長くすることで、解消するようにできる。しかしながら、透過原稿6の読取りにおいて、露光ランプ90が固定されるため、読取走査方向において徐々に光量が落ちることが考えられる。これを解消する一例を以下に説明する。
【0105】
この実例は、本発明における最も適した実施形態であり、特に透過原稿6の読取りにおいて有効なものとなる。そのために、透過原稿6の走査において、露光ランプ90を停止させ、その光を透過原稿6の背面より露光し、その時の透過光をCCD11に結像させることで良好な読取りを可能にできる。しかし、この場合の光量不足を補うために、透過原稿6を光学的に走査するためのミラーキュリア94bの走査速度を徐々に遅くするように制御する。
【0106】
つまり、反射原稿5によるランプキャリッジ94a及びミラーキャリッジ94bの第1走査部材94の走行速度に対し、透過原稿6の読取走査のために、ミラーキャリッジ94bの走行速度を徐々に遅くするように駆動制御している。
【0107】
このように構成することで、透過原稿6の走査開始位置から、徐々に走査終了部分へと走査さる毎に、1ラインを走査する時間が徐々に遅くなる。つまり、図1に示すように透過原稿6の走査開始点sの時の走査速度を最大とし、終了点eにておいて最小速度になるように制御する。
【0108】
この時、ミラーユニット94bが徐々に走行速度が遅くなることで、1ラインの走査に要する時間が徐々に長くなる。その長くなる分を利用して、露光ランプ90の点灯時間b又はCCD11のシャッターの駆動時間(Y)を長くなるように点灯制御回路25を介して制御する。これにより、1ライン走査におけるCCD11への原稿6からの光像の蓄積時間が長くなり、全体の光量が増す傾向にある。そのため、走査方向に徐々に光量が低下するような場合、その光量不足を、走査速度を徐々に遅くすることで、CCD11への蓄積時間が徐々に長くできるため解消でき、良好なる読取りを行える。
【0109】
図8には、反射原稿5と透過原稿6による読取走査速度と、1ライン毎に読取走査周期cにおいて、露光ランプ90の点灯時間a又はbのタイミングチャートを示す。このように、反射原稿5の読取走査速度は、決められた一定速度(V)で走査されることで、その読取周期cは一定間隔で行われる。
【0110】
そして、透過原稿6の読取走査速度は、図に示すように徐々に遅くすることで、1ライン相当の読取周期cは徐々に長くなる。この長くなる周期に合わせてCCD11への蓄積時間を長くするために、露光ランプ90の点灯時間bを徐々に長くなるように制御される。この図8は露光ランプ90の点灯時間を図示しているが、当然CCD11側のシャッターの駆動時間を制御することもできる。
【0111】
なお、上述した制御のみでなく、露光ランプ90の輝度を、反射原稿5の読取りに比べて、透過原稿6の読取りについて上げておくことも重要なものとなる。つまり、透過原稿6の読取りは、拡散板22を設けて、原稿6背面より全体を照射するようにしているため、絶対的な光量が大きく低下する。これを補うためには、露光ランプ90の輝度を上げてることを併用しておけば、さらに良好なる読取りを可能にできる。
【0112】
そのため、図2に示すようにCCD11からの受光出力に応答して、露光ランプ90に供給する電流を制御し、輝度制御を行える。特に、透過原稿6の読取走査前にはホワイトバランス板8を走査しており、この時の光量がCCD11を介して得られる。その出力に応じて、点灯制御回路25にて露光ランプ90に供給する電流を調整制御し、発光輝度を上げることができる。これにより、透過原稿6の読取開始時点での光量を反射原稿5の読取り時の光量と同等に調整制御できる。そして、透過原稿6の走査方向に徐々に光量低下が生じる場合、走査速度を徐々に遅くすることで、その不足を上述したように解消できる。
【0113】
また、図1においては、露光ランプ90を1本設けるようにしているが、露光ランプ90を2本並設するようにして配置し、反射原稿5の場合には1本のみ駆動し、透過原稿6の読取りの場合に、2本とも駆動して、全体での光量を増すこともできる。そして、1本の露光ランプ90において、ホワイトバランス板8の走査に応じて得られるCCD11からの出力に応じて輝度調整を行うようにすることもできる。
【0114】
ここで、ミラーキャリッジ94bを含む第1走査部材94を走行駆動するために、駆動モータが設けられている。この駆動モータはステッピングモータ等を用いることで、簡単に速度制御を行える。つまり、駆動モータの回転速度を透過原稿6の読取走査に応じて、徐々にその速度を遅くするように制御すればよい。
【0115】
このような実施形態によれば、走査方向において徐々に走査速度を低下させ、その時の走査速度の低下に応じて、例えば露光ランプ90の点灯時間bを長くなるように制御することで、CCD11の蓄積時間が長くなる。そのため、走査方向に徐々に光量が低下する場合においても、良好に光量不足を補正でき、良好なる読取りを可能にできる。
【0116】
(第1の実施形態による他の態様)
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、透過原稿6の走査において、反射原稿5の一定の走査速度に対し、走査速度を走査方向に徐々に遅くなるように制御している。
【0117】
これとは別に、透過原稿6の走査速度を一定にして、露光ランプ90の点灯時間bを徐々に長くすることもで同様に実施できる。この場合、透過原稿6の走査速度は、反射原稿5の走査速度より遅くする。例えば、反射原稿5の走査速度Vに対して、透過原稿6の一定の走査速度をV/2程度に設定する。
【0118】
このように設定すれば、例えば1ライン分の走査時間が反射原稿5の場合の2倍になる。その分、光量不足を補うことが可能となる。しかも、走査方向において光量が徐々に低下するような場合には、透過原稿6の走査開始点sからの1ラインにおける露光ランプ90による点灯時間bに対して、その点灯時間bを徐々に長くなるように点灯制御回路25にて駆動制御する。
【0119】
このような構成においても、走査方向に徐々に光量を低下する場合においても、その光量不足を良好に補償でき、透過原稿6による良好なる読取りが可能となる。
【0120】
図9には、反射原稿5と透過原稿6との走査速度の関係、及びその走査速度に応じた1ラインの読取走査周期cと、露光ランプ90の駆動時間との関係を示している。この図9に示すように、上述したように、反射原稿5の走査速度Vに対し、透過原稿6の走査速度V/2とした時、透過原稿6の1ラインの読取周期は反射原稿5に対して単純に2倍になる。但し、透過原稿6の走査ラインの密度を上げるために、上記周期cを短くすることも可能である。
【0121】
これにより、透過原稿6による光量不足をCCD11への蓄積時間を調整制御することで補うことができ、また走査方向の光量が徐々に低下する場合においても、徐々に蓄積時間を長くなるように制御することで合わせて解消できる。
【0122】
(本発明の第2の実施形態)以上説明した第1の実施形態によれば、透過原稿6の読取走査において、特に露光ランプ90を固定し、反射ミラー91のみを載置される透過原稿6対して走行移動させるように制御している。この場合、露光ランプ90は、反射ミラー23にて、拡散板22へと導かれ、透過原稿6の背面より均一な光を照射するようにしている。
【0123】
しかし、透過原稿6の走査方向においては、露光ランプ90より徐々に遠くになるため、その光量が徐々に低下し、それを補うべく、反射ミラー91による走査速度を徐々に遅くするか、あるいは一定に制御して露光ランプ90等の点灯時間、つまりCCD11への蓄積時間を長くなるように制御している。
【0124】
これに対し、露光ランプ90からの光による透過原稿6の走査光量が、その走査方向において均一な分布状態を示す場合には、上述したように走査速度を徐々に遅くする必要もなく、またCCD11への蓄積時間を徐々に長くなるように制御することも必要でなくなり、反射原稿5と同様の走査、及び読取制御を実行できる。
【0125】
そのため、制御回路等による負担が大きく軽減でき、さらなるコスト低減が可能になる。つまり、走査速度を徐々に遅くするような制御を必要としないため、そのための駆動制御回路を省ける。また、蓄積時間を徐々に長くなるように制御する必要もなくなるため、そのための回路構成を省ける。
【0126】
そこで、図9に示す構成において、拡散板22の背面、つまり透過原稿6と対向する面と反対側の面に反射板26を設けている。この反射板26は、図に示すようにその反射率が透過原稿6の走査方向に沿って徐々に高くなるように構成されたものである。
【0127】
このような構成によれば、露光ランプ90からの光は反射ミラー23にて拡散板22の一端面よる入射される。そして、拡散板22の背面側の反射板26が、図に示すような反射特性を示すことで、走査開始位置に比べ走査終了方向に沿って徐々に反射率が高くなるため、その方向への光量低下を補い、走査方向の光量分布を一定レベルに設定可能となる。この反射率の特性は、予め光量を測定しておき、決定すればよい。
【0128】
従って、露光ランプ90を固定し、ミラーキャリッジ94bのみ走行させ、透過原稿6を走査するようにしても、CCD11に受光される光量を、走査方向において一定にできる。これにより、走査速度を徐々に遅くしたり、またCCD11への蓄積時間を長く制御する必要がなくなる。
【0129】
ここで、露光ランプ90による絶対的な光量不足が存在する場合には、露光ランプ90による輝度を上げるように、露光ランプ90を駆動するために供給する電流量を上げるように制御するか、また2本の露光ランプ90を設ける構成とした場合、反射原稿5の走査においては1本のみ点灯させ、透過原稿6走査において、2本の露光ランプ90を点灯制御し、全体での光量不足を解消できる。
【0130】
以上説明したように、本発明の画像読取装置においては、反射原稿5と同様に、透過原稿6を走査して読取ることができ、その時の走査方向も同一で、また同一の原稿台3にて構成している。これにより同一の走査光学系、同一の読取系を用いて画像の読取りを行える。そのため、装置の小型化と同時にコスト低減を可能にできる。
【0131】
さらに、透過原稿6の読取りにおいては、透過原稿6の背面側より露光ランプ90からの光を照射するようにしており、透過原稿6を光が2度通過することで読取る時の不具合を解消して良好なる画像の読取りを可能にしている。この場合、露光ランプ90を固定しているが、その光量不足による画像読取不良を解消するために、走査ミラーを走行する速度を徐々に遅くするか、あるいはCCD11側での蓄積時間を徐々に長くするようにすることで、解消している。また、透過原稿6の背面の光量分布を走査方向において均一になるように構成することで、走査速度を一定速度することでも良好なる読取りを可能にしている。
【0132】
(本発明の実施形態における他の態様)
本発明による第1の実施形態によれば、透過原稿6の読取走査において、反射ミラー91による走査速度徐々に遅くするようにしている。これは、先に説明した通り、露光ランプ90からの光が拡散板22に入射され、走査方向において均一な光量分布にならないことによる。
【0133】
そこで、拡散板22における全体の光量が均一か否かを確認することで、その時の走査速度を決定するようにすることもできる。例えば、図10において、露光ランプ90からの光が拡散板22に入射する位置と反対側、つまり透過原稿6の走査終了位置に対応する拡散板22の端面に、拡散板22による透過原稿の終了端の光量を検出する光量センサ27を設けている。
【0134】
この光量センサ27は、例えばCCD11による出力状態を同一の出力を得るものを用いる。この場合、CCD11の出力と、光量センサ27は、同一光量を受光した時に、同一出力となるように予め調整設定されている。そして、透過原稿6を走査を開始する前のホワイトバランス板8を走査している時のCCD11の出力と、光量センサ27による出力とを比較し、その比較結果において、同一であれば、拡散板22にて透過原稿6の全体を均一に露光していることを認識できる。この場合には、透過原稿6の走査速度は、一定にする。
【0135】
また、光量センサ27の出力が、CCD11からの出力より小さく、その時の光量差に応じて透過原稿6の走査終了時点の走査速度を決定し、走査開始速度に対して走査終了時点の速度に直線的に低下制御させることが可能となる。これにより、光量に応じた制御が可能となり、より良好なる読取を可能にできる。そして、速度低下に応じて、CCD11の蓄積時間を徐々に長くなるように制御することで、さらに良好なる読取りを行える。
【0136】
(本発明を実施することによる他の効果)
以上説明した画像読取装置の構成によれば、反射原稿5と透過原稿6個別に載置する領域を有した原稿台3をを用いている。即ち、原稿カバー2が、反射原稿5及び透過原稿6を原稿台3上に押圧するように押圧部材21は、例えばA4サイズの長手方向まで読取可能なように設定されている。そして、それ以後の原稿台3の領域に対応して、透過原稿6を載置するようにしている。そして、その透過原稿6の載置領域に対応させて拡散板22を、原稿カバー2を設けている。
【0137】
このような原稿カバー2は、スキャナ1本体の一側端に対して着脱可能に設け、別の構成による例えば図11に示すような原稿カバー2aを装着可能に設けることもできる。つまり、原稿台3が1枚ものであり、走査光学系9においても、原稿台3に沿って移動可能となっている。
【0138】
そのため、図11に示すようにA4サイズより長い、例えばリーガルサイズの反射原稿5aを原稿台3に載置して読取ることができる。このリーガルサイズの長手方向の長さは355.6mmであり、A4サイズの長手方向の長さは297mmである。
【0139】
図1に示す原稿カバー2を取り外し、図11に示す構成の原稿カバー2aを装着する。この原稿カバー2aは、原稿台3にリーガルサイズの反射原稿5aが載置された時に、その全域を上部より均等に押圧できる押圧部材21bを設けている。そして原稿カバー2aには、図1に示すように透過原稿6に対応した拡散板22を取り付けることなく、その取り付け位置に延長するように、上述した押圧部材21bが延長して設けられている。
【0140】
そして、走査光学系9においては、第1走査部材94を構成するランプキャリッジ94aがストッパ20aの位置で停止され、ミラーキャリッジ94bのみが、ランプキャリッジ94aより分離した状態で走行されるため、例えばリーガルサイズの反射原稿5aを十分に光照射できなくなる。そのため、ストッパ20を、ランプキャリッジ94aの走査領域から離間させれば、ランプキャリッジ94aは、ミラーキャリッジ4bと分離されることなく、密着した状態で走行させる。
【0141】
そこで、ストッパ20aは、図11に示すように、回動可能に軸支されたレバー20bに連結され、ランプキャリッジ94aに設けられている係止突起19より離れるようになっている。このストッパ20aは、原稿カバー2aがスキャナ1本体に装着されることで、これに連動させて矢印G方向に回動させるように構成しておき、ストッパ20aとしての機能を果たさなくなるよう構成される。または、原稿カバー2a側に、ストッパ20aをG方向に回動させる部材を対応して設けておき、原稿カバー2aを閉じた状態でストッパ20aを回動させるように構成することもできる。
【0142】
また、図1においては、透過原稿6を載置する領域に、ホワイトバランス板8を原稿台3上に設けるように構成されていることを説明している。このホワイトバランス板8については、拡散板22側に設けるようにしておけば原稿台3上には、ホワイトバランス板8が存在しなくなる。よって、図11に示す構成の原稿カバー2aをスキャナ1本体に装着しても、長い反射原稿5を読取ることができる。
【0143】
以上のような構成において、読取原稿が、A4サイズより長い反射原稿5aの画像を読取る場合には、図11に示すような原稿カバー2aを、図1に示す構造の原稿カバー2に代えて交換する。そして、長い反射原稿5aを原稿台3上に載置する。反射原稿5aの一端部を基準端縁3aに揃えて載置すれば、その一端部の反対側の後端は、図1における透過原稿6の載置領域にも及ぶことになる。そして、原稿カバー2aを閉じ、読取開始指令がなされると、走査光学系9の走行駆動が行われる。
【0144】
走査光学系9は、第1走査部材94が図11に示す矢印方向にそれぞれの速度で走行される。第1走査部材94は、ランプキャリッジ及びミラーキャリッジ94a,94bが連結部材15にて連結されているため、一体で走行される。これにより、露光ランプ90の光は反射原稿5aを照射し、その反射光が第1反射ミラー91にて反射しながら走行される。
【0145】
そして、第1走査部材94の走査速度の1/2の速度で走行駆動される第2走査部材95は、その第2及び第3反射ミラー92,93にて上記反射ミラー91にて反射された光を結像レンズ12を介して読取ユニット10のCCD11へと導く。これによりCCD11からは、反射原稿5aの濃度に応じた読取画像データを出力する。
【0146】
上述した走査を継続し、第1走査部材94がストッパ20aの位置、つまりランプキャリッジ94aの係止突起19がストッパ20aの位置に達しても、このストッパ20aは破線で示す状態に回動されている。そのため、ランプキャリッジ94aの走行が規制されず、ミラーキャリッジ94bと一体化した状態で走査を継続する。その後、図5に示すように、ミラーキャリッジ94bに支持された第1反射ミラー91が、反射原稿5aの後端位置を走査する。
【0147】
このようにして、例えば通常サイズ(例えばA4サイズ)より長い反射原稿5aの後端を走査を完了すれば、走査光学系9を元のホームポジションへと復帰走行する。つまり、走査方向とは逆方向に走行駆動される。よって、長い反射原稿5aの画像読取を行う場合には、原稿台3の全て領域を有効利用し、読取可能にしている。このようなことは従来技術ではできなかったことであり、本発明を実施することで初めて可能になる。また、これによりスキャナ1本体が大型化することはない。
【0148】
なお、原稿カバー2をスキャナ1本体に対して着脱可能に設ける構成の一例を図1を参照に説明する。これは、一例であり、他の構成を用いてもよい。この原稿カバー2は、一側端部4で軸支されており、該原稿カバー2が開閉可能となっている。そして、スキャナ1本体の軸支部1aに、原稿カバー2の一側端部4を軸支する。この軸支部1aをスキャナ1本体に着脱可能にする。つまり、軸支部1aに設けた挿入棒1bを、スキャナ1本体の外装1cに挿入できるようにして取り付け自在に設ける。
【0149】
以上説明したように、図1に示す第1の実施形態によるスキャナ1によれば、同一の原稿台3面を利用し、かつ同一走査光学系9、読取ユニット10を用いて反射原稿5、透過原稿6の画像読取を行える。そして、図5に示す第2の実施形態によるスキャナ1においては、図1に示すスキャナ1をそのまま利用し、長い反射原稿5aの画像読取を可能にするようにしている。そのため、図1に示すスキャナ1においては、ホワイトバランス板8を原稿台3表面に貼り付ける場合には、それが邪魔になり、原稿カバー2側の拡散板22側に貼り付けることを説明した。
【0150】
この場合、図1に示すように透過原稿6の画像を読取るために、原稿台3に載置する位置を決めることができなくなる。そこで、原稿台3の読取走査領域より外れた位置に、反射原稿6の一側端を合わせる基準端縁を示す目盛り等を設けるとよい。この目盛りは、原稿台3を保持するために設けらられた周囲のフレーム等の縁に設けることもできる。
【0151】
また、図1に示す原稿カバー2において、拡散板22側に透明なフィルム等からなる挿入部を設け、外挿入部より透過原稿6を挿入し、その透過原稿6の先端を、拡散板22に設けられたホワイトバランス板8の端部に揃えるようにする。この状態で原稿カバー2を閉じると、透過原稿6は、原稿台3に拡散板22を介して押圧される。また、ホワイトバランス板8も合わせて原稿台3に密着し、ホワイトバランス板8による光学的な走査に続いて透過原稿6の光学的な走査を行える。
【0152】
一方、図5に示すように本発明による走査光学系9を構成する第1走査部材94は、ランプキャリッジ94a及びミラーキャリッジ94bを分離可能なように連結部材15にて連結されている。この連結部材15は、両端部にそれぞれ設けている。しかも、走行部材96の取り付け位置に近接させて連結部材15が設けられている。
【0153】
これは、走行部材96にて第1走査部材94を構成するミラーキャリッジ94bがランプキャリッジ94aより分離して、透過原稿6を光学的に走査する場合、ミラーキャリッジ94bの読取走査による走行を安定させることができる。つまり、連結部材15を走行部材96の近傍に設けることで、連結棒16に沿ってミラーキャリッジ94bをスムースに移動でき、この時に走行駆動する斜め方向の力が作用せずに、こじれ等を防止できる。そのため、第1反射ミラー91の傾きを防止し、光軸のずれによる読取不良を防止できる。
【0154】
図5に示す例は、第1走査部材94の特にミラーキャリッジ94bの両側に走行部材96が取り付け固定され、走行駆動するようにしている。そのため、それぞれに近接させて連結手段15を設けている。ここで、1個の連結手段15のみ設ける場合、ミラーキャリッジ94bがランプキャリッジ94aより分離して走行駆動させる場合の安定性を確保し、上述した反射ミラー91の傾斜を防止するには、第1走査部材94の中央部、つまりミラーキャリッジ94bの中央部が連結棒16にて移動可能に支持されるようにに連結手段15を設ければよい。
【0155】
このように中央部に連結手段15を設けることで、第1走査部材94のミラーキャリッジ94bの両側が走行部材96にて走行駆動される時に、両側でのバランスが取られ、よってこじれ等による傾きが防止できる。
【0156】
【発明の効果】
以上説明した本発明の画像読取装置によれば、原稿台に反射原稿及び透過原稿を載置し、同一方向から、同一の走査光学系を走行させ、同一の読取系にて画像を読取るようにしているため、装置全体を小型化でき、コスト低減を可能にしている。
【0157】
また、透過原稿の読取りを光学系を走査して行う場合、透過原稿の背面側から露光するようにしたことで、透過原稿を走査して読取る場合、忠実な画像読取りを行える。
【0158】
この場合、透過原稿の背面から露光するために、露光ランプを停止し、他の光学系を走査制御するため、走査方向への光量不足、低下、を走査速度を徐々に遅くしたり、読取素子への光像の蓄積時間を長くするように制御することで、補い、良好なる光量による読取りを可能にできる。
【0159】
また、透過原稿の背面を露光するための拡散板に、露光走査方向に徐々に反射率が高くなる反射板を設けるようにしておくこで、透過原稿の背面での露光光量を走査方向において均一な分布に補正でき、よって走査速度の制御や蓄積時間の制御を不要にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するための画像読取装置であるスキャナの内部構造を示す構成図である。
【図2】図1に示す画像読取装置において、走査光学系を構成する露光ランプ、読取素子の駆動制御にかかるブロック図である。
【図3】図2に示すブロック図における露光ランプの点灯時間制御にかかるタイミングチャートである。
【図4】図2にかかるブロック図において、シャッター機能付きの読取素子におけるシャッター時間の制御にかかるタイミングチャートである。
【図5】図1における画像読取装置において、走査光学系を構成する第1走査部材を分離走行可能にしてなる連結機構の一例を示す斜視図である。
【図6】走査光学系を走行駆動させるための一例を示す図である。
【図7】図1に示す画像読取装置における露光ランプからの光を透過原稿の読取りにかかる拡散板へと導く反射ミラーの他の構成例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態による反射原稿と透過原稿との速度特性の関係、及びその速度特性に応じて反射原稿及び透過原稿による1ラインの読取周期と、それによる露光ランプの駆動時間との関係を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態による他の態様において、反射原稿と透過原稿との速度特性の関係、及びその速度特性に応じて反射原稿及び透過原稿による1ラインの読取周期と、それによる露光ランプの駆動時間との関係を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形成を説明するための画像読取装置であるスキャナの透過原稿の読取走査領域部分を示す構成図である。
【図11】本発明にかかる画像読取装置の実施形態による他の利点による構成を説明するための構成図である。
【符号の説明】
1 スキャナ(画像読取装置)
2 原稿カバー
3 原稿台
5 反射原稿
6 透過原稿
7 反射原稿のホワイトバランス板
8 透過原稿のホワイトバランス板
9 走査光学系
10 読取ユニット
11 CCD
12 結像レンズ
15 連結手段
16 連結棒
18 圧縮スプリング
19 係止突起
20 ストッパ
21a 反射ミラー(反射部材)
22 拡散板
23 反射ミラー(反射部材)
23a 反射ミラー(反射部材)
25 点灯制御回路
26 反射板
27 光量センサ
90 露光ランプ
91 反射ミラー(走査光学系)
94 第1走査部材
95 第2走査部材
94a ランプキャリッジ
94b ミラーキャリッジ

Claims (6)

  1. 透明な原稿台上に載置された原稿を、上部より原稿台へと押圧するために開閉可能に設けられた原稿カバーを備え、上記原稿台上の原稿の画像を光学的に走査し、読取素子に結像することで、画像を読取るようにしてなる画像読取装置において、
    上記原稿台に反射原稿を載置する領域と透過原稿を載置する領域を設け、
    上記原稿カバーにおける、上記原稿台に載置される透過原稿と対応した位置に拡散板を設け、
    上記反射原稿の読取走査時に、上記原稿の画像を読取走査するための走査光学系を上記原稿台に沿って一定速度で走査し、
    透過原稿の領域を走査する時に、上記走査光学系側に設けられた露光ランプを停止させ、該露光ランプからの光を上記拡散板に入射させる反射部材を上記原稿カバー側に配置してなり、上記拡散板に入射した光を透過原稿の背面より照射できるようにし、
    上記走査光学系による透過原稿の読取走査時に、その走査速度を、走査方向に徐々に遅くするように制御したことを特徴とする画像読取装置。
  2. 透明な原稿台上に載置された原稿を、上部より原稿台へと押圧するために開閉可能に設けられた原稿カバーを備え、上記原稿台上の原稿の画像を光学的に走査し、読取素子に結像することで、画像を読取るようにしてなる画像読取装置において、
    上記原稿台に反射原稿を載置する領域と透過原稿を載置する領域を設け、
    上記原稿カバーにおける、上記原稿台に載置される透過原稿と対応した位置に拡散板を設け、
    上記反射原稿の読取走査時に、上記原稿の画像を読取走査するための走査光学系を上記原稿台に沿って一定速度で走査し、
    透過原稿の領域を走査する時に、上記走査光学系側に設けられた露光ランプを停止させ、該露光ランプからの光を上記拡散板に入射させる反射部材を上記原稿カバー側に配置してなり、上記拡散板に入射した光を透過原稿の背面より照射できるようにし、
    上記走査光学系による透過原稿の読取走査時に、その走査速度を、上記反射原稿を走査する時の走査速度より遅く制御し、遅く制御したことによる上記読取素子への光の蓄積時間を上記反射原稿による蓄積時間より長く設定したことを特徴とする画像読取装置。
  3. 上記透過原稿の読取走査に伴って、露光ランプの輝度を上げるために、供給電流を多くするか、2本の露光ランプを設け、該2本の露光ランプを点灯制御するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像読取装置。
  4. 上記請求項1記載の画像読取装置において、走査光学系の走査速度を徐々に遅くするに従って、読取素子への透過原稿からの光像の蓄積時間を徐々に長く制御するようにしたことを特徴とする画像読取装置。
  5. 透明な原稿台上に載置された原稿を、上部より原稿台へと押圧するために開閉可能に設けられた原稿カバーを備え、上記原稿台上の原稿の画像を光学的に走査して読取素子へと結像することで読取るようにしてなる画像読取装置において、
    上記原稿台に反射原稿を載置する領域と透過原稿を載置する領域を設け、
    上記原稿カバーにおける、上記原稿台に載置される透過原稿と対応した位置に拡散板を設け、
    上記反射原稿の読取走査時に、上記原稿の画像を読取走査するための走査光学系を上記原稿台に沿って一定速度で走査し、
    透過原稿の領域を走査する時に、上記走査光学系側に設けられた露光ランプを停止させ、該露光ランプからの光を上記拡散板に入射させる反射部材を上記原稿カバー側に配置してなり、上記拡散板に入射した光を透過原稿の背面より照射できるようにし、
    上記拡散板に透過原稿の走査方向に沿って徐々に反射率が高くなる反射板を設けたことを特徴とする画像読取装置。
  6. 上記透過原稿の走査開始部分と走査終了部分での読取走査における光量を検出し、その検出結果に応じて走査光学系による透過原稿の走査速度を制御するようにしたことを特徴とする請求項1又は5記載の画像読取装置。
JP13214999A 1999-05-13 1999-05-13 画像読取装置 Expired - Fee Related JP3634188B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13214999A JP3634188B2 (ja) 1999-05-13 1999-05-13 画像読取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13214999A JP3634188B2 (ja) 1999-05-13 1999-05-13 画像読取装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000324306A JP2000324306A (ja) 2000-11-24
JP3634188B2 true JP3634188B2 (ja) 2005-03-30

Family

ID=15074513

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13214999A Expired - Fee Related JP3634188B2 (ja) 1999-05-13 1999-05-13 画像読取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3634188B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000324306A (ja) 2000-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10290321A (ja) 画像読取装置および透過原稿アダプタ
US7355764B2 (en) Image reading system
US6972877B1 (en) Image reading apparatus
US6891645B1 (en) Image reading apparatus and image reading method
JP3634188B2 (ja) 画像読取装置
JP2002142087A (ja) ランプ強度監視機能を備えた多重解像度スキャナ
US5946539A (en) Image forming apparatus having a reference position preventing blockage of an optical path
JP3393178B2 (ja) 画像読取装置
JP2003037712A (ja) 画像読取装置
JP2003037713A (ja) 画像読取装置
JP3183997B2 (ja) 画像読取装置
JP2007214944A (ja) 画像形成装置
JPH10145554A (ja) 画像読取装置の投影装置
JP3022684B2 (ja) 画像読取装置
JP3182912B2 (ja) 画像読取装置
JP2008085394A (ja) 画像読取装置
JP2791713B2 (ja) 画像読取装置
JPH0678110A (ja) 白基準板検出方法
JP2007281665A (ja) 画像読取装置および複合機
JP2000078361A (ja) 画像読み取り装置
JP2011120182A (ja) 画像読取装置
JP2002044384A (ja) 画像読み取り装置
JPH08237439A (ja) 原稿照明装置
JP2003244408A (ja) 画像読み取り装置
JP2004336425A (ja) 画像読取装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041020

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20041020

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080107

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130107

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees