JP3548078B2 - 光ピックアップ装置、光ディスク再生装置及び光ピックアップ制御方法 - Google Patents
光ピックアップ装置、光ディスク再生装置及び光ピックアップ制御方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置、光ディスク再生装置、光ピックアップ制御方法であって、特に、記録媒体上へ偏光を集光する光ピックアップ装置、この光ピックアップ装置を備える光ディスク再生装置及び記録媒体上へ偏光を集光する光ピックアップ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光磁気ディスクへの情報記録の高密度化が図られている。このような高密度な光磁気記録には、高NAレンズを用いて光磁気ディスク上に集光する偏光ビームのスポット径を小さくすることができる光ピックアップ装置を用いる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、NA>0.8の高NAレンズを用いる光ピックアップ装置では、偏光ビームのビームスポット形状が真円ではなく偏光方向を長軸とする楕円形状となることが顕著である。楕円形状の偏光ビームを光磁気ディスク上に集光するとSN比が劣化するが、光磁気ディスクの傾き(ディスクチルト)があると、偏光ビームのビームスポット形状が更に楕円形状となり、一層SN比の劣化が生じる場合がある。
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、高NAレンズを用いて集光された偏光ビームのスポット形状の真円度を向上させ、高品位な光ディスク再生を可能とすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ピックアップ装置は、記録媒体上へ偏光を集光する光ピックアップ装置であって、前記記録媒体の傾き方向を検出するチルト検出手段と、前記記録媒体の傾き方向に基づいて前記偏光の偏光方向に垂直な方向が前記傾き方向に近づくように前記偏光方向を設定する設定手段とを備える。
【0007】
本発明の光ピックアップ装置では、前記設定手段は、前記偏光方向に垂直な方向が前記傾き方向に近づくように前記偏光方向を設定することが好適である。設定手段で、偏光方向に垂直な方向が傾き方向に近づくように偏光方向を設定することで、偏光のスポット形状における楕円の短軸方向が記録媒体の傾き方向に近づき、楕円の短軸方向の長さが記録媒体の傾き方向の射影分だけ長くなる。この結果、偏光のスポットの短軸方向の長さが長くなり、偏光のスポット形状の真円度が向上する。
【0008】
また、これらの各態様の光ピックアップ装置では、前記設定手段は、前記記録媒体がディスクであるときに前記偏光方向を前記ディスクの半径方向または円周方向に切り換えることが好適である。ディスクの傾き方向が半径方向又は円周方向である場合、偏光方向をディスクの円周方向または半径方向に切り換えることで、偏光のスポット形状における楕円の短軸方向がディスクの傾き方向と一致し、楕円の短軸方向の長さがディスクの傾き方向の射影分だけ長くなる。この結果、偏光のスポットの短軸方向の長さが長くなり、偏光のスポット形状の真円度が向上する。また、この態様の光ピックアップ装置では、前記設定手段は、電磁気的に前記偏光方向を切り換える手段であったり、1/2波長板を有する手段であったり、TN型液晶を有する手段であることが好適である。
【0009】
また、本発明の光ディスク再生装置は、本発明の各態様の光ピックアップ装置を備える。
【0010】
本発明の光ディスク再生装置では、光ピックアップ装置が偏光を良好なスポット形状で記録媒体上に集光することができるので、SN比の良い光ディスク再生が可能である。なお、光ディスクとは、偏光を使用し再生を行なうことが可能なディスクであって、光磁気ディスクなどを含む。
【0011】
本発明の光ピックアップ制御方法は、記録媒体上へ偏光を集光する光ピックアップを制御する光ピックアップ制御方法であって、前記記録媒体の傾き方向に基づいて前記偏光の偏光方向に垂直な方向が前記傾き方向に近づくように前記偏光方向を設定するステップを含む。
【0012】
本発明の光ピックアップ制御方法は、記録媒体上へ集光する偏光のスポット形状は偏光方向を長軸とする楕円形状になり、記録媒体に傾きがあるとき、その傾き方向の射影分だけ偏光のスポット形状が傾き方向に長くなることを利用して偏光スポット形状の真円度を向上することができる。即ち、設定ステップで記録媒体の傾き方向に基づいて偏光の偏光方向を設定することで、記録媒体上へ集光する偏光のスポット形状の真円度を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0015】
図1は本実施形態の光磁気ディスク再生装置に用いられる光ピックアップ装置100の構成を示す概略図である。光ピックアップ装置100は、レーザ光を放出するレーザダイオード10と、放出されたレーザ光を平行光線とするコリメータレンズ12と、コリメータレンズ12からのレーザ光と光磁気ディスク150からの反射光とを分離するビームスプリッタ16と、ビームスプリッタ16からのレーザ光を偏光させる1/2波長板18と、1/2波長板18を制御する制御装置30と、1/2波長板18を通ったレーザ光を光磁気ディスク150上に集光する対物レンズ20と、光磁気ディスク150の傾き角度(以下、チルト角という)及び傾き方向(以下、チルト方向という)を検出するチルト角センサ22と、を備える。
【0016】
制御装置30は、チルト角センサ22で検出されたチルト角に基づいてレーザ光の偏光方向を決定する偏光方向判定手段32と、決定された偏光方向に基づいて制御電圧を発生する制御電圧発生回路34と、制御電圧に基づいて1/2波長板アクチュエータの駆動電流を発生する駆動回路36と、駆動回路36からの駆動電流によって駆動する波長板アクチュエータ38と、を備え、このアクチュエータ38で1/2波長板18を回転させる。
【0017】
次に光ピックアップ装置100の動作を説明する。図2は、光ピックアップ装置100の光ピックアップ制御方法を示すフローチャートである。
【0018】
レーザダイオード10から放出されたレーザ光は、1/2波長板18によってあらかじめ設定された方向に偏光され、対物レンズ20で光磁気ディスク150上に集光される。一方、チルト角センサ22は光磁気ディスク150のチルト角及びチルト方向を検出し(ステップS10)、この検出されたチルト角及びチルト方向のデータは偏光方向判定手段32へ送出される。
【0019】
偏光方向判定手段32は、チルト角及びチルト方向に対する最適な偏光方向をあらかじめテーブルデータとして備えており、このテーブルデータに基づいて偏光方向が決定される(ステップS12)。図3は、光磁気ディスク150の円周方向のチルト角と、光磁気ディスク150に入射する偏光された波長413nmのレーザ光のアスペクト比(ビームの半径方向の直径に対する円周方向の直径の割合)と、このアスペクト比を改善するためのレーザ光の偏光方向を示す表である。チルト角センサ22で検出されたチルト角が円周方向に3[mrad]のとき、円周方向に偏光させたレーザ光を集光するとアスペクト比は1.22となるが、半径方向に偏光させたレーザ光を集光するとアスペクト比は0.98となる。アスペクト比が1に近いほど、ビーム形状は円形に近づくので、この場合、レーザ光の偏光方向を半径方向に決定する。即ち、光磁気ディスク150のチルト方向と、レーザ光の偏光方向に垂直な方向とが一致するようにレーザ光の偏光方向を決定する。
【0020】
次に、予め設定されている偏光方向と決定された偏光方向とが一致するか否かが偏光方向判定手段32で判定される(ステップS14)。あらかじめ設定されている偏光方向とステップS12で決定された偏光方向とが一致する場合、偏光方向を回転させる必要がないので、制御を終了する。一方、あらかじめ設定されている変更方向とステップS12で決定された偏光方向とが一致しない場合、偏光方向を回転させたほうがビームスポット形状を改善することができるので、制御電圧発生回路34は制御電圧を発生し、この制御電圧に応じて駆動回路36で駆動電流を発生させ、この駆動電流で波長板アクチュエータ38を駆動し、1/2波長板18を45度回転させ(ステップS16)、レーザ光の偏光方向を90度、つまり、円周方向から半径方向へ回転させ、制御を終了する。
【0021】
図4は、円周方向のチルト角が3[mrad]の光磁気ディスク150上に円周方向に偏光した波長413nmの偏光ビームをNA=0.9の高NAレンズで集光させたときのビームスポット強度の等しい領域を結んだ等高線図であり、図5は、1/2波長板18を回転させ、半径方向に偏光させたレーザ光を円周方向のチルト角が3mradの光磁気ディスク150上に波長413nmの偏光を集光したときのビームスポット強度の等しい領域を結んだ等高線図である。各図において、「高」はビーム強度が高い領域を示す等高線で、「中」はビーム強度が中程度の領域を示す等高線で、「低」はビーム強度が低い領域を示す等高線である。図4及び図5が示すように、円周方向へ傾いたディスク上に半径方向に偏光した偏光ビームを入射すると、ビーム形状が円形に近くなっている、即ち、真円度が向上していることがわかる。
【0022】
なお、半径方向へ傾いたディスクの場合、円周方向に偏光した偏光ビームを入射すると、ビーム形状の真円度が向上する。
【0023】
このように光ピックアップ装置100は、チルト角センサ22で検出されたチルト角及びチルト方向に基づいて、1/2波長板18を回転させ、光磁気ディスク150に入射するレーザ光の偏光方向を変えることで、レーザ光のビームスポット形状の真円度を向上することができ、光磁気ディスク再生装置におけるSN比を改善することができる。
【0024】
なお、図3が示しているように、円周方向のチルト角が3[mrad]を越えると、チルト角が大きすぎて、偏光ビームの偏光方向を変えてもビームスポットは円形にすることができない。したがって、光ピックアップ装置100では、円周方向のチルト角が3[mrad]以下である場合、特に真円度の向上が期待できる。
【0025】
また、光ピックアップ装置100では、レーザ光の偏光方向を90度回転させるために1/2波長板を用いたが、1/2波長板に変えてTN型液晶を用いてもよい。図6は、第二の実施形態の光ピックアップ装置200の構成を示す概略図である。光ピックアップ装置200は、光ピックアップ装置100における1/2波長板18がTN(ツイスト・ネマティック)型液晶218に代替され、駆動回路36及び波長板アクチュエータ38を備えない構成となっている。TN型液晶218は制御電圧発生回路34によって電圧を印加しない場合は透過した光の偏光方向が90度反転するが、電圧を印加する場合は偏光方向を変えない性質を備えている。そのため、TN型液晶218を1/2波長板18に替えても、ビームスポット形状の真円度を向上することができる。
【0026】
このように、光磁気ディスクのチルト角及びチルト方向に基づいて、偏光の偏光方向を設定することで、偏光の光磁気ディスク上でのスポット形状の真円度を向上することができる。
【0027】
なお、各実施形態では、光磁気ディスクのチルト角及びチルト方向を検出したが、チルト方向のみの検出でもよい。チルト方向を検出することができれば、偏光方向に垂直な方向をチルト方向と一致させるように偏光方向を設定すれば、偏光ビームのスポット形状の真円度を向上させることが可能である。
【0028】
また、レーザ光の偏光方向の回転は90度に限定したものではなく、楕円形状である偏光ビームのスポット形状を改善する程度の角度でもよい。例えば、偏光方向を30度程度回転させても、偏光ビームのスポット形状の真円度を向上させることができる。
【0029】
レーザ光の偏光を回転する装置として、1/2波長板やTN型液晶以外に、電界又は磁界をレーザ光に加えることでレーザ光の偏光方向を回転させることができる電磁気的な手段でレーザ光の偏光を回転させてもよい。
【0030】
なお、各実施形態では、光磁気ディスクのチルト角に応じてレーザ光の偏光方向を回転させたが、あらかじめ光磁気ディスクのチルト方向が既知であれば、そのチルト方向に応じてレーザ光の偏光方向を固定的に設定しておいていてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明の光ピックアップ装置は、記録媒体の傾き方向に基づいて、前記偏光の偏光方向を設定する設定手段を備えるので、偏光されたビームのビームスポット形状を改善し、高品位な光ディスク再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ピックアップ装置100の構成を示す概略図である。
【図2】光ピックアップ制御方法を示すフローチャートである。
【図3】光磁気ディスク150のチルト量とレーザ光のアスペクト比との関係を示す表である。
【図4】円周方向のチルト角が3mradの光磁気ディスク150上に、ディスクの円周方向に偏光したビームをNA=0.9の高NAレンズで集光させたときのビームスポット強度の等しい領域を結んだ等高線図である。
【図5】1/2波長板18を回転させ、半径方向に偏光させたレーザ光を光磁気ディスク150上に集光したときのビームスポット強度の等しい領域を結んだ等高線図である。
【図6】光ピックアップ装置200の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
18 1/2波長板、22 チルト角センサ、100,200 光ピックアップ装置、150 光磁気ディスク、218 TN型液晶。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置、光ディスク再生装置、光ピックアップ制御方法であって、特に、記録媒体上へ偏光を集光する光ピックアップ装置、この光ピックアップ装置を備える光ディスク再生装置及び記録媒体上へ偏光を集光する光ピックアップ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光磁気ディスクへの情報記録の高密度化が図られている。このような高密度な光磁気記録には、高NAレンズを用いて光磁気ディスク上に集光する偏光ビームのスポット径を小さくすることができる光ピックアップ装置を用いる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、NA>0.8の高NAレンズを用いる光ピックアップ装置では、偏光ビームのビームスポット形状が真円ではなく偏光方向を長軸とする楕円形状となることが顕著である。楕円形状の偏光ビームを光磁気ディスク上に集光するとSN比が劣化するが、光磁気ディスクの傾き(ディスクチルト)があると、偏光ビームのビームスポット形状が更に楕円形状となり、一層SN比の劣化が生じる場合がある。
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、高NAレンズを用いて集光された偏光ビームのスポット形状の真円度を向上させ、高品位な光ディスク再生を可能とすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ピックアップ装置は、記録媒体上へ偏光を集光する光ピックアップ装置であって、前記記録媒体の傾き方向を検出するチルト検出手段と、前記記録媒体の傾き方向に基づいて前記偏光の偏光方向に垂直な方向が前記傾き方向に近づくように前記偏光方向を設定する設定手段とを備える。
【0007】
本発明の光ピックアップ装置では、前記設定手段は、前記偏光方向に垂直な方向が前記傾き方向に近づくように前記偏光方向を設定することが好適である。設定手段で、偏光方向に垂直な方向が傾き方向に近づくように偏光方向を設定することで、偏光のスポット形状における楕円の短軸方向が記録媒体の傾き方向に近づき、楕円の短軸方向の長さが記録媒体の傾き方向の射影分だけ長くなる。この結果、偏光のスポットの短軸方向の長さが長くなり、偏光のスポット形状の真円度が向上する。
【0008】
また、これらの各態様の光ピックアップ装置では、前記設定手段は、前記記録媒体がディスクであるときに前記偏光方向を前記ディスクの半径方向または円周方向に切り換えることが好適である。ディスクの傾き方向が半径方向又は円周方向である場合、偏光方向をディスクの円周方向または半径方向に切り換えることで、偏光のスポット形状における楕円の短軸方向がディスクの傾き方向と一致し、楕円の短軸方向の長さがディスクの傾き方向の射影分だけ長くなる。この結果、偏光のスポットの短軸方向の長さが長くなり、偏光のスポット形状の真円度が向上する。また、この態様の光ピックアップ装置では、前記設定手段は、電磁気的に前記偏光方向を切り換える手段であったり、1/2波長板を有する手段であったり、TN型液晶を有する手段であることが好適である。
【0009】
また、本発明の光ディスク再生装置は、本発明の各態様の光ピックアップ装置を備える。
【0010】
本発明の光ディスク再生装置では、光ピックアップ装置が偏光を良好なスポット形状で記録媒体上に集光することができるので、SN比の良い光ディスク再生が可能である。なお、光ディスクとは、偏光を使用し再生を行なうことが可能なディスクであって、光磁気ディスクなどを含む。
【0011】
本発明の光ピックアップ制御方法は、記録媒体上へ偏光を集光する光ピックアップを制御する光ピックアップ制御方法であって、前記記録媒体の傾き方向に基づいて前記偏光の偏光方向に垂直な方向が前記傾き方向に近づくように前記偏光方向を設定するステップを含む。
【0012】
本発明の光ピックアップ制御方法は、記録媒体上へ集光する偏光のスポット形状は偏光方向を長軸とする楕円形状になり、記録媒体に傾きがあるとき、その傾き方向の射影分だけ偏光のスポット形状が傾き方向に長くなることを利用して偏光スポット形状の真円度を向上することができる。即ち、設定ステップで記録媒体の傾き方向に基づいて偏光の偏光方向を設定することで、記録媒体上へ集光する偏光のスポット形状の真円度を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0015】
図1は本実施形態の光磁気ディスク再生装置に用いられる光ピックアップ装置100の構成を示す概略図である。光ピックアップ装置100は、レーザ光を放出するレーザダイオード10と、放出されたレーザ光を平行光線とするコリメータレンズ12と、コリメータレンズ12からのレーザ光と光磁気ディスク150からの反射光とを分離するビームスプリッタ16と、ビームスプリッタ16からのレーザ光を偏光させる1/2波長板18と、1/2波長板18を制御する制御装置30と、1/2波長板18を通ったレーザ光を光磁気ディスク150上に集光する対物レンズ20と、光磁気ディスク150の傾き角度(以下、チルト角という)及び傾き方向(以下、チルト方向という)を検出するチルト角センサ22と、を備える。
【0016】
制御装置30は、チルト角センサ22で検出されたチルト角に基づいてレーザ光の偏光方向を決定する偏光方向判定手段32と、決定された偏光方向に基づいて制御電圧を発生する制御電圧発生回路34と、制御電圧に基づいて1/2波長板アクチュエータの駆動電流を発生する駆動回路36と、駆動回路36からの駆動電流によって駆動する波長板アクチュエータ38と、を備え、このアクチュエータ38で1/2波長板18を回転させる。
【0017】
次に光ピックアップ装置100の動作を説明する。図2は、光ピックアップ装置100の光ピックアップ制御方法を示すフローチャートである。
【0018】
レーザダイオード10から放出されたレーザ光は、1/2波長板18によってあらかじめ設定された方向に偏光され、対物レンズ20で光磁気ディスク150上に集光される。一方、チルト角センサ22は光磁気ディスク150のチルト角及びチルト方向を検出し(ステップS10)、この検出されたチルト角及びチルト方向のデータは偏光方向判定手段32へ送出される。
【0019】
偏光方向判定手段32は、チルト角及びチルト方向に対する最適な偏光方向をあらかじめテーブルデータとして備えており、このテーブルデータに基づいて偏光方向が決定される(ステップS12)。図3は、光磁気ディスク150の円周方向のチルト角と、光磁気ディスク150に入射する偏光された波長413nmのレーザ光のアスペクト比(ビームの半径方向の直径に対する円周方向の直径の割合)と、このアスペクト比を改善するためのレーザ光の偏光方向を示す表である。チルト角センサ22で検出されたチルト角が円周方向に3[mrad]のとき、円周方向に偏光させたレーザ光を集光するとアスペクト比は1.22となるが、半径方向に偏光させたレーザ光を集光するとアスペクト比は0.98となる。アスペクト比が1に近いほど、ビーム形状は円形に近づくので、この場合、レーザ光の偏光方向を半径方向に決定する。即ち、光磁気ディスク150のチルト方向と、レーザ光の偏光方向に垂直な方向とが一致するようにレーザ光の偏光方向を決定する。
【0020】
次に、予め設定されている偏光方向と決定された偏光方向とが一致するか否かが偏光方向判定手段32で判定される(ステップS14)。あらかじめ設定されている偏光方向とステップS12で決定された偏光方向とが一致する場合、偏光方向を回転させる必要がないので、制御を終了する。一方、あらかじめ設定されている変更方向とステップS12で決定された偏光方向とが一致しない場合、偏光方向を回転させたほうがビームスポット形状を改善することができるので、制御電圧発生回路34は制御電圧を発生し、この制御電圧に応じて駆動回路36で駆動電流を発生させ、この駆動電流で波長板アクチュエータ38を駆動し、1/2波長板18を45度回転させ(ステップS16)、レーザ光の偏光方向を90度、つまり、円周方向から半径方向へ回転させ、制御を終了する。
【0021】
図4は、円周方向のチルト角が3[mrad]の光磁気ディスク150上に円周方向に偏光した波長413nmの偏光ビームをNA=0.9の高NAレンズで集光させたときのビームスポット強度の等しい領域を結んだ等高線図であり、図5は、1/2波長板18を回転させ、半径方向に偏光させたレーザ光を円周方向のチルト角が3mradの光磁気ディスク150上に波長413nmの偏光を集光したときのビームスポット強度の等しい領域を結んだ等高線図である。各図において、「高」はビーム強度が高い領域を示す等高線で、「中」はビーム強度が中程度の領域を示す等高線で、「低」はビーム強度が低い領域を示す等高線である。図4及び図5が示すように、円周方向へ傾いたディスク上に半径方向に偏光した偏光ビームを入射すると、ビーム形状が円形に近くなっている、即ち、真円度が向上していることがわかる。
【0022】
なお、半径方向へ傾いたディスクの場合、円周方向に偏光した偏光ビームを入射すると、ビーム形状の真円度が向上する。
【0023】
このように光ピックアップ装置100は、チルト角センサ22で検出されたチルト角及びチルト方向に基づいて、1/2波長板18を回転させ、光磁気ディスク150に入射するレーザ光の偏光方向を変えることで、レーザ光のビームスポット形状の真円度を向上することができ、光磁気ディスク再生装置におけるSN比を改善することができる。
【0024】
なお、図3が示しているように、円周方向のチルト角が3[mrad]を越えると、チルト角が大きすぎて、偏光ビームの偏光方向を変えてもビームスポットは円形にすることができない。したがって、光ピックアップ装置100では、円周方向のチルト角が3[mrad]以下である場合、特に真円度の向上が期待できる。
【0025】
また、光ピックアップ装置100では、レーザ光の偏光方向を90度回転させるために1/2波長板を用いたが、1/2波長板に変えてTN型液晶を用いてもよい。図6は、第二の実施形態の光ピックアップ装置200の構成を示す概略図である。光ピックアップ装置200は、光ピックアップ装置100における1/2波長板18がTN(ツイスト・ネマティック)型液晶218に代替され、駆動回路36及び波長板アクチュエータ38を備えない構成となっている。TN型液晶218は制御電圧発生回路34によって電圧を印加しない場合は透過した光の偏光方向が90度反転するが、電圧を印加する場合は偏光方向を変えない性質を備えている。そのため、TN型液晶218を1/2波長板18に替えても、ビームスポット形状の真円度を向上することができる。
【0026】
このように、光磁気ディスクのチルト角及びチルト方向に基づいて、偏光の偏光方向を設定することで、偏光の光磁気ディスク上でのスポット形状の真円度を向上することができる。
【0027】
なお、各実施形態では、光磁気ディスクのチルト角及びチルト方向を検出したが、チルト方向のみの検出でもよい。チルト方向を検出することができれば、偏光方向に垂直な方向をチルト方向と一致させるように偏光方向を設定すれば、偏光ビームのスポット形状の真円度を向上させることが可能である。
【0028】
また、レーザ光の偏光方向の回転は90度に限定したものではなく、楕円形状である偏光ビームのスポット形状を改善する程度の角度でもよい。例えば、偏光方向を30度程度回転させても、偏光ビームのスポット形状の真円度を向上させることができる。
【0029】
レーザ光の偏光を回転する装置として、1/2波長板やTN型液晶以外に、電界又は磁界をレーザ光に加えることでレーザ光の偏光方向を回転させることができる電磁気的な手段でレーザ光の偏光を回転させてもよい。
【0030】
なお、各実施形態では、光磁気ディスクのチルト角に応じてレーザ光の偏光方向を回転させたが、あらかじめ光磁気ディスクのチルト方向が既知であれば、そのチルト方向に応じてレーザ光の偏光方向を固定的に設定しておいていてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明の光ピックアップ装置は、記録媒体の傾き方向に基づいて、前記偏光の偏光方向を設定する設定手段を備えるので、偏光されたビームのビームスポット形状を改善し、高品位な光ディスク再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ピックアップ装置100の構成を示す概略図である。
【図2】光ピックアップ制御方法を示すフローチャートである。
【図3】光磁気ディスク150のチルト量とレーザ光のアスペクト比との関係を示す表である。
【図4】円周方向のチルト角が3mradの光磁気ディスク150上に、ディスクの円周方向に偏光したビームをNA=0.9の高NAレンズで集光させたときのビームスポット強度の等しい領域を結んだ等高線図である。
【図5】1/2波長板18を回転させ、半径方向に偏光させたレーザ光を光磁気ディスク150上に集光したときのビームスポット強度の等しい領域を結んだ等高線図である。
【図6】光ピックアップ装置200の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
18 1/2波長板、22 チルト角センサ、100,200 光ピックアップ装置、150 光磁気ディスク、218 TN型液晶。
Claims (8)
- 記録媒体上へ偏光を集光する光ピックアップ装置であって、
前記記録媒体の傾き方向を検出するチルト検出手段と、
前記記録媒体の傾き方向に基づいて前記偏光の偏光方向に垂直な方向が前記傾き方向に近づくように前記偏光方向を設定する設定手段と、
を備える光ピックアップ装置。 - 前記設定手段は、前記記録媒体がディスクであるときに前記偏光方向を前記ディスクの半径方向または円周方向に切り換える請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記設定手段は、電磁気的に前記偏光方向を設定する請求項1〜2のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記設定手段は、1/2波長板を有する請求項1〜2のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記設定手段は、TN型液晶を有する請求項1〜2のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の光ピックアップ装置を備える光ディスク再生装置。
- 記録媒体上へ偏光を集光する光ピックアップを制御する光ピックアップ制御方法であって、
前記記録媒体の傾き方向に基づいて前記偏光の偏光方向に垂直な方向が前記傾き方向に近づくように前記偏光方向を設定するステップ
を含む光ピックアップ制御方法。 - 前記設定ステップは、前記記録媒体がディスクであるとき、前記偏光方向を前記ディスクの半径方向または円周方向に切り換える請求項7に記載の光ピックアップ制御方法。
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