JPH09306013A - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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Publication number
JPH09306013A
JPH09306013A JP8123035A JP12303596A JPH09306013A JP H09306013 A JPH09306013 A JP H09306013A JP 8123035 A JP8123035 A JP 8123035A JP 12303596 A JP12303596 A JP 12303596A JP H09306013 A JPH09306013 A JP H09306013A
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JP
Japan
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polarized light
optical pickup
polarization
light
liquid crystal
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JP8123035A
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English (en)
Inventor
So Maruyama
創 丸山
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板厚の異なる記録媒体に対して、光の利用
効率を何ら低下させることなく、収差を有効に低減し
て、選択的に確実に記録および/または再生を行い得る
光ピックアップを提供する。 【解決手段】 記録媒体41に対して情報を光学的に記録
および/または再生する光ピックアップにおいて、偏光
を射出する光源手段31と、この光源手段31から射出され
た偏光の状態を、ネマティック液晶のTN効果を用いて
選択的に90°変換する偏光切り換え手段(36,37) と、
この偏光切り換え手段(36,37) を経た偏光を、その偏光
状態に応じて、中央部と周辺部とで位相を異ならせる位
相調整手段38と、この位相調整手段38を経た偏光を記録
媒体41に照射する集光手段40とを有することを特徴とす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、基板厚が異なる
記録媒体に情報を光学的に記録したり、あるいはこのよ
うな記録媒体に記録されている情報を光学的に再生する
のに用いる光ピックアップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】かかる光ピックアップとして、例えば、
特開平8−45105号公報には、対物レンズとして、
基板厚0.6mmの光ディスクに対して、球面収差が小
さくなるように設計されたもの(開口数0.6)を用
い、基板厚0.6mmの光ディスクを再生する場合に
は、対物レンズの開口数を0.6とし、基板厚1.2m
mの光ディスクを再生する場合には、可動開口制限板や
液晶可変開口板を有する選択的開口変化手段により、対
物レンズの開口数を0.45に制御することにより、球
面収差を低減するようにしたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平8−45105号公報に開示された光ピックアッ
プにあっては、光ディスクの基板厚に応じて対物レンズ
の開口数を制御するようにしているため、開口数を小さ
くして、基板厚の厚い光ディスクに対して情報の記録あ
るいは再生を行う場合には、光の利用効率が低下して再
生信号のSN比が低くなると共に、記録においては、所
望の記録パワーを得ることが困難になるという問題があ
る。
【0004】この発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたもので、基板厚の異なる記録媒体に対し
て、光の利用効率を何ら低下させることなく、収差を有
効に低減して、選択的に確実に記録および/または再生
を行い得るよう適切に構成した光ピックアップを提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、記録媒体に対して情報を光学的に記録
および/または再生する光ピックアップにおいて、偏光
を射出する光源手段と、この光源手段から射出された偏
光の状態を、ネマティック液晶のTN効果を用いて選択
的に90°変換する偏光切り換え手段と、この偏光切り
換え手段を経た偏光を、その偏光状態に応じて、中央部
と周辺部とで位相を異ならせる位相調整手段と、この位
相調整手段を経た偏光を前記記録媒体に照射する集光手
段とを有することを特徴とするものである。
【0006】前記位相調整手段は、周辺部に、入射光の
偏光方向によって屈折率が異なる複屈折性部材を有する
平板状に構成するのが、安価に構成する点で好ましい。
【0007】前記位相調整手段は、入射光の偏光方向に
よって屈折率が異なる凸面状の複屈折性部材と、凹面状
の等方性部材とを貼り合わせて平板状に構成するのが、
球面収差をより小さくする点で好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1〜図5は、この発明の原理を
説明するための図である。図1および図2に示すよう
に、偏光切り換え手段1は、二枚の透明電極板2,3間
に、誘電異方性が正のネマティック液晶4を数μm〜数
百μmの厚さにサンドイッチし、その分子配向を二枚の
透明電極板2,3間で90°連続的に捩じらせて作製し
たTN配列セル5と、このTN配列セル5の透明電極板
2,3間に接続したスイッチ6、電源7および可変抵抗
8の直列回路を有する。
【0009】TN配列セル5は、光源手段からの例えば
入射直線偏光9の偏光面を、印加電圧によって選択的に
90°回転させて出射させるTN効果を有する。すなわ
ち、図1に示すように、スイッチ6をオフとして、印加
電圧を閾値V0 (V)未満(この場合は、0V)にする
と、ネマティック液晶4は、二枚の透明電極板2,3間
で90°連続的に捩じれた分子配向を維持し、入射直線
偏光9を、その偏光面を90°回転して、直線偏光10
として出射させる。これに対して、図2に示すように、
スイッチ6をオンとして、閾値V0 (V)を超える電圧
を印加すると、ネマティック液晶4は、その分子配向が
電場方向に傾いて90°の旋光性を消失し、入射直線偏
光9を、その偏光面を回転させることなく出射させる。
【0010】TN配列セル5を経た偏光は、例えば、図
3に示すように、平行光束として位相調整手段11を経
て集光手段12に入射させて、記録媒体13に集光させ
る。位相調整手段11は、例えば、屈折率がn1 のガラ
ス等の等方性部材からなる中央部11aと、水晶、ルチ
ル、LiNbO3 、BBO(BaBO3 )等の複屈折性
を有する結晶からなる周辺部11bとを有する平板状に
形成する。ここで、周辺部11bは、ある偏光(例え
ば、図1,図2に示す直線偏光9)に対しては、ne
屈折率を有し、それと直交する方向の偏光(例えば、図
1に示す直線偏光10)に対しては、no の屈折率を有
する(ただし、no <n1 <ne )。また、集光手段1
2は、通常の集光レンズを用いる。
【0011】図4は、図3に示す位相調整手段11およ
び集光手段12を有する無限光学系によって、偏光を記
録媒体13上に合焦状態で集光させた場合の球面収差を
示すもので、横軸は球面収差を、縦軸は光線高をそれぞ
れ示す。図4において、曲線15は、位相調整手段11
の周辺部11bの屈折率がno となる偏光の場合の球面
収差を示し、曲線16は、周辺部11bの屈折率がne
となる偏光の場合の球面収差を示す。また、曲線17
は、位相調整手段11の屈折率を、一様にn1 とした場
合の球面収差を示す。なお、球面収差以外の収差は、微
小であるのでゼロとする。
【0012】図4から明らかなように、位相調整手段1
1に入射させる偏光を、TN配列セル5によって直線偏
光10とすると、周辺部11bはno の屈折率をもつの
で、該周辺部11bに入射する光束は、中央部11aに
入射する光束よりも位相が進み、記録媒体13上の収差
は、曲線15に示すように、−側にシフトすることにな
る。これに対して、位相調整手段11に直線偏光9を入
射させると、周辺部11bはne の屈折率をもつので、
該周辺部11bに入射する光束は、中央部11aに入射
する光束よりも位相が遅れ、記録媒体13上の収差は、
曲線16に示すように、+側にシフトすることになる。
【0013】したがって、集光手段12として、例え
ば、図5に示すように、基板厚が薄い記録媒体(例え
ば、カバーガラス厚さが0.6mmのDVD用ディス
ク)に合焦させた場合には曲線21で示す収差を有し、
基板厚が厚い記録媒体(例えば、カバーガラス厚さが
1.2mmのCD用ディスク)に合焦させた場合には曲
線22で示す収差を有する集光レンズを用い、位相調整
手段11および集光手段12を経て記録媒体13に入射
させる偏光を、記録媒体13の基板厚に応じて偏光切り
換え手段1により制御して、すなわち基板厚が薄い場合
には直線偏光9とし、基板厚が厚い場合には直線偏光1
0とすれば、光の利用効率を何ら低下させることなく、
それぞれの記録媒体上の収差を、曲線23および曲線2
4で示すように、全体的に低減して、選択的に記録/再
生を行うことが可能となる。
【0014】
【実施例】図6は、この発明の第1実施例を示すもので
ある。この実施例では、半導体レーザ31から放射され
る直線偏光を、コリメータレンズ32により平行ビーム
に変換し、その平行ビームをビーム整形プリズム33に
より断面ほぼ円形のビームに整形して、偏光ビームスプ
リッタ34に直線偏光35(この直線偏光35は、偏光
ビームスプリッタ34に対してP偏光とする)で入射さ
せる。偏光ビームスプリッタ34は、例えば、P偏光の
透過率が80%、反射率が20%となるように構成し、
この偏光ビームスプリッタ34を透過した直線偏光を、
ネマティック液晶を有するTN配列セル36に入射させ
る。
【0015】TN配列セル36は、液晶制御回路37に
より印加電圧を制御するようにし、これにより入射直線
偏光の偏光面を選択的に90°回転させて出射させる。
このTN配列セル36を出射した直線偏光は、位相調整
部材38、立ち上げミラー39および対物レンズ40を
経て記録媒体(光ディスク)41に照射する。
【0016】位相調整部材38は、図3において説明し
たと同様に構成する。すなわち、図7AおよびBに正面
図および断面図をもそれぞれ示すように、屈折率がn1
のガラス等の等方性部材からなる中央部38aと、水
晶、ルチル、LiNbO3 、BBO(BaBO3 )等の
複屈折性を有する結晶からなる周辺部11bとを有する
平板状に形成して、周辺部11bにおいて、ある偏光
(この実施例ではP偏光35)に対しては、ne の屈折
率を持たせ、それと直交する方向の偏光(S偏光とす
る)に対しては、no の屈折率を持たせるようにする。
ただし、no <n1 <ne とする。
【0017】また、対物レンズ40は、基板厚T1 の薄
い光ディスク41に合焦させた場合には、図8に曲線4
5で示す球面収差を有し、基板厚T2 の厚い光ディスク
41に合焦させた場合には、図8に曲線46で示す球面
収差を有するものを用いる。この対物レンズ40は、光
ディスク41に対して、公知のように、図示しないフォ
ーカス駆動手段およびトラッキング駆動手段によりそれ
ぞれフォーカス方向およびトラッキング方向に変位可能
に光ピックアップ本体に支持する。
【0018】ディスク41で反射される戻り光は、対物
レンズ40、立ち上げミラー39、位相調整部材38お
よびTN配列セル36を経て偏光ビームスプリッタ34
に入射させ、ここで反射される戻り光を、集光レンズ5
1およびシリンドリカルレンズ52を経て光検出器53
で受光する。光検出器53は、例えば、4分割した受光
領域をもって構成し、それらの出力に基づいて、図示し
ない信号処理回路において、再生信号、プッシュプル法
によるトラッキングエラー信号および非点収差法による
フォーカスエラー信号を検出するようにする。
【0019】この実施例は、基板厚T1 のDVDや基板
厚T2 のCD等の異なる厚さの光ディスク41に対し
て、選択的に情報の記録または再生を行うもので、基板
厚T2の光ディスク41の場合には、図9に詳細に示す
ように、液晶制御回路37によるTN配列セル36への
印加電圧を0(V)として、偏光ビームスプリッタ34
を透過したP偏光35を、TN配列セル36で偏光面を
90°回転させてS偏光55として、位相調整部材38
を経て対物レンズ40により集光させる。また、基板厚
1 の光ディスク41の場合には、図10に詳細に示す
ように、液晶制御回路37によるTN配列セル36への
印加電圧を、閾値V0 (V)よりも高いV 1 (V)とし
て、偏光ビームスプリッタ34を透過したP偏光35
を、TN配列セル36で偏光面を回転させることなく透
過させて、位相調整部材38を経て対物レンズ40によ
り集光させる。なお、図9および図10では、立ち上げ
ミラー39の図示を省略してある。
【0020】このように、TN配列セル36により基板
厚に応じて選択的に偏光面を90°回転させると、位相
調整部材38の周辺部38bは、S偏光55のときは屈
折率がno となって、屈折率n1 の中央部38aよりも
位相が進み、P偏光35のときは屈折率がne となっ
て、中央部38aよりも位相が遅れる。したがって、図
11に示すように、位相調整部材38に矢印方向から入
射する波面57は、S偏光のときは、波面58で示すよ
うに周辺部の波面が−側にシフトし、P偏光のときは、
波面59で示すように周辺部の波面が+側にシフトして
出射されることになる。これにより、基板厚T1 の光デ
ィスク41上の合焦状態での球面収差は、図8に曲線6
1で示すように周辺部で+側にシフトし、基板厚T2
光ディスク41上の合焦状態での球面収差は、図8に曲
線62で示すように周辺部で−側にシフトして、それぞ
れ球面収差が低減される。
【0021】図12は、図6に示した光ピックアップを
装着した記録/再生装置の要部の構成を示すものであ
る。図12において、光ピックアップ本体65は、図6
において説明した各構成部品を収容するが、ここでは、
TN配列セル36、対物レンズ40、光検出器53、お
よびフォーカス駆動手段を構成するフォーカスコイル6
6のみを示し、その他の構成部品は図示を省略してあ
る。この光ピックアップ本体65は、ボイスコイルモー
タ等の移動手段67により、光ディスク41のトラック
を横切る方向に移動可能に、記録/再生装置に組み込ま
れる。
【0022】この記録/再生装置では、光ディスク41
の装着により、対物レンズ40をフォーカス方向に変位
させ、その際のフォーカスエラー信号に基づいて、装着
された光ディスク41が基板厚T1 のものか、T2 のも
のかを判別し、その判別結果に基づいて液晶制御回路3
7を介してTN配列セル36への印加電圧を制御する。
このため、記録/再生装置への光ディスク41の装着を
光ディスクセンサ71で検出し、その出力に基づいて、
光ピックアップにより光ディスク41に再生光を照射し
ながら、コントローラ72およびフォーカス駆動回路7
3を介してフォーカスコイル66に所要の電流を供給し
て、対物レンズ40をフォーカス方向に変位させる。な
お、この際のTN配列セル36への印加電圧は0(V)
として、対物レンズ40にS偏光を入射させる。
【0023】また、再生信号、フォーカスエラー信号お
よびトラッキングエラー信号を得るために、光ピックア
ップの光検出器53の出力を処理する信号処理回路74
から得られるフォーカスエラー信号(VF )は、比較回
路75に供給して、予め設定した基準信号(VF0)と比
較し、その比較結果に基づいて液晶制御回路37を介し
てTN配列セル36への印加電圧を制御するようにす
る。ここで、基準信号(VF0)は、対物レンズ40にS
偏光を入射させたとき、基板厚T2 の厚い光ディスクに
対して得られるフォーカスエラー信号(VF )のピーク
値よりも低く、かつ基板厚T1 の薄い光ディスクに対し
て得られるフォーカスエラー信号(VF )のピーク値よ
りも高い値に設定する。
【0024】以下、この記録/再生装置の動作につい
て、図13に示すフローチャートを参照しながら説明す
る。先ず、記録/再生装置への光ディスク41の挿入
後、光ディスクセンサ71により光ディスク41が所定
の位置に装着されたか否かを検出する。光ディスク41
が所定の位置に装着されたのが検出されたら、液晶制御
回路37によるTN配列セル36への印加電圧を0
(V)とした状態で、対物レンズ40を経て光ディスク
41にS偏光の再生光を照射しながら、コントローラ7
2によりフォーカス駆動回路73を制御して、フォーカ
スコイル66に所要の電流を供給し、対物レンズ40を
フォーカス方向に変位させる。この対物レンズ40のフ
ォーカス方向の変位によるフォーカスエラー信号
(VF )は、光検出器53の出力に基づいて信号処理回
路74で検出して、比較回路75で基準信号(VF0)と
比較する。
【0025】ここで、装着された光ディスク41が、基
板厚T2 の厚いものである場合には、信号処理回路74
から得られるフォーカスエラー信号(VF )のピーク値
は、基準信号(VF0)よりも高くなる。これに対し、装
着された光ディスク41が、基板厚T1 の薄いものであ
る場合には、収差の影響が大きくなり、光検出器53に
入射する戻り光は、スポットの中心部と周辺部とで合焦
位置が変わるため、信号処理回路74から得られるフォ
ーカスエラー信号(VF )のピーク値は、基準信号(V
F0)よりも低くなる。
【0026】比較回路75において、VF >VF0が検出
された場合には、装着された光ディスク41は、基板厚
2 の厚いものであるので、TN配列セル36への印加
電圧をそのまま、すなわち0(V)とし、その後、公知
のようにフォーカスサーチ、フォーカス引き込み、トラ
ッキングサーチ、トラッキング引き込みを行ってから、
記録または再生動作を実行する。これに対し、比較回路
75で、VF >VF0が検出されない場合には、装着され
た光ディスク41は、基板厚T1 の薄いものであるの
で、液晶制御回路37によりTN配列セル36への印加
電圧をV1 として、対物レンズ40を経て光ディスク4
1にP偏光を入射させて、その状態で同様に、フォーカ
スサーチ、フォーカス引き込み、トラッキングサーチ、
トラッキング引き込みを行ってから、記録または再生動
作を実行する。
【0027】以上のように、この実施例によれば、TN
配列セル36および位相調整部材38を用い、TN配列
セル36への印加電圧を制御する簡単な構成で、厚さの
異なる2種類の光ディスクに対して、光の利用効率を何
ら低下させることなく、球面収差を低減することができ
る。したがって、厚さの異なる2種類の光ディスクに対
して、選択的に確実に記録および/または再生動作を行
うことができる。
【0028】なお、上記の実施例では、偏光ビームスプ
リッタ34を、P偏光の透過率が80%、反射率が20
%となるように構成したが、これらP偏光の透過率およ
び反射率は適宜設定することができる。また、偏光ビー
ムスプリッタ34に代えて、入射する光を50%透過、
残りの50%を反射させるハーフミラーを用いることも
できる。このようにハーフミラーを用いれば、TN配列
セル36を、ハーフミラーの前段(半導体レーザ31と
ハーフミラーとの間)または後段(ハーフミラーと位相
調整部材38との間)の任意の光路中に配置することが
できるので、光学系の設計の自由度を向上できると共
に、偏光ビームスプリッタを用いる場合に比べて安価に
できる利点がある。
【0029】図14AおよびBは、この発明の第2実施
例の要部の構成を示す正面図および断面図である。この
実施例は、図6に示す光ピックアップにおいて、位相調
整部材として、入射光の偏光方向によって屈折率が異な
る、水晶、ルチル、LiNbO3 、BBO(BaB
3 )等の複屈折性部材からなる凸面部材81aと、ガ
ラス等の等方性部材からなる凹面部材81bとを、貼り
合わせて平板状に構成した位相調整部材81を用いたも
のである。ここで、凸面部材81aは、上述した実施例
と同様に、ある偏光(この実施例ではP偏光)に対して
はne の屈折率を有し、それと直交する方向の偏光(S
偏光)に対してはno の屈折率を有する。なお、凹面部
材81bの屈折率は、n1 とする(ただし、no <n1
<ne )。
【0030】図15は、この実施例による光ディスク上
での球面収差を説明するための図である。図15におい
て、曲線83は、位相調整部材81の屈折率を一様にn
1 としたときの基板厚T1 の薄い光ディスクに対する球
面収差を示し、曲線84は、同様に、位相調整部材81
の屈折率を一様にn1 としたときの基板厚T2 の厚い光
ディスクに対する球面収差を示す。
【0031】ここで、位相調整部材81は、図7に示し
たものと異なり、凸面部材81aの厚みが中央部で厚
く、周辺部で薄いので、屈折率がne となるP偏光で
は、相対的に中央部の位相が周辺部の位相よりも遅れる
ことになり、屈折率がno となるS偏光では、相対的に
中央部の位相が周辺部の位相よりも進むことになる。し
たがって、図16に示すように、位相調整部材81に矢
印方向から入射する波面57は、S偏光のときは、波面
58で示すように波面が−側にシフトし、P偏光のとき
は、波面59で示すように波面が+側にシフトして出射
されることになる。
【0032】そこで、この実施例では、第1実施例とは
異なり、基板厚T1 の薄い光ディスクの場合には、図6
において、液晶制御回路37によるTN配列セル36へ
の印加電圧を0(V)として、偏光ビームスプリッタ3
4を透過したP偏光35を、TN配列セル36で偏光面
を90°回転させてS偏光として、位相調整部材81を
経て対物レンズ40により集光させる。また、基板厚T
2 の厚い光ディスクの場合には、液晶制御回路37によ
るTN配列セル36への印加電圧を、閾値V0(V)よ
りも高いV1 (V)として、偏光ビームスプリッタ34
を透過したP偏光35を、TN配列セル36で偏光面を
回転させることなく透過させて、位相調整部材81を経
て対物レンズ40により集光させる。
【0033】このようにすれば、基板厚T1 の薄い光デ
ィスク上の合焦状態での球面収差は、図15に曲線85
で示すように全体的に+側にシフトし、基板厚T2 の厚
い光ディスク上の合焦状態での球面収差は、図15に曲
線86で示すように全体的に−側にシフトして、それぞ
れ球面収差が低減される。
【0034】この実施例によれば、第1実施例における
よりも球面収差を全体的に小さくすることができるの
で、厚さの異なる2種類の光ディスクに対して、選択的
により確実に記録および/または再生動作を行うことが
できる。
【0035】付記項 1.請求項1、2または3記載の光ピックアップにおい
て、前記偏光切り換え手段は、ネマティック液晶を有す
るTN配列セルと、このTN配列セルに印加する電圧を
制御する制御回路とを有することを特徴とする光ピック
アップ。 2.付記項1記載の光ピックアップにおいて、前記記録
媒体で反射される偏光の反射光を、前記集光手段を経て
受光する受光手段と、この受光手段の出力に基づいてフ
ォーカスエラー信号(VF )を検出する信号処理回路
と、この信号処理回路で検出したフォーカスエラー信号
(VF )と、予め設定した基準信号(VF0)とを比較す
る比較回路とを有し、この比較回路の出力に基づいて前
記制御回路による前記TN配列セルへの印加電圧を制御
するよう構成したことを特徴とする光ピックアップ。 3.付記項2記載の光ピックアップにおいて、前記制御
回路により、前記TN配列セルに偏光状態を90°変換
するための閾値(V0 )未満の電圧を印加して、前記フ
ォーカスエラー信号(VF )を検出するよう構成したこ
とを特徴とする光ピックアップ。 4.付記項2または3記載の光ピックアップにおいて、
前記光源手段と前記集光手段との間の光路中に、前記記
録媒体からの反射光を前記受光手段に向ける光路変更手
段を有することを特徴とする光ピックアップ。 5.付記項4記載の光ピックアップにおいて、前記光路
変更手段を、ハーフミラーをもって構成したことを特徴
とする光ピックアップ。 6.付記項4記載の光ピックアップにおいて、前記光路
変更手段を、偏光ビームスプリッタをもって構成し、こ
の偏光ビームスプリッタを前記光源手段と前記偏光切り
換え手段との間の光路中に配置して、前記記録媒体から
の反射光を、前記集光手段、位相調整手段および偏光切
り換え手段を経て、前記光路変更手段により前記受光手
段に向けるよう構成したことを特徴とする光ピックアッ
プ。
【0036】
【発明の効果】この発明によれば、記録媒体の基板厚に
応じて、偏光切り換え手段によりネマティック液晶のT
N効果を用いて選択的に90°変換し、この偏光切り換
え手段を経た偏光を、その偏光状態に応じて、中央部と
周辺部とで位相を異ならせる位相調整手段を経て集光手
段により記録媒体に照射するようにしたので、光の利用
効率を何ら低下させることなく、異なる基板厚の記録媒
体に対してそれぞれ収差を有効に低減することができ
る。したがって、異なる基板厚の記録媒体の各々に対し
て、記録および/または再生動作を確実に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光切り換え手段の作用を説明するための図で
ある。
【図2】同じく、偏光切り換え手段の作用を説明するた
めの図である。
【図3】位相調整手段の作用を説明するための図であ
る。
【図4】記録媒体上の球面収差を示す図である。
【図5】異なる基板厚の記録媒体上の球面収差をそれぞ
れ示す図である。
【図6】この発明の第1実施例を示す図である。
【図7】図6に示す位相調整部材の構成を示す図であ
る。
【図8】第1実施例による異なる基板厚の記録媒体上の
球面収差をそれぞれ示す図である。
【図9】第1実施例の作用を説明するための図である。
【図10】同じく、第1実施例の作用を説明するための
図である。
【図11】図6に示す位相調整部材の作用を説明するた
めの図である。
【図12】図6に示す光ピックアップを装着した記録/
再生装置の要部の構成を示す図である。
【図13】図12の動作を説明するためのフローチャー
トである。
【図14】この発明の第2実施例の要部の構成を示す図
である。
【図15】第2実施例による異なる基板厚の記録媒体上
の球面収差をそれぞれ示す図である。
【図16】図14に示す位相調整部材の作用を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 偏光切り換え手段 2,3 透明電極板 4 ネマティック液晶 5 TN配列セル 6 スイッチ 7 電源 8 可変抵抗 9,10 直線偏光 11 位相調整手段 11a 中央部 11b 周辺部 12 集光手段 13 記録媒体 31 半導体レーザ 32 コリメータレンズ 33 ビーム整形プリズム 34 偏光ビームスプリッタ 35 P偏光 36 TN配列セル 37 液晶制御回路 38 位相調整部材 38a 中央部 38b 周辺部 39 立ち上げミラー 40 対物レンズ 41 記録媒体(光ディスク) 51 集光レンズ 52 シリンドリカルレンズ 53 光検出器 55 S偏光 81 位相調整部材 81a 凸面部材 81b 凹面部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対して情報を光学的に記録お
    よび/または再生する光ピックアップにおいて、 偏光を射出する光源手段と、 この光源手段から射出された偏光の状態を、ネマティッ
    ク液晶のTN効果を用いて選択的に90°変換する偏光
    切り換え手段と、 この偏光切り換え手段を経た偏光を、その偏光状態に応
    じて、中央部と周辺部とで位相を異ならせる位相調整手
    段と、 この位相調整手段を経た偏光を前記記録媒体に照射する
    集光手段とを有することを特徴とする光ピックアップ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ピックアップにおい
    て、 前記位相調整手段は、周辺部に、入射光の偏光方向によ
    って屈折率が異なる複屈折性部材を有する平板状に構成
    したことを特徴とする光ピックアップ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光ピックアップにおい
    て、 前記位相調整手段は、入射光の偏光方向によって屈折率
    が異なる凸面状の複屈折性部材と、凹面状の等方性部材
    とを貼り合わせて平板状に構成したことを特徴とする光
    ピックアップ。
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